JPH10298509A - Loc用テ−プ - Google Patents

Loc用テ−プ

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JPH10298509A
JPH10298509A JP9104325A JP10432597A JPH10298509A JP H10298509 A JPH10298509 A JP H10298509A JP 9104325 A JP9104325 A JP 9104325A JP 10432597 A JP10432597 A JP 10432597A JP H10298509 A JPH10298509 A JP H10298509A
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JP
Japan
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polyimide film
loc
aromatic polyimide
tape
film
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Pending
Application number
JP9104325A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Inoue
浩 井上
Akinori Otani
明範 大谷
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP9104325A priority Critical patent/JPH10298509A/ja
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 打ち抜き性が良好で、寸法安定性の良好なL
OC用テ−プする。 【解決手段】 少なくとも15モル%のビフェニルテト
ラカルボン酸類、少なくとも5モル%を含むポリイミド
からなり、厚みが20−75μm、11−22kg/2
0mm/10μmの比端裂抵抗値を持ち、揮発物含有量
が0.4重量%以下の芳香族ポリイミドフィルムの両面
に接着剤を設け、短冊形にスリットしてなるLOC用テ
−プ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、少なくとも15
モル%のビフェニルテトラカルボン酸類を含むテトラカ
ルボン酸成分と、少なくとも5モル%のフェニレンジア
ミンを含む芳香族ジアミン成分との反応によって製造さ
れたポリイミドからなり、厚みが20〜80μmで、1
1〜22kg/20mm/10μmの比端裂抵抗値を持
ち、かつ残揮発物量が0.4重量%以下である打ち抜き
性の良好な芳香族ポリイミドフィルムの両面に接着剤層
を設けた接着剤付きポリイミドシ−トをスリットしてな
るLOC用テ−プに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリ−の記憶容量が増大するに
従い、DIP(デュアル・インライン・パッケ−ジ)か
らLOC(リ−ド・オン・チップ)方式にパッケ−ジが
変わってきている。LOC方式ではICチップの上にリ
−ドフレ−ムがあり、その間をLOC用テ−プ(接着剤
/絶縁テ−プ/接着剤の構成)で接着される。このLO
Cに使用される芳香族ポリイミドは、テトラカルボン酸
成分と芳香族ジアミン成分とから製造されるポリアミッ
ク酸を高温に加熱して脱水環化することにより得られる
耐熱性や機械的特性の優れたポリマ−である。しかしな
がら、LOC用テ−プに用いられる芳香族ポリイミドフ
ィルムには、更なる高精度化および高生産性の要求から
より高い打ち抜き性が要求される。
【0003】特開平6−334110号公報には、端裂
抵抗が50〜70kgf/20mmのポリイミドフィル
ムは打ち抜き性が優れていることを明らかにしている。
そして更に、そのポリイミドフィルムは何%程度の吸湿
性溶媒が残存していなければならない旨述べられてい
る。
【0004】LOCテ−プのような電子部品としての耐
熱性、電気絶縁性とともに機械的強度、特に引張弾性率
等への高い要求を考慮し、芳香族ポリイミドフィルムと
しては、テトラカルボン酸成分としてビフェニルテトラ
カルボン酸成分を含み、また芳香族ジアミン成分として
フェニレンジアミン成分を含むものが好ましい。またリ
−ドフレ−ムとLOC用テ−プを貼り合わせてLOCを
形成するためには、芳香族ポリイミドフィルムは、その
公知のポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、エポ
キシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤などの接着剤
に対して高い接着性を示す必要がある。
【0005】しかしながら本発明者の研究によると、上
記の特開平6−334110号公報に記載の技術は、テ
トラカルボン酸成分としてビフェニルテトラカルボン酸
成分を含むものを利用し、また芳香族ジアミン成分とし
てフェニレンジアミン成分を含むものを利用して製造す
る芳香族ポリイミドフィルムに対しては充分満足できる
特性を付与することができないことが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、基
板フィルムとして、打ち抜き性が良好でしかも接着性お
よび寸法安定性を保持した芳香族ポリイミドフィルムを
使用したLOC用テ−プを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、少なくとも
15モル%のビフェニルテトラカルボン酸もしくはその
二無水物またはエステルを含むテトラカルボン酸成分
と、少なくとも5モル%のフェニレンジアミンを含む芳
香族ジアミン成分との反応によって製造されたポリイミ
ドからなる、厚みが20〜80μmの芳香族ポリイミド
フィルムであって、該芳香族ポリイミドフィルムが11
〜22kg/20mm/10μmの比端裂抵抗値を持
ち、かつ残揮発物量が0.4重量%以下である芳香族ポ
リイミドフィルムの両面に接着剤層を設けた接着剤付き
ポリイミドシ−トをスリットしてなるLOC用テ−プに
関する。
【0008】この明細書において、端裂抵抗値(あるい
は比端裂抵抗値)はJIS C2318に従って測定し
た試料(5個)の端裂抵抗(あるいは比端裂抵抗)の平
均値を意味する。具体的には、定速緊張形引張試験機の
上部厚さ1.00±0.05mmのV字形切り込み板試
験金具の中心線を上部つかみの中心線に一致させ、切り
込み頂点と下部つかみとの間隔を約30mmになるよう
に柄を取りつける。幅約20mm、長さ約200mmの
試験片を金具の穴部に通して二つに折り合わせて試験機
の下部のつかみにはさみ、1分間につき約200mmの
速さで引張り、引き裂けたときの力を端裂抵抗という。
試験片を縦方向及び横方向からそれぞれ全幅にわたって
5枚とり、端裂抵抗の平均値を求め、端裂抵抗値として
示す。比端裂抵抗値はフィルム厚み当たり(10mm換
算)の端裂抵抗値を示す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい態様を列
記する。 1)芳香族ポリイミドフィルムの比端裂抵抗値が11〜
15kg/20mm/10μmの範囲にある上記のLO
C用テ−プ。 2)芳香族ポリイミドフィルムの残揮発物量が0.35
重量%以下である上記のLOC用テ−プ。 3)芳香族ポリイミドフィルムの残揮発物量が0.3重
量%以下である上記のLOC用テ−プ。 4)芳香族ポリイミドフィルムの残揮発物量が0.2重
量%以下である上記のLOC用テ−プ。 5)芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも片方の表面
を含む層が無機フィラ−を、芳香族ポリイミドに対する
割合で0.02〜6重量%含有している上記のLOC用
テ−プ。 6)芳香族ポリイミドフィルムの両面が表面処理剤処
理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射、グロ−放
電処理、プラズマ処理のいずれか1つ以上の表面処理が
されている上記のLOC用テ−プ。 7)芳香族ポリイミドフィルムの吸水率が1.8%以
下、引張弾性率が450Kg/mm2 以上そして線膨張
係数(50〜200℃)が2.5×10-5cm/cm/
℃以下である上記のLOC用テ−プ。 8)芳香族ポリイミドフィルムの絶縁破壊電圧が3KV
以上であって、体積抵抗率(25℃)が1×1015Ω・
cm以上である上記のLOC用テ−プ。 9)接着剤が、熱可塑性接着剤もしくは熱硬化性接着剤
である上記のLOC用テ−プ。
【0010】この発明におけるビフェニルテトラカルボ
ン酸成分としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸、それらの二無水物、またはそれらのエス
テルが使用できるが、なかでも3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物が好適に用いられ
る。
【0011】この発明におけるビフェニルテトラカルボ
ン酸成分と併用が可能な芳香族テトラカルボン酸成分と
しては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2、2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エ−テル二無水物、ビス(2,3−ジ
カルボキシフェニル)エ−テル二無水物、2,3,6,
7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水
物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無
水物などが挙げられる。
【0012】この発明におけるフェニレンジアミンは、
p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、そ
してo−フェニレンジアミンのいずれであってもよい
が、なかでもp−フェニレンジアミンが好適に用いられ
る。フェニレンジアミンと併用可能な芳香族ジアミン成
分としては、ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−
ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2’−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
−テルなどが挙げられる。
【0013】この発明において、芳香族ポリイミドフィ
ルム(あるいは表面処理されたフィルム)は、厚みが2
0〜80μm、その中でも特に25〜55μmであるこ
とが好ましい。芳香族ポリイミドフィルムの厚みがこの
下限より小さいと自己支持性の特性が低く、また上限よ
り大きくても効果がなくコンパクト化に反する。また、
前記の残揮発物量が0.4重量%より多いと接着性およ
び寸法安定性に問題が発生する。芳香族ポリイミドフィ
ルムの比端裂抵抗値が前記範囲外であると、この発明の
目的を達成することができない。
【0014】また、(1)吸水率および(2)線膨張係
数(50〜200℃)が前記範囲内であると、種々の環
境下(高温、エッチング等)においた場合の寸法安定性
が良好である。さらに、(3)引張弾性率が前記範囲内
であると、基板フィルムとしてハンドリングが良好であ
る。
【0015】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、例えば以下のようにして製造することができる。
好適には先ず前記テトラカルボン酸二無水物、好適には
ビフェニルテトラカルボン酸類とフェニレンジアミン、
好適にはパラフェニレンジアミンとをN,N−ジメチル
アセトアミドやN−メチル−2−ピロリドンなどのポリ
イミドの製造に通常使用される有機極性溶媒中で、好ま
しくは10〜80℃で1〜30時間重合して、ポリマ−
の対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/10
0ml溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)が
0.1〜5 、ポリマ−濃度が15〜25重量%であ
り、回転粘度(30℃)が500〜4500ポイズであ
るポリアミック酸(イミド化率:5%以下)溶液を得
る。
【0016】次いで、好適にはこのポリアミック酸10
0重量部に対して0.01〜1重量%のリン化合物、例
えば(ポリ)リン酸エステルおよび/またはリン酸エス
テルのアミン塩などの有機系リン化合物あるいは無機リ
ン化合物および、好適にはさらにポリアミック酸100
重量部に対して0.02〜6重量部のコロイダルシリ
カ、窒化珪素、タルク、、酸化チタン、燐酸カルシウム
などの無機フィラ−(好適には平均粒径0.005〜5
μm、特に0.005〜2μm)を添加してポリアミッ
ク酸溶液組成物を調製する。これらのリン化合物及び/
又は無機フィラ−はフィルム層全体に均一に存在させる
か、あるいは2〜3層構造のフィルムを形成する場合に
は少なくとも片方の表面を含む層に前記の割合で含有さ
せることが好ましく、これにより少なくとも片方の表面
に微細突起を形成させる。
【0017】このポリアミック酸溶液組成物を平滑な表
面を有するガラスあるいは金属製の支持体表面に流延し
て前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾燥する際に、
乾燥条件を調整して(好適な条件は温度:100〜16
0℃、時間:1〜60分間)乾燥することにより、固化
フィルム中、前記溶媒及び生成水分からなる揮発分含有
量が30〜50重量%、イミド化率が10〜60%であ
る長尺状固化フィルムを形成し、上記固化フィルムを支
持体表面から剥離する。
【0018】次いで、固化フィルムの片面または両面に
アミノシラン系、エポキシシラン系あるいはチタネ−ト
系の表面処理剤を含有する表面処理液を塗布した後、さ
らに乾燥することもできる。表面処理剤としては、γ−
アミノプロピル−トリエトキシシラン、N−β−(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラ
ン、N−(アミノカルボニル)−γ−アミノプロピル−
トリエトキシシラン、N−〔β−(フェニルアミノ)−
エチル〕−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラ
ン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノシラン系や、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)−エチル−トリメトキシシラン、γ−グリシ
リドキシプロピル−トリメトキシシランなどのエポキシ
シラン系や、イソプロピル−トリクミルフェニル−チタ
ネ−ト、ジクミルフェニル−オキシアセテ−ト−チタネ
−トなどのチタネ−ト系などの耐熱性表面処理剤が使用
できる。表面処理液は前記の表面処理剤を0.5〜50
重量%含む低級アルコ−ル、アミド系溶媒などの有機極
性溶媒溶液として使用できる。表面処理液はグラビアコ
−ト法、シルクスクリ−ン、浸漬法などを使用して均一
に塗布して薄層を形成することが好ましい。
【0019】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムの製造法の一例の、キュア炉内におけるキュア前の好
適な加熱条件を示す図1を使用して以下に示す。すなわ
ち、前記のようにして得られた固化フィルムを必要であ
ればさらに乾燥して、好ましくは乾燥フィルムの揮発分
含有量が10〜45重量%となるように調整した後、該
乾燥フィルムの幅方向の両端縁を把持した状態で、図1
に示すキュア炉内におけるキュア炉入口における温度
(℃)(好適には100〜250℃)×滞留時間(分)
が斜線の範囲内になるように乾燥後、最高加熱温度:4
00〜500℃の温度が0.5〜30分間となる条件で
該乾燥フィルムを加熱して乾燥およびイミド化して、残
揮発物量0.4重量%以下で、イミド化を完了すること
によって芳香族ポリイミドフィルムとして好適に製造す
ることができる。また、前記キュアリング工程の後、芳
香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面をアルカリ
処理した(例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液
浸漬後、水洗・乾燥)後、前記の表面処理液を塗布し乾
燥することによっても、同様にフィルム表面を表面処理
することができる。
【0020】上記のようにして得られた芳香族ポリイミ
ドフィルムを、好適には低張力下あるいは無張力下に2
00〜400℃程度の温度で加熱して応力緩和処理し、
巻き取る。
【0021】前記の芳香族ポリイミドフィルムは、前述
の製造時のキュア炉内のキュア前の加熱条件を前記の図
1に示す範囲内にコントロ−ルすること及びキュア条件
を前記の温度および時間の範囲内にすることによって厚
みが20〜75μmのものであって、残揮発物量が0.
4重量%以下で、かつ比端裂抵抗値がこの発明で規定し
た値をとるようにすることができる。
【0022】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、好適にはテトラカルボン酸二無水物として3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミンとを重
合する方法によって容易に得ることができるが、ポリア
ミック酸としては、前記フィルムの物性値を満足する範
囲内であれば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとともに
他の成分を重合してもよく、また、結合の種類はランダ
ム重合、ブロック重合のいずれであってもよい。また、
最終的に得られるポリイミドフィルム中の各成分の合計
量が前記の範囲内であれば、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物を含むポリアミック酸
とパラフェニレンジアミンを含むポリアミック酸に他の
成分からなるポリアミック酸成分を混合して使用しても
よい。いずれの場合も高温加熱時に高分子の切断および
再結合が生じ、前記と同様に目的とする芳香族ポリイミ
ドフィルムを得ることができる。また、この発明におけ
る芳香族ポリイミドフィルムは、上述の熱イミド化に限
定されず、前記条件の範囲内であれば化学イミド化によ
っても同様に行うことができる。
【0023】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、そのままあるいは表面処理剤で処理していない場
合は、好適にはコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線
照射、グロ−放電処理、火炎処理で表面処理を施した
後、接着性を改良した芳香族ポリイミドフィルムの両面
に熱可塑性接着剤溶液あるいは熱硬化性接着剤溶液を塗
布・乾燥してあるいはこれら接着剤シ−ト(未硬化状
態)を積層して接着剤層を設け、この接着剤付きポリイ
ミドシ−トをスリットし、LOC用テ−プを得ることが
できる。接着剤付きポリイミドシ−トの接着剤層の面に
カバ−フィルムを積層し、テ−プ状にスリットすること
によって両面をカバ−フィルムで覆ったLOC用テ−プ
を得ることもできる。
【0024】前記の接着剤としては、ポリアミド系接着
剤、ポリイミド系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、アク
リル樹脂系接着剤などを挙げることができる。これらの
接着剤は電子部品用の接着剤として知られたものが適用
できる。前記接着剤層の厚みは、通常5〜35μm程度
であることが好ましい。接着剤には無機フィラ−(好適
には微細な無機フィラ−)を含有させてもよい。無機フ
ィラ−を含有させると剥離強度が大きくなる傾向にあ
る。接着剤フィルムを使用する場合には、耐熱性のフィ
ルム、例えば耐溶剤性と比較的高い融点とを合わせ持つ
熱可塑性フィルム、例えばポリエステルフィルムを支持
フィルムとして使用し、支持フィルム上に接着剤溶液を
所定幅に塗布・乾燥後、接着剤層の両面を保護フィルム
(一方は支持フィルム)で積層し、片方の保護フィルム
を引き剥がしながら所定幅のポリイミドフィルムと積層
する。次いで保護フィルムで覆った接着剤付きポリイミ
ドシ−トをスリットしてLOC用テ−プを得ることがで
きる。
【0025】前記のスリッして得たLOC用テ−プをパ
ンチングで短冊形に打ち抜いて、ICチップとリ−ドフ
レ−ムとの間に挟み、150〜300℃、0.3〜40
kg/cm2 で0.4〜200秒間プレスし、リ−ドフ
レ−ムをICチップの上に固定する。固定したリ−ドフ
レ−ムとICチップとの間をワイヤ−ボンディングでつ
なぎ、トランスファ−モ−ルディングで、パッケ−ジし
て半導体チップを製造することができる。
【0026】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示す。以下の各例
において、ポリイミドフィルムの物性測定は以下の方法
によって行った。 吸水率:ASTM D570−63に従って測定(23
℃×24時間) 引張弾性率:ASTM D882−64Tに従って測定
(MD) 線膨張係数(50〜200℃):300℃で30分加熱
して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ−
ド、2g荷重、試料長10mm、20℃/分)で測定
【0027】イミド化率:FI−IR(ATR法)によ
り1780cm-1と1510cm-1の吸光度の比から求
めた。測定はフィルムのA面について行った。 残揮発物量(固化フィルム):下記式により求めた。 残揮発物量(固化フィルム)=〔(A−B)/A〕×1
00 A:加熱前のフィルム重量 B:420℃、20分加熱後のフィルム重量 残揮発物量(ポリイミドフィルム):下記式により求め
た。 残揮発物量(ポリイミドフィルム)=〔(A−B)/
A〕×100 A:150℃×10分乾燥後の重量 B:450℃×20分乾燥後の重量 (測定は通常、空気中で行われるが、窒素中で行っても
よい。)
【0028】絶縁破壊電圧:ASTM D149−64
に従って測定(25℃) 体積抵抗率:ASTM D257−61に従って測定
(25℃) 誘電率:ASTM D150−64Tに従って測定(2
5℃、1KHz) 剥離強度:90°剥離強度を測定
【0029】実施例1 内容積100リットルの重合槽に、N,N−ジメチルア
セトアミド54.6kgを加え、次いで,3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8
26kgとパラフェニレンジアミン3.243kgとを
加え、30℃で10時間重合反応させてポリマ−の対数
粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ミリ
リットル溶媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)
が1.60、ポリマ−濃度が18重量%であるポリアミ
ック酸(イミド化率:5%以下)溶液を得た。このポリ
アミック酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対し
て0.1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステル
トリエタノ−ルアミン塩および0.5重量部の割合(固
形分基準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカ
を添加して均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を
得た。このポリアミック酸溶液組成物の回転粘度は30
00ポイズであった。このポリアミック酸溶液組成物を
Tダイ金型のスリットから連続的に、キャスティング・
乾燥炉の平滑な支持体に押出して前記溶液の薄膜を形成
し、平均温度:141℃で乾燥して長尺状固化フィルム
を形成した。この支持体表面から剥離して長尺状固化フ
ィルムを得た。次いで、N,N−ジメチルアセトアミド
のアミノシラン表面処理液を長尺状固化フィルムの両面
に均一に塗布した後乾燥して、表面処理した乾燥フィル
ムを得た。この乾燥フィルムは溶媒および生成水分から
なる残揮発分量は27重量%であった。次いで、該表面
処理した乾燥フィルムの幅方向を把持した状態で、キュ
ア炉内でキュアして(入口における温度×滞留時間=2
40℃×2分、最高温度×最高温度滞留時間=480℃
×1分)、両面を表面処理剤で処理した厚み25μmの
長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続的に製造し
た。この芳香族ポリイミドフィルムについて測定、評価
した結果を表1に示す。
【0030】得られたポリイミドフィルムの片面に熱可
塑性ポリイミド系接着剤(シロキサン変性ポリイミド)
を乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、200
℃で乾燥し、もう一方の面にも同様の熱可塑性接着剤を
塗布、乾燥して、両面に接着剤を設けた接着剤付きポリ
イミドシ−トを得た。このシ−トを20μm幅にスリッ
トして、LOC用テ−プを得た。
【0031】実施例2 Tダイ金型のスリット巾を変えた他は実施例1と同様に
して長尺状固化フィルムを得た。長尺状固化フィルムの
両表面に表面処理液を塗布せず、実施例1と同様に加熱
・乾燥して乾燥フィルムを得た。このフィルムは残揮発
物量が27重量%であった。次いで、該乾燥フィルムの
幅方向を把持した状態で、キュア炉内でキュアして(入
口における温度×滞留時間=200℃×4分、最高温度
×最高温度滞留時間=480℃×3分)、厚み50μm
の長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続的に製造し
た。この芳香族ポリイミドフィルムについて測定・評価
した結果を表1に示す。この芳香族ポリイミドフィルム
を常法によって低温プラズマ処理して使用した後、実施
例1と同様にしてLOC用テ−プを製造した。
【0032】実施例3 実施例2と同様にして長尺固化フィルムを製造した。次
いで、実施例1と同様にして表面処理した乾燥フィルム
を得た。このフィルムは残揮発分量が28重量%であっ
た。次いで、該乾燥フィルムの幅方向を把持した状態
で、キュア炉内でキュアして(入口における温度×滞留
時間=200℃×2.5分、最高温度×最高温度滞留時
間=480℃×3分)、両面を表面処理剤で処理した厚
み50μmの長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続
的に製造した。この芳香族ポリイミドフィルムについて
測定・評価した結果を表1に示す。この芳香族ポリイミ
ドフィルムを使用し、実施例1と同様にしてLOC用テ
−プを製造した。
【0033】実施例4 Tダイ金型のスリット巾を変えた他は実施例2と同様に
して長尺状固化フィルムを得た。次いで、実施例2と同
様にして表面処理しない乾燥フィルムを得た。このフィ
ルムは残揮発分量が30重量%であった。次いで、該乾
燥フィルムの幅方向を把持した状態で、キュア炉内でキ
ュアして(入口における温度×滞留時間=140℃×5
分、最高温度×最高温度滞留時間=480℃×3分)、
厚み75μmの長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連
続的に製造した。この芳香族ポリイミドフィルムの両面
をアルカリ処理(水酸化カリウム/抱水ヒドラジン/水
からなる溶液に3分間浸漬)し、酸洗浄・水洗・乾燥し
た後、実施例1と同様の表面処理剤を塗布・加熱して表
面処理し、両面を表面処理剤で処理した厚み75μmの
長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続的に製造し
た。この芳香族ポリイミドフィルムについて測定・評価
した結果を表1に示す。この芳香族ポリイミドフィルム
を使用し、実施例1と同様にしてLOC用テ−プを製造
した。
【0034】実施例5 Tダイ金型のスリット巾を変えた他は実施例2と同様に
して長尺状固化フィルムを得た。長尺状固化フィルムの
両表面に表面処理液を塗布せず、実施例2と同様に加熱
・乾燥して乾燥フィルムを得た。このフィルムは残揮発
物量が30重量%であった。次いで、該乾燥フィルムの
幅方向を把持した状態で、キュア炉内でキュアして(入
口における温度×滞留時間=105℃×9分、最高温度
×最高温度滞留時間=450℃×15分)、厚み75μ
mの長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続的に製造
した。この芳香族ポリイミドフィルムについて測定・評
価した結果を表1に示す。この芳香族ポリイミドフィル
ムを使用し、ポリイミド系接着剤(シロキサン変性ポリ
イミド)を塗布・乾燥した後、同様にしてLOC用テ−
プを得た。
【0035】実施例6 実施例1〜5で得られたLOC用テ−プの、パンチング
で短冊形に打ち抜いた切断面を観察した。直線性が保た
れ、ひげやくずの発生が認められなかった場合を○、直
線性が劣り、ひげやくずの発生が認められる場合を×で
示す。このLOC用テ−プをパンチングで打ち抜いた短
冊とリ−ドフレ−ム(42アロイ)とを220℃、10
kg/cm2 、2秒の加熱圧着条件で積層し積層体を得
た。次いで、積層体の剥離強度を測定した。さらに、実
施例1〜5における芳香族ポリイミドフィルムとアクリ
リル系接着剤(デュポン社製 パイララックス)を用い
た他は同様にしてLOC用テ−プを得た。これを用い
て、220℃、20kg/cm2 、40分間の加熱圧着
条件で積層し積層体を得た。パンチング時の切断面の観
測、剥離強度の測定からポリイミド系接着剤と同等の結
果が得られた。また、実施例1〜5における芳香族ポリ
イミドフィルムの加熱収縮(250℃、2時間、JIS
C2318)は、いずれも0.3%以下であった。結
果をまとめて表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載のような効果を奏する。この発
明のLOC用テ−プは、打ち抜き性が良好であり、しか
も接着性を有しており、高精度の加工が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における芳香族ポリイミドフィルムの
製造法の一例の、キュア炉内におけるキュア前の好適な
加熱条件の範囲を示す。 縦軸 キュア炉入口における温度(℃)×滞留時間
(分) 横軸 フィルムの厚み(μm) 斜線 好ましい範囲

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも15モル%のビフェニルテト
    ラカルボン酸もしくはその二無水物またはエステルを含
    むテトラカルボン酸成分と、少なくとも5モル%のフェ
    ニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分との反応によ
    って製造されたポリイミドからなる、厚みが20〜80
    μmであって、11〜22kg/20mm/10μmの
    比端裂抵抗値を持ち、かつ残揮発物量が0.4重量%以
    下である芳香族ポリイミドフィルムの両面に接着剤層を
    設けた接着剤付きポリイミドシ−トをスリットしてなる
    LOC用テ−プ。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリイミドフィルムの比端裂抵抗
    値が11〜15kg/20mm/10μmの範囲にある
    請求項1記載のLOC用テ−プ。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリイミドフィルムの残揮発物量
    が0.35重量%以下である請求項1もしくは2記載の
    LOC用テ−プ。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリイミドフィルムの残揮発物量
    が0.3重量%以下である請求項1もしくは2記載のL
    OC用テ−プ。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリイミドフィルムの残揮発物量
    が0.2重量%以下である請求項1もしくは2記載のL
    OC用テ−プ。
  6. 【請求項6】 芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも
    片方の表面を含む層が無機フィラ−を、芳香族ポリイミ
    ドに対する割合で0.02〜6重量%含有している請求
    項1乃至5のうちのいずれかの項に記載のLOC用テ−
    プ。
  7. 【請求項7】 芳香族ポリイミドフィルムの両面が表面
    処理剤処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射、
    グロ−放電処理、プラズマ処理のいずれか1つ以上の表
    面処理がされている請求項1乃至6のうちのいずれかの
    項に記載のLOC用テ−プ。
  8. 【請求項8】 芳香族ポリイミドフィルムの吸水率が
    1.8%以下、引張弾性率が450Kg/mm2 以上そ
    して線膨張係数(50〜200℃)が0.5×10-5
    2.5×10-5cm/cm/℃で請求項1乃至7のうち
    のいずれかの項に記載のLOC用テ−プ。
  9. 【請求項9】 芳香族ポリイミドフィルムの絶縁破壊電
    圧が3KV以上であって、体積抵抗率(25℃)が1 ×
    1015Ω・cm以上である請求項1乃至8のうちのいず
    れかの項に記載のLOC用テ−プ。
  10. 【請求項10】 接着剤が、熱可塑性接着剤もしくは熱
    硬化性接着剤からなる請求項9に記載のLOC用テ−
    プ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080623A (ja) * 2000-09-06 2002-03-19 Du Pont Toray Co Ltd ポリイミドフィルムおよびその用途
JP2003082306A (ja) * 2001-09-17 2003-03-19 Hitachi Chem Co Ltd 半導体用接着フィルム及びその用途
JP2006160957A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Kaneka Corp 接着フィルム

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