JPH114055A - フレキシブル回路基板 - Google Patents

フレキシブル回路基板

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JPH114055A
JPH114055A JP1906098A JP1906098A JPH114055A JP H114055 A JPH114055 A JP H114055A JP 1906098 A JP1906098 A JP 1906098A JP 1906098 A JP1906098 A JP 1906098A JP H114055 A JPH114055 A JP H114055A
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JP
Japan
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circuit board
flexible circuit
adhesive
polyimide film
aromatic polyimide
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Pending
Application number
JP1906098A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Inoue
浩 井上
Akinori Otani
明範 大谷
Hiroshi Yasuno
弘 安野
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 打ち抜き性が良好で、剥離強度の大きいフレ
キシブル回路基いた提供する。 【解決手段】 厚みが10〜125μm、11〜22k
g/20mm/10μmの比端裂抵抗値を持ち、揮発物
含有量が0.4重量%以下の芳香族ポリイミドフィルム
に導電体を積層した後、回路を形成したフレキシブル回
路基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、厚みが10〜1
25μmで、11〜22kg/20mm/10μmの比
端裂抵抗値を持ち、かつ揮発物含有量が0.4重量%以
下である打ち抜き性の良好な芳香族ポリイミドフィルム
の少なくとも片面に、直接あるいは接着剤を介して導電
体を積層したのち、回路を形成してなるフレキシブル回
路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブル回路基板としては芳
香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に直接ある
いは接着剤を介して銅箔等の導電体層を積層したのち、
回路を形成したものが一般的である。この芳香族ポリイ
ミドは、テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分と
から製造されるポリアミック酸を高温に加熱して脱水環
化することにより得られる耐熱性や機械的特性の優れた
ポリマ−である。しかしながら、フレキシブル回路基板
に用いられる芳香族ポリイミドフィルムには、更なる高
精度化および高生産性の要求からより高い打ち抜き性が
要求される。
【0003】特開平6−334110号公報には、端裂
抵抗が50〜70kgf/20mmのポリイミドフィル
ムは打ち抜き性が優れていることを明らかにしている。
そして更に、そのポリイミドフィルムは何%程度の吸湿
性溶媒が残存していなければならない旨述べられてい
る。
【0004】フレキシブル回路基板のような電子部品と
しての耐熱性、電気絶縁性とともに機械的強度、特に引
張弾性率や低線膨張係数への高い要求を考慮し、芳香族
ポリイミドフィルムは、テトラカルボン酸成分としてビ
フェニルテトラカルボン酸成分を含むものを利用し、ま
た芳香族ジアミン成分としてフェニレンジアミン成分を
含むものを利用して製造することが好ましい。また、銅
箔などのような金属導電性シ−トと接着剤とを用いて貼
り合わせた積層体から回路を形成するためには、芳香族
ポリイミドフィルムは、その公知のポリアミド系接着
剤、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤など
の接着剤に対して高い接着性を示す必要がある。
【0005】しかしながら本発明者の研究によると、上
記の特開平6−334110号公報に記載の技術は、テ
トラカルボン酸成分としてビフェニルテトラカルボン酸
成分を含むものを利用し、また芳香族ジアミン成分とし
てフェニレンジアミン成分を含むものを利用して製造す
る芳香族ポリイミドフィルムに対しては充分満足できる
特性を付与することができないことが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、基
板フィルムとして、打ち抜き性が良好でしかも接着性お
よび寸法安定性を保持した芳香族ポリイミドフィルムを
使用したフレキシブル回路基板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、厚みが10
〜125μmの芳香族ポリイミドフィルムであって、該
芳香族ポリイミドフィルムが11〜22kg/20mm
/10μmの比端裂抵抗値を持ち、かつ揮発物含有量が
0.4重量%以下である芳香族ポリイミドフィルムの少
なくとも片面に、直接あるいは接着剤を介して導電体を
積層したのち、回路を形成してなるフレキシブル回路基
板に関する。
【0008】この明細書において、端裂抵抗値(あるい
は比端裂抵抗値)はJIS C2318に従って測定し
た試料(5個)の端裂抵抗(あるいは比端裂抵抗)の平
均値を意味する。具体的には、定速緊張形引張試験機の
上部厚さ1.00±0.05mmのV字形切り込み板試
験金具の中心線を上部つかみの中心線に一致させ、切り
込み頂点と下部つかみとの間隔を約30mmになるよう
に柄を取りつける。幅約20mm、長さ約200mmの
試験片を金具の穴部に通して二つに折り合わせて試験機
の下部のつかみにはさみ、1分間につき約200mmの
速さで引張り、引き裂けたときの力を端裂抵抗という。
試験片を縦方向及び横方向からそれぞれ全幅にわたって
5枚とり、端裂抵抗の平均値を求め、端裂抵抗値として
示す。比端裂抵抗値はフィルム厚み当たり(10mm換
算)の端裂抵抗値を示す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の主たる好ましい態
様を列記する。 1)芳香族ポリイミドフィルムが少なくとも15モル%
のビフェニルテトラカルボン酸もしくはその二無水物ま
たはエステルを含む芳香族テトラカルボン酸成分と、少
なくとも5モル%のフェニレンジアミンを含む芳香族ジ
アミン成分との反応によって製造されたポリイミドから
なる上記のフレキシブル回路基板。 2)芳香族ポリイミドフィルムの比端裂抵抗値が11〜
15kg/20mm/10μmの範囲にある上記のフレ
キシブル回路基板。 3)芳香族ポリイミドフィルムの揮発物含有量が0.1
−0.35重量%、特に0.1−0.3重量%、そのな
かでも特に0.1−0.2重量%である上記のフレキシ
ブル回路基板。 4)芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも片面を含む
層が更に0.1〜3重量%の無機フィラ−を含有する上
記のフレキシブル回路基板。 5)芳香族ポリイミドフィルムの表面が表面処理剤処
理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射、グロ−放
電処理、プラズマ処理のいずれか1つ以上の表面処理が
されている上記のフレキシブル回路基板。 6)芳香族ポリイミドフィルムの吸水率が0.5−1.
8%、引張弾性率が450−1000Kg/mm2 そし
て線膨張係数(50〜200℃)が0.6×10-5
2.5×10-5cm/cm/℃以下である上記のフレキ
シブル回路基板。 7)芳香族ポリイミドフィルムの絶縁破壊電圧が3KV
以上であって、体積抵抗率(25℃)が1×1015Ω・
cm以上である上記のフレキシブル回路基板。 8)接着剤が、熱可塑性接着剤もしくは熱硬化性接着剤
である上記のフレキシブル回路基板。 9)接着剤が、ポリイミドシロキサン−エポキシ樹脂−
エポキシ硬化剤の高耐熱性で低誘電性の熱硬化性接着剤
である上記のフレキシブル回路基板。 10)接着剤が、芳香族ポリイミドフィルムに接着剤溶
液を塗布した後に乾燥して設けられたもの、あるいは保
護フィルムに設けた接着剤を芳香族ポリイミドフィルム
に貼り合わせて設けられたものである上記のフレキシブ
ル回路基板。
【0010】前記のビフェニルテトラカルボン酸成分と
しては、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸、それらの二無水物、またはそれらのエステ
ルが使用できるが、なかでも3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物が好適に用いられる。
【0011】前記の芳香族テトラカルボン酸成分とし
て、他にピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2、2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エ−テル二無水物、ビス(2,3−ジ
カルボキシフェニル)エ−テル二無水物、2,3,6,
7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水
物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無
水物なども挙げられる。
【0012】前記のフェニレンジアミンは、o−フェニ
レンジアミン、m−フェニレンジアミン、そしてp−フ
ェニレンジアミンのいずれであってもよい。フェニレン
ジアミンと併用可能な芳香族ジアミン成分としては、ジ
アミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェ
ニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルフィド、ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2’−
ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テルなどが挙
げられる。
【0013】この発明において、芳香族ポリイミドフィ
ルム(あるいは表面処理されたフィルム)は、厚みが1
0〜125μm、特に好ましくは25〜75μm、その
中でも特に45〜55μmであることが好ましい。芳香
族ポリイミドフィルムの厚みがこの下限より小さいと自
己支持性が低く、また上限より大きいと製造に多大なコ
ストがかかる。また、前記の揮発物含有量が0.4重量
%より多いと接着性および寸法安定性に問題が発生す
る。芳香族ポリイミドフィルムの比端裂抵抗値が前記範
囲外であると、この発明の目的を達成することができな
い。
【0014】また、(1)吸水率および(2)線膨張係
数(50〜200℃)が前記範囲内であると、種々の環
境下(高温、エッチング等)においた場合の寸法安定性
が良好である。さらに、(3)引張弾性率が前記範囲内
であると、基板フィルムとしてハンドリングが良好であ
る。
【0015】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、例えば以下のようにして製造することができる。
好適には先ず前記テトラカルボン酸二無水物、好適には
ビフェニルテトラカルボン酸類とフェニレンジアミン、
好適にはパラフェニレンジアミンとをN,N−ジメチル
アセトアミドやN−メチル−2−ピロリドンなどのポリ
イミドの製造に通常使用される有機極性溶媒中で、好ま
しくは10〜80℃で1〜30時間重合して、ポリマ−
の対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/10
0ml溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)が
0.1〜5 、ポリマ−濃度が15〜25重量%であ
り、回転粘度(30℃)が500〜4500ポイズであ
るポリアミック酸(イミド化率:5%以下)溶液を得
る。
【0016】次いで、好適にはこのポリアミック酸10
0重量部に対して0.01〜1重量%のリン化合物、例
えば(ポリ)リン酸エステルおよび/またはリン酸エス
テルのアミン塩などの有機リン含有化合物あるいは無機
リン化合物および、好適にはさらにポリアミック酸10
0重量部に対して0.1〜3重量部のコロイダルシリ
カ、窒化珪素、タルク、、酸化チタン、燐酸カリウムな
どの無機フィラ−(好適には平均粒径0.005〜5μ
m、特に0.005〜2μm)を添加してポリアミック
酸溶液組成物を調製する。これらのリン化合物及び/又
は無機フィラ−はフィルム層全体に均一に存在させても
よく、あるいは2〜3層構造のフィルムを形成する場合
には少なくとも片方の表面を含む層に前記の割合で含有
させる。
【0017】このポリアミック酸溶液組成物を平滑な表
面を有するガラスあるいは金属製の支持体表面に流延し
て前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾燥する際に、
乾燥条件を調整して(好適な条件は温度:100〜16
0℃、時間:1〜60分間)乾燥することにより、固化
フィルム中、前記溶媒及び生成水分からなる揮発分含有
量が25〜50重量%、イミド化率が5〜60%である
長尺状固化フィルムを形成し、上記固化フィルムを支持
体表面から剥離する。
【0018】次いで、固化フィルムの片面または両面に
アミノシラン系、エポキシシラン系あるいはチタネ−ト
系の表面処理剤を含有する表面処理液を塗布した後、さ
らに乾燥することもできる。表面処理剤としては、γ−
アミノプロピル−トリエトキシシラン、N−β−(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラ
ン、N−(アミノカルボニル)−γ−アミノプロピル−
トリエトキシシラン、N−〔β−(フェニルアミノ)−
エチル〕−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン
などのアミノシラン系や、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)−エチル−トリメトキシシラン、γ−グリ
シリドキシプロピル−トリメトキシシランなどのエポキ
シシラン系や、イソプロピル−トリクミルフェニル−チ
タネ−ト、ジクミルフェニル−オキシアセテ−ト−チタ
ネ−トなどのチタネ−ト系などの耐熱性表面処理剤が使
用できる。表面処理液は前記の表面処理剤を0.5〜5
0重量%含む低級アルコ−ル、アミド系溶媒などの有機
極性溶媒溶液として使用できる。表面処理液はグラビア
コ−ト法、シルクスクリ−ン、浸漬法などを使用して均
一に塗布して薄層を形成することが好ましい。
【0019】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムの製造法の一例の、キュア炉内におけるキュア前の好
適な加熱条件を示す図1を使用して以下に示す。すなわ
ち、前記のようにして得られた固化フィルムを必要であ
ればさらに乾燥して、好ましくは乾燥フィルムの揮発分
含有量が10〜45重量%となるように調整した後、該
乾燥フィルムの幅方向の両端縁を把持した状態で、図1
に示すキュア炉内におけるキュア炉入口における温度
(℃)(好適には100〜250℃)×滞留時間(分)
が斜線の範囲内になるように乾燥後、最高加熱温度:4
00〜500℃の温度が0.2〜30分間となる条件で
該乾燥フィルムを加熱して乾燥およびイミド化して、残
揮発物量0.4重量%以下で、イミド化を完了すること
によって芳香族ポリイミドフィルムとして好適に製造す
ることができる。また、前記キュアリング工程の後、芳
香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面をアルカリ
処理した(例えば、水酸化ナトリウム水溶液、あるいは
水酸化カリウム/抱水ヒドラジン等のアルカリ水溶液に
浸漬)後、水洗・乾燥後、前記の表面処理液を塗布し乾
燥することによっても、同様にフィルム表面を表面処理
することができる。
【0020】上記のようにして得られた芳香族ポリイミ
ドフィルムを、好適には低張力下あるいは無張力下に2
00〜400℃程度の温度で加熱して応力緩和処理し、
巻き取る。
【0021】前記の芳香族ポリイミドフィルムは、前述
の製造時のキュア炉内のキュア前の加熱条件を前記の図
1に示す範囲内にコントロ−ルすること及びキュア条件
を前記の温度および時間の範囲内にすることによって厚
みが10〜125μmのものであって、揮発物含有量が
0.4重量%以下で、かつ比端裂抵抗値がこの発明で規
定した値をとるようにすることができる。
【0022】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、好適にはテトラカルボン酸二無水物として3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミンとを重
合する方法によって容易に得ることができるが、ポリア
ミック酸としては、前記フィルムの物性値を満足する範
囲内であれば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとともに
他の成分を重合してもよく、また、結合の種類はランダ
ム重合、ブロック重合のいずれであってもよい。また、
最終的に得られるポリイミドフィルム中の各成分の合計
量が前記の範囲内であれば、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物を含むポリアミック酸
とパラフェニレンジアミンを含むポリアミック酸に他の
成分からなるポリアミック酸成分を混合して使用しても
よい。いずれの場合も高温加熱時に高分子の切断および
再結合が生じ、前記と同様に目的とする芳香族ポリイミ
ドフィルムを得ることができる。また、この発明におけ
る芳香族ポリイミドフィルムは、上述の熱イミド化に限
定されず、前記条件の範囲内であれば化学イミド化によ
っても同様に行うことができる。
【0023】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、そのままあるいは表面処理剤で処理していない場
合は、好適にはコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線
照射、グロ−放電処理、火炎処理で表面処理を施した
後、接着剤を塗布あるいはこれら接着剤のフィルムを積
層して接着剤層を設けることができる。
【0024】上記芳香族ポリイミドフィルム、好適には
フィルムの表面処理面に導電体層を積層する方法として
は、蒸着法、スパッタ法、メッキ法で導電体層を直接積
層してもよく、あるいは接着剤を介して導電体層を積層
しても良い。
【0025】この接着剤を介して導電体層を積層する場
合の接着剤は、耐熱性であれば熱硬化性でも熱可塑性で
も良い。例えば、エポキシ樹脂、NBR−フェノ−ル系
樹脂、フェノ−ル−ブチラ−ル系樹脂、エポキシ−NB
R系樹脂、エポキシ−フェノ−ル系樹脂、エポキシ−ナ
イロン系樹脂、エポキシ−ポリエステル系樹脂、エポキ
シ−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド−エ
ポキシ−フェノ−ル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイ
ミドシロキサン−エポキシ樹脂などの熱硬化性接着剤、
またはポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂、ポリイミドシロキサン系樹脂などの熱可塑
性接着剤が挙げられる。この接着剤の厚みは5−35μ
m程度であることが好ましい。特に、ポリイミド接着剤
〔好適には熱融着性の非結晶性ポリイミド、ここに非結
晶性とはX線回折スペクトルについてル−ランド法によ
る解析で実質的に結晶性が認められないもの、好適には
結晶化度が10%未満、特に3%以下、その中でも1%
以下のものが好適である。また、ガラス転移温度:Tg
が180−260℃程度であるものが好適である。〕、
ポリイミドシロキサン−エポキシ樹脂接着剤〔ポリイミ
ドシロキサンはエポキシ樹脂との反応性基を有するポリ
イミドシロキサンであるものが好ましい。通常エポキシ
硬化剤を配合する。好適にはポリイミドシロキサン10
0重量部に対して5−200重量部のエポキシ樹脂およ
び0−150重量部のエポキシ硬化剤及び場合によりさ
らに0−20重量部の硬化触媒を加えたもの。高耐熱性
で低誘電性であることが知られている。)、エポキシ樹
脂接着剤が好適に使用される。また、接着剤は、無機フ
ィラ−を含有してもよい。この接着剤は、芳香族ポリイ
ミドフィルムに接着剤溶液を塗布した後に乾燥して設け
るか、あるいは保護フィルムに設けた接着剤を芳香族ポ
リイミドフィルムに貼り合わせて設けてもよい。
【0026】この発明における導電体は、金属例えばア
ルミニウム、銅、銅合金等が挙げられ、銅箔が好適に使
用される。銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔があり、
その引張強度が17Kg/mm2 以上であるものが好ま
しい。また、その厚みは8〜50μmであることが好ま
しい。
【0027】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムには直接、あるいは好適には接着剤を介して導電体を
積層したのち、回路を形成する。導電体に回路を形成す
る場合は、芳香族ポリイミドフィルム上に直接あるいは
接着剤を介して導電体を積層して導電基板を製造した
後、その導電体表面に例えばエッチィングレジストを回
路パタ−ン状(配線パタ−ン状)に印刷して、配線パタ
−ンが形成される部分の導電体の表面を保護するエッチ
ィングレジストの配線パタ−ンを形成した後、それ自体
公知の方法でエッチィング液を使用して配線が形成され
ない部分の導電体をエッチィングにより除去し、エッチ
ィングレジストを除去することによって行うことができ
る。回路パタ−ン上面に直接あるいはシランカップリン
グ剤のような表面処理剤で処理した後、コ−ト材(液状
物)を塗布した後加熱乾燥してコ−ト層を形成してもよ
い。
【0028】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示す。以下の各例
において、ポリイミドフィルムの物性測定は以下の方法
によって行った。 吸水率:ASTM D570−63に従って測定(23
℃×24時間) 引張弾性率:ASTM D882−64Tに従って測定
(MD) 線膨張係数(50〜200℃):300℃で30分加熱
して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ−
ド、2g荷重、試料長10mm、20℃/分)で測定
【0029】イミド化率:FI−IR(ATR法)によ
り1780cm-1と1510cm-1の吸光度の比から求
めた。測定はフィルムのA面について行った。 揮発物含有量(固化フィルム):下記式により求めた。 揮発物含有量(固化フィルム)=〔(A−B)/A〕×
100 A:加熱前のフィルム重量 B:420℃、20分加熱後のフィルム重量 揮発物含有量(ポリイミドフィルム):下記式により求
めた。 揮発物含有量(ポリイミドフィルム)=〔(A−B)/
A〕×100 A:150℃×10分乾燥後の重量 B:450℃×20分乾燥後の重量 (通常は空気中で試験するが、空気中での高温加熱によ
って劣化する場合には窒素ガス中で試験する)
【0030】絶縁破壊電圧:ASTM D149−64
に従って測定(25℃) 体積抵抗率:ASTM D257−61に従って測定
(25℃) 誘電率:ASTM D150−64Tに従って測定(2
5℃、1KHz) 剥離強度:180°剥離強度、50mm/分
【0031】実施例1 内容積100リットルの重合槽に、N,N−ジメチルア
セトアミド54.6kgを加え、次いで,3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8
26kgとパラフェニレンジアミン3.243kgとを
加え、30℃で10時間重合反応させてポリマ−の対数
粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ミリ
リットル溶媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)
が1.60、ポリマ−濃度が18重量%であるポリアミ
ック酸(イミド化率:5%以下)溶液を得た。このポリ
アミック酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対し
て0.1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステル
トリエタノ−ルアミン塩および0.5重量部の割合(固
形分基準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカ
を添加して均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を
得た。このポリアミック酸溶液組成物の回転粘度は30
00ポイズであった。このポリアミック酸溶液組成物を
Tダイ金型のスリットから連続的に、キャスティング・
乾燥炉の平滑な支持体に押出して前記溶液の薄膜を形成
し、平均温度:141℃で乾燥して長尺状固化フィルム
を形成した。この支持体表面から剥離して長尺状固化フ
ィルムを得た。次いで、N,N−ジメチルアセトアミド
のアミノシラン表面処理液を長尺状固化フィルムの両面
に均一に塗布した後乾燥して、表面処理した乾燥フィル
ムを得た。この乾燥フィルムは溶媒および生成水分から
なる揮発分含有量は27重量%であった。次いで、該表
面処理した乾燥フィルムの幅方向を把持した状態で、キ
ュア炉内でキュアして(入口における温度×滞留時間=
240℃×2分、最高温度×最高温度滞留時間=480
℃×1分)、両面を表面処理剤で処理した厚み25μm
の長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続的に製造し
た。この芳香族ポリイミドフィルムについて測定、評価
した結果を表1に示す。上記の芳香族ポリイミドフィル
ムの上(片面)に熱硬化性接着剤(クレゾ−ルノボラッ
ク樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラ−ルおよぼイ
ミダゾ−ルからなる)を、乾燥後の塗布厚みが20μm
になるように塗布・乾燥する。次に接着剤の面に電解銅
箔(35μm)を130℃、2kg/cm2 でロ−ルラ
ミネ−ト(約1秒)して、張り合わせた。次いで、張り
合わせ物を100℃で2時間、120℃で1時間、18
0℃で6時間加熱して接着剤を硬化させて積層体を得
た。続いて、この積層体である銅張板に常法に従いパタ
−ニングを行い、次にエッチング、水洗・乾燥工程を経
た後、コ−ト材を塗布・乾燥してフレキシブル回路基板
を製造した。
【0032】実施例2 Tダイ金型のスリット巾を変えた他は実施例1と同様に
して長尺状固化フィルムを得た。長尺状固化フィルムの
両表面に表面処理液を塗布せず、実施例1と同様に加熱
・乾燥して乾燥フィルムを得た。このフィルムは揮発物
含有量が27重量%であった。次いで、該乾燥フィルム
の幅方向を把持した状態で、キュア炉内でキュアして
(入口における温度×滞留時間=200℃×4分、最高
温度×最高温度滞留時間=480℃×3分)、厚み50
μmの長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続的に製
造した。この芳香族ポリイミドフィルムについて測定・
評価した結果を表1に示す。この芳香族ポリイミドフィ
ルムを常法によって低温プラズマ処理したフィルム(物
性は処理前のフィルムと同じ)を使用し、実施例1と同
様にしてフレキシブル回路基板を製造した。
【0033】実施例3 実施例2と同様にして長尺固化フィルムを製造した。次
いで、実施例1と同様にして表面処理した乾燥フィルム
を得た。このフィルムは揮発分含有量が28重量%であ
った。次いで、該乾燥フィルムの幅方向を把持した状態
で、キュア炉内でキュアして(入口における温度×滞留
時間=200℃×2.5分、最高温度×最高温度滞留時
間=480℃×3分)、両面を表面処理剤で処理した厚
み50μmの長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続
的に製造した。この芳香族ポリイミドフィルムについて
測定・評価した結果を表1に示す。この芳香族ポリイミ
ドフィルムを使用し、実施例1と同様にしてフレキシブ
ル回路基板を製造した。
【0034】実施例4 Tダイ金型のスリット巾を変えた他は実施例2と同様に
して長尺状固化フィルムを得た。次いで、実施例2と同
様にして表面処理しない乾燥フィルムを得た。このフィ
ルムは揮発分含有量が30重量%であった。次いで、該
乾燥フィルムの幅方向を把持した状態で、キュア炉内で
キュアして(入口における温度×滞留時間=140℃×
5分、最高温度×最高温度滞留時間=480℃×3
分)、厚み75μmの長尺状の芳香族ポリイミドフィル
ムを連続的に製造した。この芳香族ポリイミドフィルム
の両面をアルカリ処理した(水酸化カリウム/抱水ヒド
ラジン/水からなる溶液に3分間浸漬後、酸洗浄・水洗
・乾燥)後、実施例1と同様にして表面処理して、両面
を表面処理剤で処理した厚み75μmの長尺状の芳香族
ポリイミドフィルムを連続的に製造した。この芳香族ポ
リイミドフィルムについて測定・評価した結果を表1に
示す。この芳香族ポリイミドフィルムを使用し、実施例
1と同様にしてフレキシブル回路基板を製造した。
【0035】実施例5 Tダイ金型のスリット巾を変えた他は実施例2と同様に
して長尺状固化フィルムを得た。長尺状固化フィルムの
両表面に表面処理液を塗布せず、実施例2と同様に加熱
・乾燥して乾燥フィルムを得た。このフィルムは揮発物
含有量が30重量%であった。次いで、該乾燥フィルム
の幅方向を把持した状態で、キュア炉内でキュアして
(入口における温度×滞留時間=105℃×9分、最高
温度×最高温度滞留時間=450℃×15分)、厚み7
5μmの長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続的に
製造した。この芳香族ポリイミドフィルムについて測定
・評価した結果を表1に示す。この芳香族ポリイミドフ
ィルムを使用し、常法により低温プラズマ処理したフィ
ルム(物性は処理前のフィルムと同じ)を使用し、実施
例2と同様にしてフレキシブル回路基板を製造した。ま
た、実施例1〜5における芳香族ポリイミドフィルムの
加熱収縮率(250℃、2時間、JIS C2318)
は、いずれも0.3%以下であった。
【0036】実施例6 実施例1〜5で得られたフレキシブル回路基板のフィル
ム部を金型で打ち抜きその切断面を観察した。直線性が
保たれ、ひげやくずの発生が認められなかった場合を
○、直線性が劣り、ひげやくずの発生が認められる場合
を×で示す。結果をまとめて表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例7 ポリイミドシロキサンの製造−1 特開平5−25453号公報に記載の方法に従い以下の
ようにして製造した。容量2リットルのガラス製のセパ
ラブルフラスコ中、N−メチル−2−ピロリドン(NM
P)1000gを溶媒として、2,3,3’,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)7
3.56g(250ミリモル)と、ジアミノポリシロキ
サン〔2 HN- C3 H6 - (Si(CH3 )2 O)n-S
i(CH3 )2-C3 H6-NH2 、n=9.5〕88g
(100ミリモル)と2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン61.58g(150
ミリモル)とを、重合・イミド化させた後、多量の水中
に投入し、乾燥して、ポリイミドシロキサン(ポリイミ
ドシロキサン−1)粉末210gを得た。このポリイミ
ドシロキサンは、対数粘度(30℃)が0.32であっ
た。また、このポリイミドシロキサン粉末のテトラヒド
ロフラン溶液から作製したフィルムは、引張弾性率が5
7kg/mm2 、Tg(ガラス転移温度)が190℃
で、結晶化度は0%であった。
【0039】フレキシブル回路基板の製造 熱硬化製接着剤として、上記のポリイミドシロキサン
(ポリイミドシロキサン−1)50部、エポキシ樹脂
(油化シェル社製、商品名:エピコ−ト807)15
部、エポキシ樹脂(住友化学工業社、商品名:ELM1
00)6部、硬化剤としてのフェノ−ルノボラック樹脂
(明和化成社、H−5)17部および硬化触媒としての
2−フェニルイミダゾ−ル0.1部からなる樹脂混合物
(テトラヒドロフラン250部に溶解)を使用し、プラ
ズマ処理しないで得た厚み50μmの芳香族ポリイミド
フィルム(比端裂抵抗:13.9kg/20mm/10
μm、揮発物含有量:0.13%、吸水率:1.3%、
引張弾性率:865kg/mm2、線膨張係数:1.1
×10-5/℃、絶縁破壊電圧:10.3kv、体積抵抗
率:4.7×1016Ω・cm、誘電率:3.2)を使用
した他は、実施例2と同様に実施してフレキシブル回路
基板を得た。実施例2および実施例6と同様にして評価
し、積層体の剥離強度(kg/cm、180°)が2.
4kg/cm、打ち抜き性が良好という結果が得られ
た。
【0040】実施例8 ポリイミドシロキサンの製造−2 容量2リットルのガラス製のセパラブルフラスコ中、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)1000gを溶媒
として、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物(a−BPDA)73.56g(250ミ
リモル)と、ジアミノポリシロキサン〔2 HN- C3 H
6 - (Si(CH3 )2 O)n-Si(CH3 )2-C3 H
6-NH2 、n=9.5〕121.4g(138ミリモ
ル)と2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン41.05g(100ミリモル)と、
ビス(3−カルボキシ−4−アミノフェニル)メタン
3.58g(12.5ミリモル)とを、重合・イミド化
させた後、多量の水中に投入し、乾燥して、ポリイミド
シロキサン(ポリイミドシロキサン−1)粉末210g
を得た。このポリイミドシロキサンは、対数粘度(30
℃)が0.32であった。また、このポリイミドシロキ
サン粉末のテトラヒドロフラン溶液から作製したフィル
ムは、引張弾性率が20kg/mm2 、Tg(ガラス転
移温度)が110℃であった。
【0041】フレキシブル回路基板の製造 熱硬化製接着剤として、上記のポリイミドシロキサン
(ポリイミドシロキサン−2)50部、エポキシ樹脂
(油化シェル社製、商品名:エピコ−ト807)15
部、エポキシ樹脂(住友化学工業社、商品名:ELM1
00)6部、フェノ−ルノボラック樹脂(明和化成社、
H−5)17部および硬化剤としての2−フェニルイミ
ダゾ−ル0.1部をテトラヒドロフラン250部に溶解
したものを使用した他は、実施例7と同様に実施してフ
レキシブル回路基板を得た。実施例2および実施例6と
同様にして評価し、積層体の剥離強度(kg/cm、1
80°)が2.3kg/cm、打ち抜き性が良好という
結果が得られた。
【0042】実施例9 熱硬化性接着剤の乾燥後の塗布厚みを、5μmにし、電
解銅箔として厚み12μmのものを使用した他は、実施
例7と同様に実施してフレキシブル回路基板を得た。実
施例2および実施例6と同様にして評価し、積層体の剥
離強度(kg/cm、180°)が2.0kg/cm、
打ち抜き性が良好という結果が得られた。
【0043】実施例10 実施例7の熱硬化性接着剤に、窒化アルミナ(トクヤマ
社製、比表面積2.72m2 /g)を50部添加して得
られた接着剤を使用した他は、実施例7と同様に実施し
てフレキシブル回路基板を得た。実施例2および実施例
6と同様にして評価し、積層体の剥離強度(kg/c
m、180°)が1.5kg/cm、打ち抜き性が良好
という結果が得られた。
【0044】実施例11 実施例7で製造した熱硬化性接着剤溶液をポリエチレン
テレフタレ−ト(PET)製のフィルム(厚み25μ
m)の上に乾燥後の塗布厚みが20μmになるように塗
布・乾燥し、接着剤の両面にPET製のフィルムを張り
合わせた。次に、この接着剤シ−トの片方のPETフィ
ルムを剥がし、実施例2で製造した芳香族ポリイミドフ
ィルムの上に接着剤面を合わせ130℃で張り合わせ
た。この接着剤の上の他のPETフィルムを剥がし、接
着剤の上に実施例2と同様にして電解銅箔を張り合わ
せ、さらに実施例2と同様にしてフレキシブル回路基板
を得た。実施例2および実施例6と同様にして評価し、
積層体の剥離強度(kg/cm、180°)が2.3k
g/cm、打ち抜き性が良好という結果が得られた。
【0045】実施例12 芳香族ポリイミドフィルムの上に、実施例7で得たポリ
イミドシロキサン(ポリイミドシロキサン−1)のテト
ラヒドロフランの溶液を乾燥後の塗布厚みが20μmに
なるように塗布・乾燥し、さらに、フィルムの反対面に
同様にしてポリイミドシロキサンのテトラホドロフラン
の溶液を塗布・乾燥して両面に熱可塑性接着剤を塗布し
たフィルムを得た。この両面に接着剤を塗布したフィル
ムがLOC(リ−ド・オン・チップ)用のテ−プとして
使用可能であることを確認した。つまり、この両面に接
着剤付きのフィルムの両側に電解銅箔を重ね合わせ、銅
箔との張り合わせ温度を200℃にした他は実施例2と
同様にして電解銅箔を張り合わせ、同様にして両面のフ
レキシブル回路基板を得た。実施例2および実施例6と
同様にして評価し、積層体の剥離強度(kg/cm、1
80°)が1.8kg/cm、打ち抜き性が良好という
結果が得られた。
【0046】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載のような効果を奏する。この発
明のフレキシブル回路基板は、打ち抜き性が良好であ
り、しかも接着性を保持しており、高精度の加工が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における芳香族ポリイミドフィルムの
製造法の一例の、キュア炉内におけるキュア前の好適な
加熱条件の範囲を示す。 縦軸 キュア炉入口における温度(℃)×滞留時間
(分) 横軸 フィルムの厚み(μm) 斜線 好ましい範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 73/10 C08G 73/10 H05K 3/38 H05K 3/38 E

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが10〜125μmであって、11
    〜22kg/20mm/10μmの比端裂抵抗値を持
    ち、かつ揮発物含有量が0.4重量%以下である芳香族
    ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、直接あるいは
    接着剤を介して導電体を積層したのち、回路を形成して
    なるフレキシブル回路基板。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリイミドフィルムが、少なくと
    も15モル%のビフェニルテトラカルボン酸もしくはそ
    の二無水物またはエステルを含む芳香族テトラカルボン
    酸成分と、少なくとも5モル%のフェニレンジアミンを
    含む芳香族ジアミン成分との反応によって製造されたポ
    リイミドからなる請求項1記載のフレキシブル回路基
    板。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリイミドフィルムの比端裂抵抗
    値が11〜15kg/20mm/10μmの範囲にある
    請求項1記載のフレキシブル回路基板。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリイミドフィルムの揮発物含有
    量が0.1−0.35重量%である請求項1もしくは2
    記載のフレキシブル回路基板。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも
    片面を含む層が0.1〜3重量%の無機フィラ−を含有
    する請求項1乃至は4のうちのいずれかの項に記載のフ
    レキシブル回路基板。
  6. 【請求項6】 芳香族ポリイミドフィルムの表面が表面
    処理剤処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射、
    グロ−放電処理、プラズマ処理のいずれか1つ以上の表
    面処理がされている請求項1乃至5のうちのいずれかの
    項に記載のフレキシブル回路基板。
  7. 【請求項7】 芳香族ポリイミドフィルムの吸水率が
    0.5−1.8%、引張弾性率が450−1000Kg
    /mm2 、そして線膨張係数(50〜200℃)が0.
    6×10-5−2.5×10-5cm/cm/℃である請求
    項1乃至6のうちのいずれかの項に記載のフレキシブル
    回路基板。
  8. 【請求項8】 芳香族ポリイミドフィルムの絶縁破壊電
    圧が3KV以上であって、体積抵抗率(25℃)が1×
    1015Ω・cm以上である請求項1乃至7のうちのいず
    れかの項に記載のフレキシブル回路基板。
  9. 【請求項9】 接着剤が、厚みが5−35μmの熱可塑
    性接着剤もしくは熱硬化性接着剤である請求項1に記載
    のフレキシブル回路基板。
  10. 【請求項10】 接着剤が、接着剤樹脂100重量部に
    対して0−50重量部の割合で無機フィラ−を含有する
    熱可塑性接着剤もしくは熱硬化性接着剤である請求項9
    に記載のフレキシブル回路基板。
  11. 【請求項11】 接着剤が、熱融着性の非結晶性ポリイ
    ミドからなる熱可塑性接着剤である請求項9に記載のフ
    レキシブル回路基板。
  12. 【請求項12】 接着剤が、ポリイミドシロキサン−エ
    ポキシ樹脂−エポキシ硬化剤の高耐熱性で低誘電性の熱
    硬化性接着剤である請求項11に記載のフレキシブル回
    路基板。
  13. 【請求項13】 接着剤が、エポキシ樹脂との反応性基
    を有するポリイミドシロキサン−エポキシ樹脂−エポキ
    シ硬化剤の熱硬化性接着剤である請求項12に記載のフ
    レキシブル回路基板。
  14. 【請求項14】 接着剤が、芳香族ポリイミドフィルム
    に接着剤溶液を塗布した後に乾燥して設けられたもの、
    あるいは保護フィルムに設けた接着剤を芳香族ポリイミ
    ドフィルムに貼り合わせて設けられたものである請求項
    9乃至13のうちのいずれかに記載のフレキシブル回路
    基板。
  15. 【請求項15】 導電体が厚み8−50μmの銅からな
    る請求項1乃至14のうちのいずれかに記載のフレキシ
    ブル回路基板。
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