JPH10298427A - 固体電解コンデンサの電解質形成用組成物及び固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサの電解質形成用組成物及び固体電解コンデンサ

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JPH10298427A
JPH10298427A JP10629197A JP10629197A JPH10298427A JP H10298427 A JPH10298427 A JP H10298427A JP 10629197 A JP10629197 A JP 10629197A JP 10629197 A JP10629197 A JP 10629197A JP H10298427 A JPH10298427 A JP H10298427A
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electrolytic capacitor
electrolyte
solid electrolytic
composition
forming
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JP10629197A
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English (en)
Inventor
Toru Yoshikawa
徹 吉川
Hideaki Uehara
秀秋 上原
Ko Gen
虎 厳
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便にしかも低周波数から高周波数まで容
量、内部抵抗、誘電損失、インピーダンスが優れ、行程
上のストレスに強く、耐熱性に優れた固体電解コンデン
サを作製できる固体電解コンデンサの電解質形成用組成
物を提供する。 【解決手段】 (イ)少なくともアニリンを含む溶液、
及び(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液の2液からな
り、(イ)、(ロ)のいずれか、もしくは両方の溶液
が、水と自由な割合で混ざり合う有機溶剤を含有する固
体電解コンデンサの電解質形成用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解コンデンサ
の電解質形成用溶液及び固体電解コンデンサに関し、特
に、電解質の形成をアニリンの化学酸化重合で行う固体
電解コンデンサの電解質形成用溶液及びそれを用いて電
解質を形成した固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の固体電解コンデンサは、弁金属と
呼ばれるタンタルペレットや、アルミニウムの拡面され
た成形体を陽極体とし、その表面に酸化被膜を形成して
誘電体とし、二酸化マンガンや7,7′,8,8′−テ
トラシアノキノジメタン錯塩(TCNQ)等を電解質層
とする構造を有している。しかしながら、二酸化マンガ
ンは導電率が0.1S/cmと不十分であるため、これ
を電解質層とする固体電解コンデンサは高周波数域での
インピーダンスが大きく、また、高い工程温度を必要と
する二酸化マンガン電解質を多数回重ね塗りする必要が
あるために、本質的に漏れ電流不良が発生しやすいとい
う欠点があった。これを避けるために、MnO2を一層
形成するごとに誘電体である酸化膜の補修を行うための
再化成処理を行う必要があるので、電解質形成行程が複
雑であった。また、TCNQを電解質層とするものは、
TCNQがはんだ温度以下の温度で融解するために耐熱
性に劣っていた。また、TCNQの導電率は1S/cm
程度が限界であるので、より高周波特性の優れたコンデ
ンサへの要求には応えられるものではなかった。そのた
め、MnO2やTCNQよりも導電率が高く、TCNQ
よりも耐熱性に優れた導電性高分子を電解質層とする固
体電解コンデンサが提案されている。例えば、特開昭6
0−37114号公報にはドープした複素五員環式化合
物重合体からなる導電性高分子を電解質層とするコンデ
ンサが開示されている。また、特開昭63−80517
号公報には複素五員環式化合物重合体の揮発性溶剤溶液
の塗布による薄膜層が形成され、かつドーピングされた
ものを電解質層とするコンデンサが開示されている。
【0003】しかし、特開昭60−37114号公報に
記載される導電性高分子からなる電解質形成方法は、電
解重合法であるため、行程が複雑であり、特にタンタル
固体電解コンデンサのように、コンデンサ素子が小さい
ものへ形成するのは量産的に困難であった。また、絶縁
性であるコンデンサの誘電体表面でこのような電極反応
を実施するのは、通常かなりの困難を伴う。また、特開
昭63−80517号公報に示されているように、絶縁
状態の導電性高分子の揮発性溶剤溶液の塗布による方法
では、コンデンサ素子内部に十分な厚みで導電性高分子
層を形成することができないのでコンデンサの耐熱性が
劣り、また、導電性高分子被膜が緻密すぎるため行程上
のストレスによる変化が大きいので、外装をモールドす
るなどした後の特性が低下する傾向にあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便
にしかも低周波数から高周波数まで容量、内部抵抗、誘
電損失、インピーダンスが優れ、行程上のストレスに強
く、耐熱性に優れた固体電解コンデンサを作製できる固
体電解コンデンサの電解質形成用組成物を提供すること
にある。
【0005】本発明の他の目的は、更に低周波数から高
周波数まで容量、内部抵抗、誘電損失、インピーダンス
が優れ、行程上のストレスに強く、耐熱性に優れた固体
電解コンデンサを作製できる固体電解コンデンサのの電
解質形成用組成物を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、アニリンの溶解が良
好な固体電解コンデンサの電解質形成用組成物を提供す
ることにある。
【0007】本発明の他の目的は、更にアニリンの溶解
も良好で液の乾燥性が良く、人体への有害性が少ない固
体電解コンデンサの電解質形成用組成物を提供すること
にある。
【0008】本発明の他の目的は、化学酸化重合で形成
した電解質の膜厚も均一な固体電解コンデンサの電解質
形成用組成物を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、溶液の保存安定性に
優れた固体電解コンデンサの電解質形成用組成物を提供
することにある。
【0010】本発明の他の目的は、均一で緻密な電解質
層を形成できるので、行程上のストレスに更に強く、熱
衝撃に対しても強い固体電解コンデンサを作製できる固
体電解コンデンサの電解質形成用組成物を提供すること
にある。
【0011】本発明の他の目的は、さらに熱衝撃に対し
て強い固体電解コンデンサを作製できる固体電解コンデ
ンサの電解質形成用組成物を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、液の乾燥性が良く、
人体への有害性が少ない固体電解コンデンサの電解質形
成用組成物を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、電解質の形成が簡便
で、耐熱性が高く、しかも低周波数から高周波数まで容
量、内部抵抗、誘電損失、インピーダンスが優れた固体
電解コンデンサを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は(イ)少なくと
もアニリンを含む溶液、及び(ロ)少なくとも酸化剤を
含む溶液の2液からなり、(イ)、(ロ)のいずれか、
もしくは両方の溶液が、水と自由な割合で混ざり合う有
機溶剤を含有する固体電解コンデンサの電解質形成用組
成物に関する。
【0015】また、本発明は、前記(イ)少なくともア
ニリンを含む溶液が(A)アニリン、(B)有機スルホ
ン酸、(C)水、(D)水と自由な割合で混ざり合う有
機溶剤を必須成分とする溶液である固体電解コンデンサ
の電解質形成用組成物に関する。
【0016】また、本発明は、前記(D)成分の水と自
由な割合で混ざり合う有機溶剤が、アニリンを溶解可能
なアルキルアルコール、グリコール系溶剤、モノエーテ
ル系溶剤、ジエーテル系溶剤、環状エーテル系溶剤、ケ
トン系溶剤、含窒素化合物系溶剤及びカルボン酸エステ
ル系溶剤から選ばれる成分1種以上からなる固体電解コ
ンデンサの電解質形成用組成物に関する。
【0017】また、本発明は、前記(D)成分の水と自
由な割合で混ざり合う有機溶剤が、エタノール、1−プ
ロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジグライム及びアセトンから選ば
れる成分1種以上からなる固体電解コンデンサの電解質
形成用組成物に関する。
【0018】また、本発明は、(イ)少なくともアニリ
ンを含む溶液が、前記(A)、(B)、(C)及び
(D)の必須成分に加えて更に(E)成分として一般式
(1)
【0019】
【化2】 (nは1から7の整数)で表される化合物を含有する固
体電解コンデンサの電解質形成用組成物に関する。
【0020】また、本発明は、前記(A)成分、(C)
成分及び(D)成分がいずれも脱気されたものである固
体電解コンデンサの電解質形成用組成物に関する。
【0021】また、本発明は、前記(ロ)少なくとも酸
化剤を含む溶液が、(F)ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム、(G)水及び(H)水と自由な割合で混ざり合う有
機溶剤を必須成分とする溶液である固体電解コンデンサ
の電解質形成用組成物に関する。
【0022】また、本発明は、前記(H)成分の水と自
由な割合で混ざり合う有機溶剤が、アルキルアルコー
ル、グリコール系溶剤、モノエーテル系溶剤、ジエーテ
ル系溶剤、環状エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素
化合物系溶剤及びカルボン酸エステル系溶剤から選ばれ
る成分1種以上からなる固体電解コンデンサの電解質形
成用組成物に関する。
【0023】また、本発明は、前記(H)成分の水と自
由な割合で混ざり合う有機溶剤がエタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジグライム、アセトニトリル及びアセト
ンから選ばれる成分1種以上からなる固体電解コンデン
サの電解質形成用組成物に関する。
【0024】また本発明は、前記固体電解コンデンサの
電解質形成用組成物を用いて電解質を形成した固体電解
コンデンサに関する。
【0025】本発明における電解質とは、電解コンデン
サの陽極に用いる金属(弁金属)表面に形成した薄い酸
化被膜からなる誘電体被膜と陰極との電気的なコンタク
トを得るための導電性物質のことをいう。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明における(A)成分である
アニリンは、一般式(2)
【0027】
【化3】 (式中、Rは各々独立にアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又
はアルカノイル基を示し、mは1〜5の整数であり、n
は0〜4の整数であり、m+nは5である)で表される
化合物が挙げられる。好ましくはRは炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4
のアルコキシ基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭
素数5〜6のシクロアルケニル基、炭素数7〜10のア
ルカノイル基が挙げられる。これらは、溶解性等の点で
好ましく、なかでも置換基を有さないアニリンモノマー
が、化学酸化重合して得たポリアニリンの導電率が高く
なる点や、安価等の点で最も好ましい。
【0028】本発明における(イ)少なくともアニリン
を含む溶液としては、(A)アニリン、(B)有機スル
ホン酸、(C)水及び(D)水と自由な割合で混ざり合
う有機溶剤を必須成分とする溶液であることが好まし
い。
【0029】(B)成分である有機スルホン酸として
は、特に制限なく公知のものを使用できるが、化学酸化
重合したポリアニリンの耐熱性や、導電性の点から、特
に下記のものが好ましい。
【0030】例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸、n−ヘキサンスルホン酸、n−オクチルスル
ホン酸、ドデシルスルホン酸、セチルスルホン酸、4−
ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、
ポリ(ビニル)スルホン酸、ジノニルナフタレンスルホ
ン酸、ナフタレンスルホン酸、p−クロロベンゼンスル
ホン酸、フェノールスルホン酸、フェノールジスルホン
酸、トリクロロベンゼンスルホン酸、4−ニトロトルエ
ン−2−スルホン酸、1−オクタンスルホン酸、スルホ
ン化ポリスチレン、スルホン化ポリエチレン、ニトロベ
ンゼンスルホン酸、2−スルホ安息香酸、3−ニトロベ
ンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、
2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、ス
ルホコハク酸が挙げられ、これらの内、化学酸化重合し
たポリアニリンの耐熱性や導電性の点でフェノールスル
ホン酸、フェノールジスルホン酸、2−スルホ安息香
酸、スルホコハク酸、3−ニトロベンゼンスルホン酸が
最も好ましい。
【0031】(C)成分である水は、イオン性の不純物
や有機物等を含まないことが好ましく、イオン交換と蒸
溜の両方がなされていることが好ましい。
【0032】(D)成分である有機溶剤は、水と自由な
割合で混ざり合う溶媒である。中でもアニリンを溶解可
能なアルキルアルコール、グリコール系溶剤、モノエー
テル系溶剤、ジエーテル系溶剤、環状エーテル系溶剤、
ケトン系溶剤、カルボン酸エステル系溶剤から選ぶのが
好ましい。このような溶剤を具合的に例示すればメタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルア
ルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルキルアル
コール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグ
リコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチル
カルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル等のモノエーテル系溶剤、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジグ
ライム、トリグライム、テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル等のジエーテル系溶剤、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の環状エーテル系溶剤、アセトン等の
ケトン系溶剤、乳酸メチル等の酸エステル系溶剤、アセ
トニトリル、N−メチルピロリドン等の含窒素化合物系
溶剤が好ましく用いることができ、これらのうちの複数
種を組み合わせて用いることも可能である。中でもエタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジグライム、アセトン
が低毒性でかつ(A)成分の溶解性及び乾燥性に優れる
ので好ましい。
【0033】本発明における(E)成分である一般式
(1)
【0034】
【化4】 (nは1から7の整数)で表される化合物は、nが1か
ら7である必要があり、nが7より大きいと本発明の電
解質形成用組成物の寿命が短くなり、酸化剤と反応させ
て得たポリアニリンの導電率が低下する傾向にある。さ
らに好ましいnの値は1から3であり、最も好ましくは
1である。
【0035】本発明における酸化剤は、ペルオキソ二硫
酸アンモニウム、塩化鉄(III)、二クロム酸アンモ
ニウム、二クロム酸ナトリウム、過酸化水素等、アニリ
ンを重合可能なものを用いることができるが、特にペル
オキソ二硫酸アンモニウムが得られる電解質層の導電性
が良好のため好ましい。
【0036】本発明における(ロ)少なくとも酸化剤を
含む溶液としては、酸化剤、(G)水及び(H)水と自
由な割合で混ざり合う有機溶剤を必須成分とする溶液で
あることが好ましい。特に、酸化剤として(F)ペルオ
キソ二硫酸アンモニウムを含有することが好ましい。
【0037】(F)成分であるペルオキソ二硫酸アンモ
ニウムは、本発明の(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液
を調製する前の時点で吸湿していないものを用いるのが
反応活性の点で好ましい。
【0038】(G)成分である水は、イオン性の不純物
や有機物等を含まないことが好ましく、イオン交換と蒸
溜の両方がなされていることが好ましい。
【0039】本発明における(H)成分である有機溶剤
としては、水と自由な割合で混ざり合う種類のものを用
いる。このような溶剤を具体的に例示すればメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアル
コール、t−ブチルアルコール等の低級アルキルアルコ
ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリ
コール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
メチカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビ
トール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル等のモノエーテル系溶剤、エチレングリ
コールメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールエチルメチルエーテル、ジグライム、
トリグライム、テトラエチレングリコールジメチルエー
テル等のジエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等の環状エーテル系溶剤、アセトン等のケトン系
溶剤、乳酸メチル等の酸エステル系溶剤、アセトニトリ
ル、N−メチルピロリドン等の含窒素化合物系溶剤が好
ましく用いることができ、これらのうちの複数種を組み
合わせて用いることも可能である。中でも、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジグライム、アセトンが低
毒性で乾燥性に優れるので特に好ましい。
【0040】また、アセトニトリルは酸化を受けにくい
ため、本発明における(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶
液の保存安定性に優れ、また乾燥性にも優れる点で特に
好ましい。
【0041】本発明における(ロ)少なくとも酸化剤を
含む溶液は、前記(F)、(G)及び(H)成分以外の
成分を更に含んでいても良い。例えば、ポリアニリンの
ドーパントとして作用する有機スルホン酸を加えること
ができる。このような有機スルホン酸としては、特に制
限なく公知のものを使用できるが、本発明における
(B)成分として好ましく用いられるものが特に化学酸
化重合したポリアニリンの耐熱性や、導電性の点で好ま
しい。
【0042】本発明における(A)成分の配合量は、本
発明における(イ)少なくともアニリンを含む溶液の総
量に対して、0.2wt%から23wt%であることが
好ましく、さらに好ましくは0.7wt%から16wt
%であり、特に好ましくは1wt%から12wt%であ
る。(A)成分の配合量が0.2wt%未満だと電解コ
ンデンサの酸化膜表面に形成されるポリアニリンの被膜
の厚みが薄くなる傾向にあり、23wt%を超えると電
解コンデンサの酸化膜表面に形成されるポリアニリンの
被膜の導電率が低下する傾向がある。
【0043】本発明における(B)成分の配合量は、本
発明における(イ)少なくともアニリンを含む溶液の総
量に対して、0.2wt%から25wt%であることが
好ましく、さらに好ましくは0.6wt%から15wt
%であり、特に好ましくは1wt%から11wt%であ
る。(B)成分の配合量が0.2wt%未満だと電解コ
ンデンサの酸化膜表面に形成されるポリアニリンの被膜
の耐熱性が低下する傾向にあり、25wt%を超えると
本発明における(イ)少なくともアニリンを含む溶液の
粘度が高くなりすぎ、コンデンサ素子への含浸性が低下
する傾向がある。
【0044】本発明における(C)成分の配合量は、本
発明における(イ)少なくともアニリンを含む溶液の総
量に対して、27wt%から90wt%であることが好
ましく、さらに好ましくは33wt%から85wt%で
あり、特に好ましくは38wt%から80wt%であ
る。(C)成分の配合量が27wt%未満だと電解コン
デンサの酸化膜表面に形成されるポリアニリンの被膜の
導電率が低下する傾向にあり、90wt%を超えると本
発明における(E)成分の溶解性が低下する傾向があ
る。
【0045】本発明における(D)成分の配合量は、本
発明における(イ)少なくともアニリンを含む溶液の総
量に対して、9.5wt%から70wt%であることが
好ましく、さらに好ましくは15wt%から60wt%
であり、特に好ましくは20wt%から50wt%であ
る。(D)成分の配合量が9.5wt%未満だと本発明
の(A)成分や(E)成分の溶解性が低下する傾向にあ
り、50wt%を超えると電解コンデンサの酸化膜表面
に形成されるポリアニリンの被膜の導電率が低下する傾
向がある。
【0046】本発明における(E)成分の配合量は、本
発明における(イ)少なくともアニリンを含む溶液の総
量に対して、0.02wt%から2.5wt%であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.05wt%から
1.6wt%であり、特に好ましくは0.1wt%から
1.2wt%である。(E)成分の配合量が0.02w
t%未満だと電解コンデンサの酸化膜表面に形成される
ポリアニリンの被膜の膜厚の均一性が低下する傾向があ
り、2.5wt%を超えると本発明における(イ)少な
くともアニリンを含む溶液の安定性が低下し、電解コン
デンサの酸化膜表面に形成されるポリアニリンの被膜の
導電率が低下する傾向がある。
【0047】また、本発明における(A)成分であるア
ニリン、(C)成分である水、(D)成分である有機溶
剤は、脱気されていることが好ましく、脱気されずに酸
素を含んでいると、本発明の固体電解質の電解質形成用
組成物の反応が、本発明における(イ)少なくともアニ
リンを含む溶液の保存中に始まってしまったり、化学酸
化重合して得たポリアニリンの導電率が低下したりする
傾向にある。
【0048】本発明における酸化剤あるいは(F)成分
の配合量は、本発明における(ロ)少なくとも酸化剤を
含む溶液の総量に対して、0.2wt%から23wt%
であることが好ましく、さらに好ましくは0.7wt%
から16wt%であり、特に好ましくは1wt%から1
2wt%である。酸化剤あるいは(F)成分の配合量が
0.2wt%未満だと電解コンデンサの酸化膜表面に形
成されるポリアニリンの被膜の厚みが薄くなる傾向にあ
り、23wt%を超えると電解コンデンサの酸化膜表面
に形成されるポリアニリンの被膜の導電率が低下する傾
向がある。
【0049】本発明における(G)成分の配合量は、本
発明における(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液の総量
に対して、30wt%から95wt%であることが好ま
しく、さらに好ましくは35wt%から90wt%であ
り、特に好ましくは40wt%から85wt%である。
(G)成分の配合量が30wt%未満だと本発明におけ
る酸化剤あるいは(F)成分の溶解性が低下する傾向が
あり、95wt%を超えると電解コンデンサの酸化膜表
面に形成されるポリアニリンの被膜が不均一になり、ス
トレスや熱衝撃に弱くなる傾向がある。
【0050】本発明における(H)成分の配合量は、本
発明における(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液の総量
に対して、4wt%から69wt%であることが好まし
く、さらに好ましくは10wt%から60wt%であ
り、特に好ましくは20wt%から50wt%である。
(H)成分の配合量が4wt%未満だと電解コンデンサ
の酸化膜表面に形成されるポリアニリンの被膜が不均一
になり、ストレスや熱衝撃に弱くなる傾向があり、69
wt%を超えると本発明の酸化剤あるいは(F)成分の
溶解性が低下する傾向がある。
【0051】本発明における(ロ)少なくとも酸化剤を
含む溶液において、(F)、(G)及び(H)成分以外
の成分の配合量は、本発明における(ロ)少なくとも酸
化剤を含む溶液の総量に対して、25wt%未満である
ことが好ましく、さらに好ましくは15wt%未満であ
り、特に好ましくは5wt%未満が良い。(F)、
(G)及び(H)成分以外の成分の配合量が25wt%
以上では、アニリンの酸化重合反応が阻害され、電解コ
ンデンサの酸化膜表面に形成されるポリアニリンの被膜
の導電率が低下する傾向がある。
【0052】本発明の固体電解コンデンサに用いる弁金
属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、バナジウム、
チタン、ジルコニウム等が挙げられるが、誘電率や酸化
被膜の形成し易さの点から、拡面化したアルミニウム箔
又はタンタル焼結体が好ましい。
【0053】本発明の固体電解コンデンサにおいて弁金
属表面に酸化被膜を形成する方法は、通常、電解コンデ
ンサ製造時に使用される方法であれば特に制限無く用い
ることができ、例えば、エッチングによって拡面したア
ルミニウム箔をアジピン酸アンモニウム水溶液中でで電
圧をかけることによって酸化被膜を形成する、タンタル
微粉末焼結体ペレットを硝酸水溶液中で電圧をかけるこ
とによって酸化被膜を形成する、等の公知方法が用いら
れる。
【0054】本発明の固体電解コンデンサの好ましい作
製方法としては、例えば、弁金属上に酸化膜を形成した
素子に、本発明における(ロ)少なくとも酸化剤を含む
溶液を含浸した後、乾燥した、もしくは乾燥しない素子
に本発明における(イ)少なくともアニリンを含む溶液
を含浸してポリアニリンの重合を行った後に、素子を乾
燥させる行程を1回から数十回繰り返した後に、さらに
乾燥して水分等を揮散させ、電解質層を形成した後、電
解質層の上にカーボンペースト層及び銀ペースト層の順
で形成し、この素子をリードフレーム等に導電性の接着
剤で接着し、さらに必要であれば封止材で封止して外装
する方法が挙げられる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】実施例1 30分間窒素でバブリングして得た脱気したアニリン
(和光純薬工業(株)、試薬)、脱気したイオン交換
水、脱気したエタノール(和光純薬工業(株)、試薬を
脱気)及びアニリンの2量体(パラアミノジフェニルア
ミン、和光純薬工業(株)、試薬)、及びフェノールス
ルホン酸(和光純薬工業(株)、試薬)、ペルオキソ二
硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)、試薬)を用い
て、表1に示す組成の実施例1の固体電解コンデンサの
電解質形成用組成物を得た。次に、以下の方法で実施例
1の固体電解コンデンサを得た。
【0057】図2はタンタルを弁金属にした本発明の固
体電解コンデンサの断面図である。
【0058】長さ1mm、奥行き1mm、高さ1mmの
角柱状のタンタル微粉末焼結体ペレット(空隙率60
%、設計容量3.3μF)に硝酸水溶液中20Vで酸化
被膜を形成し、タンタル16の表面に酸化タンタル被膜
15を形成したタンタルペレット12を作製し、このタ
ンタルペレット12の全面に、表1に示す本発明の固体
電解コンデンサの電解質形成用組成物のうち、(ロ)少
なくとも酸化剤を含む溶液を含浸し、熱風乾燥機で80
℃で20分間乾燥し、その後表1に示す本発明の固体電
解コンデンサの電解質形成用組成物のうち、(イ)少な
くともアニリンを含む溶液を含浸し、室温で10分放置
した後、熱風乾燥機で80℃で20分乾燥した。この含
浸工程を20回繰り返して、ポリアニリンからなる電解
質層19を形成した。更に電解質層19の上にカーボン
ペースト層17、銀ペースト層18を順次形成した。こ
の銀ペースト層18に、銀ペーストを用いて陰極リード
11を接続し、タンタルワイヤ14に陽極13を接続し
て、封止材10でモールド外装し、タンタルを弁金属に
した本発明の固体電解コンデンサを得た。得られた固体
電解コンデンサの電気的特性を表2に示す。電気的特性
の測定はHEWLETT PACKARD 社製419
2ALF型インピーダンスアナライザを使用して行っ
た。合わせて電解質層に二酸化マンガンを用いた従来の
タンタル固体電解コンデンサの特性も表2に示す。
【0059】実施例2 実施例1の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、エタノールの替わりにイソプロパノール(和光
純薬工業(株)、試薬)を用いた点と配合割合を変化さ
せた点以外は実施例1と同様にして、実施例2の固体電
解コンデンサ用電解質形成用組成物を得た。また、実施
例2の固体電解コンデンサ用電解質形成用組成物を用い
た点以外は実施例1と同様にして実施例2の固体電解コ
ンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサの電解質
形成用組成物の組成を表1に、得られた固体電解コンデ
ンサの電気的特性を表2に示す。
【0060】実施例3 実施例1の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、エタノールの替わりにジグライムを用いた点と
配合割合を変化させた点、フェノールスルホン酸の替わ
りに2−スルホ安息香酸(アルドリッチ、試薬)を用い
た点以外は実施例1と同様にして、実施例3の固体電解
コンデンサ用電解質形成用組成物を得た。また、実施例
3の固体電解コンデンサ用電解質形成用組成物を用いた
点と、含浸回数を変化させた以外は実施例1と同様にし
て実施例3の固体電解コンデンサを得た。得られた固体
電解コンデンサの電解質形成用組成物の組成を表1に、
得られた固体電解コンデンサの電気的特性を表2に示
す。
【0061】実施例4 実施例1の固体電解コンデンサの電解質用組成物の組成
中、エタノールの替わりにアセトン(和光純薬工業
(株)、試薬)を用いた点と配合割合を変化させた点以
外は実施例1と同様にして、実施例4の固体電解コンデ
ンサ用電解質形成用組成物を得た。また、実施例4の固
体電解コンデンサ用電解質形成用組成物を用いた点と、
含浸回数を変化させた以外は実施例1と同様にして実施
例4の固体電解コンデンサを得た。得られた固体電解コ
ンデンサの電解質形成用組成物の組成を表1に、得られ
た固体電解コンデンサの電気的特性を表2に示す。
【0062】実施例5 実施例1の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、エタノールの替わりに1−プロパノール(和光
純薬工業(株)、試薬)を用いた点と配合割合を変化さ
せた点、フェノールスルホン酸の替わりに3−ニトロベ
ンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)、試薬)を用い
た点以外は実施例1と同様にして、実施例5の固体電解
コンデンサ用電解質形成用組成物を得た。また、実施例
5の固体電解コンデンサ用電解質形成用組成物を用いた
点と、含浸回数を変化させた以外は実施例1と同様にし
て実施例5の固体電解コンデンサを得た。得られた固体
電解コンデンサの電解質形成用組成物の組成を表1に、
得られた固体電解コンデンサの電気的特性を表2に示
す。
【0063】実施例6 実施例1の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、エタノールの替わりにプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルを用いた点とp−アミノジフェニルア
ミンを用いなかった点、配合割合を変化させた点以外は
実施例1と同様にして、実施例6の固体電解コンデンサ
用電解質形成用組成物を得た。また、実施例6の固体電
解コンデンサ用電解質形成用組成物を用いた点と、本発
明の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物を含浸し
た後の室温放置時間を1時間とした点、含浸回数を変化
させた点以外は実施例1と同様にして実施例6の固体電
解コンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサの電
解質形成用組成物の組成を表1に、得られた固体電解コ
ンデンサの電気的特性を表2に示す。
【0064】実施例7 実施例1と同様にして、実施例7の固体電解コンデンサ
用電解質形成用組成物を得た。次に、以下の方法で実施
例7の固体電解コンデンサを得た。
【0065】図1はアルミニウムを弁金属にした本発明
の固体電解コンデンサの断面図である。まず、エッチン
グによって拡面した(2μF/cm2)膜厚70μm、
面積1cm×1.2cm(溶接しろ0.2cm:有効面
積1cm2)のアルミニウムエッチング箔1を60℃、
10%アジピン酸アンモニウム水溶液中、40Vで化成
し、酸化被膜3を形成した。次にこのようにして酸化被
膜を形成したアルミニウム箔にリード端子2を溶接し
た。次にこの酸化被膜を形成したアルミニウム箔を、表
1に示す本発明の固体電解コンデンサの電解質形成用組
成物のうち、(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液に浸漬
し、熱風乾燥機で80℃で20分乾燥し、その後表1に
示す本発明の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物
のうち、(イ)少なくともアニリンを含む溶液に浸漬
し、室温で10分間放置した後、熱風乾燥機で80℃で
20分間乾燥した。この工程を20回繰り返して、ポリ
アニリンからなる電解質層4を形成した。更にカーボン
ペースト層5、銀ペースト層6を順次形成して、この銀
ペースト層6に、銀ペースト7を用いて陰極リード8を
接続し、エポキシ樹脂9で含浸外装し、アルミニウムを
弁金属にした本発明の固体電解コンデンサを得た。得ら
れた固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の組成を
表1に、得られた固体電解コンデンサの電気的特性を表
2に示す。合わせて電解質層に電解質溶液を用いた従来
のアルミ電解コンデンサの特性も表2に示す。
【0066】実施例8 実施例1の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液中にもエタ
ノールを配合した点と配合割合を変化させた点以外は実
施例1と同様にして、実施例8の固体電解コンデンサ用
電解質形成用組成物を得た。また、実施例8の固体電解
コンデンサ用電解質形成用組成物を用いた点以外は実施
例1と同様にして実施例8の固体電解コンデンサを得
た。得られた固体電解コンデンサの電解質形成用組成物
の組成を表1に、得られた固体電解コンデンサの電気的
特性を表2に示す。
【0067】実施例9 実施例8の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液中のエタノ
ールの替わりにイソプロパノール(和光純薬工業
(株)、試薬)を用いた点と配合割合を変化させた点以
外は実施例8と同様にして、実施例9の固体電解コンデ
ンサ用電解質形成用組成物を得た。また、実施例9の固
体電解コンデンサ用電解質形成用組成物を用いた点以外
は実施例1と同様にして実施例9の固体電解コンデンサ
を得た。得られた固体電解コンデンサの電解質形成用組
成物の組成を表1に、得られた固体電解コンデンサの電
気的特性を表2に示す。
【0068】実施例10 実施例8の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液中のエタノ
ールの替わりにジグライムを用いた点、(イ)少なくと
もアニリンを含む溶液中のフェノールスルホン酸の替わ
りに2−スルホ安息香酸(アルドリッチ、試薬)を用い
た点、配合割合を変化させた点以外は実施例8と同様に
して、実施例10の固体電解コンデンサ用電解質形成用
組成物を得た。また、実施例10の固体電解コンデンサ
用電解質形成用組成物を用いた点と、含浸回数を変化さ
せた以外は実施例1と同様にして実施例10の固体電解
コンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサの電解
質形成用組成物の組成を表1に、得られた固体電解コン
デンサの電気的特性を表2に示す。
【0069】実施例11 実施例8の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液中のエタノ
ールの替わりにアセトン(和光純薬工業(株)、試薬)
を用いた点、フェノールスルホン酸を加えた点と配合割
合を変化させた点以外は実施例8と同様にして、実施例
11の固体電解コンデンサ用電解質形成用組成物を得
た。また、実施例11の固体電解コンデンサ用電解質形
成用組成物を用いた点と、含浸回数を変化させた以外は
実施例1と同様にして実施例11の固体電解コンデンサ
を得た。得られた固体電解コンデンサの電解質形成用組
成物の組成を表1に、得られた固体電解コンデンサの電
気的特性を表2に示す。
【0070】実施例12 実施例8の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液中のエタノ
ールの替わりに1−プロパノール(和光純薬工業
(株)、試薬)を用いた点、(イ)少なくともアニリン
を含む溶液中のフェノールスルホン酸の替わりに3−ニ
トロベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)、試薬)
を用いた点、配合割合を変化させた点以外は実施例8と
同様にして、実施例12の固体電解コンデンサ用電解質
形成用組成物を得た。また、実施例12の固体電解コン
デンサ用電解質形成用組成物を用いた点と、含浸回数を
変化させた以外は実施例1と同様にして実施例12の固
体電解コンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサ
の電解質形成用組成物の組成を表1に、得られた固体電
解コンデンサの電気的特性を表2に示す。
【0071】実施例13 実施例8の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の
組成中、(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液中のエタノ
ールの替わりにアセトニトリルを用いた点とp−アミノ
ジフェニルアミンを用いなかった点、配合割合を変化さ
せた点以外は実施例8と同様にして、実施例13の固体
電解コンデンサ用電解質形成用組成物を得た。また、実
施例13の固体電解コンデンサ用電解質形成用組成物を
用いた点と、(イ)少なくともアニリンを含む溶液を含
浸した後の室温放置時間を1時間とした点、含浸回数を
変化させた点以外は実施例1と同様にして実施例13の
固体電解コンデンサを得た。得られた固体電解コンデン
サの電解質形成用組成物の組成を表1に、得られた固体
電解コンデンサの電気的特性を表2に示す。
【0072】実施例14 実施例8と同様にして、実施例14の固体電解コンデン
サ用電解質形成用組成物を得た。次に、実施例14の固
体電解コンデンサ用電解質形成用組成物を用いた点以外
は実施例7と同様にして実施例14のアルミニウムを弁
金属にした本発明の固体電解コンデンサを得た。得られ
た固体電解コンデンサの電解質形成用組成物の組成を表
1に、得られた固体電解コンデンサの電気的特性を表2
に示す。
【0073】比較例1 本発明における水と自由な割合で混ざり合う有機溶剤を
使用しない点以外は実施例3と同様にして、比較例1の
タンタルを弁金属とする固体電解コンデンサを作製し
た。得られた固体電解コンデンサの電解質形成用組成物
の組成を表3に、得られた固体電解コンデンサの電気的
特性を表4に示す。
【0074】比較例2 アニリンを使用しない点と配合割合を変化させた点以外
は実施例1と同様にして、比較例2のタンタルを弁金属
とする固体電解コンデンサを作製したが、電解質を形成
できなかった。
【0075】比較例3 本発明における水と自由な割合で混ざり合う有機溶剤の
替わりに水に溶解しない性質をもつエチルエーテル(和
光純薬工業(株)、試薬)を使用した以外は実施例1と
同様にして、比較例3のタンタルを弁金属とする固体電
解コンデンサを作製した。得られた固体電解コンデンサ
の電解質形成用組成物の組成を表3に、得られた固体電
解コンデンサの電気的特性を表4に示す。
【0076】比較例4 本発明における水と自由な割合で混ざり合う有機溶剤の
替わりに水に溶解しない性質をもつエチルエーテル(和
光純薬工業(株)、試薬)を使用した以外は実施例8と
同様にして、比較例4のタンタルを弁金属とする固体電
解コンデンサを作製したが、電解質を形成できなかっ
た。
【0077】比較例5 ポリアニリン粉末を2重量%溶解したN−メチル−2−
ピロリドン溶液を、実施例1と同様の方法で酸化被膜を
形成したタンタルペレットに含浸、乾燥する工程を20
回繰り返した後、フェノールスルホン酸の水溶液に60
℃、5時間浸漬してからアセトンで洗浄して電解質層を
形成した。更にカーボンペースト層、銀ペースト層を順
次形成して、この銀ペースト層に、銀ペーストを用いて
陰極リードを接続し、封止材でモールド外装し、タンタ
ルを弁金属にした比較例5の固体電解コンデンサを得
た。得られた比較例5の固体電解コンデンサの電気的特
性を表4に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】 *JIS C5102に基づく。−55℃〜20℃〜8
5℃、5サイクル。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】 *JIS C5102に基づく。−55℃〜20℃〜8
5℃、5サイクル。
【0082】表2及び表4を比較すると明らかなよう
に、実施例による固体電解コンデンサは、低周波特性及
び高周波と特性のいずれも、比較例による固体電解コン
デンサや従来例による固体電解コンデンサよりも優れて
いた。
【0083】
【発明の効果】本発明の固体電解コンデンサの電解質形
成用組成物は、簡便にしかも低周波数から高周波数まで
容量、内部抵抗、誘電損失、インピーダンスが優れ、工
程上のストレスに強く、耐熱性に優れた固体電解コンデ
ンサを作製できるので、固体電解コンデンサの電解質形
成用組成物として好適である。
【0084】本発明の固体電解コンデンサの電解質形成
用組成物は、更に低周波数から高周波数まで容量、内部
抵抗、誘電損失、インピーダンスが優れ、工程上のスト
レスに強く、耐熱性に優れた固体電解コンデンサを作製
できる。
【0085】本発明の固体電解コンデンサの電解質形成
用組成物は、アニリンの溶解力にも優れる。
【0086】本発明の固体電解コンデンサの電解質形成
用組成物は、アニリンの溶解力も良好で、液の乾燥性が
良く、人体への有害性が少ない。
【0087】本発明の固体電解コンデンサの電解質形成
用組成物は、化学酸化重合で形成した電解質の膜厚が均
一になる。
【0088】本発明の固体電解コンデンサの電解質形成
用組成物は、溶液の保存安定性に優れる。
【0089】本発明の固体電解コンデンサの電解質形成
用組成物は、均一で緻密な電解質層を形成でき、工程上
のストレスに更に強く、熱衝撃に強い固体電解コンデン
サを作製できる。
【0090】本発明の固体電解コンデンサの電解質形成
用組成物は、更に熱衝撃に強い固体電解コンデンサを作
製できる。
【0091】本発明の固体電解コンデンサの電解質形成
用組成物は、液の乾燥性が良く、人体への有害性が少な
い。
【0092】本発明の固体電解コンデンサは、電解質の
形成が簡便で、耐熱性が高く、しかも低周波数から高周
波数まで容量、内部抵抗、誘電損失、インピーダンスが
優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解コンデンサの一例の断面図。
【図2】本発明の固体電解コンデンサの一例の断面図。
【符号の説明】
1 アルミエッチング箔 2 リード端子 3 酸化被膜 4 電解質層 5 カーボンペースト層 6 銀ペースト層 7 銀ペースト 8 陰極リード 9 エポキシ樹脂 10 封止材 11 陰極 12 タンタルペレット 13 陽極 14 タンタルワイヤ 15 酸化タンタル被膜 16 タンタル 17 カーボンペースト層 18 銀ペースト層 19 電解質層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)少なくともアニリンを含む溶液、
    及び(ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液の2液からな
    り、(イ)、(ロ)のいずれか、もしくは両方の溶液
    が、水と自由な割合で混ざり合う有機溶剤を含有する固
    体電解コンデンサの電解質形成用組成物。
  2. 【請求項2】 (イ)少なくともアニリンを含む溶液
    が、(A)0.2〜23重量%のアニリン、(B)0.
    2〜25重量%の有機スルホン酸、(C)27〜90重
    量%の水及び(D)9.5〜70重量%の水と自由な割
    合で混ざり合う有機溶剤を必須成分とする溶液である請
    求項1記載の固体電解コンデンサの電解質形成用組成
    物。
  3. 【請求項3】 (D)成分の水と自由な割合で混ざり合
    う有機溶剤がアニリンを溶解可能なアルキルアルコー
    ル、グリコール系溶剤、モノエーテル系溶剤、ジエーテ
    ル系溶剤、環状エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素
    化合物系溶剤及びカルボン酸エステル系溶剤から選ばれ
    る成分1種以上からなる請求項2記載の固体電解コンデ
    ンサの電解質形成用組成物。
  4. 【請求項4】 (D)成分の水と自由な割合で混ざり合
    う有機溶剤が、エタノール、1−プロパノール、イソプ
    ロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテ
    ル、ジグライム及びアセトンから選ばれる成分1種以上
    からなる請求項2記載の固体電解コンデンサの電解質形
    成用組成物。
  5. 【請求項5】 (イ)少なくともアニリンを含む溶液
    が、更に(E)成分として一般式(1) 【化1】 (nは1から7の整数)で表される化合物を含有する請
    求項2記載の固体電解コンデンサの電解質形成用組成
    物。
  6. 【請求項6】 (A)成分、(C)成分及び(D)成分
    がいずれも脱気されたものである請求項2、3、4又は
    5記載の固体電解コンデンサの電解質形成用組成物。
  7. 【請求項7】 (ロ)少なくとも酸化剤を含む溶液が、
    (F)0.2〜23重量%のペルオキソ二硫酸アンモニ
    ウム、(G)30〜95重量%の水及び(H)4〜69
    重量%の水と自由な割合で混ざり合う有機溶剤を必須成
    分とする溶液である請求項1記載の固体電解コンデンサ
    の電解質形成用組成物。
  8. 【請求項8】 (H)成分の水と自由な割合で混ざり合
    う有機溶剤が、アルキルアルコール、グリコール系溶
    剤、モノエーテル系溶剤、ジエーテル系溶剤、環状エー
    テル系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素化合物系溶剤及びカ
    ルボン酸エステル系溶剤から選ばれる成分1種以上から
    なる請求項7記載の固体電解コンデンサの電解質形成用
    組成物。
  9. 【請求項9】 (H)成分の水と自由な割合で混ざり合
    う有機溶剤が、エタノール、プロパノール、イソプロパ
    ノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
    グライム、アセトニトリル及びアセトンから選ばれる成
    分1種以上からなる請求項7記載の固体電解コンデンサ
    の電解質形成用組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8又は9記載の固体電解コンデンサの電解質形成用組成
    物で電解質を形成した固体電解コンデンサ。
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