JPH10298252A - 硬化性組成物およびその製造方法 - Google Patents

硬化性組成物およびその製造方法

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JPH10298252A
JPH10298252A JP10603497A JP10603497A JPH10298252A JP H10298252 A JPH10298252 A JP H10298252A JP 10603497 A JP10603497 A JP 10603497A JP 10603497 A JP10603497 A JP 10603497A JP H10298252 A JPH10298252 A JP H10298252A
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meth
acrylate
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silica
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JP10603497A
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Akira Yanagase
昭 柳ヶ瀬
Terushi Ueda
昭史 上田
Yukio Watanabe
幸夫 渡辺
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多官能(メタ)アクリレート中にシリカ微粒
子が均一分散し、透明性、硬度、耐摩耗性に優れた硬化
物を与える硬化性組成物等を提供する。 【解決手段】 平均粒子径1-100nmのコロイダルシリカ
の存在下、γ-メタクリロイルオキシプロピルメチルジ
メトキシシラン等(a-1)の加水分解、縮重合で得たシリ
カ系縮重合体(a)と、多官能(メタ)アクリレート(d)、
開始剤(e)を配合した硬化性組成物;各反応を、45-100
℃、3-24時間で行う硬化性組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性組成物およ
びその製造方法に関し、さらに詳しくは、多官能(メ
タ)アクリレート中のシリカ微粒子の分散性が良好で、
かつ透明性等に優れた硬化性組成物およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機物に無機物を配合して複合化
することにより、両者の特徴を生かして高性能化を図る
複合材料の研究が、種々の工業分野で試みられている。
この様な複合材料においては、例えばシランカップリン
グ処理やグラフト化等の手法により、有機物と無機物と
の界面を制御して無機物を均一分散させている。
【0003】しかしながら、透明性に優れた複合材料を
得ようとすると、有機物と無機物の屈折率を合わせる必
要があり、またナノメートル(以下nmと記す)オーダ
ーの無機微粒子を分散させようとすると、無機微粒子が
高次凝集するので流動性が著しく悪化し(チキソトロピ
ー性)、高充填化できない等の制約があり、実用化は難
しいのが現状である。
【0004】これら課題を解決する技術として、例え
ば、特開平5−209027号公報には、シラン化合物
を用いて、コロイダルシリカをメチルメタクリレート中
に均一分散させた透明性と剛性に優れた硬化性組成物が
記載されている。しかし、このシラン化合物は、極性の
異なる有機マトリックス[例えば疎水性の高い多官能
(メタ)アクリレート等]に対する作用効果の点でまだ
不十分である。すなわち、コロイダルシリカの分散性が
良好で、かつ透明性に優れた硬化性組成物は、未だ得ら
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、疎水
性の高い多官能(メタ)アクリレート中にnmオーダー
のコロイダルシリカが均一分散し、かつ透明性等に優れ
た硬化性組成物、およびその硬化性組成物を簡易かつ良
好に製造できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、極性と反応性を考慮し
たシラン化合物の選択や、反応条件の特定などにより、
初めて疎水性の極めて高い多官能(メタ)アクリレート
中にシリカ微粒子を均一にかつ良好に分散でき、透明性
等に優れた硬化性組成物が得られることを見い出した。
【0007】すなわち、前記目的は、以下に示す本発明
により達成できる。
【0008】平均粒子径が、1〜100nmであるコロ
イダルシリカの存在下、下記一般式(I)
【0009】
【化3】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
1〜3のアルキル基またはフェニル基、R3 は水素原子
または炭素数1〜10の炭化水素残基、qは1〜6の整
数を表す。)で示される(メタ)アクリロイルオキシシ
ラン化合物(a−1)を加水分解、縮重合させたことに
より得られるシリカ系縮重合体(a)と、下記一般式
(II)
【0010】
【化4】 (式中、R4 は水素原子またはメチル基、mおよびnは
各々独立して1〜5の整数を表す。)で示されるジ(メ
タ)アクリレート(b)100〜50重量部、および、
アルカンジオールジ(メタ)アクリレートおよびポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレートから成る群よ
り選ばれた少なくとも一種のジ(メタ)アクリレート
(c)0〜50重量部[但し、成分(b)および成分
(c)の合計100重量部]を含有して成る多官能(メ
タ)アクリレート(d)と、重合開始剤(e)とを含有
して成ることを特徴とする硬化性組成物。
【0011】本発明の硬化性組成物を製造するための方
法であって、シリカ系縮重合体(a)を得るための加水
分解、縮重合を、反応温度45〜100℃、反応時間3
〜24時間で行うことを特徴とする硬化性組成物の製造
方法。
【0012】一般に、球状微粒子であるコロイダルシリ
カの表面を改質してシリカ系縮重合体を得るには、任意
のシラン化合物をコロイダルシリカ分散液中に混合し
て、系中の水または新たに加える水により加水分解、縮
重合させればよいことが知られている。本発明は、この
種のシリカ系縮重合体として、特定のシリカ系縮重合体
(a)を用いるものであり、これによりシリカ微粒子が
多官能(メタ)アクリレート(e)中に凝集することな
く均一に、低粘度で、良好に分散できるという作用効果
に基づいている。
【0013】本発明で用いるシリカ系縮重合体(a)
は、多官能(メタ)アクリレート(d)との極性と反応
性を考慮した特定のシラン化合物(a−1)を用い、コ
ロイダルシリカの存在下、このシラン化合物(a−1)
を加水分解、縮重合することにより表面改質して得たも
のである。
【0014】本発明の硬化性組成物は、シリカ系縮重合
体(a)を用いることにより、疎水性の極めて高い多官
能(メタ)アクリレート(d)中に、シリカ微粒子を凝
集することなく均一に分散させているので、組成物の流
動性や透明性に優れる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0016】本発明で用いる成分(a)は、平均粒子径
が1〜100nmであるコロイダルシリカの存在下、前
記一般式(I)で示される(メタ)アクリロイルオキシ
シラン化合物(a−1)を加水分解、縮重合させたこと
により得られるシリカ系縮重合体である。なお、本明細
書において「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイ
ル及び/又はメタクリロイル」を示す。
【0017】この様な加水分解、縮重合させて得られる
シリカ系縮重合体(a)は、主として、球状微粒子であ
るコロイダルシリカ表面の一部または全部にシラン化合
物の加水分解物が保持された状態にあり、これによりコ
ロイダルシリカの表面特性が疎水性に改質された構成を
含む縮重合体である。この表面改質は、コロイダルシリ
カ存在下に特定のシラン化合物の加水分解と縮重合反応
を生じせしめることにより、容易に行うことができる。
【0018】成分(a)を得る為に用いるコロイダルシ
リカとしては、主として、平均粒子径が1〜100nm
のシリカ微粒子が分散媒中でコロイド状に分散している
状態のものが使用できる。ここでいう「コロイド状」と
は、シリカ微粒子が液体(分散媒)中に均一に安定して
分散している状態を意味する。
【0019】この分散媒は特に限定されないが、通常、
イソプロピルアルコール等のアルコール類、セロソルブ
類、ジメチルアセトアミド、キシレン、水等が使用でき
る。特にアルコール類、セロソルブ類、水が好ましい。
【0020】成分(a)を得る為に用いる一般式(I)
で示される(メタ)アクリロイルオキシシラン化合物
(a−1)としては、β−アクリロイルオキシエチルメ
チルジメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチ
ルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等が好ましい。中
でも、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランが特に好ましい。
【0021】成分(a)を得る為に用いるシラン化合物
(a−1)の添加量は特に限定されず、所望に応じて適
宜定めればよい。コロイダルシリカの固形分(シリカ
分)100重量部に対して、その添加量は1〜100重
量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましい。この
ようにシラン化合物(a−1)の添加量を適度に多くす
ると分散性が良好となり、また適度に少なくすると物性
を阻害し難い。すなわち、上記好適範囲内にすることに
より、分散性と物性の双方共により優れた硬化性組成物
が得られる。
【0022】本発明の製造方法では、シリカ系縮重合体
(a)を製造する際、加水分解と縮重合反応は、反応温
度45〜100℃、反応時間3〜24時間の条件で行
う。特に、反応温度60〜100℃、反応時間3〜10
時間の条件で行うのが好ましい。また、これら反応は撹
拌下で行うことが好ましい。この範囲を外れる様な低
温、短時間で縮重合反応を行うと、加水分解、縮重合反
応が不十分となり、シラン化合物(a−1)を用いて
も、シリカ表面がシラン化合物で十分に処理されない傾
向にある。このため、反応系は凝集を起こし、透明性が
低下するとともに、粘度が上昇してゲル状となる傾向に
ある。
【0023】シリカ系縮重合体(a)を得る為の加水分
解、縮合反応を行う際の触媒として、無機酸または有機
酸等を使用できる。無機酸としては、例えば塩酸、フッ
化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸や、硫酸、
燐酸等が挙げられる。有機酸としては、例えばギ酸、酢
酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ
る。中でも、0.01規定以上の塩酸水溶液を用いるこ
とが特に好ましい。
【0024】また、加水分解縮合反応系には、反応を緩
和し、かつ均一にするために、溶媒を使用できる。溶媒
としては、反応物であるシラン化合物、水、および触媒
との相溶性がよいものが好ましい。具体例として、水、
イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等
のケトン類、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。
また、前述したコロイダルシリカの分散媒をそのまま用
いてもよく、または新たに必要量加えてもよい。溶媒の
使用量は、反応物を均一に溶解できる量であれば特に制
限は無い。反応物の濃度が希薄になり過ぎないように、
すなわち反応速度が著しく遅くならないように適宜調整
すればよい。
【0025】以上説明したシリカ系縮重合体(a)を、
ジ(メタ)アクリレート(b)およびジ(メタ)アクリ
レート(c)を含有して成る多官能(メタ)アクリレー
ト(d)に均一分散させることによって、硬化性組成物
が得られる。
【0026】ジ(メタ)アクリレート(b)は、前記一
般式(II)で示される疎水性の高いジ(メタ)アクリレ
ートである。これは、例えばビスフェノールAから誘導
される。成分(b)の疎水性は、一般式(II)中のエチ
レンオキシ基数(m、n)に依存しており、疎水性がよ
り高いという点では、一般式(IV)中のmおよびnが各
々独立して1または2であることが好ましい。また、R
4がメチル基であることも好ましい。特に、成分(b)
は、2、2’−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキ
シフェニルプロパン)であることがより好ましい。
【0027】ジ(メタ)アクリレート(c)は、アルカ
ンジオールジ(メタ)アクリレートおよびポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレートから成る群より選ば
れた少なくとも一種である。中でも、トリエチレングリ
コールジメタクリレートが好ましい。
【0028】本発明で用いる多官能(メタ)アクリレー
ト(d)は、上述したジ(メタ)アクリレート(b)1
00〜50重量部、および、ジ(メタ)アクリレート
(c)0〜50重量部[但し、成分(b)および成分
(c)の合計100重量部]を含んで成る。多官能(メ
タ)アクリレート(d)には、使用目的等に応じて、極
性を著しく高めない範囲内で、成分(b)(c)以外の
多官能(メタ)アクリレートをさらに含有させてもよ
い。成分(b)(c)以外の多官能(メタ)アクリレー
トとしては、ウレタン系多官能(メタ)アクリレート等
を挙げることができる。成分(b)(c)以外の多官能
(メタ)アクリレートは、成分(d)中、40重量%以
下であることが好ましい。
【0029】また、本発明の硬化性組成物には、その架
橋密度を著しく低下させない範囲内で、多官能(メタ)
アクリレート(d)以外に、メチルメタクリレート、ベ
ンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、n−ブチルメタクリレート等の単官能(メタ)
アクリレートを混合して用いてもよい。
【0030】本発明において、多官能(メタ)アクリレ
ート(d)の使用量と、シリカ系縮重合体(a)の使用
量との比率は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜
定めればよい。シリカ系縮重合体(a)の分散効果が発
現し、かつ硬化性組成物の粘度が極端に高くならない点
から、シリカ系縮重合体(a)および多官能(メタ)ア
クリレート(d)の合計100重量部中、成分(a)が
5〜70重量部であることが好ましい。
【0031】本発明で用いる重合開始剤(e)は、硬化
性組成物の用途、目的に適した重合法等に応じて任意に
選択すればよい。熱重合の場合には、各種の過酸化物、
アゾ化合物を用いて、塊状重合、懸濁重合に供すること
ができる。特に懸濁重合においては、コロイダルシリカ
が均一に分散した透明なポリマービーズを得ることがで
きる。可視光や紫外線による光重合の場合には、ベンゾ
フェノン類、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラ
キノン類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキサ
イド類、α−ジケトン類等を用いることができる。光重
合の場合には、第3級アミン等の還元剤を併用してもよ
い。また、過酸化物等の酸化剤とアミン等の還元剤とを
別々に配合して、使用時に混合してレドックス重合を行
わせてもよい。重合開始剤(e)の使用量は、多官能
(メタ)アクリレート(d)100重量部に対して、
0.01〜10重量部が好ましい。
【0032】本発明の硬化性組成物は、上述した各成分
(a)〜(e)を主成分として含有して成るが、用途、
目的等に応じて、さらに、平均粒子径100nmを越え
るシリカ粉体、石英粉体、ガラスビーズ等の無機フィラ
ー;ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレ
ート、(メタ)アクリル酸エステル構造を主な繰返し単
位として含む共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル
系ポリマー;等の充填材を配合できる。これら充填材の
配合量は、シリカ系縮重合体(a)、多官能(メタ)ア
クリレート(d)および重合開始剤(e)の合計100
重量部に対して、10〜900重量部が好ましい。
【0033】本発明の硬化性組成物には、さらに、必要
に応じて、酸化チタン、酸化鉄等の顔料、エタノール、
酢酸エチル等の溶媒、ハイドロキノン、フェノール類等
の重合禁止剤、ゴム、酸化安定剤、紫外線吸収剤等も添
加できる。
【0034】また、本発明の硬化性組成物は分散性や流
動性、透明性に優れるので、例えば光学材料、塗料材
料、歯科材料など各種用途に非常に有用である。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の記載中「部」は、特記の無い限り
「重量部」を表す。
【0036】<実施例1> (コロイダルシリカ分散液の調製)イソプロピルアルコ
ール分散型コロイダルシリカ[シリカ含量30重量%、
平均粒子径10〜20nm、商品名:スノーテックスI
PA−ST;日産化学(株)製]100部に、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン12
部、0.01規定の塩酸水溶液3部を加えて、70℃で
7時間撹拌した。
【0037】その後、2、2’−ビス(4−メタクリロ
キシエトキシフェニル)プロパン110部を加え、減圧
下で揮発分をすべて留去して、コロイダルシリカ分散液
を得た。このコロイダルシリカ分散液は、コロイダルシ
リカが1次粒子の状態で系中に均一分散しており、透明
性に優れ、かつ流動性を有していた。
【0038】(硬化性組成物の調製)このコロイダルシ
リカ分散液10部に、光重合開始剤としてカンファーキ
ノン0.03部、還元剤としてp−ジメチルアミノ安息
香酸エチル0.2部を加えて溶解させ、硬化性組成物を
得た。
【0039】(硬化物の形成)この硬化性組成物を、下
面に厚さ0.1mmのカバーグラスを付けたステンレス
製金型(内径10mm、厚さ1mm)に充填し、上面に
同じカバーグラスを密着させた後、両面より可視光照射
器(商品名:GCライト;(株)ジーシー製)で60秒
ずつ光照射を行い硬化物を得た。
【0040】得られた硬化物について、全光線透過率
(%)の測定をJIS K6714に準拠して行なっ
た。結果を表1に示す。
【0041】<実施例2>実施例1における多官能(メ
タ)アクリレートに代えて、2、2’−ビス(4−メタ
クリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン88部と
トリエチレングリコールジメタクリレート22部の混合
物を用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成
物を調製し、硬化物を形成した。結果を表1に示す。
【0042】<比較例1、2>実施例1、2における反
応条件のうち、反応時間を1時間に変更したこと以外
は、実施例1、2と同様にして硬化性組成物を調製し、
硬化物を形成した。結果を表1に示す。
【0043】<比較例3>実施例1におけるシラン化合
物に代えて、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン12部を用いた以外は、実施例1と同様に
してコロイダルシリカ分散液を調製したが、透明なゲル
状物質となり、流動性を示さなかった。
【0044】<比較例4>比較例3における反応条件の
うち、反応時間を1時間に変更したこと以外は、比較例
3と同様にして硬化性組成物を調製したが、少し白濁し
たゲル状物質となり、流動性を示さなかった。
【0045】
【表1】 表1に示す結果から明らかな様に、本発明で規定する特
定のシラン化合物、特定範囲の反応温度および反応時間
を採用した実施例1、2は、表面改質されたコロイダル
シリカが1次粒子の状態で多官能(メタ)アクリレート
中に均一分散し、他の条件等を採用した比較例1〜4に
比べて、コロイダルシリカ分散液の透明性が高く、また
適度な流動性を有していた。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の硬化性組
成物は、特定の反応成分の使用により疎水性の高い多官
能(メタ)アクリレート中にnmオーダーのシリカ粒子
が均一分散し、流動性に優れ、かつ透明性、硬度、耐摩
耗性に優れた硬化物を与える組成物である。
【0047】また、本発明の硬化性組成物の製造方法
は、特定の反応条件により、十分な加水分解、縮重合反
応、十分な処理を実現し、簡易かつ良好に本発明の硬化
性組成物を製造できる。
【0048】本発明の硬化性組成物は分散性や流動性、
透明性に優れるので、例えば光学材料、塗料材料、歯科
材料など各種用途に非常に有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が1〜100nmであるコロ
    イダルシリカの存在下、下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
    1〜3のアルキル基またはフェニル基、R3 は水素原子
    または炭素数1〜10の炭化水素残基、qは1〜6の整
    数を表す。)で示される(メタ)アクリロイルオキシシ
    ラン化合物(a−1)を加水分解、縮重合させたことに
    より得られるシリカ系縮重合体(a)と、 下記一般式(II) 【化2】 (式中、R4 は水素原子またはメチル基、mおよびnは
    各々独立して1〜5の整数を表す。)で示されるジ(メ
    タ)アクリレート(b)100〜50重量部、および、
    アルカンジオールジ(メタ)アクリレートおよびポリエ
    チレングリコールジ(メタ)アクリレートから成る群よ
    り選ばれた少なくとも一種のジ(メタ)アクリレート
    (c)0〜50重量部[但し、成分(b)および成分
    (c)の合計100重量部]を含有して成る多官能(メ
    タ)アクリレート(d)と、 重合開始剤(e)とを含有して成ることを特徴とする硬
    化性組成物。
  2. 【請求項2】 成分(a−1)がγ−メタクリロイルオ
    キシプロピルメチルジメトキシシランである請求項1記
    載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(II)中のR4 がメチル基であ
    り、mおよびnが各々独立して1または2である請求項
    1または2記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 ジ(メタ)アクリレート(c)が、トリ
    エチレングリコールジメタクリレートである請求項1〜
    3の何れか一項記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の硬化性組成物を製造する
    ための方法であって、シリカ系縮重合体(a)を得るた
    めの加水分解、縮重合を、反応温度45〜100℃、反
    応時間3〜24時間で行うことを特徴とする硬化性組成
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリカ系縮重合体(a)を得るための加
    水分解、縮重合の反応触媒として、0.01規定以上の
    塩酸水溶液を用いる請求項5記載の硬化性組成物の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 シリカ系縮重合体(a)に多官能(メ
    タ)アクリレート(d)を加えた混合物の揮発分を留去
    する工程を含む請求項5または6記載の硬化性組成物の
    製造方法。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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