JPH10294224A - チップインダクタおよびその製造方法 - Google Patents

チップインダクタおよびその製造方法

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JPH10294224A
JPH10294224A JP9100642A JP10064297A JPH10294224A JP H10294224 A JPH10294224 A JP H10294224A JP 9100642 A JP9100642 A JP 9100642A JP 10064297 A JP10064297 A JP 10064297A JP H10294224 A JPH10294224 A JP H10294224A
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JP
Japan
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metal foil
concave portion
chip inductor
recess
parts
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JP9100642A
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English (en)
Inventor
Masao Kawate
正男 川手
Hideki Machida
秀樹 町田
Kiyoshi Toda
清 戸田
Atsushi Tanaka
厚 田中
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Koa Corp
Original Assignee
Koa Corp
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Publication date
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で容易に接着剤である熱硬化性樹
脂9のはみ出しを防止して安定した特性が得られるチッ
プインダクタ1を提供する。 【解決手段】 略円柱状の巻回胴部2の両端に設けた径
大の鍔部3,3の端面の略中央に設けた略円錐台形状に
窪んだ凹部5内に熱硬化性樹脂9を塗布形成する。凹部
5の開口を閉塞可能な大きさの金属箔8を凹部5を閉塞
して位置させる。棒状の押圧体19を略同軸上に一対設け
た取付装置の押圧体19,19間に、コア4を軸方向を押圧
体19の軸方向に同軸上に配置する。押圧体19を加熱しつ
つ軸方向に移動させ、金属箔8の略中央部分を押圧して
彎曲させ凹部5の開口縁部分を滑るように凹部5内に押
し込む。金属箔8の周縁が凹部5のテーパ周面部7にか
み込むように係止する。熱硬化性樹脂9を硬化させて金
属箔8を接着固定し、巻装したコイル13の引出線11およ
び電極板12を半田14にて接続し、モールド成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コアの鍔部の凹部
内に金属箔を接着部材にて取り付けたチップインダクタ
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のチップインダクタとして
は、例えば、実開昭56−126816号公報に記載の
構成が知られている。この実開昭56−126816号
公報に記載のチップインダクタは、導線が巻回されてコ
イルを巻装する巻回胴部の両端部に設けた径大の鍔部の
端面に凹部を設け、この凹部内に接着剤を塗布し、軸を
用いて金属箔を凹部内に押し付けて接着固定して形成さ
れている。
【0003】しかしながら、この実開昭56−1268
16号公報に記載のものにおいて、特に金属箔の接着面
積が小さくなる小型のチップインダクタでは、所定量の
接着剤を塗布することが困難であるため、金属箔を押し
付けた際に、金属箔の縁から接着剤がはみ出し、金属箔
上に流れ出して、金属箔とコイルの両端部の引出線や電
極板との接続不良を生じるおそれがある。
【0004】そこで、例えば実開昭60−116209
号公報に記載のインダクタのように、凹部の凹面と金属
箔との間隔が金属箔の周縁近傍で最大となるように金属
箔の中央部分から周縁に次第に間隔が広がるように金属
箔を設けて、接着剤のはみ出しを防止している。そし
て、この金属箔の接着固定は、棒状の冶具を同軸上に位
置させるとともにコアの中心軸を冶具の中心軸上に位置
させ、冶具を軸方向に移動させて金属箔を凹部内に押し
込んで接着固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
開昭60−116209号公報に記載の従来のチップイ
ンダクタにおいて、冶具が同軸上に位置しなかったり、
コアの中心軸が冶具の中心軸からずれた場合には、例え
ば図8に示すように、金属箔21が冶具22にてコア23の鍔
部24の端面の凹部25内に押し込まれる際に滑ってしま
い、所定の位置からずれて接着されてしまうおそれがあ
る。さらに、この位置がずれることにより、金属箔21の
縁から接着剤がはみ出し、金属箔21の表面にもれ出るこ
とにより、コイルの引出線および電極板との半田接続不
良を生じたり、冶具22の先端部分が接着剤にて汚染され
るおそれがある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、簡単な構成で容易に接着部材のはみ出しを防止して
安定した特性が得られるチップインダクタおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のチップイ
ンダクタは、巻回胴部およびこの巻回胴部の軸方向の両
端部にこの巻回胴部より径大にそれぞれ設けられた鍔部
を備え前記鍔部の両端面に凹部を有したコアと、前記凹
部の開口を覆うことが可能な大きさの形状を有した略板
状で中央部分が押圧されて前記凹部内に彎曲され接着部
材にてそれぞれ前記コアの凹部に固着された金属箔とを
具備したもので、巻回胴部の軸方向の両端部に径大に設
けた鍔部の端面の凹部内に接着部材を設け、この凹部の
開口を閉塞可能な略板状の金属箔を凹部の閉塞するよう
に位置させた後、金属箔の中央部分を押圧して凹部の周
縁を滑るように彎曲させて押し込み、接着部材にて取り
付けるため、金属箔が押し込まれる間、凹部は金属箔に
て閉塞された状態が維持されるので、接着剤がはみ出な
い。
【0008】請求項2記載のチップインダクタは、請求
項1記載のチップインダクタにおいて、金属箔は、周縁
が凹部内の壁面に係止して前記凹部内に取り付けられた
もので、金属箔を彎曲させて凹部に押し込む際に、金属
箔の周縁が凹部内の壁面を滑るように押し込まれて、周
縁が凹部の壁面に係止することにより、金属箔の押し込
まれた状態が接着部材の接着力と金属箔の周縁の嵌合に
より維持され、金属箔が所定の位置に容易に確実に取り
付けられるとともに、金属箔が接着部材にて接着固定さ
れるまでに押し込み状態を維持する構成が不要で製造性
が向上する。
【0009】請求項3記載のチップインダクタは、請求
項1または2記載のチップインダクタにおいて、凹部
は、略円柱状または外方に向けて拡開する略円錐台形状
であるもので、凹部内に取り付けられた金属箔の中央部
分から周縁までの間に凹部の角部分が位置し、金属箔の
押し込みの際に押し流される接着部材が角部分に溜まる
状態となり、簡単な構成で容易に金属箔の接着強度が増
大する。
【0010】請求項4記載のチップインダクタは、請求
項1ないし3いずれか一記載のチップインダクタにおい
て、接着部材は、熱硬化性で、金属箔は、加熱されつつ
凹部内に押圧されて取り付けられたもので、金属箔を加
熱しつつ凹部内に押し込み、凹部内に設けた接着部材を
熱硬化させて金属箔を取り付けるため、一動作で容易に
金属箔が取り付けられる。
【0011】請求項5記載のチップインダクタの製造方
法は、巻回胴部の両端にこの巻回胴部より径大の鍔部の
端面に設けた凹部に接着部材にて金属箔を取り付けるチ
ップインダクタの製造方法において、前記金属箔は、前
記凹部の開口を覆うことが可能な大きさの形状を有した
略板状で、前記凹部内に接着部材を設けた後、棒状の押
圧体を略同軸上に一対設けた取付装置を用いて、前記コ
アの中心軸を前記一対の押圧体の中心軸に略同軸上に位
置させるとともに、前記押圧体および凹部間に前記金属
箔を前記凹部を閉塞して位置させ、前記押圧体を軸方向
に移動させて前記金属箔の略中央部分を前記凹部内に彎
曲させて押圧し、前記接着部材にて取り付けるもので、
巻回胴部の軸方向の両端部に径大に設けた鍔部の端面の
凹部内に接着部材を設けた後、凹部の開口を閉塞可能な
略板状の金属箔を凹部を閉塞して位置させ、取付装置の
略同軸上に一対設けた棒状の押圧体間にコアを中心軸が
略同軸上となるように位置させ、押圧体を軸方向に移動
させて金属箔の略中央部分を凹部内に彎曲させて押圧
し、接着部材にて取り付けるため、金属箔の押し込みの
際に凹部の周縁を滑るように金属箔が移動して押し込ま
れるので、凹部は金属箔にて閉塞された状態が維持され
て接着剤がはみ出ない。
【0012】請求項6記載のチップインダクタの製造方
法は、請求項5記載のチップインダクタの製造方法にお
いて、接着部材は、熱硬化性で、取付装置は、押圧体を
加熱する加熱手段を備えたもので、金属箔を加熱しつつ
凹部内に押し込み、凹部内に設けた接着部材を熱硬化さ
せて金属箔を取り付けるため、一動作で容易に金属箔が
取り付けられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態のチ
ップインダクタの構成を図面を参照して説明する。
【0014】図2において、1はチップインダクタで、
このチップインダクタ1は、図3および図4に示すよう
に、例えばフェライトにて略円柱状の巻回胴部2とこの
巻回胴部2の両端に一体にフランジ状に形成した鍔部
3,3とにて断面が略H字形状に成型されたコア4を有
している。また、コア4の鍔部3,3の両端面の略中央
には、略円錐台形状に窪んだ凹部5がそれぞれ形成され
ている。そして、これら凹部5は、コア4の軸方向に対
して略垂直な底面部6と、この底面部6からコア4の軸
方向の外方に向けて拡開するように傾斜する壁面である
テーパ周面部7とにて略円錐台形状に窪んで形成されて
いる。
【0015】さらに、凹部5内には、図2に示すよう
に、導電性を有した例えば銅などにて厚さ寸法が約50
μm程度の略円板状に形成された金属箔8が外方に向け
て開口するように彎曲されてそれぞれ設けられている。
なお、これら金属箔8は、径寸法が凹部5の開口寸法よ
り径大で凹部5の開口を覆うことが可能な大きさの形状
に形成されている。さらに、金属箔8の凹部5の底面部
6に対向する面は、接着力向上のため非光沢の粗面状態
の加工が施されている。
【0016】また、これら金属箔8は、接着部材として
の接着剤である例えばエポキシ系などの熱硬化性樹脂9
にて凹部5内に接着固定されている。さらに、金属箔8
は、周縁が凹部5のテーパ周面部7にかみ込むように嵌
合した状態で係止されている。なお、凹部5の深さ寸法
は、金属箔8の厚さ寸法の2〜3倍程度に設定すること
が好ましい。この凹部5の深さ寸法が、金属箔8の厚さ
寸法より小さい場合には、凹部5内に取り付けた金属箔
8が鍔部3の端面から突出する状態となり、フレーム搭
載等の後工程で不具合となる。また、凹部5の深さ寸法
が、金属箔8の厚さ寸法よりも過大に設定すると、コア
4の磁気抵抗が増大しQ値が低下するとともに、接着部
材のコア4の凹部5の塗布供給や後述する引出線11およ
び電極板12を半田付けする作業が煩雑となり、接続不良
を生じるおそれもある。このため、凹部5の深さ寸法
は、金属箔8の厚さ寸法の2〜3倍程度に設定する。
【0017】そして、このコア4の巻回胴部2には、ポ
リウレタン被覆電線などの導線が巻回されてコイル13が
構成されている。また、この導線の両端部は、鍔部3の
端面の凹部5内の金属箔8の表面に半田14にて接続され
る引出線11となっている。
【0018】一方、電極板12は、細長平板状の金属板に
て形成され、同一平面上に位置して先端部が対向する電
極部15と、この電極部15の先端部に略垂直にそれぞれ折
曲形成され、コア4の軸方向の寸法より広い間隔で対向
し、コア4の鍔部3,3の両端面に先端部が凹部5内の
金属箔8の表面に半田14にてそれぞれ接続される接続部
16とにて略L字形状に形成されている。なお、接続部16
は、電極部15より幅狭で凹部5内に挿入可能に先端が略
円弧状に形成されている。
【0019】さらに、18はモールド絶縁体で、このモー
ルド絶縁体18は、絶縁性の合成樹脂製で、一対の電極板
12,12の電極部15の一部を露出させてコイル13を巻装し
たコア4を覆っている。そして、電極板12,12のモール
ド絶縁体18から露出された電極部15をモールド絶縁体18
の外周に沿って折り曲げ、このモールド絶縁体18の表面
に表示インクにて図示しない表示を焼き付け形成する。
【0020】次に、上記実施の一形態のチップインダク
タ1の製造方法を図面を参照して説明する。
【0021】まず、図5に示すように、帯状の金属板19
a を打ち抜き、接続部16および電極部15を有した一対の
電極板12,12を複数対打ち抜き形成したフレーム19を形
成する。
【0022】また、図1(a)に示すように、あらかじ
め略円柱状の巻回胴部2の軸方向の両端部にフランジ状
に突出し端面に凹部5をそれぞれ有した鍔部3,3を一
体に設けたコア4をフェライトなどにて形成する。そし
て、図1(b)に示すように、凹部5内に接着剤である
熱硬化性樹脂9を塗布などによりそれぞれ設ける。
【0023】次に、図1(c)に示すように、凹部5を
閉塞するように金属箔8を鍔部3の端面にそれぞれ位置
させる。
【0024】この後、先端部が略球面状の棒状の押圧体
20を軸方向を略同軸上に先端部を対向させて一対設けた
図示しない取付装置の押圧体20,20間に、金属箔8が凹
部5を閉塞された状態のコア4を軸方向を押圧体20の軸
方向に同軸上に配置する。そして、押圧体20を取付装置
に設けた図示しない加熱手段にて加熱しつつ軸方向に移
動させ、図1(d)に示すように、押圧体20の先端にて
金属箔8の略中央部分を押圧し、凹部5内に押し込む。
【0025】この金属箔8の押し込みにより、熱硬化性
樹脂9が凹部5の底面部6とテーパ周面部7との角部分
の金属箔8との隙間部分に押し流されつつ、金属箔8は
凹部5の開口縁部分を滑るように彎曲されて凹部5内に
挿入され、金属箔8の周縁が凹部5の壁面となるテーパ
周面部7にかみ込むように係止して凹部5内に嵌合保持
された状態に係止保持される。また、金属箔8を押圧し
た状態に押圧体20を所定時間保持させる。この押圧状態
の保持により、押圧体20の熱が金属箔8を介して熱硬化
性樹脂9に伝達されて熱硬化性樹脂9が硬化し、図1
(e)に示すように、金属箔8が接着固定されて凹部5
内に取り付けられる。
【0026】そして、この金属箔8が取り付けられたコ
ア4の巻回胴部2にポリウレタン被覆電線などの導線を
巻回してコイル13を巻装する。また、このコイル13の両
端部分である引出線11を、図1(f)に示すように鍔部
3の外周を跨がせて凹部5内に位置させ、引出線11を凹
部5内に納めるように引出線11を成形し、金属箔8に固
定する。
【0027】あるいは、ポリウレタン被覆電線をコア4
に巻回する前に、コア4の凹部5に半田を充填させてお
き、引出線11と金属箔8をコア4の凹部5内で半田で接
続固定してもよい。
【0028】次に、上述した別途工程で形成した図5に
示す一対の電極板12,12の接続部16,16間に、コイル13
を巻装したコア4を軸方向を接続部16,16の対向方向に
沿って位置させ、接続部16の先端部を凹部5内の金属箔
8に半田などにて接続する。
【0029】あるいは、コア4の凹部5にすでに充填さ
れている半田と接続部16の先端部を接続する。
【0030】この後、モールド絶縁体18にて一対の電極
板12,12の電極部15の一部を露出させて導線を巻装した
コア4を覆い、電極板12,12の基端をそれぞれ切断し、
電極板12,12のモールド絶縁体18から露出された電極部
15,15をモールド絶縁体18の外周に沿って折り曲げる。
そして、このモールド絶縁体18の表面に表示インクおよ
び絶縁塗料などにて図示しない表示を焼き付け形成し、
図2に示すチップインダクタ1を形成する。
【0031】上記実施の一形態によれば、コア4の鍔部
3の端面に設けた凹部5内に接着材である熱硬化性樹脂
9を設け、この凹部5の開口を閉塞可能な大きさの形状
の略板状の金属箔8を凹部5を閉塞するように位置させ
た後、金属箔8の中央部分を押圧して凹部5の周縁を滑
るように彎曲させて押し込み、接着剤である熱硬化性樹
脂9にて取り付けるため、金属箔8が押し込まれる間、
凹部5は金属箔8にて閉塞された状態が維持されるの
で、接着剤である熱硬化性樹脂9がはみ出して金属箔8
の表面に流れ出て金属箔8の表面を汚染することを防止
でき、引出線11や電極板12が金属箔8に確実に半田付け
でき、引出線11や電極板12の接続不良による製品間の特
性のばらつきを低減できるとともに、漏れ出た接着剤で
ある熱硬化性樹脂9が押圧体20の先端部分に付着して汚
染することも防止できる。
【0032】また、凹部5内に押し込まれた金属箔8
は、周縁が凹部5のテーパ周面部7にかみ込むように係
止して嵌合された状態となっているため、接着剤である
熱硬化性樹脂9による接着強度の他に、金属箔8の周縁
の係止による嵌合強度が付加され、金属箔8が凹部5の
略中央部分に確実に容易に取り付けでき、金属箔8の取
り付け位置がずれることによる接着剤である熱硬化性樹
脂9のはみ出しを防止できる。
【0033】さらに、凹部5を底面部6とテーパ周面部
7とにて外方に拡開する略円錐台形状に形成したため、
金属箔8を凹部内に押し込む際に押し流される接着剤で
ある熱硬化性樹脂9が底面部6とテーパ周面部7との角
部分の彎曲する金属箔8との隙間に流れ込み、金属箔8
の接着強度が簡単な構成で容易に増大できる。
【0034】そして、金属箔8を取り付ける接着剤とし
て熱硬化性樹脂9を用い、金属箔8を凹部5内に押し込
む押圧体20を有した取付装置に押圧体20を加熱する加熱
手段を設け、押圧体20を加熱しつつ金属箔8を押し込
み、熱硬化性樹脂9を硬化させて取り付けるため、例え
ば金属箔8を凹部5内に彎曲させて押し込んだ状態を維
持させ、別途加熱装置にて熱硬化性樹脂9を硬化させる
ことにより接着固定させる必要がなく、一動作で容易に
金属箔8を接着固定できる。
【0035】また、凹部5を略円錐台形状に形成したた
め、押し込まれた金属箔8と凹部5の内面である底面部
6およびテーパ周面部7との接触する箇所は、押し込ま
れた金属箔8の中央部分とテーパ周面部7に係止する周
縁のみで、凹部5を曲面状に形成した場合に比して接触
面積が小さく、凹部5と金属箔8との間に介在する接着
剤9の割合が多くなるので、金属箔8を加熱した押圧体
20にて挿入する際の熱および半田付けの際のコア4に伝
達される熱損失分が小さくなる。このため、温度を低く
でき短時間で金属箔8の取り付けや半田14付けができ、
熱負荷の低減による金属箔8や引出線11、電極板12の熱
ストレスを低減でき、信頼性の高い安定した特性のチッ
プインダクタが得られる。
【0036】そして、金属箔8の凹部5の底面に対向す
る面が粗面であるため、接着剤である熱硬化性樹脂9に
よる接着性を向上できる。
【0037】また、金属箔8の凹部5と対向しない表面
側に半田メッキを施したため、引出線11および電極板12
との半田付け性が向上し、さらに製造性が向上するとと
もに、信頼性の高い安定した特性が得られる。
【0038】なお、上記実施の形態において、凹部5を
外方に向けて略円錐台形状に形成して説明したが、図5
および図6に示すように、略円柱状に窪んだ形状に形成
しても同様の効果が得られる。さらに、角柱状に曲面状
に窪んで形成するなど、他のいずれの凹形状でもでき
る。
【0039】また、金属箔8にコイル4の引出線11を固
定した後、電極板12を半田14付けして説明したが、引出
線11を電極板12の接続部16の弾性力にて金属箔8との間
に挟持し、電極板12とともに引出線11を半田14付けして
もよい。この構成によれば、半田付け等の固定接続が1
回で済み、製造性が向上する。
【0040】あるいは、ポリウレタン被覆電線をコア4
に巻回する前にコア4の凹部5に半田を充填させておく
構成にすれば、半田がコア4の端面から凸状に突出する
ことなく引出線11を凹部5内で半田接続でき、接続部16
と引出線11が半田接続されているコア4の凹部5とが多
量の半田で接続されるため、信頼性が向上し、後工程で
の煩雑、複雑な半田供給を必要とせず簡易な製造ができ
る。
【0041】そして、金属箔8を取り付ける接着部材と
しては、熱硬化性樹脂9に限らず、金属箔8を凹部5内
に取り付け保持するいずれのものでもできる。
【0042】また、金属箔8の一面側を粗面状に形成し
他面に半田メッキを施して説明したが、双方とも施され
ていないものを用いてもよい。
【0043】さらに、板状の電極板12を接続して説明し
たが、線状のリード線を接続するなどしてもよい。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載のチップインダクタによれ
ば、鍔部の端面の凹部の開口を閉塞可能な大きさの金属
箔を凹部の閉塞するように位置させた後、金属箔の中央
部分を押圧して凹部の周縁を滑るように彎曲させて押し
込み、あらかじめ凹部内に設けた接着部材にて取り付け
るため、金属箔が押し込まれる間、凹部は金属箔にて閉
塞された状態が維持され、接着剤のはみ出しを防止で
き、例えば巻回胴部に巻装されるコイルの引出線や電極
との接続不良を防止でき、特性が安定した高信頼性が簡
単な構成で容易に得られる。
【0045】請求項2記載のチップインダクタによれ
ば、請求項1記載のチップインダクタの効果に加え、金
属箔を彎曲させて凹部に押し込む際に、金属箔の周縁を
凹部の壁面に係止させるため、金属箔の押し込まれた状
態が接着部材の接着力と金属箔の周縁の嵌合により維持
され、金属箔が所定の位置に容易に確実に取り付け付け
できるとともに、接着部材による接着強度に金属箔の嵌
合強度を付与でき、製造性を向上できる。
【0046】請求項3記載のチップインダクタによれ
ば、請求項1または2記載のチップインダクタの効果に
加え、凹部を略円柱状または外方に向けて拡開する略円
錐台形状としたため、凹部内に取り付けられた金属箔の
中央部分から周縁までの間に凹部の角部分が位置し、金
属箔の押し込みの際に接着部材が角部分に押し流されて
簡単な構成で容易に金属箔の接着強度を増大できる。
【0047】請求項4記載のチップインダクタによれ
ば、請求項1ないし3いずれか一記載のチップインダク
タの効果に加え、金属箔を加熱しつつ凹部内に押し込
み、凹部内に設けた熱硬化性の接着部材を熱硬化させて
金属箔を取り付けるため、一動作で容易に金属箔を取り
付けできる。
【0048】請求項5記載のチップインダクタの製造方
法によれば、鍔部の端面の凹部内に接着部材を設けた
後、凹部の開口を閉塞可能な大きさの金属箔を凹部を閉
塞して位置させ、取付装置の略同軸上に一対設けた棒状
の押圧体間にコアを中心軸が略同軸上となるように位置
させ、押圧体を軸方向に移動させて金属箔の略中央部分
を凹部内に彎曲させて押圧し、接着部材にて取り付ける
ため、金属箔の押し込みの際に凹部の周縁を滑るように
金属箔が移動して押し込まれるので、凹部は金属箔にて
閉塞された状態が維持され、接着剤のはみ出しを防止で
き、例えば巻回胴部に巻装されるコイルの引出線や電極
との接続不良を防止でき、特性が安定した高い信頼性の
チップインダクタを簡単な構成で容易に製造できる。
【0049】請求項6記載のチップインダクタの製造方
法によれば、請求項5記載のチップインダクタの製造方
法の効果に加え、金属箔を加熱しつつ凹部内に押し込
み、凹部内に設けた熱硬化性の接着部材を熱硬化させて
金属箔を取り付けるため、一動作で容易に金属箔を取り
付けできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すチップインダクタ
の製造工程を示す説明図である。
【図2】同上チップインダクタを示す断面図である。
【図3】同上コアを示す斜視図である。
【図4】同上断面図である。
【図5】同上フレームの一部を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施の形態のコアを示す斜視図で
ある。
【図7】同上断面図である。
【図8】従来のチップインダクタの製造工程の金属箔を
取り付ける状況を示す説明図である。
【符号の説明】
1 チップインダクタ 2 巻回胴部 3 鍔部 4 コア 5 凹部 7 壁面であるテーパ周面部 8 金属箔 9 接着部材としての接着剤である熱硬化性樹脂 20 押圧体
フロントページの続き (72)発明者 田中 厚 長野県伊那市大字伊那3672番地 コーア株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻回胴部およびこの巻回胴部の軸方向の
    両端部にこの巻回胴部より径大にそれぞれ設けられた鍔
    部を備え前記鍔部の両端面に凹部を有したコアと、 前記凹部の開口を覆うことが可能な大きさの形状を有し
    た略板状で中央部分が押圧されて前記凹部内に彎曲され
    接着部材にてそれぞれ前記コアの凹部に固着された金属
    箔とを具備したことを特徴とするチップインダクタ。
  2. 【請求項2】 金属箔は、周縁が凹部内の壁面に係止し
    て前記凹部内に取り付けられたことを特徴とする請求項
    1記載のチップインダクタ。
  3. 【請求項3】 凹部は、略円柱状または外方に向けて拡
    開する略円錐台形状であることを特徴とした請求項1ま
    たは2記載のチップインダクタ。
  4. 【請求項4】 接着部材は、熱硬化性で、 金属箔は、加熱されつつ凹部内に押圧されて取り付けら
    れたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載
    のチップインダクタ。
  5. 【請求項5】 巻回胴部の両端にこの巻回胴部より径大
    の鍔部の端面に設けた凹部に接着部材にて金属箔を取り
    付けるチップインダクタの製造方法において、 前記金属箔は、前記凹部の開口を覆うことが可能な大き
    さの形状を有した略板状で、 前記凹部内に接着部材を設けた後、 棒状の押圧体を略同軸上に一対設けた取付装置を用い
    て、前記コアの中心軸を前記一対の押圧体の中心軸に略
    同軸上に位置させるとともに、前記押圧体および凹部間
    に前記金属箔を前記凹部を閉塞して位置させ、 前記押圧体を軸方向に移動させて前記金属箔の略中央部
    分を前記凹部内に彎曲させて押圧し、前記接着部材にて
    取り付けることを特徴としたチップインダクタの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 接着部材は、熱硬化性で、 取付装置は、押圧体を加熱する加熱手段を備えたことを
    特徴とする請求項5記載のチップインダクタの製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019161215A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 株式会社村田製作所 コイル部品の製造方法及びコイル部品の製造装置

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