JPH10292013A - 樹脂、耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写シート - Google Patents

樹脂、耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写シート

Info

Publication number
JPH10292013A
JPH10292013A JP10009158A JP915898A JPH10292013A JP H10292013 A JPH10292013 A JP H10292013A JP 10009158 A JP10009158 A JP 10009158A JP 915898 A JP915898 A JP 915898A JP H10292013 A JPH10292013 A JP H10292013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
thermal transfer
transfer sheet
meth
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10009158A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Katajima
明彦 片島
Masayoshi Tanaka
正義 田中
Masayuki Ando
雅之 安藤
Norikatsu Ono
典克 小野
Shigeki Nakajo
茂樹 中條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Inctec Inc
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Inctec Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd, Inctec Inc filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP10009158A priority Critical patent/JPH10292013A/ja
Publication of JPH10292013A publication Critical patent/JPH10292013A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱転写シート等のプラスチックフイルム等
に、優れた耐熱性、被膜性、柔軟性、スリップ性、サー
マルヘッドの走行性等を与えることができる樹脂を提供
すること。 【解決手段】 下記構造式で表されることを特徴とする
(メタ)アクリロイル基を有するポリビニルブチラール
樹脂、該樹脂を含む耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写
シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は樹脂、耐熱塗料及び
該塗料を用いた熱転写シートに関し、更に詳しくは耐熱
性及び柔軟性を同時に有する被膜形成が可能である(メ
タ)アクリル変性ポリビニルブチラール樹脂、該樹脂を
含む耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、各種プラスチックフイルム、シー
ト、樹脂成形体の表面の保護のために、所謂プラスチッ
ク塗料が知られている。プラスチックフイルムの1つの
用途として熱転写シートがある。以下本発明の樹脂及び
塗料の用途の1例として熱転写シートを挙げて本発明を
説明する。該熱転写シートとしては、ポリエステルフイ
ルム等の一方の面に昇華性染料とバインダーとからなる
染料層を設けた昇華型熱転写シートと、該染料層の代わ
りに顔料とワックスとからなるインキ層を設けた熱溶融
型の熱転写シートが知られている。これらの熱転写シー
トはその背面からサーマルヘッドによって画像状に加熱
され、染料層の染料又はインキ層を被転写材に転写させ
画像を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】上記熱転写シート
によりサーマルヘッドで画像形成を行う場合、基材フイ
ルムがポリエステルフイルム等の熱可塑性フイルムであ
る場合には、サーマルヘッドの熱によってサーマルヘッ
ドが基材フイルムに融着して画像形成が困難であるとい
う問題がある。このような問題を解決する方法として、
耐熱性のある材料からなる耐熱滑性層を形成することが
種々提案されている。従来の優れた耐熱滑性層は、水酸
基を含有する熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとから
なる架橋硬化した耐熱滑性層である。
【0004】上記のポリイソシアネートを架橋剤として
使用して耐熱滑性層を形成する方法は、通常の耐熱性の
ある熱可塑性樹脂から形成した耐熱滑性層に比べて、耐
熱性等の諸物性に優れているが、上記ポリイソシアネー
トを使用する方法では、ポリイソシアネートによる架橋
を十分にするために熟成処理(例えば、60℃のオーブ
ン中に5日間保持等)が要求され、熱転写シートの生産
計画、熟成中の熱転写シートの保管場所の確保等に問題
がある。又、通常の紫外線及び電子線等の電離放射線硬
化性樹脂(エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート等)を用いて耐熱滑性層を形成した場合には、耐熱
滑性層の架橋密度が低いと耐熱性が劣り、一方、架橋密
度が高いと形成される層の柔軟性が劣るという欠点があ
る。従って、本発明の目的は、熱転写シート等の基材と
して用いられるプラスチックフイルム等に、優れた耐熱
性、被膜性、柔軟性、スリップ性、サーマルヘッドの走
行性等を与えることができる樹脂、該樹脂を含む耐熱塗
料及び該塗料を用いた熱転写シートを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、下記構造式で表
されることを特徴とする(メタ)アクリロイル基を有す
るポリビニルブチラール樹脂、該樹脂を含む耐熱塗料及
び該塗料を用いた熱転写シートである。 (上記式中におけるXは水素原子又はアセチル基を表
し、Yは(メタ)アクリロイル基を有する基であり、式
中のl(エル)とmとnとの合計を100とした場合
に、lは40〜85、mは0〜10、nは15〜50の
整数である。)
【0006】本発明によれば、熱転写シート等の基材と
して用いられるプラスチックフイルム等に、優れた耐熱
性、被膜性、柔軟性、スリップ性、サーマルヘッドの走
行性等を有する被膜を与えることができる樹脂を提供す
ることができる。特に熱転写シートの耐熱滑性層の形成
においては、形成される被膜の硬化手段として紫外線や
電子線等の電離放射線が使用できるために、層を形成し
た後の熟成処理は不要となり、しかも高架橋密度であり
ながら柔軟性及び耐熱性に優れた耐熱滑性層を形成する
ことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。本発明の(メタ)アクリ
ル変性ポリビニルブチラール樹脂とは、ポリビニルブチ
ラール樹脂中に残存している水酸基を利用して、分子中
に更に(メタ)アクリロイル基を導入した樹脂であり、
下記の構造式で表される。
【0008】上記式中におけるXは水素原子又はアセチ
ル基を表し、Yは(メタ)アクリロイル基を有する基で
ある。該(メタ)アクリロイル基は、芳香族、脂肪族、
脂環族等の連結基を介してポリビニルブチラール樹脂の
水酸基に結合したものでもよい。又、式中のl(エル)
とmとnとの合計を100とした場合に、lは40〜8
5、mは0〜10、nは15〜50の整数であり、全体
の分子量としては、約3万〜20万のものが好ましい。
以上の如く、従来のポリビニルブチラール樹脂中に残存
している水酸基を利用して、分子中に多数の(メタ)ア
クリロイル基を導入した(メタ)アクリル変性ポリビニ
ルブチラール樹脂によって、例えば、熱転写シートの耐
熱滑性層を形成する場合には、硬化手段として紫外線や
電子線等の電離放射線が使用できるために、層を形成し
た後の熟成処理は不要となり、しかも高架橋密度であり
ながら柔軟性及び耐熱性に優れた耐熱滑性層を形成する
ことができる。
【0009】上記の(メタ)アクリル変性ポリビニルブ
チラール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂を溶解可能
な溶剤、例えば、ケトン、セルソルブ、DMSO等に溶
解させ、この溶液を撹拌しながら、イソシアネート基を
有する(メタ)アクリル酸又はその誘導体を滴下及び反
応させることにより、イソシアネート基がポリビニルブ
チラール樹脂の水酸基と反応してウレタン結合を生じ、
該ウレタン結合を介して樹脂中に(メタ)アクリロイル
基を導入することができる。この際使用するイソシアネ
ート基含有(メタ)アクリル酸化合物の使用量は、ポリ
ビニルブチラール樹脂の水酸基とイソシアネート基との
比率で水酸基1モル当たりイソシアネート基0.1〜5
モル、好ましくは0.5〜3モルの範囲になる量であ
る。
【0010】又、別の製造方法としては、ポリビニルブ
チラール樹脂を、溶解可能な溶剤、例えば、ケトン、セ
ルソルブ、DMSO等に溶解させ、この溶液を撹拌しな
がら、(メタ)アクリル酸クロライド又はその誘導体を
滴下及び反応させることにより、酸クロライド基がポリ
ビニルブチラール樹脂の水酸基と反応してエステル結合
を生じ、該エステル結合を介して樹脂中に(メタ)アク
リロイル基を導入することができる。この際使用する
(メタ)アクリル酸クロライド又はその誘導体の使用量
は、ポリビニルブチラール樹脂の水酸基と酸クロライド
基との比率で、水酸基1モル当たり酸クロライド基が
0.1〜5モル、好ましくは0.5〜3モルの範囲にな
る量である。
【0011】次に上記(メタ)アクリル変性ポリビニル
ブチラール樹脂の製造例を示す。 製造例1 温度計、撹拌機、滴下ロート及び冷却管を取付けた四つ
口フラスコに、ポリビニルブチラール樹脂(エスレック
BX−1、積水化学製)2.5g、メチルエチルケトン
97g及びジブチル錫ジラウレート0.03gを仕込
み、内温を50℃にして撹拌した。これにメタクリロイ
ルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和
電工)1.07gを滴下した。滴下後、50℃で加熱反
応を行ない、メタクリル変性ポリブチラール樹脂−1の
溶液(固形分約3.55重量%)を得た。反応は、反応
液のイソシアネート量を逆滴定分析により測定し、仕込
んだイソシアネートが90%以上反応していることを確
認して終了とした。
【0012】製造例2 製造例1と同様に、反応器にポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBX−1)2.5g、MEK97g及びト
リエチルアミン0.68gを仕込み、内温を60℃にし
て撹拌した。これにアクリル酸クロリド(東京化成)
1.06gを滴下し、滴下後60℃で加熱反応を行な
い、反応終了後析出したトリエチルアミン塩酸塩を遠心
分離器にて取り除き、アクリル変性ポリビニルブチラー
ル樹脂−2の溶液(固形分約3.51重量%)を得た。
【0013】製造例3 製造例1と同様に、反応器にポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBX−1)2.5g及びMEK97gを仕
込み、内温を50℃にして撹拌した。これにメタクリロ
イルイソシアネート(MAI、日本ペイント)2.93
gを滴下し、滴下後50℃で加熱反応を行ない、メタク
リル変性ポリビニルブチラール樹脂−3の溶液(固形分
約5.3重量%)を得た。
【0014】製造例4 製造例1と同様に、反応器にポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBL−SH、積水化学)2.5g、MEK
97g及びジブチル錫ジラウレート0.03gを仕込
み、内温を50℃にして撹拌した。これに、メタクリロ
イルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭
和電工製)の0.65gを滴下し、滴下後50℃で加熱
反応を行ない、メタクリル変性ポリビニルブチラール樹
脂−4の溶液(固形分約3.14重量%)を得た。
【0015】本発明の耐熱塗料は、上記本発明の(メ
タ)アクリル変性ポリビニルブチラール樹脂を被膜形成
成分として、適当な有機溶剤に溶解してなることを特徴
とする。使用する有機溶剤としては、上記(メタ)アク
リル変性ポリビニルブチラール樹脂を溶解する有機溶剤
であれば何れでもよいが、塗工性や乾燥性を考慮する
と、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ等のセロソルブ系有機溶剤等が挙げられ、
特にこれらの溶剤からなる混合系溶剤が好ましく使用さ
れる。上記塗料における前記(メタ)アクリル変性ポリ
ビニルブチラール樹脂の固形分濃度は特に限定されない
が、一般的には重量基準で約1〜20重量%の濃度が好
ましい。本発明の耐熱塗料は、その用途に従って各種の
添加剤を含有することができる。これらの添加剤は形成
される被膜に滑性、帯電防止性、更なる耐熱性等を付与
する等の目的で使用される。これらの添加剤については
以下の熱転写シートへの応用を代表例として更に詳しく
説明する。
【0016】以上の本発明の(メタ)アクリル変性ポリ
ビニルブチラール樹脂及び耐熱塗料の使用方法を、熱転
写シートの耐熱滑性層の形成に応用する例を挙げて更に
詳しく説明する。熱転写シートの製造に使用する基材シ
ートとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有
するものであればいずれのものでもよく、例えば、0.
5〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の厚さの
紙、各種加工紙、ポリエステルフイルム、ポリスチレン
フイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリサルホンフイ
ルム、アラミドフイルム、ポリカーボネートフイルム、
ポリビニルアルコールフイルム、セロファン等であり、
特に好ましいものはポリエステルフイルムである。これ
らの基材シートは枚葉式であってもよいし、連続フイル
ムであってもよく特に限定されない。これらの中で特に
好ましいものはポリエチレンテレフタレートフイルムで
あり、又、必要に応じて該フイルムの一方の面又は両面
に夫々プライマー層や接着剤層を形成することも好まし
い。
【0017】本発明では、上記基材フィルムの表面に、
前記本発明の(メタ)アクリル変性ポリビニルブチラー
ル樹脂からなる耐熱滑性層を形成する。耐熱層の形成に
際しては、必要に応じて基材フイルムの表面に予めプラ
イマー層や接着剤層を形成しておくことができる。又、
本発明では上記の材料から耐熱滑性層を形成するに当た
り、形成される耐熱滑性層のスリップ性を向上させる目
的で、耐熱塗料中にワックス、高級脂肪酸アミド、界面
活性剤、硫酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステ
ル、シリルイソシアネート等の熱離型剤や滑剤或いはフ
ッ素樹脂のような有機粉末、シリカ、クレー、タルク、
炭酸カルシウム等の無機粒子を包含させることができ
る。これらの各種添加剤は、前記本発明の(メタ)アク
リル変性ポリビニルブチラール樹脂100重量部(固形
分)当たり約0〜100重量部、好ましくは0〜30重
量部の割合で使用する。
【0018】特に界面活性剤としては好ましいものは固
体のイオン性界面活性剤、例えば、ステアリル硫酸ナト
リウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナト
リウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリルスルホン酸ナ
トリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、ス
テアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリル
ピリジニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤等であ
り、これらの界面活性剤は常温で固体のため、形成され
た耐熱活性層にベタツキがなく、ベタツキによるブロッ
キングや裏移りが防止でき、それでいて、サーマルヘッ
ドとの接触時にのみ界面活性剤が層の表面にブリードア
ウトして効果的に表面に優れた滑り性を与えることがで
きる。これらの界面活性剤は前記本発明の(メタ)アク
リル変性ポリビニルブチラール樹脂100重量部(固形
分)当たり約3〜100重量部の割合で使用することが
好ましい。又、最終的に得られる熱転写シートの帯電を
防止するために、前記耐熱塗料中にカーボンブラック、
酸化錫、酸化チタン等の金属酸化物、各種金属アルコキ
シド、ITO粉末等の導電性フィラーやポリアニリン、
ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料を添
加して帯電防止性に優れた耐熱滑性層を形成することが
できる。添加量については前記本発明の(メタ)アクリ
ル変性ポリビニルブチラール樹脂100重量部(固形
分)当たり約10〜100重量部の範囲が好ましい。
【0019】更に得られる耐熱滑性層の柔軟性や架橋密
度を調整するために、前記耐熱塗料中に通常の熱可塑性
樹脂や、(メタ)アクリル系或はその他の単官能又は多
官能のモノマー、オリゴマー等を混合して使用すること
ができる。使用量については前記本発明の(メタ)アク
リル変性ポリビニルブチラール樹脂100重量部(固形
分)当たり約50〜500重量部の範囲が好ましい。例
えば、単官能モノマーとしては、テトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル
オキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキ
シエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート等が
挙げられ、2官能以上のモノマーとしては、例えば、骨
格構造で分類するとポリオール(メタ)アクリレート
(エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレート、ラク
トン変性ポリオール(メタ)アクリレート等)、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、その他、ポリ
ブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒダントイン系、
メラミン系、リン酸系、イミド系、フォスファゼン系等
の骨格を有するポリ(メタ)アクリレート、更には紫外
線硬化性又は電子線硬化性である他の種々のモノマー、
オリゴマー或いはポリマーが挙げられる。
【0020】更に詳しく述べると、2官能のモノマー又
はオリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート等が挙げられ、更に3官能のモノ
マー、オリゴマー、ポリマーとしては、例えば、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ
(メタ)アクリレート等が挙げられ、4官能のモノマー
又はオリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロ
パンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、5官能以上のモノマー
又はオリゴマーとしては、例えば、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル
骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する多官
能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官
能モノマーやオリゴマー等の官能基数は特に限定される
ものではないが、官能基数が3より小さいと形成される
耐熱滑性層の耐熱性が低下する傾向があり、又、20以
上では形成される耐熱滑性層の柔軟性が低下する傾向が
あるため、特に3〜20官能のものが好ましい。
【0021】耐熱滑性層は、上記の如き材料をアセト
ン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の適当
な溶剤中に溶解又は分散させて本発明の耐熱塗料を調製
し、この耐熱塗料をグラビアコーター、ロールコータ
ー、ワイヤーバー等の慣用の塗工手段により塗工及び乾
燥し、次いで紫外線や電子線等の電離放射線を照射する
ことによって架橋成膜処理することによって形成され
る。その塗工量、即ち耐熱滑性層の厚みも重要であっ
て、本発明では固形分基準で2.0g/m2以下、好ま
しくは0.1〜1.0g/m2の厚みで充分な性能を有
する耐熱滑性層を形成することができる。厚みが0.1
g/m2未満では耐熱滑性層としての性能が不十分であ
り、一方、厚みが2.0g/m2を超えると、サーマル
ヘッドから色材層への熱伝導性が低下するので好ましく
ない。
【0022】上記基材シートの一方の面に形成する色材
層としては、昇華型熱転写シートの場合には昇華性の染
料を含む層を形成し、一方、熱溶融型の熱転写シートの
場合には顔料で着色したワックスインキ層を形成する。
以下昇華型熱転写シートの場合を代表例として説明する
が、本発明は昇華型熱転写シートにのみ限定されるもの
ではない。染料層に使用する染料としては、従来公知の
熱転写シートに使用されている染料はいずれも本発明に
有効に使用可能であり特に限定されない。例えば、幾つ
かの好ましい染料としては、赤色染料として、MS Red
G、 Macrolex Red VioletR、CeresRed 7B、 Samaron
Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、黄色の
染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL、P
TY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げら
れ、又、青色染料としては、カヤセットブルー714、
ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブル
ーS−R、MSブルー100等が挙げられる。
【0023】上記の如き染料を担持するためのバインダ
ー樹脂として好ましいものを例示すれば、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシ
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセ
ルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセル
ロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)ア
クリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂等が挙げられるが、これらの中では、セ
ルロース系、ビニル系、(メタ)アクリル系、ポリウレ
タン系及びポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移
行性等の点から好ましいものである。
【0024】染料層は、前記の基材シートの一方の面
に、以上の如き染料及びバインダーに必要に応じて添加
剤、例えば、離型剤等を加えたものを、適当な有機溶剤
に溶解したり或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、
例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア
版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段
により塗布及び乾燥して形成することができる。
【0025】このようにして形成する染料層は0.2〜
5.0μm、好ましくは0.4〜2.0μm程度の厚さ
であり、又、染料層中の昇華性染料は、染料層の重量の
5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%の量で存
在するのが好適である。形成する染料層は所望の画像が
モノカラーである場合は前記染料のうちから1色を選ん
で形成し、又、所望の画像がフルカラー画像である場合
には、例えば、適当なシアン、マゼンタ及びイエロー
(更に必要に応じてブラック)を選択して、イエロー、
マゼンタ及びシアン(更に必要に応じてブラック)の染
料層を形成する。
【0026】上記の如き熱転写シートを用いて、画像を
形成するために使用する受像シートは、その記録面が前
記の染料に対して染料受容性を有するものであればいか
なるものでもよく、又、染料受容性を有しない紙、金
属、ガラス、合成樹脂等である場合には、その少なくと
も一方の表面に染料受容層を形成すればよい。又、熱溶
融型の熱転写シートの場合には、被転写材は特に限定さ
れず、通常の紙やプラスチックフイルムであってもよ
い。上記の熱転写シート及び上記の如き受像シートを使
用して熱転写を行う際に使用するプリンターとしては公
知の熱転写プリンターがそのまま使用可能であり、特に
限定されない。
【0027】尚、以上の説明では、耐熱滑性層がプライ
マー層を介して基材シートに形成されている例を挙げて
本発明を説明したが、必要に応じて上述した帯電防止剤
をプライマー層に添加しても、耐熱滑性層に添加して
も、更には両方に添加してもよく、いずれの場合でも得
られる熱転写シートに優れた帯電防止性を付与すること
ができる。又、基材シートに易接着処理が施されていた
り、耐熱滑性層の基材に対する密着性が良好である場合
には、前記プライマー層はなくてもよく、この場合は、
必要に応じて耐熱滑性層中に上述した帯電防止剤を添加
することで、得られる熱転写シートに優れた帯電防止性
を付与することができる。
【0028】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。 実施例1プライマー層用インキ: スルホン化ポリアニリン(導電剤、日東化学工業製、固形分10%水溶液) 0.25部(固形分) 水溶性ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961、日本合成化学工業製、 固形分30重量%) 4.75部(固形分) 燐酸エステル系界面活性剤(プライサーフ217E、第一工業製薬製) 0.2部 水 44.8部 イソプロピルアルコール 50.0部
【0029】上記のインキをPET基材シート(6μ
m、ダイヤホイル製)の一方の面にミヤバー5を用い
て乾燥時0.1μmの厚み(塗工量0.1g/m2)に
なるように塗布後、温風乾燥してプライマー層を形成し
た。耐熱滑性層用インキ(耐熱塗料): 前記製造例1におけるメタクリル変性ポリビニルブチラール樹脂溶液(固形分 2.84%) 80部 燐酸エステル(プライサーフA−208S:常温で液体のリン酸エステル系ア ニオン界面活性剤、第一工業製薬製) 1部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 19部
【0030】上記インキを前記プライマー層の表面に乾
燥時1.0μmの厚みになるように塗布後温風乾燥し、
窒素ガス雰囲気下で180kvで加速された電子線を5
Mrad照射して架橋硬化処理を行って耐熱滑性層を形
成した。次に耐熱滑性層の反対面に下記の染料層形成用
インキを乾燥時厚みが1.0g/m2になるようにグラ
ビア印刷にて塗布及び乾燥して本発明の熱転写シートを
得た。染料層形成用インキ: C.I.ソルベントブルー22 5.50部 アセトアセタール樹脂 3.00部 メチルエチルケトン 22.54部 トルエン 68.18部
【0031】評価サンプル作製例1 前記耐熱滑性層用インキを厚さ6μmのPETフイルム
上に乾燥後の塗膜の厚みが50μmになるように塗布及
び温風乾燥後に、窒素ガス雰囲気下で180kvで加速
された電子線を5Mrad照射し、塗膜を硬化させ、該
塗膜のガラス転移温度(Tg)測定用及び500℃での
重量減少率測定用サンプルとした。評価サンプル作製例2 前記耐熱滑性層用インキを厚さ6μmのPETフイルム
上に乾燥後の塗膜の厚みが1.0μmになるように塗布
及び温風乾燥後に、窒素ガス雰囲気下で180kvで加
速された電子線を5Mrad照射し、塗膜を硬化させ、
該塗膜の耐熱性測定用及び柔軟性測定用サンプルとし
た。
【0032】実施例2 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ: 前記製造例2におけるアクリル変性ポリビニルブチラール樹脂溶液(固形分 2.81%) 80部 燐酸エステル(プライサーフA−217E:常温で固体の燐酸エステル系界面 活性剤、第一工業製薬製) 1部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 19部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層のTg、500℃重
量減少率、耐熱性及び柔軟性測定するためのサンプル
を、上記評価サンプル作製例1及び2と同様にして作製
した。
【0033】実施例3 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ: 前記製造例3におけるメタクリル変性ポリビニルブチラール樹脂溶液(固形分 4.24%) 80部 燐酸エステル(プライサーフA−217E、第一工業製薬製) 1部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 19部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層のTg、500℃重
量減少率、耐熱性及び柔軟性測定するためのサンプル
を、前記評価サンプル作製例1及び2と同様にして作製
した。
【0034】実施例4 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ: 前記製造例4におけるメタクリル変性ポリビニルブチラール樹脂溶液(固形分 2.52%) 80部 燐酸エステル(プライサーフA−217E、第一工業製薬製) 1部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 19部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層のTg、500℃重
量減少率、耐熱性及び柔軟性測定するためのサンプル
を、前記評価サンプル作製例1及び2と同様にして作製
した。
【0035】比較例1 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記の2種
のインキを用い、且つ塗膜の硬化を60℃オーブン中に
5日間エージングして行った他は実施例1と同様にして
2種の比較例の熱転写シートを得た。耐熱滑性層用インキA: ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 3部 ポリイシシアネート硬化剤(バーノックD750、大日本インキ製) 7部 (NCO/OH=1.8) 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 90部
【0036】耐熱滑性層用インキB: ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 3部 ポリイシシアネート硬化剤(バーノックD750、大日本インキ製) 7部 (NCO/OH=1.8) 燐酸エステル(プライサーフA−208S、第一工業製薬製) 1部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 89部 2種の得られた熱転写シートの耐熱滑性層のTg、50
0℃重量減少率、耐熱性及び柔軟性測定するための2種
のサンプル(A及びB)を、塗膜の硬化を60℃オーブ
ン中に5日間エージングして行った他は前記評価サンプ
ル作製例1及び2と同様にして作製した。
【0037】比較例2 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、且つ塗膜を加熱乾燥して成膜した他は実施例
1と同様にして比較例の熱転写シートを得た。耐熱滑性層用インキ: ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 3部 燐酸エステル(プライサーフA−208S、第一工業製薬製) 1部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 96部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層のTg、500℃重
量減少率、耐熱性及び柔軟性測定するためのサンプル
を、塗膜を加熱乾燥して成膜した他は前記評価サンプル
作製例1及び2と同様にして作製した。
【0038】比較例3 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用いた他は実施例1と同様にして比較例の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ: ウレタンアクリレート(NKオリゴ U−4HA、新中村化学工業製) 3部 燐酸エステル(プライサーフA−208S、第一工業製薬製) 1部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 96部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層のTg、500℃重
量減少率、耐熱性及び柔軟性測定するためのサンプルを
前記評価サンプル作製例1及び2と同様にして作製し
た。
【0039】比較例4 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用いた他は実施例1と同様にして比較例の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ: ウレタンアクリレート(NKオリゴ U−15HA、新中村化学工業製)3部 燐酸エステル(プライサーフA−208S、第一工業製薬製) 1部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 96部 上記で得られた熱転写シートの耐熱滑性層のTg、50
0℃重量減少率、耐熱性及び柔軟性測定するためのサン
プルを前記評価サンプル作製例1及び2と同様にして作
製した。
【0040】評価方法 上記実施例1〜4及び比較例1〜4のそれぞれの評価用
サンプルについて下記の方法で評価を行い、後記表1に
記載の結果を得た。ガラス転移温度(Tg)測定: レオバイブロンDDV-II-E
P((株)オリエンテック)を使用してtan8のピー
ク温度をTg温度(℃)とした。500℃での重量減少率測定: 熱分析システムTGA7
(PERKIN ELMER社製)WO使用して10℃/minの昇
温速度での500℃時点での減少率を測定した。耐熱性: サーマルヘッドと熱転写シートでの融着及び皺
の発生を評価した。柔軟性: サーマルヘッド走行時の皺の発生を評価した
(塗膜に柔軟性がないと、塗膜に小さなワレを生じ、印
画時に皺の発生原因となる)。
【0041】表1 ○:良好 ×:不良
【0042】実施例5 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ : 前記製造例1におけるメタクリル変性ポリビニルブチラール樹脂 2部 ペンタエリスリトールトリアクリレート(A-TMM-3、新中村化学製) 8 部 リン酸トリアクリレート(ビスコート3PA、大阪有機化学工業製)0.9部 タルク(ミクロエースP−3、日本タルク製) 0.42部 タルク(ミクロエースL−1、日本タルク製) 0.18部 リン酸エステル(プライサーフA−217E、第一工業製薬製) 0.4部 イソプロピルアルコール 20部 メチルエチルケトン 68.1部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層の耐熱性及び柔軟性
測定するためのサンプルを、前記評価サンプル作製例2
と同様にして作製した。
【0043】実施例6 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ : 前記製造例1におけるメタクリル変性ポリビニルブチラール樹脂 2部 6官能ポリフォスファゼン(PPZ、出光興産製) 8.9部 タルク(ミクロエースP−3、日本タルク製) 0.42部 タルク(ミクロエースL−1、日本タルク製) 0.18部 リン酸エステル(プライサーフA−217E、第一工業製薬製) 0.4部 イソプロピルアルコール 20部 メチルエチルケトン 68.1部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層の耐熱性及び柔軟性
測定するためのサンプルを、前記評価サンプル作製例2
と同様にして作製した。
【0044】実施例7 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ : 前記製造例1におけるメタクリル変性ポリビニルブチラール樹脂 2部 6官能ポリフォスファゼン(PPZ、出光興産製) 0.9部 ポリエステルアクリレート(M8060、東亜合成製) 8.0部 タルク(ミクロエースP−3、日本タルク製) 0.42部 タルク(ミクロエースL−1、日本タルク製) 0.18部 リン酸エステル(プライサーフA-208S、第一工業製薬製) 0.4部 イソプロピルアルコール 20部 メチルエチルケトン 68.1部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層の耐熱性及び柔軟性
測定するためのサンプルを、前記評価サンプル作製例2
と同様にして作製した。
【0045】実施例8 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ : 前記製造例1におけるメタクリル変性ポリビニルブチラール樹脂 2部 ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート(SR339、 サートマー製) 8部 リン酸トリアクリレート(ビスコート3PA、大阪有機化学工業製)0.9部 タルク(ミクロエースP−3、日本タルク製) 0.42部 タルク(ミクロエースL−1、日本タルク製) 0.18部 リン酸エステル(プライサーフA−217E、第一工業製薬製) 0.4部 イソプロピルアルコール 20部 メチルエチルケトン 68.1部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層の耐熱性及び柔軟性
測定するためのサンプルを、前記評価サンプル作製例2
と同様にして作製した。
【0046】実施例9 実施例1における耐熱滑性層インキに代えて下記のイン
キを用い、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シ
ートを得た。耐熱滑性層用インキ : 前記製造例1におけるメタクリル変性ポリビニルブチラール樹脂 3部 ウレタンアクリレート(NKオリゴ U−15HA、新中村化学製) 7部 リン酸トリアクリレート(ビスコート3PA、大阪有機化学工業製)0.9部 タルク(ミクロエースP−3、日本タルク製) 0.42部 タルク(ミクロエースL−1、日本タルク製) 0.18部 リン酸エステル(プライサーフA-217E、第一工業製薬製) 0.2部 イソプロピルアルコール 20部 メチルエチルケトン 68.3部 得られた熱転写シートの耐熱滑性層の耐熱性及び柔軟性
測定するためのサンプルを、前記評価サンプル作製例2
と同様にして作製した。
【0047】評価方法 上記実施例5〜9のそれぞれの評価用サンプルについ
て、実施例1〜4におけると同様な方法で評価を行い、
下記表2に記載の結果を得た。 表2 ◎:優秀 ○:良好
【0048】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、熱転写シー
ト等のプラスチックフイルム等に、優れた耐熱性、被膜
性、柔軟性、スリップ性、サーマルヘッドの走行性等を
与えることができる樹脂を提供することができる。特に
熱転写シートの耐熱滑性層の形成においては、形成され
る被膜の硬化手段として紫外線や電子線等の電離放射線
が使用できるために、層を形成した後の熟成処理は不要
となり、しかも高架橋密度でありながら柔軟性及び耐熱
性に優れた耐熱滑性層を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 129/14 B41M 5/26 G // B05D 7/24 302 101G (72)発明者 安藤 雅之 東京都新宿区市谷加賀町一丁1番1号 大 日本印刷株式会社内 (72)発明者 小野 典克 東京都新宿区市谷加賀町一丁1番1号 大 日本印刷株式会社内 (72)発明者 中條 茂樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁1番1号 大 日本印刷株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式で表されることを特徴とする
    (メタ)アクリロイル基を有するポリビニルブチラール
    樹脂。 (上記式中におけるXは水素原子又はアセチル基を表
    し、Yは(メタ)アクリロイル基を有する基であり、式
    中のl(エル)とmとnとの合計を100とした場合
    に、lは40〜85、mは0〜10、nは15〜50の
    整数である。)
  2. 【請求項2】 分子量が3万〜20万である請求項1に
    記載のポリビニルブチラール樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の樹脂を被膜形成成分と
    して含有することを特徴とする耐熱塗料。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の樹脂と界面活性剤とを
    被膜形成成分として含有することを特徴とする耐熱塗
    料。
  5. 【請求項5】 界面活性剤が常温で固体である請求項4
    に記載の耐熱塗料。
  6. 【請求項6】 界面活性剤が常温で固体のイオン性界面
    活性剤である請求項4又は5に記載の耐熱塗料。
  7. 【請求項7】 多官能モノマー及び/又は多官能オリゴ
    マーを含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の耐熱塗
    料。
  8. 【請求項8】 基材シートの一方の面に熱転写性色材層
    を形成し、他方の面に耐熱滑性層が形成されてなる熱転
    写シートにおいて、上記耐熱滑性層が請求項1に記載の
    樹脂を被膜形成成分として含有することを特徴とする熱
    転写シート。
  9. 【請求項9】 耐熱滑性層が界面活性剤を含む請求項8
    に記載の熱転写シート。
  10. 【請求項10】 界面活性剤が常温で固体である請求項
    9に記載の熱転写シート。
  11. 【請求項11】 界面活性剤が常温で固体のイオン性界
    面活性剤である請求項9又は10に記載の熱転写シー
    ト。
  12. 【請求項12】 耐熱滑性層が多官能モノマー及び/又
    は多官能オリゴマーによって架橋されている請求項8〜
    11のいずれか1項に記載の熱転写シート。
  13. 【請求項13】 耐熱滑性層の厚みが0.1〜2μmで
    ある請求項8〜12のいずれか1項に記載の熱転写シー
    ト。
  14. 【請求項14】 耐熱滑性層と基材との間に帯電防止剤
    を含有するプライマー層を有する請求項8〜13のいず
    れか1項に記載の熱転写シート。
JP10009158A 1997-02-19 1998-01-20 樹脂、耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写シート Pending JPH10292013A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10009158A JPH10292013A (ja) 1997-02-19 1998-01-20 樹脂、耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写シート

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-49595 1997-02-19
JP4959497 1997-02-19
JP9-49594 1997-02-19
JP4959597 1997-02-19
JP10009158A JPH10292013A (ja) 1997-02-19 1998-01-20 樹脂、耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10292013A true JPH10292013A (ja) 1998-11-04

Family

ID=27278360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10009158A Pending JPH10292013A (ja) 1997-02-19 1998-01-20 樹脂、耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10292013A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006119355A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Nitto Denko Corp 帯電防止性粘着型光学フィルム及び画像表示装置
JP2007098633A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 保護層転写シート
JP2007098627A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 昇華型熱転写受像シート
JP2007268969A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シート
WO2008126921A1 (ja) * 2007-04-11 2008-10-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. 架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法及び架橋ポリビニルアセタール樹脂
WO2015151454A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 凸版印刷株式会社 感熱転写記録媒体及び記録方法
WO2017112453A3 (en) * 2015-12-22 2017-10-19 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films comprising a second layer
US10167386B2 (en) 2014-12-08 2019-01-01 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films and composition
US10344188B2 (en) 2015-12-22 2019-07-09 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films comprising an adhesive layer
US10493738B2 (en) 2015-12-22 2019-12-03 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal graphic films
US11167523B2 (en) 2015-12-22 2021-11-09 3M Innovative Properties Company Acrylic films comprising a structured layer
US11397286B2 (en) 2016-06-07 2022-07-26 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal film for a light directing article

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006119355A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Nitto Denko Corp 帯電防止性粘着型光学フィルム及び画像表示装置
JP2007098633A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 保護層転写シート
JP2007098627A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 昇華型熱転写受像シート
JP4495662B2 (ja) * 2005-09-30 2010-07-07 大日本印刷株式会社 昇華型熱転写受像シート
JP2007268969A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シート
WO2008126921A1 (ja) * 2007-04-11 2008-10-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. 架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法及び架橋ポリビニルアセタール樹脂
US8420298B2 (en) 2007-04-11 2013-04-16 Sekisui Chemical Co., Ltd. Method for production of crosslinked polyvinyl acetal resin, and crosslinked polyvinyl acetal resin
JP5336846B2 (ja) * 2007-04-11 2013-11-06 積水化学工業株式会社 架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法及び架橋ポリビニルアセタール樹脂
WO2015151454A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 凸版印刷株式会社 感熱転写記録媒体及び記録方法
US10167386B2 (en) 2014-12-08 2019-01-01 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films and composition
US10870750B2 (en) 2014-12-08 2020-12-22 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films and composition
US11629250B2 (en) 2014-12-08 2023-04-18 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films and composition
WO2017112453A3 (en) * 2015-12-22 2017-10-19 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films comprising a second layer
CN108430769A (zh) * 2015-12-22 2018-08-21 3M创新有限公司 包括第二层的丙烯酸类聚乙烯醇缩醛膜
US10344188B2 (en) 2015-12-22 2019-07-09 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films comprising an adhesive layer
US10493738B2 (en) 2015-12-22 2019-12-03 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal graphic films
US11034830B2 (en) 2015-12-22 2021-06-15 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal films comprising a second layer
US11167523B2 (en) 2015-12-22 2021-11-09 3M Innovative Properties Company Acrylic films comprising a structured layer
US11397286B2 (en) 2016-06-07 2022-07-26 3M Innovative Properties Company Acrylic polyvinyl acetal film for a light directing article

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2568375B2 (ja) 推進剤含有の熱転写ドナー成分
EP0487727B1 (en) Thermal transfer cover film
US5538831A (en) Thermal transfer film
JPH10292013A (ja) 樹脂、耐熱塗料及び該塗料を用いた熱転写シート
JPH0473391B2 (ja)
JP4262822B2 (ja) 熱転写シート
EP0427980B1 (en) Heat transfer image-receiving sheet
JPH0655868A (ja) 熱転写シート
JP4291451B2 (ja) 熱転写シート
JP4291452B2 (ja) 熱転写シート
JP2000272254A (ja) 熱転写シート
JP2001001653A (ja) 熱転写シート
JP3431312B2 (ja) 熱転写シート
JPH05212974A (ja) 熱転写受像シート
JP3776508B2 (ja) 熱転写シート
JP4291449B2 (ja) 熱転写シート
EP1142726B1 (en) Thermal transfer image-receiving sheet
JPH09202058A (ja) 熱転写シート
JP2005096099A (ja) 保護層転写シート
JP3294353B2 (ja) 熱転写シート
JPH0852947A (ja) 熱転写シート
JPH06115267A (ja) 熱転写シート
US5264271A (en) Electrothermal transfer sheet
JP2000326641A (ja) 熱転写シート
JPH1071773A (ja) 熱転写シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061010