JPH10286928A - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート及びその製造方法

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JPH10286928A
JPH10286928A JP9095605A JP9560597A JPH10286928A JP H10286928 A JPH10286928 A JP H10286928A JP 9095605 A JP9095605 A JP 9095605A JP 9560597 A JP9560597 A JP 9560597A JP H10286928 A JPH10286928 A JP H10286928A
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JP
Japan
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thermoplastic elastomer
olefin
based thermoplastic
sheet
decorative sheet
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Pending
Application number
JP9095605A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Shimizu
和彦 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造直後の初期層間密着強度のみならず、紫
外線や熱による層間密着強度低下の少ない建材用途して
十分な強度を有する化粧シート及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 不透明なオレフィン系熱可塑性エラスト
マーからなる基材シートA上に任意の絵柄の印刷インキ
層を設けた後、印刷面に合わさる側に易接着性樹脂層を
有する2層以上の層からなる透明オレフィン系熱可塑性
エラストマーを多層押出機により押し出して基材シート
Aの印刷面にトップシートBとして積層するに際し、押
出機10のダイから押し出した溶融状態の透明オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーにおける易接着性樹脂面にオ
ゾンを含有する空気Gを高温で吹き付けて表面処理を行
い、多くの極性官能基を生じせしめる。印刷インキのビ
ヒクル又はプライマー層と該官能基が反応して強固に接
着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質系板材・棒
材、金属板等の表面に貼り合わせて使用される高意匠性
の化粧シート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、塩ビ系樹脂を使
用しない化粧シートとして、オレフィン系基材シートに
印刷を施し、その印刷面の上に透明オレフィン系樹脂か
らなるトップシートを積層した化粧シートが提案されて
いるが、このタイプの化粧シートはオレフィン系樹脂に
極性がないため、基材シートとトップシートの貼り合わ
せ密着強度を得るのが難しい(特に紫外線による経時劣
化)という問題がある。そこで、トップのオレフィン系
樹脂に易接着樹脂との2層押出しシートを使用したり、
樹脂全体を易接着性樹脂にしたトップシートを使用する
方法や、印刷済み基材シートの表面にオゾン処理を行っ
た上にトップシートの樹脂を押し出して積層する方法等
が提案されている。
【0003】ところで、建材分野では化粧シートが造作
材等に用いられるため、長期に渡って高い品質を保持す
ることが要求される。特に印刷を施した基材シートと透
明なトップシートの2層構成からなる化粧シートについ
ては、サンシャインカーボンアークW.O.M.を10
00時間照射しても十分な密着強度を保持することが要
求されており、さらに高いレベルの密着性に対する要望
もある。しかしながら、上記の各手法は貼り合わせ直後
の密着強度を得るためには有効であるが、長期の紫外線
照射や熱による経時の層間密着力のダウンについては必
ずしも十分なものではなかった。また、トップシートの
樹脂に紫外線吸収剤を入れる方法も提案されているが、
これも根本的解決にはなっていない。
【0004】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、製造直後
の初期層間密着強度のみならず、紫外線や熱による層間
密着強度低下の少ない建材用途として十分な強度を有す
る化粧シート及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の化粧シートは、不透明なオレフィン系熱可
塑性エラストマーからなる基材シート上に任意の絵柄の
印刷インキ層を設け、印刷面に合わさる側に易接着性樹
脂層を有する2層以上の層からなる透明オレフィン系熱
可塑性エラストマーを多層押出機により押し出して基材
シートの印刷面にトップシートとして積層した化粧シー
トにおいて、押出機のダイから押し出した溶融状態の透
明オレフィン系熱可塑性エラストマーにおける易接着性
樹脂面にオゾンを含有する空気を高温で吹き付けて多く
の極性官能基を生じせしめたことを特徴としている。
【0006】このように、本発明ではトップシートの易
接着性樹脂面を高温でオゾン処理することにより、より
多くの極性官能基を生じせしめ、高い温度のまま印刷済
み基材シートに積層することにより、印刷インキのベヒ
クル又はプライマー層と該官能基が反応を起こして強固
に接着するようにした。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る化粧シートの
一形態を示す断面図である。この化粧シートは、不透明
なオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる基材シー
ト1上に任意の絵柄の印刷インキ層2を設け、印刷面に
合わさる側に易接着性樹脂層3aを有する2層以上の層
からなる透明オレフィン系熱可塑性エラストマーを多層
押出機により押し出して基材シート1の印刷面にトップ
シート3として積層したもので、押出機のダイから押し
出した溶融状態の透明オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーにおける易接着性樹脂面にオゾンを含有する空気を高
温で吹き付けて多くの極性官能基を生じせしめたもので
ある。図2に示される化粧シートでは、押し出された透
明オレフィン系熱可塑性エラストマーにおける易接着性
樹脂面に形成された極性官能基と反応するプライマー層
4を基材シート1の印刷インキ層2の上に設けている。
【0008】図3は本発明に係る化粧シートの製造方法
を示す説明図である。まず、不透明なオレフィン系熱可
塑性エラストマーからなる基材シート上に任意の絵柄の
印刷インキ層と必要に応じてプライマー層を設けた印刷
済み基材シートAを準備しておく。そして、印刷面に合
わさる側に易接着性樹脂層を有する2層以上の層からな
る透明オレフィン系熱可塑性エラストマーを多層押出機
10により押し出して基材シートの印刷面にトップシー
トBとして積層するに際し、押出機10のダイから押し
出した溶融状態の透明オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーにおける易接着性樹脂面に対して、オゾンを含有する
空気Gをヒーター11の中を通過させるなどして高温で
吹き付けて表面処理を行う。これにより、トップシート
Bにおける易接着性樹脂面に多くの極性官能基が生じる
ので、高い温度のまま印刷済み基材シートAに積層する
ことにより印刷インキのベヒクル又はプライマー層と該
官能基が反応を起こして強固に接着する。
【0009】オレフィン系熱可塑性エラストマーは、エ
ラストマーとオレフィン系樹脂とからなる複合材料の熱
可塑性エラストマーで次の3タイプがある。すなわち、
ソフトセグメントとしてのエラストマーとハードセグ
メントとしてのオレフィン系樹脂を単純ブレンドしたタ
イプ、エラストマーとオレフィン系樹脂とを部分的に
架橋させて複合化した架橋タイプ、オレフィン系エラ
ストマーを架橋させてそれをオレフィン系樹脂に分散さ
せたタイプの3つで、具体的には下記〜の5種類が
挙げられる。
【0010】(A)ソフトセグメントとしてのエラス
トマーと(B)ハードセグメントとしてのオレフィン系
樹脂とを単純ブレンドしたもの。具体的には、オレフィ
ン系樹脂として、ポリエチレン、エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリブテン−
1、ブテン−1・プロピレン・エチレン・3元共重合
体、ブテン−1・ヘキセン−1・オクテン−1・3元共
重合体、ポリメチルペンテン等の樹脂単独又は2種以上
混合したものが挙げられる。エラストマーとしては各種
ゴム類が挙げられ、ゴム類としては、ジエン系ゴム、水
素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等である
が、中でも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。
【0011】水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分
子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させ
てなるもので、ポリオレフィン系樹脂の結晶化を抑え、
柔軟性、透明性をアップさせる役割がある。また、一般
にポリオレフィン系樹脂にジエン系ゴムを添加するとジ
エン系ゴムの二重結合のため、耐候性、耐熱性はジエン
系ゴム無添加のポリオレフィン系樹脂より低下するが、
本発明では、ジエン系ゴムの二重結合を水素で飽和させ
るため、ポリオレフィン系樹脂の耐候性、耐熱性の低下
もなく良好なものとなる。ジエン系ゴムとしては、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン
・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレン・ブ
タジエンゴム等がある。本発明の目的からは特にスチレ
ン・ブタジエンゴムが好ましい。
【0012】オレフィンエラストマーは、2種類又は3
種類以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なく
とも1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用さ
れ、ポリエンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエ
ン、ノルボルネン等が使用される。好ましいオレフィン
系共重合体ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン
共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴ
ム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィン
を主成分とする弾性共重合体が挙げられる。
【0013】ゴム類の添加量としては、オレフィン系樹
脂の100重量部に対し、1〜90重量部程度とする。
1重量部未満だと、ゴム添加による弾性、伸び率、耐衝
撃性が不足し、Vカット加工、絞り加工等の折り曲げ加
工時に亀裂、割れを生じ易くなる。また90重量部を越
えると、弾性及び伸び率が大きくなりすぎ、印刷時の見
当合わせが不良になり好ましくない。
【0014】また、エラストマーとして、後述する〜
等のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いてもよ
い。
【0015】特公平6−23278号公報に記載の如
き(A)数平均分子量Mnが25,000以上、且つ重
量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn
≦7の沸騰ヘプタン可溶ポリプロピレン10〜90重量
%(ソフトセグメント)と(B)メルトインデックスが
0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピ
レン90〜10重量%(ハードセグメント)との混合物
からなる軟質ポリプロピレン。
【0016】特公昭53−21021号公報に記載の
如き、(A)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)をハ
ードセグメントとし、これに(B)部分架橋したエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン・プロピ
レン非共軛ジエン三共重合体ゴム等のモノオレフィン共
重合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に配
合し混合してなるオレフィン系エラストマー。(B)/
(A)=50/50〜90/10(重量比)の割合で混
合する。
【0017】特公昭53−34210号公報に記載の
如き(A)未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフト
セグメント)と(B)オレフィン共重合体(結晶性、ハ
ードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪断応力
を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン系エラ
ストマー。(A)/(B)=60/40〜80/20
(重量比)である。
【0018】特公昭56−15751号公報等に記載
の如き、(A)アイソタクチックポリプロピレン、プロ
ピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共
重合体等のペルオキシドと混合、加熱すると分子量を減
じ、流動性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合体
(ハードセグメント)と、(B)エチレン・プロピレン
共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共軛ジエン三
共重合体ゴム等のペルオキシドと混合加熱することによ
り、架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノオ
レフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)、(C)ポ
リイソブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混合、
加熱しても架橋せず、流動性が不変のペルオキシド非架
橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質成
分)、及び(D)パラフィン系、ナフテン系、芳香族系
等の鉱物油系軟化剤とを混合し、有機ペルオキシドの存
在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマ
ー。(A)が90〜40重量部、(B)が10〜60重
量部、(C)及び(D)が5〜100重量部の配合比と
なる。
【0019】また、これらのオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーには、所望により、着色剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、
発泡剤等が添加される。
【0020】着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁
柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブ
ラック等の無機顔料、イソインドリン、ハンザイエロー
A、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシ
アニンブルー等の有機顔料、或いは染料、アルミニウ
ム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性
炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられ
る。また、必要に応じて無機充填剤を添加してもよく、
この無機充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ
(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。基材シ
ートは用途に応じて着色透明又は着色不透明にするが、
一般的には被着体の表面を隠蔽することが可能なことか
ら着色不透明が好ましい。
【0021】紫外線吸収剤、光安定剤は、樹脂により良
好な耐候性(耐光性)を付与するためのものであり、そ
の添加量は紫外線吸収剤、光安定剤とも通常0.01〜
0.15重量%程度である。一般的には紫外線吸収剤と
光安定剤とを併用するのが好ましい。紫外線吸収剤とし
ては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル
酸エステル等の有機物、又は0.2μm径以下の微粒子
状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を
用いることができる。光安定剤としては、ビス−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジ
ン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることが
できる。
【0022】熱安定剤としては、フェノール系、サルフ
ァイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、ア
ミン系等公知のものが用いられ、これらは熱加工時の熱
変色等の劣化の防止性をより向上させる。
【0023】難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム等の粉末が用いられ、これらは難燃性
を付与する必要がある場合に添加する。
【0024】さらに本発明で使用する基材シートとして
好ましいものは、高密度ポリエチレン樹脂、熱可塑性エ
ラストマー、着色剤及び無機充填剤からなるシートが挙
げられる。該シートによれば、化粧シートとして要求さ
れる性能、すなわち、ポリ塩化ビニル並みの熱成形
性、耐クリープ変形性、耐寒折曲げ強度、耐有機
溶剤性、破断時伸度、耐衝撃強度、適度な曲げ弾
性率、易接着性を満足するものが得られる。
【0025】上記高密度ポリエチレンとしては、比重が
0.94〜0.96のポリエチレンであって、低圧法で
得られる結晶化度が高く分子に枝別れ構造の少ない高分
子を用いるのがより好ましい。また、上記熱可塑性エラ
ストマーとしては、ジエン系ゴム、水素添加ジエンゴ
ム、オレフィンエラストマー等が挙げられ、前記したも
のと同様のものが用いられる。熱可塑性エラストマーの
添加量としては基材シート中に10〜60重量%、好ま
しくは30重量%程度である。10重量%より少ないと
一定荷重時伸度の変化が急崚になり過ぎ、また破断時伸
度、耐衝撃性の低下が生じ、60重量%より多いと透明
性、耐候性及び耐クリープ性の低下が生じる。上記無機
充填剤としては、前記したものと同様のものが用いら
れ、基材シート中に5〜60重量%程度、好ましくは3
0重量%程度添加される。添加量が5重量%より少ない
と耐クリープ変形性及び易接着性の低下が生じ、60重
量%より多いと破断時伸度及び耐衝撃性の低下が生じ
る。着色剤としては、前記したものと同様のものが用い
られる。
【0026】表面に設けられる透明オレフィン系熱可塑
性エラストマーとして好ましいものは、上述したオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの説明で挙げたもので、
アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプ
ロピレンとの混合系からなる、複合立体構造を有する無
色又は着色透明な軟質ポリプロピレン系樹脂からなるシ
ートである。上記複合立体構造を有する軟質ポリプロピ
レン樹脂からなるシートによれば、化粧シートとして要
求される性能、すなわち、耐クリープ変形性、耐有
機溶剤性、破断時伸度、耐衝撃強度、適度な曲げ
弾性率、良好な透明性、耐候性(エンボス加工等に
伴う加熱と冷却が加わっても再結晶による白化や濁りを
生じない)を満足するものが得られる。この軟質ポリプ
ロピレン系樹脂としては、具体的には、(A)(イ)マ
グネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体を必
須成分として含有する固体触媒成分、(ロ)有機アルミ
ニウム化合物及び(ハ)一般式〔化1〕
【化1】 (式中のR1 は炭素数1〜20のアルキル基、R2 は炭
素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロソ基、m
は1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数であ
る)で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物の組み合
わせからなる触媒の存在下、プロピレンを重合させるこ
とにより得られる、数平均分子量(Mn)が25,00
0以上で、且つ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下の沸騰ヘプタン
可溶性ポリプロピレン(アタクチックポリプロピレン)
10〜90重量%と、(B)メルトインデックスが0.
1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン
(アイソタクチックポリプロピレン)90〜10重量%
とからなる軟質ポリプロピレン樹脂組成物が挙げられ
る。
【0027】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物は、破
断伸び(Tb )が400%以上、好ましくは500〜7
00%、100%伸長後の残留伸び(PS100 )が80
%以下、好ましくは50〜75%、及び破断時応力(M
B )と降伏時応力(MY )との比(MB /MY )が1.
0以上、好ましくは1.5〜3.5の範囲にあることが
望ましい。
【0028】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、(A)成分のアタクチックポリプロピレンとし
て、沸騰ヘプタンに可溶性であって、数平均分子量(M
n)が25,000以上、好ましくは30,000〜6
0,000の範囲にあり、且つ重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが7以下、好
ましくは2〜6の範囲にあるものが用いられる。このM
nが25,000未満のものやMw/Mn比が7を超え
るものでは、得られる樹脂における該アタクチックポリ
プロピレンの力学特性への寄与効果が十分に発揮され
ず、得られる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力
(MY )との比が1.0未満になったり、100%伸長
後の残留伸び(PS100 )が80%を超えたりして望ま
しくない。
【0029】この(A)成分のアタクチックポリプロピ
レンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロ
ピレン単位と40重量%以下、好ましくは30重量%以
下の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有
するプロピレン共重合体であってもよい。また、このア
タクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。このような(A)成
分のアタクチックポリプロピレンは公知の方法(特公平
6−23278号公報等)によって製造することができ
る。
【0030】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、(B)成分として、メルトインデックス(MI)
が0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性の結晶性
アイソタクチックポリプロピレンが用いられる。このメ
ルトインデックスが0.1g/10分未満では溶融特性
が低く、シート成形が困難になるし、4g/10分を超
えると機械的強度が不十分となってVカット加工が良好
に行えなくなる虞れがある。上記(B)成分のアイソタ
クチックポリプロピレンは、アイソタクチックの立体規
則性を有するプロピレン単独重合体であってもよいし、
該立体規則性を有するプロピレンと他のα−オレフィン
との共重合体であってもよい。このα−オレフィンとし
ては炭素数2〜8のもの、例えばエチレン、ブテン−1
ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などが好ま
しく、中でもエチレン及びブテン−1が好適である。ま
た該共重合体としては、前記のα−オレフィン単位を通
常40重量%以下、好ましくは30重量%以下含有する
ブロック共重合体やランダム共重合体が用いられる。
【0031】この(B)成分のアイソタクチックポリプ
ロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合
体、及びエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3〜
25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのランダ
ム共重合体又はブロック共重合体が挙げられる。このよ
うなアイソタクチックポリプロピレンの製造は従来の結
晶性ポリプロピレンの製造と同様に行うことができる。
【0032】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、この(B)成分のアイソタクチックポリプロピレ
ンは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。また、前記(A)成分のアタクチックポリプ
ロピレンと(B)成分のアイソタクチックポリプロピレ
ンは、(A)成分の含有量が10〜90重量%、好まし
くは25〜80重量%で、(B)成分の含有量が90〜
10重量%、好ましくは75〜20重量%になるような
割合で用いられる。該(A)成分の含有量が10重量%
未満では、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなりすぎ
て、破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比M
B /MY 比が1.0未満となり、且つ100%伸長後の
残留伸び(PS100 )も80%より大きくなってしま
う。一方含有量が90重量%を超えると破断時応力(M
B )が小さくなりすぎて、該MB /MY 比が1.0未満
となり、且つ機械的強度が低下する虞れがある。また、
(B)成分の比率を高くすることにより、得られる軟質
ポリプロピレンのヤング率は高くなる。(A)成分と
(B)成分の特に好ましい比率は1:1である。
【0033】さらに基材シートとそこに積層するトップ
シートの2層構造を、基材シートを上述した高密度ポリ
エチレン樹脂、熱可塑性エラストマー、着色剤、及び無
機充填剤からなるシートとし、トップシートを上述した
アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプ
ロピレンとの混合系からなる無色又は着色透明な軟質ポ
リプロピレン系樹脂からなるシートとすることで、それ
ぞれのシートに前記した化粧シートに求められる諸条件
を分担して持たせることができ、実用性の高い本発明の
化粧シートが得られる。
【0034】易接着性透明オレフィン系熱可塑性エラス
トマーは、上記透明オレフィン系熱可塑性エラストマー
において、オレフィン系エラストマーとオレフィン系樹
脂、例えば、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン
共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチ
レンの如きポリα−オレフィン及びポリブタジエン、ポ
リイソプレンの如きポリジオレフィン或いはこれらの共
重合体等と、例えばカルボン酸、カルボン酸塩、カルボ
ン酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド乃
至イミド、アルデヒド、ケトン等に基づくカルボニル基
を単独で、或いはシアノ基、ヒドロキシ基、エーテル
基、オキシラン環基等との組合せで有するエチレン系不
飽和単量体の1種又は2種以上との共重合体等のエチレ
ン系不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。一般的
には厚さ10μm程度に形成されていれば十分である。
【0035】極性基を有するエチレン系不飽和単量体と
しては、 A.エチレン系不飽和カルボン酸:アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2.3−ジカル
ボン酸等。 B.エチレン系不飽和無水カルボン酸:無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2.3−ジ
カルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等。 C.エチレン系不飽和エステル:アクリル酸エチル、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、マ
レイン酸モノまたはジエチル、酢酸ビニル、プロビオン
酸ビニル、γ−ヒドロキシメタクリル酸プロピル、β−
ヒドロキシアクリル酸エチル、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、β−N−エチルアミノ
エチルアクリレート等。 D.エチレン系不飽和アミド乃至イミド:アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、マレイミド等。 E.エチレン系不飽和アルデヒド乃至ケトン:アクロレ
イン、メタクロレイン、ビニルメチルケトン、ビニルブ
チルケトン等。が挙げられる。
【0036】易接着性熱可塑性エラストマーとして好ま
しいものは、ホモの非塩素系変性ポリオレフィンやラン
ダム重合した非塩素系ポリオレフィンである。なお、上
記カルボン酸塩としては、以下の金属イオンが用いられ
る。1価金属イオンとして、Na+ 、K+ 、Li+ 、C
+ 、Ag+ 、Hg+ 、Cu+ があり、2価金属イオン
として、Be++、Mg++、Ca++、Ba++、Cu++、C
++、Hg++、Sn++、Pb++、Fe++、Co++、Ni
++、Zn++、3価金属イオンとしては、Al+++ 、Sc
+++ 、Fe+++ 、Yt+++ が挙げられる。なお、中和度
は共重合体カルボン酸を金属イオンで中和した後のMI
が2〜20の範囲程度とする。
【0037】オゾン処理はノズル又はスリット状の吹出
口から溶融薄膜に向けてオゾンを含ませた空気を加熱し
て吹き付けることで行う。吹き付ける空気中のオゾンの
量は5g/m3 以上で0.2l/分/cm以上が好まし
いが、あまり吹き付け量を多くすると溶融薄膜が気圧に
押されて厚みが不均一になる。オゾンを含ませた空気は
50℃以上に加熱しておき、溶融薄膜温度を下げないよ
うにすると積層した時の密着力が増すので望ましい。
【0038】基材シートとトップシートの密着強度は紫
外線により経時的に劣化するため、製造時に化粧シート
としての初期密着強度を確保するだけでは不十分であ
り、ウェザ・オ・メーター2000時間(プラックパネ
ル63℃)照射後においてもなおかつ化粧シートとして
十分な密着強度をもたせるためには、トップシートに紫
外線吸収剤を添加するとよい。この紫外線吸収剤として
は、紫外線カット効果が持続するものが好ましく、反応
型の紫外線吸収剤や高分子量の紫外線吸収剤を用いると
よく、種々の検討の結果、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤を0.1重量%以上添加するか、或いはヒンダー
ドアミン系ラジカル紫外線吸収剤を0.1重量%以上添
加するとよい。
【0039】トップシートの易接着性オレフィン系熱可
塑性エラストマー層と基材シート上の印刷インキ層とを
熱接着させるために熱接着アンカー層を設けてもよい。
これには反応性ホットメルト接着剤を用いる。また、密
着強度は落ちるがイソシアネート系アンカーコート剤
(例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート等の化合物等)を用いることもでき
る。通常の熱可塑性インキも使用可能である。
【0040】印刷インキ層に用いるインキとしては、上
記熱接着性アンカー層を用いる場合は、塩素化ポリエチ
レン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化オレフィン系イ
ンキ、アミド系インキ、ウレタン系インキ、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹
脂など一般的なオレフィン用のインキを用いる。熱接着
性アンカー層を用いない場合にはウレタン系高温反応型
(150〜250℃)のインキが好適である。
【0041】印刷インキ層の模様としては、木目模様、
石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学図形、文字、記
号、線画、各種抽象模様等が挙げられるが、全面ベタ印
刷等でもよい。
【0042】基材シートと印刷インキ層の間にインキ密
着性を向上させるためのプライマー層を設けることによ
り、印刷インキのベヒクルの選択の幅が広がる。同様の
ことは印刷インキ層と熱接着アンカー層との間について
も言えるが、工程数が増すため、必要とする密着強度と
の兼ね合いで決定する。プライマー層の樹脂としては、
アクリル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリエス
テル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポ
リエチレン等が用いられるが、特にポリウレタンが好ま
しい。
【0043】上記の基材シートとトップシートとの積層
は、ダブリング或いはダブリングエンボス等の熱融着に
よって行う。ダブリングエンボスに使用するエンボス版
は、例えば木材表面の如き凹凸の状態を電鋳法により写
し取って導管のエンボス模様を形成してなるもの、或い
は、例えば木材表面の如き凹凸の状態を写真製版法によ
り写し取って作成した原版を用いてフォトエッチング法
により導管のエンボス模様を形成してなるものが好まし
い。また、例えば石目柄の場合には割れ目等を含む石材
表面の凹凸の状態を同様に写し取ることができる。この
ようなエンボス版を用いて加熱加圧成形して凹陥模様を
形成するものである。
【0044】トップシート表面における凹陥模様の凹部
に充填される着色剤としては、例えば、セラック、コー
バル、ダンマル、ロジン、ロジンエステル等の天然樹脂
又はその変成樹脂類、ニトロセルロース、アセチルセル
ロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース等のセ
ルロース誘導体類、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、フ
タル酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂、ポ
リ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他の
合成樹脂類、その他塩化ゴム、環化ゴム、合成ゴム等ゴ
ム誘導体等をビヒクルの構成材料とし、ビヒクル中に着
色剤、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料、可塑剤等を添
加してなる塗料若しくはインキが用いられる。そして、
透明熱可塑性樹脂シートにアクリルシートを用いた場合
には、アクリル系又はウレタン系水性エマルジョンタイ
プの透明乃至不透明着色インキを使用するのが好まし
い。
【0045】この着色塗料或いはインキは、ロールコー
ト或いはナイフコートにてシート表面凹部にコーティン
グした後、ドクターブレード或いはワイピングペーパー
等で掻き取ることにより、シート凸部のコーティングし
た着色塗料若しくはインキを除去し、凹部にのみ着色塗
料若しくはインキを残すようにして充填する。ここにお
いて、凹部の部分にのみ塗料若しくはインキ組成物が残
るように塗料若しくはインキ組成物の粘度、ロールの回
転数、ドクターの刃先角度、厚み、シートスピード、ワ
イピングペーパーのスピード、ゴムロールの硬度等を調
製することが必要である。この着色塗料若しくはインキ
の色調は、例えば木目柄の場合には導管と同一若しくは
類似であり、また、例えば石目柄の場合には割れ目と同
一若しくは類似であることが望ましい。
【0046】また、化粧シートの耐磨耗性、耐薬品性等
を付与するとともに表面の艶の調整を行うため、表面保
護樹脂コート層を設けることが好ましい。この表面保護
樹脂コート層としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂などの透明又は半透明な樹脂が使用さ
れ、トップシートの表面側にアクリル樹脂を用いた場合
には、アクリル系又はウレタン系水性エマルジョンタイ
プのものを使用するのが好ましい。そして、グラビアコ
ート、或いはロールコート、ナイフコート、エアーナイ
フ等の方法で塗工する。
【0047】
【実施例】
(実施例1)オレフィン系熱可塑性エラストマーからな
る厚さ100μmの基材シート(日本石油化学製「ソフ
トレックス」)に塩化ビニル系樹脂インキ(昭和インク
工業所製「化X」)を用いて柾目柄印刷を施して印刷シ
ートとした。
【0048】上記印刷シートにおける印刷面の上から溶
融した透明オレフィン系熱可塑性エラストマーを押出機
により2層で押し出してトップシートとして積層した。
ここでは、外側の層に出光石油化学製「E−2600」
を使用し、印刷面側の層に易接着性の出光石油化学製
「ポリタック」を使用し、それぞれ80μm、20μm
の厚さで押し出した。この際、押出機のダイから押し出
した溶融状態の透明オレフィン系熱可塑性エラストマー
における易接着性樹脂面に対してオゾン処理を行ってか
ら積層した。具体的には、オゾン濃度100g/m3
空気を電熱ヒーターで80℃に加熱し、これを2Nm3
/Hの量で吹き付けた。
【0049】(実施例2)実施例1と同じ印刷シートに
おける印刷面に2液硬化型ポリウレタン樹脂インキ(昭
和インク工業所製「ALFA」)を塗布してプライマー
層を形成し、その上から樹脂1と同様にしてトップシー
トを積層した。
【0050】実施例1,2で得られた化粧シートに対
し、サンシャインカーボンアークW.O.M.で100
0時間照射後に剥離試験を行ったところ、層間強度のダ
ウンは見られなかった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
押し出したトップシートの易接着性樹脂面を高温でオゾ
ン処理して多くの極性官能基を生じせしめ、高い温度の
まま印刷済み基材シートに積層することにより、印刷イ
ンキのベヒクル又はプライマー層と該官能基が反応を起
こして強固に接着するので、製造直後の初期層間密着強
度のみならず、紫外線や熱による層間密着強度低下の少
ない、建材用途として十分な強度を有した化粧シートを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化粧シートの一形態を示す断面図
である。
【図2】本発明に係る化粧シートの別の形態を示す断面
図である。
【図3】本発明に係る化粧シートの製造方法を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2 印刷インキ層 3 トップシート 3a 易接着性樹脂層 4 プライマー層 10 押出機 11 ヒーター A 印刷済み基材シート B トップシート G オゾンを含有する空気
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】オレフィン系熱可塑性エラストマーは、エ
ラストマーとオレフィン系樹脂とからなる複合材料の熱
可塑性エラストマーで次の3タイプがある。すなわち、
ソフトセグメントとしてのエラストマーとハードセグ
メントとしてのオレフィン系樹脂を単純ブレンドしたタ
イプ、エラストマーとオレフィン系樹脂とを部分的に
架橋させて複合化した架橋タイプ、ラストマーを架
橋させてそれをオレフィン系樹脂に分散させたタイプの
3つで、具体的には下記〜の5種類が挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】易接着性透明オレフィン系熱可塑性エラス
トマーは、上記透明オレフィン系熱可塑性エラストマー
において、例えば、ポリエチレン、エチレン−α−オレ
フィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイ
ソブチレンの如きポリα−オレフィン及びポリブタジエ
ン、ポリイソプレンの如きポリジオレフィン或いはこれ
らの共重合体等と、例えばカルボン酸、カルボン酸塩、
カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸ア
ミド乃至イミド、アルデヒド、ケトン等に基づくカルボ
ニル基を単独で、或いはシアノ基、ヒドロキシ基、エー
テル基、オキシラン環基等との組合せで有するエチレン
系不飽和単量体の1種又は2種以上との共重合体等
エチレン系不飽和単量体との共重合体等によって構成さ
れるものであり、一般的には厚さ10μm程度に形成さ
れていれば十分である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】基材シートにおける印刷面の上から押出機
により透明オレフィン系熱可塑性エラストマーを溶融押
出ししてトップシートと積層すると同時にエンボス加工
行う。このエンボス加工に使用するエンボス版は、例
えば木材表面の如き凹凸の状態を電鋳法により写し取っ
て導管のエンボス模様を形成してなるもの、或いは、例
えば木材表面の如き凹凸の状態を写真製版法により写し
取って作成した原版を用いてフォトエッチング法により
導管のエンボス模様を形成してなるものが好ましい。ま
た、例えば石目柄の場合には割れ目等を含む石材表面の
凹凸の状態を同様に写し取ることができる。このような
エンボス版を用いて加熱加圧成形して凹陥模様を形成す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明なオレフィン系熱可塑性エラスト
    マーからなる基材シート上に任意の絵柄の印刷インキ層
    を設け、印刷面に合わさる側に易接着性樹脂層を有する
    2層以上の層からなる透明オレフィン系熱可塑性エラス
    トマーを多層押出機により押し出して基材シートの印刷
    面にトップシートとして積層した化粧シートにおいて、
    押出機のダイから押し出した溶融状態の透明オレフィン
    系熱可塑性エラストマーにおける易接着性樹脂面にオゾ
    ンを含有する空気を高温で吹き付けて多くの極性官能基
    を生じせしめたことを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 透明オレフィン系熱可塑性エラストマー
    が、アイソタクチックポリプロピレンをハードセグメン
    ト、アタクチックポリプロピレンをソフトセグメントと
    するポリプロピレン系の熱可塑性エラストマーであり、
    易接着性樹脂はこのポリプロピレンに対してマレイン酸
    をグラフト重合させて極性官能基を導入したものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】 押し出された透明オレフィン系熱可塑性
    エラストマーにおける易接着性樹脂面に形成された極性
    官能基と反応するプライマー層を基材シートの印刷イン
    キ層の上に設けた請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 透明オレフィン系熱可塑性エラストマー
    に紫外線吸収剤を添加した請求項1,2又は3に記載の
    化粧シート。
  5. 【請求項5】 不透明なオレフィン系熱可塑性エラスト
    マーからなる基材シート上に任意の絵柄の印刷インキ層
    を設けた後、印刷面に合わさる側に易接着性樹脂層を有
    する2層以上の層からなる透明オレフィン系熱可塑性エ
    ラストマーを多層押出機により押し出して基材シートの
    印刷面にトップシートとして積層する化粧シートの製造
    方法において、押出機のダイから押し出した溶融状態の
    透明オレフィン系熱可塑性エラストマーにおける易接着
    性樹脂面にオゾンを含有する空気を高温で吹き付けて表
    面処理を行い、多くの極性官能基を生じせしめることを
    特徴とする化粧シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 透明オレフィン系熱可塑性エラストマー
    が、アイソタクチックポリプロピレンをハードセグメン
    ト、アタクチックポリプロピレンをソフトセグメントと
    するポリプロピレン系の熱可塑性エラストマーであり、
    易接着性樹脂はこのポリプロピレンに対してマレイン酸
    をグラフト重合させて極性官能基を導入したものである
    ことを特徴とする請求項6に記載の化粧シートの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 基材シートの印刷インキ層の上に、透明
    オレフィン系熱可塑性エラストマーにおける易接着性樹
    脂面に形成された極性官能基と反応するプライマー層を
    設けた請求項5又は6に記載の化粧シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 透明オレフィン系熱可塑性エラストマー
    に紫外線吸収剤を添加する請求項5,6又は7に記載の
    化粧シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103735A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP2003103736A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
CN104441894A (zh) * 2013-09-24 2015-03-25 Toto株式会社 加饰材料

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103735A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP2003103736A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP4686951B2 (ja) * 2001-09-27 2011-05-25 凸版印刷株式会社 化粧シート
CN104441894A (zh) * 2013-09-24 2015-03-25 Toto株式会社 加饰材料

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