JPH10286671A - 消耗電極式交流パルスアーク溶接装置 - Google Patents
消耗電極式交流パルスアーク溶接装置Info
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- JPH10286671A JPH10286671A JP9094153A JP9415397A JPH10286671A JP H10286671 A JPH10286671 A JP H10286671A JP 9094153 A JP9094153 A JP 9094153A JP 9415397 A JP9415397 A JP 9415397A JP H10286671 A JPH10286671 A JP H10286671A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K9/00—Arc welding or cutting
- B23K9/09—Arrangements or circuits for arc welding with pulsed current or voltage
- B23K9/091—Arrangements or circuits for arc welding with pulsed current or voltage characterised by the circuits
- B23K9/092—Arrangements or circuits for arc welding with pulsed current or voltage characterised by the circuits characterised by the shape of the pulses produced
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K9/00—Arc welding or cutting
- B23K9/12—Automatic feeding or moving of electrodes or work for spot or seam welding or cutting
- B23K9/124—Circuits or methods for feeding welding wire
Abstract
(57)【要約】
【課題】 単純な回路構成で異なる材質のワイヤに適用
させることができ、いずれのワイヤを使用した場合にお
いても、良好なビード外観及び溶接作業性を得ることが
できる消耗電極式交流パルスアーク溶接装置を提供す
る。 【解決手段】 パルス幅設定回路１６は、ハードワイヤ
用パルス幅設定器１６ａ、ソフトワイヤ用パルス幅設定
器１６ｂ及びパルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２を有
している。また、周波数設定回路２０は、ハードワイヤ
用周波数設定器２０ａ、ソフトワイヤ用周波数設定器２
０ｂ及び周波数設定器切替えスイッチＳＷ３を有してい
る。ワイヤ種切替えスイッチＳＷ１を切替えることによ
り、パルス幅設定器及び周波数設定器内において、ハー
ドワイヤ側とソフトワイヤ側との選択を同時に切替える
ことができ、ワイヤ種に応じて適切な溶接条件で溶接を
実施することができる。
させることができ、いずれのワイヤを使用した場合にお
いても、良好なビード外観及び溶接作業性を得ることが
できる消耗電極式交流パルスアーク溶接装置を提供す
る。 【解決手段】 パルス幅設定回路１６は、ハードワイヤ
用パルス幅設定器１６ａ、ソフトワイヤ用パルス幅設定
器１６ｂ及びパルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２を有
している。また、周波数設定回路２０は、ハードワイヤ
用周波数設定器２０ａ、ソフトワイヤ用周波数設定器２
０ｂ及び周波数設定器切替えスイッチＳＷ３を有してい
る。ワイヤ種切替えスイッチＳＷ１を切替えることによ
り、パルス幅設定器及び周波数設定器内において、ハー
ドワイヤ側とソフトワイヤ側との選択を同時に切替える
ことができ、ワイヤ種に応じて適切な溶接条件で溶接を
実施することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム又はア
ルミニウム合金製のワイヤを使用する消耗電極式交流パ
ルスアーク溶接装置に関し、特に、単純な回路で構成さ
れており、異なる材質のワイヤを使用しても、良好なビ
ード外観及び溶接作業性を得ることができる消耗電極式
交流パルスアーク溶接装置に関する。
ルミニウム合金製のワイヤを使用する消耗電極式交流パ
ルスアーク溶接装置に関し、特に、単純な回路で構成さ
れており、異なる材質のワイヤを使用しても、良好なビ
ード外観及び溶接作業性を得ることができる消耗電極式
交流パルスアーク溶接装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】消耗電極式交流パルスアーク溶接は、ワ
イヤを予め設定した所定の速度で母材に向けて供給しつ
つ、正極性溶接電流と逆極性パルス溶接電流とを交互に
供給して、ワイヤと母材との間にアークを発生させるこ
とにより母材を溶接する溶接方法である。この消耗電極
式パルスアーク溶接時において、ワイヤに正極性溶接電
流が供給されているとき、即ち、ワイヤがマイナスの通
電期間（以下、正極性アーク期間という）には、ワイヤ
先端に溶滴が形成される。一方、ワイヤに逆極性パルス
溶接電流が供給されているとき、即ち、ワイヤがプラス
の通電期間（以下、逆極性期間という）に、ワイヤにパ
ルス電流が供給されているとき、ワイヤ先端に形成され
た溶滴は母材に移行する。
イヤを予め設定した所定の速度で母材に向けて供給しつ
つ、正極性溶接電流と逆極性パルス溶接電流とを交互に
供給して、ワイヤと母材との間にアークを発生させるこ
とにより母材を溶接する溶接方法である。この消耗電極
式パルスアーク溶接時において、ワイヤに正極性溶接電
流が供給されているとき、即ち、ワイヤがマイナスの通
電期間（以下、正極性アーク期間という）には、ワイヤ
先端に溶滴が形成される。一方、ワイヤに逆極性パルス
溶接電流が供給されているとき、即ち、ワイヤがプラス
の通電期間（以下、逆極性期間という）に、ワイヤにパ
ルス電流が供給されているとき、ワイヤ先端に形成され
た溶滴は母材に移行する。
【０００３】このような消耗電極式パルスアーク溶接に
おいては、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる
母材を溶接する場合、使用するワイヤの材質に応じて、
最適な溶接条件が異なったものとなる。従って、例え
ば、国内において主に使用される５０００番系のアルミ
ニウム合金からなるワイヤ（ハード系）を使用して溶接
する場合には、このワイヤに適した溶接装置が選択さ
れ、これにより、良好な溶接を実施することができる。
おいては、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる
母材を溶接する場合、使用するワイヤの材質に応じて、
最適な溶接条件が異なったものとなる。従って、例え
ば、国内において主に使用される５０００番系のアルミ
ニウム合金からなるワイヤ（ハード系）を使用して溶接
する場合には、このワイヤに適した溶接装置が選択さ
れ、これにより、良好な溶接を実施することができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、５００
０番系のアルミニウム合金からなるワイヤを使用した場
合に良好な溶接を実施することができる溶接機に、例え
ば、１０００番系のアルミニウムからなるワイヤ（ソフ
ト系）を適用した場合、以下に示す問題点が発生する。
即ち、スパッタの発生量が多くなるので、ビードの外観
が損なわれることがある。また、アークの集中性が低下
することにより、溶接作業性が悪くなることもある。こ
のような問題点は、主に、ワイヤの材質が異なって、そ
の融点が変わることにより発生する。
０番系のアルミニウム合金からなるワイヤを使用した場
合に良好な溶接を実施することができる溶接機に、例え
ば、１０００番系のアルミニウムからなるワイヤ（ソフ
ト系）を適用した場合、以下に示す問題点が発生する。
即ち、スパッタの発生量が多くなるので、ビードの外観
が損なわれることがある。また、アークの集中性が低下
することにより、溶接作業性が悪くなることもある。こ
のような問題点は、主に、ワイヤの材質が異なって、そ
の融点が変わることにより発生する。
【０００５】このように、従来の単一の回路構成を有す
る溶接装置では、異なる材質の双方のワイヤに対して、
有効に対応させることができなかった。また、各材質の
ワイヤに対して２重の回路を構成すると、溶接装置内の
回路が複雑化するという問題点が発生する。
る溶接装置では、異なる材質の双方のワイヤに対して、
有効に対応させることができなかった。また、各材質の
ワイヤに対して２重の回路を構成すると、溶接装置内の
回路が複雑化するという問題点が発生する。
【０００６】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、単純な回路構成で異なる材質のワイヤに適
用させることができ、いずれのワイヤを使用した場合に
おいても、良好なビード外観及び溶接作業性を得ること
ができる消耗電極式交流パルスアーク溶接装置を提供す
ることを目的とする。
のであって、単純な回路構成で異なる材質のワイヤに適
用させることができ、いずれのワイヤを使用した場合に
おいても、良好なビード外観及び溶接作業性を得ること
ができる消耗電極式交流パルスアーク溶接装置を提供す
ることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明に係る消耗電極式
交流パルスアーク溶接装置は、ワイヤに、アークを維持
するベース電流と溶滴を母材に移行させるパルス電流と
からなる逆極性アーク電流と、ワイヤ送給速度に基づい
て電流値が設定された正極性アーク電流とを所定の周波
数で交互に供給する消耗電極式交流パルスアーク溶接装
置において、逆極性アーク電流のパルス電流の幅を設定
する第１ワイヤ用パルス幅設定器及び第２ワイヤ用パル
ス幅設定器と、前記周波数を設定する第１ワイヤ用周波
数設定器及び第２ワイヤ用周波数設定器と、前記第１ワ
イヤ用パルス幅設定器及び第２ワイヤ用パルス幅設定器
の選択と第１ワイヤ用周波数設定器及び第２ワイヤ用周
波数設定器の選択とを同時に切替える切替え手段と、を
有することを特徴とする。
交流パルスアーク溶接装置は、ワイヤに、アークを維持
するベース電流と溶滴を母材に移行させるパルス電流と
からなる逆極性アーク電流と、ワイヤ送給速度に基づい
て電流値が設定された正極性アーク電流とを所定の周波
数で交互に供給する消耗電極式交流パルスアーク溶接装
置において、逆極性アーク電流のパルス電流の幅を設定
する第１ワイヤ用パルス幅設定器及び第２ワイヤ用パル
ス幅設定器と、前記周波数を設定する第１ワイヤ用周波
数設定器及び第２ワイヤ用周波数設定器と、前記第１ワ
イヤ用パルス幅設定器及び第２ワイヤ用パルス幅設定器
の選択と第１ワイヤ用周波数設定器及び第２ワイヤ用周
波数設定器の選択とを同時に切替える切替え手段と、を
有することを特徴とする。
【０００８】本発明においては、ワイヤの材質に応じ
て、第１ワイヤ用パルス幅設定器又は第２ワイヤ用パル
ス幅設定器を選択し、これらの設定器内で第１ワイヤ又
は第２ワイヤに適したパルス幅が適切に選択されるの
で、ワイヤへのエネルギーの供給量の微妙な調整が可能
となり、ワイヤの材質に応じて、１パルスで１溶滴の母
材への移行を実現することができる。
て、第１ワイヤ用パルス幅設定器又は第２ワイヤ用パル
ス幅設定器を選択し、これらの設定器内で第１ワイヤ又
は第２ワイヤに適したパルス幅が適切に選択されるの
で、ワイヤへのエネルギーの供給量の微妙な調整が可能
となり、ワイヤの材質に応じて、１パルスで１溶滴の母
材への移行を実現することができる。
【０００９】また、本発明においては、ワイヤの材質に
応じて、ハードワイヤ用周波数設定器又はソフトワイヤ
用周波数設定器を選択し、これらの設定器内で第１ワイ
ヤ又は第２ワイヤに適した周波数が選択されるので、電
流の平均値を変化させることができる。従って、ワイヤ
の材質に応じて、ワイヤへのエネルギー供給量を大きく
変化させることができ、これにより、母材の溶融量を適
切に調整することができる。
応じて、ハードワイヤ用周波数設定器又はソフトワイヤ
用周波数設定器を選択し、これらの設定器内で第１ワイ
ヤ又は第２ワイヤに適した周波数が選択されるので、電
流の平均値を変化させることができる。従って、ワイヤ
の材質に応じて、ワイヤへのエネルギー供給量を大きく
変化させることができ、これにより、母材の溶融量を適
切に調整することができる。
【００１０】また、本発明に係る消耗電極式交流パルス
アーク溶接装置は、前記逆極性アーク電流のベース電流
をＩB、期間をＴB、パルス電流をＩP、パルス幅をＴP、
前記正極性アーク電流をＩEN、期間をＴENとしたとき、
極性比率γ＝（ＩEN×ＴEN）／（ＩP×ＴP＋ＩEN×
ＴEN）が所定の値になるように、前記第１ワイヤ用周波
数設定器及び第２ワイヤ用周波数設定器の周波数設定値
を調整すると共に、正極性アーク期間ＴENを決める極性
比率設定器を有することが好ましい。
アーク溶接装置は、前記逆極性アーク電流のベース電流
をＩB、期間をＴB、パルス電流をＩP、パルス幅をＴP、
前記正極性アーク電流をＩEN、期間をＴENとしたとき、
極性比率γ＝（ＩEN×ＴEN）／（ＩP×ＴP＋ＩEN×
ＴEN）が所定の値になるように、前記第１ワイヤ用周波
数設定器及び第２ワイヤ用周波数設定器の周波数設定値
を調整すると共に、正極性アーク期間ＴENを決める極性
比率設定器を有することが好ましい。
【００１１】更に、本発明に係る消耗電極式交流パルス
アーク溶接装置は、前記第１ワイヤ用パルス幅設定器及
び第１ワイヤ用周波数設定器の選択と、第２ワイヤ用パ
ルス幅設定器及び第２ワイヤ用周波数設定器の選択とを
切替えたときに、パルス幅ＴPと正極性アーク期間ＴEN
との比ＴP／ＴENが一定となるように、正極性アーク期
間ＴENを変化させる比率ゲインを有することが好まし
い。
アーク溶接装置は、前記第１ワイヤ用パルス幅設定器及
び第１ワイヤ用周波数設定器の選択と、第２ワイヤ用パ
ルス幅設定器及び第２ワイヤ用周波数設定器の選択とを
切替えたときに、パルス幅ＴPと正極性アーク期間ＴEN
との比ＴP／ＴENが一定となるように、正極性アーク期
間ＴENを変化させる比率ゲインを有することが好まし
い。
【００１２】このように、本発明に係る溶接装置が比率
ゲインを有していると、切替え手段によって選択を切替
えたときに、パルス幅ＴPが変化しても、比率ゲインに
よってＴP／ＴENが一定となるようにＴENが調整される
ので、極性比率γが一定となる。このため、切替える前
と比較して、溶接溶込み深さが同等となるので、溶接の
仕上がりを予測することができ、より一層溶接作業性を
向上させることができる。
ゲインを有していると、切替え手段によって選択を切替
えたときに、パルス幅ＴPが変化しても、比率ゲインに
よってＴP／ＴENが一定となるようにＴENが調整される
ので、極性比率γが一定となる。このため、切替える前
と比較して、溶接溶込み深さが同等となるので、溶接の
仕上がりを予測することができ、より一層溶接作業性を
向上させることができる。
【００１３】従って、本発明においては、ワイヤの材質
に拘わらず、単純な回路構成で良好なビード形状及び溶
接作業性を得ることができる。
に拘わらず、単純な回路構成で良好なビード形状及び溶
接作業性を得ることができる。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る消耗
電極式交流パルスアーク溶接装置について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。図１は本発明の第１の実
施例に係る消耗電極式交流パルスアーク溶接装置を示す
ブロック図である。また、図２（ａ）乃至（ｃ）は溶接
電流の交流パルスの例を示す波形図である。
電極式交流パルスアーク溶接装置について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。図１は本発明の第１の実
施例に係る消耗電極式交流パルスアーク溶接装置を示す
ブロック図である。また、図２（ａ）乃至（ｃ）は溶接
電流の交流パルスの例を示す波形図である。
【００１５】先ず、溶接電力を供給するパワー部につい
て説明する。三相交流電源供給部１から供給される交流
電流は第１の整流部２で直流に整流され、平滑用コンデ
ンサ３にて平滑される。１次インバータ４はこの電流を
高周波交流電流に変換する。ダウントランス５は、１次
インバータ４の出力を溶接用電圧に降圧変換する。第２
の整流部６は、ダウントランス５から出力された高周波
交流電流を溶接用直流電流に整流する。この直流電流は
リアクトル７で平滑され２次インバータ８で極性変換さ
れて低周波の交流電流としてワイヤ９と母材１０との間
に供給され、溶接が行われる。
て説明する。三相交流電源供給部１から供給される交流
電流は第１の整流部２で直流に整流され、平滑用コンデ
ンサ３にて平滑される。１次インバータ４はこの電流を
高周波交流電流に変換する。ダウントランス５は、１次
インバータ４の出力を溶接用電圧に降圧変換する。第２
の整流部６は、ダウントランス５から出力された高周波
交流電流を溶接用直流電流に整流する。この直流電流は
リアクトル７で平滑され２次インバータ８で極性変換さ
れて低周波の交流電流としてワイヤ９と母材１０との間
に供給され、溶接が行われる。
【００１６】なお、２次インバータ８の出力端子間には
電圧検出器１１が接続されており、溶接時のワイヤ９と
母材１０との間の溶接電圧を検出する。また、リアクト
ル７と２次インバータ８との間には電流検出器１２が介
装されており、溶接電流値を検出する。この電圧検出器
１１及び電流検出器１２の出力は、いずれも後述する制
御回路に与えられる。
電圧検出器１１が接続されており、溶接時のワイヤ９と
母材１０との間の溶接電圧を検出する。また、リアクト
ル７と２次インバータ８との間には電流検出器１２が介
装されており、溶接電流値を検出する。この電圧検出器
１１及び電流検出器１２の出力は、いずれも後述する制
御回路に与えられる。
【００１７】ワイヤ９は、ワイヤ送給モータ３０で駆動
されるワイヤ送給ローラ２９によって母材１０に向かっ
て所定の速度で送給され、ワイヤ９と母材１０との間に
アークを発生させて溶接が行なわれる。この場合に、ワ
イヤ送給モータ制御回路３１は、ワイヤ送給速度設定器
３２からの設定信号に基づきワイヤ送給モータ３０の回
転速度を制御する。
されるワイヤ送給ローラ２９によって母材１０に向かっ
て所定の速度で送給され、ワイヤ９と母材１０との間に
アークを発生させて溶接が行なわれる。この場合に、ワ
イヤ送給モータ制御回路３１は、ワイヤ送給速度設定器
３２からの設定信号に基づきワイヤ送給モータ３０の回
転速度を制御する。
【００１８】制御回路は、電圧検出器１１及び電流検出
器１２の出力に基づいて、１次インバータ４及び２次イ
ンバータ８を制御し、例えば図２（ａ）乃至（ｃ）に示
すように、ベース電流ＩBを供給するベース電流期間
ＴB、パルス電流ＩPを供給するパルス幅（パルス電流期
間）ＴPH、ＴPS及び正極性電流ＩENを供給する正極性ア
ーク期間ＴENからなる交流パルスを形成するものであ
る。この場合に、ハードワイヤを使用した場合の交流パ
ルスの周波数ｆHは、ｆH＝１／Ｔ＝１／（ＴPH＋ＴB＋
ＴEN）で表され、ソフトワイヤを使用した場合の交流パ
ルスの周波数ｆSは、ｆS＝１／Ｔ＝１／（ＴPS＋ＴB＋
ＴEN）で表される。
器１２の出力に基づいて、１次インバータ４及び２次イ
ンバータ８を制御し、例えば図２（ａ）乃至（ｃ）に示
すように、ベース電流ＩBを供給するベース電流期間
ＴB、パルス電流ＩPを供給するパルス幅（パルス電流期
間）ＴPH、ＴPS及び正極性電流ＩENを供給する正極性ア
ーク期間ＴENからなる交流パルスを形成するものであ
る。この場合に、ハードワイヤを使用した場合の交流パ
ルスの周波数ｆHは、ｆH＝１／Ｔ＝１／（ＴPH＋ＴB＋
ＴEN）で表され、ソフトワイヤを使用した場合の交流パ
ルスの周波数ｆSは、ｆS＝１／Ｔ＝１／（ＴPS＋ＴB＋
ＴEN）で表される。
【００１９】次に、制御回路の構成について説明する。
パルス幅設定回路１６は、ハードワイヤ用（第１ワイヤ
用）パルス幅設定器１６ａ、ソフトワイヤ用（第２ワイ
ヤ用）パルス幅設定器１６ｂ及びパルス幅設定器切替え
スイッチＳＷ２を有している。従って、使用するワイヤ
の種類によって、パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２
をハードワイヤ側（Ｈ）又はソフトワイヤ側（Ｓ）に切
替えることにより、回路に接続されるパルス幅設定器を
選択することができるようになっている。
パルス幅設定回路１６は、ハードワイヤ用（第１ワイヤ
用）パルス幅設定器１６ａ、ソフトワイヤ用（第２ワイ
ヤ用）パルス幅設定器１６ｂ及びパルス幅設定器切替え
スイッチＳＷ２を有している。従って、使用するワイヤ
の種類によって、パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２
をハードワイヤ側（Ｈ）又はソフトワイヤ側（Ｓ）に切
替えることにより、回路に接続されるパルス幅設定器を
選択することができるようになっている。
【００２０】各パルス幅設定器１６ａ及び１６ｂには、
例えば、図３に示すように、ワイヤ送給速度Ｗに応じて
ハードワイヤ用パルス幅ＴPH及びソフトワイヤ用パルス
幅ＴPSが一元的に設定されている。従って、ワイヤ送給
速度設定器３２からの信号がパルス幅設定回路１６に入
力されると、ワイヤの材質（ハードワイヤ又はソフトワ
イヤ）に応じて、ワイヤ送給速度に適したパルス幅が設
定され、パルス幅設定器１６ａ及び１６ｂは、これらの
設定値をパルス波形選択回路２４に出力する。
例えば、図３に示すように、ワイヤ送給速度Ｗに応じて
ハードワイヤ用パルス幅ＴPH及びソフトワイヤ用パルス
幅ＴPSが一元的に設定されている。従って、ワイヤ送給
速度設定器３２からの信号がパルス幅設定回路１６に入
力されると、ワイヤの材質（ハードワイヤ又はソフトワ
イヤ）に応じて、ワイヤ送給速度に適したパルス幅が設
定され、パルス幅設定器１６ａ及び１６ｂは、これらの
設定値をパルス波形選択回路２４に出力する。
【００２１】周波数設定回路２０は、ハードワイヤ用周
波数設定器２０ａ、ソフトワイヤ用周波数設定器２０ｂ
及び周波数設定器切替えスイッチＳＷ３を有している。
従って、使用するワイヤの材質によって、周波数設定器
切替えスイッチＳＷ３をハードワイヤ側（Ｈ）又はソフ
トワイヤ側（Ｓ）に切替えることにより、回路に接続さ
れる周波数設定器を選択することができるようになって
いる。
波数設定器２０ａ、ソフトワイヤ用周波数設定器２０ｂ
及び周波数設定器切替えスイッチＳＷ３を有している。
従って、使用するワイヤの材質によって、周波数設定器
切替えスイッチＳＷ３をハードワイヤ側（Ｈ）又はソフ
トワイヤ側（Ｓ）に切替えることにより、回路に接続さ
れる周波数設定器を選択することができるようになって
いる。
【００２２】パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び
周波数設定器切替えスイッチＳＷ３は、ワイヤ種切替え
スイッチ（切替え手段）ＳＷ１によって同時に切り替わ
るように接続されている。即ち、ワイヤ種切替えスイッ
チＳＷ１が開いているときには、電源電圧Ｐ５Ｖから、
パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び周波数設定器
切替えスイッチＳＷ３に、１の信号が出力される。そう
すると、パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び周波
数設定器切替えスイッチＳＷ３は、１の信号によってハ
ードワイヤ側（Ｈ）を選択する。
周波数設定器切替えスイッチＳＷ３は、ワイヤ種切替え
スイッチ（切替え手段）ＳＷ１によって同時に切り替わ
るように接続されている。即ち、ワイヤ種切替えスイッ
チＳＷ１が開いているときには、電源電圧Ｐ５Ｖから、
パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び周波数設定器
切替えスイッチＳＷ３に、１の信号が出力される。そう
すると、パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び周波
数設定器切替えスイッチＳＷ３は、１の信号によってハ
ードワイヤ側（Ｈ）を選択する。
【００２３】一方、ワイヤ種切替えスイッチＳＷ１が閉
じているときには、電源電圧Ｐ５Ｖからの電流は接地さ
れて、パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び周波数
設定器切替えスイッチＳＷ３に、０の信号が出力され
る。そうすると、パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２
及び周波数設定器切替えスイッチＳＷ３は、０の信号に
よってソフトワイヤ側（Ｓ）を選択する。このように、
使用するワイヤの種類によって、ワイヤ種切替えスイッ
チＳＷ１を切替えることにより、パルス幅設定器切替え
スイッチＳＷ２及び周波数設定器切替えスイッチＳＷ３
を、同時にハードワイヤ側又はソフトワイヤ側に切り替
えることができる。
じているときには、電源電圧Ｐ５Ｖからの電流は接地さ
れて、パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び周波数
設定器切替えスイッチＳＷ３に、０の信号が出力され
る。そうすると、パルス幅設定器切替えスイッチＳＷ２
及び周波数設定器切替えスイッチＳＷ３は、０の信号に
よってソフトワイヤ側（Ｓ）を選択する。このように、
使用するワイヤの種類によって、ワイヤ種切替えスイッ
チＳＷ１を切替えることにより、パルス幅設定器切替え
スイッチＳＷ２及び周波数設定器切替えスイッチＳＷ３
を、同時にハードワイヤ側又はソフトワイヤ側に切り替
えることができる。
【００２４】また、ベース電流設定回路１４には、アー
クを維持するために必要な電流値ＩBが設定されてお
り、ベース電流設定回路１４はこの設定値をパルス波形
選択回路２４に出力する。正極性電流設定回路１５に
は、例えば、図４に示すように、ワイヤ送給速度Ｗに応
じて正極性電流ＩENが一元的に設定されており、正極性
電流設定回路１５は、この設定値をパルス波形選択回路
２４に出力する。また、図５に示すように、パルス電流
設定回路１３についても、ワイヤ送給速度Ｗに応じてパ
ルス電流ＩPが一元的に設定されており、パルス電流設
定回路１３は、この設定値をパルス波形選択回路２４に
出力する。
クを維持するために必要な電流値ＩBが設定されてお
り、ベース電流設定回路１４はこの設定値をパルス波形
選択回路２４に出力する。正極性電流設定回路１５に
は、例えば、図４に示すように、ワイヤ送給速度Ｗに応
じて正極性電流ＩENが一元的に設定されており、正極性
電流設定回路１５は、この設定値をパルス波形選択回路
２４に出力する。また、図５に示すように、パルス電流
設定回路１３についても、ワイヤ送給速度Ｗに応じてパ
ルス電流ＩPが一元的に設定されており、パルス電流設
定回路１３は、この設定値をパルス波形選択回路２４に
出力する。
【００２５】極性比率設定器１９は、全体の通電量に対
する正極性アークの通電量の比率（極性比率γ）を設定
するもので、ダイヤルによって設定された極性比率に応
じて、周波数を調整する信号をハードワイヤ用及びソフ
トワイヤ用周波数設定器２０ａ及び２０ｂに出力すると
共に、正極性アーク期間ＴENを決める信号を比率ゲイン
２８に出力する。このとき、極性比率γを、ワイヤの溶
融及び溶け込みに殆ど影響を与えないベース電流ＩB及
びベース電流期間ＴBを無視できるものとして、γ＝
（ＩEN×ＴEN）／（ＩP×ＴP＋ＩEN×ＴEN）とすれば、
パルス電流ＩP、パルス幅ＴP、正極性電流ＩEN及び極性
比率γは夫々設定されているので、正極性アーク期間Ｔ
ENの値は一義的に決定される。
する正極性アークの通電量の比率（極性比率γ）を設定
するもので、ダイヤルによって設定された極性比率に応
じて、周波数を調整する信号をハードワイヤ用及びソフ
トワイヤ用周波数設定器２０ａ及び２０ｂに出力すると
共に、正極性アーク期間ＴENを決める信号を比率ゲイン
２８に出力する。このとき、極性比率γを、ワイヤの溶
融及び溶け込みに殆ど影響を与えないベース電流ＩB及
びベース電流期間ＴBを無視できるものとして、γ＝
（ＩEN×ＴEN）／（ＩP×ＴP＋ＩEN×ＴEN）とすれば、
パルス電流ＩP、パルス幅ＴP、正極性電流ＩEN及び極性
比率γは夫々設定されているので、正極性アーク期間Ｔ
ENの値は一義的に決定される。
【００２６】なお、ハードワイヤ用及びソフトワイヤ用
周波数設定器２０ａ及び２０ｂは、例えば、図６に示す
ように、ワイヤ送給速度Ｗ及びワイヤの材質（ハードワ
イヤ又はソフトワイヤ）に応じて、ハードワイヤ用周波
数ｆH及びソフトワイヤ用周波数ｆSを設定すると共に、
極性比率設定器１９からの信号に応じて、周波数ｆH、
ｆSと、ワイヤ送給速度Ｗとの比（ｆH／Ｗ、ｆS／Ｗ）
を調整する。即ち、図７に示すように、極性比率に対応
して、ワイヤ供給速度Ｗと周波数ｆとの関係を変化させ
る。
周波数設定器２０ａ及び２０ｂは、例えば、図６に示す
ように、ワイヤ送給速度Ｗ及びワイヤの材質（ハードワ
イヤ又はソフトワイヤ）に応じて、ハードワイヤ用周波
数ｆH及びソフトワイヤ用周波数ｆSを設定すると共に、
極性比率設定器１９からの信号に応じて、周波数ｆH、
ｆSと、ワイヤ送給速度Ｗとの比（ｆH／Ｗ、ｆS／Ｗ）
を調整する。即ち、図７に示すように、極性比率に対応
して、ワイヤ供給速度Ｗと周波数ｆとの関係を変化させ
る。
【００２７】比率ゲイン２８はパルス幅設定回路からの
信号に基づいて、極性比率設定器１９から出力された信
号を調整して、正極性アーク期間設定回路１８に出力す
る。ワイヤの材質に応じてワイヤ種切替えスイッチを切
替えた場合に、パルス幅ＴPは変化するが、この比率ゲ
イン２８によって、パルス幅ＴPと正極性アーク期間Ｔ
ENとの比ＴP／ＴENが一定となるように、正極性アーク
期間ＴENが調整される。そして、正極性アーク期間設定
回路１８は比率ゲイン２８からの信号に基づいて正極性
アーク期間ＴENを設定して、パルス波形選択回路２４に
設定値を出力する。
信号に基づいて、極性比率設定器１９から出力された信
号を調整して、正極性アーク期間設定回路１８に出力す
る。ワイヤの材質に応じてワイヤ種切替えスイッチを切
替えた場合に、パルス幅ＴPは変化するが、この比率ゲ
イン２８によって、パルス幅ＴPと正極性アーク期間Ｔ
ENとの比ＴP／ＴENが一定となるように、正極性アーク
期間ＴENが調整される。そして、正極性アーク期間設定
回路１８は比率ゲイン２８からの信号に基づいて正極性
アーク期間ＴENを設定して、パルス波形選択回路２４に
設定値を出力する。
【００２８】誤差増幅器２２は電圧設定器２１に設定さ
れた値と電圧検出器１１から出力された電圧検出値とを
入力し、この２つの値が一致するように周波数設定回路
２０で設定された周波数を微調整すべく、加算器２３に
信号を出力する。加算器２３は、誤差増幅器２２の出力
を周波数設定回路２０から出力された周波数設定信号に
加算して、周波数設定信号を微調整する。
れた値と電圧検出器１１から出力された電圧検出値とを
入力し、この２つの値が一致するように周波数設定回路
２０で設定された周波数を微調整すべく、加算器２３に
信号を出力する。加算器２３は、誤差増幅器２２の出力
を周波数設定回路２０から出力された周波数設定信号に
加算して、周波数設定信号を微調整する。
【００２９】ベース電流期間設定回路１７は、加算器２
３からの周波数設定信号と、パルス幅設定回路１６から
のパルス幅ＴPH、ＴPS設定信号と、正極性アーク期間設
定回路１８からの正極性アーク期間ＴEN設定信号とが入
力されて、周波数ｆ＝１／Ｔ及びＴ＝ＴP＋ＴEN＋ＴBの
関係より、ベース電流期間ＴBを決定し、この値をパル
ス波形選択回路２４に出力する。
３からの周波数設定信号と、パルス幅設定回路１６から
のパルス幅ＴPH、ＴPS設定信号と、正極性アーク期間設
定回路１８からの正極性アーク期間ＴEN設定信号とが入
力されて、周波数ｆ＝１／Ｔ及びＴ＝ＴP＋ＴEN＋ＴBの
関係より、ベース電流期間ＴBを決定し、この値をパル
ス波形選択回路２４に出力する。
【００３０】パルス波形選択回路２４は、パルス電流設
定回路１３、ベース電流設定回路１４、正極性電流設定
回路１５の出力及びパルス幅設定回路１６、ベース電流
期間設定回路１７、正極性アーク期間設定回路１８の出
力に基づいて、パルス電流ＩP、ベース電流ＩB又は正極
性電流ＩENの設定信号のいずれかを選択して、電流設定
値として誤差増幅器２５に出力する。また、このパルス
波形選択回路２４からは、どのような電流設定信号が出
力されているかを示す電流選択信号が、極性変換制御回
路２７に対して出力される。
定回路１３、ベース電流設定回路１４、正極性電流設定
回路１５の出力及びパルス幅設定回路１６、ベース電流
期間設定回路１７、正極性アーク期間設定回路１８の出
力に基づいて、パルス電流ＩP、ベース電流ＩB又は正極
性電流ＩENの設定信号のいずれかを選択して、電流設定
値として誤差増幅器２５に出力する。また、このパルス
波形選択回路２４からは、どのような電流設定信号が出
力されているかを示す電流選択信号が、極性変換制御回
路２７に対して出力される。
【００３１】誤差増幅器２５は、電流検出器１２により
検出した電流値と前記電流設定値とを比較する。出力制
御回路２６は、この誤差増幅器２５の出力に基づいて、
電流検出器１２を流れる電流値がパルス電流ＩP、ベー
ス電流ＩB又は正極性電流ＩENに対応する電流値になる
ように１次インバータ４を駆動制御する。
検出した電流値と前記電流設定値とを比較する。出力制
御回路２６は、この誤差増幅器２５の出力に基づいて、
電流検出器１２を流れる電流値がパルス電流ＩP、ベー
ス電流ＩB又は正極性電流ＩENに対応する電流値になる
ように１次インバータ４を駆動制御する。
【００３２】パルス波形選択回路２４から前記電流選択
信号が入力された極性変換制御回路２７は、パルス電流
ＩP又はベース電流ＩBが選択されているときには逆特性
となるように、即ち、ワイヤ側がプラス、母材側がマイ
ナスとなるように２次インバータ８を駆動する信号を出
力する。
信号が入力された極性変換制御回路２７は、パルス電流
ＩP又はベース電流ＩBが選択されているときには逆特性
となるように、即ち、ワイヤ側がプラス、母材側がマイ
ナスとなるように２次インバータ８を駆動する信号を出
力する。
【００３３】次に、このように構成された消耗電極式交
流パルスアーク溶接装置を使用して、溶接する方法につ
いて説明する。先ず、溶接に先立ち、ワイヤ送給速度設
定器３２により、ワイヤ９の送り量を設定する。また、
電圧設定器２１により電圧値を設定すると共に、極性比
率設定器１９により正極性比率を設定する。更に、使用
するワイヤ種（例えば、ハードワイヤ）に応じて、ワイ
ヤ種切替えスイッチＳＷ１を例えば開の状態にする。
流パルスアーク溶接装置を使用して、溶接する方法につ
いて説明する。先ず、溶接に先立ち、ワイヤ送給速度設
定器３２により、ワイヤ９の送り量を設定する。また、
電圧設定器２１により電圧値を設定すると共に、極性比
率設定器１９により正極性比率を設定する。更に、使用
するワイヤ種（例えば、ハードワイヤ）に応じて、ワイ
ヤ種切替えスイッチＳＷ１を例えば開の状態にする。
【００３４】溶接を開始すると、ワイヤ９が母材１０に
向けて所定の速度で供給されると共に、ワイヤ９と母材
１０との間に、例えば図２（ａ）乃至（ｃ）で示す交流
パルスが供給される。この交流パルスの正極性アーク期
間ＴENではワイヤ先端に溶滴が成長する。そして、パル
ス幅ＴPH、ＴPS又はそれに続くベース電流期間ＴBにお
いて溶滴が母材１０側の溶融池に移行する。また、ベー
ス電流期間ＴB期間においては、アークの維持及び若干
の溶滴形成が行なわれる。そして、次の正極性アーク期
間ＴENでは、溶滴は移行せず、再びワイヤ先端に溶滴が
成長する。このように、交流パルスの１周期に同期し
て、確実に１パルスで１溶滴が母材１０側に移行する。
向けて所定の速度で供給されると共に、ワイヤ９と母材
１０との間に、例えば図２（ａ）乃至（ｃ）で示す交流
パルスが供給される。この交流パルスの正極性アーク期
間ＴENではワイヤ先端に溶滴が成長する。そして、パル
ス幅ＴPH、ＴPS又はそれに続くベース電流期間ＴBにお
いて溶滴が母材１０側の溶融池に移行する。また、ベー
ス電流期間ＴB期間においては、アークの維持及び若干
の溶滴形成が行なわれる。そして、次の正極性アーク期
間ＴENでは、溶滴は移行せず、再びワイヤ先端に溶滴が
成長する。このように、交流パルスの１周期に同期し
て、確実に１パルスで１溶滴が母材１０側に移行する。
【００３５】次に、使用するワイヤ種を変えて、例えば
ソフトワイヤによって溶接する場合、ワイヤ種切替えス
イッチＳＷ１を閉の状態にする。そうすると、パルス幅
設定回路１６及び周波数設定回路２０内において、パル
ス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び周波数設定器切替
えスイッチＳＷ３が、ハードワイヤ側（Ｈ）からソフト
ワイヤ側（Ｓ）に切り替えられる。このとき、パルス幅
設定回路から出力されるパルス幅ＴPの設定値が変化す
るが、パルス幅設定回路１６からの信号に基づいて、比
率ゲイン２８は、ＴP／ＴENが一定となるように正極性
アーク期間ＴENを決定する信号を正極性アーク期間設定
回路１８に出力する。このようにして、使用するワイヤ
をソフトワイヤに切り替えた場合でも、ハードワイヤを
使用した場合と同様に溶接が実施される。
ソフトワイヤによって溶接する場合、ワイヤ種切替えス
イッチＳＷ１を閉の状態にする。そうすると、パルス幅
設定回路１６及び周波数設定回路２０内において、パル
ス幅設定器切替えスイッチＳＷ２及び周波数設定器切替
えスイッチＳＷ３が、ハードワイヤ側（Ｈ）からソフト
ワイヤ側（Ｓ）に切り替えられる。このとき、パルス幅
設定回路から出力されるパルス幅ＴPの設定値が変化す
るが、パルス幅設定回路１６からの信号に基づいて、比
率ゲイン２８は、ＴP／ＴENが一定となるように正極性
アーク期間ＴENを決定する信号を正極性アーク期間設定
回路１８に出力する。このようにして、使用するワイヤ
をソフトワイヤに切り替えた場合でも、ハードワイヤを
使用した場合と同様に溶接が実施される。
【００３６】本実施例においては、ワイヤの材質に応じ
て、ハードワイヤ用パルス幅設定器１６ａ又はソフトワ
イヤ用パルス幅設定器１６ｂを選択し、これらの設定器
内でハードワイヤ用パルス幅ＴPH又はソフトワイヤ用パ
ルス幅ＴPSが選択されるので、ワイヤへのエネルギーの
供給量の微妙な調整が可能となり、ワイヤの材質に応じ
て、１パルスで１溶滴の母材への移行を実現することが
できる。
て、ハードワイヤ用パルス幅設定器１６ａ又はソフトワ
イヤ用パルス幅設定器１６ｂを選択し、これらの設定器
内でハードワイヤ用パルス幅ＴPH又はソフトワイヤ用パ
ルス幅ＴPSが選択されるので、ワイヤへのエネルギーの
供給量の微妙な調整が可能となり、ワイヤの材質に応じ
て、１パルスで１溶滴の母材への移行を実現することが
できる。
【００３７】また、本実施例においては、ワイヤの材質
に応じて、ハードワイヤ用周波数設定器２０ａ又はソフ
トワイヤ用周波数設定器２０ｂを選択し、これらの設定
器内でハードワイヤ用周波数ｆPH又はソフトワイヤ用周
波数ｆSが選択されるので、平均的な電流値を変化させ
ることができる。従って、ワイヤの材質に応じて、ワイ
ヤへのエネルギー供給量を大きく変化させることができ
る。これにより、母材の溶融量を適切に調整することが
できる。
に応じて、ハードワイヤ用周波数設定器２０ａ又はソフ
トワイヤ用周波数設定器２０ｂを選択し、これらの設定
器内でハードワイヤ用周波数ｆPH又はソフトワイヤ用周
波数ｆSが選択されるので、平均的な電流値を変化させ
ることができる。従って、ワイヤの材質に応じて、ワイ
ヤへのエネルギー供給量を大きく変化させることができ
る。これにより、母材の溶融量を適切に調整することが
できる。
【００３８】更に、本実施例に示すように、比率設定器
１９と正極性アーク期間設定回路１８との間に、正極性
アーク期間ＴENを変化させる比率ゲイン２８を有してい
ると、ワイヤ種の選択を切替えたときに、パルス幅ＴP
が変化しても、比率ゲイン２８によってＴP／ＴENが一
定となるようにＴENが調整されるので、極性比率γが一
定となる。このため、切替える前と比較して、溶接溶込
み深さが同等となるので、溶接の仕上がりを予測するこ
とができ、より一層溶接作業性を向上させることができ
る。なお、本発明装置において、この比率ゲイン２８は
必ずしも必要なものではなく、比率設定器１９から直接
正極性アーク期間設定回路１８に対して信号を出力する
ようにしてもよい。
１９と正極性アーク期間設定回路１８との間に、正極性
アーク期間ＴENを変化させる比率ゲイン２８を有してい
ると、ワイヤ種の選択を切替えたときに、パルス幅ＴP
が変化しても、比率ゲイン２８によってＴP／ＴENが一
定となるようにＴENが調整されるので、極性比率γが一
定となる。このため、切替える前と比較して、溶接溶込
み深さが同等となるので、溶接の仕上がりを予測するこ
とができ、より一層溶接作業性を向上させることができ
る。なお、本発明装置において、この比率ゲイン２８は
必ずしも必要なものではなく、比率設定器１９から直接
正極性アーク期間設定回路１８に対して信号を出力する
ようにしてもよい。
【００３９】このように、本実施例においては、ワイヤ
の材質に応じて、最適なパルス幅ＴP及び周波数ｆを選
択することができるので、ワイヤの種類に拘わらず、良
好なビード外観及び溶接作業性を得ることができる。ま
た、パルス幅ＴP及び周波数ｆを切替えるのみで、種々
の材質のワイヤに対応させることができるので、回路構
成を単純化することができる。
の材質に応じて、最適なパルス幅ＴP及び周波数ｆを選
択することができるので、ワイヤの種類に拘わらず、良
好なビード外観及び溶接作業性を得ることができる。ま
た、パルス幅ＴP及び周波数ｆを切替えるのみで、種々
の材質のワイヤに対応させることができるので、回路構
成を単純化することができる。
【００４０】なお、本発明においては、制御回路のパル
ス幅設定回路と周波数設定回路とを除く制御回路部分及
び交流出力を得るためのパワー回路部分は、上述の構成
に限定されるものではない。例えば、本実施例において
は、パルス電流設定回路１３は、ワイヤ送給速度設定器
３２からの信号により、パルス電流ＩPを設定したが、
このパルス電流設定回路１３はワイヤ送給速度設定器３
２に接続されている必要はない。即ち、パルス電流設定
回路１３には、ワイヤの直径及びシールドガス等によっ
て決まる１パルス１溶滴移行に適したエネルギを満足す
るパルス電流ＩPが設定されていてもよい。
ス幅設定回路と周波数設定回路とを除く制御回路部分及
び交流出力を得るためのパワー回路部分は、上述の構成
に限定されるものではない。例えば、本実施例において
は、パルス電流設定回路１３は、ワイヤ送給速度設定器
３２からの信号により、パルス電流ＩPを設定したが、
このパルス電流設定回路１３はワイヤ送給速度設定器３
２に接続されている必要はない。即ち、パルス電流設定
回路１３には、ワイヤの直径及びシールドガス等によっ
て決まる１パルス１溶滴移行に適したエネルギを満足す
るパルス電流ＩPが設定されていてもよい。
【００４１】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ワイヤの材質に応じて、切替え手段により最適なパルス
幅及び周波数を選択することができるので、ワイヤの種
類に拘わらず、良好なビード外観及び溶接作業性を得る
ことができる。また、パルス幅及び周波数を切替えるの
みで、種々の材質のワイヤに対応させることができるの
で、単純な回路で溶接装置を構成することができる。
ワイヤの材質に応じて、切替え手段により最適なパルス
幅及び周波数を選択することができるので、ワイヤの種
類に拘わらず、良好なビード外観及び溶接作業性を得る
ことができる。また、パルス幅及び周波数を切替えるの
みで、種々の材質のワイヤに対応させることができるの
で、単純な回路で溶接装置を構成することができる。
【００４２】また、本発明装置が、パルス幅設定器及び
周波数設定器の第１ワイヤ側の選択から第２ワイヤ側の
選択に切替えたときに、通電比率が一定となるように正
極性アークの通電期間ＴENを変化させる手段を有してい
ると、選択を切替えてもγの値が変化しないので、溶接
溶込み深さ等の溶接の仕上がりを予測することができ
る。従って、より一層、溶接作業の能率を向上させるこ
とができる。
周波数設定器の第１ワイヤ側の選択から第２ワイヤ側の
選択に切替えたときに、通電比率が一定となるように正
極性アークの通電期間ＴENを変化させる手段を有してい
ると、選択を切替えてもγの値が変化しないので、溶接
溶込み深さ等の溶接の仕上がりを予測することができ
る。従って、より一層、溶接作業の能率を向上させるこ
とができる。
【図１】本発明の第１の実施例に係る消耗電極式交流パ
ルスアーク溶接装置を示すブロック図である。
ルスアーク溶接装置を示すブロック図である。
【図２】（ａ）乃至（ｃ）は溶接電流の交流パルスの例
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図３】縦軸にパルス幅をとり、横軸にワイヤ送給速度
をとって、ハードワイヤ使用時又はソフトワイヤ使用時
にワイヤ送給速度によって設定されるパルス幅ＴPH、Ｔ
PSを示すグラフ図である。
をとって、ハードワイヤ使用時又はソフトワイヤ使用時
にワイヤ送給速度によって設定されるパルス幅ＴPH、Ｔ
PSを示すグラフ図である。
【図４】縦軸に正極性電流をとり、横軸にワイヤ送給速
度をとって、ワイヤ送給速度によって設定される正極性
電流ＩENを示すグラフ図である。
度をとって、ワイヤ送給速度によって設定される正極性
電流ＩENを示すグラフ図である。
【図５】縦軸にパルス電流をとり、横軸にワイヤ送給速
度をとって、ワイヤ送給速度によって設定されるパルス
電流ＩPを示すグラフ図である。
度をとって、ワイヤ送給速度によって設定されるパルス
電流ＩPを示すグラフ図である。
【図６】縦軸に周波数をとり、横軸にワイヤ送給速度を
とって、ハードワイヤ使用時又はソフトワイヤ使用時に
ワイヤ送給速度によって設定される周波数ｆH、ｆSを示
すグラフ図である。
とって、ハードワイヤ使用時又はソフトワイヤ使用時に
ワイヤ送給速度によって設定される周波数ｆH、ｆSを示
すグラフ図である。
【図７】縦軸に周波数をとり、横軸にワイヤ送給速度を
とって、極性比率によって調整される周波数とワイヤ送
給速度との関係を示すグラフ図である。
とって、極性比率によって調整される周波数とワイヤ送
給速度との関係を示すグラフ図である。
１；三相交流電源供給部 ２，６；整流器 ３；平滑用コンデンサ ４，８；インバータ ５；ダウントランス ７；リアクトル ９；ワイヤ １０；母材 １１；電圧検出器 １２；電流検出器 １３；パルス電流設定回路 １４；ベース電流設定回路 １５；正極性電流設定回路 １６；パルス幅設定回路 １６ａ，１６ｂ；パルス幅設定器 １７；ベース電流期間設定回路 １８；正極性アーク期間設定回路 １９；比率設定器 ２０；周波数設定回路 ２０ａ，２０ｂ；周波数設定器 ２１；電圧設定器 ２２，２５；誤差増幅器 ２３；加算器 ２４；パルス波形選択回路 ２６；出力制御回路 ２７；極性変換制御回路 ２９；ワイヤ送給ローラ ３０；ワイヤ送給モータ ３１；ワイヤ送給モータ制御回路 ３２；ワイヤ送給速度設定器 ＳＷ１，ＳＷ２，ＳＷ３；スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 正浩 愛知県豊橋市三弥町字中原１番地２ 株式 会社神戸製鋼所豊橋ＦＡ・ロボットセンタ ー内 (72)発明者 佐藤 英市 愛知県豊橋市三弥町字中原１番地２ 株式 会社神戸製鋼所豊橋ＦＡ・ロボットセンタ ー内
Claims (3)
- 【請求項１】 ワイヤに、アークを維持するベース電流
と溶滴を母材に移行させるパルス電流とからなる逆極性
アーク電流と、ワイヤ送給速度に基づいて電流値が設定
された正極性アーク電流とを所定の周波数で交互に供給
する消耗電極式交流パルスアーク溶接装置において、 逆極性アーク電流のパルス電流の幅を設定する第１ワイ
ヤ用パルス幅設定器及び第２ワイヤ用パルス幅設定器
と、前記周波数を設定する第１ワイヤ用周波数設定器及
び第２ワイヤ用周波数設定器と、前記第１ワイヤ用パル
ス幅設定器及び第２ワイヤ用パルス幅設定器の選択と第
１ワイヤ用周波数設定器及び第２ワイヤ用周波数設定器
の選択とを同時に切替える切替え手段と、を有すること
を特徴とする消耗電極式交流パルスアーク溶接装置。 - 【請求項２】 前記逆極性アーク電流のベース電流をＩ
B、期間をＴB、パルス電流をＩP、パルス幅をＴP、前記
正極性アーク電流をＩEN、期間をＴENとしたとき、極性
比率γ＝（ＩEN×ＴEN）／（ＩP×ＴP＋ＩEN×ＴEN）が
所定の値になるように、前記第１ワイヤ用周波数設定器
及び第２ワイヤ用周波数設定器の周波数設定値を調整す
ると共に、正極性アーク期間ＴENを決める極性比率設定
器を有することを特徴とする請求項１に記載の消耗電極
式交流パルスアーク溶接装置。 - 【請求項３】 前記第１ワイヤ用パルス幅設定器及び第
１ワイヤ用周波数設定器の選択と、第２ワイヤ用パルス
幅設定器及び第２ワイヤ用周波数設定器の選択とを切替
えたときに、パルス幅ＴPと正極性アーク期間ＴENとの
比ＴP／ＴENが一定となるように、正極性アーク期間Ｔ
ENを変化させる比率ゲインを有することを特徴とする請
求項２に記載の消耗電極式交流パルスアーク溶接装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9094153A JPH10286671A (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 消耗電極式交流パルスアーク溶接装置 |
| CA002233183A CA2233183C (en) | 1997-04-11 | 1998-03-26 | Consumable electrode type ac pulse arc welding apparatus |
| US09/056,087 US5990445A (en) | 1997-04-11 | 1998-04-07 | Consumable electrode type AC pulse arc welding apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9094153A JPH10286671A (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 消耗電極式交流パルスアーク溶接装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10286671A true JPH10286671A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14102445
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9094153A Pending JPH10286671A (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 消耗電極式交流パルスアーク溶接装置 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5990445A (ja) |
| JP (1) | JPH10286671A (ja) |
| CA (1) | CA2233183C (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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