JPH10282083A - 水中のアンモニウムイオン測定方法 - Google Patents

水中のアンモニウムイオン測定方法

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JPH10282083A
JPH10282083A JP9036697A JP9036697A JPH10282083A JP H10282083 A JPH10282083 A JP H10282083A JP 9036697 A JP9036697 A JP 9036697A JP 9036697 A JP9036697 A JP 9036697A JP H10282083 A JPH10282083 A JP H10282083A
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JP
Japan
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water
dilution
sample water
pump
concentration
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JP9036697A
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Inventor
Hiroshi Yotsumoto
浩 四元
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フローインジェクション法により、アンモニ
ウムイオン濃度の相対値が高濃度領域であっても測定誤
差を最小限として、正確な測定値を得ることができる水
中のアンモニウムイオン測定方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 高濃度領域にある試料水を希釈又は流量
特性を利用して低濃度領域に移行してからフローインジ
ェクション法によりアンモニウムイオンの濃度を測定
し、希釈倍率により逆算を行って測定値を求めるように
した測定方法を提供する。希釈方法として、定流量ポン
プで送り込まれる試料水と希釈水とをT型あるいはY型
の接続部品を用いて混合・希釈する手段と、各定流量ポ
ンプにポンプ回転数コントローラと制御機構を設けて、
該制御機構に設定された希釈倍率の中から適切な倍率を
選択してポンプ回転数コントローラに伝え、試料水と希
釈水の各定流量ポンプの流量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中のアンモニウム
イオンの濃度をフローインジェクション分析法の原理を
用いて定量する測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に河川とか湖沼の水中に存在するア
ンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を測定する方法とし
て、イオンクロマトグラフ法,比色法,中和滴定法,イ
オン電極法及びフローインジェクション方が従来から用
いられている。
【0003】この中で機器分析に分類されるイオンクロ
マトグラフ法は、イオン交換カラムを用いた高速液体ク
ロマトグラフの一種であり、無機陰イオンや陽イオンの
系統分析用として開発されたものであって、従来から測
定分析に難点のあった各種無機陰イオンを定量すること
ができる。具体的には導電率検出器を用いてアンモニウ
ムイオンを数ppmから数10ppmレベルの濃度まで
測定可能であるが、測定時間は試料の導入後、数分から
10分程度を必要とする。定量範囲は0.1〜30(m
g/l)と比較的高濃度である。
【0004】比色法は試料としての検水に試薬を投入し
て測定対象物質と等量の化学反応式から特定波長の吸光
度を測定してアンモニウムイオンを連続測定する方法で
あり、アンモニウムイオンが次亜塩素酸イオンの共存の
もとでフェノールと反応して生じるインドフェノール青
の630nmでの吸光度を測定してアンモニウムイオン
濃度を定量するインドフェノール青吸光光度法が代表的
方法であり、定量範囲は1.6〜33(mg/l)と比
較的高濃度である。
【0005】中和滴定法は蒸留による前処理を行って抽
出したアンモニアを一定量の硫酸(25mmol/l)
中に吸収させた溶液について、50(mmol/l)水
酸化ナトリウム溶液で滴定してアンモニウムイオンを定
量する方法であり、定量範囲は0.3〜40(mg/
l)と比較的高濃度である。
【0006】イオン電極法は前処理を行った試料に水酸
化ナトリウム溶液を加えてpHを11〜13に調節して
アンモニウムイオンをアンモニアに変え、指示電極(ア
ンモニア電極)を用いて電位を測定してアンモニウムイ
オンを定量す方法であり、定量範囲は0.1〜100
(mg/l)とかなり高濃度である。
【0007】フローインジェクション法は、図7の概要
図に示したように、反応試薬1の注入により試薬溶液
(次亜塩素酸ナトリウム,NaClO)を流路用細管2
1中で連続して流下させながら、この流れの中に、アン
モニウムイオンを含む試料水2を定流量ポンプP1の駆
動により連続投入し、同時に空気3を定流量ポンプP2
の駆動により連続投入して混合コイル4内で反応させ
る。得られた反応生成物は気化分離器5に入り、液相に
溶け込んでいる気体の気化分離作用により気体が気相側
に分離される。
【0008】得られたガス成分は加熱酸化炉6に入り、
気化分離器5の廃液はポンプP3の駆動により廃液7と
して排出される。このガス成分は加熱酸化炉6で加熱さ
れることによって一酸化窒素(NO)に転換され、この
試料気体が減圧タイプの化学発光検出器8に流入する。
4は排気ポンプであり、化学発光検出器8内の減圧と
測定後のガスの排気を行う。この化学発光検出器8には
オゾン発生器9で得られたオゾンガスが注入され、試料
気体中のNOとO3(オゾンガス)の反応によって生じ
る化学発光強度が検出されて、注入した反応試薬1の種
類と化学発光強度の関係に基づいて試料気体中に含まれ
るアンモニウムイオン濃度が計測され、信号出力20が
図外の演算制御部に入力されて濃度換算され、表示及び
プリンタ等に記録される。
【0009】この信号出力20は、加熱酸化炉6の温度
調節、オゾン発生器9の運転/停止制御、反応試薬1の
注入制御、上記各ポンプP1,P2,P3,P4の運転/停
止制御信号としても用いられる。
【0010】反応試薬1の注入操作とか発光強度の濃度
変換演算処理、あるいは自動計測の条件設定等は、図8
に示すシーケンサ10によって行われ、測定値の表示と
か校正操作等の機器操作は、インターフェースとしてグ
ラフィックタッチパネル11等が用いられる。このシー
ケンサ10にはアナログ信号Aとして測定信号、温度等
の機器管理信号が入力され、該シーケンサ10から制御
信号B,B′として各種電磁弁の動作とか反応試薬1の
注入量などを制御する信号が出力される。
【0011】又、グラフィックタッチパネル11からシ
ーケンサ10に対して各種操作及び機器設定変更等の信
号Cが入力され、シーケンサ10からグラフィックタッ
チパネル11に対して測定値の表示信号及び機器管理情
報信号Dが出力される。
【0012】特にフローインジェクション法は河川等の
上水用原水に溶存する窒素形態のアンモニウムイオン濃
度を測定するのに有用であり、前記次亜塩素酸溶液以外
にヨウ化カリウム溶液とか三塩化チタン溶液等を試薬と
して試料水2中に順次添加して、化学発光式の一酸化窒
素検出器を用いてアンモニウムイオンに比例した一酸化
窒素濃度のピークとして化学発光量を検出することによ
り測定を実施する。
【0013】このようなフローインジェクション法を用
いたアンモニウムイオンの測定法の特徴は、応答性がき
わめて速く、測定時間の大幅な短縮がはかれる上、検量
線の直線範囲が大きいことから測定レンジは低濃度から
高濃度まで極めて広く、高精度で且つ繰り返し再現性が
高い点にある。更に液相から分離された気相系での測定
であるため、試料水中に懸濁物等の不純物が含まれてい
る場合であっても、単に濾過等の前処理を実施すること
によって気化分離器5前段での配管系の汚れがなく、従
って下水処理水とか河川水,湖沼水等の外、これらより
も汚れの多い試料でも検出器本体に影響を及ぼすことな
く迅速に測定を実施することが可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記した各種アンモニ
ウムイオン測定方法において、イオンクロマトグラフ法
の場合は定量範囲が比較的低濃度まで可能であるが、前
処理とか検量線作成時間を除く測定時間が数分から10
分程度とかなり長時間を必要とする上、検水中に懸濁物
質(水中の濁質成分等)とか有機成分等が存在すると測
定の妨害となるため、プレフィルタ等を用いて前処理す
る必要がある。更に水道水を除く河川水とか湖沼水、下
水処理水などの検水は、汚れに対する対応が十分とれな
いことに起因して連続測定は困難である。
【0015】前記比色法は、試料としての検水に試薬を
投入して測定対象物質と等量の化学反応式から特定波長
の吸光度を測定してアンモニウムイオンを連続測定する
方法であるため、前処理、発色操作、吸光度測定と多く
の手分析操作を必要とするとともに検水用の試料が10
0ml程度という多量を必要とし、測定時間は全工程で
30分〜1時間以上もかかる上、特に比色を測定原理と
しているためにppmレベルでの測定は可能であるが、
ppbレベルでの測定の場合には、測定誤差が大きくな
ってしまうために実用化及び自動化は難しいという問題
点がある。
【0016】更に前記中和滴定法とか陰イオン電極法
は、何れも操作が煩瑣であって測定に長時間を要し、し
かも定量範囲がかなり高濃度であるため、能率面及び測
定精度の面での難点が存在する。
【0017】一方、フローインジェクション法を用いた
測定法によれば、応答性が速くて測定時間の大幅な短縮
がはかれる上、測定レンジが低濃度から高濃度まで極め
て広く、高精度で且つ繰り返し再現性が高いという利点
があるが、図9のグラフに示したようにアンモニウムイ
オン濃度の相対値が高濃度領域では出力強度との相対値
との間に直線性が得られず、測定誤差が生じる惧れがあ
る。
【0018】通常のアンモニウムイオン濃度測定は、ゼ
ロ点とスパン点の2点を直線で結ぶ検量線を作成し、こ
の検量線を基にして測定値を求めるのが一般的である
が、図9のグラフに示した特性がある場合には多次近似
式を作成し、これを検量線として用いるのが普通であ
る。しかし近似式自体に誤差があると、この誤差が測定
誤差に反映される結果となり、正確な測定値が得られな
いという問題が生じる。
【0019】特に前記したように上水用原水に溶存する
窒素形態のアンモニウムイオン濃度もしくは下水での運
用にも適用可能であるため、運用法を考慮すると高濃度
領域での測定誤差が生じることには大きな問題点があ
る。
【0020】そこで本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、アンモニウムイオン濃度の相対値が高濃度領
域であっても測定誤差を最小限として、フローインジェ
クション法を用いて正確な測定値を得ることができる水
中のアンモニウムイオン測定方法を提供することを目的
とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、反応試薬を流路用細管中で流下させなが
ら、該反応試薬中にアンモニウムイオンを含有する試料
水を流体ポンプの駆動によって流入混合し、気化分離器
によって液相から分離したガス成分を加熱酸化炉で一酸
化窒素に転換した後、検出器により化学発光強度を検出
して気相中のアンモニウムイオンを定量するようにした
水中のアンモニウムイオン測定方法において、高濃度領
域にある試料水を希釈装置により最適な希釈倍率で希釈
することによって低濃度領域に移行してから前記フロー
インジェクション法によりアンモニウムイオンの濃度を
測定し、希釈倍率により逆算を行って測定値を求めるよ
うにしたアンモニウムイオン測定方法を提供する。
【0022】上記希釈方法として、定流量ポンプで送り
込まれる試料水と希釈水とをT型あるいはY型の接続部
品を用いて混合・希釈する手段と、各定流量ポンプにポ
ンプ回転数コントローラと制御機構を設けて、該制御機
構に予め測定対象水の希釈倍率を複数段設定しておき、
これらの希釈倍率の中から適切な倍率を選択することに
より、制御機構から希釈倍率に応じた信号を出力してポ
ンプ回転数コントローラに伝え、試料水と希釈水の各定
流量ポンプの流量を制御するようにする。
【0023】更に他の希釈方法として、試料水定量用の
分注器と希釈水定量用の分注器及び混合槽を用意して、
この試料水定量用の分注器による試料水の吸引・吐出動
作と、希釈水定量用の分注器による希釈水の吸引・吐出
動作により、混合槽内に試料水と希釈水の比率を適宜に
変更して注入する手段と、試料水用の定流量ポンプにポ
ンプ回転数コントローラと制御機構を設けて、該制御機
構に予めポンプ回転数を複数段設定しておき、これらの
ポンプ回転数の中から適切な回転数を選択することによ
り、制御機構から測定濃度範囲に応じた設定信号を出力
してポンプ回転数コントローラに伝え、試料水の定流量
ポンプの流量を制御する手段を用いる。
【0024】かかるアンモニウムイオン測定方法によれ
ば、アンモニウムイオン濃度と発光強度の相対値の関係
からみて、試料水のアンモニウムイオン濃度が非直線性
を示す高濃度領域にある場合であっても、この高濃度領
域にある試料水を希釈装置により適切な希釈倍率で希釈
することによって直線性を有する低濃度領域に移行する
ので、フローインジェクション法によりアンモニウムイ
オン(NH4 +)の濃度を測定した後に希釈倍率に従って
逆算を行って測定値を求めることにより、測定誤差を最
小限として、正確な測定値を得ることができる。
【0025】更に試料水の流量特性を利用して試料水の
アンモニウムイオン濃度に直線性の範囲を変化させるこ
とが可能であり、任意の濃度を有する測定対象水を高い
直線性をもって正確に測定することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明にかかる水中のアンモ
ニウムイオン測定方法の具体的な各種実施例を説明す
る。
【0027】図1はアンモニウムイオン濃度と出力強度
(発光強度)の相対値の関係を示すグラフであり、図中
のアンモニウムイオン濃度が略101(ppm)を境界
として直線性を示す低濃度領域(A)と非直線性を示す
高濃度領域(B)とに区分される。
【0028】本実施例では高濃度領域(B)が測定対象
とする試料水の領域である場合には、この高濃度領域
(B)にある試料水を以下に説明する希釈装置により適
切な希釈倍率で希釈することによって低濃度領域(A)
に移行してから前記フローインジェクション法によりア
ンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を測定し、希釈倍率
に従って逆算を行って測定値を求めることが操作上の大
きな特徴となっている。このような操作を行うことによ
って、直線性を持たない高濃度領域(B)にある試料水
のアンモニウムイオン濃度を直線性を有する低濃度領域
(A)で測定することができる。
【0029】ここで希釈方法とその制御方法の各種実施
例を説明する。
【0030】〔第1実施例〕希釈方法は図2に示したよ
うにT型あるいはY型の接続部品13を用いて実施す
る。即ち、フローインジェクション法の場合、試料水2
は定流量ポンプP1で常に通水されている。第1実施例
では希釈用として更に1台の定流量ポンプP5を設置し
て、この定流量ポンプP5により蒸留水を用いた希釈水
12を通水し、試料水2と希釈水12とを前記T型ある
いはY型の接続部品13を用いて混合・希釈する。この
ような混合・希釈以後の操作は従来のフローインジェク
ション法によるアンモニウムイオン濃度の測定操作と同
様に実施する。
【0031】この第1実施例では、試料水2と希釈水1
2を送出する定流量ポンプP1とP5に設定された液送出
量を変えるだけで試料水2の希釈倍率を変更することが
可能であるため、アンモニウムイオン濃度測定時に試料
水2の水質に応じて非直線性を示す濃度領域(B)から
直線性を示す濃度領域(A)への変更が容易であるとと
もに、試料水2の水質の相違によって希釈装置自体を交
換する等の操作は不要であり、簡便に測定操作を実施す
ることができる。
【0032】〔第2実施例〕第2実施例は、上記第1実
施例の機能を有するアンモニウムイオン測定方法であ
り、第1実施例において測定対象とする試料水2の定流
量ポンプP1と、希釈水の定流量ポンプP5の流量が常に
一定の場合には、季節とか気候及び天候などに起因して
測定対象となる試料水の水質変化、あるいは測定対象水
が上水か下水かによって最適な希釈倍率にならないケー
スが予想される。
【0033】そこで第2実施例では、図3に示したよう
に制御機構としてのシーケンサ10とインターフェース
としてのタッチパネル11を用いることによって最適な
希釈倍率を実現する方法を得ることが主眼となってい
る。
【0034】即ち、シーケンサ10に予め測定対象水の
希釈倍率a,b,c,dを複数段設定しておき、作業者
がタッチパネル11によりこれらの希釈倍率の中から適
切な倍率を選択し、シーケンサ10に入力する。シーケ
ンサ10は選択された希釈倍率a,b,c,dに応じた
信号をポンプ回転数コントローラ14に伝えて試料水の
定流量ポンプP1と希釈水の定流量ポンプP5の流量を制
御する信号を出力する。
【0035】ポンプ回転数コントローラ14に伝える信
号はアナログ信号である必要はなく、接点信号でもよ
い。そして定流量ポンプP1,P5の制御部は接点信号に
応じて試料水2と希釈水12の送液量を変更し、希釈倍
率が変更される。
【0036】〔第3実施例〕第3実施例は希釈方法とし
て高い定量性を有する2個の分注器(シリンジ)と希釈
混合槽を用いることが特徴となっている。前記したよう
に希釈操作時の誤差はそのまま測定誤差となるため、精
度のよい希釈装置が必要であり、従って一定比率の希釈
倍率に固定されているのが通例である。
【0037】図4により第3実施例を説明する。図中の
15は試料水定量用の分注器であり、容積を(a)とす
る。16は希釈水定量用の分注器であり、容積を(b)
とする。17は混合槽であり、容積(a)+容積(b)
よりも大きな容積(c)を有している。M1は分注器1
5を駆動するモータ、M2は分注器16を駆動するモー
タである。又、SV1は試料水2用の3方電磁弁、SV
2は希釈水12用の3方電磁弁であり、P1は得られた
試料水の定流量ポンプである。
【0038】混合槽17に注入する試料水2と希釈水1
2の比率が1:1である場合を基本希釈倍率をxとすれ
ば、この比率を適宜に変更することによって希釈倍率を
任意に変更することができる。
【0039】以下にその動作を説明すると、3方電磁弁
SV1,SV2は分注器側が「常時開」であり、他は試
料水2側(又は希釈水12側)のうちの一方が「開」と
なっている。分注器15,16が定量動作、即ち、シリ
ンジ内に吸引する場合には、SV1とSV2の試料水2
側及び希釈水12側が「開」となっている。
【0040】モータM1,M2の駆動によって分注器1
5,16が試料水2と希釈水12を吸引した後、SV1
とSV2は混合槽17側が「開」となり、分注器15,
16が注入動作、即ち、シリンジ内から液を吐出するこ
とによって混合槽17内に試料水2と希釈水12が注入
される。
【0041】上記の動作1回によって試料水の濃度は
(a)/{(a)+(b)}となり、更に分注器16の
希釈水12側だけを同様に操作することによって試料水
がさらに希釈される。これらの操作は前記シーケンサ1
0等のコントロールユニットを用いて自動的に実施する
ことができるので、簡便な操作で様々な希釈倍率の試料
水を得ることができる。
【0042】〔第4実施例〕第4実施例は試料水の流量
特性を利用して高濃度のアンモニウムイオンを測定する
方法である。
【0043】図5はアンモニウムイオン濃度と出力強度
(発光強度)の相対値の関係において、特にアンモニウ
ムイオン測定での試料水の流量特性を示すグラフであ
り、符号Qは相対流量であって、Q=5が最も試料水の
流量が大きく、Q=1が同流量が最も小となっている。
図5によれば、試料水の相対流量Qを小さくすると、ア
ンモニウムイオンが高濃度まで直線性を示していること
がわかる。
【0044】しかし試料水の流量を小さくすることは、
相対感度,即ち出力強度が低下して、特に低濃度でのア
ンモニウムイオンの濃度が測定できなくなり、分析装置
としての定量下限濃度が高くなってしまうという問題が
生じる。
【0045】そこで試料水の測定濃度範囲に適した試料
水流量の設定が必要であり、その方法を以下による説明
する。前記したように図7に示したフローインジェクシ
ョン法とは、アンモニウムイオンを含む試料水2を定流
量ポンプP1の駆動により試薬溶液の流れの中に連続投
入する手段を採るが、この定流量ポンプP1の駆動を可
変速とすることによって試料水の流量を変更することが
できる。
【0046】そこで図6に示したように、シーケンサ1
0とインターフェースとしてのタッチパネル11を用い
て、このシーケンサ10にポンプ回転数a′,b′,
c′,d′をいくつか設定しておき、作業者がタッチパ
ネル11により測定範囲を選択してシーケンサ10に入
力する。シーケンサ10は選択されたポンプ回転数
a′,b′,c′,d′に応じた信号をポンプ回転数コ
ントローラ14に伝えて、試料水の測定濃度範囲に適し
た定流量ポンプP1の流量を制御する信号を出力する。
【0047】ポンプ回転数コントローラ14に伝える信
号はアナログ信号である必要はなく、接点信号でもよ
い。そして定流量ポンプP1の制御部は接点信号に応じ
て試料水の送液量を変更し、その結果として試料水の流
量を変更することができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる水中のアンモニウムイオンの測定方法によれば、ア
ンモニウムイオン濃度と発光強度の相対値の関係から試
料水のアンモニウムイオン濃度が非直線性を示す高濃度
領域にある場合であっても、試料水を適切な希釈倍率で
希釈することにより、直線性を有する低濃度領域に移行
させてからフローインジェクション法によりアンモニウ
ムイオンの濃度を測定し、希釈倍率に沿う逆算により測
定値を求めたため、特にアンモニウムイオン濃度が高濃
度領域にある場合の測定誤差を最小限として、かなり正
確な測定値を得ることができる。
【0049】本発明は上水用原水に溶存するアンモニウ
ムイオン濃度に限らず、下水での運用にも適用可能であ
るため、特に高濃度領域での測定誤差を低減させる効果
が大きい。
【0050】試料水の希釈手段として、請求項2〜請求
項4に記載した各方法が採用可能であって、試料水に応
じて各方法から選択して希釈することができる。又、請
求項5に記載したように試料水の流量特性を利用して試
料水のアンモニウムイオン濃度に直線性の範囲を変化さ
せることが可能であるため、任意の濃度を有する測定対
象水を高い直線性をもって正確に測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンモニウムイオン濃度と出力強度(発光強
度)の相対値の関係を示すグラフ。
【図2】本発明で採用した試料水の希釈方法の第1実施
例をを示す概要図。
【図3】試料水の希釈方法の第2実施例をを示す概要
図。
【図4】試料水の希釈方法の第3実施例をを示す概要
図。
【図5】アンモニウムイオン測定での試料水の流量特性
を示すグラフ。
【図6】試料水の希釈方法の第4実施例をを示す概要
図。
【図7】フローインジェクション法によるアンモニウム
イオンの測定装置例を示す概要図。
【図8】図7の測定装置における制御の一例を示す概要
図。
【図9】アンモニウムイオン濃度の相対値と出力強度の
相対値の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…反応試薬 2…試料水 3…空気 4…混合コイル 5…気化分離器 6…加熱酸化炉 7…廃液 8…化学発光検出器 9…オゾン発生機 10…シーケンサ 11…タッチパネル 12…希釈水 13…接続部品 14…ポンプ回転数コントローラ 15,16…分注器 17…混合槽 21…流路用細管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応試薬を流路用細管中で流下させなが
    ら、該反応試薬中にアンモニウムイオンを含有する試料
    水を流体ポンプの駆動によって流入混合し、気化分離器
    によって液相から分離したガス成分を加熱酸化炉で一酸
    化窒素に転換した後、検出器により化学発光強度を検出
    して気相中のアンモニウムイオンを定量するようにした
    フローインジェクション法による水中のアンモニウムイ
    オン測定方法において、 高濃度領域にある試料水を希釈装置により最適な希釈倍
    率で希釈することによって低濃度領域に移行してから前
    記フローインジェクション法によりアンモニウムイオン
    の濃度を測定し、希釈倍率により逆算を行って測定値を
    求めることを特徴とする水中のアンモニウムイオン測定
    方法。
  2. 【請求項2】 前記希釈方法として、定流量ポンプで送
    り込まれる試料水と希釈水とをT型あるいはY型の接続
    部品を用いて混合・希釈するようにした請求項1記載の
    水中のアンモニウムイオン測定方法。
  3. 【請求項3】 前記各定流量ポンプにポンプ回転数コン
    トローラと制御機構を設けて、該制御機構に予め測定対
    象水の希釈倍率を複数段設定しておき、これらの希釈倍
    率の中から適切な倍率を選択することにより、制御機構
    から希釈倍率に応じた設定信号を出力してポンプ回転数
    コントローラに伝え、試料水と希釈水の各定流量ポンプ
    の流量を制御するようにした請求項1記載の水中のアン
    モニウムイオン測定方法。
  4. 【請求項4】 試料水定量用の分注器と希釈水定量用の
    分注器及び混合槽を用意して、この試料水定量用の分注
    器による試料水の吸引・吐出動作と、希釈水定量用の分
    注器による希釈水の吸引・吐出動作により、混合槽内に
    試料水と希釈水の比率を適宜に変更して注入するように
    した請求項1記載の水中のアンモニウムイオン測定方
    法。
  5. 【請求項5】 試料水用の定流量ポンプにポンプ回転数
    コントローラと制御機構を設けて、該制御機構に予めポ
    ンプ回転数を複数段設定しておき、これらのポンプ回転
    数の中から適切な回転数を選択することにより、制御機
    構から測定濃度範囲に応じた設定信号を出力してポンプ
    回転数コントローラに伝え、試料水の定流量ポンプの流
    量を制御するようにした請求項1記載の水中のアンモニ
    ウムイオン測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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