JPH1027674A - 面状採暖具 - Google Patents

面状採暖具

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Publication number
JPH1027674A
JPH1027674A JP18300596A JP18300596A JPH1027674A JP H1027674 A JPH1027674 A JP H1027674A JP 18300596 A JP18300596 A JP 18300596A JP 18300596 A JP18300596 A JP 18300596A JP H1027674 A JPH1027674 A JP H1027674A
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JP
Japan
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temperature
set temperature
change
heater
heating device
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Pending
Application number
JP18300596A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Tanaka
稔之 田中
Kazutoshi Nagai
和俊 永井
Yuuji Yamamoto
融士 山本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の範囲内の温度低下を所定の範囲の変化
速度で行い、その後時系列的に温度変化をおこなうこと
によって温度変化を感じさせずに温度低下を行い、快適
性を維持しながら省エネルギー性を実現することであ
る。 【解決手段】 採暖具本体に配設されたヒータ1と、前
記採暖具の温度を検出する温度検出手段2と前記ヒータ
1への通電を制御する電力制御手段14と、使用者から
設定温度を受け付ける温度設定手段8と、前記温度検出
手段2からの信号と前記設定温度を比較して前記電力制
御手段14を制御する温度制御手段11と、前記設定温
度を一定の範囲の温度幅だけ一定の範囲内の変化速度で
下げるように補正する設定温度シフト手段12と、前記
設定温度シフト手段12により下げた設定温度を中心に
時系列的に設定温度を変化させるように補正する設定温
度変化手段13を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気カーペット、
電気毛布、電気床暖房等の面状採暖具に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来この種の面状採暖具は特開平4−3
15785号公報に示すようなものが一般的であった。
これは、採暖具の温度を少なくとも使用者の感じるよう
にゆらがせ、温熱刺激を与えることにより同一の温度が
長く続くことによる温熱感の喪失をなくし、快適性を高
めることを主目的としたものである。
【0003】図8は従来の技術を電気カーペットに使用
した場合の採暖具本体温度の制御を示す動作説明図であ
る。図8のように、採暖具の温度を設定温度を中心に上
下にゆらがせており、この時の温度ゆらぎのレベルは使
用者に感じるように設定されている。すなわち、設定温
度を中心に少し温度低下を感じる程度まで温度を下げた
状態と、温度上昇を感じる程度まで温度をあげた状態を
繰り返し行うことになる。この温冷感の差が使用者にと
っては適度の刺激となって快適性につながるというもの
である。
【0004】さらに、温度ゆらぎのパターンを1/fパ
ワースペクトルを持つように設定し、これに沿って変化
させている。1/fパワースペクトルを持つパターンは
自然界の現象に多くみられ、温度ゆらぎのパターンにこ
れを採用することで、温熱感の変化を単調なものでな
く、自然なものに近づけてさらに快適性を高めようとし
ている。
【0005】また、この方法によれば、前述のとおり使
用者が冷感を感じる程度まで温度を下げる期間を設ける
ことができる。採暖具において温度を下げられるとは、
その分だけ消費エネルギーを節約できるということであ
り、温度を下げている期間分温度一定で制御しているよ
り省エネルギーが達成できる。したがってこの方法は省
エネルギーにも貢献するという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
面状採暖具では次のような課題を有していた。
【0007】従来の技術の目的は、使用者の温度差を感
じさせてその温度刺激による快適性を得ることである。
したがって、使用者に確実に温度差を感じる程度に採暖
具の温度をゆらがせる必要があった。しかし、一般に暖
房機器においては温度差、特に温度低下時の冷感は不快
に感じる可能性が高い。すなわち、温度差を不快と感じ
るか、快適と感じるかは個人の感覚によるということで
あり、これは、同一の温度であっても評価が正反対にな
る可能性があることを意味する。また、同一の使用者で
あっても体調等により同様に評価が異なる可能性が高
い。このように温度差を感じさせるという方式は快適性
を高めるという点では非常にリスクが大きく、個人差を
吸収する温度差の設定も非常に難しいという課題があっ
た。
【0008】また、採暖具の温度を低下させることによ
り、その分のエネルギーが節約できるという利点があっ
たが、設定温度を中心としてゆらぎをかけることと、間
欠的な温度低下であるために、温度一定で制御している
場合と比較してエネルギー節約率はあまり大きくない。
【0009】さらに、前述のとおり、暖房機器において
は温度低下は不快感をまねく可能性が高いため、その温
度低下も大きく設定できない。したがって、エネルギー
節約率も低くおさえられてしまう課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、設定温度を所定の範囲の温度幅だけ所定
範囲内の変化速度で下げるように補正する設定温度シフ
ト手段と、設定温度シフト手段により下げた設定温度を
中心に時系列的に設定温度を変化させるように補正する
設定温度変化手段を有するものである。
【0011】上記発明によれば、人が感じない範囲で制
御温度を低下させたのち、皮膚温度変化をしないように
補正できるので、本体温度を低下させているにもかかわ
らず温度変化を感じることなく設定温度で運転している
時と同一の暖感覚が得られるため、快適性を維持しなが
ら大きな省エネルギー効果を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、採暖具本体に配設され
たヒータと、採暖具の温度を検出する温度検出手段と、
ヒータへの通電を制御する電力制御手段と、使用者から
設定温度を受け付ける温度設定手段と、温度検出手段か
らの信号と設定温度を比較して電力制御手段を制御する
温度制御手段と、設定温度を所定の範囲の温度幅だけ所
定の範囲内の変化速度で下げるように補正する設定温度
シフト手段と、設定温度シフト手段により下げた設定温
度を中心に時系列的に設定温度を変化させるように補正
する設定温度変化手段とを有するものである。
【0013】そして、温度設定手段からの設定温度を設
定温度シフト手段により所定の範囲の温度幅だけ所定範
囲内の変化速度で下げるように補正し、さらに、補正し
た設定温度を中心に設定温度変化手段により、時系列的
に設定温度を変化させるように補正し、さらに、補正し
た設定温度と温度検出手段で検出した温度を温度制御手
段により比較して、電力制御手段によりヒータへの通電
を制御して採暖具の温度を制御するため、快適性を維持
しながら大きな省エネルギー効果を得ることができる。
【0014】また、設定温度シフト手段及び設定温度変
化手段の温度変化幅は採暖具の温度で0℃を越え3℃以
内で、かつ、変化速度は0℃/分を越え0.5℃/分の
範囲としたものである。
【0015】また、設定温度変化手段は、補正する設定
温度およびその継続時間を人の皮膚温度変化を抑止する
パターンとして予め記憶している記憶手段と、継続時間
を計時する計時手段を備え、計時手段により計時を終了
したら記憶手段で記憶している設定温度と継続時間を順
次読み出して時系列的に設定温度を上下するように補正
するものである。
【0016】そして、設定温度変化手段は計時手段によ
りタイミングをとりながら記憶手段より人の皮膚温度変
化を抑止するパターンとして記憶している設定温度とそ
の継続時間を順次読み出し、時系列的に設定温度を上下
するように補正するため、快適性を維持しながら大きな
省エネルギー効果を得ることができる。
【0017】また、ヒータと温度検出手段が一体構成の
ものを用いたものである。そして、ヒータの温度を温度
検出手段にて検出するため、床面や室温などの環境条件
の変化に影響されにくく安定した快適性と省エネルギー
性が実現できる。
【0018】また、設定温度シフト手段によって補正す
る設定温度の変化幅と変化速度および設定温度変化手段
による設定温度の変化パターンを温度設定手段で設定さ
れた設定温度により切り換える設定温度切換手段を備え
たものである。
【0019】そして、温度設定手段により設定された設
定温度によって、設定温度シフト手段によって補正する
設定温度の変化幅と変化速度および設定温度変化手段に
よる設定温度の変化パターンを設定温度切換手段により
切り換えるため、使用者が設定した設定温度に応じて最
適な快適性と省エネルギー性が実現できる。
【0020】また、採暖具の温度が温度設定手段により
設定された設定温度で安定したかどうかを判定する温度
安定判定手段と、設定温度シフト手段及び設定温度変化
手段による設定温度の補正を行うか否かを選択する補正
選択手段を備え、温度安定判定手段が設定温度で安定し
たことを判定するまでの間は補正選択手段により設定温
度シフト手段と設定温度変化手段による温度補正を行わ
ず、設定温度で安定したことを判定したら、補正選択手
段により設定温度シフト手段と設定温度変化手段による
温度変化を許可するように切り換えるものである。
【0021】そして、温度安定判定手段が設定温度で安
定したことを判定するまでの間は補正選択手段により設
定温度シフト手段と設定温度変化手段による温度補正を
行わず、設定温度で安定したことを判定したら、補正選
択手段により設定温度シフト手段と設定温度変化手段に
よる温度変化を許可するように切り換えるため、採暖具
の温度状態に影響されにくく安定した快適性を得ること
ができ、かつ、使い勝手を向上することができる。
【0022】以下、本発明の実施例について図面を用い
て説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1の面状採暖具であ
る電気カーペットの制御システム図である。ヒータであ
るヒータ線1と温度検出手段である温度検知線2は、温
度によりインピーダンスが変化する感温材3をはさんで
感温ヒータ線4を構成している。図2はその感温ヒータ
線4の構成図であり、温度検知線2の外側にポリアミド
を主成分とした感温材3を被覆し、さらにその外側にヒ
ータ線1をスパイラル状に巻き付け、さらにその外側を
塩化ビニール5で被覆して構成している。この感温ヒー
タ線4を図3に示すように採暖具である電気カーペット
本体6に配線している。ヒータ線1の発熱により、電気
カーペット本体6の温度が変化すると、感温材3のイン
ピーダンスが変化し、温度検知線2からヒータ線1へ流
れる電流が変化する。この電流変化を温度信号として取
り出して温度検出を行う。
【0023】なお、本実施例では感温ヒータ線を採用し
たいわゆる一線式の方式を採用しているが、採暖具の温
度を検出できる方式であれば、ヒータと温度検知線が別
に配線している、いわゆる二線式などの方式であっても
構成は可能である。ただし、面状採暖具のように使用者
に熱を供給する発熱体の温度が温冷感に特に重要である
場合、本実施例の一線式のように発熱体の温度を直接制
御可能な方が、室温や床面の状態などの周囲条件にかか
わらず常に安定した制御ができ、本発明の目的である快
適性と省エネルギー性を周囲条件にかかわらず常に安定
して発揮するという点できわめて有利となる。
【0024】7はマイクロコンピュータであり、以下の
手段はそれぞれマイクロコンピュータ7のプログラムと
して実現されている。温度設定手段8は可変抵抗器やプ
ッシュスイッチ等を用いて使用者から好みの温度を設定
され、これを設定温度として補正選択手段9に入力して
いる。補正選択手段9は、温度安定判定手段10により
電気カーペット本体6の温度が安定していない時と検出
した時には設定温度を直接温度制御手段11に入力し、
温度安定判定手段10により電気カーペット本体6の温
度が安定したことを検出したら設定温度シフト手段12
と設定温度変化手段13による設定補正を設定温度に加
えて温度制御手段11に入力する。補正選択手段9によ
り選択された設定信号は温度制御手段11に入力され、
感温ヒータ線4からの温度信号と比較して電力制御手段
であるリレー14をON/OFFさせる。なお、本実施
例では電力制御手段としてリレー14を用いているが、
サイリスタやトライアックなどのスイッチング素子を用
いても構成可能であることは言うまでもない。
【0025】以下マイクロコンピュータ7のプログラム
に基づいて各手段の動作を説明する。図4は本実施例の
面状採暖具である電気カーペットの動作を示すフローチ
ャート、図5は図4で動作したときの電気カーペット本
体16の表面温度を示す図である。この動作説明では、
温度設定手段8によって設定温度37.5℃に設定され
ている時を例としてあげている。図5において、細かな
温度の上下が見られるが、これは本実施例では電力制御
手段にリレー14を用いているためであり、リレー14
がON/OFFしている状態を示している。
【0026】電気カーペットの動作が開始されると(S
1)、まず設定温度シフト手段12の補正値を示す補正
値1ならびに設定温度変化手段13の補正値を示す補正
値2が0で初期化される(S2)。ついで図4に示すと
おり、フェーズ1として電気カーペット本体6が設定温
度で安定するのを待ちながら(S3)、設定温度+補正
値1+補正値2にて温度制御を行う(S4)。これは、
図1における温度安定判定手段10と温度制御手段11
に相当するものである。つまり、温度が安定するのを待
つ部分が温度安定判定手段10、設定温度+補正値1+
補正値2で温度制御をする部分が温度制御手段11に相
当する。この時点では補正値1ならびに補正値2は0で
あるため、動作としては図5におけるフェーズ1のよう
に設定温度である37.5℃に保つようにリレー14を
ON/OFFして制御している。この時温度安定の判定
は37.5℃を中心として±0.5℃の範囲に温度が入
ってから20分経過した時としている。
【0027】なお、このフェーズ1の動作は説明を簡単
にするため電気カーペットの使用開始時のみをモデルケ
ースとして記載しているが、採暖具の温度が安定してい
ない時にはフェーズ1を開始すると考えられる。すなわ
ち、温度設定が変更された時、複数のヒータ線を備え
て、それぞれの通電状態が切り換えられるようになって
いるいわゆる面積切換が可能なもので、その通電状態が
切り換えられた時、もしくは本発明の機能を入/切でき
るスイッチを設けて、そのスイッチにより本発明の機能
を入とされた時などである。
【0028】また、本実施例では温度安定判定手段10
の判定方法として、一定時間、電気カーペット本体6の
温度が一定範囲内に入っていることにより判定している
が、これは他に、リレー14がONしている時間を計測
し、その時間が一定の範囲内に入ったら安定したと判定
してもよいし、簡易的には通常の使用状態で表面温度が
安定する時間を実験的に求め、その時間分だけ設定温度
で動作させる方法をとってもよい。
【0029】つぎに設定温度シフト手段12の動作であ
るフェーズ2に移行する。この例においてフェーズ2で
は、1分ごとに0.08℃温度を低下させ(S5)、最
終的に使用者が設定した温度37.5℃から1.6℃低
い温度まで低下させる(S6、S7)。すなわち、図4
における温度シフト終了の判定を補正値1が−1.6℃
になった時点に設定している。このように、補正値1を
変化しながらフェーズ1にて用いた温度制御手段11に
相当する温度制御のサブルーチンを用いて補正値1を加
えた値にて温度制御を行う。この時の電気カーペット本
体6の温度は図5におけるフェーズ2のように変化す
る。
【0030】このとき設定温度シフト手段12における
温度シフトを示す補正値1は人が検知できる臨界的な温
度変化幅および変化速度で下降させるように設定してあ
る。ここで、人が検知できる臨界的な温度変化幅および
変化率(以下Wb値と呼ぶ)とは、それらの値を越えな
い温度変化幅および変化速度の温度変化であれば、一般
に人はその変化に気づくことがないといわれている値で
ある。これは、人体の感覚特性である刺激に対する弁別
閾と感覚の相対性、即ち、人は温熱刺激において、ある
大きさまでの変化に対しては感知することはできないと
いう法則(Weberの法則)によって裏付けられるも
のである(武藤真介「計量心理学」朝倉書店、1982
参照)。
【0031】室温と温覚との関連性としてのWb値につ
いての研究では、文献、たとえば佐藤方彦監修「人間工
学基礎数値数式便覧」技報堂出版)および実験によって
得られる値があり、たとえば室温25℃における人の感
知できる温覚(温度上昇の閾値は0.001℃/secで
冷覚の閾値は0.004℃/sec)のごとく室温とその
室温における温覚および冷覚の閾値を一組の要素とする
データの集合からなっている。文献例で示すようにWb
値についての研究では室温と温冷覚についてのデータは
数多くある。しかし、接触したときのWb値についての
データは少なく、特に電気カーペットのような比較的大
きな面積で接触した時の閾値のデータはほとんどない。
したがって本実施例では多数の被験者実験によりデータ
を求め、温度変化幅とその変化速度を求めた数値を用い
ている。
【0032】本実施例の実験では、電気カーペット本体
6の温度、すなわち使用者による設定温度が25℃〜4
6℃の間で変化温度3℃以下、変化速度は0.5℃/分
以下において、温度変化を感じないというデータが得ら
れた。したがって、本実施例では、設定温度シフト手段
12における温度変化幅は設定温度に応じて上記のとお
り3℃以内、変化速度を0.5℃/分以内で変化させる
設定とした。
【0033】この動作は、図1における設定温度切換手
段15に相当し、本実施例では電気カーペットの設定温
度25℃〜46℃を5段階に分割し、それぞれに最適な
温度変化幅と温度変化速度をマイクロコンピュータ7の
リードオンリーメモリーに記憶させておき、その値を補
正値1として温度設定手段8により設定された温度に基
づいて随時切り換えて使用している。前述のフェーズ2
の説明では、そのうち設定温度が37.5℃の例を示し
たものであり、表面温度の変化幅は1.6℃、その変化
速度は0.08℃/分に設定してある。
【0034】なお、本実施例においては、設定温度のシ
フト一定時間ごとに設定温度を切り換えて行っている
が、電力制御手段にリレーなどのスイッチング方法をと
った場合にはヒータへの通電がONしている状態で設定
温度が切り換えられた場合とヒータへの通電がOFFの
状態で切り換えられた状態では制御温度が異なってしま
う。よって電力制御手段をこのようなスイッチング方法
とした場合は時間で設定温度を切り換えるのではなく、
ヒータへの通電回数により設定温度を切り換えてもよ
い。採暖具の温度の変化幅と変化速度を一定の範囲内に
抑えられる方法であればいずれの方法であっても構成可
能である。
【0035】図4において、補正値1で設定温度をシフ
トするフェーズ2が終了したら、設定温度変化手段13
に相当するフェーズ3に移行する。フェーズ3の動作
は、補正値2とその継続時間を対として記憶手段16に
相当するマイクロコンピュータ7のリードオンリーメモ
リーに記憶しておいたものを、計時手段に相当するカウ
ンタ17を用いてタイミングをはかりながら読み出して
(S8)、時系列的に補正値2を変化させながら温度制
御を行う(S9、S10、S11)ものである。本実施
例では、補正値2とその継続時間を以下の表1のごとく
設定してあり、ステップ1から順にそれぞれの経過時間
ごとに補正値2を切り換えていく。ステップ5の継続時
間が経過したら、ステップ1に戻り再び継続する。
【0036】
【表1】
【0037】(表1)は以下の内容に基づいて設定され
たものである。図6はフェーズ2における温度変化を行
わない場合の電気カーペット本体6と被験者の皮膚の温
度変化及びその時の温冷感を温冷感申告値で示した図で
ある。皮膚温度はフェーズ1の設定温度で制御している
時の皮膚温度を0として、その温度の変化を示してい
る。また、温冷感申告値は同様にフェーズ1の時の温冷
感を0として暖かくなれば+側、冷たく感じた時には−
側として5分ごとの被験者申告をプロットしたものであ
る。フェーズ1において、Wb値に基づいて温度を低下
した。この時点においては、使用者は電気カーペット本
体16の温度変化が緩やかな変化であるため、全く温度
低下を感じない。しかしながら、図6に示すように温度
低下をさせたまま一定温度を保持するよう動作させる
と、接触面の皮膚温度が低下していくという現象が見ら
れる。この現象が生じたまま一定温度を保持し続ける
と、温冷感申告値に示すようにやがて使用者は温度低下
を感じることになる。人には皮膚内に暖かさを感じる温
覚や冷たさを感じる冷覚があり、皮膚温度は人の温冷感
覚に非常に相関性がある。皮膚温度を観測することは、
人の温冷感覚を客観的に判断する要素となる。したがっ
て、温冷感に変化を生じさせないためには皮膚温度の変
化をさせないことが重要である。この皮膚温度の変化は
温度の変化、この場合では温度低下の幅が大きければ大
きいほど顕著となる。
【0038】従来例ではこの一定の温度を継続したとき
の皮膚温の上昇あるいは低下を使用者が感じる範囲で温
度変化をすることにより防止していた。これに対し本発
明では、この温度変化をフェーズ2において説明した人
が感じない範囲であるWb値に裏付けられる値におさえ
ながら、皮膚温の変化を防ぐ方法をとっている。すなわ
ち、人が感じないように、皮膚温度の変化を防ぐのであ
る。表1の設定は、フェーズ2で温度を低下させた時の
皮膚温低下をステップ1において温度上昇させ、そのま
ま継続すると皮膚温度上昇を生じるのでステップ2にお
いて再び低下、ステップ3にて上昇というふうに人の皮
膚温度変化を打ち消すようなパターンである。このフェ
ーズ3により、フェーズ2における温度低下の幅をより
大きく設定できるため、省エネルギー性をさらに大きく
できる。
【0039】また、前述のとおりこの補正値2とその継
続時間には、被験者実験により皮膚温度を一定に保持す
るのに必要なパターンとして決めた値である。このパタ
ーンは電気カーペットの表面温度、すなわち使用者によ
り設定された温度により異なる。これは、使用する温度
域により皮膚温度変化の応答性に差異が生じ一定ではな
いことに起因する。よって、皮膚温度を一定に保つため
のパターンは設定温度により異なったものになる。本実
施例では設定目盛によって5種類のパターンを切り替え
られるようにした。表1のパターンは本実施例の電気カ
ーペット本体6の構成での設定温度37.5℃、フェー
ズ2において1.6℃シフトした時に最適なパターンと
なっている。本実施例においては、設定温度25℃〜4
6℃において、それぞれ最適なパターンを求め、マイク
ロコンピュータ7のリードオンリーメモリーに記憶さ
せ、設定温度に応じてそれを切り換えている。なお、こ
のフェーズ3のパターンは電気カーペット本体6の構
成、たとえば本体を構成する素材、カーペットカバーの
材質、ヒータのワット数等により異なり、それに応じて
設定が変わってくるため、どんな構成でも表1が当ては
まるわけではない。したがって、人の皮膚温度変化を生
じさせない値をそれぞれの電気カーペット本体6の構成
に応じて変える必要がある。
【0040】また、(表1)において補正値2は説明を
簡単にするため電気カーペット本体6の温度で記載して
あるが、本実施例ではヒータ線1と温度検知線2が一体
となった一線式の構成をとっているため実際にはその本
体温度となるときのヒータ線1の制御温度を記憶してい
る。
【0041】図7は、図5に示すフェーズ2〜フェーズ
3において、電気カーペット本体6の温度と被験者の皮
膚の温度とその時の被験者の温冷感申告値を対比させて
示した図である。フェーズ2において温度低下をさせた
時に若干の皮膚温度低下が生じているがすぐに温度上昇
し、表1に示すパターンを繰り返している間は皮膚温度
低下はなく、ほぼ一定温度に保持されている。もちろん
この温度変化は電気カーペット本体6の熱応答性を含め
てWb値を越えないものとしており、使用者はまったく
温度低下を感じず、温冷感申告値にも変化はない。
【0042】本実施例の実験によると室温22℃におい
て10名中10名が温度の低下を感知できないという結
果を得られた。これは、電気カーペットの表面温度が
1.5℃低下しているにもかかわらず、表面温度が3
7.5℃の時と同様の快適性を得ているということであ
る。この表面温度低下はエネルギーの節約になってい
る。その電力消費量は実施例での温度低下、温度変化を
行っている時の平均電力量は226Whであり、表面温度
37.5℃一定の時253Whであったのでその差27Wh
約10.7%の電力量低減が快適性を損なわずに行える
ことになる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、設定温度
シフト手段にて所定の温度幅だけ、所定の範囲内の変化
速度で温度を低下するように補正した後、設定温度変化
手段にて設定温度シフト手段で補正した温度を中心に時
系列的に温度を変化するため、人が感じない範囲で温度
を低下させたのち、皮膚温度変化をしないように補正で
きるので、本体温度を低下させているにもかかわらず温
度変化を感じることなく設定温度で運転している時と同
一の暖感覚が得られ、快適性と省エネルギーの両立が可
能である。使用者が感じないように平均的に温度シフト
をするため、間欠的に温度低下をさせる方法に比較して
エネルギー節約率が大きくとれ、省エネルギーに大きく
貢献する。
【0044】また、設定温度シフト手段及び前記設定温
度変化手段の温度変化幅を採暖具の温度で3℃以内でか
つ変化速度は同様に0.5℃/分の範囲とすることによ
り、快適性と省エネルギー性のバランスを最適に設定で
きる。
【0045】また、設定温度変化手段が、人の皮膚温度
変化を抑止するパターンで温度を変化させることによ
り、皮膚温度低下を防ぎ、使用者に温度を低下させた後
の冷感を感じさせることなく変化幅の大きな温度低下を
させることができるため、快適性と省エネルギー性を更
に効果的に得ることができる。皮膚温度を変化させない
パターンで温度変化をするため、皮膚温度が上昇するの
を抑えることができ、低温火傷を防ぐことができる。
【0046】また、ヒータと温度検出手段が一体構成の
ものを用いることで、室温や周囲環境の影響を受けず
に、ヒータ線温度を正確に制御できるため、その変化に
よって採暖具の温冷感と通電率は影響をうけにくくな
り、常に快適性と省エネ性を最適に得ることができる。
ヒータの温度を直接検出して温度制御をするため、ヒー
タ線の温度上昇が必要以上に高くならず、低温火傷や局
部的な温度上昇などもなく高い安全性を確保することが
できる。
【0047】また、設定温度シフト手段によって補正す
る設定温度の変化幅と変化速度および設定温度変化手段
による設定温度の変化パターンを温度設定手段で設定さ
れた設定温度により切り換える設定温度切換手段を設け
たため、設定温度により最適なパターンを自動的に設定
できるので、操作性を損なうことなく常に最適なバラン
スで快適性と省エネ性を得ることができる。
【0048】また、採暖具の温度が温度設定手段により
設定された設定温度で安定したかどうかを温度安定判定
手段により判定したのち設定温度シフト手段と設定温度
変化手段による温度補正を行うため、安定した条件を起
点に補正を行い、採暖具の使用状態にかかわらず常に快
適性と省エネ性が最適に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の面状採暖具の制御システム
【図2】同面状採暖具に用いた感温ヒータ線の構成図
【図3】同面状採暖具の外観図
【図4】同面状採暖具の動作フローチャート
【図5】同面状採暖具の表面温度を示す図
【図6】同面状採暖具の設定温度変化手段を用いない場
合の本体温度、皮膚温度と温冷感申告値との相関図
【図7】同面状採暖具の設定温度変化手段を用いた場合
の本体温度、皮膚温度と温冷か申告値との相関図
【図8】従来の面状採暖具の動作説明図
【符号の説明】
1 ヒータ線(ヒータ) 2 温度検知線(温度検出手段) 3 感温材 4 感温ヒータ線 6 電気カーペット(採暖具) 7 マイクロコンピュータ 8 温度設定手段 9 補正選択手段 10 温度安定判定手段 11 温度制御手段 12 設定温度シフト手段 13 設定温度変化手段 14 リレー(電力制御手段) 15 設定温度切換手段 16 記憶手段 17 カウンタ(計時手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】採暖具本体に配設されたヒータと、前記採
    暖具の温度を検出する温度検出手段と、前記ヒータへの
    通電を制御する電力制御手段と、使用者から設定温度を
    受け付ける温度設定手段と、前記温度検出手段からの信
    号と前記設定温度を比較して前記電力制御手段を制御す
    る温度制御手段と、前記設定温度を所定の範囲の温度幅
    だけ所定の範囲内の変化速度で下げるように補正する設
    定温度シフト手段と、前記設定温度シフト手段により下
    げた設定温度を中心に時系列的に設定温度を変化させる
    ように補正する設定温度変化手段を備えた面状採暖具。
  2. 【請求項2】設定温度シフト手段及び設定温度変化手段
    の温度変化幅は採暖具の温度で0℃を越え3℃以内で、
    かつ、変化速度は0℃/分を越え0.5℃/分の範囲と
    した請求項1記載の面状採暖具。
  3. 【請求項3】設定温度変化手段は、補正する設定温度お
    よびその継続時間を人の皮膚温度変化を抑止するパター
    ンとして予め記憶している記憶手段と、前記継続時間を
    計時する計時手段を備え、前記計時手段により計時を終
    了したら前記記憶手段で記憶している設定温度と継続時
    間を順次読み出して時系列的に設定温度を上下するよう
    に補正する請求項1記載の面状採暖具。
  4. 【請求項4】ヒータと温度検出手段が一体構成のものを
    用いた請求項1記載の面状採暖具。
  5. 【請求項5】設定温度シフト手段によって補正する設定
    温度の変化幅と変化速度および設定温度変化手段による
    設定温度の変化パターンを温度設定手段で設定された設
    定温度により切り換える設定温度切換手段を備えた請求
    項1記載の面状採暖具。
  6. 【請求項6】採暖具の温度が温度設定手段により設定さ
    れた設定温度で安定したかどうかを判定する温度安定判
    定手段と、設定温度シフト手段及び設定温度変化手段よ
    る設定温度の補正を行うか否かを選択する補正選択手段
    を備え、温度安定判定手段が設定温度で安定したことを
    判定するまでの間は前記補正選択手段により前記設定温
    度シフト手段と前記設定温度変化手段による温度補正を
    行わず、設定温度で安定したことを判定したら、前記補
    正選択手段により前記設定温度シフト手段と前記設定温
    度変化手段による温度変化を許可するように切り換える
    請求項1記載の面状採暖具。
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