JPH10275389A - ディスクプレーヤーのディスク保持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクのターンテーブルへの載置動作を容
易に行うことが出来るディスク保持装置を提供する。 【解決手段】 ディスクＤが載置される載置部３が形成
されているターンテーブル２と、該ターンテーブル２と
一体的に回転するとともにディスクＤに形成されている
中心孔と嵌合するセンタリング部材５と、該センタリン
グ部材５にディスクの径方向への変位を可能に設けられ
ているとともにスプリング７により外方へ付勢され、且
つ断面がくの字状の突出部６Ｃがセンタリング部材５に
形成されている開口部５Ｃより外部に突出せしめられて
いるディスク押圧部材６とより構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクプレーヤ
ーに関し、特にディスクをターンテーブル上に載置保持
するディスク保持装置に係る。

【０００２】

【従来の技術】光学式ピックアップを用いてディスクに
記録されている信号の読み取り動作を行うように構成さ
れた光学式ディスクプレーヤーが普及しているが、斯か
るディスクプレーヤーは、ディスクが載置されるととも
に該ディスクを回転させるターンテーブルを備えてい
る。

【０００３】光学式ディスクプレーヤーの代表的なもの
としては、ＣＤプレーヤーが一般に良く知られている
が、斯かるＣＤプレーヤーの中には、ヘッドフォンによ
って再生音を聴取するように構成されたヘッドフォンス
テレオ型のポータブルＣＤプレーヤーがある。また、最
近ではコンピューターと組み合わせて使用するＣＤ−Ｒ
ＯＭプレーヤーが普及している。

【０００４】前述したヘッドフォンステレオ型のポータ
ブルＣＤプレーヤーやパーソナルコンピューターの内部
に組み込まれるＣＤ−ＲＯＭプレーヤーは、装置本体の
小型化、特に薄型化が要求されている。斯かるディスク
プレーヤーの薄型化を行う場合にディスクをターンテー
ブル上に保持するディスク保持装置の厚みが問題とな
る。斯かる問題を解決したディスク保持装置として、例
えば特開平５−１５１６７５号公報に開示されているボ
ールベアリングを利用した、所謂ボールチャッキングと
呼ばれるディスク保持装置が一般に採用されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ボールベアリングを使
用したディスク保持装置は、ボールベアリングを回転中
心軸より外方へ押圧付勢するために設けられているスプ
リングの付勢力を利用してディスクをターンテーブル上
に載置保持するように構成されている。そして、斯かる
装置において、ディスクをターンテーブル上に載置させ
る場合やターンテーブル上から取り外す場合に、ボール
ベアリングをスプリングの付勢力に抗して回転中心軸方
向へ変位させる必要があるため、ターンテーブル上にデ
ィスクを載置させる場合や取り外す場合に大きな力を必
要とし、その結果ディスクの着脱操作を容易に行うこと
が出来ないという問題がある。

【０００６】本発明は、斯かる問題を解決したディスク
プレーヤーのディスク保持装置を提供しようとするもの
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のディスク保持装
置は、電動機の回転軸に圧入される圧入部が形成されて
いるとともにディスクが載置される載置部が形成されて
いるターンテーブルと、該ターンテーブルの圧入部への
圧入により該ターンテーブルと一体的に回転するべく取
り付けられているとともにディスクに形成されている中
心孔と嵌合するセンタリング部材と、該センタリング部
材の内部にディスクの径方向への変位を可能に設けられ
ているとともにスプリングにより回転中心軸より外方へ
付勢され、且つ断面がくの字状の突出部が前記センタリ
ング部材に設けられている開口部より外部へ突出せしめ
られているディスク押圧部材とより構成されている。

【０００８】

【実施例】図１は本発明のディスク保持装置を示す要部
の正面断面図、図２は要部の拡大平面図、図３は要部の
底面図である。図において、１は電動機を構成する回転
軸、２は前記回転軸１に圧入固定されるとともに金属に
て成形されているターンテーブルであり、ディスクＤが
載置される載置部３が形成されているとともに前記回転
軸１が圧入される圧入部４が形成されている。

【０００９】５は前記ターンテーブル２に形成されてい
る圧入部４に圧入されることによって該ターンテーブル
２と一体的に回転するべく取り付けられるとともにディ
スクＤに形成されている中心孔と嵌合し該ディスクＤの
位置決めをするセンタリング部材である。

【００１０】６は前記センタリング部材５内にディスク
Ｄの径方向への摺動変位を可能に設けられているディス
ク押圧部材であり、該センタリング部材５に形成されて
いるガイド部５Ａ及び５Ｂとガイド溝６Ａ及び６Ｂとの
係合案内動作によって径方向への変位動作を行うように
構成されているとともに前記センタリング部材５に形成
されている開口部５Ｃを通して外部に突出せしめられて
いる突出部６Ｃが形成されている。また、前記突出部６
Ｃは、ターンテーブル２の径方向に切断した断面の形状
がくの字になるように、即ち上方の第１傾斜部６Ｄと下
方の第２傾斜部６Ｅとによって構成されている。そし
て、上方の第１傾斜部６Ｄの傾斜角度に比較して下方の
第２傾斜部６Ｅの傾斜角度の方が急角度になるように構
成されている。

【００１１】７は前記センタリング部材５内に設けられ
ている収納部５Ｄ内に収納されるスプリングであり、前
記ディスク押圧部材６を回転中心軸より外方向、即ち矢
印Ａ方向へ押圧付勢する作用を有している。そして、前
記スプリング７は前記ディスク押圧部材６の押圧面に形
成されている凸部６Ｆに巻装されるように構成されてい
る。５Ｅは前記センタリング部材５に形成されている支
持部であり、前記ディスク押圧部材６の突出部６Ｃの下
部を支持する作用を有している。図３は本発明に係るセ
ンタリング部材５を示す底面図であり、補強用のリブ５
Ｆがリング状に形成されている。また、斯かる構成にお
いて、前記ディスク押圧部材６は、回転軸１を中心とし
て等角度で３つ設けられている。

【００１２】図１に示した状態は、ディスクＤをターン
テーブル２上に載置した状態を示すものであり、ディス
ク押圧部材６はスプリング７の弾性付勢力によって回転
軸１を中心として外方へ押圧付勢された状態にある。斯
かる状態にあるとき、前記ディスク押圧部材６に形成さ
れている突出部６Ｃの第２傾斜部６ＥがディスクＤに形
成されている中心孔を形成する内壁の上部コーナー部Ｄ
１に当接した状態にあるため、ディスク押圧部材６の矢
印Ａ方向への変位力が該ディスクＤをターンテーブル２
の載置部３に押し付ける力として作用することになる。
斯かる力がターンテーブル２の載置部３に対して作用す
る結果、該載置部３の上面とディスクＤの下面との間の
摩擦力によってディスクＤはターンテーブル２とともに
回転する状態になる。従って、電動機の回転軸１の回転
動作によるターンテーブル２の回転駆動動作によってデ
ィスクＤを回転させることが出来る。

【００１３】前述したように前記ディスク押圧部材６に
よるディスクＤの保持動作は行われるが、ディスクＤを
上方へ引き上げると、該ディスクＤの上部コーナー部Ｄ
１の上方への変位力が該ディスク押圧部材６に形成され
ている第２傾斜部６Ｅに対して作用することになる。そ
の結果、前記ディスク押圧部材６がスプリング７の付勢
力に抗して中心軸方向、即ち矢印Ｂ方向へ変位せしめら
れるので、ディスクＤをターンテーブル２の載置部３よ
り取り外すことが出来る。

【００１４】前述したようにディスクＤのターンテーブ
ル２の載置部３からの取り外し動作は行われるが、次に
ターンテーブル２の載置部３へのディスクＤの載置動作
について説明する。ディスクＤのターンテーブル２の載
置部３への載置動作は、上方よりディスクＤに形成され
ている中心孔をセンタリング部材５に嵌挿させるべく行
われるが、このときセンタリング部材５の外方に突出し
た位置にあるディスク押圧部材６に形成されている突出
部６Ｃの第１傾斜部６ＤにディスクＤの中心孔を形成す
る内壁の下部コーナー部Ｄ２が当接することになる。そ
して、その当接押圧力によって前記ディスク押圧部材６
が、スプリング７の付勢力に抗して矢印Ｂ方向に摺動変
位するため、ディスクＤをターンテーブル２の載置部３
へ載置させることが出来る。

【００１５】前述したようにディスクＤのターンテーブ
ル２への載置動作は行われるが、斯かる動作が行われる
とき、ディスク押圧部材６の下方に働く力、即ち荷重を
センタリング部材５に形成されている支持部５Ｅが受け
るため、該ディスク押圧部材６の姿勢に傾きが発生する
ことはなく、その摺動変位動作を正確に行うことが出来
る。

【００１６】また、前述したようにディスクＤのターン
テーブル２への載置動作及び該ターンテーブルからの取
り外し動作は行われるが、第２傾斜部６Ｅの傾斜角度を
第１傾斜部６Ｄの傾斜角度と比較して急角度になるよう
にしたので、ディスクＤの取り外し動作に必要な力を小
さくすることが出来るとともにディスクＤの載置動作時
には、第１傾斜部６Ｄの傾斜角度が緩いため、ディスク
Ｄに形成されている中心孔との嵌合動作を容易に行うこ
とが出来る。

【００１７】そして、本実施例では、ディスクＤのター
ンテーブル２への押圧保持力をディスク押圧部材６に形
成されている突出部６Ｃの第２傾斜部６Ｅにて行うよう
にしたので、ディスクＤの厚みが異なっても該第２傾斜
部６Ｅの角度を一定にすれば、全てのディスクの保持力
を同一にすることが出来る。

【００１８】更に、本実施例では、センタリング部材５
をターンテーブル２に形成されている圧入部４に圧入さ
せることによって該ターンテーブル２と一体的に回転す
るように構成したが、前記ターンテーブル２とセンタリ
ング部材５とを一体成形することによって構成すること
も出来る。

【００１９】

【発明の効果】本発明のディスク保持装置は、ディスク
をターンテーブル上に載置保持するための手段として設
けられているディスク押圧部材の突出部の形状をくの字
状にしたので、ディスクのターンテーブル上への載置動
作及びターンテーブル上からの取り外し動作を容易に行
うことが出来るだけでなく、ディスクの保持力をディス
クの厚みに関係なく一定にすることが出来る。

【００２０】また、本発明は、ディスク押圧部材が組み
込まれるセンタリング部材とターンテーブルとを一体成
形するように構成したので、部品点数が少なくなり、組
立作業を容易にすることが出来るという利点がある。

【００２１】そして、本発明は、ディスク押圧部材のス
プリングにより押圧される面に凸部を設け、該凸部にス
プリングを巻装させるようにしたので、該スプリングと
ディスク押圧部材との位置関係を正確に保持することが
出来るとともに組立動作を容易に行うことが出来る。

【００２２】また、本発明は、ディスク押圧部材の突出
部の下部を支持する支持部をセンタリング部材に形成し
たので、ディスクのターンテーブルへの載置動作時ディ
スク押圧部材が受ける荷重を該支持部にて受けることが
出来る。その結果、該ディスク押圧部材が傾くという姿
勢の傾きの発生を抑えることが出来、該ディスク押圧部
材のディスクの径方向への摺動変位動作を正確に行うこ
とが出来るという利点を本発明は有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のディスク保持装置を示す要部の正面断
面図である。

【図２】本発明のディスク保持装置を示す要部の拡大平
面図である。

【図３】本発明のディスク保持装置を示す要部の底面図
である。

【符号の説明】

１ 回転軸 ２ ターンテーブル ３ 載置部 ５ センタリング部材 ５Ｅ 支持部 ６ ディスク押圧部材 ６Ｃ 突出部 ７ スプリング Ｄ ディスク

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機の回転軸に圧入される圧入部が形
   成されているとともにディスクが載置される載置部が形
   成されているターンテーブルと、該ターンテーブルの圧
   入部への圧入により該ターンテーブルと一体的に回転す
   るべく取り付けられているとともにディスクに形成され
   ている中心孔と嵌合するセンタリング部材と、該センタ
   リング部材の内部にディスクの径方向への変位を可能に
   設けられているとともにスプリングにより回転中心軸よ
   り外方へ付勢され、且つその突出部が前記センタリング
   部材に設けられている開口部より外部へ突出せしめられ
   ているディスク押圧部材とより成り、前記突出部の断面
   （ターンテーブルの径方向に切断）の形状をくの字にし
   たことを特徴とするディスクプレーヤーのディスク保持
   装置。
2. 【請求項２】 電動機の回転軸に圧入される圧入部が形
   成されているとともにディスクが載置される載置部が形
   成されているターンテーブルと、該ターンテーブルと一
   体成形されているとともにディスクに形成されている中
   心孔と嵌合するセンタリング部と、該センタリング部の
   内部にディスクの径方向への変位を可能に設けられてい
   るとともにスプリングにより回転中心軸より外方へ付勢
   され、且つその突出部が前記センタリング部に設けられ
   ている開口部より外部へ突出せしめられているディスク
   押圧部材とより成り、前記突出部の断面（ターンテーブ
   ルの径方向に切断）の形状をくの字にしたことを特徴と
   するディスクプレーヤーのディスク保持装置。
3. 【請求項３】 ディスク押圧部材を構成するスプリング
   の押圧面に該スプリングが巻装される凸部を形成したこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２に記載のディス
   ク保持装置。
4. 【請求項４】 突出部の下部を支持する支持部をセンタ
   リング部材に形成したことを特徴とする請求項１に記載
   のディスク保持装置。