JPH10273458A - 環状アルコールの製造方法 - Google Patents

環状アルコールの製造方法

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JPH10273458A
JPH10273458A JP10008210A JP821098A JPH10273458A JP H10273458 A JPH10273458 A JP H10273458A JP 10008210 A JP10008210 A JP 10008210A JP 821098 A JP821098 A JP 821098A JP H10273458 A JPH10273458 A JP H10273458A
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JP
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reactor
producing
cyclic
catalyst
reaction
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JP10008210A
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Hiroshi Mori
寛 森
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼオライト触媒の懸濁下に環状オレフィンと
水とを反応させて環状アルコールを合成する方法におい
て、反応を継続したのち、定期点検や修理等のために反
応器から触媒を排出して反応器を休止するに当り、休止
した反応器の運転を再開するときに、安定に運転するこ
とができ、しかも、運転再開直後の著しい活性低下を防
止することができ、工業的な環状アルコールの生産にと
って極めて有利な方法を提供する。 【解決手段】 ゼオライト触媒の懸濁下に、環状オレフ
ィンと水とを反応させて環状アルコールを製造する方法
において、一定時間反応を継続したのち、反応器の運転
を休止するに当り、反応器に残留するゼオライト触媒を
乾燥重量換算で反応に使用するゼオライト触媒に対して
3重量%以下となるように排出することを特徴とする環
状アルコールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼオライト触媒を
懸濁床として用いて、液相で環状オレフィンと水とを反
応させて環状アルコールを合成する方法において、反応
器より触媒を特定の条件となるように排出して休止する
環状アルコールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液相でオレフィンを水和してアル
コールを製造する方法として、鉱酸、芳香族スルフォン
酸、ヘテロポリ酸等を用いた均一系触媒、あるいは強酸
性イオン交換樹脂、結晶性アルミノシリケート等のゼオ
ライト類等の固体酸触媒を用いる方法が数多く知られて
いる(特公昭47−45323号、特公昭53−154
85号、特開昭57−70828号、特開昭58−12
4723号、特開昭58−194828号、特開昭60
−104028号、特開昭61−180735号、特公
昭63−47695号各号公報等)。特に固体酸触媒を
用いたオレフィンの水和反応では、通常、触媒、水相、
油相の3相系で反応を行うが、触媒である固体酸は水相
のみに分配されるため、生成したアルコールを含有する
油相を水相から分離することにより、同時に生成アルコ
ールの触媒からの分離も達成されるので、工業的に好ま
しい方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法を
工業的に実施する際には、定期点検や修理等のために、
反応器の運転を定期的に停止し、休止する必要がある。
その後、休止した反応器を再スタートさせると、しばら
くの間運転が安定せず、しかも通常の運転時に比べ、触
媒の活性低下が著しくなることがわかった。従って該運
転開始直後に特異的に生ずる、不安定な運転状態や、触
媒の活性低下を防止して環状アルコールを効率良く製造
する方法の確立が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、運転開始
ごとの活性低下原因を詳細に調査した結果、反応器の運
転を休止して触媒を排出した際に、反応器内に僅かに残
留する触媒が上記の問題に関与することを見出した。さ
らに、残留する触媒は簡単に落とせるものではなく、付
着した状態を放置すると、さらなる付着を呼び、そのよ
うな触媒が残っていることが以後の反応にきわめて悪い
影響を及ぼすことも初めてわかった。本発明はこのよう
な知見に基づき達成されたものであって、ゼオライト触
媒の懸濁下に、環状オレフィンと水とを反応させて環状
アルコールを製造する方法において、一定時間反応を継
続したのち、反応器の運転を休止するに当り、反応器に
残留するゼオライト触媒を乾燥重量換算で反応に使用す
るゼオライト触媒に対して3重量%以下となるように排
出することを特徴とする環状アルコールの製造方法に関
する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に説明する。本
発明で対象とするゼオライト触媒は、環状オレフィンの
水和反応に有効であることが知られているゼオライト触
媒である。ゼオライト触媒は、酸性の固体物質である このゼオライト触媒の使用される形態は特に制限はない
が、通常粉末状、顆粒状で使用する。このゼオライトの
一次粒子径としては、通常0.5μm以下、好ましくは
0.1μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下が
挙げられる。また下限としては通常0.01μm以上が
挙げられる。更に、担体あるいはバインダ−として、ア
ルミナ、シリカ、チタニア等を使用していてもよい。本
発明で使用するゼオライト触媒としては特に限定されな
いが、例えばその骨格構造として、モルデナイト型、エ
リオナイト型、シャバサイト型、ホージャサイト型、ク
リノプチロライト型、フェリエライト型、L型、ベータ
型、モ−ビルオイル社発表のZSMシリーズ;例えばZ
SM−5型、ZSM−4型、ZSM−11型、ZSM−
12型、ZSM−20型、ZSM−40型、ZSM−3
5型、ZSM−48型、MCM−22型、シェブロン社
発表のSSZシリーズ等の構造を有するものが挙げられ
る。好ましくはモルデナイト型、ホージャサイト型、フ
ェリエライト型、ベータ型、ZSM−5型、ZSM−1
1型、MCM−22型等の構造を有するゼオライトが挙
げられる。特に好ましくはベータ型、ZSM−5型、Z
SM−11型等のペンタシル型構造のゼオライトであ
り、最も好ましくはZSM−5型の構造のものである。
さらにこのゼオライト触媒としては、これらの構造のア
ルミノシリケ−トであるものの他、アルミニウム原子の
一部又は全部をガリウム、ホウ素、鉄などに置き換えた
ものも好ましく使用でき、例えばボロシリケ−ト、ガロ
シリケ−ト、フェロアルミノシリケ−ト、ガロアルミノ
シリケート、ボロアルミノシリケート等の異元素含有ゼ
オライトが例示できる。ZSM−5型とは、X線回折パ
ターンが少なくとも下記表1に示す面間距離のピークを
持つことで特徴づけられる。
【0006】
【表1】 面間距離d Å 11.1 ±0.2 10.1 ±0.2 3.85 ±0.07 3.74 ±0.05 3.72 ±0.05 ZSM−5型とは、モービルオイル社によって開発され
た合成ゼオライト(米国特許第3,702,886号明
細書等参照)であるが、近年微妙なX線回折パターンの
違いによって、ZSM−5類縁体が報告されている。本
発明ではこれらを総称してZSM−5類と称す。同様に
ZSM−11類等も存在する。ZSM−5類では、上記
の表1の特徴的な回折ピークはいずれのものにも含まれ
る。これらのZSM−5類を以下に例示する。
【表2】 ZSM−5類 ZSM−5(米国特許第3,702,886号明細書) ZSM−8(ドイツ特許第2,049,755号明細
書) ZETA−1(ドイツ特許第2,548,697号明細
書) ZETA−3(英国特許第1,553,209号明細
書) NU−4(ドイツ特許第3,268,503号明細書) NU−5(ドイツ特許第3,169,606号明細書) TZ−01(米国特許第4,581,216号明細書) Crystaline aluminosilicate(米国特許第4,954,
326号明細書) TRS(ドイツ特許第2,924,870号明細書) MB−28(欧州特許第21445号明細書) TSZ(特開昭58−45111号公報) AZ−1(欧州特許第113,116号明細書) またこれらのゼオライト触媒において、好ましい組成は
SiO2/Al23のモル比が20〜100のものであ
る。本発明で使用するゼオライト触媒としては、好まし
くは (1)ZSMー5類、 (2)ZSMー11類 (3)ZSMー5類又はZSMー11類のアルミ原子の
少なくとも一部がホウ素原子、ガリウム原子及び鉄原子
からなる群から選ばれる少なくとも一種で置換されたゼ
オライト から選ばれる少なくとも一種であるものが選ばれるが、
特に好ましくは、ZSMー5類又はその中のアルミ原子
の少なくとも一部がホウ素原子、ガリウム原子及び鉄原
子からなる群から選ばれる少なくとも一種で置換された
ゼオライトから選ばれる少なくとも一種であるものが挙
げられる。これらのゼオライトは、通常、プロトン交換
型(H型)が用いられるが、その一部がNa、K、Li
等のアルカリ金属元素、Mg、Ca、Sr等のアルカリ
土類金属元素、Fe、Co、Ni、Ru、Pd等の8族
元素などのイオンから選ばれたカチオン種で交換されて
いてもよい。
【0007】本発明においては、上記のようなゼオライ
ト触媒の存在下、液相中で環状オレフィンの水和反応を
行う。該環状オレフィンとしては、炭素数が3から10
の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、メチルシク
ロペンテン類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン
類、シクロオクテン、シクロドデセン等が例示できる
が、好ましくは5〜8員環を有するシクロオレフィンで
あり、特に好ましくはシクロヘキセンである。これらの
環状オレフィン中には不純物として様々な物質が含有さ
れることがある。例えばシクロヘキセンがベンゼンの部
分水添によって製造された場合、微量のシクロヘキサン
やベンゼンを含有することがある。またその貯蔵中にエ
ポキシシクロヘキサンや2−シクロヘキセンー1ーオ
ン、シクロヘキセンハイドロパーオキサイド等のシクロ
ヘキサン酸化物の含有量が増加したりもする。本発明の
反応では、シクロヘキセンが原料の場合、シクロヘキサ
ン酸化物は反応系に少なければ少ない程好ましく、合計
で100ppm以下、好ましくは50ppm以下とする
のが良い。また、この反応系に溶媒あるいは添加物とし
て他の有機物質を共存させてもよい。該有機物質として
は、安息香酸類、カルボン酸類、フェノ−ル類、サリチ
ル酸類、アルコ−ル類、フルオロアルコ−ル類、エ−テ
ル類、エステル類、ケトン類等の含酸素有機化合物、ア
ミド化合物、ニトリル等の含窒素有機化合物や、チオ−
ル類、スルホン酸等の含硫黄有機化合物や、ハロゲン化
炭素等の含ハロゲン有機化合物や、脂肪族炭化水素類、
芳香族炭化水素類が挙げられる。
【0008】水和反応は、好ましくは連続的に実施され
るが、この場合、ゼオライト触媒と水によって構成され
る触媒スラリーの水相に、環状オレフィンを連続的に供
給して水和反応を行い、環状アルコールを生成させ、反
応液より該水相と、生成した環状アルコールを含む油相
とを相分離して、該油相を連続的に採取する方法が採用
される。反応は、通常、攪拌などで水相と環状オレフィ
ンを含む油相を混合することにより、懸濁状態、例え
ば、連続水相中に油相を液滴状態で分散させて行われ
る。反応液は、混合を弱めた状態か停止した状態におい
ては通常水相と油相に相分離するが、該水相に対する該
油相の容量比は、通常0.001〜10、好ましくは
0.01〜1である。油相あるいは水相のいずれか一方
が、他方に比べて大過剰になる場合は、両相の相分離が
不良となり、かつ反応速度も低下するので好ましくな
い。
【0009】また、環状オレフィンに対する触媒の重量
比は、通常0.001〜50、好ましくは0.01〜2
0、さらに好ましくは0.05〜5、最も好ましくは
0.1〜3の範囲である。触媒が少なすぎる場合には反
応速度が遅くなり、また、多すぎる場合には触媒コスト
が大きくなるので好ましくない。反応系において、水相
には主にゼオライト触媒が含まれ、油相には主に原料の
環状オレフィンと生成した環状アルコールが含まれる。
触媒を含む水相の少なくとも一部は、油相と分離した
後、触媒スラリーとして、反応器に循環して再使用する
ことができる。また、生成した環状アルコールは、分離
した油相より蒸留などの公知の方法により容易に精製回
収することができる。環状アルコールを分離した後の原
料オレフィンを含む油相の残液は、水和反応の原料とし
て再使用することができる。
【0010】水和反応の条件としては、反応温度は使用
する原料環状オレフィンによって最適温度範囲が異なる
が、通常50〜300℃、好ましくは70〜200℃、
より好ましくは80〜160℃、最も好ましくは100
〜140℃の範囲である。反応圧力は特に制限はない
が、環状オレフィンおよび水を液相に保ち得る圧力が好
ましく、通常5MPa以下、好ましくは0.2〜2MP
a、更に好ましくは0.3〜1MPaの範囲である。反
応時間あるいは反応器中の滞留時間は、通常1分〜10
時間、好ましくは5分〜5時間の範囲である。また、反
応系は、窒素、ヘリウム、水素、アルゴン、二酸化炭素
等の不活性ガス雰囲気下に保つことが好ましい。この場
合、不活性ガス中の酸素の含有量は少ない方が好まし
く、酸素含有量が通常100ppm以下、好ましくは2
0ppm以下のものが使用される。
【0011】図2は本発明に用いることができる連続的
水和反応装置の概略図を示したものである。原料供給管
11より原料環状オレフィンが水和反応器13に供給さ
れ、水供給管12より水が該水和反応器13に供給され
る。反応器13には撹拌機20が設けられており、ゼオ
ライト触媒を含有する水相と原料である環状オレフィン
及び生成した環状アルコールを含有する油相との懸濁状
態で反応が進行する。反応器の内容物の一部は管15か
ら抜き出され、油水分離器14にて油水分離される。分
離した油相は管16より抜き出され、環状アルコールを
取得するための蒸留などの次工程に送られる。一方、油
水分離された水相は底部より管17を通じて抜き出さ
れ、その一部は管18から反応器13に戻されるととも
に、残りは管19を通じて再生工程に送られる。この場
合、油水分離された水相のうち反応器に戻すものと再生
工程に送るものとの比は、再生工程の負荷や触媒量など
に応じて適宜決定される。また、これらの管への抜き出
しをそれぞれ間欠的に行っても良い。図3は本発明に使
用できる他の連続的水和反応装置の概略図である。同図
において数字は図2と共通である。図3における操作は
基本的に図2の場合と同様である。異なる点は、反応器
13の内部に油水分離堰21を設けたことにある。油水
分離堰21にて分離された油相は管22から抜き出さ
れ、図2の場合と同様にして油水分離器14にて分離さ
れ管16にて抜き出された油相と合流して次の工程に送
られる。図4は本発明に使用できる更に別の連続的水和
反応装置の概略図である。同図において数字は図2と共
通である。図4の構成は基本的に図3と同様であるが、
油水分離器14と接続する管15が反応器13内に設け
られた油水分離堰21側に設けられている点で相違す
る。前述のように、油水分離堰内で油水分離が行われる
ので油水分離器14を設けなくても管15から抜き出し
たものは相対的に水相を多く含むものである。しかし同
時に油相も含まれているので、さらに油水分離器14で
再度油水分離を行うものである。図4の方法は図3に比
べ、油水分離器14に供給される内容物の殆どが水相な
ので、分離器14の小型化や油水分離器14内での静置
時間の短縮を図ることが出来るという効果がある。図2
〜4のいずれの場合においても、反応器等への管の接続
位置は特に限定されるものではなく、当業者が適宜定め
られるものである。以上のような、ゼオライト触媒を用
いて環状オレフィンの水和反応を行う場合でも、工業的
には、定期点検や、修理のために反応器を停止させるこ
とがしばしば生じる。このような場合、反応に用いたゼ
オライト触媒は、反応再開時に再利用することが経済的
に必須である。しかしながら、水和反応に供した触媒
を、反応停止後に再度水和反応に供すると、中断以前の
活性が得られず、更に反応成績が安定しない。
【0012】本発明は、上記のような反応を行って生成
した環状アルコールを含む油相を分離採取した反応器か
ら、触媒を排出して反応器を休止するに当り、反応器に
残留するゼオライト触媒の量を、有機物付着のない乾燥
ゼオライトに換算して、運転中に使用したゼオライト触
媒の平均重量に対して3重量%以下となるように排出す
ることにより、運転開始直後に特異的に生ずる、不安定
な運転状態や、触媒活性の低下を防止することができる
というものである。従って本発明は、反応を一定時間継
続したのち、運転を休止して、しかる後に反応を再開す
る場合に効果が大きいものである。このように反応器休
止の際の特定の処理によって上記のような効果が得られ
る理由は明らかではないが、不安定な運転状態や、触媒
活性の低下の原因は、およそ次のように考えられる。 <運転開始直後の不安定な運転状態の原因>反応器内に
触媒が残留したままの状態で、反応器の運転を休止する
と、反応器内に表面付着した触媒スラリーが乾燥され、
触媒の反応器内壁面への付着が起きる。付着した触媒は
乾燥されると、非常に落ちにくくなる。その状態で水和
反応をスタートすると、そこへまたスラリーが入ってき
て、更に付着が進行して塊を形成し、その塊が大きくな
ると、その塊自身の重さで落下する。そのためスラリー
中の触媒濃度が変化して、反応成績が不安定になる。
【0013】<運転開始直後の著しい活性低下原因>上
記で、触媒が塊を形成する部分は、一般に接液部の中で
も上部の界面近くである。その塊が大きくなると、次第
に界面上方で反応液に接さない位置に触媒が付着するよ
うになる。そのような付着した触媒は、反応に関与する
度合いが極めて小さくなるため、活性低下を引き起こす
ことになる。しかも本発明者らは、本発明で使用する触
媒が、乾燥すると触媒活性低下が大きくなることを見出
した。従って、塊の形成により、活性低下の著しい触媒
が形成され、結果として触媒全体の活性低下が見かけ上
大きくなる。また、反応器の休止時に反応器に残留して
いた触媒は、塊になっていないものでも、それ自身活性
低下しているものと考えられる。したがって、反応器に
残留する触媒は、運転開始直後に特異的に生じる不安定
な運転状態や、活性低下の原因と考えられるため、その
量を特定量以下とすることにより、これらの問題の発生
を防止することができるものと考えられる。
【0014】本発明は、一般に一定期間、例えば効率的
触媒作用が維持できなくなるまで、あるいは定期点検や
定期修理を行うまで、反応を継続したのち、反応器を休
止する際に採用される方法であって、単槽反応器、また
は多槽反応器の全体的あるいは部分的休止において採用
される。本発明では、反応器に残留するゼオライト触媒
の量を乾燥ゼオライト触媒に換算して運転中に使用した
ゼオライト触媒量に対して3重量%以下となるように排
出することを規定するものであるが、前記したように、
ゼオライト触媒の懸濁下に反応させる懸濁床反応器にお
いては、該反応器は複雑な装置構造を有するために、ま
た後述するようにゼオライトは反応器の内壁面に強固に
付着しやすいという特徴を有するため、通常採用される
触媒の排出手段および反応器の休止手段では3重量%以
下とすることは極めて困難である。
【0015】また、乾燥ゼオライト触媒とは、反応後の
触媒スラリー(水相)から、一般に、洗浄や乾燥等を行
って、原料、生成物、溶媒等を取り除いた状態の触媒を
指す。また、運転中に使用されるゼオライト触媒量と
は、反応器内に保持されていた触媒の反応中の平均量を
意味するものであり、通常は、反応開始時に使用した量
と同等である。本発明においては、反応器を休止する際
に、反応器中に残留するゼオライト触媒量が3重量%以
下、好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1重量%
以下となるように排出する。具体的には、反応器に残留
するゼオライト触媒を、その量が3重量%以下になるま
で、積極的に排出、洗浄等により除去する。また、洗浄
除去の手間をできるだけ少なくするために、あらかじめ
反応器内表面をゼオライト触媒が付着しにくい状態に保
つことも有効である。
【0016】触媒の排出及び洗浄の具体的手段として
は、排出を攪拌しながら行う、ハンマリングしながら排
出する、大部分の触媒を排出後、反応器を積極的に洗浄
するために、例えば反応液、触媒スラリー、水、加圧
水、圧縮空気、圧縮窒素、水蒸気、及び他の圧縮ガス等
から選ばれたものやこれらの組合せによる吹き付け洗
浄、酸やアルカリの水溶液などによる溶解洗浄、あるい
は通常の反応器の清掃、拭取り等の作業を行う、等の手
段のいずれかあるいはこれらの組合せによる手段を採用
することができる。この洗浄操作は反応液、触媒スラリ
ー又は水の少なくとも一つで行うのが好ましい。
【0017】また、あらかじめ反応器の接液部にゼオラ
イト触媒の付着を防止するのも有効である。ゼオライト
触媒は本発明の反応中に反応器内に極めて付着しやすい
という特徴を有するものである。それ故、反応停止後、
反応器内部の複雑な構造と相まって触媒の排出が困難と
なるのである。従って、本発明では、反応器の接液部へ
のゼオライトの付着を防止しておくのが好ましい。ここ
で「付着を防止する」とは、付着が全くない状態にする
ことのみならず、防止処理する以前より付着を少なくす
ることも含む。また、「反応器の接液部」とは、反応中
に反応器内壁の反応液に接し得る部分を指すだけでな
く、反応器内部の撹拌翼、撹拌軸などの反応器内部に設
置されたあらゆる設備も含むものである。但しこの付着
の防止処理については、これら反応器の接液部全てに亘
って行う必要はなく、その一部を処理したものでも良
い。従って本発明で反応器に残留する触媒量を3重量%
以下とするために、上記の洗浄とこの付着防止処理とを
組み合わせることも当然行われる。本発明では、特に反
応器の運転休止時に反応器の接液部へのゼオライト触媒
の付着量が、反応に使用するゼオライト触媒に対して3
重量%以下であるように処理するのが好ましい。この付
着防止処理の具体的方法としては、反応器内表面または
接液部をなめらかに加工したり、ライニングやコーティ
ングする方法が挙げられる。なめらかさの程度は、JI
S B 0601で規定されている表面粗さRyで表す
ことができる。該表面粗さRyは市販の装置で測定する
ことができ、例えば、触針式表面粗さ測定装置のランク
テーラーボブソン社製品のタリサーフ4型、東京精密社
製品のサーフコム103B等がある。測定方法はJIS
B0651で定められた方法を用いることができる。
本発明が適用されるゼオライト触媒の懸濁下に環状オレ
フィンと水とを反応させて環状アルコールを合成する反
応を行う反応器において、反応器内表面にゼオライト触
媒が付着しにくい状態に保つために必要な表面粗さの程
度は、通常上記の測定装置で測定した値が100μmR
y以下、好ましくは70μmRy以下、より好ましくは5
0μmRy以下、さらに好ましくは40μmRy以下、特
に好ましくは30μmRy以下、最も好ましくは20μ
mRy以下である。反応器の内表面が金属の場合は、該
反応器の製造工程中、特に削り加工、研磨加工等によっ
てなめらかにすることができる。具体的には、鍛造、鋳
造、ダイカスト、熱間圧延、冷間圧延、引き抜き、押し
出し、タンブリング、砂ふき、転造、フライス削り、平
削り、形削り、精密中ぐり、やすり仕上げ、丸削り、中
ぐり、きりもみ、ブローチ削り、リーマ通し、シェービ
ング、研削、ホーン仕上げ、超仕上げ、バフ仕上げ、ペ
ーパー仕上げ、ラップ仕上げ、液体ホーニング、バニシ
仕上げ、ローラ仕上げ、化学研磨、電解研磨等を挙げる
ことができるが、もちろんこれらの方法に限定されるも
のではない。また、反応中に反応液により徐々に反応器
内表面がなめらかになっていくということもありえる。
また他の方法としては、ライニングやコーティングによ
ってなめらかにする場合もあり、グラスライニング、樹
脂ライニングや樹脂コーティング等の反応器接液部の材
質を樹脂とすることが挙げられる。この樹脂としてはフ
ッ素樹脂が挙げられる。このフッ素樹脂としては、PT
FE、PFA、FEP、PVDF、ETFE、PCTF
E、ECTFEなどが挙げられる。該フッ素樹脂として
はテフロン(登録商標)が好ましい。このほか、反応中
に、反応器の気液界面の上方側の接液部に洗浄用液体を
流すことも有効である。例えば、反応器の上方から下方
に向かって器壁に沿って洗浄用液体を流すことが挙げら
れる。ゼオライト触媒の付着が起きやすいのは、特に気
液界面の直ぐ上であり、その原因は、この部分がゼオラ
イト触媒を含有する触媒スラリーの飛沫が付着しやすい
一方で乾燥もしやすいためと考えられる。従って、この
直上部分を洗浄用液体で湿らせれば、ゼオライト触媒の
強固な付着を抑えることができる。洗浄用液体は反応器
内壁に沿って流すことのほか、撹拌翼の軸を通じて流し
てもよく、内部に油水分離堰を設けた反応器の場合は、
その油水分離堰を通じて流し入れても良い。使用する洗
浄用液体としては、反応に悪影響を与えない範囲で種々
のものが使用できる。本発明では反応系に水の存在が必
須であり、かつ連続反応の場合に反応で消費された水に
相当する部分を供給する必要性があるので、この洗浄用
液体としては水を含むことが最も好ましい。上述した反
応器の接液部に触媒の付着を防止する方法としては、複
数を組み合わせて行っても良い。さらに、前記したよう
に反応器内部の構造が複雑化している場合には、反応器
内部の構造を、なるべく触媒の排出を妨げないようにす
ることも有効である。例えば、水平板の面積を小さくす
る、排出口に向けて多少傾斜を持たせる、液だまりがで
きないようにする、突起物は必要最小限にする等の方法
が挙げられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。 [比較例1] (シクロヘキセンの連続流通水和反応)図1に示すよう
な、反応器外に油水分離槽を有する連続流通反応装置を
用いてシクロヘキセンの水和反応を行った。すなわち、
内容積2000mlの攪拌装置付きステンレス製オート
クレーブ反応器3に、ゼオライト触媒としてH型ガロシ
リケート(SiO2/Ga23=50)100gと水2
50gを仕込み、系内を窒素ガス置換した。これを回転
数500rpmで攪拌しつつ、昇温して温度を120℃
とした後、供給管1よりシクロヘキセンを120g/h
rの速度で供給した。反応液を管4より取り出し、反応
器外部に設置した内容積30mlの油水分離槽5内で油
相と、触媒を含む水相に分離した後、水相は反応器3に
管7より戻し、一方、油相を管6より流出させた。ま
た、供給管2からは、水和反応で消費される水と管4か
ら油相への溶解成分として流出する水の合計量の水を供
給することにより、反応器3内の水量を一定に保った。
シクロヘキセン供給開始から5時間後における管6から
の流出油相中のシクロヘキサノール濃度は12.0重量
%であった。また、200時間経過後の流出油相中のシ
クロヘキサノール濃度は10.7重量%であった。な
お、反応器内面の表面粗さ(Ry)を触針式表面粗さ測
定器で測定したところ、61μmRyであった。
【0019】(水和反応の停止)シクロヘキセンの供給
開始から200時間後にシクロヘキセンの供給を停止し
た。反応器内の液温を120℃に保ったまま、水のみの
供給を続けた(100g/hr)。シクロヘキセン供給
停止と同時に回転数を200rpmにした。管4から流
出する液が、油相液から触媒を含む水相液に変わったと
ころで、反応器への水の供給も停止した。その後、反応
器3内の触媒を含む水相(触媒スラリー)を、その温度
を120℃に保ったまま、管8より、保存用ステンレス
製オートクレーブ(内容積1000ml、図示せず)に
移送した。
【0020】(触媒の排出)触媒スラリーを、保存用ス
テンレス製オートクレーブに移送した後、反応器を12
時間解放したままにした。触媒を排出したのみで、特に
洗浄は行わなかった。反応器に残った触媒は完全に乾燥
し、その重量は、供給した触媒の量と排出した触媒の量
との差から求めたところ、仕込み触媒の5.2重量%に
あたる5.2gであった。また、壁面を伝うようにゆっ
くりと水を流してふりかけ水洗した後の触媒付着量は、
上記と同様にして求めたところ、仕込み触媒の4.0重
量%にあたる4.0gであった。なお、乾燥した触媒
は、反応器の底部以外に、反応器内壁及び撹拌軸の気液
界面付近にも付着していた。
【0021】(連続流通反応の再開)上記触媒スラリー
を、前記したシクロヘキセンの連続流通水和反応で用い
たオートクレーブに所定の仕込量になるように濃縮して
仕込み、触媒水相スラリーを用いて前記と同じ条件にて
反応を再開した。原料シクロヘキセンの供給開始後5時
間経過後の流出油相中のシクロヘキサノール濃度は1
0.7重量%であったが、10時間経過後には10.2
重量%、30時間経過後は10.2重量%、80時間経
過後は9.8重量%、90時間経過後は9.3重量%、
200時間経過後は8.6重量%であった。以上のよう
に、運転の経過に対するシクロヘキサノール濃度のばら
つきが大きく、安定な成績での運転ができなかった。ま
た、触媒活性低下も大きかった。
【0022】[実施例1]比較例1において、ステンレ
ス製オートクレーブ内面を、#400研磨仕上げ(#1
20、#180、#230、#320、#400という
ように段階的に番手をあげて研磨)を行って、表面粗さ
を0.4μmRyとした反応器を用いて反応を行い、更
に反応後の触媒スラリーの排出後に、オートクレーブ内
面を激しい水流で付着した触媒を洗い落とした以外は比
較例1と同様にしてシクロヘキセンの連続流通水和反
応、反応の停止、触媒の排出、連続流通反応の再開を行
った。シクロヘキセンの連続流通水和反応では、シクロ
ヘキセン供給開始から5時間後の流出油相中のシクロヘ
キサノール濃度は12.0重量%であったが、200時
間経過後は11.8重量%であった。触媒を排出し、付
着触媒を洗い落とした後に、反応器に残っていた触媒量
を、供給した触媒量全量と、排出された触媒をすべて回
収してその差を求めることにより、測定したところ、仕
込み触媒重量の0.5重量%にあたる0.5gであっ
た。再開した連続流通水和反応における原料シクロヘキ
センの供給開始後5時間経過後のシクロヘキサノール濃
度は11.8重量%であったが、10時間経過後には1
1.8重量%、30時間経過後は11.8重量%、80
時間経過後は11.7重量%、90時間経過後は11.
7重量%、200時間経過後は11.5重量%であり、
流出油相中のシクロヘキサノール濃度の時間変化は殆ど
ばらつきがなく、安定な運転が行え、また触媒の活性低
下も僅かであった。
【0023】[実施例2]比較例1において、ステンレ
ス製オートクレーブ内面をテフロン(登録商標)コーテ
ィングした反応器を用い、更に触媒スラリーの排出後に
オートクレーブ内面を激しい水流によって反応器内面に
付着した触媒を洗い落とした以外は比較例1と同様にし
てシクロヘキセンの連続流通水和反応、反応の停止、触
媒の排出、連続流通反応の再開を行った。シクロヘキセ
ンの連続流通水和反応では、シクロヘキセン供給開始か
ら5時間後における流出油相中のシクロヘキサノール濃
度は12.0重量%であった。また、200時間経過後
の流出油相中のシクロヘキサノール濃度は11.8重量
%であった。反応を停止して、触媒を排出し、付着触媒
を洗い落とした後に、反応器に残っていた触媒量を、供
給した触媒量全量と、排出された触媒をすべて回収して
その差を求めることにより、測定したところ、仕込み触
媒重量の0.3重量%にあたる0.3gであった。再開
した連続流通水和反応におけるシクロヘキセンの供給開
始から5時間経過後のシクロヘキサノール濃度は11.
8重量%であったが、10時間経過後には11.8重量
%、30時間経過後は11.8重量%、80時間経過後
は11.7重量%、90時間経過後は11.7重量%、
200時間経過後は11.5重量%であった。このよう
に流出油相中のシクロヘキサノール濃度の時間変化はば
らつきがなく、安定に運転が行えた。また触媒の活性低
下もわずかであった。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法、すなわち、ゼオライト触
媒の懸濁下に環状オレフィンと水とを反応させて環状ア
ルコールを合成する方法において、反応を継続したのち
反応器から触媒を排出して反応器を休止するに当り、反
応器に残留するゼオライト触媒の量を乾燥ゼオライトに
換算して運転中に使用したゼオライト触媒量に対して3
重量%以下となるように排出することにより、休止した
反応器を運転を再開するときに、安定に運転することが
でき、しかも、運転再開直後の著しい活性低下を防止す
ることができ、工業的な環状アルコールの生産にとって
極めて有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例で用いた連続流通反応装置
の概略図を示す。
【図2】 本発明で使用することのできる連続流通反応
装置の一例の概略図を示す。
【図3】 本発明で使用することのできる連続流通反応
装置の一例の概略図を示す。
【図4】 本発明で使用することのできる連続流通反応
装置の一例の概略図を示す。
【符号の説明】
1:シクロヘキセン供給管 2:水供給管 3:反応器 4:反応液取り出し管 5:油水分離槽 6:油相取り出し管 7:水相戻し管 8:触媒スラリー抜き出し管 11:原料供給管 12:水供給管 13:水和反応器 14:油水分離器 15〜19:管 20:撹拌機 21:油水分離堰 22:管

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライト触媒の懸濁下に、環状オレフ
    ィンと水とを反応させて環状アルコールを製造する方法
    において、一定時間反応を継続したのち、反応器の運転
    を休止するに当り、反応器に残留するゼオライト触媒を
    乾燥重量換算で反応に使用するゼオライト触媒に対して
    3重量%以下となるように排出することを特徴とする環
    状アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応器の運転を休止したのち、再び反応
    を再開することを特徴とする請求項1に記載の環状アル
    コールの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応器内を洗浄することにより触媒を排
    出する請求項1又は2に記載の環状アルコールの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 反応器を反応液、触媒スラリー又は水の
    少なくとも一つで洗浄する請求項3に記載の環状アルコ
    ールの製造方法。
  5. 【請求項5】 反応器の接液部へのゼオライト触媒の付
    着を防止する請求項1ないし4に記載の環状アルコール
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応器の運転休止直後の反応器の接液部
    におけるゼオライト触媒の付着量が、乾燥重量換算で反
    応に使用するゼオライト触媒に対して3重量%以下であ
    る請求項1ないし5に記載の環状アルコールの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 反応器が、JIS B 0601で測定
    される接液部の表面粗さ(Ry)が100μmRy以下
    の金属である請求項1ないし6に記載の環状アルコール
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応器の接液部がフッ素樹脂である請求
    項1ないし7に記載の環状アルコールの製造方法。
  9. 【請求項9】 反応中に、反応器の気液界面の上方側の
    接液部に洗浄用液体を流す請求項1ないし8に記載の環
    状アルコールの製造方法。
  10. 【請求項10】 環状オレフィンが炭素数3〜10の環
    状オレフィンである請求項1ないし9に記載の環状アル
    コールの製造方法。
  11. 【請求項11】 環状オレフィンがシクロヘキセンであ
    る請求項1ないし10に記載の環状アルコールの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 ゼオライトがペンタシル型構造を有す
    る請求項1ないし11に記載の環状アルコールの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 ゼオライト触媒がZSMー5類及びZ
    SMー11類からなる群から選ばれる少なくとも一種で
    ある請求項1ないし12に記載の環状アルコールの製造
    方法。
  14. 【請求項14】 ゼオライト触媒が、以下の(1)、
    (2)及び(3)からなる群から選ばれる少なくとも一
    種である請求項1ないし13に記載の環状アルコールの
    製造方法。 (1)ZSMー5類、 (2)ZSMー11類 (3)ZSMー5類又はZSMー11類のアルミ原子の
    少なくとも一部がホウ素原子、ガリウム原子及び鉄原子
    からなる群から選ばれる少なくとも一種で置換されたゼ
    オライト
  15. 【請求項15】 ゼオライト触媒が、ZSMー5類又は
    その中のアルミ原子の少なくとも一部がホウ素原子、ガ
    リウム原子及び鉄原子からなる群から選ばれる少なくと
    も一種で置換されたゼオライトから選ばれる少なくとも
    一種である請求項1ないし14に記載の環状アルコール
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 水及びゼオライトを保持する反応器に
    環状オレフィンを連続的に供給する工程、反応系より反
    応生成物を連続的に取り出す工程、取り出した反応生成
    物を油水分離して環状オレフィン及び環状アルコールを
    含有する油相と水及びゼオライトを含有する水相とに分
    離する工程、水相の少なくとも一部を反応器に戻す工程
    を有する請求項1ないし15のいずれかに記載の環状ア
    ルコールの製造方法。
  17. 【請求項17】 水及びゼオライトを保持し、且つ油水
    分離機能を有する反応器に環状オレフィンを連続的に供
    給する工程、反応器内で油水分離しされた環状オレフィ
    ン及び環状アルコールを含有する油相を連続的に抜き出
    す工程を有する請求項1ないし15のいずれかに記載の
    環状アルコールの製造方法。
  18. 【請求項18】 抜き出された油相を蒸留分離し、塔頂
    から環状オレフィンを取り出し、塔底から環状アルコー
    ルを取り出すと共に、取り出した環状オレフィンを反応
    器に戻す請求項16又は17に記載の環状アルコールの
    製造方法。
  19. 【請求項19】 反応温度を50〜300℃とする請求
    項1ないし18のいずれかに記載の環状アルコールの製
    造方法。
  20. 【請求項20】 反応圧力を5MPa以下とする請求項
    1ないし19のいずれかに記載の環状アルコールの製造
    方法。
JP10008210A 1997-02-03 1998-01-20 環状アルコールの製造方法 Pending JPH10273458A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5867403B2 (ja) * 2010-10-01 2016-02-24 宇部興産株式会社 炭化水素化合物の酸化物の製造方法及び製造装置

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