JPH10272945A - 前後輪駆動車 - Google Patents

前後輪駆動車

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JPH10272945A
JPH10272945A JP8143197A JP8143197A JPH10272945A JP H10272945 A JPH10272945 A JP H10272945A JP 8143197 A JP8143197 A JP 8143197A JP 8143197 A JP8143197 A JP 8143197A JP H10272945 A JPH10272945 A JP H10272945A
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JP
Japan
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connection
mode
clutch
state
switching
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8143197A
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English (en)
Inventor
Shigeyuki Yoshida
茂之 吉田
Masayoshi Nishimori
政義 西森
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2輪駆動状態から前後輪駆動状態への切換え
をスムース且つ迅速に実現可能な前後輪駆動車を提供す
る。 【解決手段】 第1車輪側に駆動力を伝達する第1伝達
部材と、第1伝達部材に連結手段を介して連結され、第
2車輪側に駆動力を伝達する第2伝達部材と、第1伝達
部材と第2伝達部材とを連結可能なクラッチ手段と、車
両の駆動状態を2輪駆動状態と前後輪駆動状態とに切換
えるべく切換信号を出力する駆動切換指令手段と、駆動
切換指令手段からの切換信号に基づき連結手段を連結状
態と非連結状態とに切換える連結切換手段(S442,S444)
と、駆動切換指令手段により2輪駆動状態から前後輪駆
動状態への切換信号が出力されると、連結切換手段によ
る連結手段の第1伝達部材と第2伝達部材との連結切換
操作が行われるまでクラッチ手段を係合制御するクラッ
チ制御手段(S434)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、前輪及び後輪が
共に駆動される前後輪駆動車に係り、特にトランスファ
装置を有した4輪駆動車の駆動制御に関する。
【0002】
【関連する背景技術】4輪駆動車等の前後輪駆動車で
は、通常、特公平8−25402号公報等に開示される
ように、エンジンの駆動力を前輪側と後輪側とに分配す
る差動装置を有したトランスファ装置を備えている。こ
の種のトランスファ装置では、切換え機構を介して駆動
モードを2輪駆動(2WD)、フルタイム4輪駆動(フ
ルタイム4WD)、及び直結4輪駆動(直結4WD)の
何れかに切換え可能とされている。詳しくは、複数のク
ラッチギヤをカップリングスリーブによって掴み換える
ことによって所望の駆動モードを得るようにしている。
【0003】しかしながら、このようなトランスファ装
置では、駆動モードを2輪駆動(2WD)からフルタイ
ム4輪駆動(フルタイム4WD)或いは直結4輪駆動
(直結4WD)等に切換える際、つまり複数のクラッチ
ギヤの掴み換えを行う際において、車両の走行状態によ
っては、係合しようとするクラッチギヤ同士が必ずしも
同期していない場合がある。このようにクラッチギヤ同
士が同期していないとカップリングスリーブが良好に作
動せず、故にクラッチギヤの掴み換えを行うことができ
ない虞がある。また、カップリングスリーブとクラッチ
ギヤとの衝突によって異音等が発生したりクラッチギヤ
が破損する虞もある。
【0004】そこで、このような問題を解決すべく、通
常は、係合に寄与するクラッチギヤ同士を同期させるべ
くシンクロ機構を用いるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
シンクロ機構を用いるようにしても、例えば、エンジン
からトランスファ装置への入力トルクが大きい場合にあ
っては、トランスファ装置の駆動モードを切換えようと
しても、カップリングスリーブを移動させることができ
ないため、駆動モードの切換えが不可能であり、車両の
走行状態や運転者の意図に適応しない状態で走行しなけ
ればならない。また、このときに、無理に駆動モードを
切換えようとすると、異音が発生したりクラッチギヤが
破損する虞がある。また、前輪と後輪の回転速度差が大
きいような場合において、クラッチギヤ同士を素早く同
期させることはやはり困難であり、異音等の発生を抑え
られず、さらには駆動モードの切換えに手間取る虞があ
る。
【0006】特に、車両が悪路走行に入る等して、駆動
モードを直ぐに2輪駆動(2WD)からフルタイム4輪
駆動(フルタイム4WD)或いは直結4輪駆動(直結4
WD)等に切換えたいような場合において駆動モードの
切換えに手間取ることは車両の走行性能の悪化に繋がり
好ましいことではない。本発明は上述した事情に基づき
なされたもので、その目的とするところは、2輪駆動か
ら前後輪駆動への駆動モードの切換えを異音等なくスム
ース且つ迅速に実現可能な前後輪駆動車を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、駆動切換指令手段から切換信
号が出力されると、これに基づき第1伝達部材と第2伝
達部材とを連結する連結手段が連結切換手段によって連
結状態と非連結状態とに切換えられるのであるが、駆動
切換指令手段により第1車輪による2輪駆動状態から第
1及び第2車輪による前後輪駆動状態への切換信号が出
力された場合には、連結切換手段により連結手段が第1
伝達部材と第2伝達部材とを連結するまでクラッチ制御
手段によってクラッチ手段が係合制御される。
【0008】これにより、連結切換手段による連結手段
の第1伝達部材と第2伝達部材との連結切換操作が実際
に行われる前の時点からクラッチ手段の係合により第1
伝達部材から第2伝達部材へ駆動力が伝達されることに
なり、迅速に前後輪への駆動力の伝達が行われ、その後
連結手段の連結切換操作が行われることにより、所望の
駆動モードが達成される。
【0009】また、請求項2の発明では、駆動切換指令
手段から駆動輪切換信号が出力されると、これに基づき
第2出力要素と第3伝達部材とを連結する第1連結手段
が連結切換手段によって連結状態と非連結状態とに切換
えられるのであるが、第2連結手段が連結状態にあると
きに、駆動切換指令手段により第1車輪による2輪駆動
状態から第1及び第2車輪による前後輪駆動状態への駆
動輪切換信号が出力された場合には、連結切換手段によ
り第1連結手段が連結されるまでクラッチ制御手段によ
ってクラッチ手段が係合制御される。
【0010】これにより、連結切換手段による第1連結
手段の第2出力要素と第3伝達部材との連結切換操作が
実際に行われる前の時点からクラッチ手段の係合により
入力要素または第1出力要素から第3伝達部材へ駆動力
が伝達されることになり、迅速に前後輪への駆動力の伝
達が行われ、その後第1連結手段の連結切換操作が行わ
れることにより、所望の駆動モードが達成される。
【0011】また、請求項3の発明では、駆動切換指令
手段から直結切換信号が出力されると、これに基づき第
2連結手段が連結状態と非連結状態とに切換えられるの
であるが、第1連結手段が連結状態にあるときに、駆動
切換指令手段により差動装置の非直結状態から直結状態
への切換信号が出力された場合には、連結切換手段によ
り第2連結手段が連結されるまでクラッチ制御手段によ
ってクラッチ手段が係合制御される。
【0012】これにより、連結切換手段による第2連結
手段の連結切換操作が実際に行われる前の時点からクラ
ッチ手段の係合により差動装置の差動を制限して直結状
態に近い状態で前後輪へ駆動力が伝達されることにな
り、迅速に前後輪差動が制限され、その後第2連結手段
の連結切換操作が行われることにより、所望の駆動モー
ドが達成される。
【0013】また、請求項4の発明では、前後輪回転速
度差、即ち第1伝達部材と第2伝達部材間(請求項
1)、或いは第2出力要素と第3伝達部材間(請求項
2)、或いは第2連結手段により連結される要素間(請
求項3)での回転速度差の大きさに応じて適正にクラッ
チ手段が係合制御されることになり、第1伝達部材と第
2伝達部材との、または第2出力要素と第3伝達部材と
の、または第2連結手段により連結される要素同士の同
期が速やかに実現される。
【0014】また、請求項5の発明では、連結判定手段
により連結可能と判定されたときに上記第1連結手段ま
たは上記第2連結手段を連結状態に切換えることになる
であるが、少なくとも連結可能と判定されるまで、クラ
ッチ制御手段によりクラッチ手段が係合制御される。こ
れにより、連結切換手段による第1連結手段または第2
連結手段の連結切換操作が実際に行われる以前より、ク
ラッチ手段の係合により入力要素または第1出力要素か
ら第3伝達部材への駆動力の伝達、或いは差動装置の差
動制限が迅速に行われ、その後連結判定手段により連結
可能と判定され連結切換操作が行われることにより、当
該連結切換操作が異音等なくスムースに実現されて、所
望の駆動モードが達成される。
【0015】このとき、例えば、前記連結判定手段は、
前後輪回転速度差を検出する前後輪回転速度差検出手段
を有し、該前後輪回転速度差が所定値よりも小であると
きに連結可能と判定するとよい。この場合、前後輪回転
速度差が所定値よりも大であるときには、第2出力要素
と第3伝達部材との連結、或いは第2連結手段により連
結される部材間の連結が的確に連結不可能と判定され、
故に第1連結手段や第2連結手段の連結切換操作が好適
に禁止されてこれら第1連結手段や第2連結手段の破損
等が防止される。
【0016】また、例えば、前記連結判定手段は、低速
旋回状態を検出する低速旋回状態検出手段を有し、低速
旋回状態が検出されると連結不可能と判定してもよい。
この場合、車両が低速でハンドル角大きく旋回している
ような場合には、第2出力要素と第3伝達部材間の連結
または第2連結手段により連結される部材間の連結が的
確に連結不可能と判定され、故に第1連結手段や第2連
結手段の連結切換操作が好適に禁止されてこれら第1連
結手段や第2連結手段の破損等が防止される。
【0017】また、請求項6の発明では、入力トルクが
規定値よりも小であるときに上記第1連結手段または上
記第2連結手段が連結可能と判定されることになり、つ
まり、差動装置の入力要素や第1出力要素や第2出力要
素や第3伝達部材に大きな駆動力負荷が掛かっているよ
うなときには的確に連結不可能と判定され、故に第1連
結手段や第2連結手段の連結切換操作が好適に禁止され
てこれら第1連結手段や第2連結手段の破損等が防止さ
れる。
【0018】好ましくは、前記連結判定手段は、車体速
を検出する車体速検出手段を有し、前記規定値は、該車
体速が大きいほど大きな値に設定されているのがよい。
この場合、通常、入力トルクは車体速の増加に伴って増
大する傾向にあり、これに応じて規定値を変化させるこ
とで、第1連結手段や第2連結手段の破損等がより良好
に防止される。
【0019】また、請求項7の発明では、駆動切換指令
手段から切換信号が出力されると、これに基づき第3連
結手段が連結切換手段によって連結状態と非連結状態と
に切換えられるのであるが、駆動切換指令手段により差
動装置の非直結状態から直結状態への切換信号が出力さ
れた場合には、連結切換手段により第3連結手段が連結
されるまでクラッチ制御手段によってクラッチ手段が係
合制御される。
【0020】これにより、連結切換手段により第3連結
手段の連結切換操作が実際に行われる前の時点からクラ
ッチ手段の係合により差動装置の差動制限が行われるこ
とになり、迅速に前後輪へ同等の駆動力の伝達が行わ
れ、その後第3連結手段の連結切換操作が行われること
により、所望の駆動モードが達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】先ず、実施例1(請求項2に対
応)について説明する。図1を参照すると、フロントエ
ンジン後輪駆動(FR)タイプの4輪駆動(前後輪駆
動)の車両が概要的に示され、図2を参照すると、その
制御ブロック図が示されており、先ずこれらの図を参照
して本発明の適用される4輪駆動車両(前後輪駆動車)
の駆動系について説明する。
【0022】図1に示すように、この車両はエンジン2
を備えており、エンジン2は変速機4を介して4WD用
のトランスファ装置6、つまり、その入力軸8に接続さ
れている。トランスファ装置6の詳細は後述するが、ト
ランスファ装置6は入力軸8の駆動力が伝達される後輪
側出力軸10及び前輪側のトランスファスプロケット1
2を有しており、後輪側出力軸10はリアプロペラシャ
フトを介して後輪デファレンシャル装置(後輪デフ)1
4に接続されている。後輪デフ14からは左右一対の後
車軸が延び、これら後車軸に左右の後輪RW(第1車
輪)がそれぞれ接続されている。一方、トランスファス
プロケット12からはフロントプロペラシャフト16が
延びており、フロントプロペラシャフト16は前輪デフ
ァレンシャル装置(前輪デフ)18に接続されている。
前輪デフ18からは左右一対の前車軸が延び、これら前
車軸に左右の前輪FW(第2車輪)がそれぞれ接続され
ている。
【0023】図1でみて、右前車軸はその途中にて分割
され、この分割された部分にはフリーホイールハブ機構
(HAB)19が設けられている。フリーホイールハブ
機構19では、分割端のそれぞれにクラッチギヤ20,
22が取り付けられている。図1に示す状態では、クラ
ッチギヤ20,22はカップリングスリーブ24により
相互に連結されている。つまり、カップリングスリーブ
24はその内周面にクラッチギヤ20,22と噛み合い
可能な内歯が形成され、その内歯がクラッチギヤ20,
22の双方と噛み合っている。この場合、分割された右
前車軸は一体にして回転することができる。
【0024】カップリングスリーブ24は車体側の図示
しない支持部材に対し、右前車軸の軸線方向に摺動自在
に支持されている。カップリングスリーブ24のフォー
ク溝にはシフトフォーク26のフォーク先端が嵌合され
ており、シフトフォーク26の基端はバキュームアクチ
ュエータ28の出力ロッド30に連結されている。バキ
ュームアクチュエータ28はそのハウジング内を負圧室
32と大気室とに区画するダイヤフラムを備えており、
このダイヤフラムに出力ロッド30が接続されている。
負圧室32には、図示しない電磁切換えバルブにより大
気又は負圧が選択的に供給可能となっており、また、負
圧室32には復帰ばね34が収容されている。負圧室3
2に大気が供給されているとき、復帰ばね34はダイヤ
フラムを介して出力ロッド30を一方向に付勢してお
り、カップリングスリーブ24を通常のロック(LOC
K)位置、つまり、クラッチギヤ20,22を相互に連
結する位置に位置付けている。これに対し、負圧室32
に負圧が供給されると、この負圧は復帰ばね34の付勢
力に抗してダイヤフラムを引き付け、出力ロッド30を
図1でみて左側に押し出す。従って、カップリングスリ
ーブ24はロック(LOCK)位置からフリー(FRE
E)位置にシフトされ、クラッチギヤ20,22間の接
続が断たれる結果、右前輪FWは前輪デフ18から分離
される。なお、バキュームアクチュエータ28の負圧室
32には、負圧がエンジン2の吸気系から前述した電磁
切換えバルブを介して供給される。
【0025】また、図中符号25はフリーホイールハブ
機構19の状態、即ちロック(LOCK)状態、フリー
(FREE)状態を検出するフリーホイールハブエンゲ
ージスイッチである。次にトランスファ装置について説
明する。図3を参照するとトランスファ装置6の実際の
構造が断面で示されており、以下この図3をも参照して
本発明に係るトランスファ装置6の構成を説明する。
【0026】トランスファ装置6は、変速機4の出力軸
に接続された入力軸8と、この入力軸8と同軸上に位置
した中間軸36とを備えている。入力軸8及び中間軸3
6はトランスファ装置6のトランスファケース側に互い
に独立して回転自在に支持されている。入力軸8と中間
軸36との間には副変速機構38が配置されている。詳
しくは、副変速機構38は一対のクラッチギヤ40及び
クラッチギヤ42を有しており、これらクラッチギヤ4
0,42は入力軸8及び中間軸36の互いに対向する端
部にそれぞれ取り付けられている。クラッチギヤ40,
42は入力軸8及び中間軸36とそれぞれ一体に回転す
る。また、中間軸36はクラッチギヤ44を回転自在に
支持しており、クラッチギヤ44にはローギヤ46が同
軸且つ一体にして備えられている。ローギヤ46はカウ
ンタギヤ48に噛み合っており、カウンタギヤ48はカ
ウンタシャフト50の一端に取り付けられている。カウ
ンタシャフト50は入力軸8及び中間軸36と並列にし
て配置され、トランスファケース側に回転自在に支持さ
れている。カウンタシャフト50の他端は、一対のギヤ
52及びギヤ54を介して入力軸8に接続されている。
従って、入力軸8の回転は、一対のギヤ52,54、カ
ウンタシャフト50及びカウンタギヤ48を介してロー
ギヤ46に伝達される。この際、ローギヤ46の歯数は
カウンタギヤ48の歯数よりも多く設定されているた
め、ローギヤ46はカウンタシャフト50の回転より減
速して回転される。故に、入力軸8の回転は、ギヤ5
2、カウンタシャフト50、カウンタギヤ48を介して
減速して中間軸36側に伝達可能とされている。
【0027】クラッチギヤ40,42,44の外側に
は、前述したカップリングスリーブ24と同様に構成さ
れたカップリングスリーブ56が配置されており、カッ
プリングスリーブ56は、入力軸8及び中間軸36に沿
って摺動自在に支持されている。図1及び図3に示す状
態では、カップリングスリーブ56はクラッチギヤ4
0,42に噛み合い、これらクラッチギヤ40,42を
相互に連結した位置(ハイギヤ位置)としている。この
場合、入力軸8はクラッチギヤ40,42を介して中間
軸36に接続され、入力軸8の回転は中間軸36に直接
的に伝達される。これに対し、カップリングスリーブ5
6がハイギヤ位置から図1でみてクラッチギヤ44側に
シフトされると、カップリングスリーブ56はクラッチ
ギヤ42,44を相互に連結する位置(ローギヤ位置)
に位置付けられる。つまり、カップリングスリーブ56
は、ローギヤ位置ではクラッチギヤ40,42間の接続
を断つ一方、クラッチギヤ42,44に噛み合い、これ
らクラッチギヤ42,44間を相互に接続する。この場
合、入力軸8の回転は、上述したように、カウンタシャ
フト50側からカウンタギヤ48、ローギヤ46、クラ
ッチギヤ44,カップリングスリーブ56およびクラッ
チギヤ42を介して中間軸36に減速して伝達される。
【0028】カップリングスリーブ56にはシフトフォ
ーク58が係合されており、このシフトフォーク58は
電動型のシフトアクチュエータ60により往復動可能と
なっている。シフトアクチュエータ60に関しては後述
する。また、中間軸36は、遊星歯車機構からなるセン
タデファレンシャル装置(センタデフ:差動装置)62
を介して後輪側出力軸10に接続されている。詳しく
は、センタデフ62はリングギヤからなるデフケース
(第1出力要素)64と、このデフケース64に複数の
遊星ギヤ66を介して噛み合うサンギヤ68と、遊星ギ
ヤ66を回転自在に支持するキャリア(入力要素)70
とを備えており、このキャリア70には中間軸36の他
端が同軸にして連結されている。そして、デフケース6
4から後輪側出力軸10が同軸にして延びている。セン
タデフ62のサンギヤ68は、インナスリーブ軸(第2
出力要素)72の一端に取り付けられており、このイン
ナスリーブ軸72は中間軸36上に回転自在に支持され
ている。センタデフ62は、中間軸36からの回転入力
つまり駆動力を前輪FWへの出力部材であるインナスリ
ーブ軸72及び後輪RWへの出力部材であるデフケース
64にそれぞれ伝達することかでき、この場合、センタ
デフ62のギヤ比は、駆動力配分を前輪FW側が30
%、後輪RW側が70%となるように設定されている。
【0029】センタデフ62のインナスリーブ軸72は
入力軸8に向けて延び、その他端にはクラッチギヤ74
が取り付けられている。さらに、インナスリーブ軸72
上にはアウタスリーブ軸(第3伝達部材)76が回転自
在に支持されており、アウタスリーブ軸76はセンタデ
フ62側からインナスリーブ軸72のクラッチギヤ74
に向けて延びている。クラッチギヤ74側に位置したア
ウタスリーブ軸76の端部にはクラッチギヤ78が形成
されており、また、中間軸36にはクラッチギヤ78と
の間にインナスリーブ軸72のクラッチギヤ74を挟む
ようにしてクラッチギヤ80が取り付けられている。
【0030】クラッチギヤ74,78,80の外側に
は、カップリングスリーブ(第1連結手段及び第2連結
手段)82が配置されており、カップリングスリーブ8
2は中間軸36の軸線方向に摺動自在にして支持されて
いる。カップリングスリーブ82はその内周面に周溝を
有し、故にその内歯は図1に示すように2つの部分82
a,82bに分離されている。
【0031】なお、ここでは、カップリングスリーブ8
2にクラッチギヤ74,78を相互に連結する第1連結
手段とクラッチギヤ74,80を相互に連結する第2連
結手段の二つの機能を持たせるようにしたが、カップリ
ングスリーブ82を分割し、第1連結手段と第2連結手
段とをそれぞれ個別に備えるようにしてもよい。図1及
び図3に示す状態にあるとき、カップリングスリーブ8
2の第1連結手段部分はクラッチギヤ74,78に噛み
合い、これらクラッチギヤ74,78を互いに連結した
位置(フルタイム4WD位置、非直結状態)に位置付け
ている。このとき、クラッチギヤ80はカップリングス
リーブ82の上記周溝内に位置しており、これらクラッ
チギヤ80とカップリングスリーブ82との間の噛み合
いは解除されている。カップリングスリーブ82がフル
タイム4WD位置からクラッチギヤ80側にシフトして
第2連結手段部分がクラッチギヤ74,80に噛み合う
位置(2WD位置)に位置付けられると、これらクラッ
チギヤ74,80を互いに連結する一方、クラッチギヤ
74,78間の連結を断つ。これに対し、カップリング
スリーブ82がフルタイム4WD位置から逆方向にシフ
トしてクラッチギヤ74,78,80の全てに同時に噛
み合う位置(直結4WD位置、直結状態)に位置付けら
れると、これら全てを相互に連結する。カップリングス
リーブ82もまたシフトフォーク84に係合されてお
り、このシフトフォーク84もシフトアクチュエータ
(連結切換手段)60により往復動される。
【0032】前述したアウタスリーブ軸76には前輪F
W側へ駆動力を伝達する出力スプロケット85が取り付
けられており、出力スプロケット85と前述したトラン
スファスプロケット12との間に駆動チェーン86が掛
け回されている。さらに、アウタスリーブ軸76とセン
タデフ62のデフケース64との間には、油圧多板クラ
ッチ(クラッチ手段)88が配設されており、油圧多板
クラッチ88は調圧通路190(図3参照)を介して電
磁バルブ(図示せず)を内蔵したバルブボディ90に液
圧的に接続されている。故に、油圧多板クラッチ88は
バルブボディ90から供給される油圧、即ち、クラッチ
圧の大きさに応じてアウタスリーブ軸76とデフケース
64との間の接続を断続するとともに、デフケース64
からアウタスリーブ軸76へのトルク伝達を可変するこ
とが可能とされている。バルブボディ90には、前述し
たカウンタシャフト50の端部に接続されてカウンタシ
ャフト50の回転により油圧を発生するオイルポンプ9
2が管路127,129を介して液圧的に接続されてお
り(図3参照)、これにより、バルブボディ90の電磁
バルブの開閉度合に応じて油圧が油圧多板クラッチ88
に供給可能とされている。
【0033】ここでシフトアクチュエータ60について
説明する。図1に示すように、シフトアクチュエータ6
0はモータユニット202を備えており、モータユニッ
ト202はユニットケース内に正逆回転可能な電動モー
タ204を有している。シフトアクチュエータ60の電
動モータ204は、図2に示すように、電子コントロー
ルユニット(ECU)94に電気的に接続され、ECU
94からの制御信号を受けて、その駆動及び回転方向が
制御される。電動モータ204の出力軸にはピニオン2
06が取り付けられており、ピニオン206はラック2
08に噛み合わされている。ラック208は、前述した
トランスファ装置6の軸線と平行に延び、ユニットケー
スに摺動自在に支持されている。
【0034】また、ラック208は、モータユニット2
02のユニットケースから突出してメインシフトレール
210に一体に連結されている。そして、メインシフト
レール210の近傍には、メインシフトレール210と
平行にして一対のサブシフトレール212,214が配
置されている。これらサブシフトレール212,214
は互いに同軸上に位置し且つ所定の間隔を存して離間さ
れている。一方のサブシフトレール212には前述した
シフトフォーク58が取り付けられており、他方のサブ
シフトレール214にはシフトフォーク84が取り付け
られている。なお、メインシフトレール210及び一対
のサブシフトレール212,214は、トランスファ装
置6のトランスファケース内にて、複数のレール受け
(図示せず)に摺動自在に支持されている。
【0035】メインシフトレール210とサブシフトレ
ール212,214間には、それぞれピニオン232,
234が配置されており、これらピニオン232,23
4は上記レール受けに設けた軸受部(図示せず)に回転
自在に支持されている。サブシフトレール212にはラ
ック部236が形成されており、このラック部236は
ピニオン232に常時噛み合っている。また、サブシフ
トレール214にも同様にラック部238が形成されて
おり、このラック部238もまたピニオン234に常時
噛み合っている。一方、メインシフトレール210に
は、ピニオン232,234とそれぞれ協働するように
して一対のラック部240,242がメインシフトレー
ル210の軸線方向に離間して形成されている。なお、
これらラック部240,242は、これらの間にもラッ
ク歯を形成した一つの連続ラック部であってもよい。
【0036】図1の状態(フルタイム4WD状態)にあ
るとき、メインシフトレール210のラック部240は
ピニオン232とは噛み合っておらず、図1でみてピニ
オン232の下側に位置付けられている。一方、ラック
部242は図1でみてその中央部にてピニオン234と
噛み合っている。図2に示すように、ECU94の入力
側には、各種のセンサ、スイッチやインジケータ等が電
気的に接続されている。センサとしては、車体の前後加
速度(前後G)Gxを検出する前後Gセンサ96、エン
ジン2におけるスロットルバルブの開度(スロットル開
度)θTHを検出するスロットル開度センサ98、ステア
リングハンドルのハンドル角θHを検出するハンドル角
センサ100及び回転速度センサ102、104,10
6等がある。
【0037】一方、ECU94の出力側には、上記バル
ブボディ90の電磁バルブ、バキュームアクチュエータ
28のための電磁切換えバルブ及びシフトアクチュエー
タ60の電動モータ204等の装置が接続されており、
これらの装置は、当該ECU94により上記各種センサ
等からの信号に応じて作動制御される。回転速度センサ
102について説明すると、図1及び図3に示すよう
に、後輪側出力軸10の外側には同心にして且つ外周面
にねじ歯車122の形成されたリング部材120が設け
られており、回転速度センサ102は、この後輪側出力
軸10と一体的に回転するリング部材120の回転速度
を検出するようにされている。詳しくは、回転速度セン
サ102には、ねじ歯車124の形成された検出軸とこ
の検出軸に同軸にして同期回転可能なリング多極マグネ
ット(図示せず)とがさらに設けられており、回転速度
センサ102は、上記ねじ歯車122とねじ歯車124
との噛み合いによって検出軸と同期回転するリング多極
マグネットの回転を磁気抵抗素子によって検出し、この
検出信号をECU94に出力することで後輪側出力軸1
0、即ちリヤプロペラシャフトの回転速度を検出可能と
なっている。
【0038】また、回転速度センサ104は、右前輪F
W近傍の右前車軸に取り付けた検出用ギヤ110の回転
数から右前輪FWの回転速度を検出するものであり、回
転速度センサ106はトランスファスプロケット12の
回転数からトランスファ装置6の出力回転速度、即ちフ
ロントプロペラシャフト16の回転速度を検出するもの
である(図1参照)。
【0039】ECU94に接続されるスイッチとして
は、ブレーキペダルに設けられたブレーキスイッチ11
2、シフトアクチュエータ60の作動状態を検出するト
ランスファポジションスイッチ(T/Fポジションスイッ
チ)114(図1参照)、駆動モード切換スイッチ11
5、変速機4のセレクト位置(パーキングレンジ、ニュ
ートラルレンジ、ドライブレンジ等)を検出するインヒ
ビタスイッチ108や上記フリーホイールハブエンゲー
ジスイッチ25等がある。駆動モード切換スイッチ11
5は、車室のインストルメントパネルに配置された手動
型のトランスファ装置6の駆動モード切換用のロータリ
スイッチであり、2WDを示す2H位置、オートモードを
示すAUTO位置、フルタイム4WDを示す4H位置、ハイギ
ヤ位置での直結4WD、即ちハイ直結4WDを示す4HLc
位置及びローギヤ位置での直結4WD、即ちロー直結4
WDを示す4LLc位置の5つの切換位置Pswを有し、その
切換位置に対応した指令信号をEUC94に出力する。
さらに、図2に示すように、インストルメントパネルに
は駆動モード切換スイッチ115の近傍に4WDインジ
ケータ116が組み込まれており、4WDインジケータ
116はトランスファポジションスイッチ114により
検出された駆動状態に対応したトランスファ装置6の駆
動モードを表示可能となっている。
【0040】さらに、ECU94にはエンジン2の出力
情報も供給されており、このエンジン出力情報は、エン
ジン2の回転速度Ne、スロットル開度θTH及び燃料の
供給量等に基づき算出されるものである。以下、このよ
うに構成された4輪駆動車両(前後輪駆動車)のトラン
スファ装置6及びフリーホイールハブ機構(HAB)1
9の作動制御の制御手順、即ち2WD、フルタイム4W
D、ハイ直結4WD、ロー直結4WD間の駆動切換制御
の制御手順を図4乃至図31に基づき説明する。
【0041】図4乃至図6は、駆動切換制御のメインル
ーチンを示すフローチャートであり、以下、当該メイン
ルーチンに沿って説明する。ステップS2では、先ず、
各種パラメータ値の初期化、即ちイニシャライズを行
う。そして、ステップS4において、当該ルーチンの実
行周期タイマTMAが所定周期TA(例えば、16msecに
応じた値)となったか否かを判別する。そして、この判
別結果が偽(No)で未だ所定周期TAに達していない
場合には、ステップS5で実行周期タイマTMAをカウ
ントアップし、実行周期タイマTMAが所定周期TAとな
るのを待つ。一方、判別結果が真(Yes)で所定周期
TAに達した場合には、次にステップS6に進み、上記
各種センサ類からの入力情報を取り込む。
【0042】次のステップS8では、駆動モード切換ス
イッチ115の切換位置Pswが2H位置であるか否かを判
別する。判別結果が真(Yes)で切換位置Pswが2H位
置(Psw=2H)である場合には、次にステップS10に
進む。ステップS10では、切換位置Pswに基づく駆動
モード、即ち駆動モード指令を2WDモード(MODE
=2H)として記憶し、セレクトモードをマニュアルモ
ード(SELECT=MANU)として記憶する。な
お、セレクトモードは、切換位置PswがAUTO位置でない
場合には全てマニュアルモード(SELECT=MAN
U)とされる。
【0043】ステップS8の判別結果が偽である場合に
は、ステップS12において切換位置PswがAUTO位置で
あるか否かを判別する。判別結果が真である場合には、
ステップS13において、セレクトモードをオートモー
ド(SELECT=AUTO)として記憶する。なお、
本システムでは、イグニションがオンとされた時点でセ
レクトモードがオートモードとされている場合には、駆
動モードを先ずフルタイム4WDモードに設定するよう
に設計されており、故にイグニションオン直後にあって
は、駆動モード指令を4WDの初期状態、即ちフルタイ
ム4WDモード(MODE=4H)として記憶すること
になる。
【0044】ステップS12の判別結果が偽である場合
には、ステップS14において切換位置Pswが4H位置で
あるか否かを判別する。判別結果が真である場合には、
ステップS15において、駆動モード指令をフルタイム
4WDモード(MODE=4H)として記憶し、セレク
トモードを上記ステップS10の場合と同様にマニュア
ルモード(SELECT=MANU)として記憶する。
【0045】ステップS14の判別結果が偽である場合
には、ステップS16において切換位置Pswが4HLc位置
であるか否かを判別する。判別結果が真である場合に
は、ステップS18において、駆動モード指令をハイ直
結4WDモード(MODE=4HLc)として記憶し、
セレクトモードを上記ステップS10の場合と同様にマ
ニュアルモード(SELECT=MANU)として記憶
する。
【0046】ステップS16の判別結果が偽である場合
には、ステップS20において切換位置Pswが4LLc位置
であるか否かを判別する。判別結果が真である場合に
は、ステップS22において、駆動モード指令をロー直
結4WDモード(MODE=4LLc)として記憶し、
セレクトモードをやはりマニュアルモード(SELEC
T=MANU)として記憶する。
【0047】図5のステップS24では、上記のように
して記憶されたセレクトモードがオートモード(SEL
ECT=AUTO)であるか否かを判別する。上記ステ
ップS12を経てステップS13が実行された場合に
は、当該ステップS24の判別結果は真(Yes)であ
ってセレクトモードはオートモードであり、この場合に
は、次にステップS26に進む。
【0048】駆動モード切換スイッチ115の切換位置
PswがAUTO位置で、セレクトモードがオートモードであ
る場合には、上記駆動モード指令はフルタイム4WDモ
ード(MODE=4H)の他、2WDモード(MODE
=2H)、ハイ直結4WDモード(MODE=4HL
c)に自動的に切換え可能とされている。そこで、ステ
ップS26では、オートモードでの現在の駆動モード指
令が先ず2WDモードであるか否かを判別する。判別結
果が真(Yes)の場合には、次にステップS28に進
む。
【0049】駆動モード指令が2WDモードである場合
には、ステップS28において、2WD解除条件が成立
したか否か、つまり2WDモードを抜けて4WDモード
に切換わる条件が成立したか否かの判定を行う。ここで
は、実際には、図7及び図8に示す2WD解除条件のサ
ブルーチン(駆動切換指令手段)が実行される。2WD
解除条件のパラメータとしては、車速(車体速)V、リ
アプロペラシャフトとフロントプロペラシャフト16と
の回転速度差(以下、ペラ回転差という)の絶対値|Δ
Vc|、走行負荷抵抗fv、悪路度合akuro及びスポーテ
ィ度合sportがあり、これらのパラメータに基づいて2
WD解除条件が成立したか否かが判別される。
【0050】なお、2WDモードでの走行時には、フロ
ントプロペラシャフト16は回転していないため、右前
輪FWの回転速度より仮想のフロントプロペラシャフト
16の回転速度を検出し、この仮想回転速度とリヤプロ
ペラシャフトとの回転速度差に基づいてペラ回転差の絶
対値|ΔVc|は算出される。また、4WDモードでの
走行時には、フロントプロペラシャフト16とリヤプロ
ペラシャフトとの実回転速度差に基づいてペラ回転差の
絶対値|ΔVc|は算出される。
【0051】図7のステップS50では、先ず駆動モー
ド指令が2WDモード(MODE=2H)であるか否か
を改めて判別する。判別結果が真(Yes)で駆動モー
ド指令が2WDモードである場合には、次にステップS
52に進む。ステップS52では、車速(車体速)Vが
所定値V1(例えば、100km/h)より大か否かを判別
する。なお、車速(車体速)Vは、前後Gセンサ96に
よって検出される車体の前後加速度Gxに基づいて推定
演算されるが(車体速検出手段)、算出方法は公知であ
り、ここでは説明を省略する。また、所定値V1(例え
ば、100km/h)は、高速走行安定性を考慮して設定さ
れている。
【0052】ステップS52の判別結果が真(Yes)
で車速Vが所定値V1(例えば、100km/h)を超えて
いる場合には、次にステップS54に進み、車速Vが所
定値V1を超えていることを制御変数であるフラグF2H4
Hに値1を設定して記憶する。ステップS52の判別結
果が偽(No)の場合には、ステップS56において、
上記回転速度センサ(前後輪回転速度差検出手段)10
2からのリアプロペラシャフトの回転速度情報と回転速
度センサ(前後輪回転速度差検出手段)104,106
からのフロントプロペラシャフト16の回転速度情報と
に基づき検出されるペラ回転差の絶対値|ΔVc|がΔ
Vc1(例えば、30rpm)より大か否かを判別する。Δ
Vc1(例えば、30rpm)は、2WDモードから4WD
モードへの切換えを必要とする路面状態や走行状態であ
ると思われるような値に設定されており、また、路面外
乱やタイヤ空気圧不整等で簡単に4WDモードへ切り換
わることのない程度に設定されている。判別結果が真
(Yes)で絶対値|ΔVc|がΔVc1(例えば、30r
pm)を超えている場合には、次にステップS58に進
み、絶対値|ΔVc|がΔVc1を超えていることを上記
フラグF2H4Hに値2を設定して記憶する。
【0053】ステップS56の判別結果が偽(No)の
場合には、ステップS60において、走行負荷抵抗fv
が所定値fv1(例えば、300kgf)より大であるか否
かを判別する。なお、ここに、走行負荷抵抗fvは次式
(1)に基づき算出される。 fv=fe−rl−ra−rr …(1) ここに、feはエンジン駆動力、rlは空気抵抗、raは
加速抵抗(勾配抵抗を考慮)、rrは転がり抵抗(コー
ナリングドラッグを考慮)を示し、それぞれの算出の詳
細についてはここでは説明を省略する。
【0054】なお、所定値fv1(例えば、300kgf)
は、砂地路走行、牽引走行等の2WDモードから4WD
モードへの切換えを必要とする路面状態や走行状態を考
慮して設定されている。ところで、実際には、当該fv
の値は、最終的にフィルタ処理(ローパスフィルタ処
理)されて出力されることになるが、ここではその詳細
についての説明は省略する。
【0055】ステップS60の判別結果が真(Yes)
で走行負荷抵抗fvが所定値fv1(例えば、300kgf)
を超えている場合には、次にステップS62に進み、走
行負荷抵抗fvが所定値fv1を超えていることをフラグ
F2H4Hに値3を設定して記憶する。ステップS60の判
別結果が偽(No)の場合には、ステップS64におい
て、悪路度合akuroが所定値akuro1より大か否かを判別
する。この悪路度合akuroは、前後加速度Gxの大きさに
基づき算出され、例えば前後加速度Gxの振動成分の大
きさと変化量等が大であるほど悪路度合akuroが大きい
と判定されるパラメータであるが、ここではその詳細に
ついては説明を省略する。なお、所定値akuro1は、ダー
ト路走行時において2WDモードから4WDモードへ迅
速に切換わることを可能にする一方、センタライン上の
反射ブロック等では容易に4WDモードへ切換わらない
程度に設定されている。
【0056】ステップS64の判別結果が真(Yes)
で悪路度合akuroが所定値akuro1を超えている場合に
は、次にステップS66に進み、悪路度合akuroが所定
値akuro1を超えていることをフラグF2H4Hに値4を設定
して記憶する。ステップS64の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS68において、スポーティ度合
sportが所定値sport1より大か否かを判別する。このス
ポーティ度合sportは、次式(2)に基づき算出される。
【0057】 sport=(K6・Gy+K7・dθH/dt +K8・θTH+K9・dθTH/dt)/4 …(2) ここに、K6、K7、K8、K9はそれぞれ所定の係数であ
り、Gyは車速Vやハンドル角θH等に基づき算出される
計算横加速度、dθH/dtはハンドル角θHに基づき算
出されるハンドル角速度、θTHはスロットル開度、dθ
TH/dtはスロットル開速度である。
【0058】即ち、スポーティ度合sportは、計算横加
速度Gy、ハンドル角速度dθH/dt、スロットル開度
θTH、スロットル開速度dθTH/dtが大きいほど、つ
まりドライバがきびきびした運転を好んでいるほど大き
いものとされるパラメータである。なお、所定値sport1
は、少なくとも速いレーンチェンジ時やワインディング
ロード等でのハード走行時に2WDモードから4WDモ
ードへ迅速に切換わるよう設定されている。
【0059】ステップS68の判別結果が真(Yes)
でスポーティ度合sportが所定値sport1を超えている場
合には、次にステップS70に進み、スポーティ度合sp
ortが所定値sport1を超えていることをフラグF2H4Hに
値5を設定して記憶する。ステップS68の判別結果が
偽(No)の場合には、2WD解除条件が不成立とみな
すことができ、この場合には、ステップS72におい
て、フラグF2H4Hに値0を設定し記憶する。
【0060】ステップS74では、上記のように設定さ
れたフラグF2H4Hが値0でないことを判別する。判別結
果が真(Yes)、つまり、車速V、ペラ回転差の絶対
値|ΔVc|、走行負荷抵抗fv、悪路度合akuro、スポ
ーティ度合sportのいずれか一つでも上記所定の閾値を
超えている場合であってフラグF2H4Hが値0ではない場
合には、次にステップS76に進む。
【0061】ステップS76では、フラグF2H4Hが値2
であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)の場
合には、次にステップS78に進む。ステップS78で
は、フラグF2H4Hが値2に設定されてからの計時を行う
タイマTM2(2off)が所定時間T10(例えば、50msec
に応じた値)以下であるか否かを判別する。判別結果が
真(Yes)でフラグF2H4Hに値2を設定してから未だ
タイマTM2(2off)が所定時間T10に達していない場合
には、ステップS80において、タイマTM2(2off)を
カウントアップする。
【0062】また、ステップS76の判別結果が偽(N
o)でフラグF2H4Hが値2でない場合には、次のステッ
プS82において、今度はフラグF2H4Hが値5であるか
否かを判別する。判別結果が真(Yes)の場合には、
次にステップS84に進む。ステップS84では、フラ
グF2H4Hが値5に設定されてからの計時を行うタイマT
M5(2off)が所定時間T11(例えば、500msecに応じ
た値)以下であるか否かを判別する。判別結果が真(Y
es)でフラグF2H4Hに値5を設定してから未だタイマ
TM5(2off)が所定時間T11に達していない場合には、
ステップS86において、タイマTM5(2off)をカウン
トアップする。
【0063】また、ステップS82の判別結果が偽(N
o)でフラグF2H4Hが値0でも値2でも値5でもない場
合、即ちフラグF2H4Hが値1、値3、値4のいずれかで
ある場合には、次のステップS88において、フラグF
2H4Hがこれらの値に設定されてからの計時を行うタイマ
TM(2off)が所定時間T12(例えば、1secに応じた
値)以下であるか否かを判別する。判別結果が真(Ye
s)でフラグF2H4Hに値1、値3、値4のいずれかを設
定してから未だタイマTM(2off)が所定時間T12に達し
ていない場合には、ステップS90において、タイマT
M(2off)をカウントアップする。
【0064】上記ステップS78、ステップS84及び
ステップS88の判別結果が偽(No)で、タイマTM
2(2off)が所定時間T10に達した場合、タイマTM5(2of
f)が所定時間T11に達した場合、或いはタイマTM(2of
f)が所定時間T12に達した場合には、2WD解除条件、
即ち2WDモードを抜けて4WDモードに切換わる条件
が外乱等なく完全に成立したとみなすことができ、この
場合には、次にステップS92に進み、駆動モード指令
を4WDモードの初期状態であるフルタイム4WDモー
ド(MODE=4H)に設定する(駆動輪切換信号)。
【0065】一方、ステップS74の判別結果が偽(N
o)でフラグF2H4Hが値0である場合には、2WD解除
条件が成立していないと判定することができる。この場
合には、ステップS94に進み、上述のようにフラグF
2H4Hが値0でない場合に使用されるタイマTM2(2of
f)、タイマTM5(2off)、タイマTM(2off)をリセット
状態とする。
【0066】図5のステップS26の判別結果が偽(N
o)で駆動モード指令が2WDモード(MODE=2
H)でない場合には、ステップS30において、現在フ
ルタイム4WDモード(MODE=4H)であるか否か
を判別する。判別結果が真(Yes)の場合には、次に
ステップS31に進む。駆動モード指令がフルタイム4
WDモードである場合には、ステップS31において、
T/Fポジションスイッチ114からの情報に基づく実際
の駆動モード(実駆動モード)が2WDモード(実MO
DE=2H)またはフルタイム4WDモード(実MOD
E=4H)とされているか否かを判別する。判別結果が
真(Yes)の場合には、次にステップS32に進む。
【0067】駆動モード指令がフルタイム4WDモード
(MODE=4H)であり、且つ実駆動モードが2WD
モード(実MODE=2H)またはフルタイム4WDモ
ード(実MODE=4H)である場合には、当該ステッ
プS32において、2WD突入条件が成立し、4WDモ
ードを抜けて2WDモードに切換わる条件が成立したか
否かの判定を行う。ここでは、実際には、図9及び図1
0に示す2WD突入条件のサブルーチン(駆動切換指令
手段)が実行される。
【0068】2WD突入条件のパラメータとしては、上
述の2WD解除条件のところで使用した車速V、ペラ回
転差の絶対値|ΔVc|、走行負荷抵抗fv、悪路度合ak
uro及びスポーティ度合sportの他に上記勾配slopeがあ
り、これらのパラメータに基づいて2WD突入条件が成
立したか否かが判別される。図9のステップS100で
は、先ず駆動モード指令がフルタイム4WDモード(M
ODE=4H)であるか否かを改めて判別する。判別結
果が真(Yes)で駆動モード指令がフルタイム4WD
モードである場合には、次にステップS102に進む。
【0069】ステップS102では、車速Vが所定値V
2(例えば、80km/h)以上であるか否かを判別する。
判別結果が真(Yes)で車速Vが所定値V2(例え
ば、80km/h)以上である場合には、次にステップS1
04に進み、車速Vが所定値V2以上となってからの計
時を行うべくタイマTM1(2on)をカウントアップする。
そして、ステップS106では、当該タイマTM1(2on)
が所定時間T21(例えば、1secに応じた値)を超えた
か否かを判別し、判別結果が真(Yes)でタイマTM
1(2on)が所定時間T21を超えたと判定される場合には、
次のステップS108において、車速Vが所定値V2以
上であることを制御変数であるフラグF4H2Hに値1を設
定して記憶する。
【0070】ステップS102の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS110において、勾配slopeが
所定値slope1(例えば、5deg)以上であるか否かを判
別する。当該ステップS110の判別結果が真(Ye
s)で勾配slopeが所定値slope1(例えば、5deg)以上
である場合には、次にステップS112に進み、勾配sl
opeが所定値slope1となってからの計時を行うべくタイ
マTM2(2on)をカウントアップする。
【0071】そして、ステップS114では、当該タイ
マTM2(2on)が所定時間T22(500msecに応じた値)
を超えたか否かを判別し、判別結果が真(Yes)でタ
イマTM2(2on)が所定時間T22を超えたと判定される場
合には、次のステップS116において、勾配slopeが
所定値slope1(例えば、5deg)以上であることをフラ
グF4H2Hに値2を設定して記憶する。
【0072】ステップS110の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS118において、ペラ回転差の
絶対値|ΔVc|がΔVc2(例えば、15rpm)以上であ
るか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で絶対値
|ΔVc|がΔVc2(例えば、15rpm)以上である場合
には、次にステップS120に進み、ペラ回転差の絶対
値|ΔVc|がΔVc2以上となってからの計時を行うべ
くタイマTM3(2on)をカウントアップする。
【0073】そして、ステップS122では、当該タイ
マTM3(2on)が所定時間T23(例えば、100msecに応
じた値)を超えたか否かを判別し、判別結果が真(Ye
s)でタイマTM3(2on)が所定時間T23を超えたと判定
される場合には、次のステップS124において、ペラ
回転差の絶対値|ΔVc|がΔVc2以上であることをフ
ラグF4H2Hに値3を設定して記憶する。
【0074】ステップS118の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS126において、走行負荷抵抗
fvが所定値fv2(例えば、250kgf)以上であるか否
かを判別する。判別結果が真(Yes)で走行負荷抵抗
fvが所定値fv2(例えば、250kgf)以上である場合
には、次にステップS128に進み、走行負荷抵抗fv
が所定値fv2以上となってからの計時を行うべくタイマ
TM4(2on)をカウントアップする。
【0075】そして、ステップS130では、当該タイ
マTM4(2on)が所定時間T24(例えば、2secに応じた
値)を超えたか否かを判別し、判別結果が真(Yes)
でタイマTM4(2on)が所定時間T24を超えたと判定され
る場合には、次のステップS132において、走行負荷
抵抗fvが所定値fv2以上であることをフラグF4H2Hに
値4を設定して記憶する。
【0076】ステップS126の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS134において、悪路度合akur
oが所定値akuro2(akuro2<akuro1)以上であるか否か
を判別する。判別結果が真(Yes)で悪路度合akuro
が所定値akuro2以上である場合には、次にステップS1
36に進み、悪路度合akuroが所定値akuro2以上となっ
てからの計時を行うべくタイマTM5(2on)をカウントア
ップする。
【0077】そして、ステップS138では、当該タイ
マTM5(2on)が所定時間T25(例えば、1secに応じた
値)を超えたか否かを判別し、判別結果が真(Yes)
でタイマTM5(2on)が所定時間T25を超えたと判定され
る場合には、次のステップS140において、悪路度合
akuroが所定値akuro2以上であることをフラグF4H2Hに
値5を設定して記憶する。
【0078】ステップS134の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS142において、スポーティ度
合sportが所定値sport2(sport2<sport1)以上である
か否かを判別する。判別結果が真(Yes)でスポーテ
ィ度合sportが所定値sport2以上である場合には、次に
ステップS144に進み、スポーティ度合sportが所定
値sport2以上となってからの計時を行うべくタイマTM
6(2on)をカウントアップする。
【0079】そして、ステップS146では、当該タイ
マTM6(2on)が所定時間T26(例えば、100msecに応
じた値)を超えたか否かを判別し、判別結果が真(Ye
s)でタイマTM6(2on)が所定時間T26を超えたと判定
される場合には、次のステップS148において、スポ
ーティ度合sportが所定値sport2以上であることをフラ
グF4H2Hに値6を設定して記憶する。
【0080】ステップS142の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS150において、フラグF4H2H
に値0を設定し記憶する。ところで、ステップS106
の判別結果が偽(No)である場合には、ステップS1
14が実行され、ステップS114の判別結果が偽(N
o)である場合には、ステップS122が実行され、以
下ステップS130、ステップS138についても同様
に実行される。そして、最終的にステップS146の判
別結果が偽(No)である場合には、上記ステップS1
42の判別結果が偽(No)である場合と同様にしてス
テップS150において、フラグF4H2Hに値0を設定し
記憶することになる。
【0081】なお、当該2WD突入条件で用いられる上
記各パラメータの閾値は、先の2WD解除条件での条件
判別とハンチングを起こさないように設定されている。
ステップS152では、上記のように設定されたフラグ
F4H2Hが値0であるか否かを判別する。判別結果が真
(Yes)、即ち上記ステップS102、ステップS1
10、ステップS118、ステップS126、ステップ
S134、ステップS142の全ての判別結果が偽(N
o)でフラグF4H2Hが値0である場合、つまり、車速
V、勾配slope、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|、走行負
荷抵抗fv、悪路度合akuro、スポーティ度合sportのい
ずれか一つでも所定の閾値を超えていないような場合
や、これら全てのパラメータが閾値を超えてからの時間
が所定時間を超えていない場合には、次にステップS1
54に進む。
【0082】ステップS154では、車速Vが所定車速
V3(例えば、5km/h)より大か否かを判別する。判別
結果が偽(No)で車速Vが所定車速V3(例えば、5k
m/h)以下である場合には、必要以上に駆動モードが4
WDモードから2WDモードへ切換わることを防止すべ
く、何もせず当該ルーチンを抜ける。一方、ステップS
154の判別結果が真(Yes)で車速Vが所定車速V
3(例えば、5km/h)より大である場合には、次にステ
ップS156に進む。
【0083】ステップS156では、フラグF4H2Hが値
0とされたと同時に計時を開始するタイマTM(2on)が
所定時間T27(例えば、3min)を超えたか否かを判別
する。判別結果が偽(No)で未だタイマTM(2on)が
所定時間T27(例えば、3min)に達していない場合に
は、次のステップS158においてタイマTM(2on)を
カウントアップする。
【0084】一方、当該ルーチンが繰り返し実行され、
ステップS156の判別結果が真(Yes)でタイマT
M(2on)が所定時間T27を超えたと判定された場合に
は、フラグF4H2Hが値0であって、2WD突入条件、即
ち4WDモードを抜けて2WDモードに切換わる条件が
完全に成立したとみなすことができ、この場合には、次
にステップS160に進み、駆動モード指令を2WDモ
ード(MODE=2H)に設定する。
【0085】一方、ステップS152の判別結果が偽
(No)でフラグF4H2Hが値0でない場合、即ち上記ス
テップS102、ステップS110、ステップS11
8、ステップS126、ステップS134、ステップS
142のいずれか一つの判別結果が真(Yes)である
場合、つまり、車速V、勾配slope、ペラ回転差の絶対
値|ΔVc|、走行負荷抵抗fv、悪路度合akuro、スポ
ーティ度合sportのいずれか一つでも所定の閾値を超え
ている状態が所定時間継続しているような場合には、2
WD突入条件が成立していないと判定することができ、
この場合には、ステップS162に進み、上述のように
フラグF4H2Hが値0でない場合に使用されたタイマTM
1(2on)〜タイマTM6(2on)、タイマTM(2on)をリセッ
ト状態とする。
【0086】図5のステップS31の判別結果が偽(N
o)の場合、或いは、ステップS32において2WD突
入条件のサブルーチンが実行された後には、ステップS
33において、T/Fポジションスイッチ114からの情
報に基づく実際の駆動モード(実駆動モード)がフルタ
イム4WDモード(実MODE=4H)またはハイ直結
4WDモード(実MODE=4HLc)とされているか
否かを判別する。判別結果が真(Yes)の場合には、
次にステップS34に進む。
【0087】駆動モード指令がフルタイム4WDモード
(MODE=4H)であり、且つ実駆動モードがフルタ
イム4WDモード(実MODE=4H)またはハイ直結
4WDモード(実MODE=4HLc)である場合に
は、当該ステップS34において、直結4WD突入条件
が成立し、フルタイム4WDモードを抜けてハイ直結4
WDモードに切換わる条件が成立したか否かの判定を行
う。ここでは、実際には、図11に示す直結4WD突入
条件のサブルーチン(駆動切換指令手段)が実行され
る。
【0088】直結4WD突入条件のパラメータとして
は、上述した車速V、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|、
走行負荷抵抗fvの他、リアプロペラシャフト及びフロ
ントプロペラシャフト16の回転速度のうちの大きい方
(セレクトハイ値)と車速Vをプロペラシャフトの回転
速度に換算した際の換算値との差、即ちセレクトハイ回
転速度差ΔVtがあり、これらのパラメータに基づいて
直結4WD突入条件が成立したか否かが判別される。
【0089】図11のステップS170では、先ず駆動
モード指令がフルタイム4WDモード(MODE=4
H)であって且つ実駆動モードもフルタイム4WDモー
ド(実MODE=4H)であるか否かを改めて判別す
る。判別結果が真(Yes)である場合には、次にステ
ップS172に進む。ステップS172では、車速Vが
所定値V4(例えば、20km/h)以下であるか否かを判
別する。判別結果が偽(No)で車速Vが所定値V4
(例えば、20km/h)より大きい場合には、何もせず当
該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)で
車速Vが所定値V4(例えば、20km/h)以下である場
合には、次にステップS174に進む。
【0090】ステップS174では、ペラ回転差の絶対
値|ΔVc|がΔVc3(例えば、500rpm)より大であ
るか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で絶対値
|ΔVc|がΔVc3(例えば、500rpm)を超えている
場合には、次にステップS176に進み、ペラ回転差の
絶対値|ΔVc|がΔVc3以上であることをフラグF4H4
Lに値1を設定して記憶する。
【0091】ステップS174の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS178において、走行負荷抵抗
fvが所定値fv3(例えば、400kgf)より大であるか
否かを判別する。判別結果が真(Yes)で走行負荷抵
抗fvが所定値fv3(例えば、400kgf)以上である場
合には、次にステップS180に進み、走行負荷抵抗f
vが所定値fv3以上であることをフラグF4H4Lに値2を
設定して記憶する。
【0092】ステップS178の判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS182において、車速Vが所定
値V5(例えば、5km/h)以下であり且つ上記セレクト
ハイ回転速度差ΔVtが所定値ΔVt1(例えば、100r
pm)より大であるか否かを判別する。判別結果が真(Y
es)で、車速Vが所定値V5(例えば、5km/h)以下
であり且つ上記セレクトハイ回転速度差ΔVtが所定値
ΔVt1(例えば、100rpm)より大である場合には、
次にステップS184に進み、フラグF4H4Lに値3を設
定して記憶する。この判別は、即ち車両がスタック(一
輪スタック、対角スタック)状態にあるか否かの判別を
意味している。
【0093】ステップS182の判別結果が偽(No)
である場合には、次にステップS186に進み、フラグ
F4H4Lに値0を設定して記憶する。以上のようにしてフ
ラグF4H4Lが設定されたら、ステップS188におい
て、フラグF4H4Lが値0でないことを判別する。判別結
果が真(Yes)でフラグF4H4Lが値1乃至値3であっ
て値0でない場合には、次にステップS190に進む。
【0094】ステップS190では、フラグF4H4Lがそ
れぞれ設定されてからの計時を行うタイマTM(ron)が
所定時間T30(例えば、1secに応じた値)以下である
か否かを判別する。判別結果が真(Yes)でタイマT
M(ron)が所定時間T30以下である場合には、ステップ
S192において、タイマTM(ron)をカウントアップ
する。
【0095】一方、ステップS190の判別結果が偽
(No)でタイマTM(ron)が所定時間T30に達したと
判定された場合には、直結4WD突入条件が成立したと
みなすことができ、この場合には、次にステップS19
6に進み、駆動モード指令をハイ直結4WDモード(M
ODE=4HLc)に設定する(直結切換信号)。つま
り、ここでは、車両が低速走行であって急坂路や砂地路
等を走行しているような場合に、フルタイム4WDモー
ドからハイ直結4WDモードに切換えるようにしてお
り、さらには、車両がスタック(一輪スタック、対角ス
タック)状態にある場合にもフルタイム4WDモードか
らハイ直結4WDモードに切換えるようにしている。
【0096】一方、ステップS188の判別結果が偽
(No)でフラグF4H4Lが値0である場合、即ち上記ス
テップS174、ステップS178、ステップS182
の全ての判別結果が偽(No)である場合には、直結4
WD突入条件が成立していないと判定することができ、
この場合には、ステップS194に進み、上述のように
フラグF4H4Lが値0とされない場合に使用されるタイマ
TM(ron)をリセット状態とする。
【0097】図5のステップS30の判別結果が偽(N
o)の場合には、ステップS38において、現在の駆動
モード指令がハイ直結4WDモード(MODE=4HL
c)とされているか否かを判別する。判別結果が真(Y
es)の場合には、次にステップS40に進む。駆動モ
ード指令がハイ直結4WDモードである場合には、ステ
ップS40において、直結4WD解除条件が成立し、ハ
イ直結4WDモードを抜けてフルタイム4WDモードに
切換わる条件が成立したか否かの判定を行う。ここで
は、実際には、図12に示す直結4WD解除条件のサブ
ルーチン(駆動切換指令手段)が実行される。
【0098】直結4WD解除条件のパラメータとして
は、上述した車速V、走行負荷抵抗fv、勾配slope、悪
路度合akuroの他、スロットル開度θTHやブレーキスイ
ッチ112からのオンオフ情報があり、これらのパラメ
ータに基づいて直結4WD解除条件が成立したか否かが
判別される。図12のステップS200では、先ず駆動
モード指令がハイ直結4WDモード(MODE=4HL
c)であるか否かを改めて判別する。判別結果が真(Y
es)である場合には、次にステップS202に進む。
【0099】ステップS202では、車速Vが所定値V
6(例えば、30km/h)以上であるか否かを判別する。
判別結果が真(Yes)で車速Vが所定値V6(例え
ば、30km/h)以上である場合には、次にステップS2
04に進む。ステップS204では、走行負荷抵抗fv
が所定値fv4(例えば、300kgf)より小であるか否
かを判別する。判別結果が真(Yes)で走行負荷抵抗
fvが所定値fv4(例えば、300kgf)より小である場
合には、次にステップS206に進む。
【0100】ステップS206では、勾配slopeが所定
値slope2(例えば、15deg)より小であるか否かを判
別する。判別結果が真(Yes)で勾配slopeが所定値s
lope2(例えば、15deg)より小である場合には、次に
ステップS208に進む。ステップS208では、スロ
ットル開度センサ98からの情報に基づき、スロットル
開度θTHが所定値θTH1(例えば、5%)より大である
か否かを判別する。判別結果が真(Yes)でスロット
ル開度θTHが所定値θTH1(例えば、5%)より大であ
る場合には、次にステップS210に進む。
【0101】ステップS210では、ブレーキペダルが
踏み込まれておらず、ブレーキスイッチ112からオフ
信号が出力されており、つまりブレーキ信号brkがO
FFであるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)
でブレーキ信号brkがOFFである場合には、次にス
テップS212に進む。ステップS212では、悪路度
合akuroが所定値akuro3より小であるか否かを判別す
る。判別結果が真(Yes)で悪路度合akuroが所定値a
kuro3(=akuro2)より小である場合には、次にステッ
プS214に進む。
【0102】ステップS214では、上記ステップS2
02乃至ステップS212の全ての判別結果が真(Ye
s)とされてからの計時を行うタイマTM(roff)が所定
時間T40(例えば、5secに応じた値)以下であるか否
かを判別する。判別結果が真(Yes)でタイマTM(r
off)が所定時間T40以下である場合には、ステップS2
16において、タイマTM(roff)をカウントアップす
る。
【0103】一方、ステップS214の判別結果が偽
(No)でタイマTM(roff)が所定時間T40に達したと
判定された場合には、直結4WD解除条件が成立したと
みなすことができ、この場合には、次にステップS21
8に進み、駆動モード指令をフルタイム4WDモード
(MODE=4H)に設定する。つまり、ここでは、車
両が急坂路、砂地路等を走行していないような場合に、
ハイ直結4WDモードからフルタイム4WDモードに切
換えるようにしている。
【0104】一方、上記ステップS202乃至ステップ
S212のうちのいずれかの判別結果が偽(No)であ
る場合には、直結4WD解除条件が成立していないと判
定することができ、この場合には何もせずに当該ルーチ
ンを抜ける。ところで、ステップS28の2WD解除条
件のルーチンを実行した場合には、ステップS29にお
いて2WD解除条件のルーチン中で使用したタイマTM
(2off)等以外のタイマ、即ち2WD突入条件、直結4W
D突入条件、直結4WD解除条件等の他の条件判別で使
用されるタイマをリセットしておく。これにより、次回
2WD突入条件、直結4WD突入条件、直結4WD解除
条件等の他の条件判別が実施される場合に備えられる。
同様に、ステップS33の判別結果が偽(No)の場
合、或いはステップS34の直結4WD突入条件のルー
チンを実行した場合には、ステップS35において2W
D突入条件及び直結4WD突入条件のルーチン中で使用
したタイマTM(2on)、タイマTM(ron)等以外のタイ
マ、即ち2WD解除条件、直結4WD解除条件等の条件
判別で使用されるタイマをリセットしておく。さらに、
ステップS40の直結4WD解除条件のルーチンを実行
した場合には、ステップS41において直結4WD解除
条件のルーチン中で使用したタイマTM(roff)以外のタ
イマ、即ち2WD解除条件、2WD突入条件、直結4W
D突入条件等の他の条件判別で使用されるタイマをリセ
ットしておく。
【0105】また、図5のステップS24の判別結果が
偽(No)で、セレクトモードがオートモード(SEL
ECT=AUTO)ではなくマニュアルモード(SEL
ECT=MANU)である場合には、ステップS25に
おいて、上記オートモードの各条件判別で使用したタイ
マを全てリセットしておく。これにより、次回ステップ
S24の判別結果が真(Yes)とされ、オートモード
での条件判別が実施される場合に備えられる。
【0106】以上のようにして、駆動モード指令が決定
されたら、次にステップS42において、車速Vが所定
車速V0(例えば、2km/h)より小であるか否かを判別
する。つまり、ここでは、車両が略停止状態にあるか否
かを判別する。ステップS42の判別結果が偽(No)
で車速Vが所定車速V0(例えば、2km/h)以上であっ
て、車両が走行状態にある場合には、次にステップS4
4に進む。
【0107】ステップS44では、#1モータ制御が実
施される。この#1モータ制御は、即ち、車両が走行状
態にある場合の上記シフトアクチュエータ60のモータ
ユニット202、即ち電動モータ204の制御を意味し
ている。実際には、#1モータ制御では、図13乃至図
15に示す#1モータ制御ルーチンのフローチャートが
実行され、以下、図13乃至図15に基づき説明する。
【0108】図13のステップS250では、駆動モー
ド指令が2WDモード(MODE=2H)であって且つ
実駆動モードも2WDモード(実MODE=2H)であ
るか否かを判別する。ステップS250の判別結果が偽
(No)の場合には、次にステップS254に進み、駆
動モード指令が2WDモード(MODE=2H)であっ
て且つ実駆動モードが2WDモードとフルタイム4WD
モードとの中間(実MODE=2Hー4H)或いはフル
タイム4WDモード(実MODE=4H)であるか否か
を判別する。なお、実駆動モードが2WDモードとフル
タイム4WDモードとの中間である場合とは、シフトア
クチュエータ60が2WD位置とフルタイム4WD位置
との間で作動途中となっている場合を意味している。判
別結果が真(Yes)の場合には、次にステップS25
6に進む。
【0109】ステップS256では、駆動モード指令に
基づき2WD突入処理を行う。この2WD突入処理で
は、図16に示す2WD突入処理ルーチンのフローチャ
ートが実行される。図16のステップS400では、先
ず、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|がΔVc10(例えば、
20rpm)より大か否かを判別する。判別結果が偽(N
o)でペラ回転差の絶対値|ΔVc|がΔVc10(例え
ば、20rpm)以下である場合には、次にステップS4
02に進む。
【0110】ステップS402では、エンジン2からト
ランスファ装置6への駆動力(入力トルク)Ftfが所定
値Ftf10より大か否かを判別する。なお、この駆動力F
tfは上記エンジン出力情報から算出されるものであり、
上述のエンジン駆動力feに略等しい値である(入力ト
ルク算出手段)。また、所定値Ftf10は、図31に示す
ように、車速(車体速)Vに応じて設定される可変値で
ある。図31中の車速Vの値X7は例えば2km/hであ
り、値X8は例えば50km/hである。判別結果が偽(N
o)で駆動力Ftfが所定値Ftf10以下である場合には、
次にステップS404に進む。
【0111】ステップS404では、ハンドル角θHが
所定値θH10(例えば、180deg)より大であって且つ
車速Vが所定値V10(例えば、25km/h)より小である
か否かを判別する。判別結果が偽(No)でハンドル角
θHが所定値θH10(例えば、180deg)以下且つ車速
Vが所定値V10(例えば、25km/h)以上である場合に
は、次にステップS406に進み、モータ逆動処理を行
う。
【0112】つまり、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|が
ΔVc10(例えば、20rpm)以下であって、駆動力Ftf
が所定値Ftf10以下であり、さらに、ハンドル角θHが
所定値θH10(例えば、180deg)以下且つ車速Vが所
定値V10(例えば、25km/h)以上である場合には、ク
ラッチギヤ74,80間でカップリングスリーブ82を
スムースに移動させることが可能であって、駆動モード
指令(MODE=2H)に応じてシフトアクチュエータ
60を作動させてもよい状況と判定でき、ステップS4
06において電動モータ204を作動させる(連結切換
手段)。但し、ここでは、電動モータ204は、図1で
見て反時計回りを正転方向、つまり作動状態と定義し、
時計回りを逆転方向、つまり逆動状態と定義している。
故に、ここでは、図1から明らかなように、実駆動モー
ドを2WDモードとする電動モータ204の作動は逆転
方向であってモータ逆動処理となる。
【0113】モータ逆動処理では、図22に示すモータ
逆動処理ルーチンのフローチャートが実行される。図2
2のステップS500では、モータ保護用の作動タイマ
TM1ccwが所定時間T50(例えば、10secに応じた
値)以下であるか否かを判別する。モータ逆動処理の開
始直後には判別結果は真(Yes)であり、この場合に
は、ステップS502において作動タイマTM1ccwをカ
ウントアップするとともに、ステップS504において
電動モータ204に向けモータ逆転指令を出力し、電動
モータ204を逆転させる。
【0114】一方、ステップS500の判別結果が偽
(No)で作動タイマTM1ccwが所定時間T50(例え
ば、10secに応じた値)に達した場合には、次にステ
ップS506に進み、今度は作動タイマTM1ccwとは別
に設けられた停止タイマTM2ccwをカウントアップする
とともに、ステップS508において電動モータ204
に向けモータ停止指令を出力し、電動モータ204を停
止する。
【0115】そして、ステップS510において、停止
タイマTM2ccwが所定時間T52(例えば、1secに応じ
た値)以上になったか否かを判別し、判別結果が偽(N
o)の場合には、ステップS500を経てステップS5
06において停止タイマTM2ccwのカウントアップを継
続する。一方、判別結果が真(Yes)となった場合に
は、ステップS512において作動タイマTM1ccw及び
停止タイマTM2ccwをともにリセットする。
【0116】つまり、このモータ逆動処理のステップで
は、電動モータ204を所定時間T50(例えば、10se
cに応じた値)を限度に逆転させることができ、電動モ
ータ204を所定時間T50に亘り駆動させた場合には所
定時間T52(例えば、1secに応じた値)に亘り停止さ
せる。このように電動モータ204の作動と停止とを繰
り返すことにより、トランスファ装置6のギヤ掴み換え
がスムースに完了しない場合の過負荷が防止され、電動
モータ204が良好に保護されることになる。
【0117】このようにして、電動モータ204が逆転
作動しシフトアクチュエータ60が作動すると、シフト
フォーク84がカップリングスリーブ82をクラッチギ
ヤ74,80を相互に連結するように作動することにな
り、つまり実駆動モードが2WDモード側にシフトする
ことになる。ところで、ステップS406においてモー
タ逆動処理が実施されているとき、ステップS407に
おいて、油圧多板クラッチ88に供給するクラッチ油圧
の制御量taが所定値ta0(微少油圧)に設定される。
【0118】このように、油圧多板クラッチ88にクラ
ッチ油圧が供給されると、クラッチギヤ74,78,8
0が略一体に同期して回転するようになり、カップリン
グスリーブ82がクラッチギヤ74,80を相互に連結
し易くなる。これにより、カップリングスリーブ82が
移動する際に発生する異音等が解消され、さらに良好に
実駆動モードの2WDモードへの移行が実現されること
になる。
【0119】図16のステップS400、ステップS4
02、ステップS404の判別結果がそれぞれ真(Ye
s)である場合には、シフトアクチュエータ60を作動
させるべきでない状況と判定でき、ステップS408に
おいてモータ停止処理が実行され、電動モータ204は
停止状態に保持される。一方、図13のステップS25
4の判別結果が偽(No)の場合には、次にステップS
258が実行され、駆動モード指令が2WDモード(M
ODE=2H)であって且つ実駆動モードがフルタイム
4WDモードとハイ直結4WDモードとの中間(実MO
DE=4Hー4HLc)或いはハイ直結4WDモード(実
MODE=4HLc)であるか否かを判別する。なお、
実駆動モードがフルタイム4WDモードとハイ直結4W
Dモードとの中間である場合とは、上記同様にシフトア
クチュエータ60がフルタイム4WD位置とハイ直結4
WD位置との間で作動途中となっている場合を意味して
いる。判別結果が真(Yes)の場合には、次にステッ
プS260に進む。
【0120】ステップS260では、駆動モード指令に
基づき直結4WD解除処理を行う。つまり、ここでは、
トランスファ装置6の2WD位置とハイ直結4WD位置
との間にはフルタイム4WD位置が存在するため、一旦
実駆動モードをフルタイム4WDモードとすべくハイ直
結4WDモードを解除する。実際には、この直結4WD
解除処理では、図17に示す直結4WD解除処理ルーチ
ンのフローチャートが実行される。
【0121】ステップS420では、上記駆動力Ftfが
所定値Ftf20(例えば、200kgf)より大か否かを判
別する。判別結果が偽(No)で駆動力Ftfが所定値F
tf20以下である場合には、次にステップS422に進
む。ステップS422では、ハンドル角θHが所定値θH
20(例えば、120deg)であって且つ車速Vが所定値
V20(例えば、2km/h)より小であるか否かを判別す
る。判別結果が偽(No)でハンドル角θHが所定値θH
20(例えば、120deg)以下且つ車速Vが所定値V20
(例えば、2km/h)以上である場合には、次にステップ
S424に進み、上記同様にモータ逆動処理を行う。
【0122】つまり、駆動力Ftfが所定値Ftf20(例え
ば、200kgf)以下であり、さらに、ハンドル角θHが
所定値θH20(例えば、120deg)以下且つ車速Vが所
定値V20(例えば、2km/h)以上である場合には、クラ
ッチギヤ74,78間でカップリングスリーブ82をス
ムースに移動させることが可能であって、駆動モード指
令に応じてシフトアクチュエータ60を作動させてもよ
い状況と判定でき、ステップS424において電動モー
タ204を作動させる。
【0123】このようにして、電動モータ204が逆転
作動しシフトアクチュエータ60が作動すると、シフト
フォーク84がカップリングスリーブ82とクラッチギ
ヤ80との連結を切断し、クラッチギヤ74,78を相
互に連結するように作動することになり、つまり実駆動
モードがフルタイム4WDモード側にシフトすることに
なる。
【0124】ところで、ステップS424においてモー
タ逆動処理が実施されているとき、ステップS425に
おいて、上記2WD突入処理の場合と同様に、油圧多板
クラッチ88に供給するクラッチ油圧の制御量taが所
定値ta0(微少油圧)に設定される。これにより、やは
りクラッチギヤ74,78,80が略一体に同期して回
転するようになり、カップリングスリーブ82とクラッ
チギヤ80との切断が容易になるとともに、ハイ直結4
WDモードからフルタイム4WDモードへの移行時の切
換ショックを抑えることができる。故に、カップリング
スリーブ82が移動する際に発生する異音等が同様に解
消され、さらに良好に実駆動モードのフルタイム4WD
モードへの移行が実現されることになる。
【0125】図17のステップS420、ステップS4
22の判別結果がそれぞれ真(Yes)である場合に
は、シフトアクチュエータ60を作動させるべきでない
状況と判定でき、ステップS426においてモータ停止
処理が実行され、電動モータ204はやはり停止状態に
保持される。さらに、ステップS260の実行により実
駆動モードのフルタイム4WDモードへの移行が実現さ
れると、ステップS250、ステップS254を介して
ステップS256において上記2WD突入処理が実施さ
れ、これにより実駆動モードの2WDモードへの移行が
実現される。
【0126】一方、ステップS250の判別結果が真
(Yes)の場合、つまり、シフトアクチュエータ60
の電動モータ204の作動により、シフトフォーク84
が入力軸8側に移動し、図32に示すように、カップリ
ングスリーブ82がクラッチギヤ74,80のみを相互
に連結する位置(2WD位置)とされ、駆動モード指令
と実駆動モードとが一致した場合には、ステップS25
1において、フリーホイールハブ機構19を、図32に
示すように、分離状態、即ちフリー状態(HAB=FR
EE)とする。そして、上記2WD突入処理のステップ
S406、直結4WD解除処理のステップS424で逆
転させた電動モータ204をもはや作動させる必要はな
く、ステップS252においてモータ停止処理を行い、
電動モータ204を停止状態に保持する。これにより、
車両は2WD状態とされる。
【0127】図14のステップS270では、駆動モー
ド指令がフルタイム4WDモード(MODE=4H)で
あって且つ実駆動モードもフルタイム4WDモード(実
MODE=4H)であるか否かを判別する。ステップS
270の判別結果が偽(No)の場合には、次にステッ
プS274に進み、駆動モード指令がフルタイム4WD
モード(MODE=4H)であって且つ実駆動モードが
2WDモード(実MODE=2H)或いは上記同様に実
駆動モードが2WDモードとフルタイム4WDモードと
の中間(実MODE=2Hー4H)であるか否かを判別
する。判別結果が真(Yes)の場合には、次にステッ
プS276に進む。
【0128】ステップS276では、駆動モード指令に
基づき2WD解除処理を行う。この2WD解除処理で
は、図18に示す2WD解除処理ルーチンのフローチャ
ートが実行される。図18のステップS430では、先
ず、フリーホイールハブ機構19が分離状態、即ちフリ
ー状態(HAB=FREE)であるか否かを判別する。
判別結果が偽(No)でフリーホイールハブ機構19が
分離状態(HAB=FREE)ではなくロック状態(H
AB=LOCK)である場合には、次にステップS43
4に進む。
【0129】ステップS434では、油圧多板クラッチ
88に供給するクラッチ油圧の制御量taを設定する。
クラッチ油圧の制御量taは、図19のマップに示すよ
うに、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|に応じて予め設定
されている(クラッチ制御手段)。なお、図19中の絶
対値|ΔVc|の値X1は例えば5rpmであり、値X2は例
えば200rpmである。
【0130】このように、油圧多板クラッチ88に油圧
が供給されると、油圧多板クラッチ88の係合によっ
て、上述したように、クラッチギヤ74,78,80が
略一体に同期して回転するようになる。また、フロント
プロペラシャフト16は、フリーホイールハブ機構19
の連結による前輪FWの回転に伴い回転しており、故
に、トランスファ装置6は、略直結4WD状態、即ちク
ラッチによる4WD状態(オンディマンド4WD状態)
とされる。
【0131】ステップS436では、ペラ回転差の絶対
値|ΔVc|が所定値ΔVc30(例えば、30rpm)より
大であるか否かを判別する(連結判定手段)。判別結果
が偽(No)で、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|(前後
輪回転速度差)が所定値ΔVc30(例えば、30rpm)以
下である場合には、次にステップS438に進む。ステ
ップS438では、駆動力(入力トルク)Ftfが所定値
(規定値)Ftf30より大か否かを判別する(連結判定手
段)。なお、この所定値Ftf30は上記所定値Ftf10と同
一の値である。つまり、図31に示すように、車速(車
体速)Vに応じて可変設定される値である。判別結果が
偽(No)で駆動力Ftfが所定値Ftf30以下である場合
には、次にステップS440に進む。
【0132】ステップS440では、ハンドル角θHが
所定値θH30(例えば、上記所定値θH10同様に180de
g)より大であって且つ車速Vが所定値V30(例えば、
上記所定値V10同様に25km/h)より小(低速旋回状
態)であるか否かを判別する(連結判定手段、低速旋回
状態検出手段)。判別結果が偽(No)でハンドル角θ
Hが所定値θH30(例えば、180deg)以下且つ車速V
が所定値V30(例えば、25km/h)以上である場合に
は、次にステップS442に進み、モータ作動処理を行
う。
【0133】つまり、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|が
ΔVc30(例えば、30rpm)以下となり、駆動力Ftfが
所定値Ftf30以下であり、さらに、ハンドル角θHが所
定値θH30(例えば、180deg)以下且つ車速Vが所定
値V30(例えば、25km/h)以上である場合には、駆動
モード指令(MODE=4H)に応答してシフトアクチ
ュエータ60を作動させてもよい状況と判定でき、ステ
ップS442において電動モータ204を作動させる
(連結切換手段)。ここでは、電動モータ204は、図
1で見て反時計回り、即ち正転方向に作動する。
【0134】モータ作動処理では、図23に示すモータ
作動処理ルーチンのフローチャートが実行される(ステ
ップS520乃至ステップS532)。なお、当該モー
タ作動処理ルーチンは上記モータ逆動処理ルーチンにお
けるモータ保護用の作動タイマTM1ccw、停止タイマT
M2ccwをそれぞれ作動タイマTM1cw、停止タイマTM2
cwとし、モータ逆転指令をモータ正転指令としただけで
あり、処理手順についてはモータ逆動処理ルーチンの場
合と同様であるためここでは説明を省略する。つまり、
このモータ作動処理のステップにおいては、電動モータ
204を所定時間T60(例えば、10secに応じた値)
を限度に正転させることができ、電動モータ204を所
定時間T60に亘り駆動させた場合には、所定時間T62
(例えば、1secに応じた値)に亘り停止させる。これ
により、上記同様にトランスファ装置6のギヤ切換えが
スムースに完了しない場合の過負荷が防止され、電動モ
ータ204が良好に保護されることになる。
【0135】図18のステップS436、ステップS4
38、ステップS440の判別結果がそれぞれ真(Ye
s)である場合には、シフトアクチュエータ60を作動
させるべきでない状況と判定でき、ステップS444に
おいてモータ停止処理が実行され、電動モータ204は
やはり停止状態に保持される。一方、ステップS430
の判別結果が真(Yes)でフリーホイールハブ機構1
9が分離状態(HAB=FREE)である場合には、次
にステップS432に進み、HAB制御を行う。
【0136】HAB制御ではフリーホイールハブ機構1
9の断接制御を行う。このHAB制御では、図24に示
すHAB制御ルーチンのフローチャートが実行される。
図24のステップS600では、車速Vが所定値V40
(例えば、4km/h)以下であるか否かを判別する。判別
結果が偽(No)で車速Vが所定値V40(例えば、4km
/h)より大である場合には、次にステップS602に進
む。
【0137】ステップS602では、ペラ回転差の絶対
値|ΔVc|がΔVc40(例えば、140rpm)以下であ
るか否かを判別する。判別結果が偽(No)であり、ペ
ラ回転差の絶対値|ΔVc|がΔVc40より大きい場合に
は、次にステップS604に進む。ステップS604で
は、クラッチギヤ20とクラッチギヤ22との回転速度
差、即ちクラッチギヤ20の回転速度NFLとクラッチギ
ヤ22の回転速度NFRとの回転速度差ΔNF(ΔNF=N
FL−NFR)が所定値ΔNF1(例えば、60rpm)以下で
あるか否かを判別する。
【0138】例えば、車両が2WDモードで高速走行し
ており、フロントプロペラシャフト16の回転速度がゼ
ロである場合には、クラッチギヤ20は前輪デフ18を
介して前輪FWの回転方向(+方向)とは逆方向(−方
向)に略同一の回転速度で回転している。故に、この場
合には、ステップS604の判別結果は偽(No)で回
転速度差ΔNFは所定値ΔNF1(例えば、60rpm)より
大であり、次にステップS606に進む。
【0139】ステップS606では、油圧多板クラッチ
88に供給するクラッチ油圧の制御量taを設定する。
この場合、クラッチ油圧の制御量taは、図25のマッ
プに示すように、回転速度差ΔNFに応じて予め設定さ
れている。なお、図25中の回転速度差ΔNFの値X5は
例えば60rpmであり、値X6は例えば300rpmであ
る。
【0140】このように、油圧多板クラッチ88に油圧
が供給されると、上述したように、フロントプロペラシ
ャフト16が回転し始めることになり、クラッチギヤ2
0を前輪FWの回転方向(+方向)、つまりクラッチギ
ヤ22の回転方向と同一方向に回転させるとともに、回
転速度差ΔNFを減少させる。ステップS616では、
上記回転速度差ΔNFが所定値ΔNF2(例えば、−80r
pm)以上所定値ΔNF1(例えば、60rpm)以下となっ
たか否かを判別する。つまり、ここでは、上記のように
クラッチ油圧の制御量taを設定したことにより、フロ
ントプロペラシャフト16が回転し、クラッチギヤ20
とクラッチギヤ22とが良好に同期するに至ったか否か
を判別する。
【0141】例えば、クラッチ油圧の制御量taが設定
された直後にあっては、未だ回転速度差ΔNFは所定値
ΔNF1(例えば、60rpm)を超えた状態にあり、ステ
ップS616の判別結果は偽(No)である。従って、
このような場合には、ステップS618において、フリ
ーホイールハブ機構19を分離したままの状態(HAB
=FREE)に保持する。
【0142】当該ルーチンが繰り返し実行されると、ペ
ラ回転差の絶対値|ΔVc|は徐々に減少することにな
る。そして、次回ステップS602が実行されたとき
に、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|がΔVc40(例えば、
140rpm)以下と判定されれば、次にステップS61
0に進む。ステップS610では、油圧多板クラッチ8
8に供給するクラッチ油圧の制御量taが所定値ta1よ
り小であるか否かを判別する。所定値ta1は、リヤプロ
ペラシャフトとフロントプロペラシャフト16とを同期
させるために最低限必要なクラッチ油圧の制御量とされ
ている。
【0143】ステップS610の判別結果が真(Ye
s)でクラッチ油圧の制御量taが所定値ta1より小で
ある場合には、次にステップS612に進み、クラッチ
油圧の制御量taに制御値Δtaを加算する。制御値Δt
aは、例えば制御量taの最大値tamaxの1/256程度
の大きさに予め設定されている。一方、制御値Δtaの
加算等により、ステップS610の判別結果が偽(N
o)で制御量taが所定値ta1以上と判定された場合に
は、ステップS614においてクラッチ油圧の制御量t
aを所定値ta1に設定する。これにより、上記ステップ
S606で設定された制御量taが所定値ta1より大で
ある場合であったとしても、クラッチギヤ20とクラッ
チギヤ22との同期回転の調整が可能とされる。
【0144】そして、ステップS616において、上記
同様に回転速度差ΔNFが所定値ΔNF2(例えば、−8
0rpm)以上所定値ΔNF1(例えば、60rpm)以下であ
るか否かを判別し、判別結果が偽(No)で回転速度差
ΔNFが所定値ΔNF2(例えば、−80rpm)以上所定値
ΔNF1(例えば、60rpm)以下の範囲にない場合に
は、ステップS618においてフリーホイールハブ機構
19を分離したままの状態(HAB=FREE)に保持
する。
【0145】一方、ステップS616の判別結果が真
(Yes)となり、回転速度差ΔNFが所定値ΔNF2
(例えば、−80rpm)以上所定値ΔNF1(例えば、6
0rpm)以下の範囲内にあると判定された場合には、ク
ラッチギヤ20とクラッチギヤ22とが良好に同期し、
カップリングスリーブ24がクラッチギヤ20,22を
良好に連結可能と判定でき、この場合には、ステップS
620において、フリーホイールハブ機構19を接続状
態、即ちロック状態(HAB=LOCK)に設定する。
【0146】つまり、バキュームアクチュエータ28の
電磁切換えバルブに駆動信号が供給されてシフトフォー
ク26が作動することとなり、これによりカップリング
スリーブ24が図1に示すように異音等の発生もなくス
ムースにクラッチギヤ20,22を互いに連結すること
になる。ところで、ステップS602の判別結果が偽
(No)、つまり、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|がΔ
Vc40(例えば、140rpm)より大であり、且つ、ステ
ップS604の判別結果が真(Yes)、即ち回転速度
差ΔNFが所定値ΔNF1(例えば、60rpm)以下である
場合には、次にステップS608に進む。例えば、車両
が通常に走行しておらず、駆動輪である後輪RWがスリ
ップし前輪FWが殆ど回転していないような場合もあり
得る。このような場合には、クラッチギヤ20とクラッ
チギヤ22とは略同期状態であって回転速度差ΔNFは
所定値ΔNF1(例えば、60rpm)以下であり、それ以
上クラッチギヤ20の回転速度を上昇させない方がよ
い。従って、ステップS602の判別結果が偽(No)
であってもステップS604の判別結果が真(Yes)
で回転速度差ΔNFが所定値ΔNF1(例えば、60rpm)
以下である場合には、次のステップS608においてク
ラッチ油圧の制御量taをゼロに設定し、フロントプロ
ペラシャフト16の回転が増速してクラッチギヤ20の
回転速度が必要以上に上昇してしまうことを防止する。
【0147】また、ステップS604の判別では、回転
速度差ΔNFの微分値dΔNF/dtが所定値Y1(例え
ば、−1000rpm/sec2)より小、即ちクラッチギヤ2
0の回転速度とクラッチギヤ22の回転速度との接近率
が極めて大きいか否かも判別するようにしており、判別
結果が真(Yes)で微分値dΔNF/dtが所定値Y1
(例えば、−1000rpm/sec2)より小でクラッチギヤ
20の回転速度のクラッチギヤ22の回転速度への接近
率が極めて大きい場合にもステップS608においてク
ラッチ油圧の制御量taをゼロに設定する。つまり、駆
動輪である後輪RWがスリップしているような状況で
は、クラッチギヤ20の回転速度のクラッチギヤ22の
回転速度への接近率が極めて大きいとフロントプロペラ
シャフト16が必要以上に回転し、その慣性力によって
クラッチギヤ20がクラッチギヤ22の回転速度を超え
て過回転しまう虞があり、故に、ここでは、回転速度差
ΔNFが所定値ΔNF1(例えば、60rpm)以下でなくて
も微分値dΔNF/dtが所定値Y1(例えば、−100
0rpm/sec2)より小であれば、クラッチ油圧の制御量t
aをゼロに設定してフロントプロペラシャフト16の回
転を抑制し、クラッチギヤ20の回転速度が必要以上に
上昇することを未然に防止するようにしている。
【0148】また、回転速度差ΔNFの微分値dΔNF/
dtが所定値Y1より大きい場合には、ステップS60
4の判別結果が偽(No)となり、次にステップS60
6に進み、上述したようにクラッチ油圧制御量taの設
定が行われる。また、ステップS600において、判別
結果が真(Yes)の場合、つまり、車速Vが所定値V
40以下で停止状態のときには、カップリングスリーブ2
4がクラッチギヤ20,22を良好に連結可能と判定で
き、ステップS620に進み、フリーホイールハブ機構
19を接続状態(HAB=LOCK)にする。
【0149】図13のステップS274の判別結果が偽
(No)の場合には、次にステップS278に進み、駆
動モード指令が4WDモード(MODE=4H)であっ
て且つ実駆動モードがフルタイム4WDモードとハイ直
結4WDモードとの中間(実MODE=4Hー4HLc)
或いはハイ直結4WDモード(実MODE=4HLc)
であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)の場
合には、次にステップS280に進み、上記図17の直
結4WD解除処理を行う。
【0150】一方、ステップS270の判別結果が真
(Yes)の場合には、ステップS272においてモー
タ停止処理を行う。つまり、シフトアクチュエータ60
の電動モータ204の作動により、シフトフォーク84
が移動し、図1に示すように、カップリングスリーブ8
2がクラッチギヤ74,78を相互に連結する位置(フ
ルタイム4WD位置)とされ、駆動モード指令と実駆動
モードとが一致した場合には、上記2WD解除処理、直
結4WD解除処理で逆転あるいは正転させた電動モータ
204をもはや作動させる必要はなく、電動モータ20
4を停止状態に保持する。
【0151】ステップS282では、フリーホイールハ
ブ機構19がフリー状態(HAB=FREE)であるか
否かを判別する。実際には、駆動モード指令が4WDモ
ード(MODE=4H)であって且つ実駆動モードも
(実MODE=4H)である場合には、上記ステップS
620の実行により、フリーホイールハブ機構19はロ
ック状態(HAB=LOCK)とされている。従って、
ここでの判別は、確認的なものである。判別結果が真
(Yes)でフリーホイールハブ機構19がフリー状態
(HAB=FREE)である場合には、ステップS28
4において上記HAB制御を行う。これにより、車両は
フルタイム4WD状態とされる。
【0152】図15のステップS286では、駆動モー
ド指令がハイ直結4WDモード(MODE=4HLc)
であって且つ実駆動モードもハイ直結4WDモード(実
MODE=4HLc)であるか否かを判別する。ステッ
プS286の判別結果が偽(No)の場合には、次にス
テップS290に進み、駆動モード指令がハイ直結4W
Dモード(MODE=4HLc)であって且つ実駆動モ
ードが2WDモード(実MODE=2H)或いは上記同
様に実駆動モードが2WDモードとフルタイム4WDモ
ードとの中間(実MODE=2Hー4H)であるか否か
を判別する。判別結果が真(Yes)の場合には、次に
ステップS292に進み、上記図18の2WD解除処理
を行う。
【0153】ステップS290の判別結果が偽(No)
の場合には、次にステップS294に進み、駆動モード
指令がハイ直結4WDモード(MODE=4HLc)で
あって且つ実駆動モードがフルタイム4WDモード(実
MODE=4H)或いはフルタイム4WDモードとハイ
直結4WDモードとの中間(実MODE=4Hー4HL
c)であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)
の場合には、次にステップS296に進む。
【0154】ステップS296では、直結4WD突入処
理を行う。この直結4WD突入処理では、図20に示す
直結4WD突入処理ルーチンのフローチャートが実行さ
れる。図20のステップS450では、油圧多板クラッ
チ88に供給するクラッチ油圧の制御量taを設定す
る。ここでのクラッチ油圧の制御量taは、図21のマ
ップに示すように、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|に応
じて予め設定されている。なお、図21中の絶対値|Δ
Vc|の値X3は例えば3rpmであり、値X4は例えば15
rpmである。
【0155】これにより、油圧多板クラッチ88の係合
によって、クラッチギヤ74,78,80が略一体に同
期して回転し、略直結4WD状態とされる。そして、次
のステップS452では、ペラ回転差の絶対値|ΔVc
|がΔVc50(例えば、40rpm)より大か否かを判別す
る。判別結果が偽(No)で、ペラ回転差の絶対値|Δ
Vc|がΔVc50(例えば、40rpm)以下である場合に
は、次にステップS454に進む。
【0156】ステップS454では、エンジン2からト
ランスファ装置6への駆動力Ftfが所定値Ftf50より大
か否かを判別する。判別結果が偽(No)で駆動力Ftf
が所定値Ftf50以下である場合には、次にステップS4
56に進む。ステップS456では、ハンドル角θHが
所定値θH50(例えば、270deg)より大であって且つ
車速Vが所定値V50(例えば、30km/h)より小である
か否かを判別する。判別結果が偽(No)でハンドル角
θHが所定値θH50(例えば、270deg)以下且つ車速
Vが所定値V50(例えば、30km/h)以上である場合に
は、次にステップS458に進み、モータ作動処理を行
う。
【0157】つまり、ペラ回転差の絶対値|ΔVc|が
ΔVc50(例えば、40rpm)以下となり、駆動力Ftfが
所定値Ftf50以下であり、さらに、ハンドル角θHが所
定値θH50(例えば、270deg)以下且つ車速Vが所定
値V50(例えば、30km/h)以上である場合には、駆動
モード指令(MODE=4HLc)に応じてシフトアク
チュエータ60を作動させてもよい状況と判定でき、ス
テップS458において電動モータ204を正転方向に
作動させる。
【0158】ステップS452、ステップS454、ス
テップS456の判別結果がそれぞれ真(Yes)であ
る場合には、シフトアクチュエータ60を作動させるべ
きでない状況と判定でき、ステップS460においてモ
ータ停止処理が実行され、電動モータ204は停止状態
に保持される。また、一方、ステップS286の判別結
果が真(Yes)の場合には、ステップS288におい
てモータ停止処理を行う。つまり、シフトアクチュエー
タ60の電動モータ204の作動により、シフトフォー
ク84が移動し、図33に示すように、カップリングス
リーブ82がクラッチギヤ74,78,80の全てを相
互に連結する位置(直結4WD位置)とされ、駆動モー
ド指令と実駆動モードとが一致した場合には、上記2W
D解除処理、直結4WD突入処理で正転させた電動モー
タ204をもはや作動させる必要はなく、電動モータ2
04を停止状態に保持する。これにより、車両はハイ直
結4WD状態とされる。この状態では、入力軸8からの
駆動力がセンタデフ62による差動なく後輪側出力軸1
0とトランスファスプロケット12とに等配分(略5:
5)されて伝達される。
【0159】図6のステップS46は、上記#1モータ
制御で設定された制御量taに応じて油圧制御を行うス
テップである。つまり、このステップS46の実行によ
り、バルブボディ90の電磁弁が開閉制御され、油圧多
板クラッチ88の係合力が適宜調節されることになる
(クラッチ制御手段)。そして、ステップS47では、
上記実行周期タイマTMAを値0にリセットする。
【0160】ところで、上記図6のステップS42の判
別結果が真(Yes)で車速Vが所定車速V0(例え
ば、2km/h)未満である場合には、次にステップS45
に進む。ステップS45では、#2モータ制御が実施さ
れる。この#2モータ制御は、即ち、車両が略停止状態
にある場合の上記シフトアクチュエータ60の電動モー
タ204の制御を意味している。#2モータ制御では、
図26乃至図29に示す#2モータ制御ルーチンのフロ
ーチャートが実行され、以下、図26乃至図29に基づ
き説明する。
【0161】図26のステップS300では、インヒビ
タスイッチ108からの情報に基づく変速機4のセレク
トレバー位置がパーキングレンジ(Pレンジ)或いはニ
ュートラルレンジ(Nレンジ)にあるか否かを判別す
る。判別結果が偽(No)でセレクトレバー位置がPレ
ンジ或いはNレンジにない場合には、何もせず当該ルー
チンを抜ける。つまり、車速Vが所定車速V0(例え
ば、2km/h)未満であっても変速機4のセレクトレバー
位置がドライブレンジ(Dレンジ)等であってトランス
ファ装置6にエンジン2の駆動力が伝達されているよう
な状況では、モータ制御を行わない。
【0162】一方、ステップS300の判別結果が真
(Yes)で、変速機4のセレクトレバー位置がPレン
ジ或いはNレンジにある場合には、次のステップS30
2において、モータ保護用のタイマTMmが所定時間T7
0(例えば、10sec)より小であるか否かを判別する。
判別結果が真(Yes)で作動タイマTMmが所定時間
T70(例えば、10sec)に達していない場合には、次
にステップS304に進む。
【0163】ステップS304では、上記#1モータ制
御の場合と同様に、駆動モード指令が2WDモード(M
ODE=2H)であって且つ実駆動モードも2WDモー
ド(実MODE=2H)であるか否かを判別する。ステ
ップS304の判別結果が偽(No)の場合には、次に
ステップS312に進み、駆動モード指令が2WDモー
ド(MODE=2H)であって且つ実駆動モードが2W
Dモードとフルタイム4WDモードとの中間(実MOD
E=2Hー4H)或いはフルタイム4WDモード(実M
ODE=4H)であるか否かを判別する。判別結果が真
(Yes)の場合には、次にステップS314に進む。
【0164】ステップS314では、モータ逆動処理を
行う。つまり、ここでは、上記#1モータ制御の場合と
は異なりトランスファ装置6にエンジン2の駆動力が伝
達されていないため、クラッチギヤ74,80間でカッ
プリングスリーブ82が作動し難いことはなく、故に2
WD突入処理を行うことなく、直接モータ逆動処理を行
う。
【0165】ステップS312の判別結果が偽(No)
の場合には、次にステップS316に進み、駆動モード
指令が2WDモード(MODE=2H)であって且つ実
駆動モードがフルタイム4WDモードとハイ直結4WD
モードとの中間(実MODE=4Hー4HLc)或いはハ
イ直結4WDモード(実MODE=4HLc)であるか
否かを判別する。判別結果が真(Yes)の場合には、
次にステップS318に進む。
【0166】ステップS318では、上記同様にモータ
逆動処理を行う。つまり、ここでは、上記同様の理由か
ら、直結4WD解除処理を行うことなく、直接モータ逆
動処理を行う。ステップS316の判別結果が偽(N
o)の場合には、次にステップS320に進み、駆動モ
ード指令が2WDモード(MODE=2H)であって且
つ実駆動モードがハイ直結4WDモードとロー直結4W
Dモードとの中間(実MODE=4HLcー4LLc)或
いはロー直結4WDモード(実MODE=4LLc)で
あるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)の場合
には、次にステップS322に進む。
【0167】ステップS322では、ハイ直結4WDモ
ードとロー直結4WDモードとの切換処理、即ちHi−
Low切換処理を行う。このHi−Low切換処理で
は、図30に示すHi−Low切換処理ルーチンのフロ
ーチャートが実行される。図30のステップS700で
は、駆動モード指令がロー直結4WDモード(MODE
=4LLc)であるか否かを判別する。ここでは、駆動
モード指令は2WDモード(MODE=2H)であるの
で、判別結果は偽(No)であり、次にステップS70
2に進み、電動モータ204に向けてモータ逆転指令を
出力する。
【0168】次のステップS706では、モータ保護用
のタイマTM1HLが所定時間T80(例えば、10sec)以
下であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で
作動タイマTM1HLが所定時間T80(例えば、10sec)
に達していない場合には、次にステップS708におい
てタイマTM1HLをカウントアップする。一方、ステッ
プS706の判別結果が偽(No)でタイマTM1HLが
所定時間T80(例えば、10sec)を超えた場合には、
次にステップS710に進み、Hi−Low切換時のシ
フトアクチュエータ60のON−OFF指令であるフラ
グFONOFFが値1であるか否かを判別する。
【0169】ステップS710の判別結果が真(Ye
s)でフラグFONOFFが値1である場合には、ステップ
S712においてオンタイマTM2HLをカウントアップ
する。そして、ステップS716において、オンタイマ
TM2HLが所定時間T90(例えば、1sec)となったか否
かを判別する。ステップS716の判別結果が偽(N
o)の場合には、ステップS724において改めてフラ
グFONOFFが値1であるか否かを判別し、次のステップ
S726において、上記ステップS702の出力信号に
応じたモータ作動指令(モータ逆転指令)を出力する。
【0170】一方、ステップS716の判別結果が真
(Yes)となると、次のステップS718において、
フラグFONOFFを値0にリセットし、同時にオンタイマ
TM2HLを値0にリセットする。この場合には、ステッ
プS724の判別結果は偽(No)となり、次のステッ
プS728においてモータ停止指令を出力し、電動モー
タ204の作動を停止させる。
【0171】フラグFONOFFが値0とされると、ステッ
プS710の判別結果は偽(No)となり、この場合に
は、ステップS714において、オフタイマTM3HLを
カウントアップする。そして、ステップS720におい
て、オフタイマTM3HLが所定時間T92(例えば、1se
c)となったか否かを判別する。ステップS720の判
別結果が偽(No)の場合には、ステップS724にお
ける判別結果は、やはり偽(No)であり、ステップS
728においてモータ停止指令を出力し続け、電動モー
タ204を停止状態に保持する。
【0172】一方、ステップS720の判別結果が真
(Yes)となると、次のステップS722において、
フラグFONOFFを値1に設定し、同時にオフタイマTM3
HLを値0にリセットする。これにより、ステップS72
4の判別結果は真(Yes)となり、ステップS726
において、再びモータ作動指令(モータ逆転指令)を出
力する。
【0173】つまり、ステップS710乃至ステップS
728のステップでは、電動モータ204を所定時間T
90(例えば、1sec)に亘り作動させたら所定時間T92
(例えば、1sec)に亘り停止させるというオンオフ作
動を繰り返す。このようにオンオフ作動を繰り返すこと
により、タイマTM1HLが所定時間T80(例えば、10s
ec)を超えてもカップリングスリーブ56がクラッチギ
ヤ40,42間でスムースに作動しないような状況にお
いて、オンオフ作動に基づく反動により当該カップリン
グスリーブ56が良好に作動することとなる。
【0174】そして、図26のステップS314、ステ
ップS318の処理ルーチンが実行されると、ステップ
S324に進み、タイマTMmをカウントアップする。
また、ステップS322の処理ルーチンが実行される
と、図27のステップS326に進む。このようにして
モータ逆動処理、Hi−Low切換処理が実施されるこ
とになるが、一方、ステップS304の判別結果が真
(Yes)の場合には、次にステップS306に進む。
つまり、上記図32に示すように、カップリングスリー
ブ82がクラッチギヤ74,80を相互に連結する位置
(2WD位置)とされ、駆動モード指令と実駆動モード
とが一致した場合には、ステップS306において、フ
リーホイールハブ機構19を、図32に示すように、フ
リー状態(HAB=FREE)とする。そして、電動モ
ータ204をもはや作動させる必要はないため、ステッ
プS308においてモータ停止処理を行い、上記のよう
に作動させた電動モータ204を停止させる。そして、
ステップS310においてタイマTMmをリセットす
る。これにより、上記#1モータ制御の場合と同様に、
車両は2WD状態とされる。
【0175】なお、カウントアップによりタイマTMm
が所定時間T70(例えば、10sec)を超え、ステップ
S302の判別結果が偽(No)となった場合には、ス
テップS304以降を実施することなく当該ルーチンを
抜けることになる。つまり、タイマTMmが所定時間T7
0(例えば、10sec)を超えてもクラッチギヤ40,4
2間でカップリングスリーブ56が作動完了しないよう
な場合には、電動モータ204が無理に回転しないよう
にするのである。これにより、電動モータ204の過熱
等による破損が防止される。
【0176】図27のステップS326では、やはり上
記#1モータ制御の場合と同様に、駆動モード指令がフ
ルタイム4WDモード(MODE=4H)であって且つ
実駆動モードもフルタイム4WDモード(実MODE=
4H)であるか否かを判別する。ステップS326の判
別結果が偽(No)の場合には、次にステップS332
に進み、駆動モード指令がフルタイム4WDモード(M
ODE=4H)であって且つ実駆動モードが2WDモー
ド(実MODE=2H)或いは上記同様に実駆動モード
が2WDモードとフルタイム4WDモードとの中間(実
MODE=2Hー4H)であるか否かを判別する。判別
結果が真(Yes)の場合には、次にステップS334
に進む。
【0177】ステップS334では、モータ作動処理を
行う。つまり、ここでは、上記同様の理由から、2WD
解除処理を行うことなく、直接モータ作動処理を行う。
ステップS332の判別結果が偽(No)の場合には、
次にステップS336に進み、駆動モード指令が4WD
モード(MODE=4H)であって且つ実駆動モードが
フルタイム4WDモードとハイ直結4WDモードとの中
間(実MODE=4Hー4HLc)或いはハイ直結4WD
モード(実MODE=4HLc)であるか否かを判別す
る。判別結果が真(Yes)の場合には、次にステップ
S338に進み、モータ逆動処理を行う。つまり、ここ
では、やはり上記同様の理由から、直結4WD解除処理
を行うことなく、直接モータ作動処理を行う。
【0178】ステップS336の判別結果が偽(No)
の場合には、次にステップS340に進み、駆動モード
指令がフルタイム4WDモード(MODE=4H)であ
って且つ実駆動モードがハイ直結4WDモードとロー直
結4WDモードとの中間(実MODE=4HLcー4LL
c)或いはロー直結4WDモード(実MODE=4LL
c)であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)
の場合には、次にステップS342に進む。
【0179】ステップS342では、上記Hi−Low
切換処理を行う。このHi−Low切換処理での制御手
順は上記同様であり、ここでは説明を省略する。そし
て、ステップS334、ステップS338の処理ルーチ
ンが実行されると、ステップS344に進み、タイマT
Mmをカウントアップする。また、ステップS342の
処理ルーチンが実行されると、図28のステップS35
0に進む。
【0180】このようにしてモータ作動処理、モータ逆
動処理、Hi−Low切換処理が実施されることになる
が、ステップS326の判別結果が真(Yes)となっ
た場合には、次にステップS328に進む。つまり、シ
フトアクチュエータ60の電動モータ204の作動によ
り、シフトフォーク84が後輪側出力軸10側に移動
し、図1に示すように、カップリングスリーブ82がク
ラッチギヤ74,78を相互に連結する位置(フルタイ
ム4WD位置)とされ、駆動モード指令と実駆動モード
とが一致した場合には、電動モータ204をもはや作動
させる必要はないため、ステップS328においてモー
タ停止処理を行い、上記のように作動させた電動モータ
204を停止させる。そして、ステップS330におい
てタイマTMmをリセットする。
【0181】さらに、ステップS346において、フリ
ーホイールハブ機構19がフリー状態(HAB=FRE
E)であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)
でフリーホイールハブ機構19がフリー状態(HAB=
FREE)である場合には、ステップS348において
上記HAB制御を行い、フリーホイールハブ機構19を
ロック状態(HAB=LOCK)とする。これにより、
上記#1モータ制御の場合と同様に、車両はフルタイム
4WD状態とされる。
【0182】図28のステップS350では、やはり上
記#1モータ制御の場合と同様に、駆動モード指令がハ
イ直結4WDモード(MODE=4HLc)であって且
つ実駆動モードもハイ直結4WDモード(実MODE=
4HLc)であるか否かを判別する。ステップS350
の判別結果が偽(No)の場合には、次にステップS3
56に進み、駆動モード指令がハイ直結4WDモード
(MODE=4HLc)であって且つ実駆動モードが2
WDモード(実MODE=2H)或いは上記同様に実駆
動モードが2WDモードとフルタイム4WDモードとの
中間(実MODE=2Hー4H)であるか否かを判別す
る。判別結果が真(Yes)の場合には、次にステップ
S358に進み、モータ作動処理を行う。つまり、ここ
では、上記同様の理由から、2WD解除処理を行うこと
なく、直接モータ作動処理を行う。
【0183】ステップS356の判別結果が偽(No)
の場合には、次にステップS360に進み、駆動モード
指令がハイ直結4WDモード(MODE=4HLc)で
あって且つ実駆動モードがフルタイム4WDモード(実
MODE=4H)或いはフルタイム4WDモードとハイ
直結4WDモードとの中間(実MODE=4Hー4HL
c)であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)
の場合には、次にステップS362に進む。
【0184】ステップS362では、モータ作動処理を
行う。つまり、ここでは、上記同様の理由から、直結4
WD突入処理を行うことなく、直接モータ作動処理を行
う。ステップS360の判別結果が偽(No)の場合に
は、次にステップS364に進み、駆動モード指令がハ
イ直結4WDモード(MODE=4HLc)であって且
つ実駆動モードがハイ直結4WDモードとロー直結4W
Dモードとの中間(実MODE=4HLcー4LLc)或
いはロー直結4WDモード(実MODE=4LLc)で
あるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)の場合
には、次にステップS366に進む。
【0185】ステップS366では、上記Hi−Low
切換処理を行う。このHi−Low切換処理での制御手
順についても上記同様であり、ここでは説明を省略す
る。そして、ステップS358、ステップS362の処
理ルーチンが実行されると、ステップS368に進み、
タイマTMmをカウントアップする。また、ステップS
366の処理ルーチンが実行されると、図29のステッ
プS370に進む。
【0186】このようにしてモータ作動処理、Hi−L
ow切換処理が実施されることになるが、ステップS3
50の判別結果が真(Yes)の場合には、次にステッ
プS352に進む。つまり、図33に示すように、カッ
プリングスリーブ82がクラッチギヤ74,78,80
の全てを相互に連結する位置(直結4WD位置)とさ
れ、駆動モード指令と実駆動モードとが一致した場合に
は、電動モータ204をもはや作動させる必要はないた
め、ステップS352においてモータ停止処理を行い、
上記のように作動させた電動モータ204を停止させ
る。そして、ステップS354においてタイマTMmを
リセットする。これにより、上記#1モータ制御の場合
と同様に、車両はハイ直結4WD状態とされ、入力軸8
からの駆動力がセンタデフ62による差動なく後輪側出
力軸10とトランスファスプロケット12とに等配分
(略5:5)されて伝達される。
【0187】ステップS370では、駆動モード指令が
ロー直結4WDモード(MODE=4LLc)であって
且つ実駆動モードもロー直結4WDモード(実MODE
=4LLc)であるか否かを判別する。ステップS37
0の判別結果が偽(No)の場合には、次にステップS
376に進み、駆動モード指令がロー直結4WDモード
(MODE=4LLc)であって且つ実駆動モードが2
WDモード(実MODE=2H)或いは実駆動モードが
2WDモードとフルタイム4WDモードとの中間(実M
ODE=2Hー4H)であるか否かを判別する。判別結
果が真(Yes)の場合には、次にステップS378に
進み、モータ作動処理を行う。
【0188】ステップS376の判別結果が偽(No)
の場合には、次にステップS380に進み、駆動モード
指令がロー直結4WDモード(MODE=4LLc)で
あって且つ実駆動モードがフルタイム4WDモード(実
MODE=4H)或いはフルタイム4WDモードとハイ
直結4WDモードとの中間(実MODE=4Hー4HL
c)であるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)
の場合には、次にステップS382に進み、モータ作動
処理を行う。
【0189】ステップS380の判別結果が偽(No)
の場合には、次にステップS384に進み、駆動モード
指令がロー直結4WDモード(MODE=4LLc)で
あって且つ実駆動モードがハイ直結4WDモード(実M
ODE=4HLc)或いはハイ直結4WDモードとロー
直結4WDモードとの中間(実MODE=4HLcー4L
Lc)であるか否かを判別する。判別結果が真(Ye
s)の場合には、次にステップS386に進む。
【0190】ステップS386では、上記Hi−Low
切換処理を行う。この場合にも上記図30のHi−Lo
w切換処理ルーチンが実行されるが、但し、このときに
は、図30中のステップS700の判別結果は真(Ye
s)であり、この場合には、次のステップS704にお
いて電動モータ204に向けてモータ正転指令を出力す
る。ステップS706以降については上述のとおりであ
り説明を省略する。
【0191】そして、ステップS378、ステップS3
82の処理ルーチンが実行されると、ステップS388
に進み、タイマTMmをカウントアップする。このよう
にしてモータ作動処理、Hi−Low切換処理が実施さ
れることになるが、ステップS370の判別結果が真
(Yes)の場合には、次にステップS372に進む。
つまり、図34に示すように、カップリングスリーブ8
2がクラッチギヤ74,78,80の全てを相互に連結
する位置(直結4WD位置)とされるとともに、カップ
リングスリーブ56がクラッチギヤ42,44を相互に
連結する位置(ロー位置)とされ、駆動モード指令と実
駆動モードとが一致した場合には、電動モータ204を
もはや作動させる必要はないため、ステップS372に
おいてモータ停止処理を行い、上記のように作動させた
電動モータ204を停止させる。そして、ステップS3
74においてタイマTMmをリセットする。これによ
り、車両はロー直結4WD状態とされる。この状態で
は、入力軸8からの駆動力がセンタデフ62による差動
なく後輪側出力軸10とトランスファスプロケット12
とに等配分(略5:5)されて伝達されることになると
ともに、上記ハイ直結4WD状態よりもトルクフルな4
輪駆動(前後輪駆動)走行が可能とされる。
【0192】ところで、上記実施例で用いたトランスフ
ァ装置6は当該構成のものに限られず、図35(実施例
2)、図36(実施例3)、図37(実施例4)に示す
ような構成のものであってもよい。以下、実施例2乃至
実施例4について説明する。なお、これらの実施例はト
ランスファ装置の構成が異なるのみであり、駆動切換制
御(駆動切換指令手段、連結切換手段、クラッチ制御手
段)については上記実施例1と同様であるためここでは
詳細な説明を省略する。
【0193】実施例2(請求項1に対応)では、図35
に示すように、トランスファ装置は、上記実施例1のよ
うなセンタデフ62を有さず、2WD状態とクラッチ連
結による4WD状態(オンディマンド4WD状態)と直
結4WDの切換えが可能なものとされている。つまり、
この実施例2では、中間軸(第1伝達部材)36に回転
自在に支持されたスリーブ軸(第2伝達部材)76aの
他端にクラッチギヤ78aが、またクラッチギヤ78a
に隣接して中間軸36にクラッチギヤ80が設けられて
いる。さらに、クラッチギヤ78a,80の外側にクラ
ッチギヤ78a,80間の連結を行うカップリングスリ
ーブ(連結手段)82aが配置されており、カップリン
グスリーブ82aは中間軸36の軸線方向に摺動自在に
支持されている。そして、中間軸36とスリーブ軸76
aとの間に油圧多板クラッチ(クラッチ手段)88が配
設されており、クラッチギヤ78aと油圧多板クラッチ
88との間のスリーブ軸76aの部分には前輪FW側へ
駆動力を伝達する出力スプロケット85aが設けられて
いる。
【0194】従って、この実施例2のトランスファ装置
の場合、駆動切換制御に基づき、カップリングスリーブ
82aによってクラッチギヤ78a,80間の連結が行
われず、且つ、油圧多板クラッチ88に油圧が供給され
ない状態では、後輪RW側にのみ駆動力が伝達されてト
ランスファ装置は2WD状態となり、油圧多板クラッチ
88に油圧が供給されると前輪FW側へも駆動力が伝達
されるようにされてオンディマンド4WD状態とされ
る。これにより、上記実施例1の場合と同様に、カップ
リングスリーブ82aによるクラッチギヤ78a,80
間の連結が行われる以前からスリーブ軸76a、出力ス
プロケット85aに駆動力が伝達される。また、カップ
リングスリーブ82aによる連結が行われる際には、カ
ップリングスリーブ82aが異音なくスムースに移動
し、トランスファ装置は良好に直結4WD状態とされ
る。
【0195】実施例3(請求項7に対応)では、図36
に示すように、トランスファ装置は、上記実施例1と同
様にセンタデフ62を有しており、この場合にはフルタ
イム4WDと直結4WDの切換えが可能なものとされて
いる。つまり、この実施例3の場合には、センタデフ6
2のデフケース64と中間軸36に回転自在に支持され
たスリーブ軸72aとの間に油圧多板クラッチ88が配
設されており、スリーブ軸72aの一端にクラッチギヤ
74aが、またその中間部に前輪FW側へ駆動力を伝達
する出力スプロケット85bが設けられている。さら
に、クラッチギヤ74aと中間軸36に設けられたクラ
ッチギヤ80の外側に、クラッチギヤ74aとクラッチ
ギヤ80の連結を行うカップリングスリーブ(第3連結
手段)82bが配置されており、カップリングスリーブ
82bは中間軸36の軸線方向に摺動自在にして支持さ
れている。
【0196】従って、この実施例3のトランスファ装置
の場合、駆動切換制御に基づき、カップリングスリーブ
82bによってクラッチギヤ74aとクラッチギヤ80
との連結が行われず、且つ、油圧多板クラッチ88に油
圧が供給されない状態では、センタデフ62によって駆
動力が前輪FW側と後輪RW側とに適正に配分されてト
ランスファ装置はフルタイム4WD状態(非直結状態)
となり、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されるとオ
ンディマンド4WD状態とされる。これにより、上記実
施例1の場合と同様に、クラッチギヤ74aとクラッチ
ギヤ80とが同期回転することになり、カップリングス
リーブ82bによってクラッチギヤ74a,80間の連
結が行われる際には、カップリングスリーブ82bが異
音なくスムースに移動し、トランスファ装置は良好に直
結4WD状態(直結状態)とされる。
【0197】実施例4(請求項7に対応)では、図37
に示すように、トランスファ装置は、上記実施例1、実
施例3と同様にセンタデフ62を有しており、この場合
には実施例1の場合と同様に2WDとフルタイム4WD
と直結4WDとの切換えが可能なものとされている。つ
まり、この実施例4の場合には、上記実施例3の場合と
同様、センタデフ62のデフケース64と中間軸36に
回転自在に支持されたスリーブ軸72bとの間に油圧多
板クラッチ88が配設されており、スリーブ軸72bの
一端にクラッチギヤ74bが設けられている。さらに
は、スリーブ軸76bがスリーブ軸72bに回転自在に
支持されており、そのスリーブ軸76bの一端にクラッ
チギヤ78bが設けられ、その他端に前輪FW側へ駆動
力を伝達する出力スプロケット85cが設けられてい
る。そして、クラッチギヤ74b、クラッチギヤ78b
及び中間軸36に設けられたクラッチギヤ80の外側
に、クラッチギヤ74b,80の連結を行うカップリン
グスリーブ(第3連結手段)82cとクラッチギヤ74
b,78bの連結を行うカップリングスリーブ82dが
配置されており、これらカップリングスリーブ82c,
82dは中間軸36の軸線方向に摺動自在にして支持さ
れている。
【0198】従って、この実施例4のトランスファ装置
の場合、駆動切換制御に基づき、カップリングスリーブ
82cによってクラッチギヤ74bとクラッチギヤ80
の連結が行われる一方でカップリングスリーブ82dに
よるクラッチギヤ74bとクラッチギヤ78bとの連結
が行われない状態では、後輪RW側にのみ駆動力が伝達
されてトランスファ装置は2WD状態となる。また、カ
ップリングスリーブ82cによるクラッチギヤ74bと
クラッチギヤ80との連結が行われず、一方でカップリ
ングスリーブ82dによってクラッチギヤ74bとクラ
ッチギヤ78bとが連結された状態では、トランスファ
装置はフルタイム4WD状態(非直結状態)となる。そ
して、例えば、この状態で油圧多板クラッチ88に油圧
が供給されると、オンディマンド4WD状態とされる。
これにより、上記実施例1の場合と同様に、クラッチギ
ヤ74bとクラッチギヤ80とが同期回転することにな
り、カップリングスリーブ82cによってクラッチギヤ
74b,80間の連結が行われる際には、カップリング
スリーブ82cが異音なくスムースに移動し、トランス
ファ装置は良好に直結4WD状態(直結状態)とされ
る。
【0199】なお、上記実施例4ではカップリングスリ
ーブ82cとカップリングスリーブ82dとを別体とし
たが、これらを実施例1の場合と同様に一つのカップリ
ングスリーブで構成することも可能である。以上、説明
したように、本発明の前後輪駆動車では、実駆動モード
が2WDモード(実MODE=2H)であるとき、駆動
モード指令(MODE=4H)に応じて実駆動モードを
フルタイム4WDモード(実MODE=4H)とする
際、図18に示したように、ペラ回転差の絶対値|ΔV
c|がΔVc30(例えば、30rpm)より大であってクラ
ッチギヤ74とクラッチギヤ78との回転速度差が大で
あるような場合(ステップS436)、駆動力Ftfが所
定値Ftf30より大であってクラッチギヤ78に掛かる駆
動力が大であるような場合(ステップS438)、ハン
ドル角θHが所定値θH30(例えば、上記所定値θH10同
様に180deg)より大であって且つ車速Vが所定値V3
0(例えば、上記所定値V10同様に25km/h)より小で
あるような低速旋回状態時にある場合(ステップS44
0)には、シフトアクチュエータ60の駆動モータ20
4を作動させず(ステップS444)、つまりカップリ
ングスリーブ82を作動させることなくクラッチギヤ7
4とクラッチギヤ78との連結を禁止し、一方、この間
に油圧多板クラッチ88に制御量taのクラッチ油圧を
供給してクラッチによる4WD状態(オンディマンド4
WD状態)を実現するように図っている(ステップS4
34)。
【0200】従って、上記禁止条件が解除されて駆動モ
ータ204が作動可能となりクラッチギヤ74とクラッ
チギヤ78との連結が行われるときにおいて(ステップ
S442)、クラッチギヤ74とクラッチギヤ78とは
良好に同期していることになり、故に、カップリングス
リーブ82とクラッチギヤ74,78との衝突等なく異
音の発生やクラッチギヤ74,78等の破損が良好に防
止され、駆動モードの切換えが極めてスムースに実現可
能とされる。
【0201】また、このとき、油圧多板クラッチ88に
供給するクラッチ油圧の制御量taはペラ回転差の絶対
値|ΔVc|に応じて設定されるので(図19参照)、
駆動モードの切換えがスムース且つ極めて迅速に実現さ
れる。
【0202】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
の前後輪駆動車によれば、連結切換手段による連結手段
の第1伝達部材と第2伝達部材との連結切換操作が実際
に行われる前の時点からクラッチ手段の係合により第1
伝達部材から第2伝達部材へ駆動力を伝達することがで
き、迅速に前後輪への駆動力の伝達を行うことができ、
その後連結手段の連結切換操作を行うことで、所望の駆
動モードを好適に達成できる。
【0203】また、請求項2の前後輪駆動車によれば、
連結切換手段による第1連結手段の第2出力要素と第3
伝達部材との連結切換操作が実際に行われる前の時点か
らクラッチ手段の係合により入力要素または第1出力要
素から第3伝達部材へ駆動力を伝達することができ、迅
速に前後輪への駆動力の伝達を行うことができ、その後
第1連結手段の連結切換操作を行うことで、所望の駆動
モードを好適に達成できる。
【0204】また、請求項3の前後輪駆動車によれば、
連結切換手段による第2連結手段の連結切換操作が実際
に行われる前の時点からクラッチ手段の係合により差動
装置の差動を制限した直結状態に近い状態で前後輪へ駆
動力を伝達することができ、迅速に前後輪差動を制限で
き、その後第2連結手段の連結切換操作を行うことで、
所望の駆動モードを好適に達成できる。
【0205】また、請求項4の前後輪駆動車によれば、
前後輪回転速度差、即ち第1伝達部材と第2伝達部材間
(請求項1)、或いは第2出力要素と第3伝達部材間
(請求項2)、或いは第2連結手段により連結される要
素間(請求項3)での回転速度差の大きさに応じて適正
にクラッチ手段が係合制御されることになり、第1伝達
部材と第2伝達部材との、または第2出力要素と第3伝
達部材との、または第2連結手段により連結される要素
同士との同期が速やかに実現される。故に、連結手段
(請求項1)、第1連結手段(請求項2)、第2連結手
段(請求項3)の連結操作をよりスムースに行うことが
でき、より迅速に所望の駆動モードを達成することがで
きる。
【0206】また、請求項5の前後輪駆動車によれば、
連結切換手段による第1連結手段または第2連結手段の
連結切換操作が実際に行われる以前より、クラッチ手段
の係合により入力要素または第1出力要素から第3伝達
部材への駆動力の伝達、或いは差動装置の差動制限を迅
速に行うことができ、その後連結判定手段により連結可
能と判定され連結切換操作が行われたときには、当該連
結切換操作を異音等なくスムースに実現でき、所望の駆
動モードを好適に達成できる。
【0207】また、請求項6の前後輪駆動車によれば、
入力トルクが規定値よりも小であるときに上記第1連結
手段または上記第2連結手段が連結可能と判定されるこ
とになり、つまり、差動装置の入力要素や第1出力要素
や第2出力要素や第3伝達部材に大きな駆動力負荷が掛
かっているようなときには的確に連結不可能と判定さ
れ、故に第1連結手段や第2連結手段の連結切換操作を
好適に禁止して第1連結手段や第2連結手段の破損等を
良好に防止することができる。
【0208】また、請求項7の前後輪駆動車によれば、
連結切換手段により第3連結手段の連結切換操作が実際
に行われる前の時点からクラッチ手段の係合により差動
装置の差動制限を行うことができ、迅速に前後輪へ同等
の駆動力を伝達でき、その後第3連結手段の連結切換操
作を行うことで、所望の駆動モードを好適に達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の4輪駆動車(前後輪駆動車)の駆動系
を示す概略構成図である。
【図2】4輪駆動車(前後輪駆動車)の制御系を示す制
御ブロック図である。
【図3】図1に示す実施例1のトランスファ装置の断面
図である。
【図4】駆動切換制御のメインルーチンを示すフローチ
ャートの一部である。
【図5】図4のフローチャートに続く、駆動切換制御の
メインルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図6】図5のフローチャートに続く、駆動切換制御の
メインルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図7】図5中の2WD解除条件ルーチンを示すフロー
チャートの一部である。
【図8】図7のフローチャートに続く、2WD解除条件
ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図9】図5中の2WD突入条件ルーチンを示すフロー
チャートの一部である。
【図10】図9のフローチャートに続く、2WD突入条
件ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図11】図5中の直結4WD突入条件ルーチンを示す
フローチャートである。
【図12】図5中の直結4WD解除条件ルーチンを示す
フローチャートである。
【図13】図6中の#1モータ制御ルーチンを示すフロ
ーチャートの一部である。
【図14】図13のフローチャートに続く、#1モータ
制御ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図15】図14のフローチャートに続く、#1モータ
制御ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図16】図13中の2WD突入処理ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図17】図13中の直結4WD解除処理ルーチンを示
すフローチャートである。
【図18】図14中の2WD解除処理ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図19】2WD解除処理におけるペラ回転差の絶対値
|ΔVc|とクラッチ油圧制御量taとの関係を示すグラ
フである。
【図20】図15中の直結4WD突入処理ルーチンを示
すフローチャートである。
【図21】直結4WD突入処理におけるペラ回転差の絶
対値|ΔVc|とクラッチ油圧制御量taとの関係を示す
グラフである。
【図22】モータ逆転処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図23】モータ作動処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図24】HAB制御ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図25】HAB制御における回転速度差ΔNFとクラ
ッチ油圧制御量taとの関係を示すグラフである。
【図26】図6中の#2モータ制御ルーチンを示すフロ
ーチャートの一部である。
【図27】図26のフローチャートに続く、#2モータ
制御ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図28】図27のフローチャートに続く、#2モータ
制御ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図29】図28のフローチャートに続く、#2モータ
制御ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図30】Hi−Low切換処理ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図31】Ftf10(またはFtf30)と車速Vとの関係を
示すグラフである。
【図32】2WD状態を示す図である。
【図33】ハイ直結4WD状態を示す図である。
【図34】ロー直結4WD状態を示す図である。
【図35】実施例2のトランスファ装置を示す概略構成
図である。
【図36】実施例3のトランスファ装置を示す概略構成
図である。
【図37】実施例4のトランスファ装置を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
6 トランスファ装置 8 入力軸 10 後輪側出力軸 14 後輪デファレンシャル装置 16 フロントプロペラシャフト 18 前輪デファレンシャル装置 19 フリーホイールハブ機構 20 クラッチギヤ 22 クラッチギヤ 24 カップリングスリーブ 28 バキュームアクチュエータ 36 中間軸(第1伝達部材) 38 副変速機構 40 クラッチギヤ 42 クラッチギヤ 44 クラッチギヤ 56 カップリングスリーブ 60 シフトアクチュエータ(連結切換手段) 62 センタデフ(差動装置) 64 デフケース(第1出力要素) 70 キャリア(入力要素) 72 インナスリーブ軸(第2出力要素) 74 クラッチギヤ 76 アウタスリーブ軸(第3伝達部材) 76a スリーブ軸(第2伝達部材) 78 クラッチギヤ 80 クラッチギヤ 82 カップリングスリーブ(第1連結手段及び第2連
結手段) 82a カップリンクスリーブ(連結手段) 82b カップリングスリーブ(第3連結手段) 82c カップリングスリーブ(第3連結手段) 82d カップリングスリーブ 85,85a,85b,85c 出力スプロケット 88 油圧多板クラッチ(クラッチ手段) 90 バルブボディ 94 電子コントロールユニット(ECU) 96 前後Gセンサ 98 スロットル開度センサ 100 ハンドル角センサ 102 回転速度センサ(前後輪回転速度差検出手段) 106 回転速度センサ(前後輪回転速度差検出手段) 108 インヒビタスイッチ 112 ブレーキスイッチ 114 トランスファポジションスイッチ 115 駆動モード切換スイッチ 202 モータユニット 204 電動モータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの駆動力が常時伝達される
    とともに前輪または後輪の一方である第1車輪に前記駆
    動力を伝達する第1伝達部材と、 前記第1伝達部材に連結手段を介して連結可能に設けら
    れ、前輪または後輪の他方である第2車輪に前記駆動力
    を伝達する第2伝達部材と、 前記連結手段と並列に設けられ、係合により前記第1伝
    達部材と前記第2伝達部材とを連結可能なクラッチ手段
    と、 運転者の操作或いは車両の走行状態に応じ、車両の駆動
    状態を前記第1車輪による2輪駆動状態と前記第1及び
    第2車輪による前後輪駆動状態とに切換えるべく切換信
    号を出力する駆動切換指令手段と、 前記駆動切換指令手段からの切換信号に基づき前記連結
    手段を連結状態と非連結状態とに切換える連結切換手段
    と、 前記駆動切換指令手段により前記2輪駆動状態から前記
    前後輪駆動状態への切換信号が出力されると、前記連結
    切換手段により前記連結手段が前記第1伝達部材と前記
    第2伝達部材とを連結するまで前記クラッチ手段を係合
    制御するクラッチ制御手段と、 を備えたことを特徴とする前後輪駆動車。
  2. 【請求項2】 エンジンからの駆動力が入力される入力
    要素と前記駆動力を前輪または後輪の一方である第1車
    輪に向け出力する第1出力要素と前輪または後輪の他方
    である第2車輪に向け出力する第2出力要素とを有する
    差動装置と、 前記第2出力要素に第1連結手段を介して連結可能に設
    けられ、前記第2車輪に駆動力を伝達する第3伝達部材
    と、 前記入力要素及び前記第1及び第2出力要素のいずれか
    2つを連結可能な第2連結手段と、 係合により前記第3伝達部材と前記入力要素または前記
    第1出力要素とを連結可能なクラッチ手段と、 運転者の操作或いは車両の走行状態に応じ、車両の駆動
    状態を前記第1車輪による2輪駆動状態と前記第1及び
    第2車輪による前後輪駆動状態とに切換えるべく駆動輪
    切換信号を出力し、前記差動装置の差動を許容して前記
    第1車輪及び前記第2車輪に伝達する非直結状態と、前
    記差動を禁止して前記第1車輪及び前記第2車輪に伝達
    する直結状態とに切換えるべく直結切換信号を出力する
    駆動切換指令手段と、 前記駆動切換指令手段からの切換信号に基づき前記第1
    連結手段または前記第2連結手段を連結状態と非連結状
    態とに切換える連結切換手段と、 前記第2連結手段が連結状態にあるとき、前記駆動切換
    指令手段により前記2輪駆動状態から前記前後輪駆動状
    態への駆動輪切換信号が出力されると、前記連結切換手
    段により前記第1連結手段が前記第2出力要素と前記第
    3伝達部材とを連結するまで前記クラッチ手段を係合制
    御するクラッチ制御手段と、 を備えたことを特徴とする前後輪駆動車。
  3. 【請求項3】 前記クラッチ制御手段は、前記第1連結
    手段が連結状態で且つ前記第2連結手段が非連結状態に
    あるとき、前記駆動切換指令手段により前記非直結状態
    から前記直結状態への直結切換信号が出力されると、前
    記連結切換手段により前記第2連結手段が前記入力要素
    及び前記第1及び第2出力要素のいずれか2つを連結す
    るまで前記クラッチ手段を係合制御することを特徴とす
    る、請求項2記載の前後輪駆動車。
  4. 【請求項4】 前記クラッチ制御手段は、前後輪回転速
    度差を検出する前後輪回転速度差検出手段を有し、前記
    前後輪回転速度差に応じて前記クラッチ手段を係合制御
    することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載
    の前後輪駆動車。
  5. 【請求項5】 前記連結切換手段は、前記駆動切換指令
    手段により前記2輪駆動状態から前記前後輪駆動状態へ
    の駆動輪切換信号または前記非直結状態から前記直結状
    態への直結切換信号が出力されると前記第1連結手段ま
    たは前記第2連結手段の連結可否を判定する連結判定手
    段を含み、該連結判定手段により連結可能と判定された
    とき前記第1連結手段または前記第2連結手段を連結状
    態に切換えるものであって、 前記クラッチ制御手段は、前記連結判定手段により少な
    くとも連結可能と判定されるまで前記クラッチ手段を係
    合制御することを特徴とする、請求項2または3記載の
    前後輪駆動車。
  6. 【請求項6】 前記連結判定手段は、前記差動装置の入
    力要素及び前記第1及び第2出力要素或いは前記第3伝
    達部材のいずれか一方への入力トルクを算出する入力ト
    ルク算出手段を有し、該入力トルクが規定値よりも小で
    あるとき連結可能と判定することを特徴とする、請求項
    5記載の前後輪駆動車。
  7. 【請求項7】 エンジンからの駆動力が入力される入力
    要素と前記駆動力を前輪または後輪の一方である第1車
    輪に向け出力する第1出力要素と前輪または後輪の他方
    である第2車輪に向け出力する第2出力要素とを有する
    差動装置と、 前記入力要素及び前記第1及び第2出力要素のいずれか
    2つを連結可能な第3連結手段と、 係合により前記入力要素及び前記第1及び第2出力要素
    のいずれか2つを連結可能なクラッチ手段と、 運転者の操作或いは車両の走行状態に応じ、車両の駆動
    状態を前記差動装置の差動を許容して前記第1車輪及び
    前記第2車輪に伝達する非直結状態と、前記差動を禁止
    して前記第1車輪及び前記第2車輪に伝達する直結状態
    とに切換えるべく切換信号を出力する駆動切換指令手段
    と、 前記駆動切換指令手段からの切換信号に基づき前記第3
    連結手段を連結状態と非連結状態とに切換える連結切換
    手段と、 前記駆動切換指令手段により前記非直結状態から前記直
    結状態への切換信号が出力されると、前記連結切換手段
    により前記第3連結手段が前記入力要素及び前記第1及
    び第2出力要素のいずれか2つを連結するまで前記クラ
    ッチ手段を係合制御するクラッチ制御手段と、 を備えたことを特徴とする前後輪駆動車。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012111394A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Toyota Motor Corp 四輪駆動車の動力伝達装置及び動力伝達方法
JP2016530151A (ja) * 2013-07-25 2016-09-29 ジャガー ランド ローバー リミテッドJaguar Land Rover Limited 車両制御システムおよび車両制御方法

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Effective date: 20040601