JPH10272593A - 耐熱疲労特性に優れた肉盛合金 - Google Patents
耐熱疲労特性に優れた肉盛合金Info
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- JPH10272593A JPH10272593A JP7809297A JP7809297A JPH10272593A JP H10272593 A JPH10272593 A JP H10272593A JP 7809297 A JP7809297 A JP 7809297A JP 7809297 A JP7809297 A JP 7809297A JP H10272593 A JPH10272593 A JP H10272593A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱ロール、エンジン燃焼室などの熱応力の
生じる状況下で使用する部材の肉盛に用いる熱疲労強度
に優れた肉盛合金を提供すること。 【解決手段】 重量％で、Ｃ：０．０５％以下、Ｓｉ：
０．５％以下、Ｍｎ：０．５％以下、Ｃｒ：２０〜３０
％、Ｍｏ：８〜１６％、Ｎｂ：０．１〜５％、Ｆｅ：５
％以下を含有し、かつ、Ａｌ，Ｔｉのうち１種または２
種、合計で０．８〜３．５％を含有し、残部がＮｉおよ
び不可避不純物からなる耐熱疲労特性に優れた肉盛合
金。
生じる状況下で使用する部材の肉盛に用いる熱疲労強度
に優れた肉盛合金を提供すること。 【解決手段】 重量％で、Ｃ：０．０５％以下、Ｓｉ：
０．５％以下、Ｍｎ：０．５％以下、Ｃｒ：２０〜３０
％、Ｍｏ：８〜１６％、Ｎｂ：０．１〜５％、Ｆｅ：５
％以下を含有し、かつ、Ａｌ，Ｔｉのうち１種または２
種、合計で０．８〜３．５％を含有し、残部がＮｉおよ
び不可避不純物からなる耐熱疲労特性に優れた肉盛合
金。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱ロール、エン
ジン燃焼室などの熱応力の生じる状況下で使用する部材
の肉盛に用いる熱疲労強度に優れた合金に関する。
ジン燃焼室などの熱応力の生じる状況下で使用する部材
の肉盛に用いる熱疲労強度に優れた合金に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、耐熱ロール、エンジン燃焼室など
の高温用途には高温強度の高い材料が使用されている。
しかし、近年コスト削減、品質向上を目的として、より
高温で部材が使用されるようになってきている。そのよ
うな状況下で使用される場合、高温強度の高いＮｉ基合
金、例えばＡｌｌｏｙ６２５などを部材表面に溶接また
は肉盛して部材の寿命延長を計っている。
の高温用途には高温強度の高い材料が使用されている。
しかし、近年コスト削減、品質向上を目的として、より
高温で部材が使用されるようになってきている。そのよ
うな状況下で使用される場合、高温強度の高いＮｉ基合
金、例えばＡｌｌｏｙ６２５などを部材表面に溶接また
は肉盛して部材の寿命延長を計っている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述のように高温域で
使用される場合、寿命延長を計るためにＮｉ基耐熱合金
を溶接もしくは肉盛した部材であっても、高温域で加
熱、冷却という熱サイクル負荷がかかるため、熱サイク
ルに起因する熱応力により熱疲労が生じ、部材表面にヒ
ートチェックと呼ばれる亀裂が生じる。したがって、こ
の亀裂の発生、成長を抑制するために、耐熱疲労特性に
優れた合金が必要である。
使用される場合、寿命延長を計るためにＮｉ基耐熱合金
を溶接もしくは肉盛した部材であっても、高温域で加
熱、冷却という熱サイクル負荷がかかるため、熱サイク
ルに起因する熱応力により熱疲労が生じ、部材表面にヒ
ートチェックと呼ばれる亀裂が生じる。したがって、こ
の亀裂の発生、成長を抑制するために、耐熱疲労特性に
優れた合金が必要である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】耐熱疲労特性向上のため
に材料に必要とされる特性は、低い熱膨張係数および縦
弾性係数、高い熱伝導率および耐力、高温および常温に
おける充分な延性である。本発明者らは前述の課題を解
決するために、溶接性、高温強度およびコストに優れた
Ｎｉ基合金において種々の検討を行った結果、Ｎｉベー
スの合金にＡｌ，Ｔｉを適量添加することにより、溶接
施工性を劣化させることなく材料の耐熱疲労特性を向上
させることが可能であることを見出した。
に材料に必要とされる特性は、低い熱膨張係数および縦
弾性係数、高い熱伝導率および耐力、高温および常温に
おける充分な延性である。本発明者らは前述の課題を解
決するために、溶接性、高温強度およびコストに優れた
Ｎｉ基合金において種々の検討を行った結果、Ｎｉベー
スの合金にＡｌ，Ｔｉを適量添加することにより、溶接
施工性を劣化させることなく材料の耐熱疲労特性を向上
させることが可能であることを見出した。
【０００５】すなわち、本発明の要旨とするところは、
重量％で、Ｃ ：０．０５％以下、Ｓｉ：０．５％以
下、Ｍｎ：０．５％以下、Ｃｒ：２０〜３０％、Ｍｏ：
８〜１６％、Ｎｂ：０．１〜５％、Ｆｅ：５％以下を含
有し、かつ、Ａｌ，Ｔｉのうち１種または２種、合計で
０．８〜３．５％を含有し、残部がＮｉおよび不可避不
純物からなる耐熱疲労特性に優れた肉盛合金である。
重量％で、Ｃ ：０．０５％以下、Ｓｉ：０．５％以
下、Ｍｎ：０．５％以下、Ｃｒ：２０〜３０％、Ｍｏ：
８〜１６％、Ｎｂ：０．１〜５％、Ｆｅ：５％以下を含
有し、かつ、Ａｌ，Ｔｉのうち１種または２種、合計で
０．８〜３．５％を含有し、残部がＮｉおよび不可避不
純物からなる耐熱疲労特性に優れた肉盛合金である。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下に本発明における合金成分を
定めた理由を示す。なお％は重量％を意味する。 Ｃ：０．０５％以下 Ｃｒと炭化物を形成し、耐熱性を劣化させるため上限を
０．０５％とする。 Ｓｉ：０．５％以下 脱酸材として添加するが、溶接性を劣化させるため上限
を０．５％とする。 Ｍｎ：０．５％以下 脱酸材として添加するが、増量添加してもその効果は飽
和し逆に材料内に介在物として酸化物を形成する傾向が
あるため、上限を０．５％とする。
定めた理由を示す。なお％は重量％を意味する。 Ｃ：０．０５％以下 Ｃｒと炭化物を形成し、耐熱性を劣化させるため上限を
０．０５％とする。 Ｓｉ：０．５％以下 脱酸材として添加するが、溶接性を劣化させるため上限
を０．５％とする。 Ｍｎ：０．５％以下 脱酸材として添加するが、増量添加してもその効果は飽
和し逆に材料内に介在物として酸化物を形成する傾向が
あるため、上限を０．５％とする。
【０００７】Ｃｒ：２０〜３０％ 緻密なＣｒの酸化膜を形成し耐酸化性を向上させる元素
であるため添加する。２０％以下ではその効果は十分で
ないため、下限を２０％とする。また、３０％以上添加
してもその効果は飽和するため、上限を３０％とする。 Ｍｏ：８〜１６％ 耐食性向上元素および固溶強化元素として添加する。８
％以下では効果が十分でないため、下限を８％とした。
１６％以上添加してもその効果は飽和するため上限を１
６％とする。
であるため添加する。２０％以下ではその効果は十分で
ないため、下限を２０％とする。また、３０％以上添加
してもその効果は飽和するため、上限を３０％とする。 Ｍｏ：８〜１６％ 耐食性向上元素および固溶強化元素として添加する。８
％以下では効果が十分でないため、下限を８％とした。
１６％以上添加してもその効果は飽和するため上限を１
６％とする。
【０００８】Ｎｂ：０．１〜５％ 固溶強化およびＣ元素を固定するための元素として添加
する。０．１％以下では効果が充分でないので、下限を
０．１％とする。増量添加すると溶接性を劣化させるた
め、上限を５％とする。 Ｆｅ：５％以下 Ｎｉの代替として添加するが、増量添加すると耐食性、
耐酸化性を劣化させるため、上限を５％とする。
する。０．１％以下では効果が充分でないので、下限を
０．１％とする。増量添加すると溶接性を劣化させるた
め、上限を５％とする。 Ｆｅ：５％以下 Ｎｉの代替として添加するが、増量添加すると耐食性、
耐酸化性を劣化させるため、上限を５％とする。
【０００９】Ａｌ，Ｔｉのうち１種または２種、合計で
０．８〜３．５％ Ａｌ，Ｔｉは共にＮｉとの金属間化合物を形成し、マト
リックスを強化する。この効果により耐熱疲労特性を向
上させる。添加量が少ないと効果がないため、下限を１
種または２種の合計で０．８％とする。添加量が増える
と高温延性を低下させ耐熱疲労特性を劣化させ、また溶
接施工性が低下するため上限を１種または２種の合計で
３．５％とする。
０．８〜３．５％ Ａｌ，Ｔｉは共にＮｉとの金属間化合物を形成し、マト
リックスを強化する。この効果により耐熱疲労特性を向
上させる。添加量が少ないと効果がないため、下限を１
種または２種の合計で０．８％とする。添加量が増える
と高温延性を低下させ耐熱疲労特性を劣化させ、また溶
接施工性が低下するため上限を１種または２種の合計で
３．５％とする。
【００１０】
【実施例】表１に本発明合金および比較合金の化学成分
を示す。比較合金１および２は、この種の目的によく使
用されているＡｌｌｏｙ６２５およびＡｌｌｏｙ６０１
である。表２に本発明合金および比較合金の熱疲労特
性、溶接施工性を評価した結果を示す。表１に示す化学
成分にて溶製した合金から試験片を割り出し熱疲労試験
を行うことにより、耐熱疲労特性を調査した。熱疲労特
性は変位を拘束し、温度サイクルによって熱応力を負荷
する方法で、５００〜８００℃および常温〜８００℃の
２条件にて熱疲労試験を行い破断に到るまでのサイクル
数を測定することにより評価した。前者の温度サイクル
条件は、稼働中の温度サイクルを模したものであり、結
果を熱疲労寿命１とした。後者は、起動停止に伴う温度
サイクルを模したものであり、熱疲労寿命２とした。ま
た、溶接施工性は上記のインゴットを粉末化後肉盛溶接
試験を行い、現状で使用されているＡｌｌｏｙ６２５合
金（比較合金１）と比較し、溶接割れ長さを測定し、溶
接施工性が優れている場合は◎、現状と同レベルである
ときは〇、現状より劣る場合は×とし、施工性を評価し
た。
を示す。比較合金１および２は、この種の目的によく使
用されているＡｌｌｏｙ６２５およびＡｌｌｏｙ６０１
である。表２に本発明合金および比較合金の熱疲労特
性、溶接施工性を評価した結果を示す。表１に示す化学
成分にて溶製した合金から試験片を割り出し熱疲労試験
を行うことにより、耐熱疲労特性を調査した。熱疲労特
性は変位を拘束し、温度サイクルによって熱応力を負荷
する方法で、５００〜８００℃および常温〜８００℃の
２条件にて熱疲労試験を行い破断に到るまでのサイクル
数を測定することにより評価した。前者の温度サイクル
条件は、稼働中の温度サイクルを模したものであり、結
果を熱疲労寿命１とした。後者は、起動停止に伴う温度
サイクルを模したものであり、熱疲労寿命２とした。ま
た、溶接施工性は上記のインゴットを粉末化後肉盛溶接
試験を行い、現状で使用されているＡｌｌｏｙ６２５合
金（比較合金１）と比較し、溶接割れ長さを測定し、溶
接施工性が優れている場合は◎、現状と同レベルである
ときは〇、現状より劣る場合は×とし、施工性を評価し
た。
【００１１】
【表１】
【００１２】
【表２】
【００１３】Ａｌ，Ｔｉ添加量が０．８％以下の比較合
金１および６と比較すると、本発明合金の耐熱疲労特性
の指標である熱疲労寿命１、２は向上していることが分
かる。また、比較合金２はＭｏ、Ｎｂを添加していない
ため高温強度が低く、耐熱疲労特性が劣っている。Ｎｂ
を増量添加した比較合金５は溶接施工性が劣化してい
る。これに対し、Ｎｂを低減した発明合金ＦおよびＪは
溶接施工性が向上している。また、Ａｌ，Ｔｉを増量添
加した比較合金３および４は、熱疲労寿命１は向上して
いるが、熱疲労寿命２は著しく劣る。これは、Ａｌ，Ｔ
ｉの増量添加による延性の低下によるものである。
金１および６と比較すると、本発明合金の耐熱疲労特性
の指標である熱疲労寿命１、２は向上していることが分
かる。また、比較合金２はＭｏ、Ｎｂを添加していない
ため高温強度が低く、耐熱疲労特性が劣っている。Ｎｂ
を増量添加した比較合金５は溶接施工性が劣化してい
る。これに対し、Ｎｂを低減した発明合金ＦおよびＪは
溶接施工性が向上している。また、Ａｌ，Ｔｉを増量添
加した比較合金３および４は、熱疲労寿命１は向上して
いるが、熱疲労寿命２は著しく劣る。これは、Ａｌ，Ｔ
ｉの増量添加による延性の低下によるものである。
【００１４】
【発明の効果】本発明によって、耐熱ロール、エンジン
燃焼室などの熱応力の生じる状況下で使用する部材の肉
盛用合金として、耐熱疲労特性、肉盛溶接施工性に優れ
た材料を提供することができる。
燃焼室などの熱応力の生じる状況下で使用する部材の肉
盛用合金として、耐熱疲労特性、肉盛溶接施工性に優れ
た材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木田 忠伯 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地 山陽特殊製鋼株式会社内 (72)発明者 友野 裕 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 角谷 茂 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 大西 邦彦 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 梶原 伸治 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号 日立造船株式会社内
Claims (1)
- 【請求項１】 重量％で、 Ｃ ：０．０５％以下、 Ｓｉ：０．５％以下、 Ｍｎ：０．５％以下、 Ｃｒ：２０〜３０％、 Ｍｏ：８〜１６％、 Ｎｂ：０．１〜５％、 Ｆｅ：５％以下 を含有し、かつ、Ａｌ，Ｔｉのうち１種または２種、合
計で０．８〜３．５％を含有し、残部がＮｉおよび不可
避不純物からなることを特徴とする耐熱疲労特性に優れ
た肉盛合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07809297A JP3839127B2 (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 耐熱疲労特性に優れた肉盛合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07809297A JP3839127B2 (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 耐熱疲労特性に優れた肉盛合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10272593A true JPH10272593A (ja) | 1998-10-13 |
| JP3839127B2 JP3839127B2 (ja) | 2006-11-01 |
Family
ID=13652226
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07809297A Expired - Fee Related JP3839127B2 (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 耐熱疲労特性に優れた肉盛合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3839127B2 (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009221602A (ja) * | 2008-02-18 | 2009-10-01 | Tohoku Electric Power Engineering & Construction Co Ltd | 溶射用ワイヤ |
| JP2010261104A (ja) * | 2009-05-06 | 2010-11-18 | General Electric Co <Ge> | 優れた機械的特性を有するＮｉＣｒＭｏＮｂ合金 |
| JP2014111265A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 肉盛用粉末合金 |
| CN107557616A (zh) * | 2017-09-27 | 2018-01-09 | 宝钢特钢有限公司 | 一种高温气冷堆蒸汽发生器用镍基耐蚀合金管材及其制造方法 |
| US10112254B2 (en) | 2014-08-21 | 2018-10-30 | Huntington Alloys Corporation | Method for making clad metal pipe |
| JP2019052349A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 日本冶金工業株式会社 | ニッケル基合金 |
| CN111015019A (zh) * | 2019-12-31 | 2020-04-17 | 江苏新华合金有限公司 | 00Cr20Mo16焊丝及其生产工艺 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101948994B (zh) * | 2010-09-17 | 2015-06-17 | 江西恒大高新技术股份有限公司 | 一种生物质锅炉专用热喷涂丝材 |
-
1997
- 1997-03-28 JP JP07809297A patent/JP3839127B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009221602A (ja) * | 2008-02-18 | 2009-10-01 | Tohoku Electric Power Engineering & Construction Co Ltd | 溶射用ワイヤ |
| JP2010261104A (ja) * | 2009-05-06 | 2010-11-18 | General Electric Co <Ge> | 優れた機械的特性を有するＮｉＣｒＭｏＮｂ合金 |
| JP2014111265A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 肉盛用粉末合金 |
| US10112254B2 (en) | 2014-08-21 | 2018-10-30 | Huntington Alloys Corporation | Method for making clad metal pipe |
| JP2019052349A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 日本冶金工業株式会社 | ニッケル基合金 |
| CN107557616A (zh) * | 2017-09-27 | 2018-01-09 | 宝钢特钢有限公司 | 一种高温气冷堆蒸汽发生器用镍基耐蚀合金管材及其制造方法 |
| CN111015019A (zh) * | 2019-12-31 | 2020-04-17 | 江苏新华合金有限公司 | 00Cr20Mo16焊丝及其生产工艺 |
| CN111015019B (zh) * | 2019-12-31 | 2021-11-26 | 江苏新华合金有限公司 | 00Cr20Mo16焊丝及其生产工艺 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3839127B2 (ja) | 2006-11-01 |
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