JPH10267840A - 防水機構を配設した揮発性有機物質漏洩検知器 - Google Patents

防水機構を配設した揮発性有機物質漏洩検知器

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JPH10267840A
JPH10267840A JP9068597A JP6859797A JPH10267840A JP H10267840 A JPH10267840 A JP H10267840A JP 9068597 A JP9068597 A JP 9068597A JP 6859797 A JP6859797 A JP 6859797A JP H10267840 A JPH10267840 A JP H10267840A
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JP
Japan
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light
volatile organic
organic substance
unit
water
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Application number
JP9068597A
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English (en)
Inventor
Yusuke Takano
祐輔 高野
Hironobu Yamamoto
弘信 山本
Akihiro Takaya
明広 多加谷
F Sabin Asulee
アシュリー・エフ・サビン
B Sutamatofu James
ジェームズ・ビー・スタマトフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanofi Aventis KK
Original Assignee
Hoechst Japan Ltd
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Publication date
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    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M3/00Investigating fluid-tightness of structures
    • G01M3/02Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum
    • G01M3/04Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point
    • G01M3/042Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point by using materials which expand, contract, disintegrate, or decompose in contact with a fluid
    • G01M3/045Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point by using materials which expand, contract, disintegrate, or decompose in contact with a fluid with electrical detection means
    • G01M3/047Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point by using materials which expand, contract, disintegrate, or decompose in contact with a fluid with electrical detection means with photo-electrical detection means, e.g. using optical fibres

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水等に影響されない揮発性有機物質漏洩検知
器とそれを使用した漏洩監視システムとを提供するこ
と。 【手段】 揮発性有機物質漏洩検知器は、光源部2と、
有機物質蒸気との接触によって膜厚と屈折率とのうちの
少なくとも一方が変化する高分子薄膜4を持つ検知素子
8を備えた検知部10を有する。光源部2からの光は高
分子薄膜4に入射し、その反射光は光透過・出力部14
によって取り出される。検知部10は蒸気導入口を備
え、導入口には検知部10の内部に水が侵入しないよう
な機構3が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、揮発性有機物
質、例えば、ガソリン、軽油、灯油、ジェット燃料、重
油等の燃料の蒸気の存在及び/又は濃度を光学的に検出
することができ、水や泥水等がかかったり、水や泥水等
に埋没する可能性のある場所においても、それらの影響
なしに揮発性有機物質の漏洩を検出することができる揮
発性有機物質漏洩検知器に関するもので、燃料漏れを早
期発見するための燃料蒸気検知器及び燃料漏洩監視シス
テムに特に好適である。
【0002】
【従来の技術】ガソリンスタンド等に埋設される燃料タ
ンク等における燃料の漏洩を検知する場合、フロート式
センサが周知であり、燃料がタンクから漏れると浮き子
が上昇し、漏れた燃料が設定値を越えるとスイッチを作
動させ、これによって燃料漏洩と判定する。更に、燃料
の漏洩を検知するために、下記に例示するように、既に
幾つかの方法が提案されている。
【0003】特表平3−503674号公報は、地下貯
蔵コンテナの液漏れを検出するために、圧力及び温度の
測定とレベル(液面)及び温度の測定とを含む体積漏れ
検出用のコンピュータ化された自動システムを開示して
おり、液面の測定のために電気−機械レベルセンサーを
採用している。
【0004】特開平2−233393号公報は、漏油表
示具による漏油検知の欠点を解消するために、地下タン
ク近傍に埋設したガス検知管内に水に浮く油検知手段を
設置し、該油検知手段を電気的に報知手段に接続するよ
うにした漏油検知装置を開示している。
【0005】特開平6−201510号公報は、ガソリ
ンタンク等のように高温になることがあるタンクにおけ
る漏油を正確に検出するために、タンクそのものを加圧
し、外圧(加圧)分の変化をダイヤフラム型シリコン圧
力センサーによって測定する漏油測定装置を開示してい
る。
【0006】これらの公知の方法の欠点は初期漏洩検知
が不可能であるという点にある。即ち、漏洩した燃料が
ある程度溜まった場合に初めて、燃料漏れが生じたとの
判断が可能になるものであった。この結果、漏洩の発見
が遅れる可能性があり、また電気的な測定方法であるた
めに潜在的に爆発の危険性があるという欠点を有してい
た。
【0007】一方、タンカーから移送された燃料が貯蔵
される地上のタンクにおいては、地下への燃料の漏洩が
環境破壊につながる恐れがあるとして、早期発見を可能
にする検知装置の必要性がかねてより叫ばれていた。こ
れに関しては、下記に例示するように、既に幾つかの方
法が提案されている。
【0008】米国特許第5,349,181号明細書
は、水中に溶存する化学種或いは蒸気状の化学種を検知
する装置を開示している。しかしながら、この装置は、
光学装置を駆動するためにプローブ中で電気を使用しな
ければならないので、この装置を危険区域で使用する場
合には潜在的に爆発の危険性があるという欠点を有して
いる。
【0009】これに対して、図20に示すような、燃料
蒸気を光学的に検知するための燃料蒸気検知器が既に提
案されている。この燃料蒸気検知器においては、光源2
00から一方の光ファイバー202を介して送られてき
た光ビームは、センサープローブ204内の基板206
上に形成された高分子薄膜208に入射される。高分子
薄膜208で反射された光ビームは同一の光ファイバー
202を介して光検出器210に送られて検出される。
高分子薄膜208は、センサープローブ204内を通過
する燃料蒸気と反応し、あるいは燃料蒸気を吸着又は吸
収するので、かかる相互作用の結果、高分子薄膜208
の膜厚及び/又は屈折率が変化する。こうした高分子薄
膜208の固有の特性を利用して燃料蒸気を光学的に検
知するので、燃料漏れを早期に発見することが可能とな
り、しかも、光ファイバー202を使用するために(電
気的ではないために)本質的に安全であるという利点を
有する。
【0010】図20に示す燃料蒸気検知器においては、
干渉増幅反射法(Interference Enha
nced Refrection、以下、IER法と呼
ぶ)が利用されている。即ち、高分子薄膜208の表面
で反射された光は、高分子薄膜208を支持する基板2
06の表面で反射された光と位相関係を持ち、相互に干
渉する。したがって、高分子薄膜208の膜厚及び/又
は屈折率が変化すると、高分子薄膜208の反射率又は
反射光の強度が変化するので、反射光の強度の関数とし
て、燃料蒸気の存在及び/又は濃度を検出することが可
能になる。
【0011】図20に示す燃料蒸気検知器は、燃料蒸気
が存在するときには、高分子薄膜208からの反射光量
が増加し、燃料漏洩を警報する。また、空気中で使用さ
れるセンサープローブ204に水や泥水等がかかった
り、センサープローブ204自体が水没したりしてセン
サープローブ204内に水や泥水等が流入すると、高分
子薄膜208での反射光量が大きく変化し、トラブル警
報を発する。このような場合には、センサープローブ2
04内部の洗浄、高分子薄膜208の交換等のメンテナ
ンスが当然必要となるため、センサープローブ204を
地下水の流入等が頻繁に発生する場所に設置することは
事実上困難であった。
【0012】
【発明が解決使用とする課題】この発明は以上の課題に
鑑みて提案されたもので、この発明の一般的な目的は、
水や泥水等の流入が生じ得る場所にも設置可能なように
防水機構を備えており、空気中では燃料蒸気のみを透過
させて水を通さず、水中においては、水中に溶存又は分
離存在する燃料を選択的に蒸気として取り込むことがで
き、水を通さない揮発性有機物質漏洩検知器を提供する
ことである。
【0013】更に詳細には、この発明は、本質的に安全
であり、構成が簡単且つ製造が容易であり、信頼性が高
く、安価で、小型化が可能な燃料蒸気検知器を提供する
ことを目的とする。更に、この発明の他の目的は、こう
した燃料蒸気検知器を利用して、燃料の漏洩を遠方から
監視することができる揮発性有機物質漏洩監視システム
を提供することである。
【0014】この発明は、上記の目的を達成するため
に、水や泥水等の流入が生じ得る場所にも設置可能なよ
うに防水機構を備えており、空気中では揮発性有機物質
の蒸気のみを透過させて水を通さず、水中においては、
水中に溶存又は分離存在する揮発性有機物質を選択的に
蒸気として取り込むことができ、水を通さない防水機構
を有し、揮発性有機物質の蒸気の存在と濃度のうちの少
なくとも一方を検出する揮発性有機物質漏洩検知器を提
供する。該漏洩検知器は、図1に示すように、発光体を
有する光源部2と、燃料蒸気との接触によって膜厚と屈
折率とのうちの少なくとも一方が変化する高分子薄膜4
を基板6上に形成してなる検知素子8を備え、光源部2
からの光が検知素子8に垂直に入射するよう配置され、
空気中では揮発性有機物質の蒸気のみを透過させて水を
通さず、水中においては、水中に溶存又は分離存在する
揮発性有機物質を選択的に蒸気として取り込むことがで
き、水を通さない防水機構3を持つ検知部10と、光源
部2と検知部10との間に配置され、光源部2からの光
を透過させて検知部10に入射させると共に、検知素子
8によって反射された反射光を出力する光透過・出力部
12と、検知素子8からの反射光を受け取り、該反射光
に対応する信号を生成する光検出部14と、を具備す
る。
【0015】前記揮発性有機物質漏洩検知器は、水が流
入する恐れのある地下タンク、サンプ、油中ポンプ周
辺、地上タンク、製油所、油送ライン、油送タンカー等
に設置することが可能である。
【0016】この発明は、被検出蒸気の接触によって高
分子薄膜4の膜厚と屈折率の少なくとも一方が変化する
という特性を利用し、検知部10の反射特性の変化を測
定することによって、揮発性有機物質の蒸気の存在ある
いは濃度を検出するようにしたものである。揮発性有機
物質の蒸気との相互作用の結果、高分子薄膜4には例え
ば膨潤等の物理的変化が生じる。更に、かかる膨潤に起
因して、高分子薄膜4の光学的パラメーターである膜厚
や屈折率が変化する。このような変化は、高分子薄膜4
の光学的性質を変化せしめるので、高分子薄膜4の反射
特性を測定することによって、揮発性有機物質の蒸気を
検出することが可能となる。
【0017】これを実現するために、この発明において
は、光源部2からの光を検知部10に垂直に入射させ
る。この光を検知素子8によって反射し、入射時と同じ
経路を逆に通って伝搬させ、光透過・出力部12におい
て伝搬経路とは異なる方向に反射させて光検出部14に
導入し、検知素子8からの反射光に対応した電気信号を
生成させる。
【0018】この発明において注目すべきは、高分子薄
膜4を構成する重合材料を適宜選択することにより、揮
発性有機物質、例えば、ガソリン、軽油、灯油、ジェッ
ト燃料、重油等の燃料の蒸気の存在を選択的に又は非選
択的に検出することが可能となることである。しかも、
高分子薄膜4は燃料蒸気の濃度と対応した反射特性を持
つため、この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器は燃
料蒸気の濃度計としても動作することができる。
【0019】この発明においては、高分子薄膜4の膜厚
及び/又は屈折率の変化を検出するために、例えばIE
R法を用いる。前記のとおり、IER法は薄膜構造の光
学的干渉特性を利用するものである。高分子薄膜4の表
面で反射された光は、高分子薄膜4と基板6の反射面と
の間の界面から反射された光と位相関係を持ち、互いに
干渉し合う。検知素子8の反射率は高分子薄膜4の膜厚
及び/又は屈折率に大きく依存する。即ち、高分子薄膜
4の膜厚及び/又は屈折率が変化すると、高分子薄膜4
の反射率又はそこからの反射光の強度が変化する。この
ように、IER法により、反射された光の強度の関数と
して、揮発性有機物質の蒸気の存在及び/又は濃度を検
出することが可能になる。
【0020】上記のとおり、IER法は膜厚の変化に感
応するものであるが、この発明で用いられる高分子薄膜
4として、揮発性有機物質の蒸気の屈折率とさほど違わ
ない屈折率を持つ材料を使用するならば、この発明にお
いては、高分子薄膜4の膜厚の影響の方を屈折率よりも
重視してよいことになる。これは、従来技術に対する本
発明固有の利点である。
【0021】従来技術との比較のために強調すべき別の
点は、高分子薄膜4の膜厚に関係する。図2は、シリコ
ン製の基板6上に形成された屈折率1.5の高分子薄膜
4に光を0度で入射させたときの反射率を高分子薄膜4
の膜厚の関数として求めたグラフを示している。なお、
ここで使用された偏光及び非偏光の波長は633nmで
あり、高分子薄膜4は燃料蒸気と相互作用する。
【0022】このグラフによれば、IER法に適した高
分子薄膜4の膜厚は燃料蒸気の濃度範囲によって以下の
ように調整するのが好ましい。まず、燃料蒸気濃度が希
薄である場合には反射率の変化が小さいため、IERカ
ーブの最小値あるいは最大値に相当する膜厚に調整した
場合、十分な反射率変化が得られない。よって、反射率
の最小値及び最大値に対応するλ/4ncosθ(ただ
し、λは入射光の波長、nは高分子薄膜4の屈折率、θ
は高分子薄膜4内での光伝搬角度である)の倍数に近い
値ではないことが望ましいことが分かる。一方、燃料蒸
気が比較的高濃度の場合、反射率変化が大きいので、信
号スパンを大きく取るために、IERカーブの最小値あ
るいは最大値に相当する膜厚に調整するのが好ましい。
高分子薄膜4の膜厚は10nm〜10μmの範囲であっ
てよいが、高速応答のためには1μm未満が好ましい。
【0023】前記の高分子薄膜4は、
【化1】 で表わされる繰り返し単位を有するホモポリマー又はコ
ポリマーであることが好ましい。
【0024】ここで、Xは、−H、−F、−Cl、−B
r、−CH3、−CF3、−CN又は−CH2−CH3を表
し、R1は、−R2又は−Z−R2を表し、Zは、−O
−、−S−、−NH−、−NR2′−、−(C=Y)
−、−(C=Y)−Y−、−Y−(C=Y)−、−(S
2)−、−Y′−(SO2)−、−(SO2)−Y′
−、−Y′−(SO2)−Y′−、−NH−(C=O)
−、−(C=O)−NH−、−(C=O)−NR2
−、−Y′−(C=Y)−Y′−又は−O−(C=O)
−(CH2n−(C=O)−O−を表し、Yは独立して
O又はSを表し、Y′は独立してO又はNHを表し、n
は0〜20の整数を表し、R2及びR2′は、独立して水
素、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキ
ル基、不飽和炭化水素基、アリール基、飽和又は不飽和
のヘテロ環又はそれらの誘導体を表わす。ただし、R1
は水素、直鎖アルキル基、分岐アルキル基でない。
【0025】好ましくは上記繰り返し単位(I)中のX
はH又はCH3を表し、R1は、置換若しくは非置換アリ
ール基又は−Z−R2を表し、Zは、−O−、−(C=
O)−O−又は−O−(C=O)−表し、R2は直鎖ア
ルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基、不飽和
炭化水素基、アリール基、飽和又は不飽和のヘテロ環又
はそれらの誘導体を表わす。
【0026】高分子薄膜4として使用されるポリマー
は、単一の上記の繰り返し単位(I)のみから成るポリ
マーでも、他の繰り返し単位と上記の繰り返し単位
(I)とから成るコポリマーでも、上記の繰り返し単位
(I)の二種類以上から成るコポリマーでもよい。コポ
リマー中での繰り返し単位の配列はいかなるものでもよ
く、例えば、ランダムコポリマー、交互コポリマー、ブ
ロックコポリマー又はグラフトコポリマーを使用するこ
とができる。特に、高分子薄膜4は、ポリメタクリル酸
エステル類、ポリアクリル酸エステル類から調製される
のが特に好ましい。エステルの側鎖基は、好ましくは直
鎖若しくは分岐アルキル基又はシクロアルキル基であ
り、炭素数は好ましくは4〜22である。
【0027】高分子薄膜6として特に好ましいポリマー
を以下に列挙する: ポリ(メタクリル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸イソデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸メチル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−スチレ
ン) ポリ(メタクリル酸メチル−co−アクリル酸2−エチ
ルヘキシル) ポリ(メタクリル酸メチル−co−メタクリル酸2−エ
チルヘキシル) ポリ(メタクリル酸イソブチル−co−メタクリル酸グ
リシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−スチレン) ポリ(プロピオン酸ビニル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−スチレン) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸グリ
シジル) ポリ(メタクリル酸ブチル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸メチ
ル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸グリシ
ジル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸メチル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸2−
エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−ジアセ
トンアクリルアミド) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸ベンジル−co−メタクリル酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸メチル−co−メタクリル酸グリシジル) ポリ(桂皮酸ビニル) ポリ(桂皮酸ビニル−co−メタクリル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸テトラヒドロフルフリル) ポリ(メタクリル酸ヘキサデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル) ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸イソブチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸2−エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸2−エ
チルヘキシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸イソブ
チル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ブチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸エチ
ル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸オクタ
デシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−スチレン) ポリ(4−メチルスチレン) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ベンジル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸ベン
ジル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
ベンジル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸テト
ラヒドロフルフリル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸ヘキ
サデシル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸メチ
ル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸エチ
ル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル−co−メタクリ
ル酸ベンジル)) ポリ(メタクリル酸テトラヒドロフルフリル−co−メ
タクリル酸グリシジル) ポリ(スチレン−co−アクリル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
グリシジル) ポリ(4−メトキシスチレン) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル−co−メタクリ
ル酸グリシジル) ポリ(スチレン−co−メタクリル酸テトラヒドロフル
フリル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸プロピル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
イソプロピル) ポリ(3−メチル−4−ヒドロキシスチレン−co−4
−ヒドロキシスチレン) ポリ(スチレン−co−メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル−co−メタクリル酸グリシジル)。
【0028】なお、上記のメタクリル酸エステルポリマ
ー又はコポリマーにおいて、メタクリル酸に代えてアク
リル酸を用いてもよい。また、上記のポリマーは、それ
自体架橋することが可能であるが、該ポリマー中に架橋
用の反応性基を有する化合物を導入することによって架
橋することも可能である。そのような架橋用の反応性基
としては、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル
基、エポキシ基、カルボニル基及びウレタン基並びにそ
れらの誘導体や、マレイン酸、フマル酸、ソルビン酸、
イタコン酸及び桂皮酸並びにそれらの誘導体を挙げるこ
とができる。可視光、紫外光又は高エネルギー放射線の
照射によってカルベン又はニトレンを形成することが可
能な化学構造を有する物質も、架橋剤として使用し得
る。架橋ポリマーより形成されたフィルムは不溶性であ
るので、高分子薄膜4を形成するポリマーを架橋するこ
とにより、検知器の安定性を増すことができる。架橋方
法には特に制限はなく、従来公知の架橋方法、例えば加
熱による方法の他に、光や放射線の照射による方法を用
いることができる。
【0029】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器
においては、高分子薄膜4を支持する基板6の反射面は
光を反射するよう十分平坦であることが好ましく、基板
自体が高い反射率を持つことが好ましい。基板6の例と
してはシリコン・ウエハがあげられる。高分子薄膜4は
スピンコート法その他の一般的に用いられている被覆方
法によって基板4の表面に形成するのがよい。
【0030】光源部2には可視光又は赤外線を発するレ
ーザーダイオード又は発光ダイオード等の発光体を単独
で又はコリメーター等と組み合わせて用いることができ
る。光透過・出力部12としては、ガラス板、ビームス
プリッター、偏光ビームスプリッター、無偏光ビームス
プリッター又はハーフミラーを用いることができ、好ま
しくはビームスプリッターである。光検出部14はフォ
トダイオード、フォトトランジスタ又は光電子増倍管の
いずれかで構成することができるが、フォトダイオード
を用いるのが好ましい。
【0031】光透過・出力部12と検知部10との間を
光ファイバーによって結合するようにしてもよい。この
場合の光源部2としては、レーザーダイオードあるいは
発光ダイオードが適している。光透過・出力部12から
出射した光ビームはコリメーターを介して光ファイバー
に導入されるのが好ましい。ここで用いられるコリメー
ターとしては、市販のコリメーターレンズ付きコネクタ
ー、セルフォックレンズ等が好ましく、光ファイバーと
しては、シングル・モード光ファイバー、マルチモード
光ファイバー及びシングルモードファイバかーらなる光
ファイバ光導波管、又は、マルチモード光ファイバーか
らなる光ファイバー光導波管であることが好ましい。光
ファイバーから出射した光はかなりの広がり角を有して
いるので、レンズで集光して検知部10に入射させるの
が好ましい。このためのレンズはガラス球面凸レンズ、
硝子非球面凸レンズ、プラスチック球面凸レンズ、プラ
スチック非球面凸レンズ、石英球面凸レンズ、石英非球
面凸レンズ、セルフォックレンズ、ボールレンズ等が好
ましい。
【0032】一方、光透過・出力部12と検知部10と
の間に何の光学装置も配置しなくともよいことは言うま
でもない。この場合には、検知部10を光透過・出力部
12から所望の距離だけ離して測定することが可能とな
る等自由度が増す。このときの光源部2としてはレーザ
ーダイオードが好適である。光源部2からの光を平行に
するために、コリメーターレンズを設けることが好まし
い。こうしたコリメーターレンズとしては、ガラス球面
凸レンズ、硝子非球面凸レンズ、プラスチック球面凸レ
ンズ、プラスチック非球面凸レンズ、石英球面凸レン
ズ、石英非球面凸レンズ、セルフォックレンズ、ボール
レンズ等を用いることができるが、石英非球面凸レンズ
が好適である。
【0033】この発明の一つの実施の形態においては、
検知部10はチャンバーを有する筐体を備え、このチャ
ンバー内に高分子薄膜4が反射面に形成された基板6を
有する検知素子8が設置される。燃料蒸気を高分子薄膜
4と相互作用させるため、チャンバーには燃料蒸気導入
口又は燃料蒸気取込口が設けられ、必要によっては、チ
ャンバー内の燃料蒸気を外部へ排出するための燃料蒸気
排出口が設けられ、燃料蒸気導入口又は燃料蒸気取込口
には、空気中では燃料蒸気のみを透過させて液体の水を
通さず、水中においては、水中に溶存又は分離存在する
燃料を選択的に、即ち、水を除いて燃料のみを蒸気とし
て取り込むことができ、水を通さない防水機構3が設置
される。この防水機構3は例えば高分子分離膜、即ち、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
ルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルイミド、ポリサルホン、ポリエチレンナフタレート、
ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、フッ素
樹脂、ポリパラバン酸樹脂、全芳香属ポリアミド、ポリ
チオール、アミノアルキド系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リセルロース、天然ゴム、ポリエステル、不飽和ポリエ
ステル、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、及び、こ
れらの誘導体、及び、これらの高分子の積層体からなる
分離膜や、セラミック、多孔性金属、及び、これらの積
層体からなる分離膜によって構成することが好ましい。
【0034】これらの中で好適なのは、疎水性のPTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)膜、疎水性のPVD
F(ポリビニリデンフルオライド)膜、疎水性のポリエ
チレン膜、疎水性のポリプロピレン膜、疎水性のポリエ
チレンーPTFE積層体膜、疎水性のポリプロピレンー
ポリエチレンーポリプロピレン積層体膜である。
【0035】好適には、径が0.01〜100μmで厚
みが50〜2000μmの分離膜、特に好適には、径が
0.05〜20μmで厚みが70〜300μmの分離膜
が用いられる。具体的には、 疎水性のPTFE膜:(0.1−70)、(0.2−8
0)、(0.5−75)、(1−75)、(3−7
5)、(5−125)、(10−125)、 疎水性のポリプロピレンネットサポートPTFE膜:
(0.1−130)、(0.2−130)、(0.5−
120)、(0.2−175)、(0.5−175)、
(1−145)、(3ー200)、 疎水性のポリビニリデンフロライド膜:(0.1−12
5)、(0.22−125)、(0.45−125)、
(0.65−125)、(5−125) である。なお、上記の()内は、各材料の孔径と厚みと
の組み合わせを表したもので、単位はミクロンである。
【0036】検知部10の筐体の検知素子8に対向する
位置に、光源部2からの光及び検知素子8からの反射光
を通過させるための光入出力部として、窓と該窓を覆う
ガラス板とを設けることができる。しかし、光透過・出
力部12と検知部10との間を光ファイバーで結合した
場合には、筐体に窓は設けず、検知素子8に対向するよ
うに光ファイバーの先端部をチャンバーまで延長しても
よい。また、必要であれば、検知部10の筺体の検知素
子8に対向する位置に光源部2からの光及び検知素子8
からの反射光を通過させるための光入出力部としてコリ
メータレンズを設けてもよい。
【0037】実際には、光源部2と光透過・出力部12
と光検出部14とは発光・受光ユニットとして一体化さ
れ、一つのケース内に収納されて防爆上安全な区域に設
置される。この場合、ホログラムを付加した発光・受光
一体型レーザー(特開平6−52588号公報参照)を
利用すると有利である。一方、検知部10は燃料漏れを
起こす可能性のある箇所、例えば二重殻地下埋蔵タン
ク、送油管、オイルサンプ、二重殻タンク等に設置され
る。このとき、光源部2、光透過・出力部12及び光検
出部14を収納したケースと検知部10との位置関係
を、光源部2からの光が検知部10に垂直に入射し且つ
反射光が同一経路を伝搬するように調整する。
【0038】光検出部14は、一つの実施の形態におい
ては、検知素子8からの反射光に応じた電気信号を生成
する光−電気変換手段と、この生成された電気信号を所
定値と比較し、比較の結果として揮発性有機物質の蒸気
の存在及び/又は濃度を知らせる手段とを備えている。
【0039】更に、この発明は、以上説明してきた揮発
性有機物質漏洩検知器を少なくとも1個、前記漏洩検知
部が被監視個所に配置され、前記発光・受光ユニットが
警報制御部内に設置されるよう設け、前記警報制御部
が、前記発光・受光ユニットから出力される電気信号に
基づいて、前記検知部のトラブルと前記検知部が設置さ
れた個所における揮発性有機物質の蒸気の存在とを含む
異常が発生したかどうかを判定する判定回路を有してお
り、前記警報制御部と遠方地点との間を双方向通信手段
によって結合し、もって前記異常の発生を前記遠方地点
から監視することを特徴とする揮発性有機物質漏洩監視
システム、を提供する。
【0040】この揮発性有機物質漏洩監視システムにお
いては、警報制御部は更に、前記判定回路による判定結
果を示すデータを蓄積するためのメモリと、前記判定結
果が異常の発生を示していないときには前記メモリに蓄
積されたデータを所定の時間間隔で前記遠方地点へ通報
し、前記判定の結果が異常の発生を示しているときには
直ちに前記遠方地点へ通報するための通報手段と、を備
えている。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、この発明を若干の実施の形
態によって更に具体的に説明するが、この発明はこれら
の実施の形態に限定されるものではない。
【0042】図3は、この発明に係る揮発性有機物質漏
洩検知器の第1の実施の形態の構成を概略的に示す図
で、燃料蒸気検知器として具体化したものである。レー
ザーダイオード20とビームスプリッター22と検知部
10とは、レーザーダイオード20からの光がビームス
プリッター22を通過して検知部10内の検知素子8に
垂直に入射するように配置される。レーザーダイオード
20から出射した光ビームはビームスプリッター22で
2分され、その一方の光ビームは参照信号として第1の
フォトダイオード(リファレンスチャンネル・フォトダ
イオード)24に受光される。他方の光ビームは検知素
子8に入射し、高分子薄膜4の表面及び高分子薄膜4と
基板6との界面で反射される。これらの反射された光は
相互に干渉し合い、高分子薄膜4の膜厚と屈折率とのう
ちの少なくとも一方に対応した強度を有する反射光とな
る。この反射光は元の経路と同じ経路を伝搬してビーム
スプリッター22に入り、ビームスプリッター22によ
って直角に曲げられて検知信号として第2のフォトダイ
オード(シグナルチャンネル・フォトダイオード)26
によって受光される。
【0043】第2のフォトダイオード26は検知素子8
での膜厚をモニターするために用いられ、また、第1の
フォトダイオード24は光源部2の光出力の変動等をモ
ニターして第2のフォトダイオード26の出力を補正す
るために用いられる。それぞれのフォトダイオード2
4、26には、電圧出力を得るための電流−電圧変換回
路24′、26′が接続される。
【0044】検知部10は、内部に燃料蒸気を流通させ
るためのチャンバー28が形成された筐体30を備え
る。高分子薄膜4を基板6の反射面上に形成してなる検
知素子8は、光源部2からの光が高分子薄膜6に対して
垂直に入射するように、チャンバー28内の適所に適宜
の手段によって設置される。検知素子8に対向する筐体
30の側面には窓32が形成され、そこに、光源部2か
ら出射された光及び検知素子8によって反射された光を
透過させるガラス板34が設けられて光入出力部が構成
される。更に、検知部10の筐体30には、チャンバー
28内に燃料蒸気を導入して高分子薄膜4と相互作用さ
せるための燃料蒸気導入口(又は燃料蒸気取込口)36
が設けられる。
【0045】燃料蒸気導入口36又は燃料蒸気取込口に
は、空気中では水は通さないが燃料蒸気のみを透過さ
せ、水中においては、水中に溶存又は分離存在する燃料
を選択的に蒸気として取り込むことができ、水を通さな
い防水機構38を設ける。この防水機構38は、例え
ば、テフロン分離膜、ポリエチレン分離膜、ポリプロピ
レン分離膜により構成することが好ましく、特に、テフ
ロン分離膜のような疎水性の膜が好適である。
【0046】実際に検知素子8を作製するため、ポリ
(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル)8.5gをシクロヘキサノンに溶解し全量
を100gとしたものをシリコンウエハー製の基板上に
2900rpmにてスピンコートし、高分子薄膜を形成
した。これを60℃で1時間減圧乾燥した後、高分子薄
膜の膜厚をルドルフリサーチ社製の三波長自動エリプソ
メータ「Auto ELIV NIR III」にて測定し
たところ、約330nmであった。このシリコンウエハ
ー製の基板を10mm×10mm角に切り出し、検知素
子8とした。
【0047】この検知素子8を使用した燃料蒸気検知器
の性能を試験するため、検知素子8を図3に示すように
ガラス板34に平行に対向させてチャンバー28中にセ
ットし、検知部10の燃料蒸気導入口36には、前記の
防水機構38として3μm孔径の疎水性のテフロン分離
膜38′を設置し、レーザーダイオード20として光源
波長670nmのものを使用して実験を行った。検知部
10を空気中に放置したところ、第2のフォトダイオー
ド26の電流−電圧変換後の出力は約890mVであっ
た。一方、検知部10を、図4に示すように、容器内4
0に収容し、ガソリンを入れた器を容器40内に置いて
容器42の開口をアルミホイールで覆ってから1時間経
過後に第2のフォトダイオード26の出力を調べたとこ
ろ、第2のフォトダイオード26から電流−電圧変換後
の信号として960mVの信号が再現性良く得られた。
次に、ガソリンを入れた器を容器40から取り出したと
ころ、更にその1時間後では、第2のフォトダイオード
26からは電流−電圧変換後の空気中の信号として89
0mVの信号が再現性良く得られた。
【0048】次に、図5に示すように、容器40内を水
で満たし、テフロン分離膜が水に入るまで検知部10を
水中に入れてから水を撹拌し、1時間後の第2のフォト
ダイオード26の出力を見たところ、890mVであっ
た。このとき、検知部10を水から取り出して内部を観
察したが、検知部10内に水が侵入した形跡はなかっ
た。次いで、検知部10を水に入れ、その水に撹拌しな
がら軽油を10cc滴下した。その10時間後、第2の
フォトダイオード26の出力は905mVを示した。こ
の後、水と軽油の混合物を完全に除去し、容器40に再
び水を満たしたところ、3時間後の第2のフォトダイオ
ード26の出力は890mVであった。
【0049】以上の実験から、図3に示す構成の検知部
10は、空気中では水は通さないがガソリン蒸気のみを
透過させ、水中では、水中に溶存又は分離存在する軽油
を選択的に蒸気として取り込むことができるが水を通さ
ず、且つ、ガソリン及び軽油に対して大きな感度を有す
ることが判明した。
【0050】図6は、この発明に係る燃料蒸気検知器の
第2の実施の形態の構成を概略的に示す図で、燃料蒸気
検知器として具体化したものである。この第2の実施の
形態が図3に示す第1の実施の形態と相違する点は、光
源部2がレーザーダイオード20とコリメーターレンズ
42とを組み合わせたものによって構成されているこ
と、ビームスプリッター22に代えてガラス板44を用
いたこと、及び、窓32にレーザーダイオード20の光
源波長と同じ波長の干渉フィルタが付いたガラス板34
を設けたことである。
【0051】レーザーダイオード20から出射されコリ
メーターレンズ42を通過した光ビームは、光分割手段
としてのガラス板44で2分され、その一方は第1のフ
ォトダイオード24に入る。他方の光ビームは干渉フィ
ルタ付きのガラス板34を介して検知素子8に垂直に入
射する。検知素子8によって反射された光ビームは同じ
経路を通って戻り、ガラス板44にて今まで進んできた
経路とは違う方向に反射されて第2のフォトダイオード
26に受光される。
【0052】そこで、検知部10として、レーザーダイ
オード20の光源波長が830nmであり、ガラス板3
4には830nmの干渉フイルター付きのものを使用
し、コリメーターレンズ42をガラス板34から10m
離して設置し、更に、燃料蒸気導入口36に疎水性のテ
フロン分離膜38′を設置したものを製作した。この検
知部10を空気中に放置したところ、第2のフォトダイ
オード26の電流−電圧変換後の出力は約300mVで
あった。この検知部10を、図7に示すように、容器4
0に収容し、ジェット燃料を入れた器を容器40内に置
いて容器40の開口をアルミホイールで覆ってから2時
間経過後に第2のフォトダイオード26の出力を調べた
ところ、第2のフォトダイオード26から電流−電圧変
換後の信号として約670mVの信号が再現性良く得ら
れた。次に、ジェット燃料を入れた器を容器40から取
り出したところ、その3時間後には、第2のフォトダイ
オード26からは電流−電圧変換後の信号として300
mVの信号が再現性良く得られた。
【0053】次に、図8に示すように、容器40に水を
満たし、その中に検知部10を入れて水を撹拌してから
1時間後、第2のフォトダイオード26の電流−電圧変
換後の出力は30OmVであった。このとき、検知部1
0を水から取り出して観察したが、検知部10の内部に
水が侵入した形跡は認められなかった。次いで、検知部
10を水に入れ、その水に撹拌しながら重油を30cc
滴下した。その15時間後、第2のフォトダイオード2
6の出力は340mVを示した。この後、水と重油との
混合物を完全に除去し、容器40に再び水を満たしたと
ころ、3時間後の第2のフォトダイオード26の出力は
300mVであった。
【0054】以上の実験から、図6に示す構成の検知部
10は、空気中では水は通さないがジェット燃料の蒸気
のみを透過させ、水中では、水中に溶存又は分離存在す
る重油を選択的に蒸気として取り込むことができるが水
を通さず、且つ、ジェット燃料及び重油に対して大きな
感度を有することが判明した。
【0055】図9は、この発明に係る燃料蒸気検知器の
第3の実施の形態の構成を概略的に示す図で、燃料蒸気
検知器として具体化したものである。この第3の実施の
形態が図3に示す第1の実施の形態と相違する点は、光
源として指向性の良い発光ダイオード46を使用したこ
と、ビームスプリッター22と検知部10との間を光フ
ァイバー48で結合したこと、及び、光ファイバー48
の両端にコリメーター付きのコネクタ50、52を接続
したことである。図10の(A)は光ファイバー48を
検知部10に結合するための構造を示しており、検知部
10の筐体30に設けられた窓32を覆うようにコリメ
ーター付きのコネクタ52が取り付けられ、ここに光フ
ァイバー48の一端が接続される。例えば、発光ダイオ
ード46の光源波長は660nmであり、光ファイバー
8は50mの長さのマルチモード光ファイバーである。
【0056】図9及び図10の(A)において、発光ダ
イオード46から出射されビームスプリッター22によ
って2分された光ビームのうちの一方は、発光ダイオー
ド46の変動を補償するための参照信号として第1のフ
ォトダイオード24によって検出され、他方はコリメー
ター付きコネクタ50に導入されて光ファイバー48に
入射される。光ファイバー48からの光はコリメーター
付きのコネクタ52により平行光とされて検知素子8に
垂直に入射し、ここで反射されて再びコリメーター付き
のコネクタ52を通過して光ファイバー48中に伝搬
し、ビームスプリッター22で反射されて第2のフォト
ダイオード26で受光される。
【0057】なお、図10の(A)の構造に代えて、図
10の(B)に示すように、筐体30に窓を設けず、光
ファイバー48の先端部をチャンバー28に接するよう
に位置させるようにしてもよい。
【0058】図10の(A)、(B)に示すとおり、燃
料蒸気導入口36には、空気中では水は通さないがガソ
リン蒸気のみを透過させ、水中では、水中に溶存又は分
離存在する軽油を選択的に蒸気として取り込むことがで
きるが水を通さない3μm孔径の疎水性のテフロン分離
膜38′が設置されている。
【0059】ここで、図3、図6及び図9に示す第1及
び第2のフォトダイオード24、26から電気信号を受
け取って燃料蒸気の存在を指示する電気信号を出力する
ためのアナログ回路について、図11を用いて説明す
る。第1のフォトダイオード24からの参照信号Ire
fは電流−電圧変換回路24′で参照信号Vrefに変
換され且つ増幅され、第2のフォトダイオード26から
の検知信号Idetは電流−電圧変換回路26′で検知
信号Vdetに変換され且つ増幅されて、それぞれ補償
回路54に入力される。この補償回路54は、参照信号
Vrefを用いて発光ダイオード46の変動に関して検
知信号Vdetを補償するためのもので、補償回路54
は発光ダイオード46の変動が補償された検知信号Vc
omを出力する。この信号Vcomは差分回路56に導
かれ、ここで、信号Vcomから濃度ゼロに相当する信
号V_baseを差し引いた値、即ち、濃度ゼロからの
差分に相当する電圧Vdifを生成し、比較回路58に
おいて比較レベルV_thと比較する。比較回路58
は、VdifがV_thを越えている場合にはハイレベ
ルの、越えていない場合にはローレベルの電圧Vout
を出力し、この電圧Voutを利用して燃料蒸気の存在
を検知する。
【0060】例えば、図9に示す第3の実施の形態にお
ける検知部10を相対濃度0.4のヘキサン蒸気中に投
入して図11の回路による検知を試みたところ、室温下
(19℃)に於いて検知信号Vdetとして5.95V
の信号を得た。一方、検知部10内にヘキサン蒸気がな
い雰囲気中に投入したところ、検知信号Vdetは5.
84Vであった。それらの電圧の間にはスパンにして
0.11Vの電圧差があるので、図9に示す燃料蒸気検
知器によりヘキサン蒸気の存在を検知することは十分可
能であることが分かった。
【0061】図12は、この発明に係る揮発性有機物質
漏洩検知器の第4の実施の形態における検知部の構成を
概略的に示しており、燃料蒸気検知器のための検知部と
して具体化したもので、拡散蒸気の検知に好適な実施形
態である。図12に示す検知部10′は、図6における
検知部10の代わりに用いられる。検知部10′の筐体
30には、拡散蒸気をチャンバー28内に取り込むため
の燃料蒸気取込口60が設けられ、それぞれの燃料蒸気
取込口60には、水や泥水等がチャンバー28内に流入
しないようにテフロン製のフィルター62が取り付けら
れる。光ファイバー48の一端は筐体30の窓32を覆
うコリメーター付きのコネクタ52と接続される。光フ
ァイバー48は例えば50mの長さのマルチモード光フ
ァイバーで、光ファイバー48の一端から出射した光ビ
ームをガラス球面レンズ64によって集光して検知素子
8に垂直に入射させるようにしている。
【0062】実際に、図12の検知部10′を用いた燃
料蒸気検知器を200リットルの拡散槽内の中空に設置
し、拡散槽内が空気で満たされている状態と、1ccの
灯油を液のままで拡散槽の底部に垂らした後に拡散槽を
密閉した状態とについて、検知素子8からの反射光の強
度変化を観察した。拡散槽内が空気で満たされていると
きの検知信号Vdetの強度は5.84Vであったのに
対して、上記のように灯油を垂らして拡散槽を密閉した
後では6.54Vの検知信号強度を得た。この場合の検
知信号Vdetの強度の変化を図13に示す。同様に、
この拡散槽に1ccの重油を液のまま注入したところ、
5.90Vの検知信号強度を得た。
【0063】一方、この拡散槽から重油を排出した後、
検知部10′の燃料蒸気取込口60が水中に入るまで拡
散槽に水を満たし、水を撹拌したところ、1時間後の検
知信号強度は5.84Vであった。その後、検知10′
の内部を観察したところ、水の侵入は認められなかっ
た。次に、水を撹拌しながら拡散槽に重油を20cc滴
下したところ、14時間後の検知信号強度は6.01V
を示した。この後、水と重油の混合物を拡散槽から完全
に除去して拡散槽を再び水で満たし、その3時間後の検
知信号強度を見たところ、5.84Vであった。
【0064】このことから、図12に示す構成の検知部
10′は、空気中では水を通さないが灯油の蒸気のみを
透過させ、水中では、水中に溶存又は分離存在する重油
を選択的に蒸気として取り込むが水を通さないので、燃
料蒸気検知器として使用可能であることがわかった。
【0065】図14は、この発明に係る揮発性有機物質
漏洩検知器の第5の実施の形態における検知部の構成を
概略的に示しており、燃料蒸気検知器として具体化され
たもので、拡散蒸気の検知に好適な実施形態である。図
14に示す検知部10″は図12における検知部10′
に代えて用いることが可能であり、光ファイバー48の
先端部は検知部10″の筐体30の側壁を通り、セルフ
ォックレンズ66を介して検知素子8と対向する。これ
によりコリメーター付きのコネクタ52は省略され、検
知部10″は小型化される。図12の検知部10′と同
様に、筐体30には燃料蒸気取込口60が設けられ、そ
れぞれの燃料蒸気取込口60内にテフロン分離膜38′
を配置することにより、検知素子8は外気と接触する。
【0066】実際、3mmФ×10mmの大きさの検知
素子8をセルフォックレンズ66の下端から2mm離し
て設置した検知部10″を200リットルの拡散槽中の
中空に設置し、拡散槽内に空気のみが存在するときと、
1ccのガソリンを液のままで拡散槽の底部に垂らして
密閉したときとについて、検知素子8からの反射光の強
度変化を観察した。拡散槽内が空気で満たされていると
きの検知信号Vdetの強度は6.95Vであったのに
対して、拡散槽の底部に上記のガソリン液が存在すると
きには7.78Vの検知信号強度を得た。以上の結果か
ら、図14に示す第5の実施の形態の揮発性有機物質漏
洩検知器は燃料漏洩検知器として使用可能であることが
分かった。
【0067】図15は、この発明に係る揮発性有機物質
漏洩検知器の第6の実施の形態における発光・受光ユニ
ットの構成を概略的に示す図である。この実施の形態に
おける発光・受光ユニットは、ホログラムを付加した発
光・受光一体型レーザー70(特開平6−52588号
公報参照)と、該発光・受光一体型レーザー70と検知
部10との間でレーザー光を伝搬する光ファイバーが一
端に結合されたコリメータレンズ付きのファイバーレセ
プタクルFCコネクタ72とを一体化した構造を特徴と
している。
【0068】図15において、発光・受光一体型レーザ
ー70は、発振波長が例えば780nmのレーザーダイ
オード74と、該レーザーダイオード74から発出され
るレーザー光をモニターするためのフォトダイオード
(図示せず)と、反射光検出用の受光フォトダイオード
76と、レーザーダイオード74から発出されたレーザ
ー光を透過させると共に検知素子8からの反射光を進行
方向から曲げて受光フォトダイオード76に入射させる
ホログラム78とを一体化したもので、これらの要素は
適宜の台上に支持されている。
【0069】発光・受光一体型レーザー70はアルミ製
の筒80の一端に固定され、筒80内の適所には、ホロ
グラム78を透過した光を平行にするためのコリメータ
レンズ82が適宜の手段によって固定され、筒80の上
端にはファイバーレセプタクルFCコネクタ72の下端
が固着される。検知部10に一端が連結された光ファイ
バー84の他端は、ファイバーレセプタクルFCコネク
タ72の内部まで引き込まれる。光ファイバー84の他
端は、コリメータレンズ82によって平行にされたレー
ザー光がコリメータレンズ86によってに集光される位
置にある。
【0070】図15に示す発光・受光ユニットを図1に
示す構成と対比すると、レーザーダイオード74は光源
部2と、ホログラム78は光透過・出力部12と、受光
フォトダイオード76は光検出部14とそれぞれ対応す
る。
【0071】第6の実施の形態の揮発性有機物質漏洩検
知器は以上のとおりに構成されているので、レーザーダ
イオード74から発出されたレーザー光は、ホログラム
78を透過し、コリメータレンズ82によって平行にさ
れた後、コリメータレンズ86により光ファイバー84
の他端に集光され、光ファイバー84内を伝搬して検知
部10に至り、検知素子8によって反射される。ここで
反射されたレーザー光は逆の経路をたどって伝搬し、コ
リメータレンズ82を通過してホログラム78に入射す
る。ホログラム78はこの入射光の進行方向を曲げて受
光フォトダイオード76に入射させる。このときの受光
フォトダイオード76の出力信号強度を検出することに
より、燃料蒸気の存在を検出することが可能になる。
【0072】実際に、図15に示す構造の発光・受光ユ
ニットと50mの光ファイバーで結合された拡散型の検
知部(例えば図12に示すもの)を200リットルの拡
散槽中に中空に設置し、拡散槽の底部に1ccのガソリ
ンを液のままで垂らして密閉し、ガソリン蒸気に対する
受光フォトダイオードの検知信号強度を観察したとこ
ろ、2780mVの検知信号を得た。この検知部を空気
中に置いたときの受光フォトダイオードの出力信号強度
は1435mVであった。この結果から、第6の実施の
形態も揮発性有機物質漏洩検知器として使用できること
が分かった。
【0073】図16は、この発明に係る揮発性有機物質
漏洩検知器の第7の実施の形態における検知部の構成を
概略的に示す図であり、燃料蒸気検知器の検知部として
具体化したもので、拡散蒸気及び水中に溶存又は分離存
在する燃料成分の検知に好適な実施形態である。図15
の検知部10′″は前述の検知部に代えて用いることが
可能であり、光ファイバー48の端部はFCコネクター
90を介してコリメータレンズ付きのレセプタクル92
に固定される。レセプタクル92内のコリメータレンズ
に対向するように、検知素子8が配置され、検知素子ホ
ルダー94に接着材等で固着される。レセプタクル92
及び検知素子ホルダー94は本体96に固定される。本
体96の開口端には、外部から水等が侵入するのを防止
するためにOリングホルダー98に固定されたOリング
100が設置される。更に、本体96の一端には、内部
にPTFE製のフィルター102を有する蓋104が固
定される。蓋1024中央には開口106が設けられ、
フィルター102は開口106を通して外気と接する。
蓋104の一端にも、0リング100を保持するホルダ
ー98と接するOリング108が設けられ、フィルター
102はOリング1108とガスケット及びサポートス
クリーン(いずれも図示せず)との間に挟まれて蓋10
4に固定される。FCコネクター90、レセプタクル9
2及び本体96の外周はステンレス等の材質の筒110
によって覆って水等の侵入を防ぐようにする。
【0074】実際に、図16の検知部10′を用いた燃
料蒸気検知器を200リットルの拡散槽中の中空に配置
し、拡散槽が空気で満たされている状態と、2ccのガ
ソリンを液のままで拡散槽の底部にたらした後に拡散槽
を密閉した状態とについて、検知素子8からの反射光の
強度の変化を観察した。拡散槽内が空気で満たされてい
るときの検知信号Vdetの強度は4.87Vであっ
た。これに対して、ガソリンをたらして拡散槽を密閉し
た後ではVdetの強度は5.48Vであった。同様
に、2ccの軽油を液のまま拡散槽に注入したところ、
Vdetは5.20Vであった。次に、空の拡散槽に水
を満たし、検知部の燃料蒸気導入口が水に入る状態で水
を撹拌したところ、1時間後のVdetは4.87Vで
あった。その後、検知部の内部を観察したが、水が侵入
した形跡はなかった。次いで、水を撹拌しながら重油を
30cc滴下した。その13時間後にVdetは4.9
6Vを示した。その後、水と重油との混合物を拡散槽か
ら完全に除去し、拡散槽に再び水を満たして3時間後の
Vdetを見たところ、4.87Vであった。
【0075】以上の観察から、検知部は、空気中では水
は通さないがガソリンや軽油の蒸気を透過させ、水中で
は、水中に溶存又は分離存在する重油を蒸気として選択
的に取り出し、水を通さないので、燃料蒸気検知器とし
て使用可能であることが判明した。
【0076】これまで詳細に説明した揮発性有機物質漏
洩検知器の1つの重要な応用分野は、燃料蒸気の漏洩を
遠方から監視するシステムである。図17はこうした燃
料蒸気の漏洩監視システムの概要を示す図である。図1
7において、燃料蒸気の漏洩が発生する可能性のある個
所に本発明に係る検知部101、102、103、104
設置し、これら検知部と警報制御部120との間を光フ
ァイバー481、482、483、484でそれぞれ接続す
る。警報制御部120は、燃料蒸気の漏洩が生じ得る場
所、例えばガソリンスタンドや給油所の近くの適宜の個
所に設置され、遠方の監視センタ122に設けられたデ
ータ処理装置124と電話回線、専用回線、無線回線、
衛星回線等の任意の回線126を介して接続される。デ
ータ処理装置124は例えばパーソナルコンピュータ等
の演算処理装置である。必要に応じて、回線126の途
中に中継局128を設置してもよい。監視センタ122
に複数個の警報制御部120を接続し、複数の異なる場
所を同時に集中監視することができるようにしてもよい
ことは勿論である。
【0077】図18は、3個の検知部101、102、1
3が光ファイバー481、482、483の一端に接続さ
れている警報制御部120の構成の一例を示すブロック
図である。図において、警報制御部120は、光ファイ
バー481、482、483の他端が接続された3個の警
報制御ユニット1301、1302、1303と、警報制
御部120の動作全体を制御するマイクロプロセッサ1
32と、電話回線126に接続されたモデム134と、
監視データを蓄積するメモリ136と、外部情報が入力
される外部入力端子138と、警報を発する警報部14
0とを備えている。
【0078】警報制御ユニット1301、1302、13
3は同じ構成であって、発光・受光ユニット、アナロ
グ判定回路及び表示部を有する。発光・受光ユニットは
レーザー光を光ファイバーに送出して検知部を照射し、
検知部からの反射光を受光して電気信号に変換する。こ
の電気信号は、燃料の漏洩の有無や検知部、光ファイバ
ー、光源等にトラブルが発生したどうかを判定するため
に、アナログ判定回路においてガス警報スレッショルド
値及びトラブル警報スレッショルド値とそれぞれ比較さ
れる。アナログ判定回路での判定結果は「異常なし」、
「燃料の漏洩が発生した」及び「検知部、光ファイバ
ー、光源等にトラブルが発生した」のいずれかであり、
マイクロプロセッサ132はこの判定結果を表示部に常
時表示させて現場管理者による被監視個所の状況の把握
を可能にする。なお、必要に応じて、判定結果をプリン
トアウトするようにしてもよい。
【0079】マイクロプロセッサ132はアナログ判定
回路における判定結果をメモリ136に一時蓄積させ
る。この判定結果が検知部101、102、103が正常
に動作しており、燃料の漏洩が生じていないことを示す
ときには、所定の時刻毎に、マイクロプロセッサ132
は判定結果を表すデータをメモリ136から読み出し、
このデータを現場識別コードと共にモデム104を介し
て監視センタ122へ送出する。このとき、マイクロプ
ロセッサ132は外部入力端子138から入力される外
部データ(例えば、タンク内の燃料在庫量、停電発生時
刻、停電が復旧した時刻等)をもモデム134、電話回
線126を介して監視センタ122のデータ処理装置1
24へ送ることができる。こうした監視センタ122へ
の通報内容は、現場において適宜の入力手段を用いて、
及びデータ処理装置124からマイクロプロセッサ13
2へ指令を送ることによって設定することが可能であ
る。また、ガス警報スレッショルドやトラブル警報スレ
ッショルドの値の設定又は変更も、同様に、新たな値を
現場で入力し、又はデータ処理装置124から電話回線
126を介してマイクロプロセッサ132へ指令を送る
ことによって行うことができる。
【0080】一方、アナログ判定回路の判定結果が燃料
の漏洩又は検知部、光ファイバー、光源等のトラブルの
発生を示している時には、直ちにマイクロプロセッサ1
32は警報部140を作動させて警報を発して現場管理
者に対処を促すと共に、異常の発生をモデム134及び
電話回線126を介してデータ処理装置124に通報す
る。これによって、データ処理装置124は異常メッセ
ージを表示したり、警報ランプやブザーを作動させたり
し、管理者に適切な処置を取るよう促す。したがって、
異常の発生を遠方地点で早期に発見することが可能であ
る。
【0081】図19は、アナログ判定回路からの出力電
圧の時間的変化の一例を、2.5ボルトのガス警報スレ
ッショルド及び0.5ボルトのトラブル警報スレッショ
ルドと共に示したグラフである。アナログ判定回路の出
力電圧がガス警報スレッショルドを越えたとき及びトラ
ブル警報スレッショルドより下がったとき、燃料の漏洩
や検知部、光ファイバー、光源等のトラブルといった異
常が発生したものと判定される。
【0082】
【発明の効果】以上、この発明を若干の実施の形態を参
照しながら詳述したところから明らかなとおり、この発
明に係る揮発性有機物質漏洩検知器は、水や泥水等がか
かる又は水や泥水等に埋没する可能性のある場所におい
ても、それらの影響を受けることなく、揮発性有機物質
の蒸気や水中に溶存又は分離存在する揮発性有機物質を
精度よく検知することができるという格別の効果を奏す
る。しかも、この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器
は構成が簡単であって、安価に製作することが可能であ
り、本質的に安全に揮発性有機物質の存在及び/又は濃
度を検知することができる。しかも、こうした有機物質
の漏洩が発生しそうな個所に検知部を設置し、該検知部
と発光・受光ユニットとの間を光ファイバーで接続して
発光・受光ユニットからの出力から異常の発生を判定す
る構成とすることができるので、異常を安全に且つ早期
に発見することが可能になる。
【0083】更に、検知部から得たデータを遠方地点へ
通報することができるので、被監視個所を無人状態にな
る夜間を含めて常時監視することができ、異常の発生時
に迅速に対応することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器の構
成を概略的に示す図である。
【図2】図1の基板上に形成された高分子薄膜の反射率
を示すグラフである。
【図3】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器の第
1の実施の形態の構成を概略的に示す図で、燃料蒸気検
知器として具体化されている。
【図4】図3の燃料蒸気検知器の特性を調べるための構
成を示す概略図である。
【図5】図3の燃料蒸気検知器の特性を調べるための構
成を示す概略図である。
【図6】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器の第
2の実施の形態の構成を概略的に示す図で、燃料蒸気検
知器として具体化されている。
【図7】図6の燃料蒸気検知器の特性を調べるための構
成を示す概略図である。
【図8】図6の燃料蒸気検知器の特性を調べるための構
成を示す概略図である。
【図9】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器の第
3の実施の形態の構成を概略的に示す図で、燃料蒸気検
知器として具体化されている。
【図10】(A)及び(B)は、図9の燃料蒸気検知器
における検知部を光ファイバーの端部と結合するための
構成を概略的に示す図である。
【図11】図3、図6及び図9に示す燃料蒸気検知器の
フォトダイオードから取り出される電気信号を処理する
ためのアナログ回路を概略的に示す図である。
【図12】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器の
第4の実施の形態における検知部の構成を概略的に示す
図である。
【図13】図12の検知部を用いた燃料蒸気検知器から
得た信号強度の時間的変化を示すグラフである。
【図14】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器の
第5の実施の形態における検知部の構成を概略的に示す
図である。
【図15】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器の
第6の実施の形態における発光・受光ユニットの構成を
概略的に示す図でる。
【図16】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器の
第7の実施の形態における検知部の構成を概略的に示す
図である。
【図17】この発明に係る揮発性有機物質漏洩検知器を
用いた燃料漏洩監視システムの概要図である。
【図18】図17に示す燃料漏洩監視システムにおける
警報制御部の構成を概略的に示すブロック図である。
【図19】図17に示す燃料漏洩監視システムにおける
アナログ判定回路の出力電圧を、ガス警報スレッショル
ド及びトラブル警報スレッショルドと共に示すグラフで
ある。
【図20】従来の燃料蒸気検知器の一例の構成を概略的
に示す図である。
【符号の説明】
2:光源部、 4:高分子薄膜、 6:基板、 8:検
知素子、10、10′、10″:検知部、 12:光透
過・出力部、20:レーザーダイオード、 22:ビー
ムスプリッター、24:第1のフォトダイオード、 2
6:第2のフォトダイオード、24′、26′:電流−
電圧変換回路、 28:チャンバー、 30:筺体、3
2:窓、 34:ガラス板、 36:燃料蒸気導入口、
38:機構、38′:テフロン分離膜、 40:容
器、 42:コリメーターレンズ、44:ガラス板、
46:発光ダイオード、 48:光ファイバー、60:
燃料蒸気取込口、 62:フィルター、70:発光・受
光一体型レーザー、 92:レセプタクル、101〜1
4:検知部、 481〜484:光ファイバー、12
0:警報制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アシュリー・エフ・サビン アメリカ合衆国ニュージャージー州08822, フレミントン,ファーマーズヴィル・ロー ド 521 (72)発明者 ジェームズ・ビー・スタマトフ アメリカ合衆国ニュージャージー州07090, ウエストフィールド,ドリアン・ロード 606

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性有機物質の蒸気の存在と濃度との
    うちの少なくとも一方を検知するための揮発性有機物質
    漏洩検知器であって、 発光体を有する光源部と、 前記揮発性有機物質の蒸気との接触により膜厚と屈折率
    とのうちの少なくとも一方が変化する高分子薄膜を反射
    面上に形成してなる検知素子を備え、前記光源部からの
    光が前記検知素子に垂直に入射するよう配置された検知
    部と、 前記光源部と前記検知部との間に配置され、前記光源部
    からの光を透過させて前記検知部に入射させると共に、
    前記検知素子によって反射された反射光を出力する光透
    過・出力部と、 前記反射光を受け取り、該反射光に対応する信号を生成
    する光検出部と、を具備し、 前記検知部が揮発性有機物質の導入口から導入された前
    記揮発性有機物質の蒸気を前記高分子薄膜と相互作用さ
    せるためのチャンバーが形成された筺体を備えており、 前記筺体の前記検知素子に対向する位置に光入出力部が
    設けられ、 前記導入口には、空気中では水は通さないが前記揮発性
    有機物質の蒸気を透過させ、水中では、水中に溶存又は
    分離存在する前記揮発性有機物質を蒸気として取り込む
    機構を設置したことを特徴とする揮発性有機物質漏洩検
    知器。
  2. 【請求項2】 前記光透過・出力部と前記検知部との間
    を光ファイバーで結合したことを特徴とする請求項1に
    記載の揮発性有機物質漏洩検知器。
  3. 【請求項3】 前記光源部と前記光透過・出力部と前記
    光検出部とが発光・受光ユニットを構成することを特徴
    とする請求項1又は2に記載の揮発性有機物質漏洩検知
    器。
  4. 【請求項4】 前記発光・受光ユニットが、ホログラム
    を付加した発光・受光一体型レーザーを備えることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の揮発性有
    機物質漏洩検知器。
  5. 【請求項5】 前記光検出部が、前記反射光に応じた電
    気信号を生成する光−電気変換手段と、該電気信号を所
    定値と比較し、この比較の結果として前記揮発性有機物
    質の蒸気の存在と濃度とのうちの少なくとも一方を知ら
    せる手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1つに記載の揮発性有機物質漏洩検知器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の揮
    発性有機物質漏洩検知器を少なくとも1個、前記検知部
    が被監視個所に配置され、前記発光・受光ユニットが警
    報制御部内に設置されるよう設け、 前記警報制御部が、前記発光・受光ユニットから出力さ
    れる電気信号に基づいて、前記検知部のトラブルと前記
    検知部が設置された個所における揮発性有機物質の蒸気
    の存在とを含む異常が発生したかどうかを判定する判定
    回路を有しており、 前記警報制御部と遠方地点との間を双方向通信手段によ
    って結合し、 もって前記異常の発生を前記遠方地点から監視すること
    を特徴とする揮発性有機物質漏洩監視システム。
  7. 【請求項7】 前記警報制御部が更に、 前記判定回路による判定結果を示すデータを蓄積するた
    めのメモリと、 前記判定結果が異常の発生を示していないときには前記
    メモリに蓄積されたデータを所定の時間間隔で前記遠方
    地点へ通報し、前記判定の結果が異常の発生を示してい
    るときには直ちに前記遠方地点へ通報するための通報手
    段と、を備えていることを特徴とする請求項6に記載の
    揮発性有機物質漏洩監視システム。
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