JPH10266019A - 坑ピル性を有する水感性アクリル系複合繊維及びその製造方法 - Google Patents

坑ピル性を有する水感性アクリル系複合繊維及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10266019A
JPH10266019A JP9073814A JP7381497A JPH10266019A JP H10266019 A JPH10266019 A JP H10266019A JP 9073814 A JP9073814 A JP 9073814A JP 7381497 A JP7381497 A JP 7381497A JP H10266019 A JPH10266019 A JP H10266019A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
spinning
shrinkage component
pill
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9073814A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozo Mise
興造 三瀬
Hiroshi Hosokawa
宏 細川
Yasuo Yanagi
康夫 柳
Hiroaki Onishi
宏明 大西
Seizo Oishi
清三 大石
Hidetaka Furukawa
秀隆 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP9073814A priority Critical patent/JPH10266019A/ja
Publication of JPH10266019A publication Critical patent/JPH10266019A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/22Formation of filaments, threads, or the like with a crimped or curled structure; with a special structure to simulate wool
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/06Wet spinning methods
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/28Formation of filaments, threads, or the like while mixing different spinning solutions or melts during the spinning operation; Spinnerette packs therefor
    • D01D5/30Conjugate filaments; Spinnerette packs therefor
    • D01D5/32Side-by-side structure; Spinnerette packs therefor
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F8/00Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof
    • D01F8/04Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof from synthetic polymers
    • D01F8/08Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof from synthetic polymers with at least one polyacrylonitrile as constituent

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルキー性、ソフトな風合いおよび形態回復
性等を有し、坑ピル性にも優れ、かつ紡績等の後加工性
も良好なサイド・バイ・サイド型の水感型アクリル系複
合繊維を提供する。 【解決手段】 高収縮成分(A)および低収縮成分
(B)を含有してなる坑ピル性アクリル系複合繊維とす
る。高収縮成分(A)は、アクリル酸メチルまたは酢酸
ビニルを2〜6重量%、親水性コモノマーを3〜5重量
%含むアクリロニトリル系共重合体である。低収縮成分
(B)は、アクリル酸メチルまたは酢酸ビニルを4〜9
重量%、親水性コモノマーを0〜1重量%含むアクリロ
ニトリル系共重合体である。繊維の引張強度は1.8〜
2.6(グラム/デニール)とし、結節強度(グラム/
デニール)と結節伸度(%)の積を20〜35とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた坑ピル性お
よび捲縮発現力を有する水感型アクリル系サイド・バイ
・サイド型複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来アクリロニトリル系複合繊維はその
優れた捲縮特性、崇高性、発色性等により衣料用もしく
はカーペット等の繊維素材として工業的に生産されてい
る。その製造法の一つとして、繊維を構成する複合成分
としてスルホン酸基等のイオン化性基(親水性基)の含
有量を異にする少なくとも2種のアクリル系共重合体を
使用することによりウールライクな水感性繊維を製造で
きることが知られている(たとえば特公昭38−102
4号公報、特公昭57−35288号公報)。尚、本発
明で水感性とは、水膨潤による伸びと乾燥による収縮が
繰り返し起こる性質を指し、水可逆性と呼ばれる場合も
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の水感性アクリル系複合繊維は、特にサイド・バイ・サ
イド型に複合する場合、複合繊維特有の三次元捲縮形態
により、製品表面の毛羽がからみ易く、ピルの発生が顕
著である。ピルが製品の美観ないしは風合いを著しく損
ねることは、衣料の分野等で良く知られており、その対
策が強く要請されている。
【0004】アクリル系繊維の原綿段階で坑ピル性を付
与する基本的な考え方としては、(イ)ピル発生の主因
となる毛羽のからまりを抑えるための条件の選択、
(ロ)毛羽が発生してもそれがピルを形成させる以前に
脱落せしめる方法、の2つの方向がある。前者は一般に
方法上編織物の構造もしくは組織の形態面の制約を受
け、実用上広範な製品展開が期待できないといった欠点
がある。実用上有利な坑ピル性を与えるためには後者す
なわち毛羽がピルを形成する前に毛羽を脱落せしめる方
法が効果的である。
【0005】このための具体的な方法としては、例えば
低延伸倍率の採用により負の水感性を与えること(たと
えばUSP、3038240)や、繊維の強度を低下さ
せることが試みられている。これらの方法によって実用
的に望ましい坑ピル性が得られた例は必ずしも少なくは
ないが、反面繊維の強度低下に起因する後加工性の低
下、すなわち紡績通過性が劣り、とりわけフライの発
生、糸班の増大および紡績糸の強度低下を招き、繊維の
品質低下や高次加工性を損うという点で、なお解決すべ
き課題を有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】湿式紡糸法によるサイド
・バイ・サイド型の水感型アクリル系複合繊維は、スパ
ンニット等の分野で広く消費者に好まれている。本発明
者らは、これらの水感型アクリル系複合繊維について、
上記課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、本発明に
到達した。
【0007】すなわち、本発明のアクリル系複合繊維
は、サイド・バイ・サイド型の坑ピル性アクリル系複合
繊維において、(a)アクリル酸メチルまたは酢酸ビニ
ルを2〜6重量%、親水性コモノマーを3〜5重量%含
むアクリロニトリル系共重合体からなる高収縮成分
(A)、(b)アクリル酸メチルまたは酢酸ビニルを4
〜9重量%、親水性コモノマーを0〜1重量%含むアク
リロニトリル系共重合体とからなる低収縮成分(B)、
を含有し、引張強度が1.8〜2.6(グラム/デニー
ル)であって、結節強度(グラム/デニール)と結節伸
度(%)の積が20〜35であることを特徴とする。
【0008】本発明によれば、後加工性に優れ、広範な
製品展開の期待できるサイド・バイ・サイド型の坑ピル
性水感型アクリル系複合繊維を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳しく説明す
る。本発明のアクリル系複合繊維は高収縮成分と低収縮
成分を有してなる。いずれもアクリロニトリル系共重合
体であり、原料モノマーとしては、第1成分としてアク
リロニトリル、第2成分として中性モノマー、第3成分
として親水性モノマーを含む。
【0010】アクリロニトリル(第1成分)の含有率
は、高収縮成分、低収縮成分いずれにおいても85重量
%以上とすることが好ましい。アクリロニトリルの含有
率が85重量%より低い場合は繊維の物性が低下し、衣
類等の製品の形態安定性を損なうので好ましくない。
【0011】一般にサイド・バイ・サイド型複合繊維の
捲縮発現は共重合成分の共重合率の差に基づく収縮差に
よるものである。この観点から、本発明においては、第
2成分の中性モノマーとしてアクリロニトリルと共重合
可能なモノマーであるアクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニ
ル、スチレン、アクリルアミド等を共重合させる。これ
ら第2成分の共重合率は、高収縮成分側に対して2〜6
重量%、好ましくは高収縮成分3〜5重量%とし、低収
縮成分側に対して4〜9重量%とする。
【0012】また、サイド・バイ・サイド型複合繊維の
水感性の発現は親水性共重合成分の共重合率の差に基づ
く膨潤差によるものである。この観点から、本発明にお
いては、第3成分として(メタ)アクリル酸、(メタ)
アリルスルホン酸やスチレンスルホン酸とそれらの塩類
等の親水性モノマーを共重合させる。これら第3成分の
共重合率は、高収縮成分側に3〜5重量%、低収縮成分
側に0〜1重量%とする。
【0013】高収縮成分の親水性コモノマー含有率と、
低収縮成分の親水性コモノマー含有率との差は、3重量
%以上とすることが好ましく、3〜5重量%とすること
がさらに好ましい。このようにすることにより両成分の
膨潤差が生じ、良好な水感性を実現できる。
【0014】次に、繊維の特性と、バルキー性、抗ピル
性および後加工性との関係について述べる。製造条件を
種々変更してDS、DKS×DKEを変更した繊維の性
能を比較したところ、以下のような結果が得られた(表
1)。
【0015】紡績等の後加工性については、DSおよび
DKS×DKEに支配され、DSが1.8グラム/デニ
ール未満あるいはDKS×DKFが20未満では良好な
後加工性が得られなかった。
【0016】一方、坑ピル性は、主としてDKS×DK
Eに支配され、その値の低い方が良好であった。この値
が35を越えると良好な坑ピル性は得られなかった。ま
た、DSが2.6グラム/デニールより大きくなると、
充分な坑ピル性が得られなかった。
【0017】これらの実験事実から、上記後加工性と坑
ピル性の両方を良好なレベルとするためにはDKS×D
KEを20〜35とし、DSを1.8〜2.6グラム/
デニールとすることが好ましい。
【0018】ところが、通常のアクリル系複合繊維にお
いては、DSを1.8〜2.6グラム/デニールとしつ
つ沸水処理後適度なバルキー性を持たせるに充分な捲縮
発現力を付与しようとするとDKS×DKEは60〜8
0となる。したがって良好な坑ピル性を得ることができ
ない。なお、緩和熱処理時の飽和水蒸気圧を低下させる
ことによってDKS×DKEを20〜35の範囲とする
こともできるが、このような処理を行った場合には捲縮
発現力が不足する。
【0019】これに対し、本発明のアクリル系複合繊維
は、高収縮成分および低収縮成分の組成に特徴を有し捲
縮発現性に優れるため、高い捲縮発現力を有しつつDK
S×DKEを20〜35の範囲とすることができる。こ
のため、ピルが生じた場合でもその脱落が容易となり、
きわめて良好な坑ピル性を示す。したがって、バルキー
性、抗ピル性および後加工性のいずれについても良好な
アクリル系複合繊維を実現できる。
【0020】また、本発明のアクリル系複合繊維は、引
張強度DSが1.8〜2.6グラム/デニールであって
充分な強伸度を有するため、紡績等の後加工時において
もフライの発生等の不都合が少なく後加工性に優れてい
る。
【0021】次に、上記高収縮成分および低収縮成分の
製造方法について説明する。これらの製造方法は特に限
定されず、通常の懸濁重合、溶液重合、乳化重合等いず
れの方法を用いることもできる。重合体の重合度はその
比粘度(重合体0.5グラムをジメチルホルムアミド1
00mlに溶解し、30℃で測定した。)が0.12〜
0.21の範囲であることが好ましい。
【0022】重合体紡糸原液は、前記高収縮成分(A)
および低収縮成分(B)を各々通常のアクリロニトリル
系重合体の溶剤、好ましくは有機溶剤、例えばジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等に溶解し、50℃で測定したときの粘度が、5
0〜100ポイズの範囲にあることが好ましく、80〜
100ポイズとすることがさらに好ましい。50ポイズ
未満の場合はDKS×DKEが20未満となり坑ピル性
は良いが紡績等の後加工時にフライの発生、糸強度の低
下等の問題が発生する。一方、100ポイズを越える場
合は、いかなる延伸倍率、緩和条件等を採用してもDK
S×DKEを35以下とすることは困難であり、充分な
坑ピル性が得られない。
【0023】サイド・バイ・サイド型湿式複合紡糸は公
知の方法を用いることができ、上記紡糸原液(A)、
(B)を通常の複合紡糸円型口金を用いてサイド・バイ
・サイド型に溶剤−水系湿式紡糸浴中に吐出凝固させ、
ついで熱水中で3.0〜5.0倍の範囲で延伸する。延
伸倍率が高くなるとDS、DKS×DKEが高くなる傾
向にあり、5.0倍を越えると本発明の目的とする坑ピ
ル性良好な水感型アクリル系複合繊維は得られない。一
方、延伸倍率が低くなると坑ピル性は良くなるが3.0
倍未満では当然のことながらDSが低くなり紡績等の後
加工が困難になると共に、複合繊維特有の捲縮発現力が
低下し、バルキー性が不足する。
【0024】未延伸糸は上記延伸処理と同時に熱水中で
洗浄される。洗浄後の残存溶剤量は通常0.5%以下と
なる。洗浄延伸された繊維束はついで乾燥処理を施す。
乾燥の方法は特に限定するものではないが、洗浄延伸後
の繊維束を緊張下に110〜150℃の加熱ロール上で
乾燥する方法が好ましい。
【0025】乾燥を施した繊維束について、飽和水蒸気
圧Yが1.3〜2.0kg/cm2・Gの飽和水蒸気中
で緩和処理を行う。この緩和処理により、繊維に対して
15〜30%、好ましくは20〜25%の収縮を与え
る。ここで飽和水蒸気圧Yは、延伸倍率Xと、4.5<
X+Y<6.5の関係を満足することが好ましい。これ
によってサイド・バイ・サイド型複合繊維特有の三次元
捲縮形態を発現すると共に紡績等の後加工性を向上させ
ることが可能となる。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を説明す
る。なお坑ピル性の測定はJIS1−1076(193
7)で規定されたICI型試験機によるA法(60rp
m、5時間後)により実施し編地の外観変化により1〜
5級に区分した(以下ICI抗ピルテストと呼ぶ)。
【0027】坑ピル性良好な原綿とはICI抗ピルテス
トで4級以上のものを意味する。
【0028】またテストに用いた編地試料は原綿を梳毛
紡績して36番双糸とし、これを編機で約200g/m
2 の編地としたものを用いた。
【0029】また、水感性の評価は300d付近のサブ
トウを作成し、2mgの荷重をかけ、90℃以上の熱水
中で1時間処理し、長さを測定する(Lw )。続いて一
昼夜室温で風乾し長さを測定する(LD )。この湿、乾
処理を3回繰り返し、Lw ,LD の平均値から下記式
(2)にて算出する。 水感性(%)=(Lw −LD )÷LW ×100 (2) この水感性は、10〜20%の範囲内であることが望ま
しい。
【0030】[実施例1]まず、以下の(a)および
(b)の共重合体を、それぞれ所定の濃度となるように
常法によりジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し
た後、濾過・脱泡して紡糸ドープとした。
【0031】(a)AN−MA−MSコポリマー アクリル酸メチル(MA)を第2成分、メタリルスルホ
ン酸ナトリウム(MS)を第3成分として、組成がAN
/MA/MS=93.65/5.85/0.5(重量
%)のAN−MA−MS系共重合体である(以下「AN
−MA−MSコポリマー」という。)。比粘度(重合体
0.5グラムをジメチルホルムアミド100mlに溶解
し、30℃で測定。)は、0.19である。
【0032】(b)AN−MA−NaSSコポリマー アクリル酸メチル(MA)を第2成分、スチレンスルホ
ン酸ナトリウム(以下「NaSS」という。)を第3成
分として、組成がAN/MA/NaSS=92.5/
3.5/4.0(重量%)のAN−MA−NaSS系共
重合体(以下「AN−MA−NaSSコポリマー」とい
う。)。比粘度は、0.18である。
【0033】紡糸ドープは、50℃における粘度が20
〜450ポイズの範囲で調整し、それぞれ表1のNO.1
〜17のサンプルとした。この時、原液中の固形分濃度
は15〜24重量%であった。
【0034】これらの紡糸ドープを孔径0.075mm
φ、孔数10000のサイド・バイ・サイド型複合紡糸
ノズルを通してAN−MA−MSコポリマーとAN−M
A−NaSSコポリマーがサイド・バイ・サイド型にな
るようDMAc30%、水70%からなる40℃の凝固
浴中に押し出し、引き続き熱水中4.5倍で延伸および
洗浄を行い、紡績油剤をつけた後、140℃の熱ローラ
ーで緊張乾燥した。この繊維を1.65kg/cm2
Gの飽和水蒸気中で25分間緩和処理し、3デニール/
フィラメントの繊度を有する繊維束を得た。その後、
1.1倍のスチーム延伸を施して、紡績カード工程でフ
ライ発生の原因となるミクロクリンプを除去した後、再
度紡績工程に必要な程度のクリンプを付与した。この繊
維のDS、DKS×DKEを測定すると共に、繊維を7
6〜127mmにバイヤス・カットし、2/36番手の
紡績糸とした。紡績性の判定はカード工程での落綿量で
判定し落綿量が0.01%以下のものを良、それ以下の
ものを不良とした。紡績糸はさらに染料カチロンブルー
CDRLH(保土谷化学製)の2%owfを用いて10
0℃で60分間沸水染色した。この染糸を天竺の編地に
仕立て、前記のICI抗ピルテストにより坑ピル性能を
調べた。
【0035】一連のテストで得られた繊維のDS、DK
S×DKE、紡績性、ICI坑ピルテストの関係を表1
にまとめて示す。
【0036】
【表1】 これによるとDSが1.8〜2.6(グラム/デニー
ル)、DKS×DKEが20〜35(グラム/デニール
×%)を同時に満足する繊維は、紡績性良好でかつ坑ピ
ル性も良好となっている。
【0037】DSが1.8グラム/デニール未満あるい
はDKS×DKEが20未満のNo1、2、3、7の場
合はいずれも紡績性が不良となった。またDSが2.6
グラム/デニールを越えるNo14、15、16、17
では紡績性は良好となったが望ましい坑ピル性が得られ
なかった。さらにDSが1.8〜2.6グラム/デニー
ルの範囲にあってもDKS×DKEが35を越えるとN
o5、10、12、13は坑ピル性が不良であり、DK
S×DKEが20未満No7では紡績性が不良であっ
た。
【0038】また、これらの性能は製造条件の面からは
原液粘度による影響の大きいことが確認され、原液粘度
が50〜100ポイズとすることが好ましいことがわか
った。
【0039】[実施例2]実施例1と同様の2種のコポ
リマー(a)AN−MA−MSコポリマーおよび(b)
AN−MA−NaSSコポリマーを50℃における粘度
が80ポイズとなるようにDMAcに溶解し、紡糸ドー
プとした。次いで実施例1と同様の方法を用い、表2に
示すような延伸範囲および飽和水蒸気を採用して紡糸を
行い、3デニール/フィラメントの繊度を有する繊維束
を得た。この繊維を実施例1と同様の方法で後処理し、
紡績性、ICI坑ピルテスト、官能テストによるバルキ
ー性、度合いを評価した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】 これによると、延伸倍率Xが3.0〜5.0倍、飽和水
蒸気処理圧Yが1.3〜2.0kg/cm2 ・Gであっ
て、X+Yが4.5〜6.5であるNo6、7、10、
11、12、15は良好な評価結果を示した。延伸倍率
が3.0倍未満であるNo1、2、3では坑ピル性は良
好であるものの紡績不良となり、かつバルキー性も不足
した。また延伸倍率が3〜5倍の範囲であっても飽和水
蒸気処理圧が1.30kg/cm2 ・G未満であるNo
4、9、14では紡績性が不良となり、バルキー性も不
足であった。また2.00kg/cm2 ・Gを越えるN
o8、13、18では坑ピル性が不足した。さらに、延
伸倍率Xが3〜5倍の範囲にあり、かつ飽和水蒸気処理
圧Yが1.3〜2.0kg/cm2 ・Gの範囲にあって
もX+Yが4.5以下であるNo5では、紡績性が不良
となりバルキー性も不足した。またX+Yが6.5以上
であるNo16、17では坑ピル性が不足した。また、
延伸倍率が5.0倍を越えるNo19、20、21では
紡績性、バルキー性は良好であるものの坑ピル性が不足
した。
【0041】[実施例3]以下のコポリマーを用いて表
3のような組み合わせで繊維を作製し、評価を行った。 (a)AN−MA−MSコポリマー、(b)AN−MA
−NaSSコポリマー、(c)酢酸ビニル(VAc)を
第2成分、MSを第3成分に持つAN−VAc−MSコ
ポリマー、(d)AN−VAcコポリマー 上記コポリマーの比粘度は、それぞれ(a)が0.1
9、(b)が0.18、(c)が0.19、(d)が
0.19となるようにした。これらのコポリマーを50
℃における原液粘度が80ポイズとなるようにDMAc
に溶解し、実施例1と同様の方法で紡糸した。このと
き、延伸倍率は4.0倍とし、1.65kg/cm2
Gの飽和水蒸気で処理して3デニール/フィラメントの
繊度を有する繊維束を得た。
【0042】これらの繊維を実施例1と同様の方法で後
処理し、繊維の水感性と紡績性、ICI抗ピルテスト、
官能テストによるバルキー性、風合いを評価した。結果
を表3に示す。
【0043】
【表3】 これによると、坑ピル性と水感性を同時に満足し、か
つ、後加工性に優れたソフトな原綿を得るには、No.
1〜4の原料を用いて製造するのが良いことがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、サイド・バイ・サイド
型の水感型アクリル系複合繊維の長所であるバルキー
性、ソフトな風合いおよび形態回復性等を有し、坑ピル
性にも優れ、かつ紡績等の後加工性も良好な、商品価値
の高い繊維を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 宏明 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 大石 清三 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 古川 秀隆 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイド・バイ・サイド型の坑ピル性アク
    リル系複合繊維において、(a)アクリル酸メチルまた
    は酢酸ビニルを2〜6重量%、親水性コモノマーを3〜
    5重量%含むアクリロニトリル系共重合体からなる高収
    縮成分(A)、(b)アクリル酸メチルまたは酢酸ビニ
    ルを4〜9重量%、親水性コモノマーを0〜1重量%含
    むアクリロニトリル系共重合体とからなる低収縮成分
    (B)、を含有し、引張強度が1.8〜2.6(グラム
    /デニール)であって、結節強度(グラム/デニール)
    と結節伸度(%)の積が20〜35であることを特徴と
    するアクリル系複合繊維。
  2. 【請求項2】 前記高収縮成分(A)の前記親水性コモ
    ノマー含有率と、前記低収縮成分(B)の前記親水性コ
    モノマー含有率との差が3〜5重量%である請求項1に
    記載のアクリル系複合繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高収縮成分(A)および前記低収縮
    成分(B)の紡糸原液を、50℃における粘度が50〜
    100ポイズとなるように調製する工程と、該紡糸原液
    をサイド・バイ・サイド型に湿式複合紡糸して繊維を形
    成する工程と、該繊維を熱水中で3.0〜5.0倍の延
    伸倍率で延伸し、乾燥処理する工程と、飽和水蒸気圧が
    1.3〜2.0kg/cm2 ・Gの飽和水蒸気中で前記
    繊維を緩和処理する工程とを含むことを特徴とする請求
    項1または2に記載のアクリル系複合繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記飽和水蒸気中で緩和処理する工程に
    より、前記繊維を15〜30%収縮させることを特徴と
    する請求項3に記載のアクリル系複合繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記延伸倍率をXとし、前記緩和処理を
    行う際の飽和水蒸気圧をYとしたときに、XとYが下記
    式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項3また
    は4に記載のアクリル系複合繊維の製造方法。 4.5<X+Y<6.5 (1)
JP9073814A 1997-03-26 1997-03-26 坑ピル性を有する水感性アクリル系複合繊維及びその製造方法 Pending JPH10266019A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9073814A JPH10266019A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 坑ピル性を有する水感性アクリル系複合繊維及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9073814A JPH10266019A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 坑ピル性を有する水感性アクリル系複合繊維及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10266019A true JPH10266019A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13529014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9073814A Pending JPH10266019A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 坑ピル性を有する水感性アクリル系複合繊維及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10266019A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111214A (ja) * 2006-10-03 2008-05-15 Mitsubishi Rayon Co Ltd 通気性可逆抗ピル繊維
CN100429337C (zh) * 2006-04-21 2008-10-29 中国石油天然气股份有限公司 抗起球腈纶生产方法
WO2015166956A1 (ja) * 2014-04-30 2015-11-05 三菱レイヨン株式会社 アクリル繊維とその製造方法、同繊維を使った紡績糸及び編地

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100429337C (zh) * 2006-04-21 2008-10-29 中国石油天然气股份有限公司 抗起球腈纶生产方法
JP2008111214A (ja) * 2006-10-03 2008-05-15 Mitsubishi Rayon Co Ltd 通気性可逆抗ピル繊維
WO2015166956A1 (ja) * 2014-04-30 2015-11-05 三菱レイヨン株式会社 アクリル繊維とその製造方法、同繊維を使った紡績糸及び編地
JP6065976B2 (ja) * 2014-04-30 2017-01-25 三菱レイヨン株式会社 アクリル繊維とその製造方法、同繊維を使った紡績糸及び編地
CN106460242A (zh) * 2014-04-30 2017-02-22 三菱丽阳株式会社 丙烯腈系纤维及其制造方法、使用了该纤维的纱线及针织物
EP3138940A4 (en) * 2014-04-30 2017-04-26 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Acrylic fibers, method for manufacturing same, and spun yarn and knitted fabric using said fibers

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3656311B2 (ja) 抗ピル性極細アクリル系繊維及びその製造方法
JPH10266019A (ja) 坑ピル性を有する水感性アクリル系複合繊維及びその製造方法
JPH10237721A (ja) 高収縮性アクリル繊維及びパイル用原綿
JP7167991B2 (ja) アクリル繊維、該繊維を含む紡績糸及び編地
JP3168057B2 (ja) 抗ピリング性アクリル系繊維の製造法
JPH06158422A (ja) 難燃アクリル系高収縮繊維
JP3756886B2 (ja) 高収縮性アクリル系繊維
JPH0364605B2 (ja)
JP2908046B2 (ja) 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法
JPH0559608A (ja) 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造法
JP3945888B2 (ja) アクリル繊維トウ素材及びその製造方法
JP2566890B2 (ja) 難燃アクリル系高収縮繊維
JPS5891712A (ja) アクリロニトリル系重合体の製造方法
JPWO2003072618A1 (ja) アクリル系合成繊維用合成樹脂及びそれからなるアクリル系合成繊維並びにアクリル系合成繊維の製造方法
JPS6254891B2 (ja)
JP2566891B2 (ja) 難燃アクリル系高収縮繊維
KR20190000291A (ko) 3차원 권축을 가지는 편평 아크릴로나이트릴계 섬유 및 이 섬유를 사용한 파일 포백
JP3431694B2 (ja) ハイパイル用高収縮性アクリル系繊維の製造方法
JPH05279912A (ja) 抗ピリング性アクリル系繊維の製造法
JP2958056B2 (ja) 抗ピル性アクリル繊維の製造法
JPS62255B2 (ja)
JP2008095255A (ja) 抗ピル性アクリル系繊維とその製造方法
JPS6211083B2 (ja)
JP2601774B2 (ja) 難燃アクリル系複合繊維
JPH073530A (ja) 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法