JP2908046B2 - 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法 - Google Patents

抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた抗ピリング性を有
するアクリル系合成繊維及びその製造方法に関するもの
である。更に詳しくは乾式紡糸法によって得られ優れた
風合いおよび紡績等の後加工性の良好な抗ピリング性ア
クリル系合成繊維及び該繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】衣料の着用時に発生するピリングはその
美観ないしは風合いを著しく損ねることはよく知られて
いる。特にアクリル系繊維は従来よりその主たる用途が
スパンニット分野であることからピリングの発生が顕著
であり、その対策が強く望まれている。
【0003】このため、これまでにもピリングの発生を
防止する方法として種々の提案がなされている。それら
を大別するとピリングの発生の主因となる毛羽を生ぜし
めない方法と毛羽が発生してもそれがピリングを形成す
る以前に脱落せしめる方法とに分けられる。前者は一般
に耐ピリング性において恒久性に乏しく、且つその方法
上から編織物の構造面もしくは組織の形態面の制約に依
存し、実用上広範な製品展開が期待出来ない等の欠点が
ある。実用上有利な抗ピリング性を与えるためには、後
者すなわち毛羽が絡みピリングを形成する前に毛羽を脱
落せしめる方法が効果的である。
【0004】その具体的な方法としては、特開昭57−
121610号公報等に示された繊維製造工程において
低い延伸倍率を採用したり、特開昭56−128324
号公報に示された繊維に局所的な欠陥を付与することに
よって繊維の強度を低下させることが試みられている。
これらの方法により実用的に望ましい抗ピリング性が得
られた例は必ずしも少なくないが、反面、繊維の強度低
下に起因する後加工性の低下、すなわち紡績通過性が劣
り、とりわけ100%使いの商品展開をはかる場合など
フライの発生、糸斑の増大及び紡績糸の強力低下を招
き、製品の品質低下や高次加工性を損なうという大きな
欠陥がある。
【0005】一方単繊維強度の低下をきたすことなく充
分な引張り強力を有し、後加工性の良好な抗ピリング性
を有する繊維を得る方法としては、特開昭51−102
120号公報に開示された技術がある。当該技術は繊維
形成用アクリロニトリル系重合体としてアクリロニトリ
ル単位94%以上、強酸基含有単量体0.5〜3.5重
量%および他の単量体2.5〜5.5重量%なる組成の
ものを用い、このアクリロニトリル系重合体を湿式紡糸
後4〜7倍熱延伸、乾燥後さらに90〜180℃で1.
1〜2.4倍延伸し、該延伸温度よりも高い温度で定長
セットすることをその内容としている。この技術は湿式
紡糸法を採用した際にはかなり有効な方法であるが、紡
糸法として乾式紡糸法を採用して得られる繊維は糸加工
時におけるフライの発生が多いこと、繊維の沸水収縮率
が高いため染色しにくいこと、また沸水収縮後の抗ピリ
ング性が原糸に比べ低下することなどの改良すべき点が
多々あった。
【0006】また湿式紡糸法によるアクリル系繊維の場
合、特開昭59−116409号公報等にみられるよう
にポリマー組成や紡糸条件を規定することにより繊維断
面を円形に近付ける方法があるが、乾式紡糸法によるア
クリル系繊維の場合、その亜鈴形の繊維断面に起因する
優れた光沢感や柔軟で嵩高な風合いに大きな特徴があ
り、上記のような円形断面形状への変更等の方法は適用
し難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】乾式紡糸法によるアク
リル系繊維はその緻密な構造により平滑な表面と良好な
透明性等を有し衣料用繊維として好ましい特性を有する
反面、抗ピリング性が劣っており、製品用途を制限する
重大な原因となっている。
【0008】本発明の目的は乾式紡糸法によるアクリル
系繊維の好ましい特性を生かすと共に、抗ピリング性に
優れ且つ後加工性にも優れたアクリル系繊維及びその製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は衣料用繊維
として広く消費者に好まれている乾式紡糸法によるアク
リル系繊維について上記欠陥を生ずることなく恒久性と
後加工性に優れた抗ピリング性アクリル系繊維を得るべ
く鋭意検討を進めた結果本発明に到達したものである。
【0010】即ち本発明は、95重量%以上のアクリロ
ニトリル単位、4重量%以下の中性単量体及び0.3〜
5重量%の強酸基含有単量体よりなるアクリロニトリル
系重合体よりなり、引張り強力1.8〜4g/d、結節
強力(g/d)と結節伸度(%)の積が30以下、沸水
収縮率が−3.4〜5%なる条件を満足する乾式紡糸法
により得られることを特徴とする坑ピリング性アクリル
系繊維にある。前記中性単量体としてはアクリル酸メチ
ルが好ましい。
【0011】また本発明の抗ピリング性アクリル系繊維
の製造方法は、95%重量以上のアクリロニトリル単
位、4重量%以下の中性単量体及び0.3〜5重量以上
の強酸基含有単量体よりなるアクリロニトリル系重合体
の紡糸原液を乾式紡糸し、該繊維を70℃の温水〜熱水
中で1.2〜5倍の範囲で一次延伸し、ついで乾燥及び
緩和熱処理を施して10〜50%の収縮を与え、さらに
温度160〜200℃で1.2〜2.5倍で、且つ一次
延伸倍率との積が3〜8の範囲で二次延伸した後、該延
伸温度以上の温度で定長熱処理することを特徴とする。
【0012】本発明によって得られるアクリル系繊維は
充分な引張り強力と伸度を有し、紡績等の工程において
もフライの発生などはなく、後加工性に極めて優れてい
る。
【0013】本発明により得られる繊維はその結強力
(DKSと称す)と結節伸度(DKEと称す)の積(D
KS×DKE)が極めて低い値を示す。通常の乾式紡糸
法によって製造した繊維のDKS×DKE値は40〜80の
値となるが、本発明によって製造した繊維のDKS×D
KE値は30以下である。また通常のアクリロニトリル
系重合体からなる繊維は沸水収縮率が高い場合、又はた
とえ沸水収縮率が低くても高い引張り強力を付与した場
合、原綿段階では抗ピリング性が良好であっても後加工
で沸水処理した後では抗ピル性の低下が認められ、高い
引張り強力と高度な抗ピリング性を兼備することは困難
であった。本発明は上述の如き特定の共重合組成のアク
リロニトリル系重合体よりなり、且つ特定のDKS×D
KE値及び沸水収縮率を満足して、初めて高い引張り強
力と高度な抗ピリング性を兼備する乾式紡糸法によるア
クリル系繊維が得られることを示す。
【0014】以下本発明を作用と共に更に詳しく説明す
る。本発明の対象となるアクリロニトリル系重合体は9
5重量%以上のアクリロニトリル単位、4重量%以下好
ましくは2重量%以下の中性単量体及び0.3〜5重量
%の強酸基含有単量体を含有することが必要である。中
性単量体が4重量%を超えた場合は、高倍率延伸で高い
引張り強力を付与した場合、後加工の沸水処理後の抗ピ
リング性の低下が著しく高度の抗ピリング性は得られな
い。また強酸基含有単量体が0.3重量%未満の場合は
染色性が不足し、5重量%を超えた場合は過度の染色性
による染色斑等が発生し、双方とも衣料用として不適当
である。
【0015】 共重合可能な中性単量体としては、具体
的にはアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル等の
(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、スチレ
ン、アクリルアミド類が挙げられる。耐熱性の面からは
アクル酸メチルが望ましい。また強酸基含有単量体と
しては、具体的には(メタ)アクリル酸、(メタ)アリ
ルスルホン酸類やビニルベンゼンスルホン酸とそれらの
塩類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビ
ニルピリジン類が挙げられる。
【0016】本発明に使用するアクリロニトリル系重合
体は通常の懸濁重合、溶液重合、乳化重合などのいかな
る方法によっても製造できる。該重合体の重合度はその
比粘度で表して0.1〜0.2の範囲が好ましい。
【0017】重合体紡糸原液は、該重合体を通常のアク
リロニトリル系重合体の溶剤、例えばジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等
の溶剤に重合体濃度が20〜40重量%になるよう溶解
して作られるが、ポリマーの溶解性及び溶剤回収面から
特にジメチルホルムアミドが好ましい。
【0018】採用する乾式紡糸法は公知の方法でよく、
上記紡糸原液をオリフィスを通じて高温度の空気または
不活性ガス中に吐出し溶剤を蒸発させ未延伸糸を得る。
未延伸糸は70℃の温水〜熱水中で1.2〜5倍の範囲
で一時延伸する。延伸温度が70℃未満の場合は十分な
延伸性及び洗浄性が得られない。延伸倍率が1.2 未満の
場合、たとえ二次延伸倍率を高めても最終的に得られる
繊維に十分な強力が付与されず、一方5倍を超えると延
伸中に糸切れが生じ易く、また二次延伸時の延伸がかか
りにくく、その結果DKS,DKEが高くなり、抗ピリ
ング性が不良となる。
【0019】未延伸糸は上記延伸処理と同時またはその
前後を通じて熱水中で洗浄される。熱水の温度は80〜
100℃が好ましい。洗浄後の残存溶剤量は普通2%以
下となる。延伸洗浄処理された繊維束はついで乾燥及び
緩和処理を施す。乾燥は通常表面温度が約115〜15
0℃の熱ロール上を緊張下に通過せしめるのが代表的な
方法である。この場合は繊維の緻密化も同時に達成され
る。
【0020】一方、乾燥と同時に緩和熱処理をすること
も可能であり、熱水延伸後の糸条を無緊張下に湿潤状態
のまま相対湿度約10〜40%、温度110〜160℃
の範囲の加熱空気中で処理することも好ましい方法であ
る。また別の緩和熱処理の方法として、上記一旦乾燥さ
れた糸条を温度約100〜140℃の加圧スチーム中で
熱処理する方法もまた簡便で有効である。
【0021】かかる緩和熱処理により繊維に10〜50%の
収縮を与える。この緩和収縮処理により衣料用繊維とし
て必要な染色性、形態安定性等の基本性能が付与され
る。収縮率が10%より小さい場合は充分な染色性が得
られないし、50%を超える収縮率を与えると本発明の
その後のプロセスを通すとき最終的にDKS×DKE値
が抗ピリング性の低下を招来する値となる。
【0022】乾燥及び緩和熱処理を施した繊維束を温度
160〜200℃の範囲で1.2〜2.5倍に二次延伸
する。これにより繊維の強力が一層向上し、良好な紡績
等の後工程における通過性が確保されると同時にDKS
×DKE値が低下し抗ピリング性も向上する。二次延伸
は加熱された熱ロール間、熱板上あるいは加熱スチーム
中で行う。延伸温度が160℃より低い場合は二次延伸
性が低く毛羽発生の原因になったり、200℃を超える
と再び延伸性が低下し繊維の着色傾向が大きくなり単繊
維間の融着が生じ製品価値が低下する。
【0023】 二次延伸倍率を1.2 以上とすることによ
り目的とする効果が得られるが、その倍率が2.5 を超え
ると一般に糸切れが頻発し安定な操業がなしえない。ま
た一延伸倍率と二次延伸倍率の積が3未満の場合、最
終的に得られる繊維の引張り強力が不足し安定した後工
程通過性が確保できないし、8を超えると糸切れが発生
する。安定な後工程通過性を確保するため繊維に求めら
れる引張り強力は1.8 g/d以上好ましくは2.0 g/d
以上である。
【0024】二次延伸された糸条は直ちにその延伸温度
以上で数秒〜数分間定長処理される。前記延伸温度より
低い温度で定長熱処理を行う場合は、得られる原糸また
は紡績糸の沸水収縮率が大きくなり染色後の繊維のDK
S×DKE値が再び増大し、目的とする抗ピリング性が
消失する。DKS×DKE値が30を超えると十分な抗
ピリング性は得られず、またDKS×DKE値が30以
下の場合でも沸水収縮率が5%を超えると上記理由によ
り目的とする抗ピリング性は得られない。
【0025】かくして得られた繊維はそのままあるいは
適当に機械捲縮が付与され、トウの状態でまたは切断さ
れてステープルとして次の紡績等の工程へ導かれる。
【0026】本発明の繊維は単独にあるいは他の合成繊
維または天然繊維と混合して広範な用途に使用しうる。
【0027】以上本発明の基本的要件を説明したが、そ
れ以外に種々の公知の付加的条件を採用することもあり
得る。例えば紡糸原液に酸化チタンや水酸化アルミニウ
ムの如き無機化合物や水又はエチレングリコール等のア
クリロニトリル系重合体の非溶剤を添加したり複合紡糸
やブレンド紡糸の手法を応用することも差し支えない。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。「抗ピル性」の測定方法は以下の方法によった。JI
S I-1076にて規定されたICI型試験法A法(60rpm ,
5時間)により実施し、編み地の外観変化により1〜5
級に区別した。( 以下ICI 抗ピルテストと称す。)抗ピ
リング性良好な原綿とはICI 抗ピルテストで3級以上の
ものを意味する。またテストに用いた編み地試料は原綿
をスフ紡績して48番単糸とし染料カチオンブルーC
D.RLH(保土ヶ谷科学製)の2%owfを用いて1
00℃にて60分間ボイル染色した染糸で編成した18
0g/m2の編み地を用いた。
【0029】実施例1 アクリロニトリル単位98.3重量%、メタリルスルホ
ン酸ソーダ単位1.7重量%からなる比粘度0.194
のアクリロニトリル系重合体をジメチルホルムアミドに
溶解し、固形分濃度25%の原液を調製した。
【0030】上記各原液を130℃に加熱した後、孔数
600、孔径0.2mmφのオリフィスより200℃に加
熱された不活性ガス中に吐出し紡糸速度350m/分に
て未延伸糸を得た。この未延伸糸を集束し48万デニー
ルの繊維束とし、熱水中で1.5〜3.6倍に延伸し、
更に熱水中で洗浄、油剤付与を施した後、得られた繊維
束を無緊張下に相対湿度40%、温度150℃で乾燥・
緩和処理を行った。更に200℃の熱ローラーにより
1.5〜2.16倍に二次延伸した後定長熱セットした
トウに適当な機械捲縮を付与し51mmにカットした。得
られた繊維のDS、DKS×DKE値及びICI 抗ピルテ
ストの結果を表1に示した。
【0031】なお、単繊維繊度はいずれも約2デニール
であった。「重合体の比粘度」は重合体0.1Nのロダ
ンソーダを含有するジメチルホルムアミド100mlに
溶解し、25℃で測定した。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示す通り、中性単量体を含まないア
クリロニトリル系重合体より得られた繊維はDKS×D
KE値が高い場合を除き、いずれも抗ピリング性は4級
と良好であった。また一次延伸倍率と二次延伸倍率との
積(以下トータル延伸倍率と称す。)が低い場合は紡績
性が不良であった。
【0034】実施例2 アクリロニトリル単位95.0重量%、アクリル酸メチ
ル単位4.0重量%、メタリルスルホン酸ソーダ単位
1.0重量%からなる比粘度0.141のアクリロニト
リル系重合体をジメチルホルムアミドに溶解し、固形分
濃度31%の原液を調製した。
【0035】上記の原液を130℃に加熱した後、孔数
600、孔径0.2mmφのオリフィスより200℃に加
熱された不活性ガス中に吐出し未延伸糸を得た。この未
延伸糸を集束し48万デニールの繊維束とし、熱水中で
2.5〜3.0倍に延伸し、更に熱水中で洗浄、油剤付
与を施した後、得られた繊維束を無緊張下に相対湿度4
0%、温度150℃で乾燥・緩和処理を行った。更に2
00℃の熱ローラーにより1.5〜1.8倍に二次延伸
した後、定長熱セットしたトウに適当な機械捲縮を付与
し51mmにカットした。得られた繊維のDS、DKS×D
KE値及びICI抗ピルテストの結果を表2に示した。な
お、単繊維繊度はいずれも約2デニールであった。
【0036】
【表2】
【0037】比較例1 アクリロニトリル単位93.5重量%、アクリル酸メチ
ル単位6.0重量%、メタリルスルホン酸ソーダ単位
0.5重量%からなる比粘度0.161のアクリロニト
リル系重合体をジメチルホルムアミドに溶解し、固形分
濃度30%の原液を調製した。
【0038】上記の原液を130℃に加熱した後、孔数
600、孔径0.2mmφのオリフィスより200℃に加
熱された不活性ガス中に吐出し未延伸糸を得た。この未
延伸糸を集束し48万デニールの繊維束とし、熱水中で
2.25〜3.33倍に延伸し、更に熱水中で洗浄、油
剤付与を施した後得られた繊維束を無緊張下に相対湿度
40%、温度150℃で乾燥・緩和処理を行った。更に
200℃の熱ローラーにより1.5〜2.0倍に二次延
伸した後、定長熱セットしたトウに適当な機械捲縮を付
与し51mmにカットした。得られた繊維のDS、DKS
×DKE値およびICI抗ピルテストの結果を表3に示
した。なお、単繊維繊度はいずれも約2デニールであっ
た。
【0039】
【表3】
【0040】表3に示す通り、中性単量体の共重合比率
が高いアクリロニトリル系重合体より得られる繊維はD
KS×DKE値は低いにもかかわらず、抗ピリング性は
1〜2級と不良であった。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く本発明は、
従来の乾式紡糸法によるアクリル系繊維では得られなか
った高い引張り強度及び高度の抗ピリング性を兼備する
アクリル系繊維及びその製造方法を提供するもので、後
加工性に優れ、乾式紡糸法によるアクリル系繊維の持つ
良好な風合いを損なうことなく、しかもピリングの発生
がないため、肌着を初めとした衣料等への巾広い展開が
期待でき、その産業上の意義は大きい。
【0042】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 禧典 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社 大竹事業所内 (56)参考文献 特開 昭57−143513(JP,A) 特開 昭61−12909(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/18,6/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 95重量%以上のアクリロニトリル単
    位、4重量%以下の中性単量体及び0.3〜5重量%の
    強酸基含有単量体よりなるアクリロニトリル系重合体よ
    りなり、引っ張り強力1.8 〜4 g/d、結節強力(g/
    d)と結節伸度(%)の積が30以下、沸水収縮率が
    3.4〜5%なる条件を満足する乾式紡糸法により得ら
    れることを特徴とする抗ピリング性アクリル系繊維。
  2. 【請求項2】 中性単量体がアクリル酸メチルである請
    求項1記載のアクリル系繊維。
  3. 【請求項3】 95重量%以上のアクリロニトリル単
    位、4重量%以下の中性単量体及び0.3〜5重量%以
    上の強酸基含有単量体よりなるアクリロニトリル系重合
    体の紡糸原液を乾式紡糸し、該繊維を70℃の温水〜熱
    水中で1.2〜5倍の範囲で一次延伸し、ついで乾燥及
    び緩和熱処理を施して10〜50%の収縮を与え、さら
    に温度160〜200℃で1.2〜2.5倍で且つ一次
    延伸倍率との積が3〜8の範囲で二次延伸した後、該延
    伸温度以上の温度で定長熱処理することを特徴とする請
    求項1記載の抗ピリング性アクリル系繊維の製造方法。
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CN106661771B (zh) * 2014-08-27 2020-05-19 三菱化学株式会社 光泽抗起球性丙烯腈系纤维及其制造方法以及包含该丙烯腈系纤维的纱线及针织物

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