JPH10259228A - 水性被覆組成物およびそれから得られる被膜 - Google Patents

水性被覆組成物およびそれから得られる被膜

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JPH10259228A
JPH10259228A JP6470397A JP6470397A JPH10259228A JP H10259228 A JPH10259228 A JP H10259228A JP 6470397 A JP6470397 A JP 6470397A JP 6470397 A JP6470397 A JP 6470397A JP H10259228 A JPH10259228 A JP H10259228A
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weight
coating composition
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phenoxy resin
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JP6470397A
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Hiroshi Miwa
宏 三輪
Takashi Nakada
崇 仲田
Shuichi Muroi
修一 室井
Tamio Iimure
民雄 飯牟礼
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性に優れかつ加工性およびレトルト
性に優れた被膜を形成することができ、従って特に食品
や飲料品の缶の内面やフタ部等のいわゆるエンド材に好
適に適用することができる水性被覆組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 数平均分子量10,000〜50,00
0のビスフェノール型フェノキシ樹脂(A)に不飽和カ
ルボン酸単量体とラジカル重合性不飽和単量体との単量
体混合物(B)を重合してなるカルボン酸変性フェノキ
シ樹脂(C)を、塩基性物質の存在下に水性媒体中に分
散させてなる、平均粒子径が500nm以下である水性
被覆組成物、および該組成物から得られる被膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性、耐蝕性の
ほか、耐水性にも優れた水性被覆組成物、および該組成
物から造られる被膜に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板;亜鉛、錫等でメッキされた鋼板;
アルミニウム等からなる金属部品を、防錆等の目的で被
覆するために使用される被覆組成物は、大気汚染、火災
からの安全性等の面から水性化が進んでいる。
【0003】一方、通常ヒトが食用に供する肉、野菜、
果実等は、近年、保存性が良く、調理が簡便な食品が好
まれるようになり、また手軽に飲用できる飲料嗜好品等
が普及するにつれ、これらを缶製品として提供すること
が汎用されるようになってきた。そこで現在、食料品や
飲料を内包する缶と缶の内面を被覆する被膜の研究が進
んでいる。
【0004】缶内面の被膜を形成する被覆組成物には、
ピンホール等の被膜欠陥のない平滑な被膜を得るために
優れた塗装性が要求され、更に長時間の保存に耐えるた
めの分散安定性も重要である。また、得られる被膜は、
付着性、耐蝕性、耐水性、耐レトルト性等の基本性能の
ほか、製造から使用までの間に食品等の外観を阻害せ
ず、食品の食感や匂いに影響を与えることが少ない性質
(耐フレーバー性)をもつことも重要とされる。
【0005】特開平6−179851号公報には、エポ
キシ樹脂、フェノキシ樹脂およびカルボキシル基含有ア
クリル重合体の反応生成物と水性アミノプラストを用い
た水性塗料組成物が、特開平7−207221号公報に
は、カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性エ
ポキシ樹脂を含む水性樹脂組成物を、特開平8−208
802号公報には、エポキシ基含有樹脂にカルボキシル
基含有不飽和モノマーをグラフト重合したグラフト重合
体の水分散体の存在下に重合性不飽和モノマーをシード
重合して得た樹脂を含む水性樹脂組成物が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなアクリル樹
脂で変性したエポキシ樹脂の水分散体はレトルト性に優
れるが、分子量が小さいものは被膜の加工性が充分では
ない。加工性を向上させるためには被膜の可とう性が期
待できるような分子量の大きなフェノキシ樹脂を水分散
させたものがよいが、このように分子量が大きなフェノ
キシ樹脂の分散体は樹脂の粒子径が大きく、従って貯蔵
安定性、レトルト性が不十分であった。
【0007】本発明は、得られる被膜の加工性およびレ
トルト性に優れるとともに、組成物自身の貯蔵性にも優
れ、特に食品や飲料品の缶の内面に好適に用いられる被
膜を提供しうる水性被覆組成物および上記したような被
膜を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究した結果、分子量の大きいある
特定のフェノキシ樹脂を小さな粒子径の粒子として水性
媒体に分散させた分散体は、優れた貯蔵性をもち、かつ
これから得られる被膜は優れた加工性およびレトルト性
をもつことを発見し、本発明を完成した。
【0009】即ち本発明は、(1)数平均分子量10,
000〜50,000のビスフェノール型フェノキシ樹
脂(A)に不飽和カルボン酸単量体とラジカル重合性不
飽和単量体との単量体混合物(B)を重合してなるカル
ボン酸変性フェノキシ樹脂(C)を、塩基性物質の存在
下に水性媒体中に分散させてなる、平均粒子径が500
nm以下である水性被覆組成物、(2)ビスフェノール
型フェノキシ樹脂(A)が、エポキシ当量7,500〜
75,000である上記(1)記載の水性被覆組成物、
(3)ビスフェノール型フェノキシ樹脂(A)と単量体
混合物(B)との重量比〔(A)/(B)〕が90/1
0〜95/5で、単量体混合物(B)の酸価が480〜
600である上記(1)記載の水性被覆組成物、(4)
ビスフェノール型フェノキシ樹脂(A)と単量体混合物
(B)との重量比〔(A)/(B)〕が75/25〜9
0/10で、単量体混合物(B)の酸価が260〜48
0である上記(1)記載の水性被覆組成物、(5)さら
にフェノール系樹脂および/またはアミノ樹脂(D)を
含む上記(1)記載の水性被覆組成物、(6)フェノー
ル系樹脂および/またはアミノ樹脂(D)がカルボン酸
変性フェノキシ樹脂(C)に縮合している上記(5)記
載の水性被覆組成物、(7)さらに希釈剤として炭素数
2〜4のジオールを含む上記(1)記載の水性被覆組成
物、(8)ジオールが炭素数4のジオールである上記
(7)記載の水性被覆組成物、(9)缶エンド材の内面
塗布用である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の水
性被覆組成物、および(10)上記(1)〜(9)のい
ずれかに記載の水性被覆組成物を被塗物に塗布して形成
されることを特徴とする被膜に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳述する。フェノ
キシ樹脂(A)の数平均分子量は10,000〜50,
000である。好ましい範囲は10,000〜30,0
00、さらに好ましくは12,000〜20,000で
ある。フェノキシ樹脂(A)の数平均分子量が10,0
00未満であると加工性が低下する。また50,000
を越えると平均粒子径が大きくなり、貯蔵安定性が低下
する。
【0011】また、フェノキシ樹脂(A)のエポキシ当
量(平均分子量を1分子当たりのエポキシ基の数で除し
た値:g/eqiv.)は、好ましくは7,500〜7
5,000、さらに好ましくは15,000〜50,0
00、最も好ましくは20,000〜40,000であ
る。エポキシ当量が7,500〜75,000であれ
ば、満足のいく加工性およびレトルト性が得られる。
【0012】本発明で使用されるビスフェノール型フェ
ノキシ樹脂(A)として、例えば、ビスフェノールA
(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパ
ン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルメタン)、これらのハロゲン置換体にエピクロロ
ヒドリンやβ−メチルエピハロヒドリン等を縮合させた
縮合体等が挙げられる。このようなフェノキシ樹脂
(A)としては、市販されているものも用いることがで
きる。例えば、エピコート1255−HX−30(油化
シェルエポキシ社製)、PKHH、PKHJ、PKHC
(フェノキシアソシエート社製)、フェノトートYP−
50S、フェノトートYP−50、ZX−1356、Z
X−1395、ZX−1449−2、ZX−1449−
4(東都化成社製)等が挙げられる。これらは単独でも
2種以上併用してもよい。
【0013】単量体混合物(B)の必須成分である不飽
和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のモノカルボン
酸またはジカルボン酸、マレイン酸エチル、マレイン酸
ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチル等のジカ
ルボン酸のモノエステルが挙げられる。なかでもアクリ
ル酸およびメタクリル酸が好ましい。
【0014】また、ラジカル重合性不飽和単量体とし
て、ビニル系単量体が特に制限なく使用できる。例え
ば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル等のα,β−エチレン性不飽和脂肪
族カルボン酸のアルキルエステル単量体;アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルとε−カプロ
ラクトンとの反応物等のヒドロキシル基を有するα,β
−エチレン性不飽和脂肪族カルボン酸のアルキルエステ
ル単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、メトキシブチルアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド単量体;アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のα,β
−エチレン性不飽和脂肪族カルボン酸のグリシジルエス
テル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和
脂肪族カルボン酸のビニルエステル単量体;スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単
量体等が挙げられる。
【0015】単量体混合物(B)の酸価は260〜60
0の範囲が好ましいが、ビスフェノール型フェノキシ樹
脂(A)との重量比によって変わる。すなわち、フェノ
キシ樹脂(A)と単量体混合物(B)との重量比
〔(A)/(B)〕が90/10〜95/5の場合は、
単量体混合物(B)の酸価は480〜600の範囲が好
ましい。また(A)/(B)(重量比)が75/25〜
90/10の場合は、単量体混合物(B)の酸価は26
0〜480の範囲が好ましい。この範囲を満足すれば、
得られる水性被覆組成物の水分散性および貯蔵安定性が
向上する。
【0016】カルボン酸変性フェノキシ樹脂(C)は、
例えば、ビスフェノール型フェノキシ樹脂(A)を有機
溶剤に溶解した溶液に、不飽和カルボン酸単量体とラジ
カル重合性不飽和単量体との単量体混合物(B)を添加
し、これを重合開始剤の存在下で温度40〜150℃、
1〜8時間反応させて得ることができる。
【0017】フェノキシ樹脂(A)と単量体混合物
(B)との重量比〔(A)/(B)〕は75/25〜9
5/5が好ましい。(A)/(B)がこの範囲である
と、満足のいく加工性、耐蝕性、分散安定性および貯蔵
安定性が得られる。
【0018】重合に使用される有機溶剤としては特に限
定されず、ブタノール、イソプロパノール、エトキシエ
タノール、エトキシプロパノール、メトキシプロパノー
ル、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブ
チル、エチレングリコール、1,2−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール等のアルコール類、酢酸ブチ
ル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等
の炭化水素類、ジブチルエーテル、エチレングリコール
ジエチル等のエーテル類、メチルエチルケトン、イソブ
チルメチルケトン等のケトン類、N−メチルピロリドン
等のアミド類等が挙げられる。
【0019】重合開始剤も特に限定されず、過酸化ベン
ゾイル、ジt−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーベ
ンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸、
アゾビスイソブチロニトリル等の有機アゾ化合物等が使
用できる。重合開始剤の量は、単量体混合物(B)10
0重量部に対し1〜15重量部が好ましい。
【0020】カルボン酸変性フェノキシ樹脂(C)を含
む水性被覆組成物には、さらにフェノール系樹脂および
/またはアミノ樹脂(D)が含まれていてもよい。
【0021】フェノール系樹脂およびアミノ樹脂(D)
の数平均分子量は、それぞれ100〜5,000が好ま
しい。数平均分子量がこの範囲内であると、耐レトルト
性および分散性が向上する。
【0022】フェノール系樹脂(D)として、例えば、
レゾール型フェノール樹脂(フェノール、炭素数1〜1
2のアルキル基で置換されているフェノール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF等とホルムアルデヒドとを
アルカリ触媒で反応させて得られる反応生成物)、ノボ
ラック型フェノール樹脂(フェノール、炭素数1〜12
のアルキル基で置換されているフェノール、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF等とホルムアルデヒドとを酸
触媒で反応させて得られる反応生成物)等が挙げられ
る。このようなフェノール系樹脂(D)として、市販さ
れているものも用いることができる。例えば、ショウノ
ールBKM−2620、CKM−908、CKS−39
4、CKS−380、ARL−080(昭和高分子社
製)等が挙げられる。
【0023】アミノ樹脂(D)としては、例えば、ジメ
チロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメ
チロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサ
メチロールメラミン、ジメチロールベンゾグアナミン、
トリメチロールベンゾグアナミン、テトラメチロールベ
ンゾグアナミン、これらのアルキルエーテル化物、尿素
−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−メラミン共縮合物等
が挙げられる。さらに市販されているものとして、例え
ば、サイメル303、サイメル235、サイメル25
4、サイメル325、サイメル1128、サイメル11
56(アメリカンサイアナミド社製)、マイコート10
2、マイコート105、マイコート506(アメリカン
サイアナミド社製)、ユーバン20N、ユーバン20S
B、ユーバン128(三井東圧化学社製)、スミマール
M−50W、スミマールM−30W(住友化学工業社
製)等が挙げられる。
【0024】樹脂(D)の量は、〔樹脂(D)/カルボ
ン酸変性フェノキシ樹脂(C)〕×100が15重量%
未満が好ましく、0.5〜10重量%がさらに好まし
い。
【0025】フェノール系樹脂および/またはアミノ樹
脂(D)は、カルボン酸変性フェノキシ樹脂(C)に縮
合していてもよい。そのような縮合物は、例えば、カル
ボン酸変性フェノキシ樹脂(C)にフェノール系樹脂お
よび/またはアミノ樹脂(D)を均一に混合し、これを
80〜200℃、好ましくは100〜150℃で30分
〜5時間、好ましくは1〜5時間反応させることによっ
て得られる。
【0026】フェノール系樹脂および/またはアミノ樹
脂(D)の水性被覆組成物への添加(縮合)は、カルボ
ン酸変性フェノキシ樹脂(C)を後述する水性化(水分
散)する前でも後でも行うことができる。
【0027】本発明の水性被覆組成物は、単量体混合物
(B)が有するカルボキシル基の30〜125モル%、
好ましくは50〜100モル%を中和するのに必要な塩
基性物質の存在下で水媒体中に分散することによって得
られる。分散は塩基性物質を使用して行われる。
【0028】使用される塩基性物質として、炭素数6以
下の脂肪族アミン化合物が好ましい。具体的には、アン
モニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、
トリブチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、
ジメチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、
モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン等の第
1級アミン、第2級アミン、第3級アミン等のアミン化
合物が挙げられ、特にジメチルエタノールアミン等のよ
うな水酸基を有するアミン化合物が好ましい。
【0029】水性媒体への分散の方法は特に限定され
ず、例えば上記カルボン酸変性フェノキシ樹脂(C)に
適当量の塩基性物質を溶解した水媒体を序々に加える方
法、適当量の塩基性物質を溶解した水媒体中に上記カル
ボン酸変性フェノキシ樹脂(C)を序々に加える方法、
カルボン酸変性フェノキシ樹脂(C)中に適当量の塩基
性物質を混合後水媒体を序々に加える方法等がある。分
散は、通常に使用される攪拌機により行うことができ
る。分散時の温度は特に限定されないが、好ましくは4
0〜100℃、より好ましくは60〜90℃である。
【0030】水性被覆組成物には炭素数2〜4のジオー
ルが希釈剤として加えられてもよい。希釈剤の具体例と
しては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール等が挙
げられる。なかでも、ワキの発生が少ない作業性の点
で、ブタンジオールが好ましい。希釈剤の添加時は特に
限定されず、水性被覆組成物に加えてもよく、水分散さ
れる前の得られた樹脂に加えてもよく、また水媒体に加
えてもよい。添加量も特に限定されないが、水性被覆組
成物の有機溶剤含有量が20重量%以下になるように加
えるのが好ましい。
【0031】また水性被覆組成物は、カルボン酸変性フ
ェノキシ樹脂(C)を水性媒体に分散した後、組成物中
の有機溶剤を除去するために、減圧、常圧で脱溶剤させ
てもよい。得られる水性被覆組成物の最終有機溶剤含量
は20重量%以下が好ましい。
【0032】このようにして得られる本発明の水性被覆
組成物の平均粒子径は、500nm以下、好ましくは1
00〜500nmである。500nmを超えると組成物
の貯蔵安定性が低下する。
【0033】また、水性被覆組成物の酸価は、25〜1
00が好ましく、さらに好ましくは30〜65である。
酸価が25〜100であると、特に優れた分散性、貯蔵
安定性およびレトルト性が得られる。
【0034】水性被覆組成物中の固形分含量は特に限定
されないが、好ましくは25〜40重量%、さらに好ま
しくは28〜35重量%である。
【0035】本発明の水性被覆組成物には、必要に応じ
て、塩酸、リン酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸
等の有機酸等の触媒を添加してもよい。該触媒の添加量
は、水性被覆組成物の固形分100重量部に対して1重
量部以下が好ましい。
【0036】さらに本発明の水性被覆組成物には、目的
に応じて、顔料、防錆剤、その他の水溶性樹脂、添加剤
等を配合し、防錆プライマー、防錆塗料、水性印刷イン
キ等としても使用することができる。
【0037】本発明の水性被覆組成物は、被塗物に塗布
して被膜を形成することができる。適用する被塗物は特
に限定されず、例えば、アルミニウム板;鋼板;亜鉛、
クロム、錫、ニッケル、アルミニウム等の単独または複
数金属をメッキしたメッキ鋼板;鋼板の表面をクロム
酸、リン酸、リン酸亜鉛等で化学処理または電気処理し
た処理鋼板;紙、木材等を挙げることができる。
【0038】本発明の水性被覆組成物の被塗物への塗装
方法は特に限定されず、例えば、スプレー塗装、ロール
コーター塗装、電着塗装、浸漬塗装、刷毛塗り等の公知
の方法を挙げることができる。
【0039】被膜の硬化条件としては、常温乾燥も可能
であるが、80〜350℃の温度範囲で10秒〜30分
の強制乾燥が好ましい。被膜の膜厚は5〜30μmが好
ましい。このようにして本発明の水性被覆組成物を被塗
物に塗布して形成された被膜もまた、本発明のひとつで
ある。
【0040】本発明の水性被覆組成物を缶の内面を被覆
するために用いる場合、通常、ロールコーターで塗布す
るのが好ましい。食品用、飲料用等の缶には、通常、フ
タ部と円筒型周囲部と、底部とからなる3ピース缶、フ
タ部とその他の部分とからなる2ピース缶等があるが、
本発明の水性被覆組成物を適用する場合、フタ部および
3ピース缶の円筒型周囲部は、ロールコーターで塗布す
ることができる。2ピース缶の円筒型周囲部、底部等を
塗装する場合には、スプレー塗装が好ましい。
【0041】本発明の水性被覆組成物は、特に缶のフタ
部等のいわゆるエンド材に好適に適用することができ
る。しかし、缶内面用のみに適用されるものではなく、
例えば、建材、家電製品、自動車部品等にも適用するこ
とができる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0043】実施例1 反応容器にエピコートEP−1256(油化シェルエポ
キシ社製)225重量部、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル77重量部およびメトキシプロパノール3
05重量部を仕込み、徐々に攪拌しながら昇温し、11
0℃、2時間でフェノキシ樹脂を溶解した。メタクリル
酸21重量部、スチレン12重量部、エチルアクリレー
ト12重量部、過酸化ベンゾイル4重量部、トルエン1
5重量部よりなるモノマー溶液をフェノキシ樹脂の溶液
中に105〜110℃で3時間攪拌した。さらにショー
ノールCKM−908(昭和高分子社製、レゾール型フ
ェノール樹脂)9重量部を上記反応溶液に加え、120
℃で3時間反応させ、フェノール樹脂を予備縮合させ
た。反応溶液を70℃に冷却し、ジメチルエタノールア
ミン22重量部、脱イオン水2358重量部からなる水
溶液を70℃、2時間で反応溶液に攪拌しながら滴下し
分散を行った。その後、減圧にて溶剤と水を除去し、不
揮発分35%、平均粒子径350nmの水性被覆組成物
を得た。カルボン酸変性フェノキシ樹脂の原料および使
用量、得られた組成物の平均粒子径、反応に使用した溶
剤を表1に示す。表1中、MAAはメタクリル酸、ST
はスチレン、EAはエチルアクリレート、BDGはジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、MPはメトキシ
プロパノール、BDは1,2−ブタンジオールを示す。
得られた水性被覆組成物を1,2−ブタンジオール(組
成物中の固形分100重量部に対し10重量部使用)で
希釈し、厚さ0.3mmのアルミニウム板に乾燥膜厚1
2μmとなるようにバーコーターで塗装し、250℃で
30秒焼き付け、ここから縦5cm、横10cmの試験
片を切り取った。水性被覆組成物の貯蔵安定性、焼き付
け膜の耐レトルト性、加工性、耐蝕性を下記の試験法に
より評価した。結果を表2に示す。
【0044】水性被覆組成物の貯蔵安定性 10倍量の脱イオン水で希釈し、40℃で10日、20
日、30日放置後の沈降の有無をみた。 ◎:30日後沈降なし ○:20日後沈降なし、30日後沈降あり △:10日後沈降なし、20日後沈降あり ×:10日後沈降あり
【0045】耐レトルト性 オートクレーブにイオン交換水を入れ、試験片を125
℃で30分間浸漬して、被膜の白化の程度を目視で判定
した。 ◎:白化なし ○:わずかに白化あり △:若干の白化あり ×:かなりの白化あり
【0046】加工性 図1に示すように、試験片1の被膜3を外側にして、試
験片1と同じ厚さ(0.3mm)のアルミニウム板2を
中に1枚はさむようにして試験片1を折り曲げ、バイア
スで締め、50倍のルーペで加工部4のワレの程度を判
定した。 ◎:ワレなし ○:わずかにワレあり △:若干のワレあり ×:かなりのワレあり
【0047】耐蝕性 裏面をポリエステルテープでシールした試験片を沸騰し
た3%食塩水に浸漬して、塗面の腐食の程度を判定し
た。 ◎:腐食なし ○:わずかに腐食あり △:若干の腐食あり ×:かなりの腐食あり
【0048】平均粒子径 大塚電子社製のレーザー光散乱、ELS−800を使用
した。
【0049】実施例2 反応容器にフェノトートYP−50S(東都化成社製、
フェノキシ樹脂)270重量部、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル77重量部およびメトキシプロパノ
ール305重量部を仕込み、攪拌しながら序々に昇温
し、110℃、2時間でフェノキシ樹脂を溶解した。メ
タクリル酸22.2重量部、スチレン4.8重量部、エ
チルアクリレート3重量部、過酸化ベンゾイル4重量部
およびトルエン15重量部よりなるモノマー溶液をフェ
ノキシ樹脂の溶液中に105〜110℃、2時間で滴下
し、さらに105〜110℃で3時間攪拌を継続した。
さらにショーノールCKS−394(昭和高分子社製、
レゾール型フェノール樹脂)18重量部を反応混合物に
加え、120℃、3時間反応させ、フェノール樹脂を予
備縮合させた。反応溶液を70℃に冷却し、ジメチルエ
タノールアミン22重量部、脱イオン水2348重量部
からなる水溶液を70℃、2時間で反応溶液に攪拌しな
がら滴下し分散を行った。その後、減圧にて溶剤と水と
を除去し、不揮発分35%、平均粒子径212nmの水
性被覆組成物を得た。カルボン酸変性フェノキシ樹脂の
原料および使用量、得られた組成物の平均粒子径、反応
に使用した溶剤を表1に示す。得られた水性被覆組成物
から実施例1と同様にして被膜を得た。実施例1と同様
にして、得られた水性被覆組成物の安定性、焼き付け膜
の耐レトルト性、加工性、耐蝕性を評価した。結果を表
2に示す。
【0050】実施例3 反応容器にZX−1449−4(東都化成社製、フェノ
キシ樹脂)282重量部、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル77重量部およびメトキシプロパノール3
05重量部を仕込み、攪拌しながら序々に昇温し、11
0℃、2時間でフェノキシ樹脂を溶解した。メタクリル
酸15重量部、スチレン1.5重量部、エチルアクリレ
ート1.5重量部、過酸化ベンゾイル2重量部およびト
ルエン15重量部よりなるモノマー溶液をフェノキシ樹
脂の溶液中に105〜110℃、2時間で滴下し、さら
に105〜110℃で3時間攪拌を継続した。反応溶液
を70℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン16重量
部、脱イオン水2364重量部からなる水溶液を70
℃、2時間で反応溶液に攪拌しながら滴下し分散を行っ
た。その後、減圧にて溶剤と水とを除去し、不揮発分3
5%、平均粒子径280nmの水性被覆組成物を得た。
カルボン酸変性フェノキシ樹脂の原料および使用量、得
られた組成物の平均粒子径、反応に使用した溶剤を表1
に示す。得られた水性被覆組成物から実施例1と同様に
して被膜を得た。実施例1と同様にして、得られた水性
被覆組成物の安定性、焼き付け膜の耐レトルト性、加工
性、耐蝕性を評価した。結果を表2に示す。
【0051】実施例4 反応容器にフェノトートYP−50S(東都化成社製、
フェノキシ樹脂)135重量部、ZX−1449−4
(東都化成社製、フェノキシ樹脂)135重量部、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル38.5重量部、
メトキシプロパノール305重量部および1,2−ブタ
ンジオール38.5重量部を仕込み、攪拌しながら序々
に昇温し、110℃、2時間でフェノキシ樹脂を溶解し
た。メタクリル酸24重量部、スチレン3重量部、エチ
ルアクリレート3重量部、過酸化ベンゾイル3重量部お
よびトルエン15重量部よりなるモノマー溶液をフェノ
キシ樹脂の溶液中に105〜110℃、2時間で滴下
し、さらに105〜110℃で3時間攪拌を継続した。
さらにショーノールCKS−394(昭和高分子社製、
レゾール型フェノール樹脂)18重量部を反応混合物に
加え、120℃、3時間反応させ、フェノール樹脂を予
備縮合させた。反応溶液を70℃に冷却し、ジメチルエ
タノールアミン25重量部、脱イオン水2355重量部
からなる水溶液を70℃、2時間で反応溶液に攪拌しな
がら滴下し分散を行った。その後、減圧にて溶剤と水と
を除去し、不揮発分35%、平均粒子径203nmの水
性被覆組成物を得た。カルボン酸変性フェノキシ樹脂の
原料および使用量、得られた組成物の平均粒子径、反応
に使用した溶剤を表1に示す。得られた水性被覆組成物
から実施例1と同様にして被膜を得た。実施例1と同様
にして、得られた水性被覆組成物の安定性、焼き付け膜
の耐レトルト性、加工性、耐蝕性を評価した。結果を表
2に示す。
【0052】実施例5 反応容器にPKHJ(登録商標)(フェノキシアソシエ
ート社製、フェノキシ樹脂)270重量部、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル77重量部およびメトキ
シプロパノール305重量部を仕込み、攪拌しながら序
々に昇温し、110℃、2時間でフェノキシ樹脂を溶解
した。メタクリル酸18重量部、スチレン6重量部、エ
チルアクリレート6重量部、過酸化ベンゾイル4重量部
およびトルエン15重量部よりなるモノマー溶液をフェ
ノキシ樹脂の溶液中に105〜110℃、2時間で滴下
し、さらに105〜110℃で3時間攪拌を継続した。
さらにショーノールARL−080(昭和高分子社製、
レゾール型フェノール樹脂)17重量部を反応混合物に
加え、120℃、3時間反応させ、フェノール樹脂を予
備縮合させた。反応溶液を70℃に冷却し、ジメチルエ
タノールアミン13重量部、脱イオン水2367重量部
からなる水溶液を70℃、2時間で反応溶液に攪拌しな
がら滴下し分散を行った。その後、減圧にて溶剤と水と
を除去し、不揮発分35%、平均粒子径405nmの水
性被覆組成物を得た。得られた水性被覆組成物から実施
例1と同様にして被膜を得た。カルボン酸変性フェノキ
シ樹脂の原料および使用量、得られた組成物の平均粒子
径、反応に使用した溶剤を表1に示す。実施例1と同様
にして、得られた水性被覆組成物の安定性、焼き付け膜
の耐レトルト性、加工性、耐蝕性を評価した。結果を表
2に示す。
【0053】実施例6 反応容器にフェノトートYP−50S(東都化成社製、
フェノキシ樹脂)144重量部、ZX−1449−4
(東都化成社製、フェノキシ樹脂)96重量部、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル77重量部およびメ
トキシプロパノール305重量部を仕込み、攪拌しなが
ら序々に昇温し、110℃、2時間でフェノキシ樹脂を
溶解した。メタクリル酸24重量部、スチレン18重量
部、エチルアクリレート18重量部、過酸化ベンゾイル
6重量部およびトルエン15重量部よりなるモノマー溶
液をフェノキシ樹脂の溶液中に105〜110℃、2時
間で滴下し、さらに105〜110℃で3時間攪拌を継
続した。さらにショーノールCKS−394(昭和高分
子社製、レゾール型フェノール樹脂)18重量部を反応
混合物に加え、120℃、3時間反応させ、フェノール
樹脂を予備縮合させた。反応溶液を70℃に冷却し、ジ
メチルエタノールアミン20重量部、脱イオン水236
0重量部からなる水溶液を70℃、2時間で反応溶液に
攪拌しながら滴下し分散を行った。その後、減圧にて溶
剤と水とを除去し、不揮発分35%、平均粒子径183
nmの水性被覆組成物を得た。カルボン酸変性フェノキ
シ樹脂の原料および使用量、得られた組成物の平均粒子
径、反応に使用した溶剤を表1に示す。得られた水性被
覆組成物から実施例1と同様にして被膜を得た。実施例
1と同様にして、得られた水性被覆組成物の安定性、焼
き付け膜の耐レトルト性、加工性、耐蝕性を評価した。
結果を表2に示す。
【0054】実施例7 反応容器にフェノトートYP−50S(東都化成社製、
フェノキシ樹脂)270重量部、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル38.5重量部、メトキシプロパノ
ール305重量部および1,2−ブタンジオール38.
5重量部を仕込み、攪拌しながら序々に昇温し、110
℃、2時間でフェノキシ樹脂を溶解した。メタクリル酸
24重量部、スチレン3重量部、エチルアクリレート3
重量部、過酸化ベンゾイル3重量部およびトルエン15
重量部よりなるモノマー溶液をフェノキシ樹脂の溶液中
に105〜110℃、2時間で滴下し、さらに105〜
110℃で3時間攪拌を継続した。さらにショーノール
CKS−394(昭和高分子社製、レゾール型フェノー
ル樹脂)18重量部を反応混合物に加え、120℃、3
時間反応させ、フェノール樹脂を予備縮合させた。反応
溶液を70℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン25
重量部、脱イオン水2355重量部からなる水溶液を7
0℃、2時間で反応溶液に攪拌しながら滴下し分散を行
った。その後、減圧にて溶剤と水とを除去し、不揮発分
35%、平均粒子径176nmの水性被覆組成物を得
た。カルボン酸変性フェノキシ樹脂の原料および使用
量、得られた組成物の平均粒子径、反応に使用した溶剤
を表1に示す。得られた水性被覆組成物から実施例1と
同様にして被膜を得た。実施例1と同様にして、得られ
た水性被覆組成物の安定性、焼き付け膜の耐レトルト
性、加工性、耐蝕性を評価した。結果を表2に示す。
【0055】実施例8 反応容器にZX−1449−4(東都化成社製、フェノ
キシ樹脂)270重量部、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル38.5重量部、メトキシプロパノール3
05重量部および1,2−ブタンジオール38.5重量
部を仕込み、攪拌しながら序々に昇温し、110℃、2
時間でフェノキシ樹脂を溶解した。メタクリル酸21重
量部、スチレン6重量部、エチルアクリレート3重量
部、過酸化ベンゾイル3重量部およびトルエン15重量
部よりなるモノマー溶液をフェノキシ樹脂の溶液中に1
05〜110℃、2時間で滴下し、さらに105〜11
0℃で3時間攪拌を継続した。さらにショーノールCK
S−394(昭和高分子社製、レゾール型フェノール樹
脂)6重量部を反応混合物に加え、120℃、3時間反
応させ、フェノール樹脂を予備縮合させた。反応溶液を
70℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン22重量
部、脱イオン水2358重量部からなる水溶液を70
℃、2時間で反応溶液に攪拌しながら滴下し分散を行っ
た。その後、減圧にて溶剤と水とを除去し、不揮発分3
5%、平均粒子径213nmの水性被覆組成物を得た。
カルボン酸変性フェノキシ樹脂の原料および使用量、得
られた組成物の平均粒子径、反応に使用した溶剤を表1
に示す。得られた水性被覆組成物から実施例1と同様に
して被膜を得た。実施例1と同様にして、得られた水性
被覆組成物の安定性、焼き付け膜の耐レトルト性、加工
性、耐蝕性を評価した。結果を表2に示す。
【0056】実施例9 反応容器にZX−1449−4(東都化成社製、フェノ
キシ樹脂)270重量部、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル38.5重量部、メトキシプロパノール3
05重量部および1,2−ブタンジオール38.5重量
部を仕込み、攪拌しながら序々に昇温し、110℃、2
時間でフェノキシ樹脂を溶解した。メタクリル酸21重
量部、スチレン6重量部、エチルアクリレート3重量
部、過酸化ベンゾイル3重量部およびトルエン15重量
部よりなるモノマー溶液をフェノキシ樹脂の溶液中に1
05〜110℃、2時間で滴下し、さらに105〜11
0℃で3時間攪拌を継続した。さらにサイメル235
(アメリカンサイアナミド社製、メラミン樹脂)8重量
部を反応混合物に加え、80℃、2時間反応させ、アミ
ノ樹脂を予備縮合させた。反応溶液を70℃に冷却し、
ジメチルエタノールアミン22重量部、脱イオン水23
58重量部からなる水溶液を70℃、2時間で反応溶液
に攪拌しながら滴下し分散を行った。その後、減圧にて
溶剤と水とを除去し、不揮発分35%、平均粒子径27
5nmの水性被覆組成物を得た。カルボン酸変性フェノ
キシ樹脂の原料および使用量、得られた組成物の平均粒
子径、反応に使用した溶剤を表1に示す。得られた水性
被覆組成物から実施例1と同様にして被膜を得た。実施
例1と同様にして、得られた水性被覆組成物の安定性、
焼き付け膜の耐レトルト性、加工性、耐蝕性を評価し
た。結果を表2に示す。
【0057】比較例1 実施例2で使用したフェノキシ樹脂フェノトートYP−
50Sに代えて、エポキシ樹脂エピコートEP−101
0(由化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂、数平均分
子量:9000)を使用したことを除き、実施例2と同
様の手順で不揮発分35%、平均粒子径387nmの水
性被覆組成物を得た。カルボン酸変性フェノキシ樹脂の
原料および使用量、得られた組成物の平均粒子径、反応
に使用した溶剤を表1に示す。得られた水性被覆組成物
から実施例1と同様にして被膜を得た。実施例1と同様
にして、得られた水性被覆組成物の安定性、焼き付け膜
の耐レトルト性、加工性、耐蝕性を評価した。結果を表
2に示す。
【0058】比較例2 実施例4で使用したZX−1449−4(東都化成社
製、フェノキシ樹脂)に代えてエポキシ樹脂YD020
H(東都化成社製、フェノキシ樹脂、数平均分子量:8
000)を使用したことを除き、実施例4と同様の手順
で不揮発分35%、平均粒子径220nmの水性被覆組
成物を得た。カルボン酸変性フェノキシ樹脂の原料およ
び使用量、得られた組成物の平均粒子径、反応に使用し
た溶剤を表1に示す。得られた水性被覆組成物から実施
例1と同様にして被膜を得た。実施例1と同様にして、
得られた水性被覆組成物の安定性、焼き付け膜の耐レト
ルト性、加工性、耐蝕性を評価した。結果を表2に示
す。
【0059】比較例3 実施例2で使用したアクリルモノマーをメタクリル酸9
重量部、スチレン9重量部、エチルアクリレート12重
量部に代えたことを除き、実施例2と同様の手順で不揮
発分35%、平均粒子径897nmの水性被覆組成物を
得た。カルボン酸変性フェノキシ樹脂の原料および使用
量、得られた組成物の平均粒子径、反応に使用した溶剤
を表1に示す。得られた水性被覆組成物から実施例1と
同様にして被膜を得た。実施例1と同様にして、得られ
た水性被覆組成物の安定性、焼き付け膜の耐レトルト
性、加工性、耐蝕性を評価した。結果を表2に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明の水性被覆組成物は、貯蔵安定性
に優れ、得られる被膜は加工性、レトルト性にも優れ
る。従って、特に食品や飲料品の缶の内面やフタ部等の
いわゆるエンド材に好適に適用することができる。さら
に、缶内面用のみならず、プレコート鋼板用塗料や金属
素材の下塗り塗料等として、建材、家電製品、自動車部
品等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被膜の加工性の試験法を説明する図である。
【符号の説明】
1 試験片 2 アルミニウム板 3 被膜 4 加工部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯牟礼 民雄 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量10,000〜50,00
    0のビスフェノール型フェノキシ樹脂(A)に不飽和カ
    ルボン酸単量体とラジカル重合性不飽和単量体との単量
    体混合物(B)を重合してなるカルボン酸変性フェノキ
    シ樹脂(C)を、塩基性物質の存在下に水性媒体中に分
    散させてなる、平均粒子径が500nm以下である水性
    被覆組成物。
  2. 【請求項2】 ビスフェノール型フェノキシ樹脂(A)
    がエポキシ当量7,500〜75,000である請求項
    1記載の水性被覆組成物。
  3. 【請求項3】 ビスフェノール型フェノキシ樹脂(A)
    と単量体混合物(B)との重量比〔(A)/(B)〕が
    90/10〜95/5で、単量体混合物(B)の酸価が
    480〜600である請求項1記載の水性被覆組成物。
  4. 【請求項4】 ビスフェノール型フェノキシ樹脂(A)
    と単量体混合物(B)との重量比〔(A)/(B)〕が
    75/25〜90/10で、単量体混合物(B)の酸価
    が260〜480である請求項1記載の水性被覆組成
    物。
  5. 【請求項5】 さらにフェノール系樹脂および/または
    アミノ樹脂(D)を含む請求項1記載の水性被覆組成
    物。
  6. 【請求項6】 フェノール系樹脂および/またはアミノ
    樹脂(D)がカルボン酸変性フェノキシ樹脂(C)に縮
    合している請求項5記載の水性被覆組成物。
  7. 【請求項7】 さらに希釈剤として炭素数2〜4のジオ
    ールを含む請求項1記載の水性被覆組成物。
  8. 【請求項8】 ジオールが炭素数4のジオールである請
    求項7記載の水性被覆組成物。
  9. 【請求項9】 缶エンド材の内面塗布用である請求項1
    〜8のいずれかに記載の水性被覆組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の水性
    被覆組成物を被塗物に塗布して形成されることを特徴と
    する被膜。
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