JPH10248453A - 両軸受リール - Google Patents

両軸受リール

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JPH10248453A
JPH10248453A JP5662097A JP5662097A JPH10248453A JP H10248453 A JPH10248453 A JP H10248453A JP 5662097 A JP5662097 A JP 5662097A JP 5662097 A JP5662097 A JP 5662097A JP H10248453 A JPH10248453 A JP H10248453A
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spool shaft
shaft
dual
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Shinichi Morimoto
伸一 森本
Hirokazu Hirayama
広和 平山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両軸受リールのスプール軸の回転効率を向上
させる。 【解決手段】 両軸受リールは、リール本体1と、スプ
ール12と、スプール軸16と、ハンドル2と、ギア機
構18と、クラッチ機構と、キャスティングコントロー
ル機構22とを備えている。リール本体は、所定の間隔
をあけて対向するように配置された1対の側板を有して
いる。スプールは、側板間に配置されている。スプール
軸は、スプールを1対の軸受により回転自在に支持し、
かつリール本体に1対の転がり軸受により両端を回転自
在に支持されている。ハンドルは、リール本体に回転自
在に支持され、スプールを回転させるためのである。回
転伝達機構は、ハンドルからの回転力をスプールに伝達
する。クラッチ機構は、回転伝達機構において回転力を
伝達・遮断する。キャスティングコントロール機構は、
スプール軸を軸方向に移動させることでスプールの制動
力を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両軸受リール、特
に、所定の間隔をあけて対向するように配置された1対
の側板を有するリール本体にスプールが配置された両軸
受リールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、両軸受リールは、リール本体
と、リール本体に回転自在に装着されたスプールと、ス
プールを回転させるためのハンドルとを備えている。リ
ール本体は、所定の間隔をあけて対向するように配置さ
れた1対の側板を有している。スプールにはスプール軸
が貫通しており、スプールはスプール軸に固定され、ス
プール軸がリール本体に回転自在に支持されている。ハ
ンドルとスプールとの間には、ハンドルからの回転力を
スプールに伝達するメインギアとピニオンギアとからな
る回転伝達機構と、ピニオンギアとスプール軸との間で
回転力を伝達・遮断するクラッチ機構とが設けられてい
る。
【0003】メインギアは、ハンドルの回転軸に設けら
れている。ピニオンギアは、メインギアに噛み合ってお
り、その中心を側板から外方に延びるスプール軸が貫通
している。ピニオンギアはスプール軸と同芯に配置され
スプール軸に軸方向に移動自在かつ回転自在に支持され
ている。このピニオンギアの一端とスプール軸の周部に
設けられた係合部とでクラッチ機構が構成されており、
ピニオンギアがスプール軸の軸方向に移動して係合部に
係合・離脱することで回転力が伝達・遮断される。
【0004】また、スプールの自由回転時のバックラッ
シュを抑えるためのキャスティングコントロール機構が
スプール軸に設けられている。このキャスティングコン
トロール機構は、スプール軸の一端を他端側に押圧し、
リール本体でスプール軸を挟持することでスプールを制
動するものである。このような構成の両軸受リールにお
いてクラッチが離脱状態にあるスプールの自由回転時に
ピニオンギアが傾いてこぜると、スプール軸に回転抵抗
が生じてスプールの自由回転を阻害することがある。
【0005】この自由回転の阻害を防止するための従来
技術が実公平3−5246号公報に開示されている。こ
の公報に開示された両軸受リールでは、スプールが転が
り軸受によりスプール軸に回転自在に装着されている。
また、スプール軸はその両端が滑り軸受によりリール本
体に回転自在に支持されている。ピニオンギアは、スプ
ール軸に固定されており、スプール軸はピニオンギアと
一体回転する。クラッチ機構は、ピニオンギアに対して
相対回転不能かつ摺動自在な筒体と、スプール端部に配
置され筒体に係合する係合爪とを有し、筒体を軸方向に
移動させることでクラッチ機構を係脱するように構成さ
れている。
【0006】また、キャステングコントロール機構は、
スプールの一端側内周面に固定された接触体と、スプー
ル軸に形成され接触体に接触しているフランジと、接触
体をフランジとで挟持するネジ部材とを有している。こ
のネジ部材は、リール本体に螺合してスプール軸の軸方
向に進退可能である。また、スプール軸は、スプールに
対して軸方向に移動自在である。このキャスティングコ
ントロール機構では、ネジ部材を回転させてスプール軸
に沿って進出させることで接触体をフランジに押圧して
スプールを制動している。また、ネジ部材を緩めて軸方
向に退入させることで接触体の押圧を解除し、スプール
を自由回転させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
スプールがスプール軸に対して回転自在であるので、自
由回転時にピニオンギアがこぜてもスプールの自由回転
を阻害するような抵抗は生じにくい。しかし、スプール
軸がその両端で滑り軸受により支持されているので、回
転効率が低下しやすい。回転効率が低下すると、キャス
ティング時にスプール軸が滑らかに自由回転しにくくな
り、仕掛けの飛距離が減少することがある。
【0008】また、前記従来の構成では、スプール軸が
鉛直面に沿うようにリールを釣り竿の軸回りに傾けてキ
ャスティングを行う等によりスプールに軸方向の力が作
用すると、スプールが軸方向に移動する。スプールが軸
方向に移動すると、スプールに固定された接触体がフラ
ンジやネジ部材に接触したり、接触体のフランジやネジ
部材への圧接力が変動し、スプールに対する制動力が変
動しやすい。とくに、スプール軸の回転効率が低下して
いると、制動力の変動がそのままスプールの回転に影響
を与え、スプールが回転しにくくなる。
【0009】本発明の課題は、両軸受リールのスプール
軸の回転効率を向上させ、かつキャスティングコントロ
ール機構による両軸受リールのスプールの制動力の変動
を抑えることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルは、リール本体と、スプールと、スプール軸と、ハン
ドルと、回転伝達機構と、クラッチ機構と、制動機構と
を備えている。リール本体は、所定の間隔をあけて対向
するように配置された1対の側板を有している。スプー
ルは、側板間に配置されている。スプール軸は、スプー
ルを1対の軸受により回転自在かつ軸方向に相対移動不
能に支持するとともに、リール本体に1対の転がり軸受
により両端を回転自在に支持されている。ハンドルは、
リール本体に回転自在に支持され、スプールを回転させ
るためのである。回転伝達機構は、ハンドルからの回転
力をスプールに伝達する。クラッチ機構は、回転伝達機
構において回転力を伝達・遮断する。制動機構は、スプ
ール軸を軸方向に相対移動させることでスプールの制動
力を調整可能である。
【0011】この両軸受リールでは、巻き上げ時には、
クラッチ機構を伝達状態にしてハンドルを回転させる
と、その回転がスプールに伝達されスプールが回転す
る。また、キャスティング時には、クラッチ機構を遮断
状態にしてスプールを自由回転可能な状態にする。この
状態で釣り竿を振り投げると仕掛けの自重により釣り糸
が繰り出されスプールが糸繰り出し方向に回転する。こ
れらのスプール回転状態では、スプールが軸受により支
持されかつスプール軸が転がり軸受により支持されてい
るので、スプール軸の回転効率が向上する。また、キャ
スティング時等にスプールに軸方向の力が作用しても、
スプールがスプール軸に軸方向に相対移動不能に支持さ
れており、かつスプール軸は移動機構によって移動する
だけであるので、スプールが軸方向に移動することはな
い。このため、軸方向の力がスプールに作用しても制動
力は変動しにくい。
【0012】発明2に係る両軸受リールは、発明1に記
載のリールにおいて、制動機構は、スプールに対して相
対回転不能かつ軸方向移動不能にスプールと一体又は別
体で設けられた制動部材と、スプール軸の一端側外周に
スプール軸と相対移動自在に嵌め込まれ、かつ一端がリ
ール本体に当接可能に設けられ他端が制動部材に当接か
つ離反可能に設けられた筒状部材と、筒状部材とスプー
ル軸とを軸方向に相対移動させる移動機構とを有してい
る。この場合には、移動機構によりスプール軸を筒状部
材に接近する方向に相対移動させるとスプールも一体で
移動し、制動部材が筒状部材に接触してスプールが制動
される。一方、移動機構によりスプール軸を筒状部材か
ら離れる方向に移動させると、筒状部材と制動部材とが
離反し、制動が解除される。このスプールと軸方向に相
対移動不能なスプール軸は、移動機構によってのみ移動
するので、軸方向の力が作用してもスプールが軸方向に
移動しにくい。このため、自由回転時に制動機構による
両軸受リールのスプールの制動力の変動を抑えることが
できる。
【0013】発明3に係る両軸受リールは、発明2に記
載のリールにおいて、1対の軸受は、外輪と、外輪の内
周側に配置された内輪と、内輪と外輪との間に配置され
た複数の転動体とを有し、制動部材は、スプールの内周
側に1対の軸受の一方の外輪の外側に当接するように設
けられ、スプール軸は、一方の軸受の内輪の内側に当接
する環状突起を有する。この場合には、スプール軸が筒
状部材に接近する方向に移動すると、制動部材が筒状部
材と環状突起で係止された軸受の外輪との間で挟持さ
れ、制動力が大きくなる。
【0014】発明4に係る両軸受リールは、発明2又は
3に記載のリールにおいて、移動機構は、スプール軸を
筒状部材に接近する方向に相対移動させる移動部材と、
スプール軸を筒状部材から離反する方向に付勢する付勢
部材とを有する。この場合には、移動部材によりスプー
ル軸を筒状部材に接近する方向に移動させると、スプー
ルも共に移動し、制動部材が筒状部材と接触して制動が
かかる。また、移動部材による移動を解除すると、付勢
部材により両者が離反する方向に移動し、制動部材が筒
状部材から離反し制動が解除される。ここでは、移動部
材によりスプール軸を両方向に簡単に移動させることが
できる。しかも、スプールにスプール軸が筒状部材に接
近する方向の力が作用しても、その力より付勢部材の付
勢力を大きくしておけば、スプールが筒状部材に接近す
る方向に移動することはない。
【0015】発明5に係る両軸受リールは、発明4に記
載のリールおいて、筒状部材は有底筒状の部材であり、
一方の転がり軸受の内周面とスプール軸の一端外周との
間に嵌め込まれ、スプール軸端面と底面との間で空間を
形成し得るように配置されている。また、付勢部材は、
この空間に圧縮状態で配置されている、この場合には、
簡単な構成でスプール軸を両方向に移動させることがで
きる。
【0016】発明6に係る両軸受リールは、発明1から
5のいずれかに記載のリールにおいて、回転伝達機構
は、ハンドルの回転軸に設けられたメインギアと、スプ
ール軸と同芯に配置されメインギアに噛み合うピニオン
ギアとを有し、クラッチ機構は、ピニオンギアをスプー
ルに係脱させる係脱機構を有する。この場合には、クラ
ッチ機構の構成が簡素になる。
【0017】発明7に係る両軸受リールは、発明6に記
載のリールにおいて、ピニオンギアは、軸受によりリー
ル本体に回転自在かつスプール軸の軸方向に移動自在に
支持されている。この場合には、ピニオンギアの回転が
スムーズになり、スプール軸の回転効率がより向上す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態によ
る回転支持機構を採用した両軸受リールの平面図であ
る。図に示す両軸受リールは、ベイトリールであり、リ
ール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプー
ル回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に
配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えてい
る。
【0019】図2に示すように、リール本体1は、フレ
ーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1カバー
6及び第2カバー7とを有している。フレーム5は、所
定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対
の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する前連結
部10及び後連結部11とを有している。側板8,9の
対向する内面には、円柱状のスプール格納空間14がそ
れぞれ形成されている。
【0020】1対のフレーム5内には、スプール12
と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベル
ワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当て
となるサムレスト17とが配置されている。またフレー
ム5と第2カバー7との間には、ハンドル2からの回転
力をスプール12及びレベルワインド機構15に伝える
ためのギア機構18と、クラッチの係脱を行うためのク
ラッチ係脱機構19と、サムレスト17の操作に応じて
クラッチの係脱を制御するための係脱制御機構20と、
ドラグ機構21と、スプール12の回転時の抵抗力を調
整するためのキャスティングコントロール機構22とが
配置されている。また、フレーム5と第1カバー6との
間には、キャスティング時のバッククラッシュを抑える
ための遠心ブレーキ機構23が配置されている。
【0021】スプール12は、図3に示すように、両側
部にフランジ部12aを有しており、両フランジ部12
aの間に糸巻き胴部12bを有している。フランジ部1
2aの周縁部は、図4に示すように、スプール格納空間
14の内周部に隙間C1をあけて配置されている。この
隙間C1は、たとえば0.2mm程度であり、スプール
格納空間14によってフランジ部12aの周縁部を径方
向外方から僅かな隙間C1をあけて覆うことで、スプー
ル12からスプール軸16側に釣り糸が侵入ししにくく
なり、スプール軸16に釣り糸が絡むことが少なくな
る。糸巻き胴部12bの内側には、軸受13a,13b
が装着される筒状の軸受装着部12c,12dが軸方向
に間隔を隔てて設けられている。ハンドル1側の軸受装
着部12dの先端部には、中心に向かって延びる板状の
係合突起12gが装着されている。スプール12はスプ
ール軸16に軸受13a,13bにより回転自在に支持
されている。
【0022】軸受13a,13bは、たとえばステンレ
ス製のシールドボールベアリングであり、その内外輪は
スプール12及びスプール軸16に軸受で推奨される一
般的な締まり嵌めで固定されている。軸受13a,13
bはそれぞれスプール12に対して軸方向に移動不能に
なっている。スプール軸16は、側板9を貫通して第2
カバー7の外方に延びている。その延びた一端は、第2
カバー7に形成されたボス部29に軸受24aにより回
転自在に支持されている。またスプール軸16の他端
は、遠心ブレーキ機構23に軸受35より回転自在に支
持されている。これらの軸受もシールドボールベアリン
グである。スプール軸16の軸受13aの内側側面には
内輪に接触して環状突起16aが形成されており、環状
突起16aと軸受13bとの間にはコイルバネ56が圧
縮状態で配置されている。この環状突起16aとコイル
バネ56とにより、スプール12はスプール軸16に対
して軸方向に移動不能になっている。
【0023】レベルワインド機構15は、図2に示すよ
うに、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25
と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシ
ャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォ
ームシャフト26の端部には、ギア機構18を構成する
ギア28が固定されている。またウォームシャフト26
には螺旋状の溝26aが形成されておりラインガイド2
7の一部がこの螺旋状溝26aに噛み合っている。この
ため、ギア機構18を介してウォームシャフト26が回
転させられることにより、ラインガイド27はガイド筒
25に沿って往復動する。このラインガイド27内に釣
り糸が挿通されて釣り糸がスプール12に均一に巻き付
けられる。
【0024】ギア機構18は、ハンドル軸30に固定さ
れたメインギア31と、メインギア31に噛み合うピニ
オンギア32と、前述のウォームシャフト26端部に固
定されたギア28とを有している。ピニオンギア32
は、一端側外周部に形成され、メインギア31に噛合す
る歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32b
と、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成された
小径部32cとを有している。また、ピニオンギア32
は、スプール軸12に軸方向に移動自在に装着されてい
る。ピニオンギア32は、軸受24bにより側板9に回
転自在かつ軸方向移動自在に支持されている。この軸受
24bもシールドボールベアリングであり、その内輪
は、図4に示すように、ピニオンギア32との間に隙間
C2をあけて配置されている。この隙間C2は、たとえ
ば0.1mmである。噛み合い部32bの先端には係合
溝32dが直径に沿って形成されており、スプール12
の係合突起12gと係合あるいは離脱が可能である。こ
のような構成により、ピニオンギア32の噛み合い部3
2bとスプール12の係合突起12gとによりクラッチ
機構が構成されている。ここではピニオンギア32が外
方に移動してその噛み合い部32bの係合溝32dとス
プール12の係合突起12gとが離脱すると、ハンドル
軸30からの回転力はスプール12に伝達されない。
【0025】サムレスト17は、図2に示すように、1
対の側板8,9間の後部でスプール12後方に配置され
ている。フレーム5の側板8,9には長孔(図示せず)
が形成されており、サムレスト17の回転軸17aがこ
の長孔に回転自在に支持されている。このため、サムレ
スト17は長孔に沿って上下方向にスライドすることも
可能である。なおサムレスト17の前側面は後連結部1
1に当接しており、このため回転可能な角度が規制され
ている。
【0026】クラッチ係脱機構19はクラッチヨーク4
0を有している。クラッチヨーク40は、スプール軸1
6の外周側に配置されており、2本のピン41(一方の
み図示)によってスプール軸16の軸心と平行に移動可
能に支持されている。なお、スプール軸16はクラッチ
ヨーク40に対して相対回転が可能である。すなわち、
スプール軸16が回転してもクラッチヨーク40は回転
しないようになっている。またクラッチヨーク40はそ
の中央部にピニオンギア32の小径部32cに係合する
係合部を有している。またクラッチヨーク40を支持す
る各ピン41の外周で、クラッチヨーク40と第2カバ
ー7との間にはスプリング42が配置されており、クラ
ッチヨーク40はスプリング42によって常に内方に付
勢されている。
【0027】このような構成で、通常状態では、ピニオ
ンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、
その噛み合い部32bの係合溝32dとスプール12の
係合突起12gとが係合してクラッチ係合状態となって
いる。一方、クラッチヨーク40によってピニオンギア
32が外方に移動した場合には、噛み合い部32の係合
溝32dと係合突起12gとの係合が外れクラッチが離
脱状態となる。
【0028】ドラグ機構21は、メインギア31に押圧
される摩擦プレート45と、スタードラグ3の回転操作
によって摩擦プレート45をメインギア31に所定の力
で押圧するための押圧プレート46とを有している。キ
ャスティングコントロール機構22は、スプール軸16
の両端を挟むように配置された複数の摩擦プレート51
と、摩擦プレート51によるスプール軸16の挟持力を
調節するためのキャップ52と、スプール軸16の他端
(図2左側)にかぶせられた有底筒状の押圧キャップ5
3と、押圧キャップ53に当接可能かつ離反可能な制動
部材54とを有している。キャップ52の内周部には雌
ねじが形成されており、第2カバー7のボス部29に形
成された雄ねじに螺合している。
【0029】図3に示すように、押圧キャップ53は、
スプール軸16に軸方向に相対移動自在に設けられてお
り、底部は左側の摩擦プレート51に当接している。押
圧キャップ53の端部外周にスプール軸16を支持する
軸受35が配置されている。押圧キャップ53の内部に
はスプール軸16の端面との間に空間53aが形成され
ており、この空間53a内に押圧バネ55が圧縮状態で
配置されている。押圧バネ55は、押圧キャップ53と
スプール軸16とを離反する方向に付勢する。制動部材
54は円板状の部材であり、スプール12と相対回転不
能かつ軸方向移動不能に設けられている。この制動部材
54は、押圧キャップ53により押圧されて軸受13a
との間で挟持されることでスプール12を制動する。
【0030】このキャスティングコントロール機構22
では、キャップ52をねじ込むと、スプール軸16は押
圧キャップ53と接近する方向(図2左側)に移動す
る。これとともにスプール12も同方向に移動し、押圧
キャップ53が制動部材54に当接しかつ軸受13aと
で制動部材54を挟持してスプール12に制動をかけ
る。また、キャップ52を緩めると、押圧バネ55によ
りスプール軸16が押圧され、押圧キャップ53から離
反する方向に移動する。制動部材54が押圧キャップ5
3から離反すると、スプール12に対する制動が解除さ
れる。
【0031】遠心ブレーキ機構23は、ブレーキケース
65と、ブレーキケース65内に設けられた回転部66
と、回転部66に周方向に間隔を隔てて配置され径方向
に移動自在に装着された摺動子67とを有している。ブ
レーキケース65の中心部には、軸受35を装着するた
めの筒状の軸受装着部65aが形成されている。また、
その中心部にキャスティングコントロール機構22の摩
擦プレート51が配置されている。ブレーキケース65
の周縁部内周には制動用のライナー68が設けられてい
る。回転部66は、スプール12の軸受装着部12cに
固着されており、スプール12と一体で回転する。摺動
子67は、遠心力によりブレーキケース65内のライナ
ー68に摺接する。
【0032】次に動作について説明する。通常の状態で
は、クラッチヨーク40はスプリング42によって内方
に押されており、これによりピニオンギア32は係合位
置に移動させられている。この状態ではピニオンギア3
2の噛み合い部32bとスプール12の係合突起12g
とが噛み合ってクラッチ係合状態となっており、ハンド
ル2からの回転力は、ハンドル軸30、メインギア31
及びピニオンギア32を介してスプール12及びスプー
ル軸16に伝達される。このときキャスティングコント
ロール機構22のキャップ52の締め付け量を調整する
ことにより、スプール12の回転時の抵抗力を調整する
ことが可能である。
【0033】キャップ52を締めてスプール軸16を図
3左方に移動させると、環状突起16aが軸受13aの
内輪に当接し、かつ押圧キャップ53により押圧されて
制動部材54が押圧キャップ53と軸受13aの外輪と
に挟持される。この結果、押圧力に応じてスプール12
が制動される。逆にキャップ52を緩めると、スプール
軸16が押圧バネ55により付勢されて図3右方向に移
動する。この結果、押圧キャップ53と制動部材54と
の間に隙間があく。
【0034】この巻き上げ時に大きな負荷が作用する
と、ピニオンギアギア32と軸受24bの内輪との隙間
C2がなくなり、スプール軸12がピニオンギアギア3
2を介して軸受24bに間接的に支持される。この隙間
C2はフランジ部12aとスプール格納空間14との間
の隙間C1より小さいので、負荷が作用してもスプール
タッチ現象は生じず、回転を阻害する抵抗は生じない。
また、キャップ52を緩めれば押圧キャップ53と制動
部材54との間に隙間があくので、スプール12が軸方
向に動こうとしてもキャスティングコントロール機構2
2の制動力がより変動しにくい。
【0035】またドラグ作動時には、釣り糸がスプール
12から繰り出され、スプール12に負荷が作用する。
この場合にも、巻き上げ時に負荷が作用した場合と同様
にスプールタッチ現象が生じない。また、キャップ52
を緩めれば、押圧キャップ53と制動部材54との間に
隙間があくので、キャスティングコントロール機構22
の制動力がより変動しにくい。
【0036】このように、ピニオンギア32が側板9に
回転自在に支持されることで、スプール軸16が側板9
に間接的に支持されるので、スプール軸16の撓みはそ
れほど大きくならず、スプールタッチ現象は生じにく
い。このため、ドラグ作動時や巻取時等の負荷作用時に
もスプール12の回転がスムーズになる。キャスティン
グを行う場合には、バックラッシュを抑えるためにキャ
ップ52により制動力を調整する。そして、サムレスト
17を下方に押す。ここでは、サムレスト17は、側板
8,9の長孔に沿って下方の離脱位置に移動する。そし
てサムレスト17の移動により、クラッチヨーク40が
外方に移動し、クラッチヨーク40に係合したピニオン
ギア32も同方向に移動させられる。この状態では、ピ
ニオンギア32の係合突起32dとスプール12の係合
突起12gとのかみあいが外れ、クラッチ離脱状態とな
る。この状態では、ハンドル軸30からの回転はスプー
ル12及びスプール軸16に伝達されず、スプール12
は自由回転状態になる。クラッチを離脱状態として、サ
ムレストに置いた親指でスプールをサミングしながらス
プール軸16が鉛直面に沿うようにリールを軸方向に傾
けて釣り竿を振ると、ルアーが投げられスプール12が
糸繰り出し方向に勢いよく回転する。
【0037】このような状態ではスプール12に下向き
の力が働く。このような下向きの力がスプール12に作
用しても、スプール12はスプール軸16と軸方向に移
動不能であり、かつスプール軸16は、キャップ52と
押圧バネ55とにより移動するだけである。したがっ
て、押圧バネ55に打ち勝つ力が作用しないかぎり、ス
プール12が軸方向に移動することはない。このため、
キャスティング時に制動力が変動しにくくなる。しか
も、スプール軸16とスプール12がともに転がり軸受
13a,13b、24a,35で支持されているので、
スプール12が高速回転しても回転効率が低下しにくく
なり、ルアーが勢いよく飛びだす。そして着水の手前で
サミングをやめてハンドル2を回転させる。これによ
り、クラッチ機構が自動的に係合状態になる。そして竿
やリールを操作することでルアーをリトリーブさせて当
たりを待つ。
【0038】〔他の実施形態〕 (a) スプール軸16を移動させる構成に代えて、押
圧キャップ53を移動させるようにしてもよい。 (b) スプール12及びピニオンギア32を支持する
軸受はボールベアリング等の転がり軸受に限定されるも
のではなく、ブッシュ等の滑り軸受でもよい。
【0039】(c) 前記実施形態では、環状突起16
aとコイルバネ56とによりスプール12をスプール軸
16に対して軸方向に移動不能に装着したが、スプール
軸16の軸受13a,13b間に大径部を形成し、それ
によりスプール12をスプール軸16に対して相対移動
不能にしてもよい。 (d) 制動部材54をスプール12と一体で形成して
もよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、スプールが軸受により
回転自在に支持されかつスプール軸がリール本体に転が
り軸受により回転自在に支持されているので、スプール
軸の回転効率が向上し、スプールの回転効率も向上す
る。しかも、キャスティング時等にスプールに軸方向の
力が作用しても、スプールがスプール軸に軸方向に相対
移動不能に支持されており、かつスプール軸は移動機構
によって移動するだけであるので、スプールが軸方向に
移動することはない。このため、軸方向の力がスプール
に作用しても制動力は変動しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用された両軸受リール
の平面図。
【図2】その断面平面図。
【図3】そのスプール部分の断面拡大図。
【図4】その軸受部分の断面部分図。
【符号の説明】
1 リール本体 2 ハンドル 8,9 側板 12 スプール 13a,13b,24a,24b,35 軸受 14 スプール格納空間 16 スプール軸 16a 環状突起 18 ギア機構 22 キャスティングコントロール機構 31 メインギア 32 ピニオンギア 51 摩擦プレート 52 キャップ 53 押圧キャップ 54 制動部材 55 押圧バネ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の間隔をあけて対向するように配置さ
    れた1対の側板を有するリール本体と、 前記側板間に配置されたスプールと、 前記スプールを1対の軸受により回転自在かつ軸方向に
    相対移動不能に支持するとともに、前記リール本体に1
    対の転がり軸受により回転自在に支持されたスプール軸
    と、 前記リール本体に回転自在に支持され、前記スプールを
    回転させるためのハンドルと、 前記ハンドルからの回転力を前記スプールに伝達する回
    転伝達機構と、 前記回転伝達機構において回転力を伝達・遮断するクラ
    ッチ機構と、 前記スプール軸を軸方向に相対移動させることで前記ス
    プールの制動力を調整可能な制動機構と、を備えた両軸
    受リール。
  2. 【請求項2】前記制動機構は、 前記スプールに対して相対回転不能かつ軸方向移動不能
    に前記スプールと一体又は別体で設けられた制動部材
    と、 前記スプール軸の一端側外周に前記スプール軸と相対移
    動自在に嵌め込まれ、かつ一端が前記リール本体に当接
    可能に設けられ他端が前記制動部材に当接かつ離反可能
    に設けられた筒状部材と、 前記筒状部材とスプール軸とを軸方向に相対移動させる
    移動機構と、を有する、請求項1に記載の両軸受リー
    ル。
  3. 【請求項3】前記1対の軸受は、外輪と、前記外輪の内
    周側に配置された内輪と、前記内輪と外輪との間に配置
    された複数の転動体とを有し、 前記制動部材は、前記スプールの内周側に前記1対の軸
    受の一方の外輪の外側に当接するように設けられ、 前記スプール軸は、前記一方の軸受の内輪の内側に当接
    する環状突起を有する、請求項2に記載の両軸受リー
    ル。
  4. 【請求項4】前記移動機構は、前記スプール軸を前記筒
    状部材に接近する方向に相対移動させる移動部材と、前
    記スプール軸を前記筒状部材から離反する方向に付勢す
    る付勢部材とを有する、請求項2又は3に記載の両軸受
    リール。
  5. 【請求項5】前記筒状部材は有底筒状の部材であり、一
    方の前記転がり軸受の内周面と前記スプール軸の一端外
    周との間に嵌め込まれ、前記スプール軸端面と底部との
    間で空間を形成し得るように配置されており、 前記付勢部材は、前記空間に圧縮状態で配置されてい
    る、請求項4に記載の両軸受リール。
  6. 【請求項6】前記回転伝達機構は、前記ハンドルの回転
    軸に設けられたメインギアと、前記スプール軸と同芯に
    配置され前記メインギアに噛み合うピニオンギアとを有
    し、 前記クラッチ機構は、前記ピニオンギアを前記スプール
    に係脱させる係脱機構を有する、請求項1から5のいず
    れかに記載の両軸受リール。
  7. 【請求項7】前記ピニオンギアは、軸受により前記リー
    ル本体に回転自在かつ前記スプール軸の軸方向に移動自
    在に支持されている、請求項6に記載の両軸受リール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100692644B1 (ko) * 1999-10-05 2007-03-13 가부시키가이샤 시마노 양베어링릴의 릴 본체
JP2014209877A (ja) * 2013-04-19 2014-11-13 株式会社シマノ ラインローラ、及びこれを用いた釣糸案内機構

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