JPH10246325A - 目標変速比および目標変速段決定方法 - Google Patents

目標変速比および目標変速段決定方法

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JPH10246325A
JPH10246325A JP6729997A JP6729997A JPH10246325A JP H10246325 A JPH10246325 A JP H10246325A JP 6729997 A JP6729997 A JP 6729997A JP 6729997 A JP6729997 A JP 6729997A JP H10246325 A JPH10246325 A JP H10246325A
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evaluation function
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JP6729997A
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Akira Kondo
晃 近藤
Koki Hayashi
弘毅 林
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動変速装置において、走行の仕方に関する
ドライバーの様々な要望に応えて変速を行うには、その
要望に最適な目標変速比(段)を決定する必要がある。
従来は、最適となる変速比(段)そのものを算出してい
たので、正確に算出するためには、複雑な車両モデルを
用いて膨大な量の演算をしなければならなかった。 【解決手段】 まず、仮目標変速比(段)を幾つか設定
する。そして、車両挙動を示す要素(例、燃費,エンジ
ン出力等)を組み合わせて予め定めた評価関数の値を、
各仮目標変速比(段)について求める。求めた評価関数
値を相対的に比較し、最良の値のものに対応した仮目標
変速比を目標変速比(段)に決定する。目標変速比
(段)そのものを算出するのではなく、相対的に比較す
るための評価関数値を算出するので、算出に使用する車
両モデルは簡単なものでよく、演算は簡単となり、演算
量も少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の自動変速装
置における目標変速比および目標変速段決定方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】車両の自動変速装置には、有段自動変速
装置と無段自動変速装置とがある。有段自動変速装置
は、第1速段,第2速段等の特定の変速比の変速段を有
しており、最適と思われる変速段に自動的にシフトする
装置である。無段自動変速装置は、例えば、円錐型プー
リを対向させたものにV字ベルトを巻き掛け、最適と思
われる変速比となるよう対向間隙を連続的に変化させる
装置である。
【0003】このような自動変速装置において、次にシ
フトすべき変速段(目標変速段)あるいは変速比(目標
変速比)を決定する代表的な方法として、現在の車両状
況および操作状況を検出し、それらを予め定めてある変
速マップに当てはめて決定する方法がある。図4は、そ
のような従来の目標変速比および目標変速段決定方法を
説明するブロック図である。図4において、1は車両状
況および操作状況検出手段、2はコントローラ、3は変
速用アクチュエータ、4は変速マップである。
【0004】車両状況および操作状況検出手段1は、例
えば、車速検出手段,エンジン回転数検出手段,アクセ
ルペダル踏み込み量検出手段,アクセルペダル踏み込み
速度検出手段等である。コントローラ2は、中央演算処
理装置(CPU),記憶装置(ROM,RAM)等を有
し、コンピュータ的に構成されている。変速用アクチュ
エータ3は、有段自動変速装置にあっては変速段のギヤ
をシフトする手段であり、ベルト式の無段自動変速装置
にあっては円錐型プーリの対向間隙を変化させる手段で
ある。具体的には、油圧アクチュエータや電気的アクチ
ュエータ(例、直流マグネットモータ)が用いられる。
【0005】コントローラ2の記憶装置には、予め作成
した変速マップ4が格納されている。図5に、変速段を
求める変速マップの例を示す。横軸は車速であり、縦軸
はスロットル開度(=アクセルペダル踏み込み量に対
応)であり、図中に記してある数字は、変速段を表して
いる。a等の実線の曲線は、シフトアップする際の変速
段の境界を示す曲線である。
【0006】例えば、曲線aの場合、この曲線に交差さ
せて矢印が描かれ「2→3」と付記してあるが、これ
は、第2速段→第3速段へとシフトアップする際の境界
であることを示している。車速とスロットル開度とによ
り定められるこの変速マップ上の動作点が、曲線aの左
側(第2速段側)より右側(第3速段側)へ移動した場
合、第3速段へシフトアップすべきだ(つまり、目標変
速段は第3速段)ということになる。他の実線の曲線に
ついても同様である。
【0007】一方、b等の点線の曲線は、シフトダウン
する際の変速段の境界を示す曲線である。例えば、曲線
bの場合、この曲線に交差させて矢印が描かれ「2←
3」と付記してあるが、これは、第3速段→第2速段へ
とシフトダウンする際の境界であることを示している。
車速とスロットル開度とにより定められるこの変速マッ
プ上の動作点が、曲線bの左側(第3速段側)より右側
(第2速段側)へ移動した場合、第2速段へシフトダウ
ンすべきだ(つまり、目標変速段は第2速段)というこ
とになる。他の点線の曲線についても同様である。
【0008】最近では、ドライバーの種々の要望に応え
た走行状態を実現するため、車両状況や操作状況(例え
ば、車速の変化状態,アクセルペダルの踏み込み速度,
ブレーキペダルの踏み込み頻度等)を考慮に入れて、そ
の都度、それに適合した変速マップを使用するようにす
ることが行われている。そのため、目標変速段を決定す
るための変速マップは、1つに固定されているわけでは
なく、実質的には多くの変速マップが用いられている。
即ち、車両状況および操作状況検出手段1からの検出信
号に応じて変速マップを補正して用いたり、あるいは、
予め多くの変速マップを用意しておき、その中から前記
検出信号に応じて最適のものを選択して用いたりする。
【0009】なお、無段自動変速装置の場合には、コン
トローラ2内の変速マップ4は、変速段を割り出すマッ
プではなく、変速比を割り出すものとなっている。目標
変速比が求められると、現在の変速比との差をとること
により変化させるべき変速比の値が求められるから、そ
の変速比だけ変化するように変速用アクチュエータ3を
駆動する。変速比を求める変速マップも、ドライバーの
種々の要望に応えた走行状態を実現するため、車両状況
や操作状況を考慮に入れ、その都度、それに適合した変
速マップを使用するようにすることが行われている。
【0010】また、変速比の決定にファジィ推論を応用
したものとして、特開平2−230403号公報の技術
がある。ここでのファジィ推論では、熟練したドライバ
ーによる過去の経験を基にし、走行状態に関する要望に
応じて変速比が決定されるようにしてある。例えば、次
のような変速比をファジィ推論によりまず求める。 燃費優先の「省エネ走行」をする場合の最適の変速比 駆動力優先の「スポーツ走行」をする場合の最適の変
速比 乗心地優先の「クルージング走行」をする場合の最適
の変速比
【0011】次に、これらの間で採用の優先度を決め、
優先度の高いものから車両モデル(例、1次遅れ系の伝
達関数)に当てはめてシミュレーションする。そして、
変速ショックが所定の範囲内にある等の基準を満足すれ
ば、その変速比を目標変速比として採用する。もし満足
しなければそれは不採用とし、次の優先度のものをシミ
ュレーションして、同様に評価する。
【0012】更に、有段自動変速装置の変速段を決定す
る方法として、知識工学(Knowledge Engineering …人
間の行う知的な情報処理を、コンピュータ上で実現しよ
うとする学問) を応用して決定するものが、特開平1−
293240号公報に開示されている。この方法では、
変速段の変化の各場合(例えば、現状維持する場合,1
段シフトアップする場合,2段シフトアップする場合,
1段シフトダウンする場合等々)について、それぞれ制
御ルールを設定しておく。制御ルールは、走行特性条件
を定めた複数のサブルールA,B,C,…等(例、「A
=エンジン回転数が許容範囲にあること」)から成る。
【0013】そして、変速段の変化の各場合を、次の順
序でその制御ルールを満たすか否かを点検してゆく。 今の変速段 1段シフトアップした変速段→2段シフトアップした
変速段→… 1段シフトダウンした変速段→2段シフトダウンした
変速段→… 点検して行って、最初に制御ルールを満たしたところの
変速段を目標変速段と決定し、そこで点検を打ち切る。
制御ルールを満たすものが無かった時には、今の変速段
を維持することとする。なお、制御ルールが満たされた
か否かは、サブルールを満たすか否かの値を、予め定め
た論理式(例、L=A・B・C)に当てはめて調べる。
L=1であれば制御ルールは満たされたということであ
り、L=0であれば満たされなかったということであ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)前記した従来の技術のうち、変速マップを使
用するものやファジィ推論を利用するもの(特開平2−
230403号公報)には、次のような問題点があっ
た。第1の問題点は、次は「どの変速段」に入れればよ
いか(有段自動変速装置の場合)とか、次は「どの位の
変速比」にすればよいかとか、「変速比をどの位変化」
させればよいか(無段自動変速装置の場合)とかという
ように、変速段,変速比,変速比変化量そのものの値
(つまり絶対値)を算出するものであったので、ドライ
バーの要望にきめ細かく応えて変速を行おうとすればす
るほど、膨大な量の演算を必要とするという点である。
【0015】第2の問題点は、演算の量が多いので算出
までの時間が長くなるという点である。第3の問題点
は、演算時間を短くしようとすると、高速のCPUや大
容量のメモリを搭載しなければならず、コストが高くな
るという点である。また、知識工学を応用して決定する
もの(特開平1−293240号公報)には、現在の変
速段がその制御ルールを満たしている限り変速されない
ので、たとえ他の変速段に変速した方が望ましい走行状
態となるという場合であっても、その変速段への変速は
行われないという問題点がある。
【0016】(問題点の説明)以上の問題点について、
若干の補足説明をする。変速マップを使用する場合、ド
ライバーの種々の要望にきめ細かく応えるために、車両
状況あるいは操作状況に応じて、変速マップをその都度
補正したり、変速マップを多数用意して切り替え使用し
たりするようになって来ているが、これでは、使用する
変速マップを決定するために、膨大な時間と労力がかか
ってしまう。
【0017】特開平2−230403号公報の技術で
は、ドライバーの種々の要望に応えようとすると、「省
エネ走行」とか「スポーツ走行」とかのファジィ推論ユ
ニットの数を多数設けておかなければならないが、ユニ
ット数が増えれば、演算量も多くなる。また、目標変速
比として変速比の値そのもの(つまり絶対値)を算出す
るものなので、演算の際に車両モデルが必要となるが、
より適切な変速比を得ようとすれば車両モデルを正確な
ものにしなければならない。しかし、正確なものにすれ
ばするほど複雑なモデルとなってしまい、車両モデルの
決定にも膨大な演算量が必要となる。本発明は、以上の
ような問題点を解決することを課題とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では、無段自動変速装置における目標変速比
決定方法を、仮目標変速比を複数個設定する仮目標変速
比設定過程と、各仮目標変速比に変速したと仮定し、車
両挙動を示す要素を組み合わせて構成した所定の評価関
数の値を算出する評価関数値算出過程と、算出した評価
関数値同士を比べて最良のものを選択する相対評価過程
と、選択した評価関数値に対応した仮目標変速比を目標
変速比として決定する目標変速比決定過程とから成るも
のとした。
【0019】また、算出した評価関数値のうちの最大値
と最小値の差が第1の所定値より大である場合には、次
回の仮目標変速比を設定する際、それらの変速比の差を
減少させ、最大値と最小値の差が前記第1の所定値より
小さい第2の所定値より小である場合には、次回の仮目
標変速比を設定する際、それらの変速比の差を増加さ
せ、それ以外の場合には変速比の差を同じままとする次
回変速比変化量決定過程を、前記目標変速比決定過程の
後に追加することも出来る。
【0020】更に、有段自動変速装置における目標変速
段決定方法を、仮目標変速段を複数個設定する仮目標変
速段設定過程と、各仮目標変速段に変速したと仮定し、
車両挙動を示す要素を組み合わせて構成した所定の評価
関数の値を算出する評価関数値算出過程と、算出した評
価関数値同士を比べて最良のものを選択する相対評価過
程と、選択した評価関数値に対応した仮目標変速段を目
標変速段として決定する目標変速段決定過程とから成る
ものとした。
【0021】前記したいずれの決定方法においても、評
価関数を構成する車両挙動を示す要素として、燃費とエ
ンジン出力とを用いることが出来る。
【0022】(解決する動作の概要)無段自動変速装置
において目標変速比を決定する際、まず、仮目標変速比
を幾つか設定する。そして、車両挙動を示す要素(例、
燃費,エンジン出力等)を組み合わせて予め定めた評価
関数の値を、各仮目標変速比について求める。求めた評
価関数値を相対的に比較し、最良の値のものに対応した
仮目標変速比を今回の目標変速比に決定する。目標変速
比そのもの(つまり絶対値)を算出するのではなく、相
対的に比較するための評価関数値を算出するので、算出
に使用する車両モデルは簡単なものでよく、演算は簡単
となり、演算量も少なくなる。有段自動変速装置におけ
る目標変速段を決定する場合も、仮目標変速段を幾つか
設定し、同様にして決定する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。まず、無段自動変速装置での
目標変速比決定方法について説明し、次に有段自動変速
装置目標変速段決定方法について説明する。 (第1の実施形態)図2は、本発明の目標変速比決定方
法を説明するブロック図であり、符号は図4のものに対
応している。コントローラ2はコンピュータ的に構成さ
れ、CPUやメモリを具備しているが、このメモリの中
には変速マップは格納されていない。代わりに、後で述
べる目標変速比決定方法を実行するためのプログラム
が、格納されている。
【0024】そのプログラムは、車両状況および操作状
況検出手段1からの検出信号を考慮に入れつつ、所定の
短周期(例、100ms)毎に実行され、次に変速動作
する際の変速比を決定する。コントローラ2は、決定さ
れた変速比を実現すべく、変速用アクチュエータ3に指
令を送る。変速用アクチュエータ3は、従来例と同様、
油圧アクチュエータあるいは電気的アクチュエータで構
成されており、円錐型プーリの対向間隙を変化させるこ
とにより、変速比を変える。
【0025】コントローラ2内では、次のような過程を
経て目標とする変速比が決定される。 目標とする変速比を幾つか仮設定する過程(仮目標変
速比設定過程) 仮設定した各変速比について、所定の評価関数値を算
出する過程(評価関数値算出過程) 各評価関数値を比べる過程(相対評価過程) 相対評価の結果を踏まえて目標とする変速比を決定す
る過程(目標変速比決定過程) 次に、決定までの処理を、フローチャートにより詳細に
説明する。
【0026】図1は、本発明の目標変速比決定方法を説
明するフローチャートである。 ステップ1…仮目標変速比を幾つか設定する。例えば、
現在の変速比と、現在の変速比より或る一定値(変速比
変化量)だけ大なる変速比と、現在の変速比より或る一
定値だけ小なる変速比との3つを設定する。仮目標変速
比を一般的にZ[ai]で表し(ただし、iは、1,
2,3,…)、上記3つを次のように表すとする。 現在の変速比より或る一定値だけ小なる変速比…Z[a
1] 現在の変速比…Z[a2] 現在の変速比より或る一定値だけ大なる変速比…Z[a
3]
【0027】現在の変速比の値をZ[n−1]とし、上
記の「或る一定値」(変速比変化量)をk[n]とする
と、上記3つの仮目標変速比は、次のように表される。 Z[a1]=Z[n−1]−k[n] Z[a2]=Z[n−1] Z[a3]=Z[n−1]+k[n] なお、Z[n−1]の意味は、前回の変速動作を(n−
1)回目の動作だとし、その動作で実現された変速比と
いう意味である。k[n]の意味は、n回目の変速動作
をする際の変速比決定に使用する「或る一定値」という
ことを意味している。後で詳しく述べるが、この「或る
一定値」の大きさは、常に同じとは限らない。次回の目
標変速比決定時には異なる値にされるかも知れない。つ
まり、k[n]≠k[n+1]とされるかも知れない。
【0028】仮目標変速比の数は3個に限られるわけで
はなく、全体の演算量があまりに大とならない範囲で、
多くしてもよい。例えば、5個とする場合、それらは次
のように設定することが出来る。 Z[a1]=Z[n−1]−2k[n] Z[a2]=Z[n−1]−k[n] Z[a3]=Z[n−1] Z[a4]=Z[n−1]+k[n] Z[a5]=Z[n−1]+2k[n]
【0029】ステップ2…それぞれの仮目標変速比に変
速したと仮定して、その時車両がどのように挙動するか
を調べる。車両挙動を示す要素としては、車速,エンジ
ン回転数,燃費,エンジン出力など数多く存在するが、
変速動作に際して考慮に入れる要素を予め定めておく。
どのような要素を選定するかは、車両に対してどのよう
な挙動を望むかによって異なる。このステップ2では、
仮目標変速比に変速したと仮定した場合、選定しておい
た要素がどのような値になるかを算出する。この算出
は、車両モデルや車両状況および操作状況検出手段1か
らの検出信号等を基にして行われる。
【0030】この例では、車両挙動を示す要素として、
燃費Q[ai]とエンジン出力P[ai]とを定めてお
いたとして、以後の説明をする。各仮目標変速比Z[a
1],Z[a2],Z[a3]の場合のQ,Pは、次の
ように表される。但し、F1はQを求めるための関数で
あり、F2 はPを求めるための関数である。 Z[a1]の場合: Q[a1]=F1 (Z[a1]) P[a1]=F2 (Z[a1]) Z[a2]の場合: Q[a2]=F1 (Z[a2]) P[a2]=F2 (Z[a2]) Z[a3]の場合: Q[a3]=F1 (Z[a3]) P[a3]=F2 (Z[a3])
【0031】ステップ3…変速時における車両挙動の評
価は、各要素の値をどの程度(何%)重視するかによっ
て異なって来る。即ち、加速性の良さを重視するか、燃
費の良さを重視するか、乗り心地の良さを重視するか等
々により異なる。そこで、各要素に対して重み付け係数
を定めておき、その係数を乗じた値の合計をとるという
評価関数を定めておき、その評価関数値で評価する。
【0032】例えば、車両挙動を示す要素をQ,Pと
し、評価関数をHとすれば、次のように表される。 H[ai]=m×Q[ai]+(1−m)P[ai] 但し、0<m<1。つまり、 m …燃費Qにつけられた重み付け係数 (1−m)…エンジン出力Pにつけられた重み付け係数 このステップ3では、各仮目標変速比Z[a1],Z
[a2],Z[a3]についての評価関数値H[a
1],H[a2],H[a3]を求める。
【0033】評価関数に取り入れられる要素が1つとい
う場合も有り得る。例えば、ともかく燃費が少なくなる
走行をしたいということであれば、要素として燃費のみ
が選定されることになる。言い換えるならば、燃費に対
する重み付け係数が100%で、他の要素に対する係数
は0%ということである。そうすれば目標変速比は、燃
費が少なくなることを第1に考えた変速比に決定される
ことになる。
【0034】ステップ4…求めた評価関数値を比較し
て、最も良い評価値のものを選ぶ。即ち、ここで、各仮
目標変速比にした場合の車両挙動を相対評価する。 ステップ5…選んだ評価関数値に対応する仮目標変速比
を、今回の変速の目標変速比と決定する。例えば、評価
関数値H[a1]が最良であった場合、Z[a1]を目
標変速比と決定する。 ステップ6…図2のコントローラ2は、この目標変速比
に変速する指令を変速用アクチュエータ3に送出し、変
速操作を実行させる。
【0035】ステップ7…このステップからステップ1
1までは、次回の変速動作をする際、仮目標変速比を設
定するのに使う変速比変化量(つまり、k[n+1])
の大きさを決定するステップ(次回変速比変化量決定ブ
ロックA)である。これらのステップでは、評価関数値
の最大のものと最小のものとの差を調べ、差が大であれ
ば次回の変速比変化量は今回のものより小にし、差が小
であれば今回のものより大にするという処理をしてお
く。まず、このステップでは、ステップ3で求めた評価
関数値Hの中の最大のものと最小のものとの差が、所定
値C1 より大かどうか調べる。
【0036】ステップ8…所定値C1 より大の場合に
は、次回変速比変化量k[n+1]は、今回の変速比変
化量k[n]より減少させる(例、所定の1単位量だけ
小の値とする)。 ステップ9…所定値C1 より大ではない場合には、評価
関数値Hの中の最大のものと最小のものとの差が、所定
値C2 より小かどうか調べる。なお、C2 はC1 より小
さい値である。 ステップ10…所定値C2 より小の場合には、次回変速
比変化量k[n+1]は、今回の変速比変化量k[n]
より増加させる(例、所定の1単位量だけ大の値とす
る)。 ステップ11…所定値C2 より小ではない場合には、次
回変速比変化量k[n+1]は、今回の変速比変化量k
[n]と同じ値とする。
【0037】以上のようにして無段自動変速装置におけ
る目標変速比を決定すれば、必要となる演算は、変速し
たと仮定した場合の車両挙動を表す評価関数値を求める
演算である。しかし、その評価関数値は、互いに比較し
てみるという相対評価に使うものであるので、演算時に
使用する車両モデルは、変速比そのものを算出するため
のものより単純なものでよく、演算は簡単となる。従っ
て、目標変速比そのもの(絶対値)を演算により求めて
いた従来例に比べ、はるかに簡単な演算となると共に演
算量も少なくなる。
【0038】(第2の実施形態)有段自動変速装置にお
ける目標変速段の決定も、同様にして行うことが出来
る。図3は、本発明の目標変速段決定方法を説明するフ
ローチャートである。 ステップ1…仮目標変速段を、幾つか設定する。例え
ば、現在の変速段と、1つ上の変速段と、1つ下の変速
段というように、変速可能な変速段を幾つか設定する。
【0039】ステップ2…各仮目標変速段に変速したと
仮定して、車両挙動を判断するための幾つかの要素の値
を算出する。 ステップ3…各要素に重み付けをして合計した評価関数
の値を、各仮目標変速段について算出する。 ステップ4…算出した評価関数値を比べて、最良のもの
を選ぶ。 ステップ5…選んだ評価関数値に対応した仮目標変速段
を、今回の変速動作の目標変速段と決定する。 ステップ6…コントローラ2から変速用アクチュエータ
3に指令して、目標変速段への変速操作を行わせる。
【0040】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の目標変速比お
よび目標変速段決定方法によれば、次のような効果を奏
する。 (請求項1の効果)無段自動変速装置において目標変速
比を決定する際、演算量が少なくなる。そのため、短時
間に決定することが出来るし、高速のCPUや大容量の
メモリを搭載する必要がなくなる。また、現在の変速比
も仮目標変速比の1つに設定しておけば、それより適切
な変速比が見つかれば、そちらを目標変速比と決定する
ことが出来る。
【0041】(請求項2の効果)請求項1の効果の他、
次のような効果を奏する。即ち、次回の目標変速比を決
定する際、各仮目標変速比に対応する評価関数値のバラ
ツキが少なくなるので、より適切な目標変速比に決定す
ることが出来る。 (請求項3の効果)変速した結果、燃費とエンジン出力
がどうなるかということを重視して、目標変速比を決定
することが出来る。
【0042】(請求項4の効果)有段自動変速装置にお
いて目標変速段を決定する際、演算量が少なくなる。そ
のため、短時間に決定することが出来るし、高速のCP
Uや大容量のメモリを搭載する必要がなくなる。また、
現在の変速段も仮目標変速段の1つに設定しておけば、
それより適切な変速段が見つかれば、そちらを目標変速
段と決定することが出来る。 (請求項5の効果)変速した結果、燃費とエンジン出力
がどうなるかということを重視して、目標変速段を決定
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の目標変速比決定方法を説明するフロ
ーチャート
【図2】 本発明の目標変速比決定方法を説明するブロ
ック図
【図3】 本発明の目標変速段決定方法を説明するフロ
ーチャート
【図4】 従来の目標変速比および目標変速段決定方法
を説明するブロック図
【図5】 変速段を求める変速マップの例を示す図
【符号の説明】
1…車両状況および操作状況検出手段、2…コントロー
ラ、3…変速用アクチュエータ、4…変速マップ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無段自動変速装置における目標変速比決
    定方法において、仮目標変速比を複数個設定する仮目標
    変速比設定過程と、各仮目標変速比に変速したと仮定
    し、車両挙動を示す要素を組み合わせて構成した所定の
    評価関数の値を算出する評価関数値算出過程と、算出し
    た評価関数値同士を比べて最良のものを選択する相対評
    価過程と、選択した評価関数値に対応した仮目標変速比
    を目標変速比として決定する目標変速比決定過程とから
    成ることを特徴とする目標変速比決定方法。
  2. 【請求項2】 算出した評価関数値のうちの最大値と最
    小値の差が第1の所定値より大である場合には、次回の
    仮目標変速比を設定する際、それらの変速比の差を減少
    させ、最大値と最小値の差が前記第1の所定値より小さ
    い第2の所定値より小である場合には、次回の仮目標変
    速比を設定する際、それらの変速比の差を増加させ、そ
    れ以外の場合には変速比の差を同じままとする次回変速
    比変化量決定過程を、前記目標変速比決定過程の後に追
    加したことを特徴とする請求項1記載の目標変速比決定
    方法。
  3. 【請求項3】 評価関数を構成する車両挙動を示す要素
    として、燃費とエンジン出力とを用いたことを特徴とす
    る請求項1または2記載の目標変速比決定方法。
  4. 【請求項4】 有段自動変速装置における目標変速段決
    定方法において、仮目標変速段を複数個設定する仮目標
    変速段設定過程と、各仮目標変速段に変速したと仮定
    し、車両挙動を示す要素を組み合わせて構成した所定の
    評価関数の値を算出する評価関数値算出過程と、算出し
    た評価関数値同士を比べて最良のものを選択する相対評
    価過程と、選択した評価関数値に対応した仮目標変速段
    を目標変速段として決定する目標変速段決定過程とから
    成ることを特徴とする目標変速段決定方法。
  5. 【請求項5】 評価関数を構成する車両挙動を示す要素
    として、燃費とエンジン出力とを用いたことを特徴とす
    る請求項4記載の目標変速段決定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010250442A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Toyota Motor Corp 走行軌跡演算装置、および、走行軌跡演算方法
US8090511B2 (en) 2007-07-10 2012-01-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Gear shift system for vehicle, control device and control method for automatic transmission
US8301351B2 (en) 2007-07-10 2012-10-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Gear shift system for vehicle, control method and control device for automatic transmission
US8483949B2 (en) 2009-04-13 2013-07-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Running pattern calculating apparatus and running pattern calculating method

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