JPH1024530A - 熱収縮包装用多層フィルム - Google Patents

熱収縮包装用多層フィルム

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JPH1024530A
JPH1024530A JP18186696A JP18186696A JPH1024530A JP H1024530 A JPH1024530 A JP H1024530A JP 18186696 A JP18186696 A JP 18186696A JP 18186696 A JP18186696 A JP 18186696A JP H1024530 A JPH1024530 A JP H1024530A
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Hirotaka Nakakita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温ヒートシール性に優れ、しかも、滑り性
が良好で、高速自動包装適性に適した熱収縮包装用多層
フィルムを提供することを目的とする。 【構成】 少なくとも3層からなる熱収縮性多層フィル
ムにおいて、両外層が密度0.910〜0.935g/
cm3 であって、示差熱分析(DSC)による吸熱ピー
クが2本存在するエチレン−α−オレフィン共重合体
[A]100重量部に対し、密度0.870〜0.91
0g/cm3 であって、示差熱分析(DSC)による吸
熱ピークが1本のみ存在するエチレン−α−オレフィン
共重合体[B]を10〜50重量部混合させた樹脂組成
物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱収縮包装用多層フィ
ルムに関するものである。更に詳しくは、高速自動包装
適性に優れた熱収縮包装用多層フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】食料品や日用雑貨品等の商品には、熱収縮
性を有するフィルムで包被した後に熱収縮トンネル内を
通過させて該フィルムを熱収縮させる、所謂、熱収縮包
装が広く用いられている。これらの熱収縮包装に用いら
れるフィルムとしては、ポリプロピレン系樹脂やポリエ
ステル系樹脂、或は、ポリ塩化ビニル系樹脂等からなる
単層のフィルムが用いられている。しかし、前者のポリ
プロピレン系樹脂やポリエステル系樹脂からなるフィル
ムは、耐熱性や光学的特性に優れているが、ヒートシー
ル性が悪い点で自動包装適性に劣っていた。又、後者の
ポリ塩化ビニル系樹脂からなるフィルムは、熱収縮包装
用フィルムとして種々の優れた特性を有しているが、廃
棄された際に該フィルムを焼却すると有毒ガスを発生
し、自然環境を害すると云う問題を有していた。
【0003】そこで、前者のポリプロピレン系樹脂やポ
リエステル系樹脂のような融点の高い樹脂からなる熱収
縮性フィルムのヒートシール性を改良する方法として、
該フィルムの表面に該フィルムの融点よりも低い融点を
有するポリエチレン系樹脂等のヒートシール層を積層さ
せる方法が試みられてきた。特に、ヒートシール性の面
から直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、「LLDP
E」と称す。)と呼ばれている一般のエチレン−α−オ
レフィン共重合体が好適に用いられてきた。更に、低温
ヒートシール性を向上させるために、これら一般の密度
を有するLLDPEに、極低密度の直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂(以下、VLDPEと称する。)を添加させ
る試みがなされてきた。
【0004】LLDPEにVLDPEを添加させた樹脂
組成物をヒートシール層に用いると、確かに低温ヒート
シール性は向上するが、滑り性が低下して、高速自動包
装適性が阻害されていた。具体的には、包装時に被包装
物を載せたトレイとの滑り性が悪く包装仕上がりが悪く
なったり、ロール巻きされたフィルムがブロッキングを
生じて繰り出しがスムーズに行われなかったりする。
【0005】特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物(以下、EVOHと称する。)は、酸素遮断性に優
れているので、食料品等の包装に多用されているが、ヒ
ートシール性に劣るためにヒートシール層を設けること
が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温ヒート
シール性に優れ、しかも、滑り性やロール巻きフィルム
の巻き出し性が良好で、高速自動包装適性に適した熱収
縮包装用多層フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの課題
を解決するために次のような手段を講じた。即ち、少な
くとも3層からなる熱収縮性多層フィルムにおいて、両
外層が密度0.910〜0.935g/cm3 であっ
て、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークが2本存在
するエチレン−α−オレフィン共重合体[A]100重
量部に対し、密度0.870〜0.910g/cm3
あって、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークが1本
のみ存在するエチレン−α−オレフィン共重合体[B]
を10〜50重量部混合させた樹脂組成物からなること
を特徴とする熱収縮包装用多層フィルムが提供され、
又、両外層が密度0.910〜0.935g/cm3
あって、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークが2本
存在するエチレン−α−オレフィン共重合体[A]10
0重量部に対し、密度0.870〜0.910g/cm
3 であって、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークが
1本のみ存在するエチレン−α−オレフィン共重合体
[B]を10〜50重量部混合させた樹脂組成物からな
り、芯層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物から
なり、両外層と芯層の間の中間層がポリオレフィン系接
着性樹脂からなることを特徴とする熱収縮包装用多層フ
ィルムが提供され、更に、上記エチレン−α−オレフィ
ン共重合体[B]のMw /Mn が3以下で、しかも、I
10/I2 が6.5以上であることを特徴とする上記熱収
縮包装用多層フィルムが提供される。
【0008】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明において用いられるエチレン−α−オレフィ
ン共重合体[A]としては、エチレン含有量が50モル
%以上で、密度が0.910〜0.935g/cm3
あって、しかも、示差熱分析(DSC)による吸熱ピー
クが2本存在する融点を有することが必要である。エチ
レン−α−オレフィン共重合体[A]の密度が0.91
0g/cm3 未満では、滑り性が阻害され、包装機や他
の包装体との滑りが悪くなり、包装体が包装ラインで滞
るようになるので、高速自動包装適性が劣る。又、密度
が0.935g/cm3 を越えると、低温ヒートシール
性が低下するのみならず、得られるフィルムの透明性も
劣るようになる。更に、エチレン含有量が50モル%未
満では、ポリエチレン系樹脂の特性であるヒートシール
性が劣ってしまう。尚、これら低温ヒートシール性の低
下やヒートシール特性の低下は、高速自動包装適性を阻
害させる。
【0009】このような示差熱分析(DSC)による吸
熱ピークが2本存在するエチレン−α−オレフィン共重
合体[A]は、従来の一般的な不均一系触媒により製造
される。
【0010】本発明において用いられるエチレン−α−
オレフィン共重合体[B]としては、エチレン含有量が
50モル%以上で、密度が0.870〜0.910g/
cm3 であって、しかも、示差熱分析(DSC)による
吸熱ピークが1本のみ存在する融点を有することが必要
である。エチレン−α−オレフィン共重合体[B]の密
度が0.870g/cm3 未満では、製膜が困難であ
る。又、密度が0.910g/cm3 を越えると低温ヒ
ートシール性の向上が望めない。更に、エチレン含有量
が50モル%未満では、ポリエチレン系樹脂の特性であ
るヒートシール性が劣ってしまう。
【0011】このような示差熱分析(DSC)による吸
熱ピークが1本のみ存在するエチレン−α−オレフィン
共重合体[B]は、例えば、特開平2−77410号の
明細書に記載されている方法によって得ることができ
る。即ち、炭化水素溶媒中、(I)遷移金属成分とし
て、下記一般式
【化1】 (式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、0<n<3)
で示されるバナジウム化合物(以下、Vと略称す
る。)、及び(II)有機金属成分として、下記一般式
【化2】 (式中、R’は炭化水素基、Xはハロゲン、1<m<
3)で示される有機アルミニウム化合物(以下、Alと
略称する。)、及び(III)第三成分として、下記一
般式
【化3】 (式中、R’’は炭素数1〜20の炭化水素基で、部分
的或は全てハロゲン置換された有機基、R’’’は、炭
素数1〜20の炭化水素基)で示されるエステル化合物
(以下、Mと略す)とから成形される触媒系を用いて、
エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンを共重合す
るに際し、Al/V(モル比)が2.5以上、M/V
(モル比)が1.5以上となる触媒条件下、重合温度4
0〜80℃において、炭化水素溶媒不溶ポリマー(スラ
リー部)及び炭化水素溶媒可溶ポリマー(溶液部)共存
状態で共重合して得られる。又、特開昭60−2265
14号の明細書に記載された、三塩化バナジウムとアル
コールとを反応して得られるバナジウム化合物を前記
(I)遷移金属成分として用いて同様に重合することに
よって得ることができる。更に、最近話題になっている
メタロセン触媒を用いても得ることができる。
【0012】更に、本発明において用いられるエチレン
−α−オレフィン共重合体[B]は、Mw /Mn が3以
下で、しかも、I10/I2 が6.5以上であることがよ
り好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体[B]
のMw /Mn が3を越えると、熱収縮トンネル通過後の
滑り性が多少劣る場合がある。しかし、高速自動包装適
性を大幅に阻害するほどではない。又、エチレン−α−
オレフィン共重合体[B]のI10/I2 が6.5未満で
は延伸安定性が劣る。尚、I10/I2 は、ASTM D
−1238による190℃−10kgのメルトフロー条
件と、190℃−2.16kgのメルトフロー条件にお
けるメルトフローの比である。
【0013】これらエチレン−α−オレフィン共重合体
[A]、及び[B]を構成するα−オレフィンモノマー
としては、炭素数3〜10のα−オレフィンが好まし
く、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−エチルペンテン、ヘプテン、ヘキセン−1、オクテ
ン−1等を用いることができる。
【0014】本発明のエチレン−α−オレフィン共重合
体[A]と、エチレン−α−オレフィン共重合体[B]
との混合割合は、エチレン−α−オレフィン共重合体
[A]100重量部に対し、エチレン−α−オレフィン
共重合体[B]を10〜50重量部混合させることが必
要である。エチレン−α−オレフィン共重合体[B]が
10重量部未満では、低温ヒートシール性の向上が望め
ない。又、50重量部を越えると滑り性が劣ってしま
う。更に、フィルムの引張強度や熱収縮包装時の結束力
も弱くなる。
【0015】両外層の各層の厚みとしては、本発明のフ
ィルムが熱収縮包装として用いられることから、1〜2
0μmの範囲が好ましい。1μm未満ではヒートシール
性が不十分である。又、20μmを越えるとコストが高
くなり好ましくない。尚、本発明の熱収縮包装用多層フ
ィルムの全体厚みとしては、熱収縮包装として用いられ
ることから、10〜40μmの範囲が好ましい。
【0016】芯層に用いる樹脂としては、両外層のエチ
レン−α−オレフィン共重合体[A]の融点よりも高い
融点を有する樹脂が好ましい。両外層のエチレン−α−
オレフィン共重合体[A]の融点よりも低いと、耐熱性
に劣るようになり、熱収縮トンネル内でフィルムが溶融
して孔が開くことがある。尚、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体[B]の融点は、密度の関係から、エチレン
−α−オレフィン共重合体[A]の融点よりも一般に低
い。
【0017】芯層に用いる具体的な樹脂としては、両外
層のエチレン−α−オレフィン共重合体[A]よりも融
点の高い融点を有するエチレン−α−オレフィン共重合
体等のポリエチレン系樹脂やエチレン−プロピレン共重
合体等のポリプロピレン系樹脂、或は、ポリアミド系樹
脂やポリエステル系樹脂等が用いられる。特に好ましく
は、食料品等の保存用包装のためにガス遮断性を付与さ
せた熱収縮包装用多層フィルムを得るために、エチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物が望ましい。エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物としては、ガス遮断性や加
工性等の面からエチレン含有率が27〜47モル%でケ
ン化度が95%以上のものが好ましい。又、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物は、両外層に用いるエチレ
ン−α−オレフィン共重合体との溶融接着性が悪いの
で、共押出成型する場合には、芯層と両外層の間に変性
ポリオレフィン系樹脂等の接着性樹脂層を設けることが
好ましい。
【0018】芯層の厚みとしては、本発明のフィルムが
熱収縮包装として用いられることから、3〜20μmの
範囲が好ましい。特に、芯層にエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物を用いた場合、3μm未満ではガス遮断
性に劣り、20μmを越えると加工性、特に延伸加工性
が劣ってしまう。
【0019】本発明の熱収縮包装用多層フィルムを構成
する各層の樹脂や樹脂組成物には、必要に応じて帯電防
止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、或は、酸
化防止剤等を添加することができる。更に、本発明の主
旨を逸脱しない範囲で、他の樹脂層を適宜設けることが
できる。
【0020】本発明における熱収縮包装用多層フィルム
の製造方法については、特に限定されるものではない
が、次のような方法によって製造するのが好ましい。即
ち、2種3層や3種5層のダイスを用いて、本発明のフ
ィルム構成を満足させる積層未延伸原反シートを共押出
した後、1軸方向、或は、2軸方向に延伸させて熱収縮
包装用多層フィルムを得る。縦方向と横方向の熱収縮特
性をバランスさせるためには、サーキュラーダイスを用
いてチューブ状未延伸シートを形成し、インフレーショ
ン方式により2軸延伸させるのが好ましい。
【0021】本発明の熱収縮包装用多層フィルムを用い
た熱収縮包装方法としては、従来一般に行われている熱
収縮包装方法、即ち、熱収縮時に包装体内の空気を排出
させるために、フィルムに空気排出用の小孔を設ける方
法を用いることができる。しかし、芯層にエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物を用いた場合には、ガス遮断
性を維持させるために、フィルムに空気排出用の小孔を
設ける方法は好ましくないく、包装体内を脱気させる方
法等を用いることが好ましい。又、芯層にエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物を用いる場合には、包装体内
を炭酸ガスや窒素ガス等によって置換して包装すること
もできる。更に、本発明の熱収縮包装用多層フィルム
は、トレーに盛られた商品を包装するストレッチ包装
に、更に熱収縮させるストレッチシュリンク包装にも好
適に用いることができる。
【0022】
【作用】本発明の熱収縮包装用多層フィルムは、フィル
ムの滑り性が良好であるので、熱収縮トンネル後の包装
ラインで、包装体が滞って流れを阻害するようなことが
ない。その理由は明らかではないが、次のようなことが
考えられる。即ち、従来のLLDPEに低温ヒートシー
ル性を付与させるために添加させるVLDPEは、低分
子量成分が多量に含まれており、この低分子量成分がフ
ィルム表面にブリードアウトし、滑り性を低下させてい
るものと考えられる。これに対し、本発明の表面層に添
加するエチレン−α−オレフィン共重合体[B]は、低
分子量成分を殆ど含んでおらずフィルム表面にブリード
アウトすることがないので、滑り性が損なわれないもの
と考えられる。
【0023】しかも、本発明の熱収縮包装用多層フィル
ムには、外層に密度が0.870〜0.910g/cm
3 と低い密度のエチレン−α−オレフィン共重合体
[B]を添加しているので、低温ヒートシール性が付与
されている。その理由としては、本発明に用いられるエ
チレン−α−オレフィン共重合体[B]は、密度の低下
と共に融点も低下するためと考えられる。
【0024】これらのことから、本発明の熱収縮包装用
多層フィルムは、低温ヒートシール性を有しているの
で、高速で被包装物を包被することができるものと考え
られる。しかも、熱収縮トンネルを通過した後でも包装
体の表面の滑り性が阻害されず、熱収縮された包装体が
包装ラインで滞るようなこともないので、高速自動包装
が可能になるものと考えられる。
【0025】更に、エチレン−α−オレフィン共重合体
[B]のMw /Mn が3を越える場合には、低分子量成
分が多く含まれている場合があるので、上記した如く、
該成分が熱収縮トンネル内で加熱されてフィルム表面に
ブリードアウトし、滑り性を多少低下させることがある
ものと考えられる。しかし、その滑り性の低下は、高速
自動包装適正を大幅に低下させる程ではない。又、エチ
レン−α−オレフィン共重合体[B]のI10/I2
6.5未満の場合には、適正な延伸温度範囲が狭くな
り、延伸安定性が劣るようになるものと考えられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例、比較例によって、本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制約さ
れるものでない。尚、実施例及び比較例におけるフィル
ム特性や高速自動包装適性等については、下記する方法
によって評価した。 (1)示差熱分析(DSC) 精工電子工業(株)製(DSC−220C)を用い、熱
プレスにより作成された厚さ約0.5mmのシートから
切り出した約10mgの試験片をDSC測定用サンプル
パンに入れ、150℃で5分間余熱加熱し、10℃/分
で40℃まで降温し、5分間保持した後の10℃/分の
速度で150℃まで昇温し、サーモグラフを得た。
【0027】(2)低温ヒートシール性 2枚の試料フィルムを重ね合わせ、テスター産業(株)
製のヒートシーラー試験機を用い、ヒートシール温度:
130℃、140、150℃、160℃、ヒートシール
面圧力:2.0kg/cm2 、ヒートシール時間:1.
0秒間、ヒートシール幅:10mm、ヒートシール長
さ:25mm、の条件でヒートシールを行った。そし
て、手によりヒートシール部の幅方向に剥離させ、その
際容易に剥離できるできるものを「×」、力を入れると
剥離できるものを「△」、ヒートシール縁部でフィルム
切断を生じるもの、或は、ヒートシール縁部やフィルム
部分で切断の生じないものを「○」で表示した。
【0028】(3)高速自動包装適性試験 ハナガタ(株)製の包装機(エコラッパー)を用いて、
発泡ポリスチレントレー(250×170×15mm)
に載せられたスライスハム(100g)を、フィルム幅
500mmの試料フィルムで包装を行った。具体的に
は、まず、フィルムを半折にし、先端部がヒートシール
されると共に、重ね会わされたフィルム両端部が強制固
定されて筒状体を形成し、該筒状体の中に前記トレーが
挿入される。そして、該トレーの上下をスポンジ状板に
より押し圧して余分の空気を排出させた後に、強制固定
された筒状フィルムの内側、及び、筒状フィルムの後端
部をL型ヒートシール機によりヒートシールする。得ら
れたスライスハムの載ったトレーの包被体を2秒間隔
で、160℃に設定された熱収縮トンネル内に送り込ん
で熱収縮包装させた。尚、熱収縮トンネル内の通過時間
は3秒間とした。その際、熱収縮トンネルを出た直後の
包装体同士の滑り性や、包装体と包装機との滑り性等を
評価し、滑り性の良好なものを「○」、滑り性に劣って
いるものを「×」で示した。又、包装時にロール巻きフ
ィルムの繰り出し性が良好なものを「○」、巻き出し性
が劣っているものを「×」で示した。更に、これらの特
性を総合評価して、高速自動包装適性に優れているもの
を「○」、高速自動包装適性に劣っているものを「×」
で示した。
【0029】〔実施例1〕エチレン−α−オレフィン共
重合体[A]として、密度が0.917g/cm3 で、
示差熱分析(DSC)による吸熱ピークが117℃と1
24℃の2ケ所に存在するエチレン−オクテン−1共重
合体(ダウ製:ダウレックス2047)を用い、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体[B]として、密度が0.
902g/cm3 、示差熱分析(DSC)による吸熱ピ
ークが100℃に1ケ所にのみ存在し、Mw /Mn
2.0で、I10/I2 が8.9のエチレン−オクテン−
1共重合体(ダウ社製:アフィニティー1880)を用
い、エチレン−α−オレフィン共重合体[A]100量
部に対し、エチレン−α−オレフィン共重合体[B]を
40重量部混合させた樹脂組成物を両外層とし、エチレ
ン含有率が44モル%のエチレン酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物(日本合成(株)製:ソアノールAT4403)
を芯層とし、ポリプロピレン系接着性樹脂(三井石油化
学工業(株)製:アドマーQF−580)を両外層と芯
層の間の中間層とするチューブ状共押出積層未延伸原反
シートを得た。尚、製膜は、両外層用としてスクリュー
口径が65mmφの押出機、芯層用として45mmφの
押出機、そして、中間層用として45mmφの押出機を
用い、成型用ダイスとして3種5層の共押出用環状ダイ
スを用い、共押出方法によって行った。得られたチュー
ブ状積層未延伸原反シートの厚みは約270μmであ
り、各層の厚み比率は、各外層が25%、芯層が10
%、そして、各中間層が20%で、チューブの折り径幅
は280mmであった。尚、未延伸原反シートの表面は
メルトフラクヤーが生ぜず、良好であった。
【0030】更に、このチューブ状未延伸原反積層シー
トをインフレーション方式による2軸によって縦方向に
3.4倍、横方向に3.4倍延伸し、その後多少弛緩を
与えながら熱固定を行い、全体厚みが約30μmの熱収
縮包装用多層フィルムを得た。尚、延伸時にバブルは安
定しており、延伸加工性は良好であった。得られたフィ
ルムの諸特性、及び、高速自動包装適性を表1に示し
た。表1からも明らかな如く、実施例1に記載された熱
収縮包装用多層フィルムは、低温ヒートシール性は多少
劣っていたが、滑り性やロール巻きフィルムの巻き出し
性は良好であり、高速自動包装適性に優れていた。
【0031】〔実施例2〕両外層に添加させるエチレン
−α−オレフィン共重合体[B]として、密度が0.9
00g/cm3 、示差熱分析(DSC)による吸熱ピー
クが90℃に1ケ所にのみ存在し、Mw /Mn が2.0
で、I10/I2 が5.5のエチレン−ブテン共重合体
(エクソン社製:EXACT3028)を用いる以外
は、実施例1と同様の方法によって熱収縮包装用多層フ
ィルムを得た。尚、押出成形されたチューブ状未延伸原
反積層シートを延伸する際に、バブルの安定性がやや劣
っていた。得られたフィルムの諸特性、及び、高速自動
包装適性を表1に併記した。表1からも明らかな如く、
実施例2に記載された熱収縮包装用多層フィルムは、滑
り性は多少劣っていたが、低温ヒートシール性やロール
巻きフィルムの巻き出し性は良好であり、高速自動包装
適性に優れていた。
【0032】〔比較例1〕両外層に、実施例1の両外層
に用いたエチレン−α−オレフィン共重合体[A]の吸
熱ピークが117℃と124℃の2ケ所に存在するエチ
レン−オクテン−1共重合体のみとし、エチレン−α−
オレフィン共重合体[B]を添加しない以外は、実施例
1と同様の方法によって熱収縮包装用多層フィルムを得
た。得られた熱収縮包装用多層フィルムの諸特性、及び
高速自動包装適性を表1に併記した。表1から明らかな
如く、比較例1に記載された熱収縮包装用多層フィルム
は、滑り性やロール巻きフィルムの巻き出し性は使用可
能な程度であったが、低温ヒートシール性に劣り、高速
自動包装適性に欠けていた。
【0033】〔比較例2〕両外層に、実施例1の両外層
に用いたエチレン−α−オレフィン共重合体[B]とし
ての吸熱ピークが100℃に1ケ所にのみ存在するエチ
レン−オクテン−1共重合体の代わりに、密度が0.9
05g/cm3 で吸熱ピークが86℃と110℃の2ケ
所に存在するエチレン−ブテン−1共重合体を用いる以
外は、実施例1と同様の方法によって熱収縮包装用多層
フィルムを得た。得られた熱収縮包装用多層フィルムの
諸特性、及び高速自動包装適性を表1に併記した。表1
から明らかな如く、比較例2に記載された熱収縮包装用
多層フィルムは、低温ヒートシール性やロール巻きフィ
ルムの巻き出し性は使用可能な程度であったが、滑り性
に劣り、高速自動包装適性に欠けていた。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の熱収縮包装用多層フィルムは、
低温ヒートシール性に優れていると共に、滑り性が良好
であるので、高速自動包装用に最適である。又、本発明
の熱収縮包装用多層フィルムは、廃棄された際に焼却し
ても有毒ガスを発生しすることがないので、自然環境を
悪化させることがない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層からなる熱収縮性多層フ
    ィルムにおいて、両外層が密度0.910〜0.935
    g/cm3 であって、示差熱分析(DSC)による吸熱
    ピークが2本存在するエチレン−α−オレフィン共重合
    体[A]100重量部に対し、密度0.870〜0.9
    10g/cm3 であって、示差熱分析(DSC)による
    吸熱ピークが1本のみ存在するエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体[B]を10〜50重量部混合させた樹脂組
    成物からなることを特徴とする熱収縮包装用多層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 両外層が密度0.910〜0.935g
    /cm3 であって、示差熱分析(DSC)による吸熱ピ
    ークが2本存在するエチレン−α−オレフィン共重合体
    [A]100重量部に対し、密度0.870〜0.91
    0g/cm3であって、示差熱分析(DSC)による吸
    熱ピークが1本のみ存在するエチレン−α−オレフィン
    共重合体[B]を10〜50重量部混合させた樹脂組成
    物からなり、芯層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
    化物からなり、両外層と芯層の間の中間層がポリオレフ
    ィン系接着性樹脂からなることを特徴とする熱収縮包装
    用多層フィルム。
  3. 【請求項3】 上記エチレン−α−オレフィン共重合体
    [B]のMw /Mnが3以下で、しかも、I10/I2
    6.5以上であることを特徴とする請求項1乃至2に記
    載された熱収縮包装用多層フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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