JP3124213B2 - 包装用積層フィルム - Google Patents

包装用積層フィルム

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JP3124213B2 JP07273602A JP27360295A JP3124213B2 JP 3124213 B2 JP3124213 B2 JP 3124213B2 JP 07273602 A JP07273602 A JP 07273602A JP 27360295 A JP27360295 A JP 27360295A JP 3124213 B2 JP3124213 B2 JP 3124213B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防曇性とトレー等
との滑り性に優れた包装用積層フィルムに関し、特にス
トレッチ包装、或は、ストレッチシュリンク包装等に好
適に用いられる包装用積層フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フィルムによる包装方法には、それぞれ
のフィルムの特性を活かした各種の包装方法、例えば、
袋状にシールする方法をはじめ、オーバーラップ法、ス
トレッチラップ法、スキンパック法等多くの方法があ
る。そして、これらに用いられるフィルムとしては、主
にポリエチレンやポリプロピレン、或は、ポリ塩化ビニ
ル等の汎用樹脂を用いた単層フィルムが多用されてい
る。しかしながら、包装用フィルムに対する要求レベル
の高度化や多様化、或は、社会的ニーズの変化に伴い、
これらの単層フィルムでは対応できない場合が増加して
きている。
【0003】又、青果物、鮮魚、生肉、或は、惣菜等の
食品を直接、或は、プラスチックトレーの上に載せてス
トレッチ包装やストレッチシュリンク包装するフィルム
としては、主に塩化ビニル樹脂が用いられていた。しか
し、近年、安全衛生上の問題や環境汚染の問題等から、
低密度ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体等
のエチレン系樹脂からなるフィルムの開発が活発に行わ
れている。しかし、低密度ポリエチレン樹脂を単独で使
用する場合には、目的とするフィルムの自己粘着性や低
温熱密着性、或は、柔軟性等を同時に満足させることは
できなかった。又、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
では、酢酸ビニル含有量や分子量等を適宜選択すれば、
このような問題はある程度解決できるフィルムが得られ
るが、トレーの角や食品に鋭利な部分がある場合には破
れてしまうと云う問題があった。又、食品に酢酸臭が移
ると云う問題等もあった。
【0004】そこで、これらの要求に応えるために、色
々なフィルムを積層したり、色々な添加剤を添加させる
方法等が用いられている。例えば、特開平6−0318
82、特開平6−039973、特願平5−15036
6〜150367、或は、特願平5−156848の明
細書に示されたように、エチレン系重合体層とプロピレ
ン共重合体層を組み合わせて必要な性能を同時に満足さ
せることを目的とした包装用多層フィルムが提案されて
いる。又、特開平6−025620の明細書には、2種
類のエチレン系重合体を用いることにより、自己粘着性
に優れたフィルムが得られることが提案されている。更
に、包装用フィルムに防曇性を付与させるために、各種
防曇剤を添加させることも良く行なわれている。
【0005】しかし、両外層がエチレン系重合体で、芯
層がプロピレン系重合体からなる積層フィルムで、両外
層のエチレン系重合体に防曇剤を添加させた包装用積層
フィルムは、防曇効果を充分発揮させ、しかも、トレー
や被包装物との滑り性を向上させるように防曇剤の添加
量を増加させると、押出機内での混練が悪くなり、押出
量にむらが生じるようになる。又、押出加工性が良好に
なるように防曇剤の量を減少させると防曇性の効果が低
下し、しかも、トレーや被包装物との滑性も低下する。
そこで、防曇性に優れ、しかも、滑り性が良好で、自動
包装適性に優れた包装用フィルムは未だ得られていなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、防曇性とト
レー等との滑り性が共に良好な包装用積層フィルムを提
供しようとするものである。更に好ましくは、トレーに
載せられた食品等のストレッチ包装、或は、該ストレッ
チ包装体を更に熱収縮させるストレッチシュリンク包装
等に好適に用いられる包装用積層フィルムを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも3層からなる積層フィルムにおいて、両外層が密度
0.870〜0.910g/cm3であって示差熱分析
(DSC)による吸熱ピークが唯1本のみ存在する融点
を有するエチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン
含有量が50モル%以上)[A]と、密度0.910〜
0.935g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重
合体(エチレン含有量が50モル%以上)[B]、及び
防曇剤[C]からなり、しかも、該エチレン−α−オレ
フィン共重合体[B]の密度が、該エチレン−α−オレ
フィン共重合体[A]の密度よりも0.008g/cm
3以上大きく、かつ該密度0.870〜0.910g/
cm 3 のエチレン−α−オレフィン共重合体[A]と、
該密度0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン−
α−オレフィン共重合体[B]の重量割合が9:1〜
6:4であり、更に芯層がプロピレン系重合体からなる
ことを特徴とする包装用積層フィルムが提供され、ま
た、前記プロピレン系重合体が、エチレン含有量2〜1
2モル%のプロピレン−エチレン共重合体であることを
特徴とする前記の包装用積層フィルムが提供され、ま
た、積層フィルムが、熱収縮性を有することを特徴とす
る前記いずれかに記載の包装用積層フィルムが提供さ
れ、更に、包装用が、ストレッチ包装用であることを特
徴とする前記いずれかに記載の包装用積層フィルムが提
供され、更にまた、包装用が、トレー包装用であること
を特徴とする前記いずれかに記載の包装用積層フィルム
が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明において用いられるエチレン−α−オレフィ
ン共重合体(エチレン含有量が50モル%以上)[A]
としては、密度が0.870〜0.910g/cm3
範囲内であって、しかも示差熱分析(DSC)による吸
熱ピークが唯1本のみ存在する融点を有することが必要
である。密度が0.870g/cm3未満では製膜が困
難になる。又、密度が0.910g/cm3を越えると
芯層のポリプロピレン系樹脂との接着性が低下し、層間
剥離を生じる。更に、密度が0.910g/cm3を越
えると低温熱密着性や柔軟性が劣るようになるので、ス
トレッチ包装用やストレッチシュリンク包装用としては
好ましくなくなる。
【0009】更に、エチレン−α−オレフィン共重合体
[A]が示差熱分析(DSC)による吸熱ピークが唯1
本のみ存在する樹脂を用いた包装用積層フィルムは、密
度の高いエチレン−α−オレフィン共重合体[B]を混
合させることにより、防曇性と滑り性の両方の物性を向
上させると云う本発明の効果を更に顕著に発揮させるこ
とが出来る。即ち、両外層に、吸熱ピークが唯1本のみ
存在するエチレン−α−オレフィン共重合体のみを用い
た包装用積層フィルムは、吸熱ピークが2本存在するエ
チレン−α−オレフィン共重合体のみを用いた包装用積
層フィルムよりも防曇剤のブリードアウトがし難く、防
曇性に劣る。しかし、密度の高いエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(B)を混合させることにより、吸熱ピー
クが唯1本のみ存在するエチレン−α−オレフィン共重
合体(A)を用いた場合でも防曇剤のブリードアウトが
容易になり、吸熱ピークが2本存在するエチレン−α−
オレフィン共重合体(A)を用いた場合と遜色の無い防
曇性が得られ、しかも前記したように、滑り性をも向上
させることができる。
【0010】尚、本発明における示差熱分析(DSC)
による吸熱ピークは、セイコー電子工業製 DSC22
0Cを用い、熱プレスにより作製された厚さ約0.5m
mのシートから切り出された約10mgの試験片をDS
C測定用サンプルパンに入れ、150℃で5分間余熱加
熱し、10℃/分で40℃まで降温し、5分間保持した
後に10℃/分の速度で昇温して測定した。
【0011】このような吸熱ピークが唯1本のみ存在す
る特性を有するエチレン−α−オレフィン共重合体とし
ては、例えば、特開平2−77410の明細書に記載さ
れている方法によって得られることができる。即ち、炭
化水素溶媒中、(I)遷移金属成分として、下記一般式
【化1】VO(OR)n3-n (式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、0<n<3)
で示されるバナジウム化合物(以下、Vと略称する)、
及び(II)有機金属成分として、下記一般式
【化2】R'mA1X3-m (式中、R'は炭化水素基、Xはハロゲン、1<m<
3)で示される有機アルミニウム化合物(以下、Alと
略称する)、及び(III)第三成分として、下記一般式
【化3】R''(C=0)OR''' (式中、R''は炭素数1〜20の炭化水素基で、部分的
或は全てハロゲン置換された有機基、R'''は、炭素数
1〜20の炭化水素基)で示されるエステル化合物(以
下、Mと略す)とから形成される触媒系を用いて、エチ
レンと炭素数3〜10のα−オレフィンを共重合するに
際し、A1/V(モル比)が2.5以上、M/V(モル
比)が1.5以上となる触媒条件下、重合温度40〜8
0℃において、炭化水素溶媒不溶ポリマー(スラリー
部)及び炭化水素溶媒可溶ポリマー(溶液部)共存状態
で共重合して得られる。又、特開昭60−226514
の明細書に記載された、三塩化バナジウムとアルコール
とを反応して得られるバナジウム化合物を前記(I)遷
移金属成分として用いて同様に重合することによって得
ることができる。更に、最近話題になっているメタロセ
ン触媒を用いても得ることができる。
【0012】又、本発明において用いられるエチレン−
α−オレフィン共重合体(エチレン含有量が50モル%
以上)[B]としては、密度が0.910〜0.935
g/cm3の範囲内であることが必要である。密度が
0.910g/cm3未満では防曇性や滑り性の向上が
見られず、0.935g/cm3を越えると、低温熱密
着性が低下するのみならず、得られるフィルムの透明性
も劣るようになる。
【0013】更に、エチレン−α−オレフィン共重合体
[B]の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体
[A]の密度よりも0.008g/cm3以上大きいこ
とが必要である。エチレン−α−オレフィン共重合体
[B]の密度と、エチレン−α−オレフィン共重合体
[A]の密度の差が0.008g/cm3未満である
と、防曇性や滑り性の向上が見られない。
【0014】本発明において、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体[A]とエチレン−α−オレフィン共重合体
[B]の混合割合は、重量で9:1〜6:4の範囲であ
。エチレン−α−オレフィン共重合体[B]の混合割
合がこの範囲に達しない場合、即ち、10wt%未満で
あると、防曇性や滑り性の向上が不十分であることもあ
り、この範囲を超えると、即ち、40wt%を越える
と、層間接着強度が低下して層間剥離が生じることもあ
る。又低温熱密着性が低下するのみならず、柔軟性も劣
るようになるので、ストレッチ包装用やストレッチシュ
リンク包装用としては好ましくないこともある。
【0015】ここで前記エチレン−α−オレフィン共重
合体[A]、及び[B]を構成するα−オレフィンモノ
マーとしては、炭素数3〜10のα−オレフィンが好ま
しく、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、4−エチルペンテン、ヘプテン、ヘキセン−1、オ
クテン−1等を用いることができる。
【0016】本発明に用いられるプロピレン系重合体と
しては、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレ
ン共重合体(エチレン含有量が20モル%以下)、プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1
−エチレン共重合体(ブテン−1とエチレンの合計含有
量が20モル%以下)、或は、プロピレンと炭素数が5
以上のα−オレフィン単独、或は、更にα−オレフィン
とを併用したプロピレン−α−オレフィン共重合体が挙
げられる。これらの内、エチレン含有量が2〜12モル
%のプロピレン−エチレン共重合体が透明性と機械強度
のバランスの点から好適である。
【0017】本発明に用いられる防曇剤としては、特に
限定されるものではなく、従来包装用フィルムに防曇性
を付与させるために添加されている防曇剤がそのまま用
いられる。例えば、ジグリセリンモノラウレート、ジグ
リセリンモノオレート、ジグリセリンセスキラウレー
ト、ジグリセリンセスキオレート、モノグリセリンモノ
ラウレート、モノグリセリンモノオレート等のポリグリ
セリン脂肪酸エステル系の防曇剤、ポリエチレングリコ
ールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレ
ート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル系の防
曇剤、ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテル等
のポリエチレングリコールアルキルエーテル系の防曇
剤、更には、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル等のアルキルアルコール系の防曇剤等が好適に用いら
れる。尚、これらの防曇剤は単独で使用しても、或は、
2種類以上を併用してもよい。
【0018】本発明のフィルム構成としては、前記した
如く、少なくとも3層構成からなる積層フィルムであ
り、両外層が少なくとも前記エチレン−α−オレフィン
共重合体[A]と前記エチレン−α−オレフィン共重合
体[B]と防曇剤(C)の混合物からなり、芯層がプロ
ピレン系重合体であることが必要である。しかし、外層
と芯層の間に中間層として他の樹脂層を挿入させること
や、或は、芯層を2層に分離し、その間に本発明品の生
産時に生じる不適格品等の再生原料からなる再生樹脂層
を設けること等も可能である。
【0019】本発明のフィルム厚み構成としては、各外
層が総厚みの5〜40%、芯層が総厚みの90〜20%
であることが得られるフィルムの各種物性のバランスの
面から好ましい。又、フィルムの総厚みとしては、10
〜50μmが包装用として好ましい。
【0020】本発明の包装用積層フィルムを構成する各
層の樹脂、或は、樹脂組成物には、必要に応じて、各種
の樹脂改質剤を含有させることができる。又、酸化防止
剤、滑剤、アンチブロッキング剤、粘着付与剤等の添加
剤を添加することもできる。
【0021】本発明の包装用積層フィルムの製造方法と
しては、例えば、インフレーション法やTダイ法等の通
常の方法でフィルムを製膜した後にそれらのフィルムを
貼り合わせる方法や、2種3層、或は、3種5層の共押
出タイプのインフレーションフィルム成形機やTダイフ
ィルム成形機等による製膜方法が可能である。又、製膜
されたフィルムに押出ラミネート法により押出されたフ
ィルムを積層させることにより製造することも可能であ
る。
【0022】本発明の包装用積層フィルムに熱収縮性を
付与させるためには、製膜後に一軸方向に、或は、二軸
方向に延伸させることが必要である。そして、一軸延伸
の場合には、例えば通常用いられているロール延伸方法
が好適に用いられる。二軸延伸の場合には、テンター方
式により縦方向に延伸した後に横方向の延伸を行う逐次
二軸延伸方法や縦方向と横方向を同時に延伸させる同時
二軸延伸方法が好適に用いられる。又、二軸延伸の場合
には、チューブラー延伸方法も好適に用いられる。延伸
倍率としては、二軸延伸の場合、面積倍率で2〜30倍
が好ましく、更に好ましくは、3〜25倍が好ましい。
【0023】本発明の包装用積層フィルムは、粘着付与
剤を配合する等の方法によりフィルムに自己粘着性を付
与させると、食品等のストレッチ包装に好適に用いられ
る。又、フィルムに自己粘着性と熱収縮性を同時に付与
させると、食品等のストレッチシュリンク包装に好適に
用いられる。
【0024】特に、本願発明の包装用積層フィルムは、
発泡ポリスチレン等からなるトレーとの滑り性が良好で
あるので、トレーに載せられた食品等のストレッチ包装
やストレッチシュリンク包装に用いた際に、自動包装適
性に優れている。しかも、包装体のフィルム表面には水
滴が付着しない。
【0025】
【作用】本発明の包装用積層フィルムが防曇性に優れ、
しかも、トレー等との滑り性が良好になるかは明らかで
はないが、次のようなことが考えられる。即ち、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体[A]にエチレン−α−オ
レフィン共重合体[B]を混合することにより防曇剤
〔C〕の飽和溶解度が低下しブリードしやすくなるもの
と推定される。しかも、エチレン−α−オレフィン共重
合体[A]の密度とエチレン−α−オレフィン共重合体
[B]の密度との差が特定の範囲内にある時に、防曇剤
[C]のブリードが良好で、しかも、透明性や機械的強
度等の特性が良好になるものと思われる。又、エチレン
−α−オレフィン共重合体[A]とエチレン−α−オレ
フィン共重合体[B]とが完全に混ざりあっていないた
めに、硬度の高いエチレン−α−オレフィン共重合体
[B]の相がアンチブロッキング剤の働きをして、トレ
ー等との滑り性を向上させているものと思われる。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を更に詳
しく説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、
これらの実施例によって何等制約されるものではない。
まず初めに、以下の実施例および比較例における物性値
の測定方法、及び、包装試験方法を説明する。 (1)密度 JIS K6760に規定された方法によって測定し
た。尚、測定は、100℃の水中で1時間アニールを行
った後に行った。 (2)引張強度 ASTM D882に規定された方法によって測定し
た。 (3)ヤング率 ASTM D882に規定された方法によって測定し
た。 (4)ヘイズ ASTM D1003に規定された方法によって測定し
た。尚、この値が小さい程透明性が良好であることを示
す。 (5)グロス ASTM D523に規定された方法によって測定し
た。尚、この値が大きい程光沢性が良好であることを示
す。
【0027】(6)防曇性 常温での防曇性は、カップに70℃の温水を入れ、カッ
プの口を試料フィルムで覆い、20℃の室温に1時間放
置した後にフィルム表面の曇り度合いを評価した。又、
低温での防曇性は、カップに23℃の水を入れ、カップ
の口を試料フィルムで覆い、5℃の室温に1時間放置し
た後にフィルム表面の曇り度合いを評価した。更に、冷
凍での防曇性は、カップに氷を入れ、カップの口を試料
フィルムで覆い、冷凍室に1時間放置した後に室温中に
戻した際にフィルム表面の曇り度合いを評価した。尚、
評価としては、全く曇らない状態を「◎」、若干曇る
(見る角度によっては分からない程度)状態を「○」、
やや曇る状態を「△」、曇る状態を「×」と表示した。
【0028】(7)滑り性 試料フィルムと発泡ポリスチレンシートとの滑り性を、
テスター産業(株)製の摩擦係数測定機を用いて測定し
た。測定値は、静摩擦係数(μs)および動摩擦係数
(μk)で表示した。尚、測定値は、滑り荷重を69.
35gと249.35gの両方で測定し、それぞれの値
を平均した。又、滑り速度は150mm/min、接触
面積は600mm2(20mm×30mm)の条件で行
った。
【0029】(8)低温熱密着性 大森機械(株)製のトレーストレッチ包装機(STC−
IIIB型)を用い、下記の条件下で自動包装を行い、ト
レー裏面の熱密着部が良好なる密着強度を生じるように
なる温度を表示した。 フィルム幅 : 300mm トレー寸法 : 長さ190mm×幅110mm×
高さ26mm 包装物重量 : 500g 包装速度 : 50個/分 シュートベルト : 約15m/分
【0030】(9)包装試験 (ストレッチシュリンク包装)大森機械(株)製のトレ
ーストレッチ包装機(STC−IIIB型)を用いて、発
泡ポリスチレントレー(250×170×15mm)に
載せられた冷凍無頭えび(150g)を、フィルム幅4
50mmの試料フィルムで、ストレッチ包装を行った。
具体的には前記トレーストレッチ包装機を用い、まず、
フィルムの両端部を合掌シール状に重ね合わせて自己密
着により筒状に形成する。そして、該筒状体の中に挿入
されている前記トレーの前後両端部から適宜距離を置い
てフィルムを切断し、該切断端部をトレーの前後端部に
沿ってトレーの裏面に折り返す。更に、フィルムの両端
部が合掌シール状に重ね合わされた部分とトレーの裏面
に折り返されたフィルム切断端部を熱盤上に押し当て、
トレーの裏面に位置するフィルムと熱密着させる。得ら
れたストレッチ包装体を、90℃に設定された熱収縮ト
ンネル内を1秒間で通過させることによってストレッチ
シュリンク包装を行った。
【0031】
【実施例】
〔実施例1〕エチレン−α−オレフィン共重合体[A]
として、密度が0.895g/cm3でブテン−1の含
有量が5.3モル%、示差熱分析(DSC)による吸熱
ピークが85℃に1本のみ存在するエチレン−ブテン−
1共重合体を用い、エチレン−α−オレフィン共重合体
[B]として、密度が0.912g/cm3でヘキセン
の含有量が4.5モル%、示差熱分析(DSC)による
吸熱ピークが82℃と119℃に存在するエチレン−ヘ
キセン共重合体を用い、これら共重合体[A]及び
[B]を重量割合で7:3に混合し、これにジグリセリ
ンオレイン酸エステルとポリエチレングリコールオレイ
ン酸エステルとグリセリンオレイン酸エステルが重量割
合で5:3:2に混合された防曇剤を2.00wt%と
なるように添加した樹脂組成物を両外層とし、エチレン
含有量が4.6wt%のプロピレン−エチレン共重合体
を芯層とするチューブ状共押出積層未延伸原反シートを
得た。尚、製膜は、スクリュー口径が65mmφの押出
機(両外層用)とスクリュー口径が40mmφの押出機
(芯層用)、及び、口径が180mmφの2種3層の共
押出用環状ダイを用いて共押出法によって行った。又、
得られたチューブ状積層未延伸原反シートの厚みは約1
20μm程度であり、各層の厚み比率は各外層20%、
芯層60%で、チューブ幅は300mmであった。更
に、このチューブ状積層未延伸原反シートをチューブラ
ー2軸延伸方式によって、縦方向に3.3倍、横方向に
3.1倍延伸し、その後、多少の弛緩を与えながら熱固
定を行い、全体厚みが約12μmの包装用積層フィルム
を得た。得られたフィルムの諸特性を表1に示した。
尚、得られたフィルムの防曇性と滑り性は共に良好であ
った。又、得られた包装用積層フィルムを用いて発泡ポ
リスチレントレーに載せられた冷凍無頭えびのストレッ
チシュリンク包装を行った。その結果、実施例1の包装
用積層フィルムはトレーとの滑りが良好で、自動包装適
性に優れていた。又、得られた包装体を冷凍した後に室
温に放置した際、フィルム表面には水滴が付着していな
かった。
【0032】〔比較例1〕両外層に、実施例1の両外層
に用いたエチレン−α−オレフィン共重合体[A]のエ
チレン−ブテン−1共重合体のみとし、エチレン−α−
オレフィン共重合体[B]を使用しない以外は、実施例
1と同様の方法によって包装用積層フィルムを得た。得
られたフィルムの諸特性を表1に併記した。尚、比較例
1の包装用積層フィルムは、防曇性と滑り性が共に劣っ
ていた。又、得られた包装用積層フィルムを用いて、実
施例1と同様、発泡ポリスチレントレーに載せられた冷
凍無頭えびのストレッチシュリンク包装を行った。その
結果、比較例1の包装用積層フィルムはトレーとの滑り
が悪く、自動包装適性に劣っていた。又、得られた包装
体を冷凍した後に室温に放置した際、フィルム表面には
水滴が付着していた。
【0033】〔比較例2〕両外層に、比較例1の両外層
に用いたエチレン−ブテン−1共重合体の代わりに、密
度が0.895g/cm3でブテン−1の含有量が7.
0モル%、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークが1
05℃と115℃に2本存在するエチレン−ブテン−1
共重合体を用いる以外は、比較例1と同様の方法によっ
て包装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの諸特
性を表1に併記した。尚、比較例2の包装用積層フィル
ムは、比較例1程ではないが、防曇性と滑り性に劣って
いた。
【0034】〔比較例3〕両外層に、実施例1の両外層
に用いたエチレン−α−オレフィン共重合体[B]とし
てのエチレン−ヘキセン共重合体の代わりに、密度が
0.905g/cm3、ヘキセン含有量が5.1モル%
のエチレン−ヘキセン共重合体を用いる以外は、実施例
1と同様の方法によって包装用積層フィルムを得た。得
られたフィルムの諸特性を表1に併記した。尚、比較例
3の包装用積層フィルムは、防曇性と滑り性に劣ってい
た。
【0035】〔比較例4〕両外層に、比較例3に用いた
密度が0.905g/cm3のエチレン−ヘキセン共重
合体をエチレン−α−オレフィン共重合体[A]とし、
実施例1に用いた密度が0.912g/cm3のエチレ
ン−ヘキセン共重合体をエチレン−α−オレフィン共重
合体[B]とする以外は、実施例1と同様の方法によっ
て包装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの諸特
性を下記する。尚、比較例4の包装用積層フィルムは、
防曇性と滑り性に劣っていた。
【0036】
【表1】
【0037】〔比較例5及び6〕 両外層に、実施例1の両外層に用いたエチレン−α−オ
レフィン共重合体[A]とエチレン−α−オレフィン共
重合体[B]のエチレン−ブテン−1共重合体とエチレ
ン−ヘキセン共重合体を混合割合を9.5:0.5(
較例5)、及び、5:5(比較例6)に混合された樹脂
組成物を用いる以外は、実施例1と同様の方法によって
包装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの諸特性
を表2に記した。尚、比較例5の包装用積層フィルム
は、比較例1の包装用積層フィルムと比較して、防曇性
や滑り性の向上は認められたが、実施例1の包装用積層
フィルムよりは劣っていた。しかし、充分実用可能であ
った。又、比較例6の包装用積層フィルムは、用途によ
っては低温密着性や柔軟性に多少劣る場合があった。
【0038】〔比較例〕 両外層に、実施例1の両外層に用いたエチレン−α−オ
レフィン共重合体(A)のエチレン−ブテン−1共重合
体の代わりに、比較例2の両外層に用いた吸熱ピークが
2本存在するエチレン−ブテン−1共重合体を用いる以
外は、実施例1と同様の方法によって包装用積層フィル
ムを得た。得られたフィルムの諸特性を表2に併記し
た。尚、比較例1の包装用積層フィルムは比較例2の包
装用積層フィルムよりも防曇性や滑り性に劣っているに
もかかわらず、比較例の包装用積層フィルムは、実施
例1の包装用積層フィルムとほぼ同程度の防曇性や滑り
性を有していた。しかし、低温密着性については不十分
であった。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の包装用積層フィルムは、滑り性
が良好であるので、自動包装適性が良好である。特に、
トレーとの滑り性が良好であるので、トレーに載せられ
た食品等のストレッチ包装、或は、ストレッチシュリン
ク包装の自動包装適性が良好である。更に、本発明の包
装用積層フィルムを用いた包装体は、本発明の包装用積
層フィルムが防曇性に優れているので、低温に保存した
際や冷凍保存された後に室温に放置した際等に、包装体
のフィルム表面に水滴が付着せず、商品としての見栄え
が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 武 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 近藤 和夫 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業 株式会社内 (72)発明者 多田 照雄 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業 株式会社内 (72)発明者 和納 豊喜 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業 株式会社内 (72)発明者 銭瓶 昌明 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業 株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−115026(JP,A) 特開 平6−155685(JP,A) 特開 平6−87197(JP,A) 特開 平6−87198(JP,A) 特開 平3−215034(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 EPAT(QUESTEL) WPI/L(QUESTEL)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層からなる積層フィルムに
    おいて、両外層が密度0.870〜0.910g/cm
    3であって、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークが
    唯1本のみ存在する融点を有するエチレン−α−オレフ
    ィン共重合体(エチレン含有量が50モル%以上)
    [A]と、密度0.910〜0.935g/cm3のエ
    チレン−α−オレフィン共重合体(エチレン含有量が5
    0モル%以上)[B]、及び防曇剤[C]からなり、し
    かも、該エチレン−α−オレフィン共重合体[B]の密
    度が該エチレン−α−オレフィン共重合体[A]の密度
    よりも0.008g/cm3以上大きく、かつ該密度
    0.870〜0.910g/cm 3 のエチレン−α−オ
    レフィン共重合体[A]と、該密度0.910〜0.9
    35g/cm 3 のエチレン−α−オレフィン共重合体
    [B]の重量割合が9:1〜6:4であり、更に芯層が
    プロピレン系重合体からなることを特徴とする包装用積
    層フィルム。
  2. 【請求項2】 前記プロピレン系重合体が、エチレン含
    有量2〜12モル%のプロピレン−エチレン共重合体で
    あることを特徴とする請求項1記載の包装用積層フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 積層フィルムが、熱収縮性を有すること
    を特徴とする請求項1記載の包装用積層フィルム。
  4. 【請求項4】 包装用が、ストレッチ包装用であること
    を特徴とする請求項1記載の包装用積層フィルム。
  5. 【請求項5】 包装用が、トレー包装用であることを特
    徴とする請求項1記載の包装用積層フィルム。
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