JPH10244135A - ろ過装置の逆洗方法、同運転方法、フィルタエレメントの寿命予測方法及びフィルタエレメントの再生方法 - Google Patents

ろ過装置の逆洗方法、同運転方法、フィルタエレメントの寿命予測方法及びフィルタエレメントの再生方法

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JPH10244135A
JPH10244135A JP9053252A JP5325297A JPH10244135A JP H10244135 A JPH10244135 A JP H10244135A JP 9053252 A JP9053252 A JP 9053252A JP 5325297 A JP5325297 A JP 5325297A JP H10244135 A JPH10244135 A JP H10244135A
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container
filter element
valve
chamber
backwashing
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Application number
JP9053252A
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Inventor
Makoto Nagase
誠 長瀬
Michio Murase
村瀬道雄
Masato Kobayashi
小林政人
Seiichi Kazama
風間誠一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物が捕獲堆積され、フィルタエレメント
の差圧が上昇した後に逆洗・再使用する場合に、逆洗後
の不純物捕獲量を増大し、被浄化液体の処理容量を増大
することができる逆洗方法及び運転方法を提供する。 【解決手段】 逆洗時のフィルタエレメントに印加され
る負圧を測定、最適化し、ベントを開放して逆圧を印加
した後、ベントを閉止してドレンを促進する逆洗方法
と、運転初期には一定期間又は一定負荷毎に、中期以降
は一定差圧上昇毎に逆洗を行う運転方法による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルタエレメン
トを内蔵するろ過装置に係わり、特に、不純物を捕獲堆
積後の洗浄性能を向上して再使用後の不純物捕獲容量を
大きくし、フィルタ寿命を長くして経済性を向上したろ
過装置の逆洗方法、同運転方法、フィルタエレメントの
寿命予測方法及びフィルタエレメントの再生方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラントや原子力発電プラント
の復水系には、鉄クラッドなどの不純物を除去するため
にろ過装置が設けられている。従来用いられているろ過
装置のフィルタエレメントには、表面に樹脂粒子をプリ
コートしたプリコート型と、多数の中空糸膜を束ねた中
空糸膜型とがある。
【0003】プリコート型は、フィルタエレメントは安
価であるが、処理容量が小さいため多くのろ過装置を必
要とし、配管系、弁、容器が多くなって経済性が悪い。
また、鉄クラッドの除去率が約90%と低い、逆洗時に
廃樹脂が発生するなどの問題がある。
【0004】一方、中空糸膜型は、処理容量が大きく、
約99%以上と鉄クラッドの除去率が高い利点がある
が、中空糸膜モジュールのフィルタエレメントの単価が
高い問題点がある。
【0005】そこで、最近、米国では、膜状フィルタを
折り畳んで容積当りの有効面積を拡大した膜状フィルタ
型のフィルタエレメントが使用されるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た膜状フィルタ型フィルタエレメントを用いる公知技術
には、以下の課題が存在する。膜状フィルタを折り畳ん
で容積当りの有効面積を拡大したフィルタエレメント
は、従来、使い捨てとして使用され、逆洗再使用されて
いなかったように、従来の逆洗法では不純物の離脱性が
悪く、逆洗・再使用を繰り返すと、すぐに不純物の除去
量が初期の10%以下に低下してしまう。特に、沸騰水
型原子炉の鉄クラッドは付着性が強く、逆洗・再使用を
繰り返すと、不純物の除去量が急激に低下し、フィルタ
エレメントの寿命が短くなる問題点がある。
【0007】けれども、膜状フィルタ型のフィルタエレ
メントは、処理容量がプリコート型と中空糸膜型との中
間で、鉄クラッドの除去率が95%から99%以上と高
く、フィルタエレメントが安価であるため、逆洗性能を
改善できれば3つのタイプのフィルタエレメントの中
で、最も経済的になるという利点を有している。
【0008】したがって、本発明の第1の目的は、フィ
ルタに不純物が堆積してフィルタ差圧が増加すると一旦
不純物を逆洗除去した後に再使用するフィルタエレメン
トを用いるろ過装置に適用する方法であって、不純物の
捕獲堆積後の洗浄性能を向上し、再使用後の不純物捕獲
容量を大きくし、フィルタ寿命を長くして経済性を向上
するための逆洗方法及び運転方法及びフィルタエレメン
トの寿命予測方法を提供することにある。
【0009】しかしながら、逆洗・再使用を繰り返して
いくと徐々に逆洗後の差圧が上昇し運転限界差圧に近づ
きフィルタの寿命となるが、運転限界差圧に到達したフ
ィルタに付着堆積した不純物を通常の逆洗操作以外の方
法で効果的に除去できれば、フィルタエレメントを再度
使用でき経済性が向上する。したがって、本発明の第2
の目的は、運転限界差圧に到達したフィルタエレメント
の再生方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1では、容器、容器内に配置したA,
B室に隔離する隔離板、複数のフィルタエレメントの支
持体、容器のA室に被浄化流体を供給する弁に接続の流
入管、浄化した流体が容器のB室から流出する弁に接続
の流出管、前記フィルタエレメントの逆洗時容器のB室
に加圧気体を供給する弁に接続の給気管及び容器のA室
に接続のベント弁を有するベント管を備え、被浄化流体
を前記A室から前記B室へ流す際に該被浄化流体を前記
フィルタエレメントに通して浄化するろ過装置に適用す
る逆洗方法であって、フィルタエレメント表面に捕獲堆
積した不純物を除去するための逆洗操作として、ベント
を開放した状態で逆差圧を印加して不純物の離脱を促進
し、一定時間経過後に逆差圧を印加したままベントを閉
止して不純物の排出を促進するろ過装置の逆洗方法であ
ることを特徴としている。
【0011】また請求項2では、容器、容器内に配置し
たA,B室に隔離する隔離板、複数のフィルタエレメン
トの支持体、容器のA室に被浄化流体を供給する弁に接
続の流入管、浄化した流体が容器のB室から流出する弁
に接続の流出管、前記フィルタエレメントの逆洗時容器
のB室に加圧気体を供給する弁に接続の給気管及び容器
のA室に接続のベント弁を有するベント管を備え、被浄
化流体を前記A室から前記B室へ流す際に該被浄化流体
を前記フィルタエレメントに通して浄化するろ過装置に
適用する逆洗方法であって、ろ過装置の逆洗時に、前記
逆差圧を測定し、前記逆差圧が逆洗操作に最適な値とな
るように逆洗時に加える気体圧力を調整するろ過装置の
逆洗方法であることを特徴としている。
【0012】また請求項3では、容器、容器内に配置し
たA,B室に隔離する隔離板、複数のフィルタエレメン
トの支持体、容器のA室に被浄化流体を供給する弁に接
続の流入管、浄化した流体が容器のB室から流出する弁
に接続の流出管、前記フィルタエレメントの逆洗時容器
のB室に加圧気体を供給する弁に接続の給気管及び容器
のA室に接続のベント弁を有するベント管を備え、被浄
化流体を前記A室から前記B室へ流す際に該被浄化流体
を前記フィルタエレメントに通して浄化するろ過装置に
適用する運転方法であって、新しいフィルタエレメント
を装荷した初期においては一定の運転日数毎もしくは一
定の不純物捕獲量毎に逆洗操作を行い、一定の運転日数
以内もしくは一定の不純物捕獲量以内に所定の差圧上昇
に到達した後においては、所定の差圧上昇毎に逆洗操作
を行うろ過装置の運転方法であることを特徴としてい
る。
【0013】また請求項4では、容器、容器内に配置し
たA,B室に隔離する隔離板、複数のフィルタエレメン
トの支持体、容器のA室に被浄化流体を供給する弁に接
続の流入管、浄化した流体が容器のB室から流出する弁
に接続の流出管、前記フィルタエレメントの逆洗時容器
のB室に加圧気体を供給する弁に接続の給気管及び容器
のA室に接続のベント弁を有するベント管を備え、被浄
化流体を前記A室から前記B室へ流す際に該被浄化流体
を前記フィルタエレメントに通して浄化するろ過装置に
おける前記フィルタエレメントを適用対象とし、前記所
定差圧上昇毎に逆洗操作を行うようになった後の各サイ
クルの逆洗直前の最大差圧を外挿し、フィルタエレメン
トの運転限界差圧との交点を求め、その交点からフィル
タエレメントの残り寿命(余寿命)を予測するフィルタ
エレメントの寿命予測方法であることを特徴としてい
る。
【0014】また請求項5では、容器、容器内に配置し
たA,B室に隔離する隔離板、複数のフィルタエレメン
トの支持体、容器のA室に被浄化流体を供給する弁に接
続の流入管、浄化した流体が容器のB室から流出する弁
に接続の流出管、前記フィルタエレメントの逆洗時容器
のB室に加圧気体を供給する弁に接続の給気管及び容器
のA室に接続のベント弁を有するベント管を備え、被浄
化流体を前記A室から前記B室へ流す際に該被浄化流体
を前記フィルタエレメントに通して浄化するろ過装置に
おける前記フィルタエレメントを適用対象とし、容器内
部の水を全てドレンした後給気弁を開放して気体を連続
的に流すことにより運転限界差圧に到達したフィルタエ
レメントを乾燥させて付着不純物を剥離除去するフィル
タエレメントの再生方法であることを特徴としている。
【0015】また請求項6では、請求項5において、供
給気体を給気弁の開閉によりパルス的にフィルタエレメ
ントに加えることにより付着不純物の剥離除去を促進す
るフィルタエレメントの再生方法であることを特徴とし
ている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図10を参照して説明する。なお、図1及び図6は
本発明を適用するろ過装置の縦断面図を示している。
【0017】本実施の形態のろ過装置は、図1に示すよ
うに、容器11、容器11内に配置した隔離板13と、
フィルタエレメント20の支持管14、フィルタエレメ
ント20の上部支持12、容器11内に被浄化流体を供
給する流入管16、浄化した流体が容器11から流出す
る流出管17、フィルタエレメント20、逆洗時に加圧
気体を供給する給気管18、ベント管19で構成されて
いる。
【0018】フィルタエレメント20は、図2に示すよ
うに、波状もしくは蛇腹状に折り畳んで容積当りの有効
面積を拡大した膜状のフィルタ20a、多数の流路20
cを有するコア20b及び外周の保護カバー20dで構
成されている。
【0019】浄化運転時には、被浄化流体は流入管16
から容器11に流入し、フィルタエレメント20で浄化
された後、容器11下部に集まり、流出管17から流出
する。浄化運転により不純物がフィルタエレメント20
で捕獲され、差圧が所定の値まで上昇すると、被浄化流
体の流入を停止し、フィルタエレメント20を洗浄(逆
洗)する。
【0020】逆洗時の手順としては、まず被浄化流体の
流入停止を、図3(1)に示すように流量調節弁21と
弁23を閉止することにより行い、次に図3(2)に示
すようにドレン弁22とベント弁25を開放し、容器1
1の上部の水のドレンを開始する。なお、図3において
黒で塗りつぶした弁は閉じていることを、白抜きの弁は
開いていることを表している。
【0021】ドレン開始△t1 後(フィルタエレメント
20の上部約 1/3 が水面から露出する時点)には
図3(3)に示すように給気弁24を開いて給気管18
から加圧気体を供給し、隔離板13の下方に加圧気体層
を形成し、この部分の浄化水を支持管14を経由してフ
ィルタエレメント20に逆流させて、付着した不純物を
剥離させる。
【0022】給気弁24を開いてから△t2 後(フィル
タエレメント20を透過して気体が出始める時点)には
図3(4)に示すようにベント弁25を閉止し、容器1
1の内圧を上昇させて剥離した不純物を含む容器内部の
水をいきおいよくドレンする。ベント弁25の閉止から
さらに△t3 後(ドレン終了時)には、給気弁24とド
レン弁22を閉じ、次にベント弁25と弁23を開いて
浄化水を流出管17を通して容器11に導き容器内部に
きれいな水を再び満たす。
【0023】逆洗全体の手順としては図4のフローチャ
ートに示すように必要な回数だけ上述の工程を繰り返
す。繰り返しの場合には、弁23開放△t4 後(フィル
タエレメント20の上部約 1/3 が水面から露出す
る時点)に弁23を閉じ、ドレン弁22を開いて前述の
給気弁24の開放工程に戻って同じ工程が繰り返され
る。所定の逆洗回数を終えた後は、容器11の内部が全
て水で満たされるまで浄化水を導入し、ベント弁25を
閉じ、流量調節弁21を開いて逆洗プロセスを終了して
浄化運転に戻る。
【0024】上述したように、ベント弁25を開放した
状態で給気弁24を開放するようにしているのは、もし
ベント弁25が閉じた状態で給気弁24を開放するとド
レンラインの圧力損失により容器11のフィルタエレメ
ント20の外側の圧力が上昇し、その分だけフィルタに
加わる差圧が小さくなり、不純物を剥離する力が小さく
なって十分な逆洗効果が得られなくなるので、これを防
ぐためである。
【0025】また、△t2 後にベント弁25を閉じるの
は、容器11の内圧を上昇させて剥離した不純物を含む
ドレン水をいきおいよく容器11から排出させ、剥離し
た不純物が容器11の内部に再付着することを防ぐため
である。
【0026】ろ過装置には図1に示すように差圧計32
が設けられ、浄化運転中にフィルタエレメント20に加
わる圧力を監視しているが、通常は逆洗時に加わる負圧
を測定するようにはなっていない。そこで、差圧計の設
計を変更して逆洗時の差圧を測定できるようにする。
【0027】このように負圧の測定を可能とすると、差
圧計の指示値は図5に示すようになる。つまり、浄化運
転時にはフィルタの差圧として正の値を示すが、流量調
節弁21を閉じて流れを止めると差圧は急激に低下して
0となる。その後、給気弁24を開くと差圧は負に大き
く振れ、フィルタ表面の付着物の剥離に伴って負圧が減
少していく。ベント弁25を閉じると容器11の内圧が
上昇するために負圧はステップ状に小さくなりほぼ一定
値を示すようになる。
【0028】このように、負圧の測定を行うと給気弁2
4を開いたときにフィルタに加わる差圧を最適化する、
すなわち、最適な差圧(フィルタエレメント20の強度
が保持される最大許容差圧)を与える空気圧の設定が容
易となり、フィルタを損傷させることなく不純物のフィ
ルタエレメント20からの剥離効果を最大とすることが
可能となる。
【0029】上記の実施の形態では逆洗手順中にいくつ
かの時間パラメータを用いたが、図6に示すようにろ過
装置に液位計35を付設することにより、逆洗時の水位
を直接に計測してその値を用いて各種の弁の操作タイミ
ングを決めることもできる。この場合には図7のフロー
チャートに示すように、給気弁24を開くタイミングを
水位L1 を用いて決められる。また、ドレン終了の時期
も液位が0となってからの経過時間△t3'を用いること
ができる。さらに、逆洗を繰り返す場合の再冠水時の水
位もL1 を判定基準とすることができる。このように液
位計35を用いることにより、逆洗工程の管理が容易か
つ確実に行うことが可能となる。
【0030】図8には、図1及び図6と異なるタイプの
ろ過装置を示している。構造と流れの向きが異なる以
外、運転及び逆洗の手順は図1に示したろ過装置と同じ
手順を適用できる。
【0031】すなわち、図8のろ過装置は、容器11、
容器11内に配置した隔離板113と、フィルタエレメ
ント20の下部支持112、容器11内に被浄化流体を
供給する流入管116、浄化した流体が容器11から流
出する流出管117、フィルタエレメント20逆洗時に
加圧気体を供給する給気管118、ベント管119で構
成されている。
【0032】浄化運転時には、被浄化流体は流入管11
6から容器11に流入し、フィルタエレメント20で浄
化された後、容器11上部に集まり、流出管117から
流出する。浄化運転により不純物がフィルタエレメント
20で捕獲され、差圧が所定の値まで上昇すると、被浄
化流体の流入を停止し逆洗する。逆洗の手順は図4に示
したフローチャートを適用すればよい。ただし、時間△
1 及び△t4 を決める水位としてはベント管119の
やや下側となる。
【0033】ろ過装置の運転方法は、従来より図9
(1)に示すように運転限界差圧まで逆洗を行わず、運
転限界差圧となった時点で逆洗を行う一定フィルタ差圧
運転があるが、この場合には新しいフィルタエレメント
20の不純物捕獲量は大きく、第1運転サイクルの期間
も長くなるが、逆洗時の差圧回復特性がよくなく、第2
サイクル以降の不純物捕獲量も極端に減少することがわ
かっている。
【0034】一方、図9(2)に示すように一定期間毎
に逆洗を繰り返す運転方法があり、この場合にはフィル
タエレメント20の汚れがひどくなって逆洗性能が悪化
する前に逆洗を行うため差圧回復特性がよく、結果とし
て長い期間フィルタエレメント20を使用することがで
きる。しかしながら、この方法でも逆洗後の差圧はサイ
クルが進むにつれて徐々に上昇し、運転サイクル内の差
圧上昇も大きくなっていく。したがって、サイクルが進
むと一定期間に到達する前に運転限界差圧に到達してそ
のサイクル以降は運転日数が短くなっていき、フィルタ
エレメント20の寿命となる。
【0035】これに対して本発明の運転方法は、図10
に示すように新しいフィルタエレメント20を用いる初
期には、一定期間毎に逆洗を行う一定期間運転を行い、
一定期間内に予め設定したサイクル内の差圧上昇に到達
した後には、各運転サイクル内の差圧上昇が設定値にな
った時点で逆洗を行う一定差圧上昇運転に切り替える方
法である。この方法では一定期間運転を継続する場合に
比べて寿命中期以降の逆洗頻度を多くすることにより、
フィルタエレメント20の汚染の進行速度を抑制し、よ
りフィルタエレメント20を長く使用することが可能と
なる。
【0036】また、この方法では中期以降の各運転サイ
クル末期の最高差圧を外挿し、運転限界差圧との交点を
求めることによりフィルタエレメント20の寿命を予測
することができるため、フィルタエレメント20の交換
時期に応じたフィルタエレメント20の購入が可能とな
り、過剰なフィルタエレメント20の在庫を持つ必要が
なく経済性も向上する。
【0037】運転方法に関する前記実施の形態では、初
期に一定期間毎の逆洗を実施するものであったが、その
主旨はフィルタエレメント20の汚染が進まないうちに
逆洗することであるため、図1に示した入口側不純物濃
度測定装置33で測定した入口側の不純物濃度Ci、流
量計31で測定した流量F、出口側不純物濃度測定装置
34で測定した出口側の不純物濃度Co及び運転時間t
を用いて、フィルタエレメント20の負荷量Mを、 M=F(Ci−Co)t 上記の式により算出して、この負荷量が一定になったと
きに逆洗することにしてもよい。 この場合、一定期間
毎の逆洗に比べて供給される復水の不純物濃度に依存す
ることがないため、フィルタエレメント20の汚染が一
定条件での逆洗が可能となる。
【0038】なお、寿命のきたフィルタエレメント20
は通常廃棄されることになるが、乾燥したフィルタエレ
メント20に付着した不純物は機械的な力を加えること
により容易に剥れ落ちることがわかり、これを利用した
再生方法が考えられる。
【0039】すなわち、寿命のきたフィルタエレメント
20を内蔵するろ過塔の容器11内部の水をドレン弁2
2とベント弁25を開放して全てドレンし、給気弁24
を開放して気体を連続的にフィルタエレメント20に流
して乾燥させる。その後、供給気体を給気弁24の開閉
によりパルス的にフィルタエレメント20に加えるなど
によりフィルタエレメント20に機械的な応力を与え、
フィルタエレメント20の外面に付着していた不純物を
剥離させる。
【0040】この操作により、通常の逆洗プロセスで除
去できない付着物を除去することにより、フィルタエレ
メント20の差圧を回復させ、再使用が可能となる。こ
のようにフィルタエレメント20の再生を行い、フィル
タエレメント20を再度使用することにより、経済性が
一層向上する。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ろ過装置にたいして、
ベントを開放した状態で逆差圧を印加することにより、
逆差圧が効果的にフィルタエレメントに加わり、堆積し
た不純物の剥離を促進し、一定時間後に逆差圧を印加し
たままベントを閉止することにより、ドレンの流れを速
くして不純物の再付着を少なくでき、逆洗効率が向上
し、再使用後の不純物捕獲容量が大きくなり、フィルタ
エレメントの寿命を長くできる。
【0042】また、逆洗時にフィルタエレメントに印加
される負圧を測定することにより、印加する気体圧力を
最適化し、逆洗性能を向上できる。
【0043】さらに、運転初期には一定期間又は一定負
荷毎に逆洗を行い、差圧上昇が一定値を超えた中期以降
は一定差圧上昇毎に逆洗を行う運転方法を用いることに
より、逆洗後の性能回復状態を良好に保ち、フィルタエ
レメントの寿命を延長させると共に、寿命予測を可能と
して過剰なフィルタエレメントの在庫を減らすことがで
きる。
【0044】寿命となったフィルタエレメントの乾燥再
生を行うことによりフィルタエレメントの再使用が可能
となる。
【0045】上記の効果により、経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ろ過装置の構造を表わす縦断面図である。
【図2】フィルタエレメントの詳細構造を表わす部分断
面図である。
【図3】ろ過装置の逆洗手順毎のろ過装置の状態を表わ
す縦断面図である。
【図4】ろ過装置の逆洗手順を示すフローチャート図で
ある。
【図5】ろ過装置の逆洗時の差圧の変化を示す図であ
る。
【図6】液位計を備えたろ過装置の構造を表わす縦断面
図である。
【図7】液位をパラメータに加えたろ過装置の逆洗手順
を示すフローチャート図である。
【図8】異なるタイプのろ過装置の構造を表わす縦断面
図である。
【図9】従来の運転方法とフィルタ差圧の関係を示す図
である。
【図10】本発明による運転方法とフィルタ寿命の関係
を示す図である。
【符号の説明】
11…容器 12…上部支持 13…隔離板 14…支持管 16…流入管 17…流出管 18…給気管 19…ベント管 20…フィルタエレメント 21…流量調節弁 22…ドレン 23…弁 24…給気弁 25…ベント弁 31…流量計 32…差圧計 33…入口側不純物濃度測定装置 34…出口側不純
物濃度測定装置 35…液位計 112…下部支持 113…隔離板 116…流入管 117…流出管 118…給気管 119…ベント管 122…ドレン弁 123…弁 124…給気弁 125…ベント弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 29/38 530A (72)発明者 風間誠一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器、容器内に配置したA,B室に隔離
    する隔離板、複数のフィルタエレメントの支持体、容器
    のA室に被浄化流体を供給する弁に接続の流入管、浄化
    した流体が容器のB室から流出する弁に接続の流出管、
    前記フィルタエレメントの逆洗時容器のB室に加圧気体
    を供給する弁に接続の給気管及び容器のA室に接続のベ
    ント弁を有するベント管を備え、被浄化流体を前記A室
    から前記B室へ流す際に該被浄化流体を前記フィルタエ
    レメントに通して浄化するろ過装置に適用する逆洗方法
    であって、 フィルタエレメント表面に捕獲堆積した不純物を除去す
    るための逆洗操作として、ベントを開放した状態で逆差
    圧を印加して不純物の離脱を促進し、一定時間経過後に
    逆差圧を印加したままベントを閉止して不純物の排出を
    促進することを特徴とするろ過装置の逆洗方法。
  2. 【請求項2】 容器、容器内に配置したA,B室に隔離
    する隔離板、複数のフィルタエレメントの支持体、容器
    のA室に被浄化流体を供給する弁に接続の流入管、浄化
    した流体が容器のB室から流出する弁に接続の流出管、
    前記フィルタエレメントの逆洗時容器のB室に加圧気体
    を供給する弁に接続の給気管及び容器のA室に接続のベ
    ント弁を有するベント管を備え、被浄化流体を前記A室
    から前記B室へ流す際に該被浄化流体を前記フィルタエ
    レメントに通して浄化するろ過装置に適用する逆洗方法
    であって、 ろ過装置の逆洗時に、前記逆差圧を測定し、前記逆差圧
    が逆洗操作に最適な値となるように逆洗時に加える気体
    圧力を調整することを特徴とするろ過装置の逆洗方法。
  3. 【請求項3】 容器、容器内に配置したA,B室に隔離
    する隔離板、複数のフィルタエレメントの支持体、容器
    のA室に被浄化流体を供給する弁に接続の流入管、浄化
    した流体が容器のB室から流出する弁に接続の流出管、
    前記フィルタエレメントの逆洗時容器のB室に加圧気体
    を供給する弁に接続の給気管及び容器のA室に接続のベ
    ント弁を有するベント管を備え、被浄化流体を前記A室
    から前記B室へ流す際に該被浄化流体を前記フィルタエ
    レメントに通して浄化するろ過装置に適用する運転方法
    であって、 新しいフィルタエレメントを装荷した初期においては一
    定の運転日数毎もしくは一定の不純物捕獲量毎に逆洗操
    作を行い、一定の運転日数以内もしくは一定の不純物捕
    獲量以内に所定の差圧上昇に到達した後においては、所
    定の差圧上昇毎に逆洗操作を行うことを特徴とするろ過
    装置の運転方法。
  4. 【請求項4】 容器、容器内に配置したA,B室に隔離
    する隔離板、複数のフィルタエレメントの支持体、容器
    のA室に被浄化流体を供給する弁に接続の流入管、浄化
    した流体が容器のB室から流出する弁に接続の流出管、
    前記フィルタエレメントの逆洗時容器のB室に加圧気体
    を供給する弁に接続の給気管及び容器のA室に接続のベ
    ント弁を有するベント管を備え、被浄化流体を前記A室
    から前記B室へ流す際に該被浄化流体を前記フィルタエ
    レメントに通して浄化するろ過装置における前記フィル
    タエレメントを適用対象とし、前記所定差圧上昇毎に逆
    洗操作を行うようになった後の各サイクルの逆洗直前の
    最大差圧を外挿し、フィルタエレメントの運転限界差圧
    との交点を求め、その交点からフィルタエレメントの残
    り寿命(余寿命)を予測することを特徴とするフィルタ
    エレメントの寿命予測方法。
  5. 【請求項5】 容器、容器内に配置したA,B室に隔離
    する隔離板、複数のフィルタエレメントの支持体、容器
    のA室に被浄化流体を供給する弁に接続の流入管、浄化
    した流体が容器のB室から流出する弁に接続の流出管、
    前記フィルタエレメントの逆洗時容器のB室に加圧気体
    を供給する弁に接続の給気管及び容器のA室に接続のベ
    ント弁を有するベント管を備え、被浄化流体を前記A室
    から前記B室へ流す際に該被浄化流体を前記フィルタエ
    レメントに通して浄化するろ過装置における前記フィル
    タエレメントを適用対象とし、容器内部の水を全てドレ
    ンした後給気弁を開放して気体を連続的に流すことによ
    り運転限界差圧に到達したフィルタエレメントを乾燥さ
    せて付着不純物を剥離除去することを特徴とするフィル
    タエレメントの再生方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、供給気体を給気弁の
    開閉によりパルス的にフィルタエレメントに加えること
    により付着不純物の剥離除去を促進することを特徴とす
    るフィルタエレメントの再生方法。
JP9053252A 1997-03-07 1997-03-07 ろ過装置の逆洗方法、同運転方法、フィルタエレメントの寿命予測方法及びフィルタエレメントの再生方法 Pending JPH10244135A (ja)

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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100371313B1 (ko) * 2000-10-23 2003-02-07 주식회사 한스환경엔지니어링 오폐수 처리용 휠터 장치
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CN111206403A (zh) * 2019-12-26 2020-05-29 陈国卫 设有过滤装置的干洗机

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