JPH10243999A - ポリスルホン系血液透析膜 - Google Patents

ポリスルホン系血液透析膜

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JPH10243999A
JPH10243999A JP6902097A JP6902097A JPH10243999A JP H10243999 A JPH10243999 A JP H10243999A JP 6902097 A JP6902097 A JP 6902097A JP 6902097 A JP6902097 A JP 6902097A JP H10243999 A JPH10243999 A JP H10243999A
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JP
Japan
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hydrophilic polymer
polysulfone
membrane
hollow fiber
separation layer
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JP6902097A
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Inventor
Masaya Fukuya
正哉 福家
Tomoji Hanai
智司 花井
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性高分子を含有するが、その溶出を抑
え、かつ不要物質の除去、有用物質の回収を効率よく行
うことができる分子量分画性がシャープなポリスルホン
系血液透析膜を提供する。 【解決手段】 親水性高分子を含有するポリスルホン系
中空糸膜において、選択分離層の厚さが2〜15μmで
あり、熱水で抽出される親水性高分子が中空糸膜1g当
たり0.5mg以下であることを特徴とするポリスルホ
ン系血液透析膜。α1−MGのふるい係数が0.1以上
であり、アルブミンのふるい係数が、0.02以下であ
る中空糸膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性高分子を含
有するポリスルホン系中空糸膜に関する。更に詳細に
は、選択分離層の厚みを適切にし、分画特性を改良した
ポリスルホン系血液透析膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスルホン系ポリマーは疎水性の素材
であるために、これを素材とした選択透過性分離膜は、
セルロース系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系
などの親水性の素材を用いた選択透過性分離膜に比べ
て、水濡れ性が悪い。そこでポリスルホン系ポリマーか
らなる選択透過性分離膜に親水性ポリマーを含有させた
選択透過性分離膜とその製法が提案されている。例えば
特公平5−54373号には疎水性ポリマー及びそれら
の共通溶媒からなる低粘度の原液を紡糸する事により製
造された、親水性ポリマーを1〜10重量%含有させ、
かつ3〜10%の吸水能力を有する血液処理用の中空繊
維膜とその製法が開示されている。特開平4−3006
36号には、架橋して水に不溶化し、ヒドロゲル状態で
膜中に存在する親水性高分子を含むポリスルホン系選択
透過性中空糸膜とその製造法が開示されている。特開平
6−165926号には内表面側に緻密層を持つポリス
ルホン系中空繊維膜において、少なくとも1重量%のポ
リグリコール類と1〜8重量%のビニルピロリドン系ポ
リマーを含有し、かつ中空繊維膜の内表面の緻密層に存
在するポリスルホン系ポリマーとビニルピロリドン系ポ
リマーの重量比率が90:10〜60:40で、しかも
中空繊維膜の内表面の上記緻密層に存在するビニルピロ
リドン系ポリマーの重量比率が外表面層に存在するビニ
ルピロリドン系ポリマーの重量比率の少なくとも1.1
倍であることを特徴とするポリスルホン系中空繊維膜と
その製造方法が開示されている。近年、透析合併症の原
因として、β2−ミクログロブリン等の低分子蛋白が挙
げられ、これらを血液から効率よく除去できる高性能な
透析膜が望まれている。上記した従来の技術では、分画
性に対する十分な検討がなされておらず、必ずしも満足
いくものではない。即ち、低分子蛋白の除去を良くしよ
うと膜の透過性能を上げると、アルブミンなど有用タン
パクのリークが問題となるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の問
題点を解消し、親水性高分子を含有するが、その溶出が
抑えられ、かつ不要物質の除去、有用物質の回収を効率
よく行うことができる分子量分画性がシャープなポリス
ルホン系血液透析膜を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、膜中で実質的に溶質分
子をふるい分ける効果を持つ選択分離層の厚みを適切に
制御し、溶出しやすい親水性高分子を選択除去し、その
溶出を抑えることにより、上記課題が解決されることを
見出した。即ち、本発明は、親水性高分子を含有するポ
リスルホン系中空糸膜において、選択分離層の厚さが2
〜15μmであり、熱水で抽出される親水性高分子が中
空糸膜1g当たり0.5mg以下であることを特徴とす
るポリスルホン系血液透析膜を提供する。溶質分子のふ
るい分けは、溶質分子の大きさと膜の孔の大きさによっ
て決められる。即ち、膜の孔径よりも小さい溶質分子
は、膜を透過できるが、膜の孔径よりも大きな溶質分子
は透過できない。この原理によって、溶質分子のふるい
分けが起きる訳であるが、膜構造が不均一な膜の場合、
膜断面方向で孔径が小さくなったところ、即ち、本発明
でいう選択分離層でふるい分けが起こる。一般に、ポリ
マー部分の緻密な構造のところで膜孔径は小さく、従っ
て、本発明でいう選択分離層は、膜断面の透過型電子顕
微鏡像から判読できる。即ち、膜断面の透過型電子顕微
鏡の像を一定の幅で区切り、画像解析を行い、ポリマー
部分が占める割合(組織率)を求める。この操作を中空
糸内側から中空糸外側に向けて行うと、中空糸膜断面方
向での組織率の分布が判明する。後述するように、膜内
には孔径分布があるが、それを考慮し、本発明では、選
択分離層を、画像解析の幅を0.5〜1.0μmとして
画像解析したとき、組織率の最も高かった値から、30
%以内の範囲にある部分と定義し、その厚みを測定し
た。膜の分画特性は多層構造モデルで説明される。即
ち、膜面に対して平行に(従って、膜断面に対して垂直
に)膜をスライスした多数の層が積層した構造を想定す
る。溶質分子は、この層毎にふるい分けられ、膜全体で
は多段濾過が行われていると考える。層毎に平均孔径は
異なっているが、1つの層を取り上げると、その層内の
孔径には分布があるため、平均孔径が最小の層だけが溶
質をふるい分ける効果があるのではなく、平均孔径が若
干大きくなった層も、通り抜けてきた大きな溶質分子を
捕捉することができる。言い換えると平均孔径が小さな
層で孔径の大きなところをすり抜けてきた溶質分子が、
平均孔径がやや大きくなったが溶質分子よりもサイズの
小さな孔で十分に捕捉される。従って、選択分離層とし
ては、平均孔径が最小な層から若干大きくなった層まで
が有効である。本発明では、選択分離層の平均孔径は、
膜断面の透過型電子顕微鏡の画像より、その空隙のサイ
ズを読み取ることによっても算出できるが、繁雑な作業
であると共にサイズ自身小さくて誤差が大きくなる。こ
のため、本発明では、孔径そのものでなく、比較的大き
な溶質の透過性に置き換えて評価する。即ち、本発明で
は、ヒト血清を用いて測定したα1−ミクログロブリン
(α1−MG)のふるい係数を用いて、選択分離層の孔
の大きさを評価する。
【0005】分画特性のシャープさには、選択分離層の
厚みが重要である。選択分離層が薄い場合は、平均孔径
を少し上げて分子量分画性を良くしようとすると有用な
血漿蛋白であるアルブミンが透過しやすくなる。これ
は、選択分離層内には孔径の分布があり、平均孔径をあ
げるとそれに応じてアルブミンが透過できる孔も多くな
る。選択分離層が薄い場合は一旦孔径の大きな部分から
リークしたアルブミンを捕捉する別な選択分離層がない
ため、そのまま膜を透過することになる。また、紡糸条
件の僅かな変動等の影響で選択分離層に構造欠陥が生じ
た場合にも、特に高分子量物質のリークが顕著になる。
一方、選択分離層が厚い場合は、膜構造を比較的ルーズ
にして、α1−MGのふるい係数を上げても、その厚さ
が厚ければアルブミンのリークは少なく、即ち分子量分
画特性がシャープになる。これは、膜の選択分離層が厚
いために、1つの層でアルブミンが透過しても、選択分
離層のどこかの層で捕捉され、結果的に膜を透過する確
率が低くなるためである。しかしながら、選択分離層が
厚すぎると透過抵抗が大きくなりすぎるため、本発明で
は、2μm〜15μmであることが必要であり、更に好
ましくは3μm〜12μmであり、5μm〜10μmが
より望ましい。不要な血漿蛋白を除去するためには、選
択分離層の孔径が大きいほど望ましく、本発明の膜で
は、α1−MGのふるい係数が0.1以上が好ましく、
更に0.2以上が望ましい。更に、本発明では、選択分
離層の厚みを適切にすることにより、このようなα1−
MG ふるい係数を有しながら、アルブミンのふるい係
数が、0.02以下、好ましくは0.01以下である中
空糸膜を提供することができる。中空糸膜断面における
選択分離層の位置は、中空糸内側にあっても、断面中心
部にあっても、あるいは中空糸内側と中空糸外側の両方
にあっても良く、位置は特に限定されないが、中空糸内
側に流通する血液から蛋白が膜に侵入し、膜内が蛋白で
汚染されやすくなるので、本発明では選択分離層が中空
糸内側にあることが好ましい。
【0006】本発明におけるポリスルホン系血液透析膜
は親水性高分子を含有するものである。親水性高分子の
含有量が少ないと、膜表面の親水性が悪くなり、血漿蛋
白を吸着して性能劣化を招くと共に血液凝固が起こり易
くなる。逆に、多すぎても、膜表面の親水性付与には役
立たず、紡糸原液への仕込み量の増加に伴って、粘度が
増大し、安定な紡糸が難しくなること及び製造コストが
高くなることなどの不利なことが出てくる。それだけで
なく、ポリスルホン系ポリマー粒子に強く取り込まれず
に溶出し易くなっている親水性高分子の量が増えるだけ
という欠点も発生する。このため、本発明では、親水性
高分子の重量比率が1〜5%であることが好ましく、2
〜4.5%であることが更に好ましい。ここで、ポリス
ルホン系血液透析膜中に存在する親水性高分子の重量比
率を測定する方法としては、元素分析を用いて測定した
総窒素から算出する方法、または熱分解ガスクロマトグ
ラフィーなどの手法で定量する方法が例示できる。
【0007】本発明におけるポリスルホン系血液透析膜
は、親水性高分子を含有するものであるが、膜からの溶
出が抑えられたものである。本発明では、分画特性を良
くするため、選択分離層、即ちポリマー部分の多い緻密
層を上述のような適切な厚みに設定している。緻密層は
空隙も少なく、この部位の親水性高分子が洗浄され難
く、このため親水性高分子の溶出がより多くなることは
容易に推測される。本発明では、後述するようにこのよ
うな洗浄し難い親水性高分子が洗浄出来ることを見いだ
し、溶出可能な親水性高分子を極力減らすことにより、
膜からの溶出量を低減させたものである。本発明では、
親水性高分子の膜からの溶出は、次のように評価され
る。即ち、中空糸膜0.1gを細かく切り刻み、70℃
の熱水5cc中に浸漬し、1時間抽出を行う。抽出液を
被検液とし、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)にて親水性高分子の定量を行う。このような
方法により、熱水で抽出される親水性高分子量が測定出
来るが、本発明では、その量は、中空糸膜1g当たり
0.5mg以下であることが必要であり、これにより、
本発明の中空糸膜を血液透析用途で使用する場合、血液
中への親水性高分子の溶出量を実質上無視出来る程度に
抑えることが出来る。本発明では、膜中に直径が1μm
以上の空隙を有するボイド状構造の膜であっても構わな
いが、この空隙に空気が残存して血液凝固を悪化させる
こともある。このため、本発明では、実質的にこのよう
な空隙を含まないスポンジ状の膜構造であることが好ま
しい。
【0008】本発明で使用されるポリスルホン系ポリマ
ーとは、化1もしくは化2の繰り返し単位からなるポリ
マーであるが、官能基を含んでいたり、アルキル系の基
を含むものでもよく、特に限定されるものではない。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】また、本発明で使用される親水性高分子と
しては、例えばポリビニルピロリドン(以下PVPとい
う)、ポリエチレングリコール、ポリグリコールモノエ
ステル、デンプン及びその誘導体、カルボキシメチルセ
ルロース、酢酸セルロースなどの水溶性セルロース誘導
体を挙げることができる。これら親水性高分子は、それ
ぞれ単独で使用することができ、また組み合わせて使用
することも可能である。これら水溶性高分子とポリスル
ホン系ポリマーをそれらに共通の溶媒に溶解し、均一な
紡糸原液を得た後、乾湿式紡糸で中空糸に製膜する。孔
径制御のため、紡糸原液には水などの添加物を加えても
良い。ここで、ポリスルホン系ポリマー及び親水性高分
子を共に溶解する溶媒としては、例えば、ジメチルアセ
トアミド(以下DMACという)、ジメチルスルホキシ
ド(以下DMSOという)、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジオキサン等
を挙げることができる。これら溶媒は、それぞれ単独で
使用することができ、また組み合わせて使用することも
可能である。
【0012】中空糸膜を製膜するに際してはチューブイ
ンオリフィス型の二重紡口を用い、該紡口から前記紡糸
原液と該紡糸原液を凝固させる為の中空内液とを同時に
空中に押し出し、空走部を走行させた後、紡口下部に設
置した水を主体とする凝固浴中へ浸漬、凝固させた後巻
き取る。巻き取られた中空糸膜から、洗浄により過剰な
親水性高分子や溶剤が除去され、必要に応じてグリセリ
ンを付与した後、乾熱等により乾燥する。過剰な親水性
高分子を洗浄除去する洗浄液として、アルコール系溶剤
やポリスルホン系ポリマーの良溶媒と貧溶媒の混合溶剤
が例示される。より詳細には、130〜160℃の高温
のグリセリンや50〜98℃のDMAC水溶液及びまた
はDMSO水溶液が挙げられる。洗浄方式として、これ
ら洗浄液に中空糸を浸漬する方法、これら洗浄液を中空
糸にシャワーする方法、これら洗浄液中を中空糸を走行
させる方法等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではなく、洗浄液と中空糸との接触を図る方法であれば
よい。
【0013】本発明の目的を達成するためには、選択分
離層の平均孔径(言い換えると膜の疎密)と厚みが重要
であり、これらを制御するには、上記製膜の工程が大き
く関与する。まず、中空内液の種類及び濃度が重要であ
り、ポリスルホン系ポリマーの良溶媒と貧溶媒の混合溶
剤、たとえばジメチルアセトアミド水溶液が好んで用い
られる。中空内液中の溶剤濃度を高くすると凝固力が弱
くなるために緩やかに凝固が進む結果、緻密な凝集構造
をとることができず、選択分離層は疎な構造になる。次
に、紡糸原液の粘度が重要で、粘度が高いと凝固時にポ
リスルホン系ポリマーの移動が抑えられ、同条件で粘度
が低い場合に比べて選択分離層は厚くなる。紡糸原液の
粘度は、親水性高分子の分子量、紡糸原液中のポリスル
ホン系ポリマー及び親水性高分子の濃度、紡糸原液の温
度等に依存し、どの要因も選択分離層の形成に重大な影
響を及ぼす。また、紡糸ドラフトも重要な要因で、厚い
選択分離層を持たせるためには紡糸ドラフトを上げる必
要がある。選択分離層の形成に影響を及ぼす因子は、こ
の他にも、紡糸口金から凝固浴までの空走部の距離、紡
口サイズ、凝固浴の温度と組成、紡速、紡糸原液に使用
する溶剤などがあるが、溶質の透過性能との兼ね合い、
目的等を考慮して設定する必要がある。
【0014】以下、本発明の実施例を比較例と共に示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】ポリスルホン(P−1700:AMOCO
社製)18重量部とPVP(K−90:ISP社製)5
重量部をDMAC77重量部に溶解し、10時間攪拌し
紡糸原液とした。40重量%のDMAC水溶液を中空内
液とし、上記紡糸原液を45℃の状態で同時に二重紡口
からドラフト率3.2倍で押し出し、30cmの空走部
を経て、50℃の水からなる凝固浴に導いた後カセ状に
巻き取った。85℃の45%DMAC水溶液で50分洗
浄した後、90℃の熱水で20時間水洗を行い、グリセ
リンを付与し、更に乾熱乾燥した。得られた中空糸膜か
らグリセリンを除いた後、四酸化オスミウム水溶液で染
色し、脱水後エポキシ樹脂で包埋し、硬化後超ミクロト
ームを用いて約60nmの超薄切片を作成してTEM
(JEM2000FX)観察を行った。得られたTEM
像を用いて0.7μm間隔で中空糸内表面側から外表面
側に向けて画像解析装置(IP−1000:旭化成社
製)を用いて組織率を測定した。得られたデータを膜内
表面からの距離に対してプロットし、選択分離層の厚み
を求めた。結果を表1に示す。
【0015】
【実施例2】ポリスルホン(P−1700:AMOCO
社製)16重量部とPVP(K−90:ISP社製)4
重量部をDMAC80重量部に溶解し、10時間攪拌し
紡糸原液とした。30重量%のDMAC水溶液を中空内
液とし、上記紡糸原液を55℃の状態で同時に二重紡口
からドラフト率1.4倍で押し出し、55cmの空走部
を経て、50℃の水からなる凝固浴に導いた後カセ状に
巻き取った。85℃の45%DMAC水溶液で50分洗
浄した後、90℃の熱水で20時間水洗を行い、グリセ
リンを付与し、更に乾熱乾燥した。得られた中空糸膜か
らグリセリンを除いた後、四酸化オスミウム水溶液で染
色し、脱水後エポキシ樹脂で包埋し、硬化後超ミクロト
ームを用いて約60nmの超薄切片を作成してTEM
(JEM2000FX)観察を行った。得られたTEM
像を用いて0.7μm間隔で中空糸内表面側から外表面
側に向けて画像解析装置(IP−1000:旭化成社
製)を用いて組織率を測定した。得られたデータを膜内
表面からの距離に対してプロットし、選択分離層の厚み
を求めた。結果を表1に示す。
【0016】
【比較例1】ポリスルホン(P−1700:AMOCO
社製)20部とPVP(K−90:ISP社製)6重量
部をDMAC74重量部に溶解し、10時間攪拌し紡糸
原液とした。45重量%のDMAC水溶液を中空内液と
し、上記紡糸原液を45℃の状態で同時に二重紡口から
ドラフト率3.4倍で押し出し、70cmの空走部を経
て、50℃の水からなる凝固浴に導いた後カセ状に巻き
取った。85℃の45%DMAC水溶液で50分洗浄し
た後、90℃の熱水で20時間水洗を行い、グリセリン
を付与し、更に乾熱乾燥した。得られた中空糸膜からグ
リセリンを除いた後、四酸化オスミウム水溶液で染色
し、脱水後エポキシ樹脂で包埋し、硬化後超ミクロトー
ムを用いて約60nmの超薄切片を作成してTEM(J
EM2000FX)観察を行った。得られたTEM像を
用いて0.7μm間隔で中空糸内表面側から外表面側に
向けて画像解析装置(IP−1000:旭化成社製)を
用いて組織率を測定した。得られたデータを膜内表面か
らの距離に対してプロットし、選択分離層の厚みを求め
た。結果を表1に示す。
【0017】
【比較例2】ポリスルホン(P−1700:AMOCO
社製)18部とPVP(K−30:ISP社製)9重量
部をDMAC43重量部とDMSO29重量部及び水1
重量部に加えて溶解し、10時間攪拌し紡糸原液とし
た。30重量%のDMAC水溶液を中空内液とし、上記
紡糸原液を60℃の状態で同時に二重紡口からドラフト
率1.3倍で押し出し、30cmの空走部を経て、50
℃の水からなる凝固浴に導いた後カセ状に巻き取った。
85℃の45%DMAC水溶液で50分洗浄した後、9
0℃の熱水で20時間水洗を行い、グリセリンを付与
し、更に乾熱乾燥した。得られた中空糸膜からグリセリ
ンを除いた後、四酸化オスミウム水溶液で染色し、脱水
後エポキシ樹脂で包埋し、硬化後超ミクロトームを用い
て約60nmの超薄切片を作成してTEM(JEM20
00FX)観察を行った。得られたTEM像を用いて
0.7μm間隔で中空糸内表面側から外表面側に向けて
画像解析装置(IP−1000:旭化成社製)を用いて
組織率を測定した。得られたデータを膜内表面からの距
離に対してプロットし、選択分離層の厚みを求めた。結
果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【実施例3】実施例1、2及び比較例1、2で得られた
中空糸を用い、100本からなるミニモジュール(有効
長25cm)を作成し、蛋白濃度6.5g/dLの人血
清を線速度0.4cm/秒で中空糸内側に流通した。膜
間圧力差25mmHgで採取した濾液及び元液中のα1
−MGおよびアルブミンの濃度を測定し、その比よりふ
るい係数を算出した。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】
【実施例4】実施例1、2及び比較例1、2で得られた
中空糸の膜中に存在する親水性高分子の重量比率を元素
分析から求めた値、及び親水性高分子の熱水への抽出量
を表1に示す。
【0022】
【発明の効果】本発明のポリスルホン系血液透析膜は、
公知の同種透析膜に比較して、表1及び表2に示すよう
に、親水性高分子を含有するがその溶出が抑えられ、か
つ不要物質の除去、有用物質の回収を効率良く行うこと
ができる分子量分画性がシャープな膜であり、その有用
性は大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性高分子を含有するポリスルホン系
    中空糸膜において、実質的に分離機能を有する選択分離
    層の厚さが2〜15μmであり、熱水で抽出される親水
    性高分子が中空糸膜1g当たり0.5mg以下であるこ
    とを特徴とするポリスルホン系血液透析膜。
  2. 【請求項2】 選択分離層が中空糸内表面側に存在する
    請求項1記載のポリスルホン系血液透析膜。
  3. 【請求項3】 親水性高分子がポリビニルピロリドンで
    ある請求項1記載のポリスルホン系血液透析膜。
  4. 【請求項4】 ポリスルホン系血液透析膜中に存在する
    親水性高分子の重量比率が1〜5重量%である請求項1
    記載のポリスルホン系血液透析膜。
  5. 【請求項5】 アルブミンのふるい係数が0.02以下
    であり、かつα1−ミクログロブリンのふるい係数が
    0.1以上である請求項1記載のポリスルホン系血液透
    析膜。
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