JPH102411A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JPH102411A
JPH102411A JP8151343A JP15134396A JPH102411A JP H102411 A JPH102411 A JP H102411A JP 8151343 A JP8151343 A JP 8151343A JP 15134396 A JP15134396 A JP 15134396A JP H102411 A JPH102411 A JP H102411A
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JP
Japan
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vehicle
speed
shift
information
driver
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Application number
JP8151343A
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English (en)
Inventor
Takashi Ono
崇 小野
Shigeki Fukushima
滋樹 福島
Hiroshi Kawauchi
浩 川内
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両前方の道路状況を常に正確に把握でき、
この道路状況に応じたドライバの変速操作意思を事前に
好適に変速制御に反映可能な車両用自動変速機の変速制
御装置を提供する。 【解決手段】 変速制御装置は、車両前方の道路状況を
撮影するカメラ(130)と、このカメラにより撮影された
画像を画像処理し、道路状況を画像処理情報(カーブ
度、勾配度)として認識する画像処理手段(200)と、車
速V及びエンジン負荷情報VAに基づき目標変速段を設
定する目標変速段設定手段(150)と、画像処理情報に基
づいて自動変速機に期待される運転者の変速操作意思を
ファジイ推論し、このファジイ推論の結果に基づき目標
変速段を補正する補正手段(350)とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用自動変速
機の変速制御装置に係り、詳しくは道路状況や車両情報
を考慮して変速制御可能な自動変速機の変速制御装置に
関する。
【0002】
【関連する背景技術】従来より、車両用の変速機とし
て、変速操作を自動化した自動変速機が多用されてい
る。通常、この自動変速機では、車速やアクセル開度等
に応じて目標変速段を設定している。しかしながら、こ
の目標変速段にはドライバ(運転者)の変速操作意思が
充分に反映されていないことが多い。従って、この場合
には、ドライバの意に反した変速が行われてしまう虞が
ある。
【0003】このようなことから、路面勾配情報や車
速、アクセル開度、ブレーキの作動状況等の車両情報に
基づいてファジイ推論を行い、所望のファジイルールの
成立に応じて変速マップの変速特性を切換える等し、こ
れにより、ドライバの意思を反映して変速を行う構成の
変速制御装置が特開平1−255748号公報や特開平
2−3738号公報等に開示されている。
【0004】また、最近では、ナビゲーションシステム
に道路の路面勾配情報を記憶させておき、これにより、
常に車両の走行位置前方の路面勾配を予測し、変速段を
この路面勾配に応じた変速段、即ちドライバの意思を反
映した変速段に事前に補正しながら走行する構成の変速
制御装置が特開平2−309049号公報等に開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2−309
049号公報に開示された変速制御装置を用いるように
すれば、車両が実際に勾配を有する坂路に突入する前
に、事前に変速段がドライバの意思を反映した最適変速
段に良好に変速制御されることになり、滑らかな走行が
期待される。しかしながら、ここで使用される道路の路
面勾配情報は、予めナビゲーションシステムに記憶され
たものであることから、必ずしも現時点の道路状況を正
確に表しているとは限らない。つまり、道路工事等によ
り道路の勾配が変化してしまっていることもあり得、上
記のように予め記憶された路面勾配情報をもとに変速制
御する構成の変速制御装置では、このような道路状況の
経時変化には対応できないのである。また、新しく建設
された道路があるような場合にも、この道路の路面勾配
情報は記憶されていないため、上記同様に全く対応する
ことができない。従って、上記公報に開示された変速制
御装置は、ドライバの意思を充分に反映したものとは言
い難い。
【0006】また、この装置の場合、ナビゲーションシ
ステム内のメモリにできるだけ多くの道路の路面勾配情
報を記憶させておく必要がある。しかしながら、路面勾
配情報は膨大であり、このように路面勾配情報を記憶し
ておくことはメモリ装置を大型化させることに繋がり好
ましいことではない。本発明は、上述した事情に基づき
なされたもので、その目的とするところは、車両前方の
道路状況を常に正確に把握でき、この道路状況に応じた
ドライバの変速操作意思を事前に好適に変速制御に反映
可能な車両用自動変速機の変速制御装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、車速を検出する車速検出手段
と、エンジン負荷情報を検出するエンジン負荷情報検出
手段と、車両に搭載され、車両前方の道路状況を撮影す
るカメラと、前記カメラにより撮影された画像を画像処
理し、前記道路状況を画像処理情報として認識する画像
処理手段と、前記車速及び前記エンジン負荷情報をパラ
メータとして自動変速機の目標変速段を設定する目標変
速段設定手段と、前記画像処理情報をパラメータとして
前記道路状況に応じ前記自動変速機に期待される運転者
の変速操作意思をファジイ推論し、このファジイ推論の
結果に基づき前記目標変速段を補正する補正手段と、前
記目標変速段に基づき変速段を切換制御する制御手段と
を備えることを特徴としている。
【0008】従って、通常は、車速及びエンジン負荷情
報をパラメータとして目標変速段が設定され、これによ
り変速段が切換制御される。一方、車両前方の道路状況
を撮影するカメラからの画像処理情報をパラメータとし
て道路状況に応じた運転者の変速操作意思がファジイ推
論されており、このファジイ推論により所望のファジイ
ルールが成立するとき、目標変速段が運転者の変速操作
意思を反映すべく好適に補正される。故に、道路状況に
応じた所望のファジイルールが成立したときには、変速
段は、事前にこの補正された目標変速段に基づき切換制
御される。
【0009】また、請求項2の発明では、車両の負荷情
報を含む車両情報を検出する車両情報検出手段をさらに
有し、前記補正手段は、前記画像処理情報とともに前記
車両情報をもパラメータとして前記道路状況及び前記車
両情報に応じた運転者の変速操作意思をファジイ推論
し、このファジイ推論の結果に基づき前記目標変速段を
補正することを特徴としている。
【0010】従って、画像処理情報のみならず車両情報
をもパラメータとして道路状況及び車両情報に応じた運
転者の変速操作意思がファジイ推論され、このファジイ
推論により所望のファジイルールが成立するとき、目標
変速段が運転者の変速操作意思を反映すべくさらに好適
に補正される。また、請求項3の発明では、前記道路状
況は車両前方の道路の勾配状況を含み、前記画像処理手
段は、車両前方の道路の勾配度を前記画像処理情報とし
て認識することを特徴としている。
【0011】従って、車両前方の道路の勾配度が画像処
理情報として認識され、この勾配度に応じた運転者の変
速操作意思がファジイ推論される。そして、このファジ
イ推論により所望のファジイルールが成立するとき、目
標変速段が勾配度に応じた運転者の変速操作意思を反映
すべく好適に補正され、変速段が事前にこの補正された
目標変速段に基づき切換制御される。これにより、車両
が坂路に突入したときには、良好な坂路走行が実現され
る。
【0012】また、請求項4の発明では、前記補正手段
は、前記車両前方の道路の勾配度に応じた運転者の変速
操作意思をファジイ推論し、前記勾配度が大の場合に
は、前記目標変速段を1段低速段とするような前記運転
者の変速操作意思を示すファジイルールに基づき、前記
目標変速段を前記1段低速段側に補正することを特徴と
している。
【0013】従って、車両前方の道路の勾配度が大の場
合には、目標変速段を1段低速段とするような運転者の
変速操作意思を示すファジイルールに基づいて、目標変
速段が1段低速段側に補正される。つまり、車両が勾配
度の大きな坂路に差し掛かろうとしているときには、事
前に変速段が目標変速段よりも1段低速段側に補正さ
れ、車両が坂路に突入したときにあっては、エンジンブ
レーキが良好に作用し、好適な坂路走行が実現される。
【0014】また、請求項5の発明では、前記道路状況
は車両前方の道路のカーブ状況を含み、前記画像処理手
段は、車両前方の道路のカーブ度を前記画像処理情報と
して認識することを特徴としている。従って、車両前方
の道路のカーブ度が画像処理情報として認識され、この
カーブ度に応じた運転者の変速操作意思がファジイ推論
される。そして、このファジイ推論により所望のファジ
イルールが成立するとき、目標変速段がカーブ度に応じ
た運転者の変速操作意思を反映すべく好適に補正され、
変速段が事前にこの補正された目標変速段に基づき切換
制御される。これにより、車両がコーナに突入したとき
には、良好なコーナ走行が実現される。
【0015】また、請求項6の発明では、前記補正手段
は、前記車両前方の道路のカーブ度に応じた運転者の変
速操作意思をファジイ推論し、前記カーブ度が大の場合
には、前記目標変速段を1段低速段とするような前記運
転者の変速操作意思を示すファジイルールに基づき、前
記目標変速段を前記1段低速段側に補正することを特徴
としている。
【0016】従って、車両前方の道路のカーブ度が大の
場合には、目標変速段を1段低速段とするような運転者
の変速操作意思を示すファジイルールに基づいて、目標
変速段が1段低速段側に補正される。つまり、車両がカ
ーブ度の大きなコーナに差し掛かろうとしているときに
は、事前に変速段が目標変速段よりも1段低速段側に補
正され、車両がコーナに突入したときにあっては、高い
駆動力が車輪に伝達されることになり、好適なコーナ走
行が実現される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の車
両用自動変速機の変速制御装置の実施の形態を説明す
る。図1にはその全体構成を示す模式的な構成図を、図
2には変速制御装置の要部構成を示す模式的なブロック
図を示してある。先ず、図1を参照して本発明の車両用
自動変速機の変速制御装置の全体構成について説明す
る。
【0018】図1に示すように、本発明の変速制御装置
は、ディーゼルエンジン(以下、エンジンという)11
の回転駆動力をクラッチ15を有する歯車式変速機(以
下、単に変速機という)17を用いて自動変速するシス
テムに適用される。ここに、変速機17は、後退段の他
に前進7段の変速段を有している。エンジン11には、
燃料噴射ポンプ(以下、噴射ポンプという)21が設け
られており、この噴射ポンプ21のコントロールラック
(図示せず)には、エンジン回転数を検出するためのエ
ンジン回転センサ27が付設されている。
【0019】エンジン11からは、エキゾーストマニホ
ールド12を介して排ガスを導く排気管12aが延びて
おり、この排気管12aには、エンジン補助ブレーキの
一つである排気ブレーキ装置119が介装されている。
クラッチ15には、クラッチ用アクチュエータとしての
エアシリンダ33が設けられている。
【0020】ところで、エアシリンダ33には、エア通
路43が接続されており、従って、エアシリンダ33
は、エア通路43を介してエア源としてのエアタンク4
7に連結されている。エア通路43の途中には、3方向
電磁弁Wが設けられている。電磁弁Wは、エアシリンダ
33のオン時にはエアタンク47とエア通路とを接続す
るように制御され、エアシリンダ33のオフ時には、エ
ア通路を大気開放するよう制御される。
【0021】チェンジレバー61は、変速機17のセレ
クトレバーであって、N(ニュートラル)レンジ、R
(リバース)レンジ及び自動変速モードに相当するD
(ドライブ)レンジが設定されている。チェンジレバー
61には、変速段選択スイッチ63が接続されている。
この変速段選択スイッチ63は、チェンジレバー61が
操作されたときにチェンジレバー61の各レンジ及びポ
ジションを検出するものである。変速段選択スイッチ6
3は、変速制御手段としてのコントロールユニット(制
御手段)71に接続されている。また、後述するよう
に、コントロールユニット71は、変速機17のギヤの
噛み合い、即ちギヤ位置を切換えるためのギヤシフトユ
ニット65に接続されている。これにより、各レンジ及
びポジションの検出信号が変速段選択スイッチ63から
コントロールユニット71に供給されると、この信号に
応じてギヤシフトユニット65が作動し、変速機17の
ギヤ位置が、選択されたセレクトレンジ及びシフトポジ
ションに応じて切換えられるようにされている。
【0022】ギヤシフトユニット65には、各変速段を
検出するギヤ位置センサとしてのギヤ位置スイッチ75
が付設され、このギヤ位置スイッチ75からのギヤ位置
信号がコントロールユニット71に出力される。また、
変速機17の出力軸77には、車速信号を検出する車速
センサ(車速検出手段)79が付設され、さらに、アク
セルペダル81には、エンジン負荷情報としてその踏込
み量(アクセル開度VA)を検出するアクセル開度セン
サ(エンジン負荷情報検出手段)85が備えられてい
る。
【0023】ブレーキペダル69には、ブレーキペダル
69が踏込まれたときにブレーキ信号を出力するブレー
キセンサ87が取付けられている。なお、図1中符号1
20,121は、それぞれエンジン補助ブレーキである
排気ブレーキ装置119及びエンジンブレーキ補助装
置、即ち圧縮開放型エンジン補助ブレーキ装置(図示せ
ず)を作動待機状態と作動しない状態とに切換えるため
の排気ブレーキオンオフスイッチ及びエンジンブレーキ
補助装置オンオフスイッチであり、これらは運転席近傍
に配設されている。
【0024】図1中符号93は、コントロールユニット
71とは別に設けられたエンジンコントロールユニット
を示している。このエンジンコントロールユニット93
は、噴射ポンプ21内の電子ガバナ(図示せず)に対し
て、各センサからの情報やコントロールユニット71か
らのアクセル開度情報VA等に応じた信号を供給するも
のであって、エンジン11の駆動制御を行うものであ
る。
【0025】また、図1中符号130は、車両に搭載さ
れ、車両の前方を撮影可能なカメラ(例えば、CCDカ
メラ)を示している。このカメラ130は、車両の前面
に、車両の前方を撮影するよう取付けられている。これ
により、車両の前方に位置する物体や車線側縁を示す白
線や黄色線(以下、白線や黄色線を便宜的に白線Lとい
う)等の車線状況が良好に撮影可能とされている。
【0026】同図に示すように、カメラ130は、画像
処理コントローラ132に接続されている。そして、さ
らに、画像処理コントローラ132は、コントロールユ
ニット71に接続されている。これにより、カメラ13
0で撮影された車両前方の物体や白線Lが、画像処理コ
ントローラ132内で映像として画像処理され、所定の
出力信号が画像処理情報としてコントロールユニット7
1に供給される。
【0027】ところで、チェンジレバー61がDレンジ
にあるときには、変速段は車速V、アクセル開度VAや
エンジン回転数Neの各値に基づいて設定される。従っ
て、コントロールユニット71には、車速V、アクセル
開度VA及びエンジン回転数Neの各値に基づいて目標
変速段を決定するためのシフトマップが記憶されている
(図5参照)。つまり、チェンジレバー61がDレンジ
の場合には、通常は、このシフトマップから目標変速段
が読み出され、これに応じたシフト信号がギヤシフトユ
ニット65の各電磁弁73に出力されて変速が達成され
る。
【0028】次に、コントロールユニット71及び画像
処理コントローラ132の変速制御装置としての構成に
ついて説明する。図2に示すように、本発明の変速制御
装置は、チェンジレバー61がDレンジである場合に、
マップより車速センサ79からの車速情報V及びアクセ
ル開度センサ85からのアクセル開度情報VAに基づい
て目標変速段を設定する目標変速段設定部(目標変速段
設定手段)150と、カメラ130からの撮影情報によ
り車両前方に延びる車両両側の一対の白線L,Lを認識
し、さらにこの白線L,Lの認識情報に基づき道路のカ
ーブ度及び勾配度を求める画像処理部(画像処理手段)
200と、ラック位置検出センサ123からの位置情報
SRC、エンジン回転センサ27からのエンジン回転数
情報Ne、排気ブレーキオンオフスイッチ120からの
排気ブレーキ情報、車速センサからの車速情報Vに基づ
き車両の負荷情報としての車両負荷度αVLを算出する車
両負荷度算出部(車両情報検出手段)300と、これら
目標変速段設定部150、画像処理部200、車両負荷
度算出部300からの出力や上記アクセル開度情報V
A、ブレーキセンサ87からのフットブレーキ情報、ギ
ヤ位置スイッチ75からのギヤ位置情報に基づきドライ
バの意思を反映させて目標変速段を補正する最適変速段
決定部(補正手段)350とから構成されている。
【0029】ここに、目標変速段設定部150、車両負
荷度算出部300及び最適変速段決定部350について
は、コントロールユニット71内に構築されており、画
像処理部200については画像処理コントローラ132
内に構築されている。目標変速段設定部150は、通常
の自動変速を行う際に必要な機能であって、この目標変
速段設定部150には、上記図5に示すシフトマップが
記憶されている。従って、目標変速段設定部150はマ
ップ形式の記憶手段として構成されている。
【0030】画像処理部200は、詳しくは、図3に示
すように、白線認識部202、カーブ度算出部204及
び勾配度算出部206から構成されている。白線認識部
202は、カメラ130からの映像を取り込んで車両前
方の走行車線上に延びる車両両側の白線L,Lを車線状
況として認識する機能を有している。そして、カーブ度
算出部204は、上記白線L,Lの認識情報に基づき、
車両前方の走行車線のカーブ(カーブ状況)の度合い
(カーブ度)を画像処理情報として算出する機能を有し
ており、また、勾配度算出部206は、やはり上記白線
L,Lの認識情報に基づき、車両前方の走行車線の勾配
(主として登坂路の勾配状況)の度合い(勾配度)を画
像処理情報として算出する機能を有している。
【0031】車両負荷度算出部300は、詳しくは、図
4に示すように、エンジントルク算出部302、駆動力
算出部304、空気抵抗算出部306、直線平坦路空車
相当加速度算出部(以下、空車相当加速度算出部とい
う)308、減算部310とから構成されている。エン
ジントルク算出部302は、ラック位置検出センサ12
3の位置情報SRCとエンジン回転数情報Neとからエ
ンジントルクTeを算出する機能を有しており、目標変
速段設定部150と同様にマップ形式の記憶部として構
成されている。
【0032】駆動力算出部304は、上記エンジントル
ク算出部302で求められたエンジントルク情報Teに
基づいて車両の駆動力Fを算出する機能を有している。
空気抵抗算出部306は、実車速情報Vから車両の走行
抵抗としての空気抵抗Rlを算出する機能を有してい
る。空車相当加速度算出部308は、上述の駆動力算出
部304で算出された駆動力情報Fと空気抵抗算出部3
06で算出された空気抵抗係数情報Rlとから、車両が
空車状態で直線平坦路を加速した場合の加速度、つまり
直線平坦路空車相当加速度α0を算出する機能を有して
いる。
【0033】そして、減算部310は、空車相当加速度
算出部308で算出された直線平坦路空車相当加速度情
報α0から車速センサ79からの実加速度情報αを減算
して車両負荷度情報αVLを求める機能を有している。図
2に戻り、最適変速段決定部350について説明する
と、最適変速段決定部350は、画像処理情報や車両状
態からファジイ理論を用いてドライバの意思を判定し、
目標変速段設定部150で設定された目標変速段を補正
しうるファジイ式最適変速段決定手段として構成されて
いる。
【0034】図6を参照すると、当該変速制御装置のメ
インルーチンを示すフローチャートが示されており、以
下、図6に基づき、図2を参照しながら変速制御装置の
制御手順について説明するとともに変速制御装置の作用
を説明する。ステップS10では、上記センサ類からの
出力信号がパラメータとして入力される。即ち、車速セ
ンサ79からの車速情報V、アクセル開度センサ85か
らのアクセル開度情報VA、カメラ130からの撮影情
報、ラック位置検出センサ123からの位置情報SR
C、エンジン回転センサ27からのエンジン回転数情報
Ne、排気ブレーキオンオフスイッチ120からの排気
ブレーキ情報、ブレーキセンサ87からのフットブレー
キ情報、ギヤ位置スイッチ75からのギヤ位置情報及び
エンジンブレーキ補助装置121からの補助ブレーキ情
報等が、図2に示すように、目標変速段設定部150、
画像処理部200、車両負荷度算出部300及び最適変
速段決定部350に入力される。
【0035】このように、各パラメータが入力された
ら、次にステップS12に進み、カメラ130からの撮
影情報に基づき、画像処理部200において画像処理が
実施される。この画像処理の実施にあたっては、図7に
示す画像処理ルーチンのフローチャートが実行される。
また、図10を参照すると、カメラ130の撮影画面2
10が示されており、以下、図7及び図10に基づき、
画像処理部200、即ち画像処理コントローラ132内
で実施される画像処理の手順を説明する。なお、図7の
フローチャート中のステップS30乃至S40は、主と
して図3中の白線認識部202で実行され、ステップS
42以降、カーブ度の算出に関しては、図3中のカーブ
度算出部204において実行され、勾配度の算出に関し
ては、勾配度算出部206において実行される。
【0036】ステップS30では、先ず、カメラ130
からの映像信号が画像処理コントローラ132に入力さ
れる。これにより、上記画面210上に車両の前方に延
びる走行車線の映像が映し出され、車両両側に延びる一
対の白線L,Lが画面210上で認識される(図10参
照)。白線L,Lが認識されたら、次にステップS32
に進む。このステップS32では、撮影画像に対して接
線またはマスク処理が行われる。
【0037】図10中に示すように、画面210上に
は、直線平坦路モデル画像211が予め基準データとし
て設定されている。この直線平坦路モデル画像211
は、車両の前方に、所定幅、即ち車両両側の白線L’,
L’間の距離DL'が一定の平坦路走行車線が直線的に延
びていると仮定した場合のモデル画像であって、走行車
線のカーブ度及び勾配度を求めるための基準画像とされ
る。
【0038】従って、このステップS32では、先ず、
この直線平坦路モデル画像211と実際に撮影されてい
る現在の実画像212とが画面210上で重ね合わさ
れ、互いに対比可能な状態とされる。なお、実際の白線
L,L間の距離DLが上記直線平坦路モデル画像211
の白線間距離DL'と一致していないような場合には、実
画像212において白線間距離DLを距離DL'とすべく
補正処理が行われるが、ここでは、説明を容易にするた
め、以下、実際の白線L,L間の距離DLと直線平坦路
モデル画像211の白線間距離DL'とが一致しているも
のとみなして説明する。
【0039】ステップS34では、実画像212上の車
両左側の白線L上に、任意の基準点Pnを3点以上(P
1,P2,P3・・・)プロットする。ここでは、説明を
簡単にするため、白線L上に点P1,点P2,点P3の3
点を基準点としてプロットする。そして、ステップS3
6では、車両左側の白線L上の各基準点P1〜P3を含む
水平線が車両右側の白線Lと交わる点Q1〜Q3を求め、
画面210上におけるこれら基準点P1〜P3と点Q1〜
Q3との間の距離DW1,DW2,DW3をそれぞれ求める。
即ち、基準点P1と点Q1との距離DW1、基準点P2と点
Q2との距離DW2及び基準点P3と点Q3との距離DW3を
求める。なお、図10中には、代表として、基準点P1
と点Q1との距離DW1のみに符号を付してある。
【0040】ステップS38では、直線平坦路モデル画
像211上の白線L’,L’間において、上記のように
して求めた距離DW1〜DW3と同一長さを有する水平線を
それぞれ求める。そして、これらの水平線が直線平坦路
モデル画像211上の白線L’,L’と交わる点をそれ
ぞれ点p1,点p2,点p3及び点q1,q2,q3とする。
【0041】ステップS40では、カメラ130から上
記各基準点P1〜P3までの実際の水平距離DY1,DY2,
DY3を測定する。上記のようにして求められた各基準点
P1〜P3及び点p1〜p3の範囲では、前述したように、
走行車線上の実際の白線L,L間の距離DLが直線平坦
路モデル画像211の白線間距離DL'と一致している。
従って、カメラ130から点p1〜p3及び点q1〜q3ま
での水平距離とカメラ130から各基準点P1〜P3及び
各点Q1〜Q3までの実際の水平距離とはそれぞれ略一致
していることになる。
【0042】また一方で、図10中の画面210の下端
から直線平坦路モデル画像211上の各点p1〜p3まで
の高さd1,d2,d3は、カメラ130から直線平坦路
の各点p1〜p3までの水平距離と一対一に対応してい
る。つまり、画面210上で高さd1,d2,d3が求め
られれば、各点p1〜p3までの水平距離、つまりカメラ
130から上記各基準点P1〜P3までの実際の水平距離
DY1〜DY3が一義に決定されることになる。
【0043】従って、このステップS40では、これら
高さd1,d2,d3を求め、これにより、カメラ130
から各基準点P1〜P3までの距離DY1〜DY3を求めるよ
うにしている。なお、カメラ130をステレオカメラと
し、ステレオ機能により各基準点P1〜P3までの水平距
離DY1〜DY3を求めるようにしてもよい。ステップS4
2では、上記のようにして求められた車両左側の白線L
上の基準点P1〜P3及び直線平坦路モデル画像211上
の点p1〜p3に基づき、車両前方の走行車線のカーブ度
成分及び勾配度成分を求める。
【0044】カーブ度成分について説明すると、ここで
は、先ず、図10中に示すように、各基準点P1〜P3と
各点p1〜p3との水平偏差a1,a2,a3を求める。こ
のようにして求められた水平偏差a1〜a3は、上述した
ように、カメラ130から各点p1〜p3までの距離とカ
メラ130から各基準点P1〜P3までの距離がそれぞれ
水平距離DY1〜DY3で等しいことから、即ち、直線平坦
路に対する実際の走行車線の水平横方向でのずれ量に対
応している。
【0045】図11を参照すると、画面210上に実際
には倒立して映し出される実画像212と被写体218
との関係が示されている。同図によれば、実画像212
上の水平距離(水平偏差)aと被写体218の実際の水
平距離(実水平偏差)Aとは、カメラ130のレンズ2
19の位置から被写体218、つまり、カメラ130か
ら被写体218までの水平距離DY及び画面210端か
ら実画像212までの距離dを用いて次式(1)で示され
る。
【0046】 A=[(DY2+t2)/{f2+(Vs/2−d)2}]1/2・a …(1) ここに、tは路面に対するレンズ219の高さ(設定
値)、fはレンズ219の焦点距離(設定値)、Vsは
画面210全体の上下長さ(設定値)をそれぞれ示して
いる。従って、この式(1)のa、d、DYに、上記のよう
にして求められた水平偏差a1〜a3、画面210上端か
ら直線平坦路モデル画像211上の点p1〜p3までの高
さd1〜d3及びカメラ130から各基準点P1〜P3まで
の実際の距離DY1〜DY3をそれぞれあてはめれば、走行
車線の実水平偏差A1〜A3、即ちカーブ度成分が容易に
算出される。
【0047】次に勾配度成分について説明すると、先
ず、図10中に示すように、各基準点P1〜P3と各点p
1〜p3との垂直偏差h1,h2,h3を求める。このよう
にして求められた垂直偏差h1〜h3は、上述したよう
に、カメラ130から各点p1〜p3までの距離とカメラ
130から各基準点P1〜P3までの距離がそれぞれ水平
距離DY1〜DY3で等しいことから、即ち、直線平坦路に
対する実際の走行車線の垂直方向のずれ量に対応してい
る。
【0048】図13を参照すると、画面210上に実際
には倒立して映し出される実画像212と被写体220
との関係が示されている。同図によれば、実画像212
上の垂直距離(垂直偏差)hと被写体220の実際の垂
直距離(実垂直偏差)Hとは、上記水平距離DYを用い
て次式(2)で示される。 H=DY/f・h =t/{(Vs/2)−DY}・h …(2) ここに、t、f及びVsは上述した通りである。
【0049】従って、この式(2)のh、DYに、上記のよ
うにして求められた垂直偏差h1〜h3及びカメラ130
から各基準点P1〜P3までの実際の距離DY1〜DY3をそ
れぞれあてはめれば、走行車線の実垂直偏差H1,H2,
H3、即ち勾配度成分が容易に算出される。このように
して、実水平偏差A1〜A3及び実垂直偏差H1〜H3、即
ちカーブ度成分と勾配度成分とが算出されると、次にス
テップS44が実行される。
【0050】ステップS44では、上記各実水平偏差A
1〜A3と各水平距離DY1〜DY3とが、図12に示すよう
に上面視座標系にそれぞれ基準点P1〜P3に対応して点
PH1(A1,DY1)、点PH2(A2,DY2)、点PH3(A
3,DY3)としてプロットされ、また、上記各実垂直偏
差H1〜H3と各水平距離DY1〜DY3とが、図14に示す
ように側面視座標系にそれぞれ基準点P1〜P3に対応し
て点PV1(DY1,H1)、点PV2(DY2,H2)、点PV3
(DY3,H3)としてプロットされる。
【0051】そして、ステップS46において、上記図
12及び図14に基づき、走行車線のカーブ度及び勾配
度がそれぞれ以下のようにして求められる。先ず、図1
2を参照してカーブ度の算出手順について説明する。こ
こでは、最初に、点PH1(A1,DY1)〜PH3(A3,D
Y3)のうちの各2点間を結ぶ直線の垂直2等分線をそれ
ぞれ求めるようにする。つまり、点PH1と点PH2、点P
H2と点PH3の各垂直2等分線m1,m2を次式(3),(4)か
ら求める。
【0052】
【数1】
【0053】そして、垂直2等分線m1,m2の交点M1
(A0,DY0)を次式(5),(6)からそれぞれ求める。
【0054】
【数2】
【0055】このように求められた交点M1(A0,DY
0)は、それぞれ点PH1、点PH2、点PH3を通る円の中
心座標を示している。このように交点M1(A0,DY0)
が求められると、図12の座標上でのこれら交点M1の
位置によって、走行車線が右カーブであるか或いは左カ
ーブであるかの判別を行うことができる。詳しくは、こ
の判別は、交点M1の各水平偏差成分A0と座標原点、即
ちゼロ値との大小比較によって行われる。即ち、水平偏
差成分A0がゼロ値より大(A0>0)の場合には、走行
車線は基準点P1〜P3に対応する範囲で右にカーブして
いるとみなせ(図10,12に示す状態)、一方、水平
偏差成分A0がゼロ値より小(A0<0)の場合には、走
行車線は基準点P1〜P3に対応する範囲で左にカーブし
ているとみなすことができる。点PH1〜PH3が略DY軸
上にプロットされ、交点M1(A0,DY0)が座標原点か
ら極めて遠く、即ち水平偏差成分A0の絶対値が無限大
に近い(|A0|≒∞)場合には、走行車線は略直線走
行路であるとみなすことができる。
【0056】そして、走行車線の上記基準点P1〜P3に
対応する範囲での曲率半径、即ち点PH1、点PH2、点P
H3を通る円の曲率半径rが次式(7)から算出される。 r={(A0−A)2+(DY0−DY)21/2 …(7) さらに、上記曲率半径rと車速Vとに基づき、次式(8)
から車両にかかる横加速度が推定される。つまり、それ
ぞれ推定横加速度GPREが求まる。
【0057】GPRE=V2/r …(8) そして、このように求められた推定横加速度GPREが、
即ちカーブ度を示すパラメータとして使用される。ま
た、参考までに記すと、点PH1、点PH2、点PH3を通る
円の方程式は次式(9)から求まる。
【0058】 (A−A0)2+(DY−DY0)2=r2 …(9) この式(9)において水平偏差成分Aに値0を代入する
と、水平距離DYを求めることができるが、この水平距
離DYは、即ち走行車線が車両前方でカーブし始める位
置を示している。次に、図14に基づいて勾配度の算出
手順について説明する。
【0059】ここでは、上記のように、図14の側面視
座標系にそれぞれプロットされた点PV1(DY1,H1)
〜PV3(DY3,H3)に基づき、これら点PV1(DY1,
H1)〜PV3(DY3,H3)を通る近似直線Sを最小自乗
法により求める。この近似直線Sは、例えば次式(10)に
示すような直線の式となる。 H=Kα(DY−Kβ) …(10) この近似直線Sの式において、係数Kαは直線の傾きを
示しているが、この係数Kαは、即ち、次式(11)で示す
ように走行車線の勾配tanθを表している。
【0060】tanθ=Kα …(11) 但し、θは走行車線の勾配角度を示す。従って、この勾
配tanθが、即ち勾配度を示すパラメータとされる。勾
配tanθが求められると、この勾配tanθの符号(+また
は−)に基づいて、走行車線が登坂路であるか降坂路で
あるかが判別される。即ち、勾配tanθがゼロ値より大
(tanθ>0)の場合には、走行車線は基準点P1〜点P
3に対応する範囲で登坂路であり、一方、勾配tanθがゼ
ロ値より小(tanθ<0)の場合には、走行車線は基準
点P1〜点P3に対応する範囲で降坂路であるとみなすこ
とができる。但し、実際には、車両の前方の降坂路につ
いては、カメラ130ではその降坂路全体を撮影するこ
とが不可能であり、勾配角度θが俯角である場合の勾配
tanθの認識範囲は制限される。勾配tanθが略ゼロ値で
ある場合には、走行車線は基準点P1〜点P3に対応する
範囲で略平坦路であるとみなすことができる。
【0061】ここに、上式(10)でHを値0とすれば、式
(10)はDY=Kβとされ、これにより、走行車線が車両
前方で傾斜し始めるまでの距離DYが値Kβとして求め
られる。以上のようにして、カーブ度、即ち推定横加速
度GPREが求められ、さらに勾配度、即ち勾配tanθが求
められると、これら、推定横加速度GPRE及び勾配tanθ
に対応する出力が、それぞれコントロールユニット71
の最適変速段設定部350に供給される。
【0062】このようにして、図6中のステップS12
においてカメラ130からの撮影情報に基づく画像処理
が実施され、走行車線前方のカーブ度及び勾配度が求め
られたら、次にステップS14に進む。このステップS
14では、車両負荷度αVLの算出が行われる。詳しく
は、ここでは、コントロールユニット71の車両負荷度
算出部300において、図8に示すような車両負荷度算
出ルーチンのフローチャートが実行される。以下、図8
に従って車両負荷度αVLの算出手順を説明する。
【0063】先ず、ステップS50では、上述したよう
に、エンジントルク算出部302においてエンジントル
クTeを算出する。そして、ステップS52で、駆動力
算出部304により車両の駆動力Fを算出する。ここで
は、上記エンジントルク算出部302で求められたエン
ジントルク情報Teに基づいて車両の駆動力Fを例えば
次式(12)により算出する。
【0064】F=(Te・it・if・η)/Rw …(12) ここに、itは変速段のギヤ比、ifは終減速ギヤ比(デ
ファレンシャルギヤ比)、ηは動力伝達効率、Rwはタ
イヤ動半径である。次のステップS54では、空気抵抗
算出部306により車両の空気抵抗Rlを算出する。こ
こでは、実車速情報Vから車両の走行抵抗としての空気
抵抗Rlを次式(13)により算出する。
【0065】Rl=λ・As・V2 …(13) 但し、λは空気抵抗係数、Asは車両の前面投影面積、
Vは実車速である。ステップS56では、空車相当加速
度算出部308において、上記ステップS52で算出さ
れた駆動力情報FとステップS54で算出された空気抵
抗情報Rlとから、直線平坦路空車相当加速度α0を算出
する。この直線平坦路空車相当加速度α0は車両の駆動
力Fを用いて次式(14)により算出される。
【0066】 α0=g・{F−(μW0+Rl)}/(W0+Wr) …(14) 但し、gは重力加速度、μは路面摩擦係数、W0は空車
重量、Wrは回転部重量である。そして、ステップS5
8では、ステップS56で算出された直線平坦路空車相
当加速度α0と車速センサ79からの実加速度情報αと
に基づいて車両の負荷度情報αVLを次式(15)から算出す
る(減算部310)。なお、実加速度情報αは過去数回
の実加速度の平均値である。
【0067】αVL=α0−α …(15) ところで、この車両負荷度情報αVLは、車両の重量及び
車両の勾配抵抗に相当するものである。即ち、αVL>0
であれば車両負荷が重く、αVL<0であれば車両負荷が
軽いということができる。従って、このαVLの値の大き
さから、どの程度車両負荷が重い(或いは軽い)のかを
判定することができる。
【0068】このようにして、車両負荷度αVLが求めら
れたら、図6に戻り、次にステップS18に進む。ステ
ップS18では、目標変速段設定部150において、車
速Vとアクセル開度VAとに基づき、上記シフトマップ
(図5参照)に従い、走行状態に適した目標変速段を求
める。
【0069】そして、ステップS20では、最適変速段
決定部350において、ステップS14で求めた車両負
荷度αVLの他、上記カーブ度を示す推定横加速度GPRE
及び勾配度を示す勾配tanθの各情報や上記アクセル開
度情報VA、アクセル開度変化情報ΔVA、車速情報
V、ブレーキ情報、現在の変速段情報等に基づいてドラ
イバ意思のファジイ推論を行う。詳しくは、これら画像
処理情報や車両状態を前件部とする複数のファジイルー
ル(図15参照)に従ってファジイ推論を行い、これに
より後件部としてのドライバの変速操作意思を推論す
る。なお、ブレーキ情報としては、ブレーキセンサ87
からから入力されるフットブレーキの作動情報以外に、
排気ブレーキや圧縮開放型エンジン補助ブレーキ等の作
動情報も入力され、実際には、これらの情報も加味して
補正が行われる。このように、ファジイ推論によってド
ライバ意思が推論されると、目標変速段設定部150で
設定された目標変速段がこのドライバ意思に応じて補正
されることになる(ステップS22参照)。
【0070】図15を参照すると、当該変速制御におけ
るファジイルールが複数示されており、以下、図15に
基づき、各ファジイルールについて説明する。ここで
は、ファジイルールとして第1のファジイルールR1〜
第14のファジイルールR14の14通りのルールが設定
されている。このうち、ルールR1〜R5は、主として画
像処理情報を前件部とするファジイルールであり、ま
た、ルールR6〜R14は、主として車両状態を前件部と
するファジイルールである。そして、これらのファジイ
ルールの後件部はドライバ意思とされている。ドライバ
意思としては、変速段を現段のままに保持したいか、或
いは1段ダウンしたいかの2通りが規定されている。な
お、ドライバ意思を推論するファジイルールとしては、
実際には、この他、車速Vをも前件部とするような渋滞
路走行を考慮したルールも複数設定されているが、これ
らは本発明とは直接関わらないためここでは説明を省略
する。
【0071】以下、ファジイルールR1〜R14の各ルー
ル内容について順次説明する。第1のファジイルールR
1では、画像処理情報に基づき、車両前方の走行車線が
カーブし、そのカーブ度、即ち推定横加速度GPREが大
でカーブが急とみなされ、且つ目標変速段設定部150
においてシフトマップに基づく目標変速段が現在の変速
段(以下、現段という)とされているときには、車両が
急カーブに差し掛かろうとしていると推定し、目標変速
段が現段であっても、ドライバにシフトダウンの意思が
あると推論する。
【0072】第2のファジイルールR2では、第1のフ
ァジイルールR1と略同様であるが、画像処理情報に基
づき、車両前方のカーブ度、即ち推定横加速度GPREが
大でカーブが急とみなされ、且つ目標変速段設定部15
0においてシフトマップに基づく目標変速段が現段より
も高速段とされているときには、やはり車両が急カーブ
に差し掛かろうとしていると推定し、目標変速段が現段
より高速段であっても、ドライバにシフトアップの意思
がなく、ドライバは現段を保持したい状況であると推論
する。
【0073】第3のファジイルールR3では、画像処理
情報に基づき、車両前方の勾配度、即ち勾配tanθの絶
対値が大で勾配が急とみなされ、且つ目標変速段設定部
150においてシフトマップに基づく目標変速段が現段
とされているときには、車両が急勾配の坂路に差し掛か
ろうとしていると推定し、目標変速段が現段であって
も、ドライバにシフトダウンの意思があると推論する。
【0074】第4のファジイルールR4では、第3のフ
ァジイルールR3と略同様であるが、画像処理情報に基
づき、車両前方の勾配度、即ち勾配tanθの絶対値が大
で勾配が急とみなされ、且つ目標変速段設定部150に
おいてシフトマップに基づく目標変速段が現在の変速段
よりも高速段とされているときには、やはり車両が急勾
配の坂路に差し掛かろうとしていると推定し、目標変速
段が現段より高速段であっても、ドライバにシフトアッ
プの意思がなく、ドライバは現段を保持したい状況であ
ると推論する。
【0075】第5のファジイルールR5では、第4のフ
ァジイルールR4と略同様であるが、勾配度が小で車両
前方の勾配が緩やかとみなされ、且つ目標変速段設定部
150においてシフトマップに基づく目標変速段が現段
よりも高速段とされているときには、やはり車両が坂路
に差し掛かろうとしていると推定し、目標変速段が現段
より高速段であっても、ドライバにシフトアップの意思
がなく、ドライバは現段を保持したい状況であると推論
する。
【0076】第6のファジイルールR6では、車両負荷
度αVL>0でその絶対値が中くらい、且つアクセル開度
VAが大とみなされ、且つ目標変速段設定部150にお
いてシフトマップに基づく目標変速段が現段よりも高速
段とされているときには、車両が登坂路を走行中である
か、または積載状態で走行中であると推定し、目標変速
段が現段より高速段であっても、ドライバにシフトアッ
プの意思がなく、ドライバは現段を保持したい状況であ
ると推論する。
【0077】第7のファジイルールR7では、車両負荷
度αVL>0でその絶対値が中くらい、且つアクセル開度
VAが中くらいとみなされ、且つ目標変速段設定部15
0においてシフトマップに基づく目標変速段が現段より
も高速段とされているときには、上記第6のファジイル
ールR6と同様に、車両が登坂路を走行中、または積載
状態で走行中であると推定し、目標変速段が現段より高
速段であっても、ドライバにシフトアップの意思がな
く、ドライバは現段を保持したい状況であると推論す
る。
【0078】第8のファジイルールR8では、車両負荷
度αVL<0でその絶対値が小、且つアクセル開度VAが
小とみなされ、且つ目標変速段設定部150においてシ
フトマップに基づく目標変速段が現段よりも高速段とさ
れているときには、車両が降坂路を走行中であると推定
し、目標変速段が現段より高速段であっても、ドライバ
にシフトアップの意思がなく、ドライバは現段を保持し
たい状況であると推論する。
【0079】第9のファジイルールR9では、車両負荷
度αVL<0でその絶対値が中くらい、且つアクセル開度
VAが小とみなされ、且つ目標変速段設定部150にお
いてシフトマップに基づく目標変速段が現段よりも高速
段とされているときには、上記第8のファジイルールR
8と同様、車両が降坂路を走行中であると推定し、目標
変速段が現段より高速段であっても、ドライバにシフト
アップの意思がなく、ドライバは現段を保持したい状況
であると推論する。
【0080】第10のファジイルールR10では、車両負
荷度αVL<0でその絶対値が大、且つアクセル開度VA
が小であって、且つ排気ブレーキ或いは圧縮開放型エン
ジン補助ブレーキのいずれか一方の補助ブレーキがオン
とみなされ、且つ目標変速段設定部150においてシフ
トマップに基づく目標変速段が現段よりも高速段とされ
ているときには、車両が急降坂路を走行中と推定し、目
標変速段が現段より高速段であっても、ドライバにシフ
トアップの意思がなく、ドライバは現段を保持したい状
況であると推論する。
【0081】第11のファジイルールR11では、車両負
荷度αVL>0でその絶対値が大、且つアクセル開度VA
が大とみなされ、且つ目標変速段設定部150において
シフトマップに基づく目標変速段が現段とされていると
きには、車両が急な登坂路を走行中であるか、または重
量物積載状態で走行中であると推定し、目標変速段が現
段であっても、ドライバにシフトダウンの意思があると
推論する。
【0082】第12のファジイルールR12では、車両負
荷度αVL<0でその絶対値が大、且つ補助ブレーキがオ
ンとみなされ、且つ目標変速段設定部150においてシ
フトマップに基づく目標変速段が現段とされているとき
には、車両が急な降坂路を走行中であると推定し、目標
変速段が現段であっても、ドライバにシフトダウンの意
思があると推論する。
【0083】第13のファジイルールR13では、車両負
荷度αVL<0でその絶対値が大、且つ補助ブレーキがオ
ン、且つフットブレーキがオンとみなされ、且つ目標変
速段設定部150においてシフトマップに基づく目標変
速段が現段とされているときには、車両が急な降坂路を
走行中、且つ上述の第12のファジイルールR12に加え
てドライバがフットブレーキを作動させ、車両がより急
な降坂路を走行中であると推定し、やはり、目標変速段
が現段であっても、ドライバにシフトダウンの意思があ
ると推論する。
【0084】第14のファジイルールR14では、車両負
荷度αVL>0でその絶対値が大とみなされ、且つ目標変
速段設定部150においてシフトマップに基づく目標変
速段が現段よりも高速段とされているときには、アクセ
ル開度VA等によらずとも車両が急な登坂路を走行中で
あるか、または重量物積載状態で走行中であると推定
し、目標変速段が現段より高速段であってもドライバに
シフトアップの意思がなく、ドライバは現段を保持した
い状況であると推論する。
【0085】これらファジイルールR1〜R14において
実施されるファジイ推論では、具体的には、メンバシッ
プ関数を用いたファジイ推論法、即ちmin−max合
成重心法が用いられている。図16乃至図20には、最
適変速段決定部350に入力される上記ファジイルール
R1〜R14の前件部のパラメータのうち、カーブ度(GP
RE)、勾配度(tanθ)及び各情報αVL、VA、ΔVA
の各パラメータのメンバシップ関数を示してある。な
お、図16中のカーブ度(GPRE)の値β1,β2、図1
7中の勾配度(tanθ)の値γ1,γ2及び図18中の車
両負荷度αVLの値α1,α2,α3,α4,α5,α6は予め
設定されたものである。特に、車両負荷度αVLの値α
1,α2,α3,α4,α5,α6については、前述したよう
に、前進7段ある変速段毎にそれぞれ異なる値をとって
いる。つまり、車両負荷度αVLに関しては、各変速段毎
にそれぞれ固有のメンバシップ関数を有している。
【0086】そして、図21には、ファジイルールR1
〜R14の後件部、即ちドライバの意思のメンバシップ関
数を示してある。従って、本実施例では、ファジイルー
ルR1〜R14毎に、先ず、図16乃至図20の各メンバ
シップ関数の適合度が求められ、これらの最小値が上記
のようにして求められる。そして、図21のドライバの
意思のメンバシップ関数からドライバの意思の適合度が
一義に求められ、これにより、ドライバの意思がファジ
イ推論される。つまり、ドライバが変速段を現段のまま
に保持したいのか、或いは1段ダウンしたいのかが推論
される。
【0087】以上のようにして、ファジイルールR1〜
R14に基づきドライバ意思が推論されたら、次にステッ
プS22に進む。このステップS22では、上記ドライ
バ意思に基づいて目標変速段の補正を行う。ここでは、
図9に示す目標変速段補正ルーチンのフローチャートが
実行される。先ず、ステップS60において、ファジイ
推論の推論結果に対応して値0〜値1の範囲で置換設定
された出力値が所定値TH0(例えば、値0)より大き
く所定値TH1(例えば、値0.5)以下であるか否か
を判別する。これは、即ち、ドライバ意思が変速段を現
段のままに保持したい状況であるか否かの判別を意味し
ている。
【0088】ステップS60の判別結果が真(Yes)
で、出力値が所定値TH0(例えば、値0)より大きく
且つ所定値TH1(例えば、値0.5)以下(TH1≧出
力値>TH0)と判定された場合には、ステップS62
に進み、目標変速段設定部150で設定されている目標
変速段を現段に保持するよう補正し、これを最終目標段
とする。これにより、最適変速段が現段とされる。
【0089】つまり、上記ファジイルールR1〜R14の
うち、画像処理情報に基づくファジイルールR2,R4,
R5並びに車両情報等に基づくファジイルールR6〜R10
及びファジイルールR14が成立したようなときには、ス
テップS60の判別結果は真とされ、このような場合に
は、目標変速段設定部150において目標変速段が現段
より高速段に設定されている場合であっても、ファジイ
推論に基づくドライバの意思に応じ、目標変速段はシフ
トアップすることなく現段に保持されるのである。
【0090】即ち、ファジイルールR2が成立した場合
にあっては、目標変速段が現段より高速段とされていて
も、車両がカーブに突入する手前では、予め変速段が現
段、即ち目標変速段より1段シフトダウンした状態に保
持される。従って、その後車両が実際にカーブに突入し
たときには、車両は滑らか且つ良好にカーブ走行可能と
される。
【0091】また、ファジイルールR4,R5が成立した
場合にあっては、目標変速段が現段より高速段とされて
いても、車両が登坂路或いは降坂路に突入する手前で
は、予め変速段が現段、即ち目標変速段より1段シフト
ダウンした状態に保持される。従って、その後車両が実
際に坂路に突入したときには、車両は滑らか且つ良好に
登坂走行或いは降坂走行可能とされる。
【0092】また、ファジイルールR6,R7が成立した
場合にあっては、登坂路の走行時や積載状態での走行時
において、不必要なシフトアップが抑制されドライバビ
リティが向上する。また、ファジイルールR8,R9が成
立した場合にあっては、降坂路の走行時においてやはり
不必要なシフトアップが抑制され、これにより有効なエ
ンジンブレーキが得られることになる。従って、この場
合には、車両の安全性が向上するとともに、ドライバビ
リティが向上する。
【0093】また、ファジイルールR10が成立した場合
にあっては、補助ブレーキを使用するような急降坂路で
シフトアップするようなことがなくなり、この場合に
も、有効なエンジンブレーキが得られる。また、ファジ
イルールR14が成立した場合にあっては、急登坂路の走
行時や重量物積載状態での走行時において、不必要なシ
フトアップが抑制されドライバビリティが向上する。
【0094】一方、ステップS60の判別結果が偽で、
ファジイ推論の推定結果に対応した出力値が所定値TH
0(例えば、値0)か或いは所定値TH1(例えば、値
0.5)より大きいと判定された場合には、次にステッ
プS64に進む。ステップS64では、ファジイ推論の
推定結果に応じた出力値が所定値TH1(例えば、値
0.5)より大きいか否かを判別する。つまり、ドライ
バ意思が変速段を1段シフトダウンしたい状況であるか
否かを判別する。
【0095】ステップS64の判別結果が真で、出力値
が所定値TH1(例えば、値0.5)より大きい(出力
値>TH1)と判定された場合には、次にステップS6
6に進む。このステップS66では、ステップS64の
判別により、出力値が所定値TH1(例えば、値0.
5)より大きい(出力値>TH1)と判定されたことに
基づき、目標変速段設定部150で設定されている目標
変速段を1段低い変速段にシフトダウンするよう補正
し、これを最終目標段とする。これにより、最適変速段
が現段より1段低い変速段とされる。
【0096】つまり、上記ファジイルールR1〜R14の
うち、画像処理情報に基づくファジイルールR1,R3及
び車両情報等に基づくファジイルールR11〜R13が成立
したようなときには、ステップS60を経てステップS
64の判別結果は真とされ、このような場合には、目標
変速段設定部150において目標変速段が現段に設定さ
れている場合であっても、ファジイ推論に基づくドライ
バの意思に応じ、目標変速段は現段に保持されることな
く、1段低い変速段にシフトダウンされるのである。
【0097】即ち、ファジイルールR1が成立した場合
にあっては、目標変速段が現段とされていても、車両が
カーブに突入する手前では、予め変速段が現段より1段
シフトダウンした状態にされる。従って、その後車両が
実際にカーブに突入したときには、車両は高い駆動力で
滑らか且つ良好にカーブ走行可能とされる。また、ファ
ジイルールR3が成立した場合にあっては、目標変速段
が現段とされていても、車両が登坂路或いは降坂路に突
入する手前では、予め変速段が現段より1段シフトダウ
ンした状態にされる。従って、その後車両が実際に坂路
に突入したときには、車両は高い駆動力で滑らか且つ良
好に登坂走行可能であり、一方、エンジンブレーキを効
かせながら滑らか且つ良好に降坂走行可能とされる。
【0098】また、ファジイルールR11が成立した場合
にあっては、急登坂路の走行時や重量物積載状態での走
行時において、好適にシフトダウンが実施され、より大
きな駆動力を得ることができるようになり、加速性とと
もにドライバビリティが向上する。また、ファジイルー
ルR12、ファジイルールR13が成立した場合にあって
は、降坂路の走行時においてやはり好適にシフトダウン
が実施され、これにより有効なエンジンブレーキが得ら
れることになる。従って、車両の安全性が向上するとと
もに、ドライバビリティが向上する。
【0099】先のステップS64の判別結果が偽で、出
力値が所定値TH1(例えば、値0.5)より大きくな
いと判別された場合には、次にステップS68に進む。
このような状況は、つまり、出力値が所定値TH0(例
えば、値0)に等しい場合、即ち、上記各ファジイルー
ルに基づいてファジイ推論が実施されてもドライバ意思
のメンバシップ関数における適合度の最小値が全て値0
であって、いずれのファジイルールも成立しないような
場合である。従って、このような場合には、通常通り、
ステップS68において、最終目標段を図6中のステッ
プS18で求めた目標変速段とする。
【0100】ところで、画像処理情報を前件部とするフ
ァジイルールR3〜R5と車両状態を前件部とするファジ
イルールR6〜R14とは所定の関係を有している。以
下、この所定の関係について述べる。通常、ファジイル
ールR6〜R14が成立する場合には、常に前件部におい
て車両負荷度αVLがゼロ値ではなくある程度の値を有し
ており、つまり、車両が登坂路或いは降坂路を走行して
いると考えることができる。このことから、ファジイル
ールR6〜R14が成立するようなときにあっては、これ
らのファジイルールが成立する前には、既に、車両前方
に坂路があるとみなしてファジイルールR3〜R5が成立
していることになる。
【0101】即ち、ファジイルールR6〜R14が成立す
ると、ドライバ意思がファジイ推論されて変速段が目標
変速段よりも1段ダウンさせられるのであるが、ここで
は、車両が実際に坂路に差し掛からなくても、事前にフ
ァジイルールR3〜R5が成立することになり、予め、変
速段がファジイルールR6〜R14の成立の場合と同様に
して目標変速段よりも1段ダウンさせられた状態とされ
るのである。
【0102】このように、ファジイルールR3〜R5に基
づき、坂路の手前で事前に変速段が目標変速段よりも1
段ダウンさせられると、その後車両が坂路に差し掛かか
ったときには、既にファジイルールR6〜R14が成立し
たときのドライバ意思が変速段に反映されていることに
なり、この場合には、改めてファジイルールR6〜R14
が成立することがなくなる。
【0103】従って、このような画像処理情報を前件部
とするファジイルールR3〜R5を設けることにより、実
際に車両が坂路に差し掛かかったときには、変速段が既
に最適変速段とされていることになり、滑らか且つ良好
な坂路走行が可能とされる。特に、通常ファジイルール
R11〜R13が成立したときには坂路走行中に変速段がシ
フトダウンさせられるのであるが、このようなシフトダ
ウンが極力防止される。故に、変速ショック等の違和感
が低減されることになり、ドライバビリティが向上す
る。
【0104】なお、車両が坂路を走行中において、当該
メインルーチンが繰り返し実行され、最適変速段として
補正された変速段をパラメータとすることで新たにファ
ジイルールR3やファジイルールR11〜R13のいずれか
が成立した場合には、当然ながら、変速段はこれらのフ
ァジイルールに従い1段ダウンさせられる。以上、詳細
に説明したように、本発明の車両用自動変速機の変速制
御装置では、車両負荷度αVL等の車両情報を前件部とす
るファジイルールR6〜R14の他に、カメラ130によ
る画像情報を前件部とするファジイルールR1〜R5に基
づいてファジイ推論を行い、これにより変速段を現段に
保持したいか或いは1段ダウンしたいかというドライバ
意思を推論し、ドライバに違和感を与えることのない良
好な変速制御を実施するようにしている。
【0105】従って、車両が坂路を走行している場合や
積載状態で走行している場合のように、車両負荷度αVL
がある程度大きいような場合には、ファジイルールR6
〜R14に基づいて、変速段を目標変速段よりも1段ダウ
ンさせて安定した走行を実現することが可能である一
方、車両が坂路手前であることが画像情報から明らか
で、車両情報を前件部とする上記ファジイルールR6〜
R14に基づき変速段が目標変速段(但し、目標変速段≧
現段)よりも1段ダウンさせられることが予測されるよ
うな場合には、変速段は、ファジイルールR3〜R5の成
立により、車両が坂路に差し掛かる前に予め目標変速段
よりも1段ダウンさせられることになる。これにより、
車両が実際に坂路に差し掛かったときには、シフトショ
ック等もなく滑らかな坂路走行が実現可能とされ、ドラ
イバビリティが大幅に向上することになる。
【0106】また、通常、車両がカーブ手前にあるとき
には、車両が減速させられる場合が多いのであるが、車
両がカーブ手前であることが画像情報から明らかで、変
速段を目標変速段(但し、目標変速段≧現段)よりも1
段ダウンさせて高い駆動力を得る必要がある場合には、
ファジイルールR1,R2の成立により、やはり予め好適
に変速段が目標変速段よりも1段ダウンさせられること
になる。これにより、車両が実際にカーブに差し掛かっ
たときには、シフトショック等もなく滑らかな旋回走行
が実現可能とされ、上記坂路走行の場合と同様にドライ
バビリティが大幅に向上することになる。
【0107】なお、上記実施形態においては、min−
max合成重心法を用いたファジイ推論法により最適変
速段を決定するようにしているが、このようなmin−
max合成重心法以外の代数積−加算重心法等のファジ
イ推論法を用いてもよい。また、上記実施形態において
は、自動変速機として機械式の歯車式変速機17を用い
るようにしたが、これに限られず、当該変速制御装置
を、通常、乗用車に搭載されるようなトルクコンバータ
と遊星歯車からなる自動変速機に適用するようにしても
よい。
【0108】さらに、上記実施形態においては、車両前
方の道路状況として車線状況を認識するようにしたが、
これに限られず、ガードレールや中央分離帯等に設けら
れた反射板等、走行路の道幅を検出できるものの状況を
認識するようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の車両用
自動変速機の変速制御装置によれば、車速を検出する車
速検出手段と、エンジン負荷情報を検出するエンジン負
荷情報検出手段と、車両に搭載され、車両前方の道路状
況を撮影するカメラと、カメラにより撮影された画像を
画像処理し、道路状況を画像処理情報として認識する画
像処理手段と、車速及びエンジン負荷情報をパラメータ
として自動変速機の目標変速段を設定する目標変速段設
定手段と、画像処理情報をパラメータとして道路状況に
応じ自動変速機に期待される運転者の変速操作意思をフ
ァジイ推論し、このファジイ推論の結果に基づき目標変
速段を補正する補正手段と、目標変速段に基づき変速段
を切換制御する制御手段とを備えるようにしたので、通
常は、車速及びエンジン負荷情報をパラメータとして目
標変速段を設定し変速段を切換制御する一方、車両前方
の道路状況を撮影するカメラからの画像処理情報をパラ
メータとして道路状況に応じた運転者の変速操作意思を
ファジイ推論し、このファジイ推論により所望のファジ
イルールが成立するとき、運転者の変速操作意思が反映
されるべく目標変速段を好適に補正することができる。
即ち、予測された道路状況となる前に、この補正された
目標変速段に基づき変速段を予め切換制御しておくこと
ができ、ドライバビリティを向上させることができる。
【0110】また、請求項2の車両用自動変速機の変速
制御装置によれば、車両の負荷情報を含む車両情報を検
出する車両情報検出手段をさらに有し、補正手段は、画
像処理情報とともに車両情報をもパラメータとして道路
状況及び車両情報に応じた運転者の変速操作意思をファ
ジイ推論し、このファジイ推論の結果に基づき目標変速
段を補正するので、画像処理情報のみならず車両情報を
もパラメータとして道路状況及び車両情報に応じた運転
者の変速操作意思をファジイ推論でき、このファジイ推
論により所望のファジイルールが成立するとき、運転者
の変速操作意思が反映されるべくさらに好適に目標変速
段を補正することができる。
【0111】また、請求項3の車両用自動変速機の変速
制御装置によれば、道路状況は車両前方の道路の勾配状
況を含み、画像処理手段は、車両前方の道路の勾配度を
画像処理情報として認識するので、車両前方の道路の勾
配度を画像処理情報として認識し、この勾配度に応じた
運転者の変速操作意思をファジイ推論でき、このファジ
イ推論により所望のファジイルールが成立するとき、勾
配度に応じた運転者の変速操作意思が反映されるべく目
標変速段を好適に補正し、変速段を事前にこの補正され
た目標変速段に基づき切換制御することができる。これ
により、車両が坂路に突入したときには良好な坂路走行
を実現できる。
【0112】また、請求項4の車両用自動変速機の変速
制御装置によれば、補正手段は、車両前方の道路の勾配
度に応じた運転者の変速操作意思をファジイ推論し、勾
配度が大の場合には、目標変速段を1段低速段とするよ
うな運転者の変速操作意思を示すファジイルールに基づ
き、目標変速段を1段低速段側に補正するので、車両前
方の道路の勾配度が大の場合には、目標変速段を1段低
速段とするような運転者の変速操作意思を示すファジイ
ルールに基づいて、目標変速段を1段低速段側に補正す
ることができる。つまり、車両が勾配度の大きな坂路に
差し掛かろうとしているときには、事前に変速段を目標
変速段よりも1段低速段側に補正でき、車両が登坂路に
突入したときにあっては、高い駆動力を得て好適な登坂
走行を実施することができ、降坂路に突入したときにあ
っては、エンジンブレーキを良好に作用させて好適な降
坂走行を実施することができる。
【0113】また、請求項5の車両用自動変速機の変速
制御装置によれば、道路状況は車両前方の道路のカーブ
状況を含み、画像処理手段は、車両前方の道路のカーブ
度を画像処理情報として認識するので、車両前方の道路
のカーブ度を画像処理情報として認識し、このカーブ度
に応じた運転者の変速操作意思をファジイ推論でき、こ
のファジイ推論により所望のファジイルールが成立する
とき、カーブ度に応じた運転者の変速操作意思が反映さ
れるべく目標変速段を好適に補正し、変速段を事前にこ
の補正された目標変速段に基づき切換制御することがで
きる。これにより、車両がコーナに突入したときには良
好なコーナ走行を実現できる。
【0114】また、請求項6の車両用自動変速機の変速
制御装置によれば、補正手段は、車両前方の道路のカー
ブ度に応じた運転者の変速操作意思をファジイ推論し、
カーブ度が大の場合には、目標変速段を1段低速段とす
るような運転者の変速操作意思を示すファジイルールに
基づき、目標変速段を1段低速段側に補正するので、車
両前方の道路のカーブ度が大の場合には、目標変速段を
1段低速段とするような運転者の変速操作意思を示すフ
ァジイルールに基づいて、目標変速段を1段低速段側に
補正することができる。つまり、車両がカーブ度の大き
なコーナに差し掛かろうとしているときには、事前に変
速段を目標変速段よりも1段低速段側に補正でき、車両
がコーナに突入したときにあっては、高い駆動力を車輪
に伝達させながら好適なコーナ走行を実施することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両用自動変速機
の変速制御装置の全体構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態としての車両用自動変速機
の変速制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】図2中の画像処理部を示す詳細図である。
【図4】図2中の車両負荷度算出部を示す詳細図であ
る。
【図5】シフトマップを示すグラフである。
【図6】変速制御のメインルーチンを示すフローチャー
トである。
【図7】図6中の画像処理のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図8】図6中の車両負荷度算出のサブルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】図6中の目標変速段補正のサブルーチンを示す
フローチャートである。
【図10】カメラの撮影画面であって、直線平坦路モデ
ル画像に実画像が重ね合わされた状態を示す図である。
【図11】撮影画面上に映し出される実画像と被写体と
の関係を示す斜視図である。
【図12】走行車線の実水平偏差Aと白線上の各基準点
までの水平距離DYとの関係を示し、カーブ度を説明す
る図である。
【図13】撮影画面上に映し出される実画像と被写体と
の関係を側面から見た図である。
【図14】走行車線の実垂直偏差Hと白線上の各基準点
までの水平距離DYとの関係を示し、勾配度を説明する
図である。
【図15】ファジイルールを示す図である。
【図16】カーブ度のメンバシップ関数を示す図であ
る。
【図17】勾配度のメンバシップ関数を示す図である。
【図18】車両負荷度のメンバシップ関数を示す図であ
る。
【図19】アクセル開度のメンバシップ関数を示す図で
ある。
【図20】アクセル開度変化のメンバシップ関数を示す
図である。
【図21】ドライバ意思のメンバシップ関数を示す図で
ある。
【符号の説明】
11 ディーゼルエンジン(エンジン) 17 歯車式変速機(自動変速機) 27 エンジン回転センサ 61 チェンジレバー 65 ギヤシフトユニット 71 コントロールユニット(制御手段) 79 車速センサ(車速検出手段) 85 アクセル開度センサ(エンジン負荷情報検出手
段) 123 ラック位置検出センサ 130 カメラ 132 画像処理コントローラ 150 目標変速段設定部(目標変速段設定手段) 200 画像処理部(画像処理手段) 202 白線認識部 204 カーブ度算出部 206 勾配度算出部 300 車両負荷度算出部(車両情報検出手段) 350 最適変速段決部(補正手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:44 59:66

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速を検出する車速検出手段と、 エンジン負荷情報を検出するエンジン負荷情報検出手段
    と、 車両に搭載され、車両前方の道路状況を撮影するカメラ
    と、 前記カメラにより撮影された画像を画像処理し、前記道
    路状況を画像処理情報として認識する画像処理手段と、 前記車速及び前記エンジン負荷情報をパラメータとして
    自動変速機の目標変速段を設定する目標変速段設定手段
    と、 前記画像処理情報をパラメータとして前記道路状況に応
    じ前記自動変速機に期待される運転者の変速操作意思を
    ファジイ推論し、このファジイ推論の結果に基づき前記
    目標変速段を補正する補正手段と、 前記目標変速段に基づき変速段を切換制御する制御手段
    と、を備えることを特徴とする車両用自動変速機の変速
    制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の負荷情報を含む車両情報を検出す
    る車両情報検出手段をさらに有し、 前記補正手段は、前記画像処理情報とともに前記車両情
    報をもパラメータとして前記道路状況及び前記車両情報
    に応じた運転者の変速操作意思をファジイ推論し、この
    ファジイ推論の結果に基づき前記目標変速段を補正する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両用自動変速機の
    変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記道路状況は車両前方の道路の勾配状
    況を含み、 前記画像処理手段は、車両前方の道路の勾配度を前記画
    像処理情報として認識することを特徴とする、請求項1
    または2記載の車両用自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、前記車両前方の道路の
    勾配度に応じた運転者の変速操作意思をファジイ推論
    し、前記勾配度が大の場合には、前記目標変速段を1段
    低速段とするような前記運転者の変速操作意思を示すフ
    ァジイルールに基づき、前記目標変速段を前記1段低速
    段側に補正することを特徴とする、請求項3記載の車両
    用自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記道路状況は車両前方の道路のカーブ
    状況を含み、 前記画像処理手段は、車両前方の道路のカーブ度を前記
    画像処理情報として認識することを特徴とする、請求項
    1または2記載の車両用自動変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記補正手段は、前記車両前方の道路の
    カーブ度に応じた運転者の変速操作意思をファジイ推論
    し、前記カーブ度が大の場合には、前記目標変速段を1
    段低速段とするような前記運転者の変速操作意思を示す
    ファジイルールに基づき、前記目標変速段を前記1段低
    速段側に補正することを特徴とする、請求項5記載の車
    両用自動変速機の変速制御装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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