JPH10238381A - ハイブリッド車制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車制御装置

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JPH10238381A
JPH10238381A JP4060297A JP4060297A JPH10238381A JP H10238381 A JPH10238381 A JP H10238381A JP 4060297 A JP4060297 A JP 4060297A JP 4060297 A JP4060297 A JP 4060297A JP H10238381 A JPH10238381 A JP H10238381A
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engine
rotor
vehicle
torque
control device
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JP4060297A
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Hiroshi Fujita
浩 藤田
Takeshi Sawada
武志 澤田
Hiroya Tsuji
浩也 辻
Tsuneyuki Egami
常幸 江上
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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    • Y02T10/62Hybrid vehicles

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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】車両制動時における蓄電装置の過充電を抑制
し、蓄電装置の保護を図る。 【解決手段】ハイブリッド車は、エンジン1と、第1及
び第2の回転電機2000,3000を含む動力伝達手段12と、
前記回転電機2000,3000を駆動するインバータ装置14
と、蓄電装置15と、エンジン1の燃料噴射制御を実施す
るエンジン制御装置13と、エンジン制御装置13に対して
トルク制御量を指令すると共にインバータ装置14の駆動
を制御するハイブリッド制御装置16とを備える。エンジ
ン制御装置13は、エンジン1のトルク制御量が負の値で
あることから、車両が制動状態にあることを検出し、そ
の車両制動時において燃料カットを実施すると共に、エ
ンジン排気管18に配設された触媒19のヒータ19a に蓄電
装置15から電力を供給して当該ヒータ19a を通電加熱さ
せる。このとき、第1及び第2の回転電機2000,3000並
びにヒータ19a により余剰エネルギが消費されることに
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと、該エ
ンジンに連結され、エンジン回転数を決定するための第
1の回転電機及び車両の駆動力を決定するための第2の
回転電機を含む動力変換手段と、前記第1及び第2の回
転電機を駆動するためのインバータ装置と、該インバー
タ装置に電気的に接続された蓄電装置とを備えるハイブ
リッド車に適用される制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンと回転電機(走行用モー
タ)とを搭載し、両者を共に又は選択的に駆動させて自
動車の動力源とするハイブリッド車が種々提案されてい
る。ハイブリッド車は大別して、エンジン及び回転電機
の両方で車両を駆動できるパラレルハイブリッド車(例
えば特公平5−46761号公報)と、エンジンにより
回転電機を駆動して発電させその電気エネルギを蓄電装
置(バッテリ)に蓄積すると共に蓄電装置の電気量或い
は回転電機の発電量を走行用回転電機に供給して走行す
るシリーズハイブリツド車(例えば特開昭62−104
403号公報)とがある。シリーズハイブリッド車は、
エンジンと駆動系とが機械的に分離されているため、エ
ンジンを最大効率点で運転することができる。また、パ
ラレルハイブリツド車では、エンジンによって駆動力を
発生させると共に回転電機によって補助的な駆動力を発
生しているため、機械エネルギを駆動系に直接伝達する
ことができ、電気エネルギに変換する必要がないことか
らエネルギの伝達効率が高められる。
【0003】しかし、上述した各々のハイブリッド車に
おいては以下の問題点がある。つまり、シリーズハイブ
リッド車においては、エンジンが発生したエネルギを全
て電気エネルギに変換し、この電気エネルギを走行用回
転電機により機械エネルギに変換しているため、エネル
ギ伝達効率が低下してしまう。また、車両の加減速時に
おいては、エンジンの発生するエネルギと走行用回転電
機に供給するエネルギとのバランスがくずれる。従っ
て、上記エネルギのアンバランスを解消するには蓄電装
置の搭載を増加させる必要が生じ、そのために車両重量
が増加してシステム効率が低下するという欠点を有して
いる。一方、パラレルハイブリッド車では、エンジンの
燃費の良いところはエンジンのみで車両を駆動し、エン
ジンの燃費率の低下する低トルク、低回転領域は回転電
機のみで駆動している。すなわち、エンジンは限定した
範囲で運転され、エンジンが作動しない領域では蓄電装
置から電気エネルギを持ち出す構成となっている。従っ
て、エンジンが作動しない領域で連続運転をするために
は蓄電装置の搭載増による車両重量の増加は避けられな
いという欠点を有している。
【0004】上述のハイブリッド車に対し、上記問題点
を解消する形式のハイブリッド車として、特開平7−1
35701号公報やドイツ国4407666号明細書が
提案されている。特開平7ー135701号公報では、
エンジンと、第1モータ及び第2モータと、第1,第
2,第3の回転要素からなるギヤユニットとを備え、第
1モータ又は第2モータのいずれかを回転数制御してエ
ンジン回転数を決定し、他方をトルク制御して車両の駆
動力を決定していた。こうした構成によれば、エンジン
を最高効率点で運転でき、しかもエンジンの発生トルク
をそのまま車両の駆動力として使用できてエンジンの発
生エネルギを効率良く伝達できるようになっていた。
【0005】また、ドイツ国第4407666号明細書
では、第1モータの内側ロータと第2モータのロータと
が直結されており、エンジンにより第1モータの外側ロ
ータを駆動し、第1モータの内側ロータと外側ロータと
を電磁的に結合して発電することで、エンジンの出力ト
ルクを電磁伝達できるように構成していた。かかる場
合、第1モータの発電エネルギを利用してさらに第2モ
ータでトルクをアシストできるため、エンジンの発生エ
ネルギを効率良く伝達できるようになっていた。
【0006】これらのハイブリッド車は、エンジンと駆
動系との間に、2つの回転電機を有する動力伝達手段を
設けることにより、エンジンを最大効率点で運転してい
た。その結果、エンジンの発生エネルギを電気伝達のみ
でなく、機械伝達或いは電磁伝達によるエネルギ伝達を
兼ね備えることができ、走行状態が変わってもエネルギ
伝達効率を高くすることができるようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記特開平7
ー135701号公報のハイブリッド型車両において
は、第1又は第2モータのいずれか一方はエンジンが最
大効率点で一定回転数となるようにモータトルクが制御
され、第1又は第2モータの他方はアクセル開度に対応
させてトルク制御される構成を有するが、ハイブリッド
型車両の走行状態やバッテリの容量によってはエンジン
トルクが過剰になることがあり、この場合はエンジンの
最適効率ライン上で駆動し、駆動条件としては車速やバ
ッテリの容量に応じて設定する構成となっている。しか
し、エンジンの出力を走行負荷に伝達するわけであるか
ら、走行に必要な出力をエンジンが発生すればよいの
で、車速に基づきエンジン出力を決定すると、登坂走行
の場合はエンジン出力が不足し、逆に下り勾配を走行す
るときにはエンジン出力が余ってしまうという問題があ
る。
【0008】また、上述の制御装置は、アクセル開度と
エンジン回転数に基づき第1モータへの回転数指令と第
2モータへのトルク指令を出力する構成という開示のみ
で、エンジン制御との信号や情報伝達などが不明確であ
り、また、ドイツ国第4407666号明細書において
は、エンジンやモータなどの構成のみで、エンジンなら
びにモータの制御については開示されていない。
【0009】さらに、例えば車両が制動操作される場合
において、エンジンの定常運転が継続される場合には、
車両の制動操作によりエネルギが余剰となり、この余剰
エネルギが蓄電装置(バッテリ)に充電されると、蓄電
装置が過充電されることになる。この蓄電装置の過充電
により、当該蓄電装置が破損するといった問題を招くお
それがあった。
【0010】本発明は、上記従来の問題に着目してなさ
れたものであって、その目的は、車両制動時における蓄
電装置の過充電を抑制し、蓄電装置の保護を図ることが
できるハイブリッド車用制御装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のハイブリッド車制御装置では、エンジンと、
該エンジンに連結され、エンジン回転数を決定するため
の第1の回転電機及び車両の駆動力を決定するための第
2の回転電機を含む動力変換手段と、前記第1及び第2
の回転電機を駆動するためのインバータ装置と、該イン
バータ装置に電気的に接続された蓄電装置とを備えるハ
イブリッド車に適用され、例えばアクセルペダル、ブレ
ーキペダル及びシフトレバーの操作情報といった車両運
転情報に基づいてエンジンの出力トルクを制御すると共
に、そのトルク制御量と前記エンジンの特性に対応する
エンジンの目標回転数とに基づいて前記第1及び第2の
回転電機に発生させるトルク値を制御することを前提と
している。
【0012】かかる構成では、第1の回転電機はエンジ
ンの目標回転数に従いその回転数が制御される。このと
き、エンジン特性に対応させつつエンジンの燃費やエミ
ッションが最良の状態となるエンジン動作点でエンジン
の運転が維持でき、高効率なエンジン作動を実現するこ
とができる。また、こうした構成において、車両駆動ト
ルクは、第1の回転電機に発生するトルクと第2の回転
電機により発生するトルクとの合計となり、車両運転情
報に基づいて適正に制御されるようになる。またこのと
き、第1の回転電機に発生するトルクはエンジンの出力
トルクとバランスし、エンジンの出力トルクは車両駆動
トルクの一部として電磁的に伝達されるため、効率の良
いエネルギ伝達ができることになる。
【0013】そして、請求項1に記載の発明ではその特
徴として、エンジンへの燃料噴射を制御する燃料噴射制
御手段と、エンジンのトルク制御量に基づき車両が制動
状態にあることを検出する制動状態検出手段と、車両の
制動時において前記燃料噴射制御手段によるエンジンへ
の燃料噴射を低減又は停止させる燃料噴射量操作手段と
を備える。
【0014】要するに、車両制動時には余剰エネルギが
発生し、従来装置ではこの余剰エネルギにより蓄電装置
が過充電されるおそれがあった。これに対し、本請求項
の構成では、燃料噴射の低減又は停止によりエンジン出
力トルクが低減される。そのため、エンジンが第1及び
第2の回転電機の負荷となり、上記した余剰分のエネル
ギが第1及び第2の回転電機で消費される。従って、蓄
電装置が過充電されるといった不都合が回避でき、蓄電
装置の保護を図ることができる。また、制動時の車両の
慣性エネルギがエンジンで吸収されるため、エンジンの
運転効率が向上し、燃費向上やエミッションの低減とい
った効果をも得ることができる。
【0015】請求項2に記載の発明では、燃料噴射量操
作手段による燃料噴射の低減又は停止時に、前記蓄電装
置からの電力供給によりヒータを通電加熱するヒータ制
御手段を備える。つまり、車両制動時に蓄電装置からの
電力供給によりヒータが通電加熱されることで、前述の
余剰エネルギがヒータ通電に活用できる。この場合、燃
料カットにより高温の排ガスが触媒に給送されず触媒の
活性状態が低下したとしても、前記のヒータ通電により
触媒活性状態が維持でき、ひいてはエミッションの悪化
が抑制できる。
【0016】また、請求項3に記載の発明において、ヒ
ータ制御手段は、蓄電装置の充電状態が所定の充電レベ
ルに達する場合にのみ、ヒータを通電加熱するように構
成している。この場合、必要以上に蓄電装置の電気エネ
ルギが持ち出されて、走行トルクが不足するような事態
が回避できる。
【0017】さらに、請求項4に記載の発明において、
充電状態検出手段は、蓄電装置の電圧又は存残容量(少
なくともどちらか一方でも可)を検出するものとして構
成している。この場合、蓄電装置の充電状態が適確に把
握でき、既述した効果が簡易に且つ正確に実現できるよ
うになる。
【0018】また動力変換手段として、請求項5に記載
したように構成すれば、小型軽量の動力変換手段が提供
でき、車両重量が軽量化されてシステム効率を向上させ
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施の形
態について説明する。先ずその概要を略述すれば、本実
施の形態のハイブリッド車制御システムでは、エンジン
と、該エンジンに連結され、エンジン回転数を決定する
ための第1の回転電機及び車両の駆動力を決定するため
の第2の回転電機を含む動力伝達手段(動力変換手段)
と、前記第1及び第2の回転電機を駆動するためのイン
バータ装置と、該インバータ装置に電気的に接続された
蓄電装置とを備える。またさらに、エンジンの燃料噴射
制御を実施するエンジン制御装置と、そのエンジン制御
装置に対してトルク制御量(車両駆動パワー要求値Pv
* )を指令すると共にインバータ装置の駆動を制御する
ハイブリッド制御装置とを備える。そして、本制御シス
テムでは、例えばアクセルペダル、ブレーキペダル及び
シフトレバーの操作情報といった車両運転情報に基づい
てエンジンの出力トルクを制御すると共に、その際のト
ルク制御量(車両駆動パワー要求値Pv* ,車両駆動ト
ルク指令値Mv* )とエンジンの特性に対応するエンジ
ンの目標回転数(エンジン回転数指令値Ne* )とに基
づいて第1及び第2の回転電機に発生させるトルク値を
制御するようにしている。次に、本制御システムの構成
を図面を用いて詳細に説明する。
【0020】図1は、本実施の形態におけるハイブリッ
ド車制御システムの概要を示す構成図であり、同図のエ
ンジン1は4気筒4サイクルガソリン内燃機関により構
成されている。エンジン1には出力軸2が設けられ、こ
の出力軸2は後述する動力伝達手段12に駆動連結され
ている。エンジン1の吸気管3には、公知の燃料噴射電
磁弁4が気筒毎に独立して設けられている。また、吸気
管3には、吸入空気量を調整するためのスロットル弁5
が設けられており、このスロットル弁5の開閉動作は吸
入空気量調節手段を構成するスロットルアクチュエータ
6により制御されるようになっている。エンジン1の排
気管18にはその集合部に公知の三元触媒19が設けら
れている。この三元触媒19は蓄電装置15からの電力
供給により加熱作動するヒータ19aが付設されてい
る。
【0021】さらに同図に示すシステムでは、以下のセ
ンサ群を備える。つまり、運転者により操作される図示
しないアクセルペダルには公知のアクセルセンサ7が配
設され、同センサ7はアクセルペダルの踏み込み操作量
に対応するアクセル開度信号を電圧信号にて出力する。
また、運転者により操作される図示しないブレーキペダ
ルには公知のブレーキセンサ8が配設され、同センサ8
はブレーキペダルの踏み込み操作量に応じたブレーキ信
号をON/OFF信号で出力する。シフトスイッチ9
は、複数のシフトポジションを検知するものであって、
本実施の形態では駐車(P)、後退(R)、中立
(N)、前進(D)等のシフト信号をON/OFF信号
でパラレル出力する。始動スイッチ10は、図示しない
公知のiGキースイッチに内蔵されており、始動の有無
に応じたON/OFF信号を出力する。
【0022】また、動力伝達手段12は、第1の回転電
機2000及び第2の回転電機3000を備えてなるも
のであり、その詳細な構成は後述する。動力伝達手段1
2の出力は、公知の差動ギヤ装置20を介して車両左右
の駆動輪30に伝達されるようになっている。
【0023】エンジン制御装置13は、車両を駆動する
ためにエンジン1に発生させる車両駆動パワー要求値P
v* を後述するハイブリッド制御装置16より入力し、
この入力値に基づいてスロットルアクチュエータ6を駆
動する。また、エンジン1に搭載された図示しないエン
ジン運転状態センサの信号に基づいて燃料噴射電磁弁4
の開弁時間を制御すると共に、図示しない点火装置の点
火タイミングを決定して点火装置を駆動する。これら燃
料噴射制御や点火制御によりエンジン1の燃焼状態が制
御される。さらに、エンジン制御装置13は、車両駆動
パワー要求値Pv* 通りにエンジン1が運転されるよう
その内部で演算したエンジン回転数指令値Ne* をハイ
ブリッド制御装置16に出力する。
【0024】インバータ装置14は、第1の回転電機2
000及び第2の回転電機3000を駆動する装置であ
って、ハイブリッド制御装置16から入力される第1の
回転電機2000及び第2の回転電機3000のそれぞ
れのトルク指令値である第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*に基づき、第1の回転電機2000及び第
2の回転電機3000のそれぞれの出力トルクMm1 ,
Mm2 を制御すると共に、第1の回転電機2000及び
第2の回転電機3000のそれぞれの回転情報Nm1 ,
Nm2 をハイブリッド制御装置16に出力する。蓄電装
置15は電池により構成されており、インバータ装置1
4に接続されている。
【0025】ハイブリッド制御装置16はハイブリッド
車を総合的に制御するための装置であり、前記したセン
サ群、すなわちアクセルセンサ7、ブレーキセンサ8、
シフトスイッチ9及び始動スイッチ10に接続されてい
る。そして、ハイブリッド制御装置16は、これらセン
サ群より入力されるアクセル開度信号、ブレーキ信号、
シフト信号及び始動信号に基づいて車両駆動パワー要求
値Pv* を演算すると共に、同Pv* 値をエンジン制御
装置13に送信する。また、同制御装置16は、エンジ
ン制御装置13から送信されるエンジン回転数指令値N
e* を受信する。さらに、ハイブリッド制御装置16は
前記インバータ装置14と接続されており、第1の回転
電機2000及び第2の回転電機3000のそれぞれの
トルク指令値である第1及び第2のトルク指令値Mm1
*,Mm2*を演算してインバータ装置14へ送信すると
共に、インバータ装置14から第1の回転電機2000
及び第2の回転電機3000のそれぞれの回転情報Nm
1 ,Nm2 を受信する構成となっている。
【0026】さらに、本制御システムにおいて、インバ
ータ装置14と蓄電装置15との間には、充電状態検出
手段としての残存容量検出器17が設けられている。こ
の残存容量検出器17は、公知の電流センサにより検出
される蓄電装置15の電流信号や、公知の電圧センサに
より検出される蓄電装置15の端子電圧信号や、公知の
温度センサにより検出される蓄電装置15の温度信号な
どから公知の方法で残存容量SOCを演算し、その演算
結果をハイブリッド制御装置16に送信する。なお、本
実施の形態における残存容量検出器17は、上記残存容
量SOCの演算に加えて蓄電装置15の端子電圧VBを
検出し、その検出結果をハイブリッド制御装置16に送
信する。
【0027】次に、図2を用いて動力伝達手段12の詳
細な構成を説明する。動力伝達手段12はエンジン1に
接続されており、本実施の形態では差動ギヤ装置20と
一体化されている。動力伝達手段12は、その内部に入
出力の回転数を調整するための第1の回転電機2000
と、入出力のトルクを調整するための第2の回転電機3
000と、出力を減速伝達するための減速伝達部400
0とを備える。なおここで、エンジン1と動力伝達手段
12との間のジョイント及び差動ギヤ装置20と駆動輪
30との間のジョイント等の構成は省略している。エン
ジン1の出力軸2はエンジン1の駆動と共に回転駆動
し、図示されないジョイント等を介して動力伝達手段1
2の入力軸2001にエンジン出力を伝達する。
【0028】また、動力伝達手段12は、入力軸200
1に一体的に設けられた第1の回転子2010と、第2
の回転子2310と、固定子に相当するステータ301
0とを有する。ステータ3010は回転磁界を作る巻線
3011及びステータコア3012より構成されてい
る。また、第1の回転子2010も回転磁界を作る巻線
2011及びロータコア2012を有しており、ブラシ
ホルダ2610、ブラシ2620、スリップリング26
30及びリード部2660を介して外部から給電を受け
ている。ここで、リード部2660は、シャフト221
3外周のモールド等からなる絶縁部2650に埋設され
ている。
【0029】第2の回転子2310には、円環状のロー
タヨーク2311とその内周面にN,S極を作るべく周
方向に等間隔に配置された磁石2220とが設けられて
おり、ロータコア2012及び巻線2011と共に第1
の回転電機2000を構成する。また、第2の回転子2
310には、円環状のロータヨーク2311の外周面上
にN、S極を作るべく周方向に等間隔に配置された磁石
2420が設けられており、前記ステータコア3012
及び巻線3011と共に第2の回転電機3000を構成
する。ここで、ロータヨーク2311の内周面或いは外
周面に設けられた磁石2220及び2420は、それぞ
れリング2225及び2425等により第2の回転子2
310に固定されている。
【0030】また、第2の回転子2310のロータヨー
ク2311は、ロータフレーム2331,2332及び
ベアリング2510,2511を介してハウジング17
10,1720に対して回転可能に配設されている。一
方、第1の回転子2010は、シャフト2213(入力
軸2001)及びベアリング2512,2513を介し
て第2の回転子2310のロータフレーム2331,2
332に対して回転可能に配設されている。
【0031】第2の回転子2310の一端は、ロータフ
レーム2332を介してハウジング1710よりもエン
ジン1側に向けて外部へ延出しており、その先端部には
セレーション2332aが形成されている。このロータ
フレーム2332のセレーション2332aは、減速伝
達部4000の小ギヤ4010に噛合している。さら
に、この小ギヤ4010はギヤ4020を介して差動ギ
ヤ装置20に連結されている。なお、ギヤ4020は、
ベアリング4040を介してエンジン等の固定部に固着
された軸部4030に回転可能に支持されている。
【0032】ギヤ4020は、差動ギヤ装置20内の大
ギヤ4100に噛合して動力伝達手段12からの回転力
を減速すると共に、その回転力を差動ギヤ4120,4
130を介して駆動輪30へ伝達する。なお、前記大ギ
ヤ4100は、差動ギヤ装置20内に配設された差動ギ
ヤボックス4110に形成されている。これら一連の歯
車(ギヤ)は、図2に示すように、エンジン1と動力伝
達手段12のハウジング1710の側面との間の隙間に
配置されるように構成されている。すなわち、エンジン
1より動力伝達手段12に向けて回転力が入力される入
力軸2001(シャフト2213)と、動力伝達手段1
2より負荷出力側へ回転力を出力する出力軸に相当する
ロータフレーム2332の先端部とは、同一の側に配置
される構成となっており、動力伝達手段12の小型化が
図られている。
【0033】また、回転センサ2911,2912は公
知のレゾルバ等により構成され、このレゾルバを構成す
るコイルの対向位置には永久磁石2911a,2912
aが配設されている。そして、回転センサ2911,2
912は、第1の回転電機2000及び第2の回転電機
3000のそれぞれの回転情報として、第1の回転子2
010及び第2の回転子2310のそれぞれの回転位置
θ1 ,θ2 並びに回転数Nm1 ,Nm2 をステータ(固
定子)3010を基準として検出する。なお、符号17
30を付す部材は、ブラシホルダ2610及び回転セン
サ2911を収納するためのカバーケースである。
【0034】次に、エンジン制御装置13の詳細な構成
について図3を用いて説明する。図3において、エンジ
ン1の回転検出器1301は公知の構成を有し、エンジ
ン1の図示しないクランク軸が1回転する毎に12パル
スの角度信号と1パルスの基準信号とを出力する。吸入
空気量センサ1302は吸気管3に設けられており、エ
ンジン1に吸入される空気の量に応じてベーン開度が変
化し、その変化量をポテンショメータの検出値として出
力する。つまり、吸入空気量センサ1302は、エンジ
ン1が吸入する空気量を単位時間当たりの体積で吸気量
信号として検出する。
【0035】冷却水温センサ1303は公知のサーミス
タ型センサであり、エンジン1の冷却水温度を抵抗変化
として検出してその検出値を冷却水温信号として出力す
る。吸気温センサ1304は公知のサーミスタ型センサ
であり、吸入空気量センサ1302に付設されている。
そして、同吸気温センサ1304は、エンジン1に吸入
される空気の温度を抵抗変化から検出してその検出値を
吸気温信号として出力する。空燃比センサ1305は、
エンジン1の図示しない排気管集合部に設けられてお
り、排気の空燃比を空燃比信号として電圧で出力する。
これらのセンサの各信号並びに始動スイッチ10の始動
信号は、エンジン制御装置13に入力される。
【0036】制御ユニット1306は、公知のマイクロ
コンピュータや燃料噴射電磁弁4の駆動回路などから構
成され、エンジン回転検出器1301の角度信号及び基
準信号、吸入空気量センサ1302の空気量信号、冷却
水温センサ1303の冷却水温信号、吸気温センサ13
04の吸気温信号、空燃比センサ1305の空燃比信号
等に基づいて燃料噴射電磁弁4の開弁信号を生成する。
通信回路1307は、例えば調歩同期式通信が構成でき
る公知の回路であって、制御ユニット1306に接続さ
れている。
【0037】スロットルアクチュエータ駆動回路130
8は、制御ユニット1306に接続され、端子131
4,1315を介してスロットルアクチュエータ6に接
続されている。また、出力端子1309,1310,1
311,1312は、制御ユニット1306の開弁信号
の出力に接続されると共に、燃料噴射電磁弁4に接続さ
れている。通信端子1313は、通信回路1307及び
ハイブリッド制御装置16に接続されている。
【0038】次に、エンジン制御装置13内の制御ユニ
ット1306に記憶されている制御プログラムについ
て、図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。
図4に示すプログラムは、エンジン制御装置13内の制
御ユニット1306により実行されるメインプログラム
であり、iGキースイッチが投入されることで起動され
る。図4において、先ず最初のステップS5000で
は、制御ユニット内蔵の入出力ポートの初期化やRAM
の変数領域の設定及びスタックポインタの初期化を行
う。
【0039】その後、ステップS5001〜S5005
では、前記の各種センサの検出信号に基づいたエンジン
1の運転状態信号を読み込み、これらの各種信号を制御
ユニット1306内蔵のRAMの変数領域に格納する。
すなわち、 ・ステップS5001では、エンジン回転検出器130
1の角度信号に基づくエンジン回転数Neを取り込み、 ・ステップS5002では、吸入空気量センサ1302
の空気量信号に基づく吸入空気量Qを取り込み、 ・ステップS5003では、冷却水温センサ1303の
冷却水御信号に基づく冷却水温Twを取り込み、 ・ステップS5004では、吸気温センサ1304の吸
気温信号に基づく吸気温Taを取り込み、 ・さらに、ステップS5005では、空燃比センサ13
05の空燃比信号に基づく空燃比A/Fを取り込む。
【0040】その後、ステップS5006では、前記ス
テップS5001で取り込んだエンジン回転数Ne及び
ステップS5002で取り込んだ吸入空気量Qとから回
転当たりの吸気量Qoを演算し(Qo=Q/Ne)、そ
の演算結果を内蔵RAMの変数領域に格納する。また、
ステップS5007では、前記ステップS5004で取
り込んだ吸気温Taに基づき、制御ユニット1306に
内蔵のROMのテーブル領域に記憶されている吸気温補
正係数マップを検索して、吸気温補正係数fTHAを求
める。吸気温補正係数マップは例えば図6に示す公知の
ものであって、吸入空気量センサ1302にて検出した
吸入空気量Qを単位時間当たりの質量として変換する係
数が一次元マップとして設定されている。
【0041】次に、ステップS5008では、前記ステ
ップS5003にて取り込んだ冷却水温Twに基づき、
ROMのテーブル領域に記憶されている暖機補正係数マ
ップを検索して、暖機補正係数fWLを求める。暖機補
正係数マップは例えば図7に示す公知のもので、エンジ
ン1の冷却水温度Twに対する暖機補正係数fWLが一
次元マップとして設定されている。その後、ステップS
5009では、前記ステップS5005にて取り込んだ
空燃比A/Fに基づき、A/Fフィードバック補正係数
fA/Fを演算する。fA/F値の演算は、A/F検出
値を目標値に一致させるようにした公知のものであり、
その詳細な説明は省略する。ステップS5010では、
前記ステップS5006で求めた回転当たりの吸気量Q
oと前記ステップS5007にて求めた吸気温補正係数
fTHAとから基本噴射時間Tpを演算する(Tp=K
・Qo・fTHA)。なお、演算の際の係数Kは、燃料
噴射電磁弁4の開弁時間と燃料噴射量との関係を決定す
る定数である。
【0042】次に、ステップS5011では、上記ステ
ップS5010にて求めた基本噴射時間Tpと暖機補正
係数fWLとA/Fフィードバック補正係数fA/Fと
に基づき、燃料噴射電磁弁4の開弁時間である噴射時間
TAUを演算する(TAU=Tp・fWL・fA/F+
Tv)。なお、Tvは無効噴射時間で、燃料噴射電磁弁
4の時定数による遅れ時間であって燃料量に寄与しない
時間である。
【0043】その後、ステップS5012では、燃料カ
ットをすべきか否かを示すフラグfCUTの状態が
「1」であるか否かを判別する。そして、燃料カットす
べきであれば(fCUT=1の場合)、ステップS50
12を肯定判別してステップS5013に進み、噴射時
間TAUを「0」にクリアした後ステップS5014に
進む。また、燃料カットをしないのであれば(fCUT
=0の場合)、ステップS5012を否定判別して直接
ステップS5014に進む。ステップS5014では、
前記ステップS5011にて求めた噴射時間TAUに基
づき、燃料噴射電磁弁4を駆動するための噴射信号を発
生して出力する。ステップS5015では、iGキース
イッチの状態をチェックし、投入されていれば(ステッ
プS5015がNOの場合)、ステップS5001に戻
って上述の動作を繰り返して実行し、OFFされていれ
ば(ステップS5015がYESの場合)、本プログラ
ムを終了する。
【0044】図5に示すプログラムはエンジン制御装置
13内の制御ユニット1306により実行される割り込
みプログラムであり、前記図3の通信回路1307が通
信データを受信すると起動される。図5において、先ず
ステップS5100では、図3に示す通信回路1307
及び通信端子1313を介してハイブリッド制御装置1
6から送信される車両駆動パワー要求値Pv* を読み込
む。次のステップS5102では、ハイブリッド制御装
置16から送信された車両駆動パワー要求値Pv* に基
づいてエンジン始動中であるか否かを判別する。具体的
には、前記Pv* 値が16進数表示の「0FFFFH」
であるか否かを判別する。そして、Pv* =0FFFF
Hであれば、エンジン始動中であると判断してステップ
S5110に進む。なお因みに、「0FFFFH」のデ
ータは、エンジン始動時であることを表すデータとして
用いられる。
【0045】ステップS5110では、エンジン回転数
Neが所定のアイドル回転数Neidl を越えるか否かに
よりエンジン1が燃焼によりアイドル回転しているか否
かを判別する。このとき、アイドル回転していない旨が
判別されれば(NOの場合)、ステップS5112に進
んでエンジン回転数指令値Ne* に始動回転数NeSTA
のデータをセットし、その後ステップS5114に進
む。また、ステップS5110でアイドル回転している
旨が判別されれば(YESの場合)、ステップS511
6に進んでエンジン回転数指令値Ne* に「0FFFF
H」のデータをセットし、その後ステップS5114に
進む。ステップS5114では、エンジン始動時のアイ
ドル状態を維持するためにスロットル開度θTHを「0」
とし、すなわちスロットルアクチュエータ6による吸入
空気量調節量THを「0」とし、その後ステップS51
22に進む。
【0046】一方、前記ステップS5102にてPv≠
0FFFFHである旨が判別されると(当該ステップが
NOの場合)、エンジン始動中でないと判断してステッ
プS5104に進む。ステップS5104では、車両駆
動パワー要求値Pv* が「0」であるか否かを判別し、
Pv* =0であれば(YESの場合)、ステップS51
18に進んでエンジン回転数指令値Ne* に「0FFF
FH」のデータをセットする。また、続くステップS5
120では、吸入空気量調節量THを「0」(スロット
ル開度θTH=0)とした後、ステップS5122に進
む。
【0047】また、ステップS5104にてPv* ≠0
であれば(NOの場合)、次のステップS5105で
は、車両駆動パワー要求値Pv* が負の値(マイナス
値)であるか否かを判別し、Pv* 値が負であれば(P
v* <0の場合)、ステップS5117に進む。ステッ
プS5117では、予め記憶されているエンジン1のブ
レーキマップにより当該エンジン1の動作点を決定し、
エンジン回転数指令値Ne* を演算する。ブレーキマッ
プには、例えば図8(b)に示す特性に基づいて、燃料
カット時のエンジン出力トルクMeをパラメータとする
エンジン回転数Neが一次元マップとして記憶されてい
る。その後、ステップS5119では、吸入空気量調節
量THを「0」(スロットル開度θTH=0)とし、さら
に続くステップS5121では、燃料カットフラグfC
UTに「1」をセットしてステップS5122に進む。
かかる場合、燃料カットフラグfCUTのセットに伴い
燃料噴射電磁弁4による燃料噴射動作が停止されること
になる。
【0048】また、前記ステップS5105が否定判別
された場合(Pv* >0の場合)、ステップS5106
に進み、当該ステップS5106では、予め記憶されて
いるエンジン1の燃費率マップにより当該エンジン1の
動作点を決定し、その動作点に応じてエンジン回転数指
令値Ne* を演算する。燃費率マップには、例えば図8
(a)に示す特性に基づいて、エンジン出力トルクMe
とエンジン回転数Neとをパラメータとするエンジン1
の燃費率(g/kWh)が二次元マップとして記憶され
ている。すなわち、エンジン出力トルク指令値Me* が
決定されれば、燃費率が最も最良となるエンジン動作点
(例えば図8(a)のC点)が求められ、この動作点に
対応する回転数がエンジン回転数指令値Ne* として算
出されることになる。
【0049】さらに、続くステップS5108では、上
記のエンジン動作点に対応するスロットル開度θTHをス
ロットル開度マップにより求め、そのマップ値に基づい
てスロットルアクチュエータ6の吸入空気量調節量TH
を演算する。スロットル開度マップは、例えば図9に示
すエンジン1の特性に基づき作成されている。図9にお
いて、横軸のエンジン回転数Neはエンジン1の最大回
転数で正規化されており、縦軸のエンジン出力トルクM
eはエンジン1の最大出力トルクで正規化されている。
そして、同スロットル開度マップには、上記エンジン出
力トルクMeとエンジン回転数Neとをパラメータとす
るスロットル開度θTHが二次元マップとして記憶されて
いる。従って、当該ステップS5108では、前記ステ
ップS5106にて演算したエンジン回転数指令値Ne
* とエンジン出力トルク指令値Me* とに基づいてスロ
ットル開度目標値θTH* が求められ、このスロットル開
度目標値θTH* から吸入空気量調節量THが演算される
ようになっている。スロットル開度目標値θTH* から吸
入空気量調節量THへの変換は、予め求められ且つ記憶
されているスロットル特性(スロットルアクチュエータ
6の特性)に基づき行われる。
【0050】上記の通りNe* 値及びTH値の演算後に
おいて、ステップS5122では、前記ステップS51
08,S5114,S5119,S5120で求めた吸
入空気量調節量THに基づいてスロットルアクチュエー
タ6を制御する。さらに、続くステップS5124で
は、前記ステップS5106,S5112,S511
6,S5117,S5118で求めたエンジン回転数指
令値Ne* を図3の通信回路1307を介してハイブリ
ッド制御装置16に送信する。以上の処理をした後、割
り込みプログラムが起動する前のメインプログラムに戻
る。
【0051】次に、インバータ装置14の詳細な構成に
ついて図10を用いて説明する。図10において、イン
バータ装置14には、蓄電装置15のプラス端子及びマ
イナス端子に接続される主電源入力端子1401,14
02と、第1の回転電機2000に内蔵されたU,V,
W各相の巻線に接続される出力端子1403,140
4,1405と、第2の回転電機3000に内蔵された
U,V,W各相の巻線に接続される出力端子1406,
1407,1408とが設けられている。またその他
に、動力伝達手段12に内蔵された回転センサ2911
との接続端子1409と、同じく動力伝達手段12に内
蔵された回転センサ2912との接続端子1410とが
設けられている。これら接続端子1409,1410は
それぞれ、励磁信号及び回転子位置信号(sin信号,
cos信号)用に使用し、差動構成となっている。ま
た、通信端子1411は、ハイブリッド制御装置16と
の間でシリアル通信が実施可能な公知の構成を有する。
なお、主電源入力端子1401, 1402間には入力コ
ンデンサ1412が接続されている。
【0052】IGBTモジュール1413,1414,
1415,1419,1420,1421は、IGBT
素子(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ素子)とフ
ライホイールダイオードとが各2個ずつ内蔵された公知
の構成を有する。その構成をIGBTモジュール141
3について説明すると、当該モジュール1413の端子
C1は一方の主電源入力端子1401に接続され、端子
E2は他方の主電源入力端子1402に接続されてい
る。また、端子C2及び端子E1は出力端子1403に
接続され、第1の回転電機2000のU相巻線を駆動す
る構成となっている。IGBTモジュール1413と同
様に、IGBTモジュール1414, 1415はそれぞ
れ、第1の回転電機2000のV相巻線及びW相巻線を
駆動する構成となっている。また、IGBTモジュール
1419, 1420,1421はそれぞれ、第2の回転
電機3000のU相巻線、V相巻線及びW相巻線を駆動
する構成となっている。
【0053】さらに、本インバータ装置14には、電流
センサ1416,1417,1422,1423が設け
られている。同電流センサは例えばクランプ型でホール
素子を用いた非接触タイプのセンサからなり、各々に出
力端子1403,1405,1406,1408に流れ
る電流を検出しその検出値を電圧信号で出力する。より
詳細には、電流センサ1416は、第1の回転電機20
00のU相巻線を流れる電流を検出し、電流センサ14
17は、第1の回転電機2000のW相巻線を流れる電
流を検出する。また、電流センサ1422は、第2の回
転電機3000のU相巻線を流れる電流を検出し、電流
センサ1423は、第2の回転電機3000のW相巻線
を流れる電流を検出する。
【0054】ゲート駆動部1418は、IGBTモジュ
ール1413〜1415に内蔵されている個々のIGB
T素子のゲートを駆動する公知の構成を有し、また他方
のゲート駆動部1424は、IGBTモジュール141
9〜1421に内蔵されている個々のIGBT素子のゲ
ートを駆動する公知の構成を有する。
【0055】信号処理部1425は、動力伝達手段12
に内蔵された回転センサ2911の検出信号を処理する
回路からなり、詳細は示さないが約7kHzの正弦波の
励磁信号を接続端子1409から出力する。また、回転
センサ2911からの回転子位置信号(sin信号,c
os信号)を接続端子1409から入力して回転子位置
を求め、この回転子位置の情報を10ビットパラレルで
出力する。また他方の信号処理部1426も同様に、動
力伝達手段12に内蔵された回転センサ2912の検出
信号を処理する回路からなり、回転センサ2912から
の回転子位置信号(sin信号,cos信号)を接続端
子1410より入力して回転子位置を求め、この回転子
位置の情報を10ビットパラレルで出力する。
【0056】制御ユニット1427は、例えば公知のシ
ングルチップマイクロコンピュータを主体として構成さ
れ、通信端子1411から入力される第1のトルク指令
値Mm1*(第1の回転電機2000のトルク指令値)
と、第1の回転電機2000の回転子位置(信号処理部
1425の出力)と、第1の回転電機2000のU相巻
線及びW相巻線を流れる電流(電流センサ1416,1
417の出力)とに基づき、内蔵のROMに記憶されて
いるプログラムにより公知のベクトル制御を実施して第
1の回転電機2000を第1のトルク指令値Mm1*通り
に制御する。また、同じく制御ユニット1427は、通
信端子1411から入力される第2のトルク指令値Mm
2*(第2の回転電機3000のトルク指令値)と、第2
の回転電機3000の回転子位置(信号処理部1426
の出力)と、第2の回転電機3000のU相巻線及びW
相巻線を流れる電流(電流センサ1422,1423の
出力)とに基づき、内蔵のROMに記憶されているプロ
グラムにより公知のベクトル制御を実施して第2の回転
電機3000を第2のトルク指令値Mm2*通りに制御す
る。
【0057】図11及び図12は、インバータ装置14
内の制御ユニット1427内蔵のROMに記憶されてい
る制御プログラムを示すフローチャートであり、これら
のフローはそれぞれメインプログラム及び割り込みプロ
グラムとして制御ユニット1427により実行される。
【0058】図11に図示するメインプログラムは、車
両のiGキースイッチがONされることでスタートす
る。先ずステップS5200では、制御ユニット142
7に内蔵されたRAMに割り付けた変数やスタック及び
入出力ポートなどの汎用レジスタを初期化する。特に、
後述する第1の回転電機2000のd軸電流指令値im
1d* 及びq軸電流指令値im1q* と、第2の回転電機3
000のd軸電流指令値im2d* 及びq軸電流指令値i
m2q* とを「0」に初期化する。
【0059】ステップS5202では、制御ユニット1
427に内蔵された通信ポートのステータスを読み込
み、通信ポートにデータが受信されたか否かを表すフラ
グを取り込む。その後、ステップS5204では、デー
タが受信されたか否かを判別し、データが受信されてい
なければ直接ステップS5212に進む。
【0060】データが受信されていれば、ステップS5
206に進み、受信したデータである第1のトルク指令
値Mm1*及び第2のトルク指令値Mm2*を取り込み、内
蔵RAMの変数領域に格納する。次に、ステップS52
08では、前記ステップS5206にて記憶した第1の
トルク指令値Mm1*に基づき、第1の回転電機2000
の各相巻線に流す電流の指令値として、図示していない
公知の回転子の界磁方向とそれに直交する方向とに座標
を設定したd−q軸座標系におけるそれぞれの電流成分
であるd軸電流指令値im1d* 及びq軸電流指令値im
1q* を演算する。このとき、第1のトルク指令値Mm1*
と、前回処理時に演算された第1の回転電機2000の
回転数Nm1 (後述のステップS5216による演算
値)と、ROMに記憶されている第1の回転電機200
0のインダクタンスLや一次抵抗Rなどのモータ定数と
により公知のベクトル演算が実施され、d軸及びq軸電
流指令値im1d* ,im1q* が求められるようになって
いる。
【0061】さらに、ステップS5210では、前記ス
テップS5206にて記憶した第2のトルク指令値Mm
2*に基づき、第2の回転電機3000の各相巻線に流す
電流の指令値として、図示していない公知の回転子の界
磁方向とそれに直交する方向とに座標を設定したd−q
軸座標系におけるそれぞれの電流成分であるd軸電流指
令値im2d* 及びq軸電流指令値im2q* を演算する。
なお、このd軸及びq軸電流指令値im2d* ,im2q*
も公知のベクトル演算により算出されるようになってい
る。
【0062】その後、ステップS5212では、第1の
回転電機2000の回転情報である第1の回転子201
0の回転数Nm1 を信号処理部1425より取り込んで
そのデータを内蔵メモリに格納する。また続くステップ
S5214では、第2の回転電機3000の回転情報で
ある第2の回転子2310の回転数Nm2 を信号処理部
1426より取り込んでそのデータを格納する。また、
ステップS5216では、前記取り込んだ回転数Nm1
,Nm2 から第1の回転電機2000の回転数Nm1
を新たに算出する。つまり、第1の回転電機2000は
第1の回転子2010と第2の回転子2310とを含む
構成であり、前記ステップS5212で取り込んだ第1
の回転子2010の回転数Nm1 はステータ(固定子)
3010を基準とした回転数であることから、次の数式
(1)により第1の回転電機2000の回転数Nm1 が
算出できる。
【0063】 Nm1 =Nm1 −Nm2 ・・・(1) その後、ステップS5218では、前記ステップS52
16で算出した第1の回転電機2000の回転数Nm1
及び前記ステップS5214で取り込んだ第2の回転電
機3000の回転数Nm2 を出力端子1411からハイ
ブリッド制御装置16に送信する。さらに、ステップS
5220では、車両のiGキースイッチがOFFされた
か否かを判別し、OFFされていなければステップS5
202に戻り、OFFされていれば本プログラムを終了
する。
【0064】次に、図12に示すフローチャートを用
い、割り込みプログラムを説明する。本割り込みプログ
ラムは、所定の時間間隔のタイマ割り込みで起動する構
成となっており、起動後先ずステップS5300では、
電流センサ1416,1417の出力である第1の回転
電機2000のU相線電流i1u及びW相線電流i1wと、
電流センサ1422,1423の出力である第2の回転
電機3000のU相線電流i2u及びW相線電流i2wとを
読み込み、制御ユニット1427の内蔵RAMの変数領
域に格納する。また、ステップS5302では、第1の
回転電機2000における第1の回転子2010の回転
子位置θ1 及び第2の回転電機3000における第2の
回転子2310の回転子位置θ2 を読み込んで、制御ユ
ニット1427の内蔵RAMの変数領域に格納する。な
おこのとき、第2の回転子2310の回転子位置θ2 は
第2の回転電機3000の回転子位置と同一である。
【0065】その後、ステップS5304では、第1の
回転子2010と第2の回転子2310との相対回転位
置を演算し、その演算結果を第1の回転電機2000の
回転子位置θ1 とする(θ1 =θ1 −θ2 )。
【0066】また、ステップS5306では、図示しな
い公知の回転子の界磁方向とそれに直交する方向とに座
標を設定したd−q軸座標系におけるそれぞれの電流成
分である第1及び第2の回転電機2000,3000の
d軸電流及びq軸電流(i1d,i1q,i2d,i2q)を演
算する。つまり、上記U相線電流i1u及びW相線電流i
1wと回転子位置θ1 とに基づき、第1の回転電機200
0の巻線に流れる三相交流電流をd−q軸座標系のd軸
電流i1d及びq軸電流i1qに変換すると共に、上記U相
線電流i2u及びW相線電流i2wと回転子位置θ2 とに基
づき、第2の回転電機3000の巻線に流れる三相交流
電流をd−q軸座標系のd軸電流i2d及びq軸電流i2q
に変換する。
【0067】次に、ステップS5308では、制御ユニ
ット1427の内蔵RAMの変数領域に格納されている
d軸電流指令値im1d* ,im2d* 及びq軸電流指令値
im1q* ,im2q* と、前記ステップS5306で演算
したd軸電流i1d,i2d及びq軸電流i1q,i2qとに基
づいて、d軸成分とq軸成分毎にそれぞれの電流偏差ε
1d,ε2d,ε1q,ε2qを演算する。
【0068】その後、ステップS5310では、前記ス
テップS5308で演算した電流偏差ε1d,ε1qと第1
の回転電機2000の電気的定数とに基づいて、第1の
回転電機2000に印加する電圧のd−q軸成分である
d軸電圧指令値V1d* 及びq軸電圧指令値V1q* を演算
する。また、同じくステップS5310では、前記ステ
ップS5308で演算した電流偏差ε2d,ε2qと第2の
回転電機3000の電気的定数とに基づいて、第2の回
転電機3000に印加する電圧のd−q軸成分であるd
軸電圧指令値V2d* 及びq軸電圧指令値V2q* を演算す
る。
【0069】ステップS5312では、第1の回転電機
2000のd軸電圧指令値V1d* 及びq軸電圧指令値V
1q* から三相交流の相電圧指令値V1u* ,V1v* ,V1w
* を演算すると共に、第2の回転電機3000のd軸電
圧指令値V2d* 及びq軸電圧指令値V2q* から三相交流
の相電圧指令値V2u* ,V2v* ,V2w* を演算する。そ
して、ステップS5314では、この相電圧指令値V1u
* ,V1v* ,V1w* ,V2u* ,V2v* ,V2w* について
例えば10kHzを変調周波数とするパルス幅変調(P
WM)の演算を行う。そして最後に、ステップS531
6で、制御ユニット1427に内蔵のPWMレジスタ
に、前記ステップS5314での演算結果を書き込んで
本プログラムを終了する。
【0070】次に、ハイブリッド制御装置16の詳細な
構成について図13を用いて説明する。図13におい
て、ハイブリッド制御装置16は、各種センサ等の信号
を入力するための入力端子1600,1601,160
2,1603を有する。より具体的には、入力端子16
00はアクセルセンサ7に接続されており、同端子16
00にはアクセル信号が入力される。入力端子1601
はブレーキセンサ8に接続されており、同端子1601
にはブレーキ信号が入力される。入力端子1602はシ
フトスイッチ9に接続されており、同端子1602には
シフト信号が入力される。また、入力端子1603は始
動スイッチ10に接続されており、同端子1603には
始動信号が入力される。
【0071】またさらに、ハイブリッド制御装置16の
通信端子1604,1605はそれぞれエンジン制御装
置13及びインバータ装置14に接続されており、制御
に必要な情報を相互に通信できる構成となっている。
【0072】アナログ信号入力部1610は、演算増幅
器を含む公知の電圧増幅回路より構成され、入力端子1
600から入力されるアクセル信号を所定の電圧レベル
に増幅する。デジタル信号入力部1620は、比較器或
いはトランジスタを含む公知のデジタル信号入力回路に
て構成され、入力端子1601から入力されるブレーキ
信号、入力端子1602から入力されるシフト信号、及
び入力端子1603から入力される始動信号をTTLレ
ベルの信号に変換する。
【0073】ハイブリッド制御装置16の制御を実行す
る制御ユニット1630は、公知のシングルチップマイ
クロコンピュータを主体に構成され、制御プログラムや
データが格納されているROM、演算に必要なRAM、
アナログ信号を取り込むA/Dコンバータ、シリアル通
信機能部などが内蔵されている。この制御ユニット16
30は、前記アナログ信号入力部1610及びデジタル
信号入力部1620に接続されており、前記アクセルセ
ンサ7の検出結果に基づくアクセル開度ACC、前記ブ
レーキセンサ8の検出結果に基づくブレーキ状態BR
K、前記シフトスイッチ9のシフト信号に基づくシフト
位置SFT、及び前記始動スイッチ10のON/OFF
信号に基づく始動状態STAを取り込む。
【0074】通信バッファ回路よりなる通信部164
0,1650は同一の構成からなり、一方の通信部16
40は制御ユニット1630と通信端子1604との間
に設けられ、他方の通信部1650は制御ユニット16
30と通信端子1605との間に設けられている。
【0075】次に、制御ユニット1630に内蔵のRO
Mに格納されている制御プログラムの構成について、図
14〜図20を用いて説明する。図14に示すプログラ
ムは、ハイブリッド制御装置16内の制御ユニット16
30により実行されるメインプログラムであり、iGキ
ースイッチが投入されることで起動する。起動後、先ず
ステップS5400では初期化が行われる。この初期化
では、制御ユニット1630に内蔵されている入出力ポ
ートや通信ポートの初期状態の設定、同じく制御ユニッ
ト1630に内蔵されているRAMに割り付けられた変
数領域のデータの初期設定、並びにスタックポインタの
初期設定などが行われる。
【0076】その後、ステップS5402ではアナログ
信号入力部1610から入力されるアクセル信号をA/
D変換して、変換後の信号をアクセル開度ACCとして
取り込む。次のステップS5404では、デジタル信号
入力部1620から入力されるブレーキ信号に対応する
ブレーキ状態BRKを取り込む。ブレーキ状態BRK
は、ブレーキが操作されると”1”となり、ブレーキが
操作されなければ”0”となるように論理が構成されて
いる。
【0077】また、ステップS5406では、デジタル
信号入力部1620から入力されるシフト信号に対応す
るシフト位置SFTを取り込む。シフト位置SFTは、
4ビットパラレル信号であり、駐車(P)、後退
(R)、中立(N)、前進(D)などにシフトスイッチ
9が操作されれば、それぞれSFT値が”1”、”
2”、”4”、”8”となるように論理が構成されてい
る。さらに、ステップS5408では、デジタル信号入
力部1620から入力される始動信号に対応する始動状
態STAを取り込む。始動状態STAは、iGキースイ
ッチの操作により始動操作されると”1”となり、始動
操作されなければ”0”となるように論理が構成されて
いる。
【0078】その後、ステップS5410では、通信部
1650を介してインバータ装置14から第1の回転電
機2000の回転数Nm1 を受信し、続くステップS5
412では、通信部1650を介してインバータ装置1
4から第2の回転電機3000の回転数Nm2 を受信す
る。さらに、ステップS5414では、回転数Nm2に
基づき下記の数式(2)により車速Vを演算する。
【0079】 V=C1 ・Nm2 ・・・(2) 但し、上記数式(2)においてC1 は予め設定されてい
る係数である。その後、ステップS5416〜S543
2では、前記ステップS5406及びS5408で取り
込んだシフト位置SFT及び始動状態STAに基づい
て、車両状態に応じたハイブリッド制御を実施する。
【0080】つまり、ステップS5416では、始動状
態STAが”1”であるか否かを判別し、STA=”
1”であれば、当該ステップを肯定判別してステップS
5418に進む。かかる場合、始動状態であるため、ス
テップS5418で後述するエンジン始動処理(図15
の処理)を実行し、その後ステップS5434に進む。
また、前記ステップS5416で始動状態STAが”
0”であれば、当該ステップを否定判別してステップS
5420に進む。かかる場合には、始動状態でないた
め、ステップS5420,S5424,S5428にて
シフト位置SFTの判別を行う。
【0081】ここで、ステップS5420では、シフト
位置SFTが”1”であるか否かを判別し、シフト位置
SFTが”1”であれば、同ステップを肯定判別してス
テップS5422に進む。この場合、SFT=”1”で
あることはシフト位置が駐車(P)位置にあることを意
味し、ステップS5422で後述するPレンジの処理
(図17の処理)を実行した後ステップS5434に進
む。また、前記ステップS5420でシフト位置SFT
が”1”でなければ、当該ステップを否定判別してステ
ップS5424に進む。
【0082】ステップS5424では、シフト位置SF
Tが”2”であるか否かを判別し、シフト位置SFT
が”2”であれば当該ステップを肯定判別してステップ
S5426に進む。この場合、SFT=”2”であるこ
とはシフト位置が後退(R)位置にあることを意味し、
ステップS5426で後述するRレンジの処理(図18
の処理)を実行した後ステップS5434に進む。ま
た、前記ステップS5424でシフト位置SFTが”
2”でなければ、当該ステップを否定判別してステップ
S5428に進む。
【0083】ステップS5428では、シフト位置SF
Tが”4”であるか否かを判別し、シフト位置SFT
が”4”であれば当該ステップを肯定判別してステップ
S5430に進む。この場合、SFT=”4”であるこ
とはシフト位置がニュートラル(N)位置にあることを
意味し、ステップS5430で後述するNレンジの処理
(図19の処理)を実行した後ステップS5434に進
む。また、前記ステップS5428でシフト位置SFT
が”4”でなければ、当該ステップを否定判別してステ
ップS5432に進む。
【0084】上記のステップS5420,S5424,
S5428が全て否定判別された場合、シフト位置SF
Tは”8”であるとみなされる。この場合、SFT=”
8”であることはシフト位置が前進(D)位置にあるこ
とを意味し、ステップS5432で後述するDレンジ処
理(図20の処理)を実行した後ステップS5434に
進む。ステップS5434では、iGキースイッチがO
FFされているか否かを判別し、OFFされていなけれ
ば(NOの場合)、ステップS5402に戻って上述の
処理を繰り返す。また、iGキースイッチがOFFされ
ていれば(YESの場合)、本プログラムを終了する。
【0085】次に、上記図14に示すプログラムにおけ
るステップS5418のエンジン始動処理について、図
15のフローチャートを用いて説明する。このエンジン
始動処理において、先ずステップS5500では車両駆
動トルク指令値Mv* を「0」にクリアすると共に、続
くステップS5502では車両駆動パワー要求値Pv*
に「0FFFFH(16進数)」をセットする。次のス
テップS5504では、前記ステップS5502にてセ
ットした車両駆動パワー要求値Pv* をエンジン制御装
置13に送信する。さらに、ステップS5506では、
エンジン制御装置13に接続されている通信ポートから
エンジン回転数指令値Ne* を受信する。
【0086】その後、ステップS5508では、第1及
び第2の回転電機2000,3000のトルク指令値で
ある第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を演算
する。この演算は、図16に示すサブルーチンを呼び出
すことで実行される。さらに、続くステップS5510
では、前記ステップS5508にて演算した第1及び第
2のトルク指令値Mm1*,Mm2*(第1及び第2の回転
電機2000,3000のトルク指令値)を制御ユニッ
ト1630に内蔵の通信ポート及び通信部1650を介
してインバータ装置14に送信する。
【0087】ここで、前記ステップS5508で呼び出
されるサブルーチンを図16に従って説明する。先ずス
テップS5600では、エンジン制御装置13から受信
したエンジン回転数指令値Ne* が「0FFFFH」で
あるか否かを判別する。このステップが肯定判別されれ
ばステップS5606に進み、第1のトルク指令値Mm
1*を「0」に設定した後、ステップS5608に進む。
また、ステップS5600が否定判定されればステップ
S5602に進み、エンジン回転数指令値Ne* と現在
のエンジン回転数Neとに基づいて回転数偏差εi を次
の数式(3)により演算する。
【0088】 εi ={(Ne* −Ne)+C2 ・εi-1 }/(1+C2 ) ・・・(3) 但し、上記数式(3)において、C2 は予め設定されて
いる係数であり、iは演算回数を表す符号である。
【0089】なおここで、現在のエンジン回転数Ne
は、図2に示す第1の回転子2010及びエンジン1の
出力軸2と同一の回転数である。従って、インバータ装
置14から受信した第1及び第2の回転電機2000,
3000のそれぞれの回転数Nm1 及びNm2 に基づ
き、次の数式(4)から現在のエンジン回転数Neが算
出されるようになっている。
【0090】 Ne=Nm1 +Nm2 ・・・(4) 回転数偏差εi の演算後、ステップS5604では、第
1の回転電機2000に指令する第1のトルク指令値M
m1*を次の数式(5)により演算する。
【0091】 Mm1*=Mm1*+K1 ・εi +K2 ・εi-1 +K3 ・εi-2 ・・・(5) 但し、上記数式(5)において、K1 ,K2 ,K3 は予
め設定されている係数である。
【0092】さらに、ステップS5608では、車両駆
動トルク指令値Mv* を用い、第2の回転電機3000
に指令するトルク指令値Mm2*を次の数式(6)により
演算する。
【0093】 Mm2*=Mv* −Mm1* ・・・(6) このトルク指令値Mm2*の演算後、サブルーチンを呼び
出した元のプログラムに戻る。
【0094】次に、前記図14に示すプログラムにおけ
るステップS5422のPレンジ処理(駐車時の処理)
について、図17のフローチャートを用いて説明する。
このPレンジ処理において、先ずステップS5700で
は、車両駆動トルク指令値Mv* を「0」にクリアす
る。次のステップS5702では、車両駆動パワー要求
値Pv* に「0FFFFH(16進数)」をセットす
る。その後、ステップS5704では、前記ステップS
5702にてセットした車両駆動パワー要求値Pv* を
エンジン制御装置13に送信する。
【0095】さらに、ステップS5706では、エンジ
ン制御装置13に接続されている通信ポートからエンジ
ン回転数指令値Ne* を受信する。また、ステップS5
708では、第1及び第2の回転電機2000,300
0の各トルク指令値である第1及び第2のトルク指令値
Mm1*,Mm2*を共に「0」にクリアし、続くステップ
S5710では、第1及び第2のトルク指令値Mm1*,
Mm2*を制御ユニット1630に内蔵の通信ポート及び
通信部1650を介してインバータ装置14に送信す
る。
【0096】次に、前記図14に示すプログラムにおけ
るステップS5426のRレンジ処理(後退時の処理)
について、図18のフローチャートを用いて説明する。
このRレンジ処理において、先ずステップS5800で
は車両駆動トルク指令値Mv* を演算する。この演算
は、車速V、アクセル開度ACC、ブレーキ状態BRK
及びシフト位置SFTを入力パラメータとしてマップ検
索により行う構成としている。つまり、制御ユニット1
630に内蔵のROMには、例えば図21(a)に示す
特性からなるマップが記憶保持されている。ここで、図
21(a)は、シフト位置SFTが”R”レンジの場合
の特性であって、車速V、アクセル開度ACC及びブレ
ーキ状態BRKをパラメータとする車両駆動トルク指令
値Mv* の特性を示す。なお、図21において、車速V
は車両の最高車速で正規化したものであるが、記憶され
ているマップ値は車速Vの絶対値で検索されるようにな
っている。
【0097】さらに、ステップS5802では、車両駆
動パワー要求値Pv* を演算する。この演算では、係数
Ca 、車両駆動トルク指令値Mv* 及び車速Vに基づ
き、 Pv* =Ca ・Mv* ・V といった数式により車両駆動パワー要求値Pv* が求め
られる。
【0098】その後、ステップS5804では、前記ス
テップS5802にて演算した車両駆動パワー要求値P
v* をエンジン制御装置13に送信する。また、続くス
テップS5806ではエンジン制御装置13に接続され
ている通信ポートからエンジン回転数指令値Ne* を受
信する。さらに、ステップS5808では、第1及び第
2の回転電機2000,3000の各トルク指令値であ
る第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を演算す
る。この演算は始動処理(前記図15のルーチン)と同
様に、前記図16のサブルーチンを呼び出すことで実施
される。最後に、ステップS5810では、第1及び第
2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を制御ユニット163
0に内蔵の通信ポート及び通信部1650を介してイン
バータ装置14に送信する。
【0099】次に、前記図14に示すプログラムにおけ
るステップS5430のNレンジ処理(ニュートラル時
の処理)について、図19のフローチャートを用いて説
明する。このNレンジ処理において、先ずステップS5
900では、車両駆動トルク指令値Mv* を「0」にク
リアし、続くステップS5902では、車両駆動パワー
要求値Pv* に「0FFFFH(16進数)」をセット
する。その後、ステップS5904では、前記ステップ
S5902にてセットした車両駆動パワー要求値Pv*
をエンジン制御装置13に送信する。
【0100】さらに、ステップS5906ではエンジン
制御装置13に接続されている通信ポートからエンジン
回転数指令値Ne* を受信する。また、ステップS59
08では、第1及び第2の回転電機2000,3000
の各トルク指令値である第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*を共に「0」にクリアし、続くステップS
5910では、第1及び第2のトルク指令値Mm1*,M
m2*を制御ユニット1630に内蔵の通信ポート及び通
信部1650を介してインバータ装置14に送信する。
【0101】次に、前記図14に示すプログラムにおけ
るステップS5432のDレンジ処理(前進時の処理)
について、図20のフローチャートを用いて説明する。
このDレンジ処理において、先ずステップS6000で
は車両駆動トルク指令値Mv* を演算する。この演算
は、車速V、アクセル開度ACC、ブレーキ状態BRK
及びシフト位置SFTを入力パラメータとしてマップ検
索により行う構成としている。つまり、制御ユニット1
630に内蔵のROMには、例えば図21(b)に示す
特性からなるマップが記憶保持されている。ここで、図
21(b)は、シフト位置SFTが”D”レンジの場合
の特性であって、車速V、アクセル開度ACC及びブレ
ーキ状態BRKをパラメータとする車両駆動トルク指令
値Mv* の特性を示す。なお、同図21(b)のマップ
は、基本的に前記図21(a)と同様の構造を有する。
【0102】さらに、ステップS6002では、車両駆
動パワー要求値Pv* を演算する。この演算では、係数
Ca 、車両駆動トルク指令値Mv* 及び車速Vに基づ
き、 Pv* =Ca ・Mv* ・V といった数式により車両駆動パワー要求値Pv* が求め
られる。
【0103】その後、ステップS6004では、前記ス
テップS6002にて演算した車両駆動パワー要求値P
v* をエンジン制御装置13に送信する。ステップS6
006ではエンジン制御装置13に接続されている通信
ポートからエンジン回転数指令値Ne* を受信する。さ
らに、ステップS6008では、第1及び第2の回転電
機2000,3000の各トルク指令値である第1及び
第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を演算する。この演
算は、始動処理及びRレンジ処理(前記図15,図18
のルーチン)と同様に、前記図16のサブルーチンを呼
び出すことで行われる。最後に、ステップS6010で
は、第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を制御
ユニット1630に内蔵の通信ポート及び通信部165
0を介してインバータ装置14に送信する。
【0104】一方、ハイブリッド制御装置16の制御ユ
ニット1630は、図22に示すフローチャートを用
い、三元触媒19のヒータ制御プログラムを実施する。
本プログラムは、所定の時間間隔のタイマ割り込みで起
動する構成となっており、起動後先ずステップS610
0では、図1に示す残存容量検出器17により検出され
た蓄電装置15の端子電圧VBが所定レベル(本実施の
形態では、定格電圧の288ボルト)を越えるか否かを
判別し、続くステップS6102では同じく残存容量検
出器17により検出された蓄電装置15の残存容量SO
Cが所定レベル(本実施の形態では、70%)を越える
か否かを判別する。なお上記ステップS6100,S6
102は、いずれか一方の判別処理だけを実施するよう
にしてもよい。また、ステップS6104では、車両駆
動パワー要求値Pv* が負の値(マイナス値)であるか
否かを判別する。
【0105】この場合、ステップS6100〜S610
4が全て肯定判別されれば、ステップS6106に進
み、三元触媒19のヒータ19aを通電加熱する。つま
り、ヒータ19aに蓄電装置15から電力を供給する。
こうした状態は、蓄電装置15が満充電に近い状態にあ
ることを意味すると同時に、Pv* <0であることから
車両が制動状態にあり燃料カットが実行されていること
を意味する(前述したエンジン制御装置13による図5
のプログラム参照)。このヒータ19aの通電処理によ
り、車両制動時に発生する余剰エネルギが三元触媒13
の活性化に活用されることになる。
【0106】また、前記ステップS6100〜S610
4のいずれかが否定判別されれば、ステップS6108
に進み、ヒータ19aの通電加熱が停止される。例えば
蓄電装置15の端子電圧VBが所定レベル(288ボル
ト)を下回る場合や、残存容量SOCが所定レベル(7
0%)を下回る場合にヒータ通電を継続すると、意図に
反して蓄電装置15が放電状態になるため、これらの場
合にはヒータ通電が停止されることになる。また、車両
駆動パワー要求値Pv* が正の値になることは、車両制
動状態が解除されたことを意味するため、かかる場合に
も、ヒータ通電が停止されることになる。なお因みに、
上記のヒータ制御プログラムは、基本的に車両制動状態
での燃料カット時に実施されればよいため、ステップS
6104の判別処理に代えて前記図5にて操作される燃
料カットフラグfCUTが「1」にセットされているか
否かを判別するようにしてもよい。
【0107】なお、本実施の形態では、エンジン制御装
置13による図4のプログラムにより燃料噴射制御手段
が構成され、図5のプログラムにより制動状態検出手段
(同図のステップS5105)及び燃料噴射量操作手段
が構成されている。また、ハイブリッド制御装置16に
よる図22のプログラムによりヒータ制御手段が構成さ
れている。
【0108】以上の構成による本実施の形態の動作につ
いて、以下には、(イ)始動状態、(ロ)前進走行状
態、及び(ハ)後退走行状態に区分して説明する。 (イ)始動状態 先ず、始動状態について説明する。さて、図示しないi
Gキースイッチが投入されると、エンジン制御装置13
とインバータ装置14及びハイブリッド制御装置16
に、図示しない12V〔ボルト〕の補機電池より電源が
供給される。これにより、エンジン制御装置13内の制
御ユニット1306、インバータ装置14内の制御ユニ
ット1427及びハイブリッド制御装置16内の制御ユ
ニット1630がそれぞれに内蔵したROMに格納され
ているプログラムを起動する。
【0109】この始動状態においてエンジン制御装置1
3の動作を前記図4のプログラムを参照して説明すれ
ば、かかる場合には、エンジン1が回転していないため
に空気は吸入されず、その際に取り込まれる吸入空気量
Q並びにその際に演算される回転当たりの吸気量Qoは
共に「0」になる(図4のステップS5002,S50
06)。従って、噴射時間TAUは無効噴射時間Tvの
みとなり(ステップS5010,S5011)、噴射信
号TAUを出力しても(ステップS5014)、エンジ
ン1には燃料が供給されずエンジン1は停止状態を保持
する。
【0110】また、インバータ装置14では、iGキー
スイッチの投入により前記図11のプログラムが起動さ
れる。そして先ずは、第1及び第2のトルク指令値Mm
1*,Mm2*や電流指令値im1d* ,im2d* ,im1q*
,im2q* が「0」に初期化される(図11のステッ
プS5200)。iGキースイッチ投入直後は外部機器
との通信が行われないため(ステップS5204がN
O)、ステップS5206〜S5210の処理は実行さ
れない。この場合、前記図12のフローチャートで実行
される第1及び第2の回転電機2000,3000のト
ルク制御ではトルクが「0」で制御されることになる。
また、図11のステップS5212,S5214で取り
込まれる回転数Nm1 ,Nm2 も「0」であるため、第
1及び第2の回転電機2000,3000の回転数情報
として、Nm1 =0及びNm2 =0がハイブリッド制御
装置16に送信される(ステップS5218)。
【0111】一方、ハイブリッド制御装置16では、i
Gキースイッチの投入により前記図14のプログラムが
起動される。そして、iGキースイッチの投入に伴い始
動スイッチ10が「ON」になると、始動状態STA
が”0”から”1”に移行し、その始動状態STAが取
り込まれる(図14のステップS5408)。この時点
では、エンジン1は回転しておらず、且つ第1及び第2
の回転電機2000,3000もまた回転していないの
で、インバータ装置14より受信する第1及び第2の回
転電機2000,3000の回転数Nm1 ,Nm2 は共
に「0」となっている(ステップS5410,S541
2)。
【0112】この場合、始動状態STAが”1”になる
と(ステップS5416がYES)、始動処理が実行さ
れる(ステップS5418)。この始動処理では、前記
図15のプログラムにおいて車両駆動トルク指令値Mv
* が「0」に設定されると共に(ステップS550
0)、車両駆動パワー要求値Pv* が「0FFFFH
(16進数)」に設定されてエンジン制御装置13に送
信される(ステップS5502,S5504)。なお既
述した通り、「0FFFFH」のデータは、エンジン1
を始動状態を表す情報であり、車両駆動パワー要求値そ
のものの絶対値ではない。
【0113】また、エンジン制御装置13では、前記図
5の割り込みプログラムにおいて受信割込が発生する
と、車両駆動パワー要求値Pv* が受信される(ステッ
プS5100)。このとき、当該Pv* 値がエンジン始
動状態を表すデータであるため(ステップS5102が
YES)、エンジン1が燃焼回転するまではエンジン回
転数Neが所定のアイドル回転数Neidl 以下であるか
否かが判別され(ステップS5110)、始動開始当初
はエンジン1は回転していないのでエンジン回転数指令
値Ne* に予めROMに記憶されているエンジン始動回
転数NeSTA が設定されると共に、吸入空気量調節量T
Hに「0」が設定される(ステップS5112,S51
14)。また、スロットルアクチュエータ6が制御され
てスロットル弁5が全閉駆動される(ステップS512
2)。さらに、エンジン始動回転数NeSTA がハイブリ
ッド制御装置16に送信される(ステップS512
4)。
【0114】そして、ハイブリッド制御装置16では、
図15のプログラムにおいて、上記のエンジン始動回転
数NeSTA をエンジン回転数指令値Ne* として受信し
(ステップS5506)、このエンジン回転数指令値N
e* 及び「0」に設定された車両駆動トルク指令値Mv
* とに基づき、第1及び第2の回転電機のトルク指令値
である第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*が演
算される(ステップS5508)。この際、図16に示
すサブプログラムが呼び出されて演算が行われ、該演算
された第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*は、
インバータ装置14に送信される(ステップS551
0)。
【0115】前記第1及び第2のトルク指令値Mm1*,
Mm2*のデータ受信により、インバータ装置14では、
図11のステップS5204が肯定判定され、前記受信
データが取り込まれてメモリに格納される(ステップS
5206)。また、第1の回転電機2000に通電する
電流指令値としてd軸及びq軸電流指令値im1d* ,i
m1q* が演算されると共に、第2の回転電機3000に
通電する電流指令値としてd軸及びq軸電流指令値im
2d* ,im2q* が演算され(ステップS5208,S5
210)、これら演算値がメモリに格納される。こうし
て演算された電流指令値im1d* ,im1q* ,im2d*
,im2q* に基づき、インバータ装置14により実行
される図12に示すプログラムに従って第1及び第2の
回転電機2000,3000が制御されることになる。
さらに、第1及び第2の回転電機2000,3000の
回転数Nm1 ,Nm2 が演算されると共に、当該Nm1
,Nm2 値がハイブリッド制御装置16に送信される
(ステップS5212〜S5218)。
【0116】以上の動作により、エンジン1は第1及び
第2の回転電機2000,3000を制御することで始
動される。そして、エンジン1が燃焼回転し始めると、
エンジン制御装置13においてエンジン回転数Neがア
イドル回転数Neidl を上回ることが判別され(図5の
ステップS5110がYES)、エンジン回転数指令値
Ne* として「0FFFFH」がハイブリッド制御装置
16に送信される。この送信信号を受けて、ハイブリッ
ド制御装置16では、Ne* =0FFFFHである旨が
判別され(図16のステップS5600がYES)、第
1のトルク指令値Mm1*が「0」に設定される。従っ
て、この状態でiGキースイッチの始動スイッチがOF
Fされると、車両は停止状態のまま保持され、エンジン
はアイドル状態で回転することとなる。
【0117】(ロ)前進走行状態 次に、シフトレバーを”D”レンジに操作した状態に相
当する前進走行状態について説明する。つまり、シフト
レバーを”D”レンジに操作すると、ハイブリッド制御
装置16が取り込んだシフト位置SFTは”8”とな
り、Dレンジの処理が実行される(前記図14のステッ
プS5432)。Dレンジ処理の詳細は前記図20に示
すプログラムが適用される。このとき、アクセル開度A
CCが「0」であれば始動完了後の状態と同じである
が、アクセルペダルが踏み込み操作されると、Dレンジ
処理における車両駆動トルク指令値Mv* はアクセル開
度ACCに応じて増大する(図20のステップS600
0)。この演算は、制御ユニット1630内蔵のROM
のデータ領域に記憶されている図21(b)に示す特性
に基づいて実施される。
【0118】例えば車両が停止している状態からアクセ
ル開度ACCが20%になると、車両駆動トルク指令値
Mv* は最大トルク(Mv* =1.0)の20%の値に
なる。また、このDレンジ処理では、車両駆動トルク指
令値Mv* 及び車速Vに応じて車両駆動パワー要求値P
v* が演算される(ステップS6002)。なお、車両
が停止している状態では車速V=0であるのため車両駆
動パワー要求値Pv*は「0」となる。こうして演算さ
れた車両駆動パワー要求値Pv* がエンジン制御装置1
3に送信される。
【0119】一方、エンジン制御装置13では、前記ハ
イブリッド制御装置16から送信される車両駆動パワー
要求値Pv* を受信する(図5のステップS510
0)。このとき、Pv* =0であれば、ステップS51
02が否定判別されると共に、ステップS5104が肯
定判定される。そのため、エンジン回転数指令値Ne*
が「0FFFFH」に設定されると共に、吸入空気量調
節量THが「0」に設定される(ステップS5118,
S5120)。なおこのとき、吸入空気量調節量THが
「0」で制御されるため、エンジン1はアイドル状態の
まま維持される。一方、ハイブリッド制御装置16で
は、車両が停止状態で且つエンジン1がアイドル回転状
態であるため、第1の回転電機2000の回転数Nm1
としてアイドル回転数Neidl が受信されると共に(図
14のステップS5410)、第2の回転電機3000
の回転数Nm2 として車両停止時のNm1 =0が受信さ
れる(ステップS5412)。
【0120】また、ハイブリッド制御装置16では、D
レンジの詳細プログラムである図20の処理が実行され
るが、この際、当初はエンジン制御装置13より受信し
たエンジン回転数指令値Ne* が「0FFFFH」であ
るため、図20のステップS6008で呼び出される図
16のサブルーチンにおいてステップS5600が肯定
判定される。従って、第1のトルク指令値Mm1*が
「0」に設定されると共に(図16のステップS560
6)、第2のトルク指令値Mm2*が車両駆動トルク指令
値Mv* と同一の値として設定される(ステップS56
08)。この2つのトルク指令値Mm1*,Mm2*はイン
バータ装置14に送信されて同インバータ装置14にて
第1及び第2の回転電機2000,3000がトルク制
御される。つまり、車両はエンジン1がアイドル状態の
まま第2の回転電機3000の出力トルクのみで発進加
速されることになる。
【0121】そして、車両が発進して車速Vが生じる
と、図20に示すプログラムにおいて、ステップS60
02で演算される車両駆動パワー要求値Pv* が「0」
でなくなり、この要求値Pv* がエンジン制御装置13
に送信される(ステップS6004)。
【0122】また一方、エンジン制御装置13では、受
信割込みにより図5に示す割込みプログラムが起動し、
前記ハイブリッド制御装置16にて演算された車両駆動
パワー要求値Pv* が読み込まれメモリに格納される
(ステップS5100)。このとき、かかる車両の走行
状態下では、図5のステップS5102,S5104が
共に否定判定され、ステップS5105で車両駆動パワ
ー要求値Pv* が正負いずれであるかにより車両が加速
状態にあるか若しくは制動状態にあるかが判別される。
【0123】車両駆動パワー要求値Pv* が正値(Pv
* >0)であり、車両加速状態である旨が判別されれば
(ステップS5105がNO)、ステップS5106の
処理が実施される。つまり、図8(a)に示すエンジン
特性マップを検索することにより、前記読み込んだ車両
駆動パワー要求値Pv* (図8(a)の曲線B)からエ
ンジン1が最も効率の良くトルクを出力する動作点(図
8(a)の点C)と、その動作点に対応するエンジン回
転数指令値Ne* とが決定され、メモリ記憶データが更
新される。
【0124】また、上記した車両加速時には、図9に示
すエンジン特性マップを検索することにより、前記動作
点(図8(a)の点C)を維持するためのスロットル弁
5の開度であるスロットル開度目標値θTH* が決定され
ると共に、このスロットル開度目標値θTH* に基づいて
吸入空気量調節量THが演算されてメモリ記憶データが
更新される(ステップS5108)。そして、前記演算
した吸入空気量調節量THによりスロットルアクチュエ
ータ6が制御されると(ステップS5122)、エンジ
ン1は車両駆動パワー要求値Pv* 通りの出力トルクを
発生するようになる(吸入空気量が適正に調節され
る)。エンジン1の出力トルクの発生と同時に、エンジ
ン回転数指令値Ne* がハイブリッド制御装置16に送
信される(ステップS5124)。
【0125】さらに、上記のエンジン1の出力発生と同
時に、エンジン回転数指令値Ne*がハイブリッド制御
装置16にて受信され(図20のステップS600
6)、当該ハイブリッド制御装置16では、エンジン回
転数指令値Ne* に基づいて第1及び第2の回転電機2
000,3000のトルク指令値である第1及び第2の
トルク指令値Mm1*,Mm2*が演算される(ステップS
6008)。
【0126】このとき、第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*は、既述した通り図16に示すプログラム
に基づき演算される。すなわち、ハイブリッド制御装置
16では、エンジン制御装置13より送信されたエンジ
ン回転数指令値Ne* と、インバータ装置14より受信
した第1及び第2の回転電機2000,3000の各回
転数Nm1 ,Nm2 に基づく実際のエンジン回転数Ne
とから回転数偏差εiが演算され(図16のステップS
5602)、この回転数偏差の今回値εi 、前回値εi-
1 及び前々回値εi-2 から第1の回転電機2000のト
ルク指令値である第1のトルク指令値Mm1*が演算され
る(同図16のステップS5604,数式(5))。
【0127】その後、この第1のトルク指令値Mm1*が
インバータ装置14に送信され(図20のステップS6
100)、当該インバータ装置14は、前記演算された
第1のトルク指令値Mm1*にて第1の回転電機2000
をトルク制御する。このとき、インバータ装置14が第
1のトルク指令値Mm1*にて第1の回転電機2000を
トルク制御すると、エンジン1は第1の回転電機200
0を負荷として回転することになる。かかる場合、エン
ジン1が車両駆動パワー要求値Pv* を出力しているの
で、このパワー要求値Pv* にバランスするように第1
の回転電機2000は発電をする。
【0128】第1の回転電機2000が発電をすると
き、第1の回転子2010(図2参照)にはエンジン1
を負荷として第2の回転子2310(図2参照)との間
で電磁力Mm1 が作用する。そのため、エンジン1の発
生トルクの反作用トルク(電磁力)Mm1 が第2の回転
子2310に伝達され、さらには減速伝達部4000に
もトルク伝達されることになる。この反作用トルクMm
1 は、第1の回転電機2000のトルク指令値である第
1のトルク指令値Mm1*に等しくなるよう制御される。
【0129】一方、ハイブリッド制御装置16では、第
2の回転電機3000のトルク指令値である第2のトル
ク指令値Mm2*が前記数式(6)を用いて演算される
(図16のステップS5608)。つまり、車両駆動ト
ルク指令値Mv* から第1のトルク指令値Mm1*を差し
引いて、第2のトルク指令値Mm2*が演算される。そし
て、この第2のトルク指令値Mm2*がインバータ装置1
4に送信され、当該インバータ装置14では前記指令値
に基づいて第2の回転電機3000をトルク制御する。
【0130】このとき、ステータ3010と第2の回転
子2310との間で発生するトルクが第2のトルク指令
Mm2*となって当該トルク制御が実施されるため、第2
の回転子2310には第1の回転電機2000のトルク
指令値である第1のトルク指令値Mm1*と第2の回転電
機3000のトルク指令値である第2のトルク指令値M
m2*との合成トルクが作用することになる。すなわち、
車両駆動トルク指令値Mv* と同じトルクが第2の回転
子2310に伝達され、さらには減速伝達部4000に
もトルク伝達される。従って、車両駆動トルク指令値M
v* (=Mm1*+Mm2*)の通りに車両が駆動されるこ
とになる。
【0131】また、車両の走行状態下において、車両駆
動パワー要求値Pv* が負値(Pv* <0)であり、車
両が制動走行している旨が判別されれば(エンジン制御
装置13による図5のステップS5105がYES)、
図5のステップS5117以降の処理が実行される。つ
まり、燃料噴射電磁弁4によるエンジン1への燃料噴射
が停止されると共に(ステップS5121による燃料カ
ット)、スロットル弁5の開度であるスロットル開度目
標値θTH* が「0」(吸入空気量調節量TH=0)に制
御される(ステップS5119)。さらに、図8(b)
に示すブレーキ特性マップを検索することにより、エン
ジン1が車両駆動パワー要求値Pv* を出力するための
エンジン回転数指令値Ne* が決定され、メモリ記憶デ
ータが更新される。
【0132】そして、前記のスロットル開度目標値θTH
* =0によりスロットルアクチュエータ6が全閉制御さ
れると(ステップS5122)、エンジン1はその時の
車両駆動パワー要求値Pv* 通りの出力トルクを発生す
る。エンジン1の出力トルクの発生と同時に、エンジン
回転数指令値Ne* がハイブリッド制御装置16にて受
信され(図20のステップS6006)、当該ハイブリ
ッド制御装置16では、エンジン回転数指令値Ne* に
基づいて第1及び第2の回転電機2000,3000の
トルク指令値である第1及び第2のトルク指令値Mm1
*,Mm2*が演算される(ステップS6008)。以
下、第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*の演算
値に基づいて、車両駆動パワー要求値Pv* が正値であ
る時と同様に、インバータ装置14より第1及び第2の
回転電機2000,3000がトルク制御される。
【0133】このとき、エンジン1では燃料カットが実
行されているため、第1の回転電機2000はエンジン
1を負荷として駆動(電動)されることになる。かかる
場合、第1の回転電機2000がエンジン1を駆動する
とき、第1の回転子2010及び第2の回転子2310
(図2参照)は電磁力Mm1 で互いに作用しているた
め、エンジン1を駆動するとその反作用トルク(電磁
力)Mm1 が第2の回転子2310に伝達され、さらに
は減速伝達部4000にもトルク伝達されることにな
る。
【0134】一方、第2の回転電機3000は、前記数
式(6)を用いて演算された第2のトルク指令値Mm2*
に基づいてトルク制御されるため、第2の回転子231
0には第1の回転電機2000のトルク指令値である第
1のトルク指令値Mm1*と第2の回転電機3000のト
ルク指令値である第2のトルク指令値Mm2*との合成ト
ルクが作用することになる。すなわち、車両駆動トルク
指令値Mv* と同じトルクが第2の回転子2310に伝
達され、さらには減速伝達部4000にもトルク伝達さ
れる。従って、車両駆動トルク指令値Mv* (=Mm1*
+Mm2*)の通りに車両が駆動されることになる。
【0135】また車両の制動走行時には、ハイブリッド
制御装置16による図22のプログラムにて三元触媒1
9のヒータ19aが通電制御される。つまり、車両制動
時において、蓄電装置15からの電力供給によりヒータ
19aが通電されることで、その際に発生する余剰エネ
ルギが消費されることになる。
【0136】上記した車両走行時における電力収支を考
える。かかる場合、次の数式(7)に示すように、エン
ジン1により発生しているトルクMeと第1の回転電機
2000の発生トルクMm1 とが釣り合い状態になる。
【0137】 Me=Mm1 ・・・(7) また、エンジン1が発生している電力Peは、エンジン
回転数Neとエンジン出力トルクMeとから次の数式
(8)に基づき算出される。
【0138】 Pe=C・Ne・Me ・・・(8) 但し、上記数式(8)においてCは予め設定されている
係数である。さらに、第1の回転電機2000の発生電
力Pm1 は、当該第1の回転電機2000の回転数Nm
1 と発生トルクMm1 とから次の数式(9)に基づき算
出される。
【0139】 Pm1 =C・Nm1 ・Mm1 ・・・(9) 但し、上記数式(9)においてCは予め設定されている
係数である。ここで、第1の回転電機2000における
第1の回転子2010と第2の回転子2310とは互い
に作用、反作用の関係を有することから、第1の回転子
2010に発生するトルクMm1 と同一のトルクが第2
の回転子2310に発生する。そして、第2の回転子2
310に発生するトルクとエンジン回転数Neにより求
められる電力は、エンジン1の発生電力Peと第1の回
転電機2000の発生電力Pm1 との差であることや、
前記数式(7)〜(9)を用いることにより、次の数式
(10)が成立する。
【0140】 Pe−Pm1 =C・(Ne−Nm1 )・Me ・・・(10) 上記数式(10)は、エンジン1が出力するパワーの一
部を第1の回転電機2000にて発電してエネルギを電
気変換すると同時に、エンジン1の出力トルクMeが第
1の回転電機2000を構成する第1の回転子2010
と第2の回転子2310との間で電磁伝達されることを
意味する。さらに、第2の回転電機3000を電動作動
させ、前記数式(6)で演算される第2のトルク指令値
Mm2*に基づくトルクを発生させることで、エンジン1
の回転数とは無関係に走行に要求される車両駆動トルク
指令値Mv* が発生する。このとき、第1及び第2の回
転電機2000,3000及びそれを駆動するインバー
タ装置14のエネルギ変換効率を無視すると、第1の回
転電機2000で発電した電力を第2の回転電機300
0に供給することで、蓄電装置15から電力を持ち出さ
ずに、エンジン1で発生したエネルギを走行駆動系に伝
達し、これにより前進走行できるようになる。
【0141】(ハ)後退走行状態 次に、シフトレバーを”R”レンジに操作した状態に相
当する後退走行状態について説明する。つまり、シフト
レバーを”R”レンジに操作すると、ハイブリッド制御
装置16が取り込むシフト位置SFTが”2”となっ
て、図14のプログラムのステップS5424が肯定判
定され、ステップS5426のRレンジの処理が実行さ
れる。Rレンジの処理の詳細は図18に示すプログラム
が適用される。
【0142】なお、図18のプログラムの概要は、上述
した前進走行時における図20のDレンジ処理と一致す
る(但し、ステップ番号のみが異なる)。つまり、Rレ
ンジ処理では、 ・第2の回転電機3000の回転方向が逆となる、 ・車両駆動トルク指令値Mv* の検索マップの特性とし
て、Dレンジとは異なる図21(a)を用いる、 といった点とが相違するだけでそれ以外はDレンジ処理
と一致するため、ここではその説明を省略する。
【0143】以上詳述した本実施の形態の装置によれ
ば、以下に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態のハイブリッド車制御システムで
は、第1の回転電機2000はエンジン回転数指令値N
e* (目標回転数)に従いその回転数が制御される。こ
のとき、エンジン特性に対応させつつエンジン1の燃費
やエミッションが最良の状態となるエンジン動作点でエ
ンジン1の運転が維持でき、高効率なエンジン作動を実
現することができる。また、こうした構成において、車
両駆動トルクは、第1の回転電機2000に発生するト
ルクと第2の回転電機3000により発生するトルクと
の合計となり、車両運転情報に基づいて適正に制御され
るようになる。またこのとき、第1の回転電機2000
に発生するトルクはエンジン1の出力トルクとバランス
し、エンジン1の出力トルクは車両駆動トルクの一部と
して電磁的に伝達されるため、効率の良いエネルギ伝達
ができることになる。
【0144】(b)また本実施の形態ではその特徴とし
て、車両駆動パワー要求値Pv* (エンジンのトルク制
御量)が負の値であることから車両が制動状態であるこ
とを判別し、その車両制動時において燃料カットを実施
するようにした。そのため、エンジン出力トルクが低減
されてエンジン1が第1及び第2の回転電機2000,
3000の負荷となり、車両制動時に発生する余剰分の
エネルギが第1及び第2の回転電機2000,3000
で消費されることになる。従って、蓄電装置15が過充
電されるといった不都合が回避でき、蓄電装置15の保
護を図ることができる。また、制動時の車両の慣性エネ
ルギがエンジン1で吸収されるため、エンジン1の運転
効率が向上し、燃費向上やエミッションの低減といった
効果をも得ることができる。
【0145】(c)さらに、車両制動状態での燃料カッ
ト時に、蓄電装置15からの電力供給により三元触媒1
9のヒータ19aを通電加熱するようにした。従って、
前述の余剰エネルギがヒータ通電に活用できる。この場
合、燃料カットにより高温の排ガスが三元触媒19に給
送されず触媒19の活性状態が低下したとしても、ヒー
タ通電により触媒活性状態が維持でき、ひいてはエミッ
ションの悪化が抑制できる。
【0146】(d)蓄電装置15の充電状態が所定の充
電レベルに達する場合にのみ、ヒータ19aを通電加熱
するようにした。この場合、必要以上に蓄電装置15の
電気エネルギが持ち出されて、走行トルクが不足するよ
うな事態が回避できる。
【0147】(e)さらに、蓄電装置15の端子電圧V
B及び存残容量SOCを検出することで、蓄電装置15
の充電状態を検出するようにした。従って、蓄電装置1
5の充電状態が適確に把握でき、既述した効果が簡易に
且つ正確に実現できるようになる。
【0148】(f)また本実施の形態における動力伝達
手段12の構成によれば、その動力伝達手段12の小型
軽量化が可能となるため、車両重量が軽量化されてシス
テム効率を向上させることができる。
【0149】(g)さらに、本制御システムでは、車両
駆動パワー要求量Pv* に応じてエンジンパワーを必要
量だけ出力し、エネルギ伝達過程に際して第1及び第2
の回転電機2000,3000にてエネルギの授受を行
なわせるようにした。そのため、蓄電装置15の充放電
が極力抑制され、走行中における蓄電装置15の持ち出
し量が少なくなる。従って、蓄電装置15の小型化を図
ることができ、車両全体の効率が向上する。また、蓄電
装置15の持ち出し量が少なくなるため、蓄電装置15
として電池を用いてもその電池寿命を向上させることが
できる。
【0150】(h)さらに、本実施の形態のハイブリッ
ド車制御システムを搭載した自動車は、現在広く利用さ
れている自動車に比較して画期的に低燃費な自動車とし
て実現することができる。
【0151】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次のように具体化できる。上記実施の形態では、車両制
動時において、燃料カットを実施することでエンジン出
力トルクを低減させ、それにより余剰エネルギを第1及
び第2の回転電機2000,3000により消費させる
ようにしたが、この構成を変更してもよい。例えば車両
制動時においてエンジン1への燃料噴射量を低減させ、
それにより余剰エネルギを第1及び第2の回転電機20
00,3000により消費させるようにしてもよい。か
かる構成でも既述の効果が実現できる。
【0152】車両制動状態を判別するためのトルク制御
量として、車両駆動パワー要求値Pv* に代えて車両駆
動トルク指令値Mv* を用いてもよい。また上記実施の
形態では、車両制動時において燃料カット(噴射量低
減)に加えて三元触媒19のヒータ通電を実施していた
が、ヒータ通電の処理(図22のプログラム)を省略し
構成の簡素化を図るようにしてもよい。さらに、同じく
構成の簡素化を目的として、ヒータ制御を実施する際に
おいて蓄電装置15の充電状態を判別する処理(図22
のステップS6100,S6102)を省略してもよ
い。
【0153】上記実施の形態では、エンジン1に設けら
れる触媒として三元触媒19を用いたが、これに代えて
リーンNOx 触媒を用いてもよい。上記実施の形態で
は、動力伝達手段12として図2に示す構成を説明した
が、ドイツ第4407666号明細書のものであって
も、また特開平7ー135701号公報であっても本発
明は適用できる。また、エンジン制御装置13に吸入空
気量調節手段(スロットルアクチュエータ6)の駆動機
能を内蔵したが、エンジン制御装置13と分離しても本
発明の主旨は変わるものではない。
【0154】また、蓄電装置15として公知の電池を用
いたが、フライホイールバッテリなどでもよいし、或い
は電気二重層キヤパシタでもよいし、或いはそれらの併
用であってもよい。
【0155】さらに、エンジン1として直列4気筒のガ
ソリン内燃機関を用いたが、気筒数は本発明とは無関係
であるし、他の内燃機関であっても良い。また、エンジ
ン制御装置13とインバータ装置14及びハイブリッド
制御装置16間の情報伝達の方法として、公知の調歩同
期式の通信手段を用いたが、他の方法であっても本発明
の主旨は変わるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるハイブリッド車制御
システムの概要を示す全体構成図。
【図2】動力伝達手段の構成を示す断面図。
【図3】エンジン制御装置の構成を示すブロック図。
【図4】エンジン制御装置による制御のメインプログラ
ムを示すフローチャート。
【図5】エンジン制御装置による制御の割り込みプログ
ラムを示すフローチャート。
【図6】エンジン制御装置に内蔵の吸気温補正係数fT
HAの特性図。
【図7】エンジン制御装置に内蔵の暖機補正係数fWL
の特性図。
【図8】エンジン制御装置が決定するエンジン動作点を
示す特性図。
【図9】エンジン制御装置が決定するスロットル開度目
標値を示す特性図。
【図10】インバータ装置の構成を示すブロック図。
【図11】インバータ装置による制御のメインプログラ
ムを示すフローチャート。
【図12】インバータ装置による制御の割り込みプログ
ラムを示すフローチャート。
【図13】ハイブリッド制御装置の構成を示すブロック
図。
【図14】ハイブリッド制御装置による制御のメインプ
ログラムを示すフローチャート。
【図15】ハイブリッド制御装置による始動処理プログ
ラムを示すフローチャート。
【図16】ハイブリッド制御装置によるサブプログラム
を示すフローチャート。
【図17】ハイブリッド制御装置によるPレンジプログ
ラムを示すフローチャート。
【図18】ハイブリッド制御装置によるRレンジプログ
ラムを示すフローチャート。
【図19】ハイブリッド制御装置によるNレンジプログ
ラムを示すフローチャート。
【図20】ハイブリッド制御装置によるDレンジプログ
ラムを示すフローチャート。
【図21】ハイブリッド制御装置が決定する車両駆動ト
ルク指令値の特性図。
【図22】ハイブリッド制御装置による触媒のヒータ制
御プログラムを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、7…アクセルセンサ、8…ブレーキセン
サ、9…シフトスイッチ、10…始動スイッチ、12…
動力伝達手段(動力変換手段)、13…燃料噴射制御手
段,制動状態検出手段,燃料噴射量操作手段を構成する
エンジン制御装置、14…インバータ装置、15…蓄電
装置、16…ヒータ制御手段を構成するハイブリッド制
御装置、17…充電状態検出手段としての残存容量検出
器、18…排気管、19…三元触媒、19a…ヒータ、
2000…第1の回転電機、3000…第2の回転電
機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 29/02 341 F02D 29/02 341 F16H 3/72 F16H 3/72 A H02J 7/00 H02J 7/00 N (72)発明者 江上 常幸 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと、該エンジンに連結され、エン
    ジン回転数を決定するための第1の回転電機及び車両の
    駆動力を決定するための第2の回転電機を含む動力変換
    手段と、前記第1及び第2の回転電機を駆動するための
    インバータ装置と、該インバータ装置に電気的に接続さ
    れた蓄電装置とを備えるハイブリッド車に適用され、 車両運転情報に基づいて前記エンジンの出力トルクを制
    御すると共に、そのトルク制御量と前記エンジンの特性
    に対応するエンジンの目標回転数とに基づいて前記第1
    及び第2の回転電機に発生させるトルク値を制御するよ
    うにした制御装置であって、 前記エンジンへの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段
    と、 前記エンジンのトルク制御量に基づき車両が制動状態に
    あることを検出する制動状態検出手段と、 車両の制動時において前記燃料噴射制御手段によるエン
    ジンへの燃料噴射を低減又は停止させる燃料噴射量操作
    手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記エンジンの排気管に触媒を配設し、そ
    の触媒にヒータを付設した装置であって、 前記燃料噴射量操作手段による燃料噴射の低減又は停止
    時に、前記蓄電装置からの電力供給により前記ヒータを
    通電加熱するヒータ制御手段を備えることを特徴とする
    請求項1に記載のハイブリッド車制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のハイブリッド車制御装置
    において、 前記蓄電装置の充電状態を検出する充電状態検出手段を
    備え、 前記ヒータ制御手段は、前記蓄電装置の充電状態が所定
    の充電レベルに達する場合にのみ、前記ヒータを通電加
    熱するハイブリッド車制御装置。
  4. 【請求項4】前記充電状態検出手段は、前記蓄電装置の
    電圧又は存残容量を検出するものである請求項3に記載
    のハイブリッド車制御装置。
  5. 【請求項5】前記動力変換手段は、 ハウジングと、 前記ハウジングに収容され、前記エンジンから負荷出力
    に回転力を伝える相対回転可能な第1及び第2の回転子
    と、 前記ハウジングに固定される固定子とを備えると共に、
    前記第2の回転子には、前記第1の回転子と相対的に回
    転駆動することにより相互電磁作用を行う第1の磁気回
    路と、 前記固定子と相対的に回転駆動することにより相互電磁
    作用を行う第2の磁気回路とを備え、 前記第1の回転子には、前記第2の回転子との相対角速
    度及びトルクを通電制御可能な第1のコイルが巻装され
    前記第1の磁気回路と共に第1の回転電機を構成すると
    共に前記固定子には前記第2の回転子間との相対速度及
    びトルクを通電制御可能な第2のコイルが巻装され前記
    第2の磁気回路と共に第2の回転電機を構成し、前記第
    1の回転子若しくは前記第2の回転子のいずれかが前記
    エンジンに連結され、前記エンジンの駆動により回転駆
    動すると共に、残る他方の回転子は前記負荷出力に連結
    され、前記第1の回転子、第2の回転子及び固定子は同
    心円状に配置され、前記第2の回転子は前記固定子の内
    側に、前記第1の回転子は前記第2の回転子の内側に配
    置され、前記第2の回転子の磁極が永久磁石で構成さ
    れ、前記第1の回転子及び前記第2の回転子における前
    記エンジンに連結される入力軸と、負荷出力に連結され
    る出力軸が前記ハウジングの同一側に配置されることを
    特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のハイ
    ブリッド車制御装置。
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