JPH10237013A - 光学活性2−ベンジルコハク酸の製造法 - Google Patents

光学活性2−ベンジルコハク酸の製造法

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JPH10237013A
JPH10237013A JP9370475A JP37047597A JPH10237013A JP H10237013 A JPH10237013 A JP H10237013A JP 9370475 A JP9370475 A JP 9370475A JP 37047597 A JP37047597 A JP 37047597A JP H10237013 A JPH10237013 A JP H10237013A
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benzylsuccinic acid
acid
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benzylsuccinic
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Shinichi Nakamoto
信一 中本
Shigeki Hosokawa
滋樹 細川
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Fuji Yakuhin Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラセミ体の2−ベンジルコハク酸を光学的分
別再結晶して、選択的にかつ効率的に光学活性な2−ベ
ンジルコハク酸を製造する方法を提供する。 【解決手段】 ラセミ体の2−ベンジルコハク酸に光学
活性なアミン誘導体を作用させ、一方のジアステレオマ
ー塩を難溶性の結晶として、収率よく析出させる。この
ジアステレオマー塩を分解し、光学活性な2−ベンジル
コハク酸を得ることを特徴とする、光学活性2−ベンジ
ルコハク酸の製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性な2−ベ
ンジルコハク酸の新規な製造方法に関する。光学活性な
2−ベンジルコハク酸は、不斉炭素を有する種々の天然
物又は医薬品などの生理活性物質を合成する際の有用な
中間体であり、例えば不斉中心を持つ抗菌剤や酵素阻害
剤などの合成に極めて有用な化学物質である。従って、
光学活性な2−ベンジルコハク酸を製造する工業的方法
が求められている。
【0002】
【従来技術】従来、光学活性な2−ベンジルコハク酸の
製造方法には、不斉合成で得る方法として、2−ベンジ
リデンコハク酸を原料とする不斉水素化触媒とロジウム
等の金属錯体化合物の共存下、不斉水素化反応を行う方
法、例えばTetrahedron Lett.,28
(17),1905−8,1987;Tetrahed
ron Asymmetry.,(5)331−4,
1991;US Pat.,US4,939,288号
等が報告されているが、上記の方法で用いている不斉触
媒及びロジウム等の金属化合物はいずれも高価であり、
さらに該不斉触媒及び該ロジウム等の金属化合物の回収
効率が悪いため工業的に実用的な方法とは言えない。一
方、(SR)−2−ベンジルコハク酸の光学分割方法に
ついては報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、光学活性な2
−ベンジルコハク酸の効率的な製造方法が求められてい
た。本発明者らは、前記した問題点を解決するために、
鋭意研究した結果、(SR)−2−ベンジルコハク酸に
光学分割剤として特定の光学活性なアミン誘導体を作用
させることにより、(S)−又は(R)−2−ベンジル
コハク酸を選択的かつ効率よく得ることができることを
見いだし本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、式
(I)
【0005】
【化3】
【0006】(式中、*の符号を付した炭素原子は不斉
炭素原子を表す)で表されるラセミ体の2−ベンジルコ
ハク酸に、光学活性アミン誘導体を反応させジアステレ
オマー塩を得、このジアステレオマー塩を分解し、
(S)−または(R)−2−ベンジルコハク酸を得るこ
とを特徴とする、(S)−又は(R)−2−ベンジルコ
ハク酸の製造方法である。本発明の製造方法は下記の反
応工程によって表すことが出来る。この方法によって本
発明の光学活性な2−ベンジルコハク酸は、効率よく製
造することができる。
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、*は前記と同じ意味を表す〕 (第1工程)本工程は式(I)で表される(SR)−2
−ベンジルコハク酸に光学活性なアミン誘導体を反応さ
せて、ジアステレオマー塩を製造し、この塩を分別再結
晶することにより、純度の高い一般式(III−1)又
は(III−2)で表される(S)又は(R)−2−ベ
ンジルコハク酸と光学活性アミン誘導体とのジアステレ
オマー塩を結晶として分離し製造する工程である。本工
程に用いられる光学活性アミン誘導体としては、式
(V)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R及びRは同一又は相異な
り、それぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を示
し、Rは低級アルキル基、水酸基を有してもよい低級
アルキル基又はフェニル基を示し、Rはフェニル基、
ナフチル基又はニトロ基もしくは低級アルキル基を有し
ていてよいアラルキル基であり、アラルキル基において
はそのアルキル部分の水素原子の一つが水酸基で置換し
ていてもよい)で表される化合物、又は(−)−シンコ
ニジンもしくは(+)−シンコニンから選ばれた化合物
である。具体的には、(+)又は(−)エフェドリン、
(+)又は(−)−N−メチルエフェドリン、(+)又
は(−)−1−フェニルエチルアミン、(+)又は
(−)−1−(1−ナフチル)エチルアミン、(+)又
は(−)−1−フェニル−2−(p−トリル)エチルア
ミン、(+)又は(−)−スレオ−2−アミノ−1−
(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール、
(+)又は(−)−2−アミノ−1−フェニル−1,3
−プロパンジオール、(−)−シンコニジン、(+)−
シンコニン等が例示できる。好適には(+)又は(−)
−1−フェニルエチルアミンが用いられる。
【0011】光学活性アミン誘導体はラセミ体の(+)
又は(−)−2−ベンジルコハク酸に対し、0.5当量
〜2.5当量用いられるが好適には1〜2当量が用いら
れる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール等のプロトン性溶媒、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系
溶媒等が例示できる。これらの溶媒は、単独で使用する
か、或いは2種以上混合して使用しても良いが、好適に
は水単独溶媒又はテトラヒドロフラン、メチルエチルケ
トンあるいはアセトンと水との100:2〜20の混合
溶媒が用いられ、さらに好適には、水単独溶媒又はテト
ラヒドロフラン、メチルエチルケトンあるいはアセトン
と水との100:2〜5の混合溶媒が用いられる。塩の
製造は、25〜90℃で円滑に進行するが、好適には5
0〜85℃である。
【0012】(第2工程)本工程は、一般式(III−
1)又は(III−2)で表される(S)または(R)
−2−ベンジルコハク酸と光学活性アミンとの塩を酸処
理或いはアルカリ処理して、式(II−1)または(I
I−2)で表される(S)または(R)−2−ベンジル
コハク酸を製造するものである。酸としては塩酸、硫
酸、ホウ酸、硝酸、リン酸などが例示できるが、好適に
は塩酸が用いられる。反応は一般式(III−1)また
は(III−2)で表される塩に酢酸エチル、トルエ
ン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテルなどの有
機溶媒、および酸の水溶液を加え、式(II−1)或い
は(II−2)で表される(S)または(R)−2−ベ
ンジルコハク酸を有機溶媒で抽出するか、前記(III
−1)或いは(III−2)で表される塩の水溶液に直
接酸を加えることにより式(II−1)或いは(II−
2)を析出させることによって行われる。本工程は5〜
30℃で円滑に進行するが、好適には20℃である。
【0013】アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどの水溶性塩基が例示できるが、好適には
水酸化ナトリウムが用いられる。反応は、各々ジアステ
レオマー塩に酢酸エチル、トルエン、イソプロピルエー
テルなどの有機溶媒およびアルカリ水溶液を加え、遊離
した光学活性なアミンを抽出除去し、濾液中に含まれる
(II−1)または(II−2)で表される(S)また
は(R)−2−ベンジルコハク酸の、例えばナトリウム
塩を鉱酸等を加え酸性化し、析出した(S)または
(R)−2−ベンジルコハク酸の結晶をそのまま濾取す
るか、或いは有機溶媒で抽出することにより得ることが
できる。本工程は5〜30℃で円滑に進行するが、好適
には20℃である。
【0014】
【発明の効果】本発明の方法は、従来の方法である高価
な不斉還元触媒を用いた製造法と比較し安価な製法であ
り、得られる(S)又は(R)−2−ベンジルコハク酸
は光学純度及び収率の面で優れ、工業的製法として有用
である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより限定されるものではなく様々な態様が
含まれることは理解されるべきである。光学純度は、光
学活性な2−ベンジルコハク酸を塩化メチレン中、ベン
ジルアルコール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、4
−ピロリジノピリジンを作用させジベンジル体に導き、
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析法
で決定した。
【0016】実施例1 (SR)−2−ベンジルコハク酸2.42g(11.6
ミリモル)にテトラヒドロフラン20ml及び水1ml
を加え60℃に加熱し溶解した。この中へ(R)−
(+)−1−フェニルエチルアミン2.81g(23.
2ミリモル)を加えた。難溶性ジアステレオマー塩が析
出したが、1時間加熱還流をした後5℃まで徐冷し、同
温度で1夜放置した。析出した結晶を濾取し(S)−2
−ベンジルコハク酸の(R)−(+)−1−フェニルエ
チルアミン塩2.1gを得た。収率40.3% 本品の
一部を塩酸で分解して得られた(S)−2−ベンジルコ
ハク酸をジベンジルエステルに変換しHPLC分析した
結果、得られた(S)−2−ベンジルコハク酸誘導体の
光学純度は87.1%eeであった。そこで本ジアステ
レオマー塩2.0gをテトラヒドロフラン60ml及び
水3mlの混合液から再結晶を行い1.66gの精製
(S)−2−ベンジルコハク酸の(R)−(+)−1−
フェニルエチルアミン塩を白色結晶として得た。収率8
2.9%、m.p.130〜132℃
【0017】ここで得られた精製塩1.66g(3.6
9ミリモル)を2N−塩酸で酸性化し、遊離した(S)
−2−ベンジルコハク酸をジエチルエーテル20mlで
3回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮乾固し
少量のトルエンで懸濁洗浄して0.75gの(S)−2
−ベンジルコハク酸を得た。収率98%、m.p.16
4〜166℃,[α]−25.8゜(c=1、AcO
Et、20℃)光学純度98.6%ee 尚、光学純度は以下の方法によって算出した。(S)−
2−ベンジルコハク酸79mg(0.38ミリモル)
に、ベンジルアルコール90mg(0.83ミリモ
ル)、ジシクロヘキシルカルボジイミド172mg
(0.83ミリモル)、4−ピロリジノピリジン6mg
(0.04ミリモル)、塩化メチレン2mlを加え、室
温で2時間撹拌後、結晶を濾過した。濾液を減圧濃縮
後、シリカゲルクロマト精製(展開溶媒;n−ヘキサン
/酢酸エチル=3/1)を行い、得られたジベンジル体
をHPLC分析した。 HPLC条件 HPLCカラム:DAICEL CHIRALCEL
OD 4.6φ×250mm 移動相:n−ヘキサン/2−プロパノール=95/5 流速:1.0ml/min 温度:35℃ 検出:UV215nm
【0018】実施例2 (SR)−2−ベンジルコハク酸1.85g(8.9ミ
リモル)にメチルエチルケトン47.6ml及び水2.
4mlを加え60℃に加熱し溶解した。この中へ(R)
−(+)−1−フェニルエチルアミン2.16g(1
7.8ミリモル)を加えた。難溶性ジアステレオマー塩
が析出したが、1時間加熱還流をした後、5℃まで徐冷
し、同温度で1夜放置した。析出した結晶を濾取し
(S)−2−ベンジルコハク酸の(R)−(+)−1−
フェニルエチルアミン塩1.68gを得た。収率42.
0% 本品の一部を塩酸で分解して得られた(S)−2−ベン
ジルコハク酸をジベンジルエステルに変換しHPLC分
析した結果、得られた(S)−2−ベンジルコハク酸誘
導体の光学純度は68.3%eeであった。そこで本ジ
アステレオマー塩1.4gをメチルエチルケトン及び水
の混合液から2回再結晶を行い0.88gの精製(S)
−2−ベンジルコハク酸の(R)−(+)−1−フェニ
ルエチルアミン塩を白色結晶として得た。収率63.2
%、m.p.130〜133℃ここで得られた精製塩を
実施例1と同様な後処理を行うことにより、(S)−2
−ベンジルコハク酸を得た。収率98%,m.p.16
4〜166℃、光学純度97.7%ee
【0019】実施例3 (SR)−2−ベンジルコハク酸1.85g(8.9ミ
リモル)にアセトン38.1ml及び水1.9mlを加
え60℃に加熱し溶解した。この中へ(R)−(+)−
1−フェニルエチルアミン2.16g(17.8ミリモ
ル)を加えた。難溶性ジアステレオマー塩が析出した
が、1時間加熱還流をした後5℃まで徐冷し、同温度で
1夜放置した。析出した結晶を濾取し(S)−2−ベン
ジルコハク酸の(R)−(+)−1−フェニルエチルア
ミン塩1.52gを得た。収率38.0% 光学純度7
8.6%ee。これを前記溶媒で再結晶後、実施例1と
同様な後処理を行い、(S)−2−ベンジルコハク酸を
得た。m.p.164〜166℃、光学純度98.2%
ee
【0020】実施例4 (SR)−2−ベンジルコハク酸2.42g(11.6
ミリモル)に2−プロパノール40ml及び水2mlを
加え60℃に加熱し溶解した。この中へ(R)−(+)
−1−フェニルエチルアミン2.81g(23.2ミリ
モル)を加えた。難溶性ジアステレオマー塩が析出した
が、1時間加熱還流をした後5℃まで徐冷し、同温度で
1夜放置した。析出した結晶を濾取し(S)−2−ベン
ジルコハク酸の(R)−(+)−1−フェニルエチルア
ミン塩1.93gを得た。収率37.0% 光学純度6
7.0%ee。これを前記溶媒で再結晶を行い、次い
で、得られた精製塩を実施例1と同様な後処理を行い
(S)−2−ベンジルコハク酸を得た。m.p.164
〜166℃、光学純度97.9%ee
【0021】実施例5 (SR)−2−ベンジルコハク酸4.0g(19.2ミ
リモル)にテトラヒドロフラン33.0ml及び水1.
7mlを加え60℃に加熱し溶解した。この中へ(S)
−(−)−1−フェニルエチルアミン4.7g(38.
5ミリモル)を加えた。難溶性ジアステレオマー塩が析
出するが、1時間加熱還流をした後5℃まで徐冷し、同
温度で1夜放置する。析出した結晶を濾取し(R)−2
−ベンジルコハク酸の(S)−(−)−1−フェニルエ
チルアミン塩3.3gを得る。収率38.3% 光学純
度90.8%ee この塩3.0gをテトラヒドロフラン/水の混合溶媒か
ら再結晶を行い2.64gの精製(R)−2−ベンジル
コハク酸の(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン
塩を白色結晶として得た。収率88.0%,m.p.1
32〜134.5℃ ここで得られた精製塩を実施例1と同様な後処理を行う
ことにより、(R)−2−ベンジルコハク酸を得る。収
率98%,m.p.163〜165℃、 [α]+25.3゜(c=1,AcOEt,20
℃)、光学純度98.4%ee
【0022】実施例6 (SR)−ベンジルコハク酸4.0g(19.2ミリモ
ル)にメチルエチルケトン99.4ml及び水5.0m
lを加え60℃に加熱し溶解した。この中へ(S)−
(−)−1−フェニルエチルアミン4.7g(38.5
ミリモル)を加えたところ、難溶性ジアステレオマー塩
が析出した。1時間加熱還流した後5℃まで徐冷し、同
温度で1夜放置した。析出した結晶を濾取し(R)−2
−ベンジルコハク酸の(S)−(−)−1−フェニルエ
チルアミン塩3.37gを得た。収率39.0%、光学
純度81.8%ee この塩3.0gをメチルエチルケトン/水の混合溶媒か
ら2回再結晶を行い1.92gの精製(R)−2−ベン
ジルコハク酸の(S)−(−)−1−フェニルエチルア
ミン塩を白色結晶として得た。収率64.0%,m.
p.132〜134℃ ここで得られた精製塩を実施例1と同様な後処理を行う
ことにより、(R)−2−ベンジルコハク酸を得た。収
率98%、m.p.164〜166℃、光学純度97.
4%ee
【0023】実施例7 (SR)−2−ベンジルコハク酸2.0g(9.6ミリ
モル)にアセトン41ml及び水2mlを加え60℃に
加熱し溶解した。この中へ(S)−(−)−1−フェニ
ルエチルアミン2.3g(19.2ミリモル)を加えた
ところ難溶性ジアステレオマー塩が析出した。1時間加
熱還流をした後5℃まで徐冷し、同温度で1夜放置し
た。析出した結晶を濾取し(R)−2−ベンジルコハク
酸の(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩1.
73gを得た。収率40.0% 光学純度77.8%e
e。この塩を前記溶媒で再結晶を行い、次いで実施例1
と同様な後処理を行うことにより、(R)−2−ベンジ
ルコハク酸を得た。m.p.164〜166℃、光学純
度98.9%ee
【0024】実施例8 (SR)−2−ベンジルコハク酸2.0g(9.6ミリ
モル)に2−プロパノール43ml及び水2mlを加え
60℃に加熱し溶解した。この中へ(S)−(−)−1
−フェニルエチルアミン2.3g(19.2ミリモル)
を加えた。難溶性ジアステレオマー塩が析出するが、1
時間加熱還流をした後5℃まで徐冷し、同温度で1夜放
置した。析出した結晶を濾取し(R)−2−ベンジルコ
ハク酸の(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩
1.56gを得る。収率36.0%光学純度66.0%
ee これを前記溶媒で再結晶を行い、次いで実施例1と同様
な後処理を行うことにより、(R)−2−ベンジルコハ
ク酸を得た。m.p.164〜166℃、光学純度9
8.0%ee
【0025】実施例9 (SR)−2−ベンジルコハク酸2.0g(9.6ミリ
モル)にD−(−)−スレオ−2−アミノ−1−(4−
ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール4.08
g(19.2ミリモル)、エタノール10ml、水0.
5mlを加え、60〜65℃で1時間加熱後、室温まで
徐冷した。析出した難溶性ジアステレオマー塩の結晶を
濾取して2.7gを得た。収率44.0%m.p.15
8〜160℃ これを前記溶媒で再結晶を行い、次いで実施例1と同様
な後処理を行うことにより、(S)−2−ベンジルコハ
ク酸を得た。[α]−14.3゜(c=1,AcOE
t,20℃)、m.p.164〜166℃、光学純度6
2.7%ee
【0026】実施例10 (SR)−2−ベンジルコハク酸2.0g(9.6ミリ
モル)に(+)−エフェドリン3.18g(19.2ミ
リモル)、アセトン51ml,水1mlを加え50℃で
1時間撹拌後5℃まで徐冷し、同温度で1夜放置した。
析出した結晶を濾取して(R)−2−ベンジルコハク酸
の(+)−エフェドリン塩1.7gを得た。収率33.
0% これを前記溶媒で再結晶を行い、次いで実施例1と同様
な後処理を行うことにより、(R)−2−ベンジルコハ
ク酸を得た。m.p.163〜165℃、光学純度9
6.7%ee
【0027】実施例11 (SR)−2−ベンジルコハク酸2.0g(9.6ミリ
モル)に(S)−(−)−1−(1−ナフチル)エチル
アミン3.3g(19.2ミリモル)、2−プロパノー
ル60ml、水1.5mlを加え60℃で1時間撹拌後
5℃まで徐冷し、同温度で1夜放置した。析出した結晶
を濾取して難溶性ジアステレオマー塩2.7gを得た。
収率51.0% これを前記溶媒で再結晶を行い、次いで、実施例1と同
様な後処理を行うことにより、(R)−2−ベンジルコ
ハク酸を得た。m.p.163〜165℃、光学純度9
5.9%ee
【0028】実施例12 (SR)−2−ベンジルコハク酸2.42g(11.6
ミリモル)に水16mlを加え50℃に加熱する。この
中へ、(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン2.
81g(23.2ミリモル)を加えた。難溶性ジアステ
レオマー塩が析出するが、1時間80〜85℃に加熱し
た後、5℃まで徐冷し、同温度で1夜放置した。析出し
た結晶を濾取して、(S)−2−ベンジルコハク酸の
(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩2.50
gを得た。収率47.7% 本品の一部を塩酸で分解して得られた(S)−2−ベン
ジルコハク酸をジベンジルエステルに変換しHPLC分
析した結果、得られた(S)−2−ベンジルコハク酸誘
導体の光学純度は80.6%eeであった。そこで本ジ
アステレオマー塩2.0gを水9mlから再結晶を行い
1.61gの精製(S)−2−ベンジルコハク酸の
(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を白色結
晶として得た。収率80.6%、m.p.130〜13
2℃ ここで得られた精製塩1.66g(3.69ミリモル)
を2N−塩酸で酸性化し、遊離した(S)−2−ベンジ
ルコハク酸をジエチルエーテル20mlで3回抽出し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮乾固し少量のトルエ
ンで懸濁洗浄して0.75gの(S)−2−ベンジルコ
ハク酸を得た。収率98%、m.p.164〜166
℃、光学純度98.6%ee

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、*の符号を付した炭素原子は不斉炭素原子を表
    す)で表されるラセミ体の2−ベンジルコハク酸に、光
    学活性アミン誘導体を反応させジアステレオマー塩を
    得、このジアステレオマー塩を分解し、(S)−又は
    (R)−2−ベンジルコハク酸を得ることを特徴とす
    る、(S)−又は(R)−2−ベンジルコハク酸の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 光学活性アミン誘導体が、式(V) 【化2】 (式中、R及びRは同一又は相異なり、それぞれ独
    立に水素原子又は低級アルキル基を示し、Rは低級ア
    ルキル基、水酸基を有してもよい低級アルキル基又はフ
    ェニル基を示し、Rはフェニル基、ナフチル基又はニ
    トロ基もしくは低級アルキル基を有していてよいアラル
    キル基であり、アラルキル基においてはそのアルキル部
    分の水素原子の一つが水酸基で置換していてもよい)で
    表される化合物又は(−)−シンコニジンもしくは
    (+)−シンコニンから選ばれた化合物であることを特
    徴とする請求項1に記載の(S)−又は(R)−2−ベ
    ンジルコハク酸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7381835B2 (en) 2001-06-21 2008-06-03 Sanofi-Aventis Resolution process for (R)-(-)-2-hydroxy-2-(2-chlorophenyl) acetic acid
JP2008546761A (ja) * 2005-06-23 2008-12-25 ハンミ ファーム. シーオー., エルティーディー. クロピドグレルの製造方法及びこの方法に用いられる中間体
JP2020015862A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 株式会社Adeka ポリオレフィン用核剤、これを含有するポリオレフィン用核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物、およびその成形品

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