JPH102369A - 電気粘性流体を用いたダンパ - Google Patents

電気粘性流体を用いたダンパ

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JPH102369A
JPH102369A JP17757496A JP17757496A JPH102369A JP H102369 A JPH102369 A JP H102369A JP 17757496 A JP17757496 A JP 17757496A JP 17757496 A JP17757496 A JP 17757496A JP H102369 A JPH102369 A JP H102369A
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JP
Japan
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fixed
movable
electrode
fluid
side electrode
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JP17757496A
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Yoshiko Matsumura
佳子 松村
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体の小型化を図ることができる上に、
電気粘性流体が外部に漏洩するのを確実に防止できるよ
うにする。 【解決手段】 可動台3を固定台2を介して上下に進退
可能に設けると共に、固定台2と可動台3との間にはス
プリング4を設け、スプリング4のばね力によって可動
台3を固定台2から持上げる方向に常時付勢する。ま
た、固定台2側には固定側電極9を設けると共に、可動
台3側には固定側電極9との間で全体として7重筒状を
なした各絞り通路11を形成するように可動側電極10
を設ける。そして、固定台2と可動台3との間には拡縮
可能な袋体7を設け、袋体7内には電極9,10を収容
すると共に、電気粘性流体8を充填する。これによって
可動台3の進退動作に追従して内側室A,A,…内の容
積を増減できるようにし、袋体7内に電気粘性流体8を
密閉状態で保持できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば乗物や精密
機器等に作用する振動を緩衝するのに好適に用いられる
電気粘性流体を用いたダンパに関し、特に、減衰力を適
宜に調整できるようにした電気粘性流体を用いたダンパ
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乗物や精密機器等には、外部か
らの振動や衝撃等を緩衝するためにダンパが装備されて
いる。そして、このようなダンパとして、例えば、特開
平4−95628号公報(以下、従来技術という)に記
載の電気粘性流体を用いたダンパが知られている。
【0003】この種の従来技術によるダンパでは、電気
粘性流体が充填された固定部としてのシリンダ内に可動
部としてのロッドの一端側を挿入し、該ロッドの他端側
をシリンダ外に突出させると共に、該シリンダ内にはピ
ストンを摺動可能に挿嵌し、該ピストンを前記ロッドの
一端側に取付けている。また、前記ピストンには絞り通
路としての流動通路を形成し、該流動通路によってシリ
ンダ内に前記ピストンを介して画成されたロッド側室と
ボトム側室とを互いに連通させている。そして、前記流
動通路側には、例えばピストンの径方向で互いに対向す
るようにように一対の電極板を配設し、該各電極板に外
部から通電を行うようになっている。
【0004】そして、ロッドの伸長行程では電気粘性流
体がロッド側室からボトム側室へ向けて前記流動通路内
を流通するときに、前記各電極板間で電界を発生させる
ことにより、この電気粘性流体の粘度を高める。この結
果、前記流動通路内を流れる電気粘性流体の流動抵抗が
増大し、減衰力が発生するようになる。また、ロッドの
縮小行程でも前記伸長行程と同様にして、電気粘性流体
がボトム側室からロッド側室へ向けて流動通路内を流通
するときに、前記各電極板間で電界を発生させることに
より、電気粘性流体の流動抵抗を増大させて減衰力を発
生させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ロッドの両端側のうち一方をシリンダ外に
突出させる構成としているため、ロッドの伸縮動作に伴
って、該ロッドのシリンダ内に占める進入体積が変化し
てしまう。そこで、従来技術では、前記ボトム側室の底
部側にロッドの伸縮に応じて拡縮可能なガス室を設け、
該ガス室をロッドの伸縮に追従して拡縮させることによ
り、前記ロッドの進入体積変化分を補償するようにして
いる。
【0006】しかし、このような従来技術では、シリン
ダの底部側に前記ガス室を設ける必要があるため、該シ
リンダ全体の構造が複雑化してしまう上に、全体がシリ
ンダの軸方向に対して大きくなり、全体の小型化を図る
のが難しくなるという問題がある。
【0007】また、従来技術では、シリンダに対するロ
ッドの摺動部に生じた隙間をシール部材等でシールする
ことにより、シリンダ内に充填された電気粘性流体が前
記隙間を介して外部に漏洩するのを抑えるようになって
いる。しかし、前記ロッドはシリンダ内で電気粘性流体
に直接接触しているために、ロッドの伸縮動作に伴って
前記電気粘性流体の一部はロッドに付着した状態で外部
に漏洩してしまう。そして、このような電気粘性流体の
外部への洩れ量を少なくするために前記シール部材の構
造が複雑化してしまうという問題がある。また、ロッド
側に大きな荷重(振動)が作用した場合には、電気粘性
流体の液圧が負荷となって前記シール部材に大きく作用
してしまい、シール部材が早期に損傷されるという問題
がある。
【0008】また、他の従来技術による電気粘性流体を
用いたダンパとしては、ロッドの両端側を共にシリンダ
の両端側から突出させることにより、ロッドの伸縮時に
シリンダに対する該ロッドの進入体積を一定とするよう
にし、前記従来技術で述べたようなガス室を不要にでき
るようにしたものが、例えば特開平1−288644号
公報(以下、他の従来技術という)等に開示されてい
る。
【0009】しかし、このような他の従来技術でも、シ
リンダ内に充填された電気粘性流体の外部への漏洩を抑
えるために、シリンダとロッドとの間の隙間をシール部
材等でシールする必要があり、前述した従来技術とほぼ
同様の問題が生じてしまう。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、装置全体の小型化を図ること
ができる上に、電気粘性流体を内部に確実に密閉するこ
とができ、該電気粘性流体が外部に漏洩するのを防止で
きるようにした電気粘性流体を用いたダンパを提供する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明による電気粘性流体を用いたダンパは、固
定台と、該固定台に対して進退可能に設けられた可動台
と、該可動台を前記固定台に対して進退させる方向のう
ち、いずれか一方に常時付勢する付勢手段と、前記可動
台と固定台との間に設けられ、内部に電気粘性流体が充
填された拡縮可能なケースと、該ケース内に位置して前
記可動台側と固定台側とにそれぞれ固定された可動側電
極および固定側電極と、該可動側電極と固定側電極との
間に形成され、前記固定台に対する前記可動台の進退動
に伴い拡縮する流体室と、前記可動側電極と固定側電極
との間に形成され、該流体室の内外を連通する流体通路
と、前記可動側電極および固定側電極への通電を制御し
て前記電気粘性流体の粘度を変化させる通電制御手段と
から構成したことにある。
【0012】このように構成することにより、可動台を
固定台に対して進退動させるときには、この進退動によ
り拡縮する流体室の内外の電気粘性流体が流体通路を介
してケース内を流動するようになる。このときに、通電
制御手段から前記各電極に通電を行い、該各電極間で電
界を発生させることにより、前記流体通路内を流通する
電気粘性流体の粘度を高めることができ、電気粘性流体
の流動抵抗を増大させることによって減衰力を増加させ
ることができる。しかも、前記各電極間で発生する電界
を通電制御手段で変化させることにより、前記減衰力の
大きさを適宜に調整することができる。
【0013】ここで、前記可動台を進退させるときに
は、この可動台の進退動作に追従して前記ケースは拡縮
することにより前記流体室の変形を吸収することができ
るから、従来技術のようにロッド等の摺動部を用いる必
要がなくなり、電気粘性流体を前記ケース内に確実に密
閉でき、電気粘性流体の外部への漏洩を確実に防止する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0015】ここで、図1ないし図3は本発明の実施例
による電気粘性流体を用いたダンパを示している。
【0016】図において、1は床、2は該床1上に固定
された固定台で、該固定台2は底板部2Aと筒板部2B
とから有底筒状体として形成され、該底板部2Aには後
述の接続端子12用の貫通穴2Cが形成されている。3
は固定台2に対して上,下方向に進退可能に設けられ、
例えば上方(図中)にコンピュータ等の精密機器が設置
される可動台で、該可動台3は上板部3Aと筒板部3B
とから前記固定台2と同様に有底筒状体として形成され
ている。
【0017】また、前記上板部3Aには後述の接続端子
13用の貫通穴3Cが穿設されると共に、筒板部3Bの
開口側端面には、その周方向に沿って環状凹溝3Dが形
成されている。そして、可動台3は筒板部3Bが固定台
2の筒板部2B内に摺動可能に設けられ、該可動台3に
対して振動等が作用したときには該筒板部2Bの軸方向
(上下方向)に沿ってガイドされるものである。
【0018】4は固定台2と可動台3との間で伸縮可能
に設けられた付勢手段としてのスプリングで、該スプリ
ング4はその上下両端側が固定台2の底板部2A外周部
と可動台3の環状凹溝3C内との間に所定のばね力をも
って配設され、可動台3を固定台2から上方へと持上げ
る方向に常時付勢するものである。
【0019】5,6は円板状に形成された絶縁板をそれ
ぞれ示し、該絶縁板5,6のうち絶縁板5は固定台2の
底板部2A上側面に一体的に取付けられ、絶縁板6は可
動台3の上板部3A下側面に一体的に取付けられてい
る。そして、該絶縁板5,6は、固定台2および可動台
3をそれぞれ後述の固定側電極9、可動側電極10に対
して電気的に絶縁し、装置の安全性を確保するものであ
る。
【0020】7は固定台2と可動台3との間に拡縮可能
に設けられたケースとしての袋体を示し、該袋体7は例
えば弾性樹脂等の可撓性材料から筒状に形成され、その
下側開口端および上側開口端がそれぞれ絶縁板5,6の
外周部に液密状態で一体的に固着されている。そして、
袋体7内には後述の電極9,10が収容されると共に電
気粘性流体8が充填されている。
【0021】ここで、図1に示すように可動台3が固定
台2から上向きに持上がるように後退するときに、袋体
7はこの後退動作に追従して径方向に縮小するようにな
る。一方、図3に示すように可動台3が固定台2に向け
て下向きに進入するときには、袋体7はこの進入動作に
追従して径方向に拡大するようになる。
【0022】8は袋体7内に充填された電気粘性流体を
示し、該電気粘性流体8は電極9,10間で発生する電
界によって粘度が変化し、その電界の大きさに対応して
粘度が増大するものである。
【0023】9は袋体7内に位置して固定台2側に設け
られた固定側電極を示し、該固定側電極9は図1ないし
図3に示す如く、絶縁板5の上側面に重なり合うように
して固着された円板状の電極板部9Aと、該電極板部9
Aの中央部から可動台3側へと円柱状をなして上向きに
伸長したロッド状電極部9Bと、該ロッド状電極部9B
を外側から取囲むように該ロッド状電極部9Bと同心円
状をなしてそれぞれ上向きに延び、互いに3重構造をな
した第1〜第3の筒状電極部9C〜9Eとから構成され
ている。
【0024】ここで、前記ロッド状電極部9Bおよび筒
状電極部9C〜9Eは、それぞれの厚みが互いにほぼ等
しい寸法をもって形成され、これらの電極部9B〜9E
は径方向に対してほぼ同一の間隔をもって配設されるこ
とにより、3重構造をなす筒状の隙間をそれぞれの間に
形成している。そして、固定側電極9は可動側電極10
と共に袋体7内に充填された電気粘性流体8に接触する
と共に、固定側電極9には後述の接続端子12、リード
線19等を介して電源18により外部から通電され、前
記可動側電極10との間で電界を発生させるようになっ
ている。
【0025】10は絶縁板6を介して可動台3側に設け
られた可動側電極を示し、該電極10は図1ないし図3
に示す如く、絶縁板6の下側面に重なり合うようにして
一体的に取付けられた円板状の電極板部10Aと、該電
極板部10Aの中心側から固定台2側へと筒状をなして
下向きに延びた小径の第1の筒状電極部10Bと、該筒
状電極部10Bを外側から取囲むように筒状電極部10
Bと同心円状をなしてそれぞれ下向きに延び、該筒状電
極部10Bと共に互いに4重構造をなした第2〜第4の
筒状電極部10C〜10Eとから構成されている。
【0026】ここで、筒状電極部10B〜10Eは固定
側電極9のロッド状および筒状電極部9B〜9Eとほぼ
同様に、それぞれの厚みがほぼ同一の寸法をもって形成
され、これらの電極部9B〜9Eは径方向に対してほぼ
同一の間隔をもって配設されることにより、4重構造を
なす筒状の隙間をそれぞれの間に形成している。なお、
これらの電極部9B〜9Eおよび10B〜10Eは、前
記可動台3が固定台2にガイドされることにより接触す
ることはない。
【0027】11,11,…は固定側電極9の電極部9
B〜9Eと可動側電極10の電極部10B〜10Eとの
間に形成された流体通路としての絞り通路で、該各絞り
通路11は、ロッド状電極部9Bおよび筒状電極部9C
〜9Eと、筒状電極部10B〜10Eとの間で全体とし
て7重筒状の隙間空間として形成されている。そして、
各絞り通路11のうち、最外周側に位置する開口側が図
2に示す如く環状の流出入口11Aとなり、該流出入口
11Aは固定側電極9と可動側電極10との間に電気粘
性流体8が流出入するのを許すようになっている。
【0028】ここで、可動側電極10が図1の位置から
図3の位置へと固定側電極9に向けて下向きに進入する
ときには、電極9,10間の流体室としての内側室A,
A,…から袋体7側の外側室Bに向けて電気粘性流体8
が流出する。一方、可動側電極10が固定側電極9から
上向きに持上がるように後退するときには、外側室Bか
ら内側室Aに向けて電気粘性流体8が流入する。
【0029】12,13は上,下の接続端子を示し、該
接続端子12,13のうち、接続端子12は一端側が後
述のリード線19を介してコントロールユニット15に
接続され、他端側が固定台2の貫通穴2Cから絶縁板5
を貫通して固定側電極9の電極板部9A側に接続されて
いる。また、接続端子13は、一端側が後述のリード線
20を介してコントロールユニット15に接続され、他
端側が可動台3の貫通穴3Cから絶縁板6を貫通して可
動側電極10の電極板部10A側に接続されている。
【0030】14は可動台3上に設けられた変位センサ
で、該変位センサ14は振動センサまたはストロークセ
ンサ等から構成され、可動台3の昇降状態を検出すると
共に、可動台3の振動状態等を検出してコントロールユ
ニット15に出力するものである。
【0031】15は通電制御手段を構成するコントロー
ルユニットで、該コントロールユニット15はリード線
16,17等を介して変位センサ14および電源18に
接続されると共に、リード線19,20を介して接続端
子12,13に接続されている。そして、コントロール
ユニット15は変位センサ14から出力された可動台3
の振動数等に基づいて、この振動数に対する最適な減衰
比を演算すると共に、この減衰比を実現するのに必要な
印加電圧を算出して、この印加電圧を電極9,10に出
力するものである。
【0032】本実施例によるダンパは、上述の如き構成
を有するもので、次にその作動について説明する。
【0033】まず、外部からの上下の振動が可動台3に
作用し、図1に示すように該可動台3が固定台2側へと
下向きに下降すると、袋体7内に充填された電気粘性流
体8は各絞り通路11内を流動して各電極9,10間の
内側室A,A,…内から流出入口11Aを介して袋体7
側の外側室Bに向けて流出する。一方、可動台3が図3
に示すようにスプリング4のばね力によって固定台2側
から上向きに上昇すると、前記電気粘性流体8は外側室
B内から流出入口11Aを介して内側室A,A,…へ向
けて流入し、各絞り通路11内を流動する。
【0034】このとき、コントロールユニット15から
電極9,10に通電を行い、該電極9,10間で電界を
発生させることにより、前記各絞り通路11内を流動す
る電気粘性流体8の粘度を高めることができ、この電気
粘性流体8の流動抵抗を増大させることによって減衰力
を増加させることができる。しかも、コントロールユニ
ット15は変位センサ14によって検出された可動台3
の振動数等に基づいて、この振動数に対する最適な減衰
比を演算して、この減衰比を実現するのに必要な印加電
圧を電極9,10に出力するから、これによって前記可
動台3に作用する振動に対する最適な減衰特性を当該ダ
ンパに与えることができる。
【0035】また、前記コントロールユニット15に
は、前記可動台3の昇降状態が変位センサ14から入力
されるから、これによって可動台3の上昇時と下降時と
で、コントロールユニット15からの電極9,10への
印加電圧をそれぞれ別々に変更することができ、これに
よって上昇時と下降時に発生する減衰力をそれぞれ独立
して適宜に調整することができる。
【0036】ここで、前述の如く、可動側電極10を可
動台3と共に固定台2に設けられた固定側電極9に対し
て進退させるときには、この可動台3の進退動作に追従
して袋体7が径方向に拡縮動作を行うことにより、内側
室A,A,…の全体容量を増減させることができ、固定
台2に対する可動台3の進退動作を長期に亘って補償す
ることができる。
【0037】従って、本実施の形態では、固定台2と可
動台3との間に拡縮可能に形成された袋体7を設け、該
袋体7内には固定側電極9を設けると共に可動台3側に
可動側電極10を設け、該袋体7内には電気粘性流体8
を充填したから、従来技術で述べたようなガス室等を固
定台2の下側等に特別に設ける必要がなくなり、これに
よって当該ダンパの全体構造を簡略化し、全体を上下方
向(可動台3の進退方向)に対してコンパクトに形成す
ることができ、当該ダンパの小型化を実現することがで
きる。
【0038】また、固定台2と可動台3との間で充填し
た電気粘性流体8を袋体7内に密閉状態で保持できるか
ら、従来技術で述べたように可動台3側に電気粘性流体
8が付着して外部に漏洩してしまうのを確実になくすこ
とができ、これによって固定台2と可動台3との摺動部
等にシール部材等を特に設ける必要がなくなり、シール
構造の簡略化を図ることができ、可動台3側に大きな荷
重(振動)が作用するような条件下でも当該ダンパを適
用することができる。
【0039】なお、前記実施の形態では、電極9,10
の電極板部9A,10Aにそれぞれロッド状電極部9
B、筒状電極部9C〜9E、10B〜10Eを設けるも
のとして述べたが、これに替えて例えば、複数の平板を
電極板部9A,10A上に互いに平行に立設するように
してもよいし、あるいは渦巻き状の板を該電極板部9
A,10Aにそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0040】また、前記実施の形態では、可動台3を固
定台2に対して上,下方向に進退させるものとして述べ
たが、例えば可動台3を固定台2に対して斜め方向に進
退させるようにしてよい。
【0041】さらに、前記実施の形態では、可動台3を
床1上に固定された固定台2に対して進退させるものと
して述べたが、これに替えて、固定台2と可動台3との
取付関係を反転させ、例えば上側に固定台を設け、該固
定台の下側に固定台に対して進退可能となった可動台を
設けるようにしてもよい。
【0042】また、前記実施の形態では、固定台を床上
に固定し、可動台上にコンピュータ等の精密機器を設置
して振動を減衰させるダンパを示したが、自動車等の振
動部、例えば、路面の凹凸を通過する際に相対変位する
車体と車軸との間に当該ダンパを介在させて、振動を減
衰させるようにしてもよい。
【0043】さらに、前記実施の形態では、可動台を固
定台から後退させる方向に常時付勢する付勢手段を示し
たが、可動台を固定台に対して進入させる方向に常時付
勢させるようにしてもよい。この場合、ロープウェイや
リフト等の懸架式の乗り物のワイヤーと乗室あるいは座
部との間に当該ダンパを介在させることにより好適に振
動を減衰させることができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、請
求項1に記載の如く、可動台を固定台に対して進退させ
る方向のうち、いずれか一方に常時付勢する付勢手段、
および内部に電気粘性流体が充填された拡縮可能なケー
スを可動台と固定台との間にそれぞれ配設し、該ケース
内には前記固定台側の固定側電極と可動台側の可動側電
極とを設けると共に、該固定側電極と可動側電極との間
には流体室と、該流体室の内外を連通する流体通路を形
成するようにしたから、従来技術で述べたようなガス室
等を特別に設けることなく、前記可動台の進退に追従し
てケースを拡縮させ、固定台に対する可動台の進退動作
を補償でき、当該ダンパの全体構造を簡略化し、全体の
小型化を図ることができる。
【0045】また、固定台と可動台との間でケース内に
充填した電気粘性流体を密閉状態に保持できるから、固
定台と可動台の摺動部等にシール部材等を特に設ける必
要がなくなり、シール構造の簡略化を図ることができ、
可動台側に大きな荷重(振動)が作用するような条件下
でも当該ダンパを適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるダンパを示す縦断面図で
ある。
【図2】固定側電極、可動側電極および絞り通路等を示
す図1中の要部拡大断面図である。
【図3】可動台が固定台内へと進入した下降状態を示す
図1とほぼ同様の縦断面図である。
【符号の説明】
2 固定台 3 可動台 4 スプリング(付勢手段) 7 袋体(ケース) 8 電気粘性流体 9 固定側電極 10 可動側電極 11 絞り通路(流体通路) 15 コントロールユニット(通電制御手段) A 内側室(流体室)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定台と、 該固定台に対して進退可能に設けられた可動台と、 該可動台を前記固定台に対して進退させる方向のうち、
    いずれか一方に常時付勢する付勢手段と、 前記可動台と固定台との間に設けられ、内部に電気粘性
    流体が充填された拡縮可能なケースと、 該ケース内に位置して前記可動台側と固定台側とにそれ
    ぞれ固定された可動側電極および固定側電極と、 該可動側電極と固定側電極との間に形成され、前記固定
    台に対する前記可動台の進退動に伴い拡縮する流体室
    と、 前記可動側電極と固定側電極との間に形成され、該流体
    室の内外を連通する流体通路と、 前記可動側電極および固定側電極への通電を制御して前
    記電気粘性流体の粘度を変化させる通電制御手段とから
    構成してなる電気粘性流体を用いたダンパ。
JP17757496A 1996-06-18 1996-06-18 電気粘性流体を用いたダンパ Pending JPH102369A (ja)

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