JPH10234822A - 凍結乾燥用容器 - Google Patents

凍結乾燥用容器

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Publication number
JPH10234822A
JPH10234822A JP9062047A JP6204797A JPH10234822A JP H10234822 A JPH10234822 A JP H10234822A JP 9062047 A JP9062047 A JP 9062047A JP 6204797 A JP6204797 A JP 6204797A JP H10234822 A JPH10234822 A JP H10234822A
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JP
Japan
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container
freeze
drying
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bottom member
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Application number
JP9062047A
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English (en)
Inventor
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医療用容器における必要単位量の凍結乾燥物
を塊状のまま医療用容器に移し換えが確実にでき、また
容器自体も簡単に製造できる凍結乾燥用容器を提供。 【構成】 一の室に凍結乾燥物が収容され、他の室に上
記凍結乾燥物の溶解液が収容され、上記一の室と他の室
とが使用時に連結しうる複数の室を有する多室容器にお
ける上記凍結乾燥物の必要単位量の凍結乾燥を行い、且
つ該必要単位量の上記凍結乾燥物を塊状のまま上記多室
容器内に移し換え可能とした凍結乾燥用容器において、
筒状胴部材と、該胴部材内を液密に摺動しうる底部材或
いは開口栓体とからなり、上記筒状胴部材は横断面内形
状がほぼ同形状の均一な筒状に形成されていることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凍結乾燥用容器に関す
るものであり、より詳細には、一の室に凍結乾燥物が収
容され、他の室に上記凍結乾燥物の溶解液が収容され、
上記一の室と他の室とが使用時に連結しうる複数の室を
有する医療用容器等の多室容器における上記凍結乾燥物
の必要単位量の凍結乾燥を行い、且つその必要単位量の
凍結乾燥物を塊状のまま上記多室容器内に移し換え可能
とした凍結乾燥用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に抗生物質、蛋白質製剤等の凍結乾
燥物はバイアル、アンプル等に収容されている。凍結乾
燥物は、バイアル内に凍結乾燥用の溶液を除菌フィルタ
を通して無菌的に充填し、これを凍結乾燥装置内で凍結
処理し、バイアルの栓体を半打栓状態にして減圧乾燥し
て乾燥後に完全打栓をして凍結乾燥物入りバイアルを得
る。また、このようなバイアルは輸液容器、透析液容
器、臓器保存液容器等に無菌的に連結され、凍結乾燥物
がこれらの薬液容器に混注されて用いられる。バイアル
と薬液容器とを無菌的に連結させる構造としては、それ
ぞれの口部に刺通する連通針を設けたものが多々提案さ
れている。これは、連結部で連通針を無菌的に保持して
おき、その操作時に連通針を各口部に刺通させてバイア
ル内と薬液容器内とを連通させるものである。そして、
可撓性の薬液容器の壁を圧迫してポンピング操作を行う
ことにより、一部の薬液をバイアル内に注入して混合し
た後、その混合液を戻して混注操作を無菌的に行うもの
である。しかし、かかる連結構造では、連通針で口部を
刺通する操作や薬液容器のポンピング操作等を必要とし
煩雑な面を有している。最近、医療用容器を二つの室に
分け、一の室には薬液を充填し、二の室には凍結乾燥物
を充填したものがある(特開平6−14975号公
報)。医療用容器の各室は剥離可能な隔離シール部で仕
切られ、薬液収容室を外側から圧迫することにより、隔
離シール部が剥離開放されるようになっている。従っ
て、このような薬液容器は容器圧迫のみで簡単に薬剤を
混注することができるようになっている。このため、こ
のような医療用容器が頻用される傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
二室の医療用容器においては、その凍結乾燥物の充填に
問題がある。複数の室の一の室に凍結乾燥物を充填する
方法としては現在、二つの方法が提案されている。第一
は、タンクで多量の薬剤をまとめて凍結乾燥し、それを
粉砕・整粒した後、医療用容器に必要とされる必要単位
量を秤量して充填・密封する方法ある。しかし、このよ
うな凍結乾燥の充填方法ではその無菌充填操作において
の汚染の危険性を全て解消したとはいえない。充填工程
時に薬剤が湿気を帯びたり異物や細菌が混入するおそれ
がある。また、かかる方法では凍結乾燥品のケーキが必
ずしも薬剤の均一な力価を保持して分布しているとは限
らない。第二は、凍結乾燥用容器で薬剤を医療用容器に
おける必要単位量を凍結乾燥し、次に、凍結乾燥用容器
内の必要単位量の凍結乾燥物を医療用容器にそのまま移
し換えて充填・密封する方法である。そして、かかる方
法に用いる凍結乾燥用容器は、容器本体と栓体とからな
り、容器本体は底部外側が平面状をなして熱伝導性の良
好な形状に形成される。また容器本体の胴部は円筒状で
開口に向けて末広がりのテーパ面状に形成され、その底
部内壁がほぼ半球面状に形成されて、凍結乾燥物の移し
換え時の取り出しが容易になっている。更に、胴部内壁
面が易離型性の被膜処理がなされている。しかし、この
ような凍結乾燥用容器による無菌的充填では、凍結乾燥
用容器の易離型性被膜が機能していれば、凍結乾燥用容
器の転倒で塊状の凍結乾燥物が容易に医療用容器の室内
に投入できるが、かかる容器類は再使用のため洗滌を繰
り返し行うため、容器内壁の易離型性被膜が剥げ落ち、
凍結乾燥用容器の転倒のみで旨く移し換えができなくな
るおそれがある。このため、製造上、歩留まりを悪くす
る。また、アルミニウムや銀等の熱伝導性材を凍結乾燥
用容器とするため、上記容器の外側及び内側の複雑な形
状に合わせて金属加工をするのでコストアップとなる。
従って、本発明は、医療用容器における必要単位量の凍
結乾燥物を塊状のまま医療用容器に移し換えが確実にで
き、また容器自体も簡単に製造できる凍結乾燥用容器を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一の室に凍結
乾燥物が収容され、他の室に上記凍結乾燥物の溶解液が
収容され、上記一の室と他の室とが使用時に連結しうる
複数の室を有する多室容器における上記凍結乾燥物の必
要単位量の凍結乾燥を行い、且つ該必要単位量の上記凍
結乾燥物を塊状のまま上記多室容器内に移し換え可能と
した凍結乾燥用容器において、筒状胴部材と、該胴部材
内を液密に摺動しうる底部材或いは開口栓体とからな
り、上記筒状胴部材は横断面内形状がほぼ同形状の均一
な筒状に形成されていることを特徴とする凍結乾燥用容
器を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
【0005】上記凍結乾燥物は、溶液を一旦容器内で凍
結させ、凍結後、凍結物から水分を昇華、蒸散させて得
ることのできる乾燥物である。このような凍結乾燥物と
しては、薬剤に多く見られ、抗生物質、生理活性蛋白質
等がその代表として挙げられる。上記凍結乾燥物の溶解
液は、単純な無菌水、生理食塩水等の希釈液、溶解液で
も良く、また、輸液剤、透析液、臓器保存液等の電解質
溶液であっても良い。この場合、多室容器は輸液容器、
透析液容器、臓器保存液容器等の医療用容器となる。
尚、多室容器は少なくとも二以上の室を有する容器で、
且つ上記凍結乾燥物を保存時に乾燥状態で一の室に液密
に収容する容器である。このような容器としては、一般
の樹脂製の医療用バック等である。即ち、多室容器は、
シート及びフィルムから成形したもの、直接ブロー成
形、射出成形したもの等である。容器の樹脂成形壁は単
層に限らず複数の樹脂層からなる多層構造でも、樹脂層
自体が複数の樹脂のブレンド物でも良い。室と室とは同
一の容器で一体形成されていても良く、また別体で形成
されていても良い。また、一の室と他の室とは使用直前
に連通されるが、その連通手段は、破壊開封可能な導
管、隔壁を形成する挟持部材、ピールシール部で形成さ
れた隔離シール部等であっても良い。特に、剥離可能な
ピールシール部或いは弱シール部で室と室との連通手段
を形成することが望ましい。
【0006】本発明に係る凍結乾燥用容器は、上記凍結
乾燥物の必要単位量の凍結乾燥を行う。凍結乾燥用容器
は凍結乾燥に用いられる容器であり、凍結乾燥用容器に
は凍結乾燥用溶液が充填される。充填後、凍結乾燥用容
器は凍結乾燥装置内に搬入され、先ず、凍結乾燥用溶液
が容器内で凍結される。次に、凍結乾燥装置内が減圧さ
れ、凍結乾燥用溶液から水分等が昇華、蒸散される。こ
こで、医療用容器における上記凍結乾燥物の必要単位量
とは、凍結乾燥用容器で乾燥された凍結乾燥物をそのま
ま全て医療用容器の室に充填される量を意味し、凍結乾
燥用容器で乾燥された凍結乾燥物を分封して医療用容器
の室に充填する単位量ではない。即ち、上記凍結乾燥用
容器は、上記必要単位量の凍結乾燥物を塊状のまま上記
多室容器内に移し換え可能とするものである。従って、
上記凍結乾燥用容器で凍結乾燥した凍結乾燥物は分封し
て多室容器内に充填するものではない。
【0007】上記凍結乾燥用容器は、筒状胴部材と、胴
部材内を液密に摺動しうる底部材或いは開口栓体とから
なる。底部材が摺動しうる場合には開口栓体が摺動する
必要はなく、また、開口栓体が摺動する場合は底部材が
胴部材から外れるようになっていれば良い。上記筒状胴
部材はその横断面内形状がほぼ同形状の均一な筒状とな
っている。即ち、胴部材は筒体であり、その断面の内形
状は角形状、円形状、楕円形状でも良いが、胴部材のど
の部分の横断面をとってもその内形状がほぼ同形状であ
る必要があり、開口部が円形状で胴部材の下端開口が楕
円形状であることはない。また、開口部と下端開口部と
の断面内形状が相似形であっても大きさが摺動部材の液
密性及び摺動性を失わない許容範囲以上に異なれば上記
形状を満たしていない。上記開口栓体は、通常、開口を
液密に密封しうる半打栓可能な形状の栓体である。従っ
て、開口栓体は、熱可塑性エラストマー、ゴム等の弾性
材からなり、開口部を挿入する部分は二股形成されてい
る。
【0008】このように構成される凍結乾燥用容器にあ
っては、かかる容器で凍結乾燥した凍結乾燥物は多室容
器に収容する必要単位量をそのまま投入することができ
る。即ち、必要単位量の入った凍結乾燥物の胴部材内に
底部材或いは開口栓体を押し子として摺動させることに
より、確実に多室容器内の室に充填できる。この場合、
胴部材内壁に易離型性被膜が無くてもあっても確実に多
室容器内に充填でき、また、その操作においての無菌的
な移し換えが容易にできる。従って、凍結乾燥後の乾燥
物の粉砕、整粒、秤量等の作業が不要であり、また作業
上、移し換えミス等を生じさせることがない。
【0009】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
凍結乾燥用容器において、上記胴部材がガラス製である
ことを特徴とする。胴部材がガラス製であれば、その胴
部材壁は透明性を維持することができる。また、樹脂製
の透明性材に比べて熱伝導性もある。胴部材壁が透明で
あれば、内部の凍結乾燥用溶液の凍結状態や乾燥状態を
観察、確認することができ、その製造に支障を来すこと
がない。また樹脂素材に比べてガラスの熱伝導性は高
く、凍結処理時に支障を来すことがない。請求項3記載
の本発明は、請求項1又は2記載の凍結乾燥用容器にお
いて、上記底部材が上記胴部材内を摺動し、上記底部材
の中央部が熱伝導性材で上記底部材の周縁が弾性材から
なることを特徴とする。上記底部材が摺動材であれば、
胴部材の内壁に液密に密着して摺動する機能と、凍結乾
燥用溶液の凍結処理のための熱伝導性が十分な材料であ
ることが望ましい。このため、底部材の外周縁を除く、
大部分が熱伝導性材であることが望ましい。熱伝導性材
は、10W・m-1/K-1以上、好ましくは50W・m-1
/K-1以上、特に200W・m-1/K-1以上であること
が望ましい。このような熱伝導性材としては、金、銀、
銅、アルミニウム等である。弾性材はゴム、熱可塑性エ
ラストマー等のシール性のある材料である。
【0009】請求項4記載の本発明は、請求項1又は2
記載の凍結乾燥用容器において、開口栓体が上記胴部材
内を摺動し、上記底部材は上記胴部材の下端開口から剥
離可能な樹脂シートとからなることを特徴とする。上記
剥離可能な樹脂シートは、上記下端開口を液密に覆う一
方、多室容器への凍結乾燥物の移し換えに際して下端開
口縁から剥離されるものである。樹脂シートは通常下端
開口縁にピールシールされるものである。ピールシール
部は、下端開口の外部との連通を遮断するように樹脂壁
同士が互いに接着されているものである。そして、ピー
ルシール部は剥離開封可能なシール部であり、通常、こ
のようなシール部はピールシール部又は弱シール部と称
される。ピールシール部の形成は、シール温度、シール
時間等を厳しくコントロールして形成することができる
が、より確実で安全に形成するためには内層を異なる軟
化点或いは融点を有する樹脂のブレンド物とすることが
望ましい。融点等が異なる樹脂層では、熱溶着シール強
度と温度条件との一定の関係が得易く、シール強度を容
易にコントロールできるからである。従って、凍結乾燥
物を凍結乾燥用容器から移し換える際には、先ず、樹脂
シートを剥がし、次に開口栓体を押し込むことにより、
胴部材内から多室容器内へと凍結乾燥物を確実に押し込
む。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る凍結乾燥用容器の好まし
い実施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本
発明に係る凍結乾燥用容器の第一実施例の正断面図であ
る。図2は第一実施例の凍結乾燥用容器から医療用容器
に移し換える際の製造工程を示す医療用容器の正面図で
ある。図3は図2に示す医療用容器の正面図である。図
4は本発明に係る凍結乾燥用容器の第二実施例の正断面
図である。
【0011】図1〜図3に示す如く、凍結乾燥用容器2
は、一の室12に凍結乾燥物4が収容され、他の室14
に凍結乾燥物4の溶解液16が収容され、一の室12と
他の室14とが使用時に連結しうる複数の室12、14
を有する医療用容器10における凍結乾燥物4の必要単
位量の凍結乾燥を行い、且つ必要単位量の凍結乾燥物4
を塊状のまま医療用容器10内に移し換え可能としたも
のである。しかして、凍結乾燥用容器2は筒状胴部材6
と、胴部材6内を液密に摺動しうる底部材8と開口栓体
9とからなり、筒状胴部材6は横断面内形状がほぼ同形
状の均一な筒状に形成されている。上記胴部材6がガラ
ス製である。上記底部材8が胴部材6内を摺動し、底部
材8の中央部が熱伝導性材8Aで底部材8の周縁が弾性
材8Bからなる。
【0012】第一実施例に係る凍結乾燥用容器2を更に
詳しく説明すると、乾燥用容器2は胴部材6、底部材8
及び開口栓体9からなる。胴部材6はガラス製の円筒体
で、内部も円筒体になっている。胴部材6の上端の開口
部21には係止鍔(フランジ)6Aが形成され、係止鍔
6Aには開口栓体9の大径ヘッド部9Aが当接される。
胴部材6の下端の開口部22には内側に向けて係止顎6
Bが形成され、係止顎6Bには底部材8が当接される。
そして、上端の開口部21は開口栓体9に液密に閉止さ
れ、下端の開口部22は底部材8に液密に閉止されると
共に、底部材8は下端の開口部22から脱抜するのを防
止している。胴部材6の筒内は、その横断面が真円形状
に形成され、上下端にかけて同形状、同径の均一な筒状
になっている。底部材8は、アルミニウム製の熱伝導性
材8Aと耐寒性のシリコンゴムからなる弾性材8Bとか
らなる。アルミニウムは熱伝導性が200W・m-1/K
-1以上であるため、温度差による熱量の移動を迅速にす
る。また、弾性材8Bはリング状で底部材8の周縁を成
し、胴部材6の内壁を弾性力により押圧して内壁に密着
している。また、底部材8は胴部材6の下端開口22か
らの押子等により、胴部材6の内壁を液密に摺動するこ
とができる。開口栓体9は、ゴム製で胴部材6の開口部
21の挿入部分がスカート状に分かれ、半打栓可能とな
っている。
【0013】胴部材6内には凍結乾燥物4が収容され
る。凍結乾燥物4を凍結乾燥用容器2に充填する場合に
は以下の手順で行われる。先ず、胴部材6の上端の開口
部21から底部材8を胴部材6内に差し込み、下端開口
部の係止顎6Bに当接させて完全に設置する。次に、除
菌フィルタに通した凍結乾燥用溶液を胴部材6内に充填
する。凍結乾燥用溶液には、医療用容器10に充填され
る凍結乾燥物4の必要単位量が電解質溶液等に溶解され
ている。凍結乾燥用溶液の充填後、胴部材6の上端の開
口部21に開口栓体9に半打栓状態にして取り付ける。
次に、凍結乾燥装置内で胴部材6内の凍結乾燥用溶液を
凍結させる。この場合、底部材8の大部分が熱伝導性材
8Aからなるため、凍結乾燥用溶液の凍結が製造上、迅
速に行うことができる。また、胴部材6はガラス製で透
明であるため、凍結乾燥用溶液の凍結の程度も確認でき
る。凍結乾燥用溶液の凍結後、次に、凍結乾燥装置内を
減圧にして凍結物中の水分を蒸散、昇華して凍結乾燥物
4を得る。乾燥後、開口栓体9を開口部21に完全打栓
して凍結乾燥物4を収容した凍結乾燥用容器2を得る。
【0014】このような凍結乾燥物4を収容した凍結乾
燥用容器2は、クリーンルームに搬入され、図2及び図
3に示す医療用容器10に以下の如く使用される。先
ず、医療用容器10について説明する。図2及び図3に
示す如く、医療用容器10は、点滴用注射針が刺通され
る排出ポート18を有する輸液バックである。医療用容
器10は、インフレーション成形した筒状の透明で柔軟
な可撓性樹脂シートから成形する。樹脂シートは肉厚が
250μmで、内層が厚み50μmの直鎖状低密度ポリ
エチレンとポリプロピレンとのブレンド物で、外層が厚
み200μmの低密度ポリエチレンの二層構造からな
る。直鎖状低密ポリエチレンは融点が126℃で、ポリ
プロピレンは融点が160℃である。また、内層は直鎖
状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとを65:35
の割合でブレンドしたものである。医療用容器10は上
述の樹脂シートの裁断端部10Aが完全熱溶着シールさ
れ、完全熱溶着シール部は固着シール部で殆ど剥離せ
ず、剥離しようとするとシートの破断が生じる非剥離シ
ール部となっている。裁断端部10Aには熱溶着シール
の際に排出ポート18が内部と連通して取付られ、排出
ポート18内には刺通可能な栓体が配されている。医療
用容器10の中間部には隔離シール部20が形成され、
隔離シール部20は容器10壁の内層同士が剥離可能に
密着シールされている。裁断端部10A、隔離シール部
20で囲まれた内部は容器10の液収容室14として形
成され、液収容室14には溶解液16が所定量収容され
ている。隔離シール部20は収容室14を0.2Kgf
/cm2以上で圧迫した時に剥離するようになってい
る。液収容室14の溶解液16は電解質溶液であり、医
療用容器10と共に高圧蒸気滅菌されている。
【0015】次に、図2に示す如く、クリーンルーム内
で上記凍結乾燥用容器2の開口栓体9が開口部21から
取り外され、開口部21は医療用容器20の他の裁断端
部10B内に挿入される。胴部材6の開口部22には押
子23が挿入され、押子23により底部材8が胴部材6
内で移動させられる。この場合、底部材8の周縁におけ
る弾性材8Bが胴部材6の内壁を液密に摺動し、凍結乾
燥物4が塊状のまま胴部材6の開口部22にから医療用
容器20内に吐き出される。医療用容器10は裁断端部
10Bが完全熱溶着シールされ、裁断端部10B、隔離
シール部20で囲まれた内部は容器10の物収容室12
として形成され、物収容室12に必要単位量の凍結乾燥
物4が収容されることとなる。医療用容器10の裁断端
部10A及び10Bの熱溶着シールはインパルスシール
機で温度170℃で5秒間行い、完全熱溶着シール部と
する。一方、隔離シール部20の熱溶着シールはインパ
ルスシール機で温度140℃で15秒間行い、剥離可能
なシール部とする。図3に示す医療用容器10を使用す
る際には、液収容部14を圧迫するだけで、隔離シール
部20が剥離開封され、この結果、凍結乾燥物4が溶解
液16に無菌的に且つ簡単に溶解させることができる。
そして、排出口からの点滴投与が可能となる。
【0016】次に、本発明に係る凍結乾燥用容器の第二
実施例について説明する。図4は、第二実施例の凍結乾
燥物用容器30の断面図である。図4に示す凍結乾燥物
容器30は、一の室に凍結乾燥物が収容され、他の室に
上記凍結乾燥物の溶解液が収容され、上記一の室と他の
室とが使用時に連結しうる複数の室を有する多室容器に
おける上記凍結乾燥物の必要単位量の凍結乾燥を行い、
且つ該必要単位量の上記凍結乾燥物を塊状のまま上記多
室容器内に移し換え可能とした点については第一実施例
の凍結乾燥物用容器2と同様である。また、凍結乾燥用
容器30の筒状胴部材32における横断面内形状がほぼ
同形状の均一な筒状に形成されている点も第一実施例の
凍結乾燥物用容器2と同様である。第二実施例の凍結乾
燥用容器30が第一実施例の凍結乾燥用容器2とことな
る点は以下の点にある。
【0017】凍結乾燥用容器30の筒状部材32はアル
ミニウム製の円筒部材からなり、上端開口部41及び下
端開口部42にはリング状の樹脂フィランジ43、43
が固着されている。上端開口部41の開口はゴム製のガ
スケット34で液密に閉止され、ガスケット34は筒状
部材32内での摺動が可能となっている。ガスケット3
4には押子等が装着される螺合穴44と、半打栓時に蒸
気の排出口となる吐気通路45が形成されている。下端
開口部41の開口は底部材用の樹脂シート36で覆わ
れ、樹脂シート36はピールシール可能な熱溶着シール
により樹脂フランジ43に液密に付着されている。樹脂
シート36は樹脂フランジ43と同様な樹脂素材からな
り、樹脂素材はポリエチレンである。また、樹脂シート
36は300μmの厚さで、外部と内部との熱量の移動
が十分になされるようになっている。胴部材32内には
凍結乾燥物4が収容される。凍結乾燥物4を凍結乾燥用
容器30に充填する場合には以下の手順で行われる。先
ず、胴部材32の下端開口部42の樹脂フランジ43に
樹脂シート36を熱溶着シールし、下端開口を閉止す
る。次に、除菌フィルタに通した凍結乾燥用溶液を胴部
材32内に充填する。凍結乾燥用溶液の充填後、胴部材
32の上端の開口部21にガスケット34を半打栓状態
にして取り付ける。
【0018】次に、凍結乾燥装置内で胴部材32内の凍
結乾燥用溶液を凍結させる。凍結乾燥用溶液の凍結後、
次に、凍結乾燥装置内を減圧にして凍結物中の水分を蒸
散、昇華して凍結乾燥物4を得る。乾燥後、ガスケット
34を開口部41に完全打栓して凍結乾燥物4を収容し
た凍結乾燥用容器30を得る。このような構成の凍結乾
燥用容器30にあって、医療用容器内に充填する際に
は、ガスケット34の螺合穴44にプランジャ等を取付
け、また、樹脂シート36を剥離して胴部材32の下端
開口部42を開口する。そして、下端開口部42を医療
用容器内に挿入して移し換えを行う。従って、凍結乾燥
用容器30は第一実施例の凍結乾燥用容器と同様な作
用、効果を奏する。上記各実施例において、胴部材の内
壁面を胴部材自身の素材を滑面として形成したが、かか
る内壁面に易離型性被膜処理等をして凍結乾燥物4が栓
体或いは底部材の摺動時に完全に取れるようにしても良
い。上記実施例では、医療用容器は複数の室が一体形成
されたものであったが、室ごとに別体容器として形成し
てあっても良い。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る凍結乾
燥物用容器は、一の室に凍結乾燥物が収容され、他の室
に上記凍結乾燥物の溶解液が収容され、上記一の室と他
の室とが使用時に連結しうる複数の室を有する多室容器
における上記凍結乾燥物の必要単位量の凍結乾燥を行
い、且つ該必要単位量の上記凍結乾燥物を塊状のまま上
記多室容器内に移し換え可能とした凍結乾燥用容器であ
り、筒状胴部材と、該胴部材内を液密に摺動しうる底部
材或いは開口栓体とからなり、上記筒状胴部材は横断面
内形状がほぼ同形状の均一な筒状に形成されているの
で、医療用容器における必要単位量の凍結乾燥物を塊状
のまま医療用容器に移し換えが確実にでき、また容器自
体も簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る凍結乾燥用容器の第一実施
例の正断面図である。
【図2】図2は第一実施例の凍結乾燥用容器から医療用
容器に移し換える際の製造工程を示す医療用容器の正面
図である。
【図3】図3は図2に示す医療用容器の正面図である。
【図4】図4は本発明に係る凍結乾燥用容器の第二実施
例の正断面図である。
【符号の説明】
2、30 凍結乾燥物用容器 4 凍結乾燥物 6 胴部材 8 底部材 9 開口栓体 10 医療用容器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一の室に凍結乾燥物が収容され、他の室
    に上記凍結乾燥物の溶解液が収容され、上記一の室と他
    の室とが使用時に連結しうる複数の室を有する多室容器
    における上記凍結乾燥物の必要単位量の凍結乾燥を行
    い、且つ該必要単位量の上記凍結乾燥物を塊状のまま上
    記多室容器内に移し換え可能とした凍結乾燥用容器にお
    いて、筒状胴部材と、該胴部材内を液密に摺動しうる底
    部材或いは開口栓体とからなり、上記筒状胴部材は横断
    面内形状がほぼ同形状の均一な筒状に形成されているこ
    とを特徴とする凍結乾燥用容器。
  2. 【請求項2】 上記胴部材がガラス製であることを特徴
    とする請求項1記載の凍結乾燥用容器。
  3. 【請求項3】 上記底部材は上記胴部材内を摺動し、上
    記底部材の中央部が熱伝導性材で上記底部材の周縁が弾
    性材からなることを特徴とする請求項1又は2記載の凍
    結乾燥用容器。
  4. 【請求項4】 上記開口栓体が上記胴部材内を摺動し、
    上記底部材は上記胴部材の下端開口から剥離可能な樹脂
    シートとからなることを特徴とする請求項1又は2記載
    の凍結乾燥用容器。
JP9062047A 1997-02-28 1997-02-28 凍結乾燥用容器 Pending JPH10234822A (ja)

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