JPH10231561A - 木質構造材の接合構造及び接合具 - Google Patents

木質構造材の接合構造及び接合具

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JPH10231561A
JPH10231561A JP3678297A JP3678297A JPH10231561A JP H10231561 A JPH10231561 A JP H10231561A JP 3678297 A JP3678297 A JP 3678297A JP 3678297 A JP3678297 A JP 3678297A JP H10231561 A JPH10231561 A JP H10231561A
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JP
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wooden
joint
wooden structural
column
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JP3678297A
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English (en)
Inventor
Mikiya Takamasu
幹弥 高増
Koji Okada
浩次 岡田
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Sumitomo Forestry Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Forestry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い強度を有し、工場内加工に適し、その施
工作業を行いやすい木質構造材の接合構造を提供するこ
と。 【解決手段】 木造建築物における梁や柱等の軸組の横
架材及び垂直材である木質構造材1(1a,1b)を互
いに接合させる接合構造であって、構造区画の主要な交
点にある木質構造材1(1a,1b)の端部同士が、表
面は木質部2Bに覆われて、内部に接合金具2Aを有す
る接合コア2を介して互いに接合されていることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木質構造材の接合構
造及び接合具、詳しくは、高い強度を有し、工場内加工
に適し、その施工作業を行いやすい木質構造材の接合構
造及び接合具に関する。
【0002】
【従来の技術】木造在来軸組工法において、柱や梁等の
軸組の横架材及び垂直材である木質構造材同士の接合
は、図11のA部及びB部に示されるような構造により
接合されていた。図11A部においては、柱が通し柱1
0aであり、該通し柱10aの側面に胴差10cが接合
されている。上記通し柱10aと上記胴差10cとの接
合は、該通し柱10aの側面に形成された凹部に該胴差
10cの端部に形成された凸部を嵌合させ(即ち、いわ
ゆる仕口加工を施し)、その後両者の接合部の側面に金
物20を取り付けることにより行われている。
【0003】一方、図11B部においては、柱が管柱1
0bであり、該管柱10bの端部が上記胴差10cの上
下面に接合されている。上記管柱10bと上記胴差10
cとの接合は、該胴差10cの上下面に形成された凹部
に該管柱10bの端部に形成された凸部を嵌合させ、両
者の接合部の側面に金物20を取り付けることにより行
われている。また、図11B部においては、上記胴差1
0c同士も接合されている。このような場合、上記胴差
10c同士の接合部と上記管柱10bの接合部とが同位
置となると強度上弱くなってしまうので、一方の上記胴
差10cを上記管柱10bとの接合部よりも延長させて
他方の上記胴差10cと接合させる。この接合に際して
は、互いの端部に継手加工を施して接合させ、必要に応
じて金物で補強する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような木
質構造材同士の接合部は、その設けられる位置によって
は働く応力が大きくなる場合があり、更なる接合部の強
化が望まれていた。また、上述したような接合構造にお
いては、構造材の表面及び端部に凹部及び凸部等の仕口
継手を設けるため、有効断面を減少させてしまい、その
部材自体の強度を低下させてしまうだけでなく、凹部又
は凸部等の仕口継手を形成させるために、部材配置上必
要となる有効断面積を確保するために部材が太くしなく
てはならない場合があり、木材材積が増えてしまい建物
としての材料の有効使用上不合理であるという問題があ
った。
【0005】また、凹部又は凸部等の仕口継手の形状
は、木材の端部等を切削加工することで形成させるた
め、材料の加工ロスが多いという問題もあった。更に、
最近になって、工場内で予め構造材の切断や端部加工等
の作業(いわゆるプレカット加工)を行っておき、現場
では最小限の作業を行うような工法が用いられている
が、伝統的な仕口継手をプレカット加工により実現する
のは、機械に対しての切削加工の負担が大きく、生産上
不合理であるという問題があり、更なる改良が望まれて
いた。更に、上述したように、柱の設置される位置によ
って通し柱10aと管柱10bを使い分ける必要や、胴
差10cの接合位置が重ならないように調整する必要が
あり、材長の規格化を行い難く、プレカット加工に際し
て生産上不合理であるという問題があり、この点からも
更なる改良が望まれていた。
【0006】更に、仕口継手の形成に加えて、その側面
から金物20で補強するため、金物20が木材の外表面
に露出され、該金物20が錆を発生させやすい等の耐久
性上更に改良が望まれている点や、火災時に該金物20
が熱に直接触れるため耐火性上更なる改良が望まれてい
る点もあった。また、金物20の取付作業は、構造材の
組立作業の後に現場で取り付けるため、その作業が2段
階となり施工に手間がかかるという問題もあった。
【0007】従って、本発明の目的は、高い強度を有
し、工場内加工に適し、その施工作業を行いやすい木質
構造材の接合構造及び接合具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、木造建築物における梁や柱等の構造材及び垂直材で
ある木質構造材を互いに接合させる木質構造材の接合構
造であって、構造区画の主要な交点の木質構造材の端部
同士が、表面は木質部に覆われて、内部に接合金具を有
する接合コアを介して互いに接合されていることを特徴
とする木質構造材の接合構造を提供することにより上記
目的を達成したものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記木質構造材の端部に形成されたス
リットに金属製のプレートが挿入固定されており、該プ
レートが上記接合コアへの取付部を有していると共に、
上記接合コアが上記取付部に対応した被取付部を有して
いる、ことを特徴とする木質構造材の接合構造を提供す
るものである。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、上記接合コアの内部の接合金具
は、金属製のコラム部からなる、ことを特徴とする木質
構造材の接合構造を提供するものである。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
何れかに記載の発明において、上記プレートが、棒状固
定部材により上記木質構造材の端部に固定されている、
ことを特徴とする木質構造材の接合構造を提供するもの
である。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
何れかに記載の発明において、上記プレートが、上記木
質構造材の端部を受ける乗掛部を有している、ことを特
徴とする木質構造材の接合構造を提供するものである。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の
何れかに記載の発明において、垂直材の端部に挿入固定
された上記プレートの上記取付部が雄ネジであり、該雄
ネジに対応する上記被取付部が上記コラム部の上面及び
下面に形成された雌ネジである、ことを特徴とする木質
構造材の接合構造を提供するものである。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項5又は6
に記載の発明において、垂直材の端部を受ける上記乗掛
部が、上記コラム部の上面に蓋状に固定される、ことを
特徴とする木質構造材の接合構造を提供するものであ
る。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項3〜7の
何れかに記載の発明において、横架材の端部に挿入固定
された上記プレートの上記取付部が柱状部であり、該柱
状部に対応する上記被取付部が上記コラム部の上面から
下方に向けて形成された凹部と該凹部から外方に向けて
形成されたスリットとからなる、ことを特徴とする木質
構造材の接合構造を提供するものである。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の発明において、上記柱状部と上記凹部とが下方におい
て上記コラムの中心部へ傾斜して形成されている、こと
を特徴とする木質構造材の接合構造を提供するものであ
る。
【0017】また、請求項10に記載の発明は、木造建
築物における梁や柱等の横架材及び垂直材である木質構
造材の主要な交点を互いに接合させる接合具において、
構造区画の主要な交点の金属製のコラム部及び該コラム
部の周囲を覆う木質部からなる接合コアと、上記木質構
造材の端部に形成されたスリットに挿入固定される金属
製のプレートとを備え、上記プレートに上記接合コアへ
の取付部が形成されると共に、上記接合コアに上記取付
部に対応した被取付部が形成されていることを特徴とす
る木質構造材の接合具を提供することにより上記目的を
達成したものである。
【0018】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の発明において、上記木質構造材の端部への固定用
の棒状固定部材が嵌入される嵌入孔を有している、こと
を特徴とする木質構造材の接合具を提供するものであ
る。
【0019】請求項12に記載の発明は、請求項10又
は11に記載の発明において、垂直材の端部に挿入固定
される上記プレートの上記取付部が雄ネジであり、該雄
ネジに対応する上記被取付部が上記コラム部の上面及び
下面に形成された雌ネジである、ことを特徴とする木質
構造材の接合具を提供するものである。
【0020】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の発明において、垂直材の下端部に挿入固定された
上記プレートが、垂直方向に配された上記木質構造材の
下端部を受ける乗掛部を有している、ことを特徴とする
木質構造材の接合具を提供するものである。
【0021】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の発明において、垂直材の端部を受ける上記乗掛部
が、上記コラム部の上面に蓋状に固定される、ことを特
徴とする木質構造材の接合具を提供するものである。
【0022】請求項15に記載の発明は、請求項10〜
14の何れかに記載の発明において、横架材の端部に挿
入固定される上記プレートの上記取付部が柱状部であ
り、該柱状部に対応する上記被取付部が上記コラム部の
上面から下方に向けて形成された凹部と該凹部から外方
に向けて形成されたスリットとからなる、ことを特徴と
する木質構造材の接合具を提供するものである。
【0023】請求項16に記載の発明は、請求項15に
記載の発明において、横架材の端部に挿入固定された上
記プレートが、横架材の端部を受ける乗掛部を有してい
る、ことを特徴とする木質構造材の接合具を提供するも
のである。
【0024】請求項17に記載の発明は、請求項15又
は16に記載の発明において、上記柱状部と上記凹部と
が下方において、上記コラムの中心部へ傾斜して形成さ
れている、ことを特徴とする木質構造材の接合具を提供
するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の木質構造材の接合
構造及び接合具の一実施形態について図面を参照して説
明する。図1〜9は本実施形態の接合構造を示してい
る。図1は全体斜視図、図2は接合部の分解斜視図、図
3は接合部の接合状態の斜視図、図4は柱上端部の分解
斜視図、図5は胴差端部の分解斜視図、図6は接合コア
の斜視図、図7は接合コアの二面図、図8は胴差端部の
プレートの三面図、図9は全体斜視図である。
【0026】本実施形態の木質構造材の接合構造は、図
1〜3に示されるように、木造建築物における梁や柱等
の横架材、垂直材である木質構造材1(1a,1b)を
互いに接合させるものであって、構造区画の主要な交点
のある木質構造材1(1a,1b)の端部同士が、表面
は木質部2Bに覆われて、内部に接合金具2Aを有する
単一の接合コア2を介して互いに接合されている。尚、
ここで言う構造区画の主要な交点とは、構造耐力壁等で
囲われた平面における四隅等の主要な交点であり、そこ
での柱、梁等の垂直材、横架材の端部が対象である。
【0027】本実施形態の木質構造材の接合構造を更に
詳しく説明する。本実施形態の木質構造材の接合構造
は、図1に示されるように、各木質構造材1(1a,1
b)端部の接合箇所に上記接合コア2が配置され、各木
質構造材1の端部同士が該接合コア2を介してに結合さ
れて、建物の構造躯体が構築されている。その後、接合
された構造躯体に床部や壁部を構成する部材が構築され
る。
【0028】ここで、図1〜3に示されるように、上記
木質構造材1(1a,1b)の端部に形成されたスリッ
ト11に金属製のプレート3(3a,3b)が挿入固定
され、該プレート3(3a,3b)が上記接合コア2へ
の取付部31(31a,31b)を有していると共に、
上記接合コア2が上記取付部31(31a,31b)に
対応した被取付部21(21a,21b〜21b”)を
有しており、上述した構造躯体の構築に際しては、これ
らの上記取付部31(31a,31b)及び上記被取付
部21(21a,21b〜21b”)により上記木質構
造材1(1a,1b)と上記接合コア2とが結合され
る。
【0029】まず、本実施形態の接合構造を構成する各
構成部材について説明する。上記木質構造材1は、柱1
a・胴差1b・梁・桁・土台等の四角形断面を有する木
質の無垢材又は集成材である。以下には、垂直材である
上記木質構造材1が上記柱1a、横架材の上記木質構造
材1が上記胴差1bである場合の接合部について、図2
〜8の図面を参照して説明するが、上記木質構造材1
が、上記梁や上記桁、上記土台であってもその接合構造
上特に異なるところはない。
【0030】上記柱1aは、図2〜4に示されるよう
に、その上端及び下端に上記スリット11が形成されて
おり、該スリット11に対して垂直に4つの貫通孔12
が穿孔されている。上記貫通孔12には、棒状固定部材
であるドリフトピン4が嵌入される。また、上記胴差1
bも、図2〜3及び図5に示されるように、その端部に
スリット11が形成されており、該スリット11に対し
て垂直に2つの貫通孔12が形成されている。更に、上
記胴差1bには、その一側面から端面にわたって上記ス
リット11に沿って溝部33bが形成されている。尚、
本実施形態においては上記棒状固定部材として上記ドリ
フトピン4が用いられたが、他の棒状固定部材を用いて
もよい。
【0031】上記接合コア2Aは、上述したように、上
記接合金具2Aと上記木質部2Bとからなる。上記接合
金具2Aは、図6に示されるように、円柱状の金属製の
コラム部であり、その高さは上記木質部2Bの120mm よ
りも短くされている。また、上記接合金具2Aの上面及
び下面の中央に雌ネジ21a(上記被取付部21)が形
成されている。
【0032】上記接合金具2Aの上面側の上記雌ネジ2
1aの周囲には、4つの凹部21b及びスリット21
b’(上記被取付部21)が均等に4つ配されている。
上記凹部21bの深さは、図7に示されるように、上記
接合金具(以下、本実施形態においてはコラム部とも言
う)2Aの高さのほぼ3/4に相当する深さとされてお
り、その下方が上記コラム部2Aの中心に向けて傾斜さ
れている。上記コラム部2Aの中心軸から外方に向け
て、各凹部21bから上記スリット21b’が形成され
ている。
【0033】上記木質部2Bは、本実施形態の場合、12
0mm の胴差1bの高さと等しい高さを有する直方体の外
形を有する木質部材である。上記木質部2Bの中央に
は、上記コラム部2Aを嵌合させるための円柱状の空間
が形成されている。上記木質部2Bの内側面から外側面
にかけて、上記コラム部2Aが嵌入された際の上記スリ
ット21b’と対応する位置に、スリット21b”が形
成されている。即ち、上記コラム部2Aが上記木質部2
Bに嵌入されると、上記スリット21b’及び上記スリ
ット21b”により、1つのスリットが形成される。こ
のようにして、上記胴差1bに対応する上記被取付部2
1が、上記凹部21b及び上記スリット21b’,21
b”により形成される。尚、各スリット21b’,21
b”は、上記木質部2Bの各外側面に対して直角となる
ようにされている。
【0034】上記木質構造材1端部の上記スリット11
に挿入固定される上記プレート3は、金属製のプレート
の一端に上記取付部31が形成されたものである。図4
に示されるように、上記柱1aの上端に固定される上記
プレート3aは、幅が上記スリット11の幅にほぼ等し
い長方形板状の形態を有している。上記プレート3a
は、上記貫通孔12に対応した嵌入孔32a,32a’
を計4つ有しているが、該貫通孔12の1つ(上記柱1
aの端面より遠い側の1つ)に対応する該嵌入孔32
a’は、側縁から切り込まれた形状とされており、その
側縁側が広げられた形態とされている。また、上記プレ
ート3aの一端縁中央には、上記接合金具2Aの上記雌
ネジ21aに対応した雄ネジ31a(上記取付部31)
が形成されている。
【0035】図2に示されるように、上記柱1aの下端
に固定される上記プレート3a’も上記プレート3aに
準じた構成とされており、上記雌ネジ31aの根元部に
円盤状の乗掛部33aが形成されている点でのみ異な
る。上記乗掛部33aは、上記プレート3a’自体に対
して直角となるように形成されており、その大きさは上
記コラム部2Aの水平断面形状にほぼ等しくされてい
る。
【0036】図5に示されるように、上記胴差1bの端
部に固定される上記プレート3bは、幅が上記スリット
11の幅にほぼ等しい長方形板状の形態を有している。
上記プレート3bは、上記貫通孔12に対応した嵌入孔
32aを計2つ有している。また、上記プレート3bの
一端の上方部は延設されてその先端に上記凹部21bに
対応する柱状部31b(上記取付部31)が形成されて
いる。上記柱状部31bも、図8に示されるように、上
記凹部21bの傾斜に対応して下方に行くにつれて外方
に傾斜されている。更に、上記プレート3bの下端縁の
全長にわたって板状の乗掛部33bが形成されている。
上記乗掛部33bは、上記プレート3b自体に対して直
角となるように形成されており、その上記柱状部31b
側は該柱状部31bの形成されている縁部の下方にまで
延設されている。
【0037】次に、上記木質構造材の接合構造を構築す
る手順の一例を簡単に説明する。まず、工場内におい
て、上記木質構造材1の加工(所定長さへの切断、及び
上記スリット11や上記貫通孔12の加工)を行ってお
き、部位によっては該木質構造材1の端部に上記プレー
ト3を上記ドリフトピン4により固定しておく。このと
き、上記胴差1bの端部に上記プレート3bを挿入固定
させる際には、上記乗掛部33bが上記溝部13内にお
さまることにより、上記貫通孔12と上記嵌入孔32b
との位置合わせが行えるようにしてある。このように、
工場内で作業可能な加工は全て行われた状態で、各部材
が現場に搬入され、現場では最小限の作業で構造躯体の
構築が行われるようにしてある。
【0038】現場では、図1に示されるように、基礎5
に埋設されたアンカーボルト5aに、接合コア2を取り
付ける。このとき、アンカーボルト5a上端のネジ部を
上記接合コア2の上記コラム部2A下面の上記雌ネジ2
1aに螺合させる。上記基礎5上に固定された上記接合
コア2に、上記木質構造材(土台)1の端部を結合させ
る。このとき、図2及び図3に示されるのと同様に、上
記接合コア2の上記コラム部2Aの上記凹部21bに上
記プレート3bの上記柱状部31bを挿入する。上記凹
部21b及び上記柱状部31bが上述したように傾斜さ
れているため、上記木質構造材1の端部はその自重によ
り上記接合コア2側に引き寄せられ、該木質構造材1と
該接合コア2とが確実に接合される。上記木質構造材1
dは、図示されない他のアンカーボルトによっても上記
基礎5上に強固に固定される。
【0039】次いで、上記接合コア2の上部に、上記プ
レート3aを接合させる。このとき、上記プレート3a
の上記雄ネジ31aを上記コラム部2A上面の上記雌ネ
ジ21aに螺合させる。このとき、上記プレート3aの
上記乗掛部33aの下面が上記コラム部2Aの上面に面
接され、該乗掛部33aの上面が上記木質部2Bの上面
と面一となるようにされる。
【0040】その後、図2に示されるように、上記貫通
孔12の上側の1つに上記ドリフトピン4が既に嵌入さ
れている上記柱1aの上記スリット11に、上記接合コ
ア2上に固定された上記プレート3aを挿入させる。こ
のとき、切欠状に形成されている上記嵌入孔32a’と
既に嵌入されている上記ドリフトピン4の位置とを対応
させて挿入する。
【0041】上記スリット11に上記プレート3aが挿
入されると、切欠状に形成されている上記嵌入孔32
a’の端部が広げられた形態とされているため、上記ド
リフトピン4が該嵌入孔32a’と容易に嵌合し、残り
の上記貫通孔12と上記嵌入孔32aの位置とが位置合
わせされ、ここにそれぞれ上記ドリフトピン4が嵌入さ
れる。このようにして、上記接合コア2と上記柱1aと
が接合されると共に、該柱1aの下端により上記木質構
造材1の端部をも固定することになる。
【0042】上記柱1aの上端には、上記プレート3a
が既に固定されており(現場において固定しても良
い)、該柱1a上端の上記プレート3aに、上記接合コ
ア2を取り付ける。その後の上記胴差1bや上記桁の取
り付けも上述した手順と同様に行われる。このようにし
て施工が完了した状態を、図9に示す。図9に示される
ように、各木質構造材1同士は、上記接合コア2を介し
て互いに確実に接合されており、その後、垂直方向に配
された該木質構造材間には間柱が一定間隔毎に配設さ
れ、該間柱に構造用合板(パネル)が取り付けられて壁
部の面耐力が確保されている。
【0043】本実施形態の木質構造材の構造区画の主要
な交点にある接合構造及び接合具は上述のように構成さ
れており、本実施形態の木質構造材の接合構造及び接合
具によれば、各木質構造材1と上記接合コア2との接合
に際して、該木質構造材1の端部に従来行っていたよう
な複雑な形状の仕口加工を施す必要がなく、有効断面を
減少させて部材自体の強度を低下させることなく、強固
な接合を行うことができる。
【0044】また、その接合に際して仕口加工を必要と
しないので、上記接合コア2を介した各木質構造材1同
士の接合に際して、部材配置上必要であった有効断面積
を確保するために部材の太さを太くするような必要がな
く、仕口加工時に必要であった余分な木材材積を増加さ
せることなく部材を合理的に有効使用することができ
る。また、仕口継手による接合に際しては、従来、該仕
口加工部分は接合される互いの部材が重なるように配置
されるため、双方の部材にこの分だけ長さを余分に確保
しておかなくてはならないが、本実施形態によれば、各
木質構造材1の端面が上記接合コア2の側面に面接され
るように接合されるため該木質構造材1の長さは最小限
で済み、余分な長さを確保しないで良いという利点もあ
る。
【0045】更に、各木質構造材1の端部は上記スリッ
ト11及び上記貫通孔12の加工だけで済むため、複雑
な形状の仕口継手を加工するときのような材料の加工ロ
スをほとんど発生させないと言う利点もある。更に、各
木質構造材1の端部のこのような加工は、機械に対して
の加工負担が少なくプレカット加工に適しており、生産
上合理的な運用を行うことができる。また、仕口継手に
よる場合はその接合位置が重ならないように調整しなく
てはならない場合があったが、本実施形態によればこの
ような調整が必要なくなり、各木質構造材1の長さが規
格化しやすく、この点からもプレカット化を行いやすく
合理的な生産を行いやすい。
【0046】また更に、接合した後に外側面から補強金
物で補強する必要がなく、その作業は1工程で済み、施
工に手間が掛からない。更にまた、上記接合コア2の金
属製の上記接合金具(コラム部)2Aは、上記木質部2
Bにより覆われており、外部に露出しない。このため、
火災時等に該接合金具2Aが直接火炎にさらされること
がなく耐火性上好ましく、空気中の湿気にさらされて錆
びやすいということもなく耐久性にも優れている。上記
プレート3も、上記木質構造材1の端部に形成された上
記スリット11内に挿入固定されてその大部分を外部に
露出させないため、耐火性・耐久性に優れている。ま
た、上記構造区画の主要な交点以外の箇所での木質構造
材の端部同士は、上記接合コアとは異なる接合金具で接
合されるが、耐火性、耐久性上表面は木質部に覆われ
て、外部に金具類が露出しないものが望ましい。
【0047】本発明の木質構造材の接合構造は、上記実
施形態に制限されることはない。例えば、上記実施形態
において、上記接合金具2Aは、円柱状の形態のコラム
部として形成されたが、円柱状でない他の形態に形成さ
れてもよい。また、図2〜図8に示された上記実施形態
においては、上記接合コア2の高さは120mm に統一さ
れ、これに接合される上記胴差1bの高さも120mm とさ
れたが、接合される上記胴差は求められる強度を満たす
ための断面積に応じて所定の高さをとることができ、こ
の場合は、図10(a),(b) に示されるように、胴差1
b’,1b”の端部に固定される上記プレート3b’,
3b”の形態を一部変更して容易に対応することができ
る。更に、上記実施形態においては、上記接合コア2の
高さは120mmに統一されたが、接合された上記木質構造
材1を確実に接合させておくために必要な強度に応じ
て、所定の高さをとることができる。その他の点に関し
ても、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能で
ある。
【0048】
【発明の効果】本発明の木質構造材の接合構造及び接合
具は、高い強度を有し、工場内加工に適し、その施工作
業を行いやすいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態を
示す全体斜視図である。
【図2】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態に
おける接合部を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態に
おける接合部を示す斜視図である。
【図4】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態に
おける柱(木質構造材)上端部の分解斜視図である。
【図5】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態に
おける胴差(木質構造材)端部の分解斜視図である。
【図6】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態に
おける接合コアを示す斜視図であり、(a) は分解斜視
図、(b) は結合時の斜視図である。
【図7】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態に
おけるコア部材の二面図であり、(a) は平面図、(b) は
側面図である。
【図8】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態に
おける胴差(構造材)端部のプレートの三面図であり、
(a) は平面図、(b) は側面図、(c) は正面図である。
【図9】本発明の木質構造材の接合構造の一実施形態を
示す斜視図である。
【図10】本発明の木質構造材の接合構造の他の実施形
態を示す側面図である。
【図11】従来の木質構造材の接合構造を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 木質構造材 1a 柱 1b 胴差 11 スリット 12 貫通孔 13 溝部 2 接合コア 2A 接合金具(コラム部) 2B 木質部 21 被取付部 21a 雌ネジ 21b 凹部 21b’,21b” スリット 3(3a,3a',3b) プレート 31 取付部 31a 雄ネジ 31b 柱状部 32(32a,32a',32b) 嵌入孔 33(33a,33b) 乗掛部 4 棒状固定部材(ドリフトピン)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造建築物における梁や柱等の軸組の横
    架材及び垂直材である木質構造材を互いに接合させる接
    合構造であって、 構造区画の主要な交点にある木質構造材の端部同士が、
    表面は木質部に覆われて、内部に接合金具を有するの接
    合コアを介して互いに接合されていることを特徴とする
    木質構造材の接合構造。
  2. 【請求項2】 上記木質構造材の端部に形成されたスリ
    ットに金属製のプレートが挿入固定されており、該プレ
    ートが上記接合コアへの取付部を有していると共に、上
    記接合コアが上記取付部に対応した被取付部を有してい
    る、請求項1に記載の木質構造材の接合構造。
  3. 【請求項3】 上記接合コアの内部の接合金具は、金属
    製のコラム部からなる、請求項1又は2に記載の木質構
    造材の接合構造。
  4. 【請求項4】 上記プレートが、棒状固定部材により上
    記木質構造材の端部に固定されている、請求項1〜3の
    何れかに記載の木質構造材の接合構造。
  5. 【請求項5】 上記プレートが、上記木質構造材の端部
    を受ける乗掛部を有している、請求項1〜4の何れかに
    記載の木質構造材の接合構造。
  6. 【請求項6】 上記垂直材の端部に挿入固定された上記
    プレートの上記取付部が雄ネジであり、該雄ネジに対応
    する上記被取付部が上記コラム部の上面及び下面に形成
    された雌ネジである、請求項3〜5の何れかに記載の木
    質構造材の接合構造。
  7. 【請求項7】 上記垂直材の端部を受ける上記乗掛部
    が、上記コラム部の上面に蓋状に固定される、請求項5
    又は6に記載の木質構造材の接合構造。
  8. 【請求項8】 上記横架材の端部に挿入固定された上記
    プレートの上記取付部が柱状部であり、該柱状部に対応
    する上記被取付部が上記コラム部の上面から下方に向け
    て形成された凹部と該凹部から外方に向けて形成された
    スリットとからなる、請求項3〜7の何れかに記載の木
    質構造材の接合構造。
  9. 【請求項9】 上記柱状部と上記凹部とが下方において
    上記コラムの中心部へ傾斜して形成されている、請求項
    8に記載の木質構造材の接合構造。
  10. 【請求項10】 木造建築物における梁や柱等の軸組の
    横架材及び垂直材である木質構造材の主要な交点を互い
    に接合させる接合具において、 金属製のコラム部及び該コラム部の周囲を覆う木質部か
    らなる接合コアと、 上記木質構造材の端部に形成されたスリットに挿入固定
    される金属製のプレートとを備え、 上記プレートに上記接合コアへの取付部が形成されると
    共に、上記接合コアに上記取付部に対応した被取付部が
    形成されていることを特徴とする木質構造材の接合具。
  11. 【請求項11】 上記プレートが、上記木質構造材の端
    部への固定用の棒状固定部材が嵌入される嵌入孔を有し
    ている、請求項10に記載の木質構造材の接合具。
  12. 【請求項12】 上記垂直材の端部に挿入固定される上
    記プレートの上記取付部が雄ネジであり、該雄ネジに対
    応する上記被取付部が上記コラム部の上面及び下面に形
    成された雌ネジである、請求項10又は11の何れかに
    記載の木質構造材の接合具。
  13. 【請求項13】 上記垂直材の下端部に挿入固定された
    上記プレートが、垂直材の下端部を受ける乗掛部を有し
    ている、請求項12に記載の木質構造材の接合具。
  14. 【請求項14】 上記垂直材の端部を受ける上記乗掛部
    が、上記コラム部の上面に蓋状に固定される、請求項1
    3に記載の木質構造材の接合具。
  15. 【請求項15】 上記横架材の端部に挿入固定される上
    記プレートの上記取付部が柱状部であり、該柱状部に対
    応する上記被取付部が上記コラム部の上面から下方に向
    けて形成された凹部と該凹部から外方に向けて形成され
    たスリットとからなる、請求項10〜14の何れかに記
    載の木質構造材の接合具。
  16. 【請求項16】 上記横架材の端部に挿入固定された上
    記プレートが、横架材の端部を受ける乗掛部を有してい
    る、請求項15に記載の木質構造材の接合具。
  17. 【請求項17】 上記柱状部と上記凹部とが下方におい
    て、上記コラムの中心部へ傾斜して形成されている、請
    求項15又は16に記載の木質構造材の接合具。
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