JPH10230220A - 模様付き塗膜、化粧板およびこれらの製造方法 - Google Patents

模様付き塗膜、化粧板およびこれらの製造方法

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JPH10230220A
JPH10230220A JP35064697A JP35064697A JPH10230220A JP H10230220 A JPH10230220 A JP H10230220A JP 35064697 A JP35064697 A JP 35064697A JP 35064697 A JP35064697 A JP 35064697A JP H10230220 A JPH10230220 A JP H10230220A
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JP
Japan
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aggregate
coating
substrate
paint
coated
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JP35064697A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Suekuni
国 伸 明 末
Kenji Miyagawa
川 健 二 宮
Seiji Kobayashi
林 誠 司 小
Koji Morimoto
本 耕 二 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Marine Paints Ltd
Original Assignee
Chugoku Marine Paints Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】凹凸状平面を有する被塗物基材の表面の凸
部平面上に、骨材を含有する塗料組成物を塗布し硬化し
て形成される塗膜並びに化粧版。凹凸状平面を有する被
塗物基材の表面の凸部平面上に、骨材を含有する塗料組
成物をロールコーターにて塗布し硬化させる模様付き塗
膜並びに化粧板の製造方法。 【効果】石目調等のより実在感のある模様付き塗膜、模
様付き化粧板、及びこのような塗膜や化粧板が簡単かつ
低コストで量産できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、模様付き塗膜、化粧板、
およびこれらの製造方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、石目調等のより実在感のある模様付き塗膜、模
様付き化粧板、及びこのような塗膜や化粧板が簡単かつ
低コストで量産できるような模様付き塗膜及び化粧板の
製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、例えばタイル調凹凸部を有
し、凹部と凸部の色調が異なる模様付き化粧板の製造方
法としては、点状(スパッタ)吹付塗装法などが知られ
ている。このスパッタ塗装法は通常、塗料を被塗物に点
状に吹き付けてタイル調模様付き塗装を行う方法であ
り、被塗物の凹凸部全面に同じ塗料が点状に付着してし
まい、凸部のみに塗料を塗布し、凹部には塗布しないよ
うにすることは不可能である。
【0003】このため従来では、基材の凸部のみに吹き
付けたように見せるため、まず基材凹凸部の全面に特定
の色調に塗装した後、凸部表面にのみロールコーターに
てこれと異なる色で塗装し、その後凹部と同色の塗料を
点状に凹凸部全体に吹き付け、1色の柄で模様を出して
いるが、この方法では、2色以上の柄模様はだせない。
なお、2色以上の色塗料を吹き付けた場合、凹部にも点
状模様ができ、外観上好ましくない。
【0004】このような模様塗装用の塗料として、溶媒
に溶解性のない着色材粒子または着色硅砂を分散させた
水系模様形成用塗料があるが、微粒子状(粒径:3μm
〜10μm程度)のため模様が小さく意匠性に乏しい。
【0005】このため、工場等でのライン生産に適応可
能であり、より簡易な工程で意匠性のある色調の模様付
き化粧板を低コストで製造できるような塗装方法の開発
が望まれていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、工場等でのラ
イン生産に適応可能であり、より少ない工程で、骨材の
均一分散性に優れ、意匠性のある一様な色調の模様付き
化粧板を提供することを目的としている。
【0007】本発明は、工場等でのライン生産に適応可
能であり、より少ない工程で、均一分散性に優れ、意匠
性(審美性)のある一様な色調の模様付き化粧板を製造
できるような方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る模様付き塗膜は、凹凸状平
面を有する被塗物基材の表面の凸部平面上に、骨材を含
有(分散)する塗料組成物を塗布し硬化して形成され
る。
【0009】本発明に係る模様付き化粧板は、凹凸状平
面を有する被塗物基材の表面の凸部平面上に骨材を含有
する塗膜が形成されてなる。本発明に係る模様付き塗膜
の製造方法は、凹凸状平面を有する被塗物基材の表面の
凸部平面上に、骨材を含有する塗料組成物をロールコー
ターにて塗布し硬化させることを特徴としている。
【0010】本発明に係る模様付き化粧板の製造方法
は、凹凸状平面を有する被塗物基材の表面の凸部平面上
に、骨材を含有する塗料組成物をロールコーターにて塗
布し硬化させることを特徴としている。
【0011】本発明においては、上記何れの場合も、骨
材が、マイカ、硅砂、ガラスビーズ、ガラス破砕物、ガ
ラス粉体およびこれらの着色物のうちから選択される1
種以上であることが好ましい。
【0012】本発明においては、上記何れの場合も、凹
凸状平面を有する被塗物基材の表面には、骨材を含有し
ない塗料が予め塗布されていてもよい。本発明に係る模
様付き化粧板は、工場等でより簡易な工程でライン生産
でき、骨材の均一分散性に優れ、一様な色調(明度、彩
度、色相、材質感を含む)でむらがなく、石目調、タイ
ル調など意匠性に富んでいる。
【0013】本発明によれば、工場等でのライン生産に
適応可能であり、より簡易な工程で、上記のような模様
付き化粧板を製造できる。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る模様付き化粧
板、およびこれらの製造方法について図面を参照しつつ
具体的に説明する。
【0015】図1および図2は、それぞれ本発明に係る
模様付き塗膜および模様付き化粧板の断面を模式的に示
す説明図であり、またこれらの製法の説明図である。図
3は、従来例である。
【0016】[模様付き塗膜と化粧板]本発明に係る模
様付き塗膜は、例えば、図1に示すように、凹凸状平面
を有する被塗物基材50の表面の凸部平面31上に、骨
材を含有(分散)する、後述するような塗料組成物10
を塗布し硬化して形成される。
【0017】本発明に係る模様付き化粧板は、例えば、
図1に示すように、凹凸状平面を有する被塗物基材50
の表面の凸部平面31上に、骨材を含有する塗膜10が
形成されてなる。
【0018】本発明においては、図2に示すように、上
記骨材を含有する塗料組成物10が塗布硬化される被塗
物基材50表面には、被塗物基材平面の凹部21及び凸
部31の全面に亘って、骨材を含有しない塗料が1種ま
たは2種以上予め塗布され必要により硬化されてそれぞ
れ層1、3、5を形成していてもよく、このような骨材
を含有しない塗膜の最上部の凸部平面31Aに、上記骨
材含有塗料組成物10が塗布硬化されていてもよい。
【0019】このような本発明に係る模様付き塗膜1
0、10Aや模様付き化粧板60A、60Bは、工場等
でより簡易な工程でライン生産でき、骨材の均一分散性
に優れ、一様な色調(明度、彩度、色相、材質感を含
む)でむらがなく、石目調、タイル調など意匠性に富ん
でいる。
【0020】骨材含有塗料組成物を塗布硬化してなる塗
膜10の厚さ(硬化物)は、被塗物の種類、用途、骨材
を含有しない塗料組成物を塗布硬化してなる層(下塗り
層ともいう)の存否、下塗り層の種類等にもより異なり
特に限定されないが、例えば、5〜50μm厚、好まし
くは10〜25μm厚程度である。また、模様付き塗
膜、模様付き化粧板の何れの場合も、表面の凸部30と
凹部20との差(溝の深さ)は、特に限定されないが、
例えば、1.5mm以上、好ましくは2.0〜5.0m
m程度であることが鮮明な模様が現れるため望ましい。
【0021】また、図2に示すように、下塗り層6上の
凸部31Aに骨材含有塗料組成物からなる層10が形成
されてなる模様付き塗膜10Aでは、この下塗り層6の
厚さ(硬化物)は、例えば、10〜120μm、好まし
くは40〜80μm程度である。なお、下塗り層6に
は、従来より公知の溶剤系アクリル樹脂、水系アクリル
エマルジョン等の塗料が用いられる。このようにして製
造された塗膜や化粧板(図1、図2)は、裏面側に接着
剤等を塗布しあるいは釘などで打付けて、木材、合板、
金属板、合成樹脂板、ラス(金網)、あるいはコンクリ
ート(建造物)の表面など、任意の基材表面に貼設する
ことができる。
【0022】[模様付き塗膜及び模様付き化粧板の製
法]本発明の好ましい態様では、例えば図1に示すよう
に、凹凸状平面を有する被塗物基材50の表面の凸部3
1平面上に、骨材を含有(分散)する塗料組成物10を
ロールコーター(図示せず)にて塗布し硬化させて、上
記模様付き塗膜10あるいは模様付き化粧板60Aを製
造している。
【0023】また、本発明では、例えば図2に示すよう
に、同一または相異なる下塗り塗料1、3、5が順次塗
布硬化されてなり、表面に凹凸状平面20,31Aを有
する下塗り層6の凸状平面31Aに、骨材を含有(分
散)する塗料組成物10をロールコーター(図示せず)
にて塗布し硬化させて、上記模様付き塗膜10Aあるい
は模様付き化粧板60Bを製造してもよい。
【0024】このような本発明に係る化粧板は、工場等
でのライン生産に適応可能であり、この方法では、より
簡易な工程で、上記のような模様付き化粧板を製造でき
る。 <骨材含有塗料組成物>この際用いられる骨材含有塗料
組成物としては、骨材を含有している限り、水系、溶剤
系、無溶剤系の何れであってもよいが、水系タイプが環
境への安全性に優れるため好ましく、また骨材以外の顔
料成分については、顔料が配合された半透明のカラーク
リヤ塗料であってもよく、顔料を含有しないクリヤ塗料
あるいは顔料を含有しない溶剤系のワニスであってもよ
く、また硬化方法は、UV硬化、熱硬化、常温硬化の何
れでもよい。
【0025】本発明で好ましく用いられる水系塗料(水
性塗料)は、水または、水と少量の有機溶媒とで分散・
希釈可能な塗料であって、塗料のバインダー(結合剤)
として用いられる疎水性の樹脂が、エマルジョン、ディ
スパージョン、水溶液、粉体懸濁(スラリー)あるいは
これらの複合タイプなどの形態で、好ましくはエマルジ
ョンの形態で塗料中に水性化されている。
【0026】このような水系塗料中の樹脂成分として
は、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、ウレタン樹脂
系、エポキシ樹脂系、アルキッド樹脂系など、従来より
公知のものが挙げられる。
【0027】分散(希釈)媒としては、水もしくは、水
と小量[例:水100重量部に対して20重量部以下]
の有機溶剤等からなる分散媒が挙げられる。例えば、水
系塗料用のアクリル樹脂は、例えば、界面活性剤の存在
下に水中でアクリルモノマー、あるいはアクリルモノマ
ーと少量の共重合モノマー(例:酢酸ビニル、マレイン
酸エステル、アクリル酸エステルなど)とをエマルジョ
ン重合して得られ、例えば0.1〜数μm程度の粒子径
を有し、重合液中にアクリル樹脂が水性分散している。
【0028】水系塗料用の酢酸ビニル樹脂は、例えば、
モノマーとして酢酸ビニルを、あるいは酢酸ビニルと二
重結合含有共重合性モノマー(例:アクリル酸エチル、
マレイン酸ジブチル、ビニルアルコールエステル、エチ
レンなど)とを、保護コロイド(例:ポリビニルアルコ
ール、ヒドオキシメチルセルロース)が配合された水溶
液中で、触媒の存在下に乳化重合して得られる。
【0029】このような水系塗料には、さらに必要に応
じて着色顔料、体質顔料、増粘剤、分散剤、消泡剤、成
膜助剤、防腐剤等の各種添加剤が配合されていてもよ
い。溶剤系塗料としては、熱硬化性、熱可塑性など従来
より公知の何れのタイプのものであってもよく、熱硬化
性タイプの溶剤系塗料としては、水酸基含有エチレン性
不飽和モノマー(例:2-ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート)の(共)重合物、メラミン樹脂及びポリイ
ソシアネートなどが配合された熱硬化性アクリル樹脂塗
料が挙げられ、熱可塑性タイプの溶剤系塗料としては、
アクリルラッカー等が挙げられる。
【0030】無溶剤型の樹脂としては、UV硬化性の不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらいずれの
塗料においても、上記着色顔料などの添加剤が配合され
ていてもよい。
【0031】<骨材>本発明で用いられる塗料組成物に
は、骨材が含まれており、このような骨材としては前述
のように骨材がマイカ、硅砂、ガラスビーズ、ガラス破
砕物、ガラス粉体およびこれらの着色物のうちから選択
される1種以上であることが好ましい。本発明の模様付
き塗膜および化粧板の意匠性を向上させるためには着色
骨材が含まれていることが好ましく、さらに着色マイカ
および/または着色硅砂が含まれていることが好まし
く、特に天然あるいは人工着色の箔状着色マイカが含ま
れていることが好ましい。
【0032】本発明で用いられる骨材の平面の平均径は
0.1〜5mm、好ましくは0.5〜2.5mm、さら
に好ましくは0.5〜1.5mmである。このような平
均径の箔状マイカ、硅砂などの骨材を用いると、箔状の
ためざらつきがなく、各色模様が鮮明となる傾向があ
る。
【0033】着色マイカの色数は、通常1〜10色、好
ましくは2〜4色であることが望ましい。10色を超え
ると、色調が濁り鮮明さがなくなる傾向がある。このよ
うな骨材のうちでもとくにマイカまたは硅砂が配合され
た塗料組成物では、塗装時剪断力が該組成物に加えられ
ても、骨材の均一分散性が破壊されることなく、塗膜中
に均一に着色マイカなど骨材が分布することになり、被
塗物基材の凸部に一様な色調、明度、彩度、光沢などを
備え、石目調などの模様の付いた化粧板が得られる。
【0034】(着色)マイカとしては、下記のようなも
のが挙げられる。 (株)山口雲母工業所製のカラーマイカ:HC−938
9白(平均径1.0mm)、HC−9372黒(平均径
1.0mm)等、 (有)腋元雲母製の雲母:雲母白13(平均径1.0m
m)、黒13(平均径1.0mm)等。
【0035】特にこれらのマイカが配合された塗料組成
物は、優れた石目調模様が得られるため好ましい。本発
明においては、これらの骨材を1種または2種以上組み
合わせて用いることができる。
【0036】このような骨材は、この塗料組成物中の樹
脂固形分100重量部に対して、通常、20〜200重
量部、好ましくは40〜100重量部の量で含まれてい
ることが望ましい。この骨材がこのような量で含まれて
いると、ほぼ被塗物基材の凸部平面全面に骨材が分布す
るため好ましい。
【0037】なお、本発明においては、このような骨材
と共に、従来より公知の「他の着色材」を併用してもよ
い。このような着色材としては、弁柄、黄、グレーなど
の種々の色調の顔料あるいは染料等が挙げられる。弁柄
などの他の着色材は、塗料組成物中の樹脂固形分100
重量部に対して、通常、1〜50重量部、好ましくは5
〜20重量部の量で含まれていてもよい。
【0038】<被塗物基材及び塗装方法>被塗物基材5
0としては、その表面に凹凸平面21、31を有する
か、あるいは被塗物基材50上の下塗り層6の表面に凹
凸平面20、31Aを有している限りその材質は特に限
定されず、例えば、樹脂、木材、金属、スレート、ケイ
酸カルシウム板、木片セメント板等が挙げられ、その外
観形状は、概略板状、シート状、不織布状、立体など特
に限定されない。
【0039】本発明では、このような骨材を含有する塗
料組成物をロールコーターにて上記被塗物基材表面に塗
装しているが、その施工時の粘度(ストーマー粘度計で
測定)は、被塗物基材の表面の隣接する凹部間距離や凸
部間距離、凹部の深さなどにもより異なり一概に決定さ
れないが、通常、40〜90ku、好ましくは50〜8
0kuであることが好ましい。この粘度が30ku未満
では、被塗物基材の凹凸部全面に流延して全体が同一色
になってしまい、2色以上の模様付き基材が得られなく
なる傾向があり、100kuを超えると、流動性が低下
し、塗装効率が低下する傾向がある。
【0040】本発明では、このような粘度の塗料組成物
を、通常20〜70m/分、好ましくは30〜50m/
分の速度で塗装することが望ましい。またこのような塗
料組成物は、一回当たり、0.5〜4.0g/尺
2[5.5〜44g/m2]、望ましくは1.0〜3.0
/尺2[11〜33g/m2]の量で塗布することが好ま
しい。またこのように塗料組成物を1回〜数回繰り返し
て塗布・硬化してなる硬化膜の膜厚(全体)は、特に限
定されないが、通常5〜50μm厚、好ましくは10〜
25μm厚程度である。なお、このように塗布された塗
料組成物の硬化方法は、用いられる塗料の種類などによ
り異なり一概に決定されず、加熱硬化、常温硬化、UV
硬化などの方法が挙げられる。
【0041】なお本発明では、図1に示すように、この
骨材入り塗料組成物10を、被塗物基材50生地の凸部
平面31に直接ロールコーター(図示せず)にて塗布し
て模様付き塗膜10や模様付き化粧板60Aを製造して
もよい(図1)。
【0042】また例えば、図2に模式的に示すように、
従来より公知の種々の塗装方法(例:スプレー塗装、静
電塗装、刷毛塗り塗装、浸漬塗装等)で、被塗物基材5
0の凹部平面21および、凸部平面31を含む被塗物基
材50の表面全体に、予めシーラー1、中塗り塗料3、
上塗塗料5を順次塗布し必要により硬化させて各塗膜
1、3、5を形成してもよい。なお、塗膜5は、塗膜3
と色調を変えてロールコーターにて凸部のみ塗装し、ツ
ートンカラーとしてもよい。
【0043】本発明では、このように下塗り塗装をした
後で、上記の塗料組成物10をロールコーターにて塗布
して、模様付き化粧板60Bを製造してもよい。なお、
用いられるロールコーターは、軟質のスポンジ状のロー
ルコーターが好ましい。
【0044】このように塗装すると、図2に示すよう
に、塗料組成物10は、上記上塗塗料5からなる塗膜の
凹部20には付着せず、凸部30にのみ付着する。その
ため、図2では、上塗塗料5からなる塗膜の凹部20の
色調と、塗料組成物10の塗膜による凸部30の色調と
がそれぞれ現れる。よって、本発明の方法によれば、深
みのあるタイル調、石目調などの材質感が強く現れる。
【0045】この際用いられる下塗り塗料としては、前
述したように溶剤系アクリル樹脂、水系アクリル樹脂エ
マルジョンなど、従来より公知のものが挙げられる。ま
た、このような下塗り塗料の塗布速度や、該下塗り塗料
を塗布硬化してなる下塗り硬化層6の厚さは、その表面
に図2に示すような凹凸平面20、31Aが現れる限り
特に限定されないが、例えば、10〜120μm厚、好
ましくは40〜80μm厚程度である。
【0046】以下に、本発明で好ましい(イ)被塗物基材
/(ロ)下塗り層/(ハ)着色マイカ含有塗料組成物層の組み
合わせを例示する: (イ)外壁用ニチハ製サイディングボード/(ロ)着色マイ
カ非含有水系アクリルエマルジョン塗料層/(ハ)着色マ
イカ含有水系アクリルエマルジョン塗料層、 (イ)クボタ製サイディングボード/(ロ)溶剤系アクリル
樹脂塗料層/(ハ)着色マイカ含有水系アクリルエマルジ
ョン樹脂塗料層、 (イ)ニチハ製サイディングボード/溶剤系アクリル樹
脂塗料層/着色マイカ含有溶剤系アクリルシリコーン樹
脂塗料層。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る模様付き塗膜や模様付き化
粧板は、石目調、タイル調、モザイク柄など、実在感が
溢れている。
【0048】本発明に係る模様付き塗膜、模様付き化粧
板の製造方法によれば、骨材、例えば、平均(平面)粒
径1mm程度の箔状着色マイカ(カラーマイカ)を含有
しているにもかかわらず、ロールコーター塗装により、
この骨材が均一分散した状態の多彩模様塗膜や多彩模様
付き化粧板が従来より少ない工程で簡単に得られる。し
かも、この方法では、長時間にわたり工場等で製造ライ
ンを運転してこの模様付き塗膜や模様付き化粧板を製造
しても、模様の安定性を維持でき、生産性の向上、コス
トダウンを図ることができる。
【0049】さらに付言すれば、本発明によれば、凹凸
のある被塗物基材に、骨材含有塗料組成物をロールコー
ターにて塗装することにより、その凸部のみに、骨材が
均一に分散した多彩模様の塗膜を形成でき、しかもこの
ような方法によれば、数色(1色以上10色以下)の多
彩模様の塗膜を形成できる。
【0050】
【実施例】以下、本発明について実施例によりさらに具
体的に説明するが、本発明は、このような実施例により
何等制限されるものではない。
【0051】なお、以下の実施例、比較例などにおい
て、「部」は「重量部」の意味である。以下の実施例、
比較例で用いた各塗料、樹脂成分などは、下記の通り。 (1)アクリル樹脂エマルジョン:「プライマールE−3
57」(ローム&ハース社製)または「モビニール74
9J」(ヘキスト合成社製)86.5部、成膜助剤(ブ
チルセロソルブ)7.2部、水5.3部からなるもの。 (2)ツヤ消し顔料:「ミネックス10」(UNIMIN
CANADA LTD 社製) (3)着色顔料: (イ)白色色剤: 増粘剤/「セロサイズ4400H」(ユニオンカーバイド社製)0.2部、 希釈剤/水34.5部、 分散剤/「ポイズ530」(花王製)0.3部、 白顔料/「R−960」(デュポン社製)65部 ・・・・合計100部 (ロ)黒色色剤:「エマコール、ブラックCN」(山陽色素(株)製) (4)添加剤:増粘剤:0.15部、分散剤:0.3部、
消泡剤:0.45部、成膜助剤(2,2,4-トリメチ
ル-1,3-ペンタンジオールイソブチレート(商品名:
「テキサノール」、イーストマンケミカルジャパン社
製)1.8部、防腐剤:0.05部からなるもの。 (5)着色成分 (イ)着色マイカ(カラーマイカ): HC-8389(白:0.5mm径) HC-9389(白:1mm径) HC-9589(白:1.5mm径) HB-8272(黒:0.5mm径) HC-9372(黒:1mm径) HC-9571(黒:1.5mm径) (ロ)その他の着色材: HC-9361(赤色弁柄:1mm径) (6)模様安定性の判定基準 1.5×3尺2(45.45×90.9cm2)の板10
枚に連続塗装して模様の安定性を評価した。
【0052】評価基準は以下のとおり。 ○:最初の1枚目と最後の10枚目との模様外観を観察
し、模様の数、大きさ、均一性がほぼ同一である。
【0053】 △:最初の1枚目と最後の10枚目との模様外観を観察
し、模様の数、大きさ、均一性が変動する。 ×:最初の1枚目と最後の10枚目との模様外観を観察
し、模様の数、大きさ、均一性が異なる。
【0054】
【実施例1〜3】図2に示すように、凹凸部のある被塗
物基材(外壁サイディングボード)50の表面に、下記
のようにシーラー1、中塗り塗料3、上塗塗料5を順次
塗布して下地処理を行った後、表2に示す配合組成の多
彩模様塗料模様(仕上げ塗料)10を塗装した。 <被塗物基材の下地処理>すなわち、表1に示すよう
に、まず第1工程として、シリケート変性アクリルエマ
ルジョン[商品名:ハイビゾールL・シーラー、中国塗
料(株)製]100部を、水60部で希釈(希釈率60
%)してなるシーラーをエアスプレーにて87g/m2
[8g/尺2]の量で全面塗布し、100℃の温度で5
分間強制乾燥した。
【0055】次いで第2工程として、アクリルエマルジ
ョン[商品名:ハイビゾールL・中塗り、中国塗料
(株)製]100部を、水30部で希釈(希釈率30
%)してなる中塗り塗料をエアスプレーにて124g/
2[12g/尺2]の量で塗布し、100℃の温度で5
分間強制乾燥した。
【0056】次いで第3工程として、アクリルエマルジ
ョン[商品名:ハイビゾールL・上塗り、中国塗料
(株)製]100部を、水10部で希釈(希釈率10
%)してなる上塗り塗料をエアスプレーにて109g/
2[10g/尺2]の量で塗布し、100℃の温度で5
分間強制乾燥した。 <多彩模様塗料の塗装>上記のように下地処理された被
塗物基材の表面に、表2に示す多彩模様塗料(骨材含有
塗料組成物)100部に対してさらに水5〜10部添加
して希釈(希釈率10%)し、スポンジロールコーター
にて33〜43g/m2[3〜4g/尺2]の量で塗布
し、100℃の温度で5分間強制乾燥した。
【0057】スポンジロールコーター塗装では、送りロ
ールとコーティングロールの周速スピードを50m/分
とした。また、塗料は、ポンプを運転して循環させるこ
とにより、骨材含有塗料組成物中に含有されている骨材
が沈澱せず、常に均一に混合・分散されるようにした。
【0058】得られた塗膜の凸部における模様の着色状
態、凹部における模様の着色状態、模様色数、模様の安
定性、模様の大きさ等を調べた。結果を表2に示す。
【0059】表2によれば、本発明の実施例1〜3によ
り得られた塗膜では、均一に骨材が分散(分布)した斑
点状の多彩模様が得られ、塗装物表面の凹部と凸部とで
基材の模様が異なっており、基材の模様をより引き立て
るものであった。
【0060】
【比較例1〜2】 <被塗物基材の下地処理>表1に示すように、上記実施
例1と同様にシーラー、中塗り、上塗塗装を行い、被塗
物基材の下地処理を行った。 <多彩模様塗料の塗装>上記のように下地処理された基
材の表面に、表2に示す配合組成のアクリルエマルジョ
ン[商品名:ハイビゾールL・中塗り、中国塗料(株)
製]100部を、表1に示すように、水10部で希釈
(希釈率10%)してなる天状塗料を低圧スパッタ法に
て5.4〜11g/m2[0.5〜1g/尺2]の量で全
面チラシ吹きし、100℃の温度で5分間強制乾燥し
た。
【0061】得られた塗膜の凸部における模様の着色状
態、凹部における模様の着色状態、模様色数、模様の安
定性、模様の大きさ等を調べた。結果を表2に示す。
【0062】表2によれば、比較例1〜2により得られ
た塗膜では、模様の色数に限界があり、かつ着色斑点模
様の安定性に劣り、この模様の大きさが不均一であり、
特に凹凸部全面にスパッタによる塗料が点状に塗装され
ているため、凹部と凸部の境界がなく、目地アクセント
のない、基材の模様も活かされていないものであった。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る第1の模様付き塗膜およ
び模様付き化粧板の断面を模式的に示す説明図であり、
またこれらの製法の説明図である。
【図2】図2は、本発明に係る第2の模様付き塗膜およ
び模様付き化粧板の断面を模式的に示す説明図であり、
またこれらの製法の説明図である。
【図3】図3は、従来の製法の説明図であり、またこの
方法で得られる模様付き化粧板の断面を模式的に示す説
明図である。
【符号の説明】
1・・・・シーラー 3・・・・中塗り塗料 5・・・・上塗塗料 6・・・・下塗り層(シーラー、中塗り塗料、上塗塗料
の各塗料を順次塗布硬化してなる層) 7・・・・天状塗料 10・・・・模様仕上げ塗料(骨材含有塗料組成物から
なる塗膜) 10A・・・・模様仕上げ塗料(下塗り塗料層と、骨材
含有塗料組成物塗膜(層)の両者からなる模様付き塗
膜) 20・・・・凹部 21・・・・被塗物基材の凹部 30・・・・凸部 31・・・・被塗物基材の凸部(凸部平面) 31A・・・・下塗り塗料層の凸部平面 50・・・・被塗物基材(外壁サイディングボードな
ど) 60A、60B・・・・本発明の方法で得られる模様付
き化粧板 70・・・・従来の方法で得られる模様付き化粧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 3/30 B32B 3/30 33/00 33/00 (72)発明者 小 林 誠 司 大阪府大阪市西区西本町1丁目8番14号 MICビル5F 株式会社シーエムーピー デザインセンター内 (72)発明者 森 本 耕 二 滋賀県野洲郡野洲町字三上2306番地の7 中国塗料株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹凸状平面を有する被塗物基材の表面の凸
    部平面上に、骨材を含有する塗料組成物を塗布し硬化し
    て形成される塗膜。
  2. 【請求項2】骨材がマイカ、硅砂、ガラスビーズ、ガラ
    ス破砕物、ガラス粉体およびこれらの着色物のうちから
    選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に
    記載の塗膜。
  3. 【請求項3】凹凸状平面を有する被塗物基材の表面の凸
    部平面上に、骨材を含有する塗膜が形成されてなる模様
    付き化粧板。
  4. 【請求項4】骨材がマイカ、硅砂、ガラスビーズ、ガラ
    ス破砕物、ガラス粉体およびこれらの着色物のうちから
    選択される1種以上であることを特徴とする請求項3に
    記載の化粧板。
  5. 【請求項5】凹凸状平面を有する被塗物基材の表面の凸
    部平面上に、骨材を含有する塗料組成物をロールコータ
    ーにて塗布し硬化させることを特徴とする模様付き塗膜
    の製造方法。
  6. 【請求項6】凹凸状平面を有する被塗物基材の表面の凸
    部平面上に、骨材を含有する塗料組成物をロールコータ
    ーにて塗布し硬化させることを特徴とする模様付き化粧
    板の製造方法。
  7. 【請求項7】凹凸状平面を有する被塗物基材の表面に
    は、骨材を含有しない塗料が予め塗布されていることを
    特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】凹凸状平面を有する被塗物基材の表面に
    は、骨材を含有しない塗料が予め塗布されていることを
    特徴とする請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】骨材がマイカ、硅砂、ガラスビーズ、ガラ
    ス破砕物、ガラス粉体およびこれらの着色物のうちから
    選択される1種以上であることを特徴とする請求項5〜
    8のいずれかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019244572A1 (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 セーレン株式会社 シート状物の製造方法及びシート状物

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