JPH10230117A - ケミカルフィルタ装置及びその制御方法 - Google Patents

ケミカルフィルタ装置及びその制御方法

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JPH10230117A
JPH10230117A JP9033781A JP3378197A JPH10230117A JP H10230117 A JPH10230117 A JP H10230117A JP 9033781 A JP9033781 A JP 9033781A JP 3378197 A JP3378197 A JP 3378197A JP H10230117 A JPH10230117 A JP H10230117A
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JP
Japan
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activated carbon
fiber
fibers
chemical filter
ion
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JP9033781A
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English (en)
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Hideaki Sekiguchi
英明 関口
Kazuo Okubo
和雄 大久保
Akira Tanaka
亮 田中
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Publication date
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧損であり、フィルタ寿命が長寿命で、空
気中の広範囲の不純物に対して除去率が高除去率である
ことが可能な外調器用ケミカルフィルタ及びその制御方
法を提供する。 【解決手段】 濾過行程の前段に活性炭または活性炭素
繊維からなる活性炭系濾過手段3と、前記活性炭系濾過
手段を通過した気体に加湿処理を施す加湿手段16と、
前記加湿手段にて加湿される領域若しくは加湿された下
流側領域に、放射線グラフト重合法により作製したイオ
ン交換体のうち強酸性カチオン繊維4と弱塩基性アニオ
ン繊維5とを組み合わせてなるイオン交換系濾過手段1
5と、を備えた外調器用ケミカルフィルタ100。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はケミカルフィルタ装
置に関し、特に、半導体産業など精密電子工業や医療品
製造業などにおいて、最近使用されているクリーンルー
ムのの清浄化を保持するために用いて好適な外調器用の
ケミカルフィルタ装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体産業など精密電子工業
や医療品製造業などにおいて、製品の高品質化や歩留ま
りを高めるために、例えばクリーンルーム等の各種の空
気清浄設備が用いられている。このクリーンルーム設備
において、外気を取り込み、温度・湿度調節を行うとと
もに空気中のガス成分を除去する外調器用として用いる
ケミカルフィルタ装置がある。このケミカルフィルタ装
置の構成要素としては、例えば活性炭粒子や活性炭繊維
があり、また、この活性炭粒子や活性炭繊維に酸やアル
カリを添着したものを用いることができる。一方、イオ
ン交換体を用いたケミカルフィル装置は、ppbレベル
のガス成分の除去率が高いばかりでなく、被吸着物の再
放出がないことから、近年、特に、空気中のイオン性物
質の排除が望ましいとされている半導体製造工場、液晶
製造工場などの関連業界で使用されるようになってきて
いる。
【0003】上述のようなケミカルフィルタ装置を用い
た空気浄化システムとしては、これまでに種々の構成の
ものが提案されている。そして、イオン交換体を用いた
空気浄化システムとして、加湿手段を設けたものがあ
る。この加湿手段を設ける理由としては、イオン交換体
が水分を多く含むことにより、該イオン交換体を通過す
る空気中のイオン性物質の吸着捕集機能が高まることが
しられていることによる。前掲の加湿手段を設けた設備
として、例えば、イオン交換繊維を有する中程度の濾過
性能のフィルタ、高性能なフィルタと、ミスト除去用の
フィルタとを直列に配置して構成された濾過領域を設
け、この濾過領域の上流側において、蒸気を放出する加
湿手段を設けるとともに空気の温度・湿度を検出する手
段、さらには加湿程度を制御するための制御系を備えた
設備等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おけるイオン交換体と加湿手段の組み合わせの場合で
は、SOX 、NOX の除去するのみであり、特に半導体
関連の工場等に適用するケミカルフィルタ装置では、酸
・アルカリ性ガス以外に有機物の効果的な除去まで必要
となってきていることから、前掲の従来設備では有機物
の除去まで効果的な除去できるかどうかについては疑問
があった。
【0005】更に、従来の加湿の仕方においても、単に
イオン交換体の上流側において比較的大きな加湿領域を
設け、この領域にて加湿した空気を、直列配置された複
数のイオン交換体側に流すものであることから、上流側
に配置されたイオン交換体が吸湿するために、下流側に
配置されたイオン交換体に流れてくる空気の湿度は不測
に変化し、その正確な制御は実質的に不可能である。ま
た、このように、湿度制御が実質的に正確にできないこ
とからして、水分がイオン交換体に付着することに起因
する送風における圧損の調節が不十分となったり、送風
速度の高速化が困難なったり、無理に送風系の駆動手段
等を強力にして送風を行うようにすることによる振動等
による機械的トラブルや騒音の増大の問題もあった。ま
た、個々のイオン交換体に対して正確な湿度調節が困難
なことから、個々のイオン交換体の効率的な使用ができ
なかったりしていた。さらにまた、従来の設備では、加
湿手段を設けたり、複数のイオン交換体を用いたりして
いるものの、単に濾過性能順に直列配置された複数のイ
オン交換体や大きな加湿領域があることから、設備が比
較的大きくなる傾向があった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、(1)低圧損であり、機械的なトラブル要因
となる振動、騒音が少ない低速ファンを適用することが
できること、(2)フィルタ寿命が長寿命でフィルタの
交換作業等のメンテナンスに好都合であること、(3)
空気中の広範囲の不純物に対して除去率が高除去率であ
ること、(4)クリーン化を妨げるフィルタ自信からの
発塵がないこと、が可能なケミカルフィルタ装置及びそ
の制御方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明者ら
の鋭意研究の結果、以下の本発明により達成することが
できる。 (1)濾過行程の前段に活性炭または活性炭素繊維から
なる活性炭系濾過手段と、前記活性炭系濾過手段を通過
した気体に加湿処理を施す加湿手段と、前記加湿手段に
て加湿される領域若しくは加湿された下流側領域に、放
射線グラフト重合法により作製したイオン交換体のうち
強酸性カチオン繊維と弱塩基性アニオン繊維とを組み合
わせてなるイオン交換系濾過手段と、を備えたケミカル
フィルタ装置により達成される。 (2)前記活性炭系濾過手段は、前記活性炭がハニカム
活性炭から構成され、前記活性炭素繊維がプリーツ折り
形状に構成された上記(1)に記載のケミカルフィルタ
装置。 (3)前記イオン交換系濾過手段は、フィルタユニット
形状がプリーツ折りの直交流型、平行流型、ハニカム形
状型より選択されたものから構成された上記(1)また
は(2)に記載のケミカルフィルタ装置。
【0008】(4)前記イオン交換系濾過手段における
前記強酸性カチオン繊維と前記弱塩基性アニオン繊維と
を加湿する系統が別系統に構成されたことを特徴とする
上記(1)から(3)のいずれかに記載のケミカルフィ
ルタ装置。 (5)前記強酸性カチオン繊維と前記弱塩基性アニオン
繊維とを加湿するそれぞれの系統を、異なった加湿条件
にて調節することを特徴とする上記(4)に記載のケミ
カルフィルタ装置の制御方法。 (6)前記強酸性カチオン繊維が配置された領域を相対
湿度20%以上に、前記弱塩基性アニオン繊維が配置さ
れた領域を40%以上に加湿することを特徴とする上記
(5)に記載のケミカルフィルタ装置の制御方法。
【0009】上述のように、本発明のごとく、濾過行程
の前段に活性炭または活性炭素繊維を、中間に加湿シス
テムを設置、後段に放射線グラフト重合法により作製し
たイオン交換体のうち強酸性カチオン繊維と弱塩基性ア
ニオン繊維を組み合わせた構成である。したがって、活
性炭素繊維、活性炭からなる活性炭系濾過手段を濾過行
程の前段で使用することで、季節によっては高湿度とな
るものの、この活性炭系濾過手段の微細な孔に水分が捕
捉されることから吸入される空気の湿度変化を小さくで
き、安定した濾過機能を保証することができる。更に、
前記イオン交換体においては、繊維表面にイオン交換機
能が集中していることで、吸着速度が大きく、また、固
体内濃度拡散効果により、低濃度ガスに対して有効であ
る。また、除去性能の機能分担として、本発明において
は、強酸性カチオン繊維によりアルカリ性ガスを除去で
き、弱塩基性アニオン繊維により酸性ガスを除去するこ
とができる。
【0010】更に、活性炭系濾過手段を通過した空気に
対して、濾過行程の後段のイオン交換体に必要な水分の
補給が行われるので、水分の調整が容易であり、圧力損
失を小さく保つことも容易になる。イオン交換系濾過手
段は、ユニット形状がプリーツ折り直交流型、平行流
型、ハニカム形状型より選択されたものであり、強度的
に高く取り扱い性もよく、強酸性カチオン繊維によりア
ルカリ性ガスを、弱塩基性アニオン繊維により酸を除去
する効果的に吸着視し、しかも、各ユニットごとに別々
の系統にて加湿調整できるようにした場合においては、
各ユニットに最適な加湿状態を維持することができ、極
めて効果的な空気清浄化を可能するものである。更に加
湿手段の水分の供給系系統は、イオン交換系濾過手段の
一部を挟むように分離して配置されていることで、水分
供給を一度に一カ所に集中させる必要がなく、分散も容
易であり必要以上のスペースを取らず少スペース化が図
れるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1を参照して詳細に説明する。本発明のケミカルフ
ィルタ装置100は、空気清浄ダクト6に、空気入口側
9から、プレフィルタ1、中性能フィルタ2を配列し、
次にケミカルフィルタの主要素として、有機物を除去す
るプリーツ折り構造の活性炭素繊維またはハニカム状添
着活性炭素から構成された活性炭素系濾過手段3、強酸
性カチオン交換繊維4、弱塩基性アニオン交換繊維5か
らなるイオン交換系濾過手段12の順で配列されてい
る。また、第一給水系統7が強酸性カチオン交換繊維4
の上流側に接続され、且つ第二給水系統8が弱塩基性ア
ニオン交換繊維5の上流側に接続された加湿手段16が
設けられている。なお、図1において、12は超純水製
造システムであり、11は給水システムである。更に、
プレフィルタ1は例えば、ポリプロピレン、ポリエステ
ルから構成することができ、中性能フィルタ2は例えば
ポリプロピレン、ポリエステルから構成することができ
る。
【0012】上述の活性炭系濾過手段3により有機物と
同時に吸着される水分を補給する加湿手段16は、超純
水給水を供給できるものであり、第一加湿系統7により
強酸性カチオン交換繊維4の効果を高め、第二加湿系統
8により弱塩基性アニオン交換繊維5のイオン吸着効果
を高い状態に維持することができる。なお、上記各加湿
系統7、8は、例えば通常の水道水の給水システム11
を超純水製造システム12に通すことで、不純物のない
超純水が得られる。更にまた、水分を補給する加湿手段
の加湿方法は、水スプレイ(噴霧状)、蒸気のいずれで
も良い。
【0013】加湿条件の制御方法としては、前掲の第一
加湿系統7と第二加湿系統8とを別々の加湿条件で動作
させる。これにより、強酸性カチオン交換繊維4と弱塩
基性アニオン交換繊維5のそれぞれの特質に最適な加湿
を容易に行うことができる。例えば強酸性カチオン交換
繊維4の加湿は、該強酸性カチオン交換繊維4の空気流
入口側で相対湿度20%以上であれば、効率的な吸着が
でき良い結果が得られることが判明した。一方、弱塩基
性アニオン交換繊維5の加湿は、該弱塩基性アニオン交
換繊維5への空気流入口側で相対湿度40%以上であれ
ば、効率的な吸着ができ良好な結果が得られることが判
明した。このように、イオン交換系濾過手段15におけ
る強酸性カチオン繊維4と弱塩基性アニオン繊維5とを
加湿する系統7、8が別系統に構成されているので、加
湿するそれぞれの系統を、異なった加湿条件にて調節す
ることができる。なお、湿度のコントロールは、例えば
図示の如き制御手段20を有する制御系にて行うことが
できるが、本発明においては、湿度コントロール用の測
定器21、22は、上述のプリーツ折り活性炭素繊維ま
たはハニカム状活性炭素繊維からなる活性炭系濾過手段
3の直後ならびに強酸性カチオン交換繊維4の直後に設
置する。
【0014】本発明における活性炭系濾過手段3は、前
掲のようにハニカム活性炭から構成されものや、さらに
は活性炭素繊維がプリーツ折り形状に構成されている
が、この活性炭素系濾過要素3は、例えば図2に示すよ
うに、平板状活性炭素繊維61と適宜折り曲げられた形
状のハニカム状活性炭素繊維62とを交互に重ね合わ
せ、矢印A方向から見てハニカム形状の構成とすること
ができる。
【0015】本発明におけるイオン交換系濾過手段15
は、要素形状として、下記するようなプリーツ折りの直
交流型、平行流型、ハニカム形状型より選択することが
できる。
【0016】直交流型ものは、図3に示すように、例え
ば、組上がった状態で矩形状なるような適宜形状の外枠
81,82,83,84で支持された空間に、複数のフ
ィルタを積層してプリーツ加工して形成したフィルタユ
ニット80の入口側プリーツの間にガス流路を形成する
ための入口側セパレータ70を挿入し、出口側プリーツ
の間に出口側セパレータ71を挿入し、前記ガス流路が
フィルタ素材の折り目に対して直交な流路(矢印Aにて
示す方向の流路)を形成する形態である。そして、前記
セパレータ70、71は、小孔73が多数形成された多
孔板として形成されている。なお、図4には、前記セパ
レータが、網72、73にて構成されたものを図示し
た。図4において、網72、73以外の構成は図3に示
す構成と同様であるので、説明を省略する。
【0017】また、平行流型は、図5に示すように、適
当な外枠(図示せず)で支持された空間に、布状のフィ
ルタユニット90と、該フィルタ素材間にガス流路を形
成するためのセパレータ71を積み重ねて固定したエア
フィルタである。そして、ガス流路(矢印Aにて示す方
向の流路)がフィルタユニット90の配置に対して平行
な流路を形成するように構成された形態である。そし
て、前記セパレータ70は小孔70を備えた多孔板など
から形成することができる。
【0018】また、ハニカム形状型について更に説明す
ると、その基本的構成は、外枠で支持された空間に、布
状のフィルタ素材と、該フィルタ素材間にガス流路を形
成するためのセパレータを積み重ねて固定したエアフィ
ルタであって、このガス流路がフィルタ素材に対して平
行な流路を形成すると共に、前記セパレータが布状のフ
ィルタ素材から形成されたプリーツ状若しくはハニカム
状のものから構成されている。そして、上下の布状のフ
ィルタ素材とセパレータを形成するプリーツ状若しくは
ハニカム状の布状のフィルタ素材とが融着して固定され
た形態であり、例えば、図2における矢印A方向から見
てハニカム状の構造である。なお、上下の布状のフィル
タ素材とハニカム状の布状のフィルタ素材は、同一の素
材であっても、異種のものでもよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は以下説明する各実施例に何ら限定されるも
のではない。 (実施例1)図5に示す試験装置を用いて、空気濾過を
実施した。なお、図5において、51は空気入口、52
は送風機、53はケーシング、54はフィルタユニッ
ト、55はガスボンベ、56はガス入口、57はプレフ
ィルタ、58は空気・ガス出口である。各フィルタユニ
ット54の寸法は、幅(W)が305mm,高さ(H)が3
05mm,厚さ(D)が290mmであり、放射線グラフト重
合法により作成したプリーツ折りイオン交換繊維からな
るものを使用した。
【0020】空気の送風条件は、単位時間当たりの送風
量8〜9m3/min、風速2m/s、アンモニア濃度
10ppmの条件で加速試験を行った。プレフィルタは
ポリプロピレン、ポリエステル製の粗粒子除去フィルタ
を使用し、供給空気の温度は24〜25度c、湿度は4
0〜50%とした。初期除去率は、放射線グラフト重合
法により作成したイオン交換繊維で99.99%であっ
た。プリーツ折り添着活性炭素繊維で88%であった。
フィルタユニットの10%破過まで(除去率90%を下
廻るまで)の経過時間は、放射線グラフト重合法により
作成したイオン交換繊維で550分、プリーツ折り添着
活性炭素繊維で30分であった。
【0021】(実施例2)下記する条件以外は基本的に
は、実施例1と同じ条件で実施した。各フィルユニット
は同一寸法(610W ×610H ×150D )のもの
で、放射線グラフト重合法により作成したプリーツ折り
イオン交換繊維とその他の製法で作成したプリーツ折り
イオン交換繊維を風速1m/s、アンモニア濃度10p
pmの条件で加速試験を行った。初期除去率は、放射線
グラフト重合法のイオン交換繊維で99.99%、比較
例1として、その他の製法で作成したイオン交換繊維で
80%であった。フィルタユニットの10%破過まで
(除去率90%を下廻るまで)の経過時間は、放射線グ
ラフト重合法のイオン交換繊維で300分、比較例1で
あるその他の製法で作成したイオン交換繊維で50分で
あった。
【0022】(実施例3)下記する条件以外は基本的に
は、実施例1と同じ条件で実施した。各フィルタユニッ
トは同一寸法(305W ×305H ×290D )のもの
を用い、放射線グラフト重合法により作成したプリーツ
折りイオン交換繊維とハニカム状添着活性炭素繊維を風
速2m/s、アンモニア濃度10ppmの条件で加速試
験及び濾過性能テストを行った。初期除去率は、放射線
グラフト重合法により作成したイオン交換繊維で99.
99%、ハニカム状添着活性炭素繊維で95%であっ
た。フィルタの10%破過まで(除去率90%を下廻る
まで)の経過時間は、放射線グラフト重合法のイオン交
換繊維で550分、ハニカム状添着活性炭素繊維で30
0分であった。
【0023】(実施例4)本実施例は、上記実施例1お
いて、放射線グラフト重合法に使用する素材を、芯鞘構
造で芯がPET、鞘がPEまたは、PE単繊維を用いて
製造した。一方、この比較例(比較例2)としては、芯
鞘構造で芯がPP、鞘がPEの場合は、芯のPPもグラ
フト重合するため、PPは紫外線、酸素により劣化が促
進されることが認められれた。この比較例2に対して、
本発明の実施例のごとく、芯がPET、鞘がPEまたは
PE単繊維の場合は、PET、PEとも放射線によるダ
メージが少ないため、紫外線、酸素による劣化が促進さ
れない。また、機械的強度変化について、本発明の実施
例においては、芯がPET、鞘がPEまたはPE単繊維
の場合の引っ張り強度は、アンモニア吸着後(条件:ア
ンモニア濃度100μg/m3,風速0.5m/sにて3
0日間通気)で最初の引っ張り強度の20%減であっ
た。これに対して、芯がPP、鞘がPEの場合(比較例
5)の引っ張り強度は、アンモニア吸着後で最初の引っ
張り強度の60%以上減であった。
【0024】(実施例5)本実施例においては、各フィ
ルタユニットは同一寸法(305W ×305H ×290
D )の放射線グラフト重合法により作成したプリーツ折
りイオン交換繊維とプリーツ折り添着活性炭素繊維を、
図6の試験装置を用いて風速2m/sの条件で0.3μ
m以上の発塵試験を行った。放射線グラフト重合法のイ
オン交換繊維で発塵はなく、プリーツ折り添着活性炭素
繊維では、0.3〜1μmで6000個/cfmであっ
た。
【0025】(実施例6)各フィルタユニットの寸法
(610W ×610H ×150D )の放射線グラフト重
合法により作成したプリーツ折りイオン交換繊維と比較
例4としてその他の製法(高圧、高温で触媒を加えた化
学グラフト重合法)で作成したプリーツ折りイオン交換
繊維を風速0〜2m/sで圧力損失試験を行った。風速
1m/sで放射線グラフト重合法のイオン交換繊維は2
mmAq、その他の製法のイオン交換繊維は3mmAq
であった。風速2m/sで放射線グラフト重合法のイオ
ン交換繊維は6mmAq、その他の製法のイオン交換繊
維は8mmAqであった。
【0026】(実施例7)図1に示すケミカルフィルタ
装置を用いて、空気濾過を実施した。図1に示す各フィ
ルタユニットは同一寸法(305W ×305H ×290
D )とし、放射線グラフト重合法により作成したプリー
ツ折りイオン交換繊維からなるものと、プリーツ折り添
着活性炭素繊維とを用いた。空気の送風条件は、単位時
間当たりの送風量500m3 /hr. 、風速2m/s、ア
ンモニア濃度10ppmの条件で濾過性能のテストを行
った。なお、プレフィルタはポリプロピレン、ポリエス
テル製の粗粒子除去フィルタを使用し、加湿条件は、噴
霧によるもので、第一加湿系統により、相対湿度20〜
30%、第二加湿系統により、相対湿度40〜50%、
供給空気の温度20〜25度とした。
【0027】(比較例1)本比較例1は、図1において
炭素系濾過手段3の上流側に加湿系を配置した構成とし
た。この場合の諸条件は実施例7に準じる設定とした。
この結果、比較例1においては、炭素系に水分が吸着し
てしまい、炭素系の性能が著しく低下し、イオン交換系
の性能も低下が見られたのに対して、実施例7では、不
純物の濾過において良好な濾過性能を発揮することがで
きた。また、圧力損失の点においても、水分が付着する
ことで大きくなったが、実施例7においては圧力損失の
低下は極めて小さく優れていた。
【0028】(実施例8)図1に示すケミカルフィルタ
装置を用いて空気濾過を実施し、加湿条件の変化による
空気濾過性能の変化をみた。加湿条件の制御方法として
は、前掲の第一加湿系統7と第二加湿系統8とを表1の
如く別々の加湿条件で動作させる。
【0029】
【表1】
【0030】なお、濾過性能評価において、◎印は性能
90%以上、×印は性能50%以下を示す。表1から判
るように、ケミカルフィルタ装置の性能は、強酸性カチ
オン交換繊維において相対湿度20%、弱塩基性アニオ
ン交換繊維において相対湿度40%を越えると極めて良
くなる。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、濾過行程
の前段に活性炭または活性炭素繊維を、中間に加湿シス
テムを設置、後段に放射線グラフト重合法により作製し
たイオン交換体のうち強酸性カチオン繊維と弱塩基性ア
ニオン繊維を組み合わせた構成である。したがって、活
性炭素繊維、活性炭からなる活性炭系濾過手段を濾過行
程の前段で使用することで、この活性炭系濾過手段の微
細な孔に水分を捕捉することができて、吸入される空気
の湿度変化を小さくでき、この下流側にある濾過手段の
安定した濾過機能を保証することができる。更に、本発
明のイオン交換体においては、繊維表面にイオン交換機
能が集中していることで、吸着速度が大きく、また、固
体内濃度拡散効果により、低濃度ガスに対して有効であ
るとともに、活性炭系濾過手段を通過した空気に対し
て、濾過行程の後段のイオン交換体に必要な水分の補給
が行われるので、水分の調整が容易であり、圧力損失を
小さく保つことが容易になる。
【0032】イオン交換系濾過手段は、ユニット形状が
プリーツ折り直交流型、平行流型、ハニカム形状型より
選択されたものであり、強度的に高く取り扱い性もよ
く、強酸性カチオン繊維によりアルカリ性ガスを、弱塩
基性アニオン繊維により酸を除去する効果的に吸着視
し、しかも、各ユニットごとに別々の系統にて加湿調整
できるようにした場合においては、各ユニットに最適な
加湿状態を維持することができ、極めて効果的な空気清
浄化を可能するものである。更に加湿手段の水分の供給
系系統は、イオン交換系濾過手段の一部を挟むように分
離して配置されていることで、水分供給を一度に一カ所
に集中させる必要がなく、分散も容易であり必要以上の
スペースを取らず少スペース化が図れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケミカルフィルタ装置の一実施形態を
示す概略図である。
【図2】本発明に適用するフィルタユニットの一実施形
態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明に適用するフィルタユニットの一実施形
態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に適用するフィルタユニットの一実施形
態を示す分解斜視図である。
【図5】本発明に適用するフィルタユニットの一実施形
態を示す要部の分解斜視図である。
【図6】本発明に適用するフィルタユニットのテストを
行うための試験装置の概略図である。
【符号の説明】
1 プレフィルタ 2 中性能フィルタ 3 活性炭素系濾過手段 4 強酸性カチオン交換繊維 5 弱塩基性アニオン交換繊維 6 空気清浄ダクト 7 第一給水系統 8 第二給水系統 9 空気入口側 10 空気出口 11 給水システム 12 超純水製造システム 15 イオン交換系濾過手段 16 加湿手段 20 制御系 21,22測定器 100 ケミカルフィルタ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/34 ZAB B01D 53/34 ZABB 53/81 ZAB

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過行程の前段に活性炭または活性炭素
    繊維からなる活性炭系濾過手段と、 前記活性炭系濾過手段を通過した気体に加湿処理を施す
    加湿手段と、 前記加湿手段にて加湿される領域若しくは加湿された下
    流側領域に、放射線グラフト重合法により作製したイオ
    ン交換体のうち強酸性カチオン繊維と弱塩基性アニオン
    繊維とを組み合わせてなるイオン交換系濾過手段と、を
    備えたケミカルフィルタ装置。
  2. 【請求項2】 前記活性炭系濾過手段は、前記活性炭が
    ハニカム活性炭から構成され、前記活性炭素繊維がプリ
    ーツ折り形状に構成された請求項1に記載のケミカルフ
    ィルタ装置。
  3. 【請求項3】 前記イオン交換系濾過手段は、フィルタ
    ユニット形状がプリーツ折りの直交流型、平行流型、ハ
    ニカム形状型より選択されたものから構成された請求項
    1又は2に記載のケミカルフィルタ装置。
  4. 【請求項4】 前記イオン交換系濾過手段における前記
    強酸性カチオン繊維と前記弱塩基性アニオン繊維とを加
    湿する系統が別系統に構成されたことを特徴とする請求
    項1から3のいずれかに記載のケミカルフィルタ装置。
  5. 【請求項5】 前記強酸性カチオン繊維と前記弱塩基性
    アニオン繊維とを加湿するそれぞれの系統を、異なった
    加湿条件にて調節することを特徴とする請求項4に記載
    のケミカルフィルタ装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記強酸性カチオン繊維が配置された領
    域を相対湿度20%以上に、前記弱塩基性アニオン繊維
    が配置された領域を40%以上に加湿することを特徴と
    する請求項5に記載のケミカルフィルタ装置の制御方
    法。
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