JPH1022594A - 焼成用放射線硬化組成物 - Google Patents

焼成用放射線硬化組成物

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JPH1022594A
JPH1022594A JP8173720A JP17372096A JPH1022594A JP H1022594 A JPH1022594 A JP H1022594A JP 8173720 A JP8173720 A JP 8173720A JP 17372096 A JP17372096 A JP 17372096A JP H1022594 A JPH1022594 A JP H1022594A
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radiation
paste
firing
composition
solvent
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JP8173720A
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English (en)
Inventor
Junichi Arai
潤一 新井
Yasumasa Akimoto
靖匡 秋本
Masayoshi Kobayashi
正芳 小林
Katsumi Ohira
克己 大平
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷法による厚膜パターン形成や積層構造体の
製造において、熱乾燥工程を省くことによる生産性の向
上と、熱エネルギーと溶剤(天然資源)の節減、即ち地
球環境保全に寄与する無溶剤型の焼成用放射線硬化組成
物の提供とまた焼成工程において、厚膜パターン膜中に
炭素分の残留をなくすことが可能な又は完全燃焼する有
機成分から成る焼成用放射線硬化組成物の提供にある。 【解決手段】上記厚膜パターン形成等に使用する組成物
が、放射線によって硬化する組成物とし、その組成物
が、硬化後の焼成によって厚膜パターン膜中に炭素分の
残留をなくすことが可能な又は完全燃焼する有機成分か
ら成る組成物とし、その有機成分がアクリルポリマー、
オリゴマー及びモノマーなどのアクリル系化合物である
ことを特徴とする焼成用放射線硬化組成物としたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイ基板、セラミック積層回路基板、チップ型積層セラ
ミックコンデンサーなどの製造において、印刷法等によ
って絶縁体、導体、誘電体及び抵抗体構造物などの厚膜
パターンを形成する際に使用する組成物に関するもので
あり、さらに詳細には、前記組成物が、放射線によって
硬化する無溶剤型で、且つ硬化後の焼成によって厚膜パ
ターン膜中に炭素分の残留をなくすことが可能な又は完
全燃焼する様な有機成分から成る焼成用放射線硬化組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より印刷技術は、線画を被転写体に
繰り返し複製できる特性を生かし、様々な分野で活用さ
れている。とりわけエレクトロニクスの厚膜パターン形
成の分野ではスクリーン印刷法が頻用されている。この
スクリーン印刷は、マスクまたは版の上に置かれたペー
スト(インキ)をスキージによりマスクパターン部また
は版のメッシュに充填させて、それを被転写体である基
板等に転写させる方法である。転写されたペーストの厚
さは、マスクまたは版の厚さや被転写体である基板等と
のギャップ、メッシュの厚さ、スキージの印圧、角度及
び速度、ペーストの粘度等特性により異なるが、一般的
には数μm〜数十μmの厚膜塗布が可能である。
【0003】このような厚膜パターン印刷を適用した構
造体としては、図2に示すようなプラズマディスプレイ
基板(34)のリブ(隔壁)(12)がある。ガラス基
板(10)上に形成されるこのリブ(隔壁)(12)は
ディスプレイの画素に対応する各放電セルを隔てる壁で
あり、幅が数十μm〜数百μmのパターンを高さ約20
0μmで形成しなければならない。そしてこのリブ(隔
壁)(12)を形成する工法として、スクリーン印刷法
が用いられている。上述したように、スクリーン印刷に
よる一度の塗布厚さは数十μmが限度であるため、リブ
(隔壁)(12)形成には数回から十数回の印刷工程を
繰り返さなければならない。
【0004】図1(b)にスクリーン印刷法による従来
のプラズマディスプレイ基板(34)の形成工程を示
す。先ず、ガラス基板(10)上に溶剤型絶縁性ペース
ト調整部(26)で得られたペーストをスクリーン印刷
にて塗布する。次いで熱乾燥部(28)で熱乾燥を行
う。この熱乾燥により、溶剤型絶縁性ペースト中の溶剤
が除かれ、残った無機材料とバインダー樹脂により未焼
成のリブ(12)が形成される。次いで冷却部(30)
にて冷却される。この冷却工程は、前記乾燥工程により
熱膨張したガラス基板(10)をもとの印刷時の寸法に
戻し、印刷の積層精度を向上させるためである。 前記
印刷工程から冷却工程を数回〜十数回繰り返す。次いで
焼成部(32)にて約580°Cで焼成しプラズマディ
スプレイ基板(34)となる。
【0005】また、厚膜パターン印刷を適用した技術と
してセラミック積層回路基板の実装技術がある。近年、
電子部品の小型化、高精度化にともない実装密度が高く
なり、表面実装技術を三次元的に展開した高密度実装技
術、すなわち多層基板化が主流となっている。この積層
基板の積層回数は、50層に至ることもある。
【0006】このセラミック積層回路基板は、その材料
や製造プロセスにより多種多様であるが、代表的な分類
例として、焼成したセラミック回路基板に、絶縁性ペー
スト層と回路パターンである導体ペーストを印刷して焼
成する工程を一層として、この工程を繰り返して多層化
する乾式法、未焼成のセラミック回路基板(グリーンシ
ート)に、導体層と絶縁層の印刷を繰り返して多層化し
た後、一括して焼成する湿式法の印刷積層法及び導体パ
ターンを印刷した未焼成のセラミック回路基板(グリー
ンシート)を複数枚積層して一括焼成する湿式のシート
積層法などがある。また、これらの方法の組み合わせの
場合もある。
【0007】前記セラミック積層回路基板のうち、湿式
のシート積層法の従来の製造工程を図3(b)に従って
説明し、セラミック積層回路基板(43)の構成を図4
に従って説明する。先ず、アルミナなどのセラミック材
料、バインダー樹脂、溶剤、可塑剤や分散剤などの添加
剤を混合したペーストをドクターブレードなどでシール
化し、グリーンシート(40)を作製する。次いで、ス
ルーホール打ち抜き部(46)でスルーホール(42)
を打ち抜く。次いで、溶剤型導体ペースト調整部(4
8)で作製されたペーストでスクリーン印刷部(22)
にて導体パターン(44)を印刷する。次いで、熱乾燥
部(28)で溶剤を除去し、硬化して単層基板とする。
前記グリーンシート作製から熱乾燥の工程を繰り返し必
要層数の単層基板を作製する。
【0008】この必要層数の単層基板を積層部(50)
にて重ね合わせ、加熱加圧してラミネート(張り合わ
せ)する。次いで打ち抜き部(52)にて所定の外形形
状にし焼成部(32)にて焼成し、導体露出部にニッケ
ルメッキをほどこし、セラミック積層回路基板(43)
とする。
【0009】厚膜パターン印刷を利用した技術のもう一
つの事例として、図5に示すようなチップ型積層セラミ
ックコンデンサー(66)がある。このチップ型積層セ
ラミックコンデンサーは、薄膜の誘電体を積層すること
で、単層型のコンデンサーと比較して大容量化が可能と
なるものである。このチップ型積層セラミックコンデン
サー(66)の製造工程も、基本的に前記のセラミック
積層回路基板と同じくシート積層法が主流である。
【0010】ここで図5に示すチップ型積層セラミック
コンデンサーの従来の製造工程を説明すると、酸化チタ
ン(TiO2 )、チタン酸バリューム(BaTiO3
などを主成分とするセラミック誘電体材料を粉砕し、バ
インダー樹脂と溶剤等を混練しペーストとし、このペー
ストをドクターブレード等で薄膜状のコンデンサーのグ
リーンシート(60)とする。このグリーンシート(6
0)の表面にパラジウム(Pd)等の高温安定性を示す
貴金属とバインダー樹脂、溶剤等から成るペーストをス
クリーン印刷等で、内部電極(62)を形成する。次い
でこれを乾燥することにより溶剤を除去し、ペーストを
硬化し単層シートとする。このシートを数層〜数十層に
積み重ねて加熱加圧してラミネートしたものを所定の外
部形状に打ち抜く。これを約580°Cで焼成する。次
いで端部に銀−パナジウム(Ag−Pd)などから成る
外部電極(64)を設置することによってチップ型積層
セラミックコンデンサー(66)となる。
【0011】以上3事例における厚膜パターン形成の従
来技術では、いずれも多層化するため、絶縁体と導体の
焼成用ペーストの印刷と熱乾燥(プラズマディスプレイ
のリブ形成の場合は冷却工程も必要)を層数と同じ回数
繰り返す必要があり、工程完了まで多くの時間と熱エネ
ルギーを要する。
【0012】またこれら従来の焼成用ペーストは、通常
フィラーと無機結着剤、バインダー樹脂、溶剤、添加剤
等から成っているが、このフィラーは絶縁体、導体、誘
電体材料のことで、必要とされる特性を発現すものであ
り、無機結着剤は、焼成時に軟化点又は融点以上の加熱
によって軟化又は溶融し、フィラーと基板に絡み、冷却
後フィラーと基板の結合をもたらすためのものである。
またバインダー樹脂と溶剤は、フィラーを印刷によりパ
ターン化するために、印刷適性を有した流動性や粘性の
調整をすためのものである。ここで印刷後の熱乾燥工程
で、前記溶剤が蒸発乾燥されるが、多くの熱エネルギー
消費と溶剤の消費(天然資源の消費)がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来技
術である印刷適性を有した焼成用ペーストを用いた厚膜
パターンや積層構造体の製造工程において、特に熱乾燥
工程を積層数と同回数繰り返すことは、多くの時間を要
し、生産性の低下ともなり、また溶剤型焼成用ペースト
は印刷前の溶剤蒸発等による粘度変化で印刷適性の不安
定要素となり、また印刷後の熱乾燥工程で、多くの熱エ
ネルギー消費と溶剤消費(天然資源の消費)があり、地
球環境保全の面からも問題点があった。
【0014】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するものであり、その課題とするところは、厚膜パター
ンや積層構造体の製造において、特に多くの時間を要す
る熱乾燥工程を省くことによって工程短縮による生産性
の向上がはかれ、また、印刷安定性のある、且つ熱エネ
ルギー消費と溶剤消費(天然資源の消費)量の少ない、
即ち地球環境保全に寄与する無溶剤型の焼成用放射線硬
化組成物を提供するものである。また焼成工程におい
て、厚膜パターン膜中に炭素分の残留をなくすことが可
能な又は完全燃焼する様な有機成分から成る焼成用放射
線硬化組成物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、プラズマ
ディスプレイ基板、セラミック積層回路基板、チップ型
積層セラミックコンデンサーなどの製造において、印刷
法等によって絶縁体、導体、誘電体及び抵抗体構造物な
どの厚膜パターンを形成する際に使用する組成物が、放
射線によって硬化することを特徴とする焼成用放射線硬
化組成物としたものである。
【0016】また、請求項2の発明では、前記組成物
が、硬化後の焼成によって厚膜パターン膜中に炭素分の
残留をなくすことが可能な又は完全燃焼する様な有機成
分から成ることを特徴とする焼成用放射線硬化組成物と
したものである。
【0017】また、請求項3の発明では、前記有機成分
がアクリル系ポリマー、オリゴマー及びモノマーなどの
アクリル系化合物であることを特徴とする焼成用放射線
硬化組成物としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。本発明の焼成用放射線硬化組成物における硬化方法
は紫外線(UV)や電子線(EB)照射などの放射線に
よるものである。
【0019】このような放射線による硬化特性を発現さ
せる成分として、UV硬化またはEB硬化を示すポリマ
ー、オリゴマー、モノマー化合物がある。具体的には、
不飽和ポリエステル系、アクリル系、チオール・エン
系、エポキシ系化合物などがある。
【0020】ここで本発明のポイントである焼成適性が
問題となる。即ち焼成工程において、圧膜パターン膜中
に炭素分の残留をなくすことが可能な又は完全燃焼する
様な及び分解温度付近で昇華に近い熱分解挙動を示す化
合物でなければならない。これは、燃焼不良による残留
炭素が、構造物の亀裂や変形などの破壊現象、後工程で
のガス発生、ガラス成分との反応などを引き起こし、構
造物の特性を損なうためである。このような焼成適性の
あるものとして、上記化合物のうちのアクリル系化合物
があり、以外の化合物は、炭素残留等により焼成適性が
なかった。
【0021】上記アクリル系化合物のアクリル系ポリマ
ー、オリゴマーとして、具体的には、エステルアクリレ
ート系、エーテルアクリレート系、エポキシアクリレー
ト系、ウレタンアクリレート系及びこれらの共重合物な
どがある。
【0022】また上記アクリル系化合物のアクリル系モ
ノマーとして、具体的には、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタアクリレート、ブトキシエチルアク
リレート、メトキシエチレングリコールアクリレートな
どの単官能系、エチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6
−ヘキサジオールジアクリレートなどの2官能系、トリ
メチロールエタントリメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタン
テトラメタクリレートなどの多官能系などがある。
【0023】これら上記のアクリル系化合物は、従来の
溶剤型ペーストのバインダー樹脂及び溶剤の代替物質と
して機能し、フィラーや無機結着剤をペーストとして印
刷可能にするための流動性と粘性を確保し、基板上に固
着させるとともにフィラーを連結させる役割を担うもの
である。厚膜ペーストには、ずり応力が加わると流動性
が増し、応力を除くと粘性を増す擬可塑性流体の特性を
必要とする。この特性により、例えばスクリーン印刷の
場合、版上から基板上に転移されたインキが厚膜のパタ
ーン形状として保持することができる。このようなペー
スト特性とするため、必要に応じて、これら上記のアク
リル系化合物を単独または混合して使用するものであ
る。
【0024】UV硬化型のペーストの基本組成は、硬化
主成分である前記アクリル系化合物と重合開始剤、それ
に従来の溶剤型ペーストと同材料のフィラー、無機結着
剤及び添加剤から成る。一方EB硬化型のペーストの基
本組成は、硬化主成分である前記アクリル系化合物、そ
れに従来の溶剤型ペーストと同材料のフィラー、無機結
着剤及び添加剤から成る。これら材料をロールミル、ビ
ーズミル、自動乳鉢などにより混練し所望のペーストと
する。
【0025】ここで前記UV硬化型のペーストに用いら
れる重合開始剤として、ジエトキシアセトンフェノン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オンなどのアセトフェノン系、イソブチルベンゾイ
ンエーテル、イソプロピルベンゾインエーテルなどのベ
ンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタール、ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのベンジルケ
タール系、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2
−クロロチオキサントンなどのチオキサントン系などが
ある。
【0026】また前記添加剤としては、湿潤剤、分散
剤、可塑剤、消泡剤、重合禁止剤、チキソトロピー付与
剤などを必要に応じてもちいる。この可塑剤の一例とし
て、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジオクチル、フタル
酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、イソフタル
酸ジメチル、安息酸スクロールなどがある。
【0027】また厚膜パターン形成用の焼成用ペースト
の無機結着剤として、通常ガラスフリットなどが用いら
れる。プラズマディスプレイのリブ形成用の絶縁性材料
においては、ガラスフリットがフィラー兼無機結着剤と
して機能する。このガラスフリットとしては、基板と厚
膜パターンとの間の結着力を作りだすため、軟化点の低
いホウケイ酸鉛ガラスが多く用いられる。ガラスフリッ
ト以外のフィラーとして、アルミナ、ジルコニアなどの
高融点無機材料が用いられる。これは、焼成時に軟化点
に達したガラスフリットの流動性を制御し、パターン形
状を保持する骨格剤として添加するものである。
【0028】一方、ペーストを焼成して有機分を熱分解
し、導体成分の焼結または溶融によりパターン化する、
いわゆるPrinted and Fired Thi
ckFilm(PAF)の導体ペーストは、約1〜5μ
mの粒径を持つ金属粉末に数wt%のガラス粉末を添加
する。例えばセラミック多層基板の導体ペーストで用い
る金属粉として、温度や湿度などの雰囲気に安定な低温
焼成用の金(Au)、パラジゥム(Pd)、銀(A
g)、白金(Pt)、銀/パラジウム(Ag−Pd)、
化学的に安定な高温焼成用のタングステン(W)、ニッ
ケル(Ni)、モリブデン(Mo)、モリブデン/マン
ガン(Mo−Mn)などがある。またチップ型積層セラ
ミックコンデンサーの導体ペーストとして、白金(P
t)、パナジウム(Pd)、銀(Ag)、銀/パラジウ
ム(Ag−Pd)、が頻用される。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により、本発明を具体的
に説明する。
【0030】〈実施例1〉図1(a)及び図2に示すプ
ラズマディスプレイ基板(34)のリブ(隔壁)(1
2)形成に用いる焼成用絶縁性ペーストの組成を以下の
ようにした。 焼成用絶縁性ペースト組成 ホウケイ酸鉛ガラスフリット 68重量部 アルミナ 12重量部 エポキシアクリレート 8重量部 ブチルメタクリレート 8重量部 t−ブチルアントラキノン 2重量部 ブチルベンジルフタレート 2重量部
【0031】図1(a)に示す放射線硬化型絶縁性ペー
スト調整部(20)において上記組成の材料をロールミ
ルを使用して充分に混練し、ペーストとした。
【0032】次いで、スクリーン印刷部(22)におい
て、上記ペーストをスクリーン印刷機の版上にセット
し、ガラス基板(10)を印刷台横のアライメント台に
セットした。印刷機の始動により、アライメント台上の
ガラス基板(10)をスライドさせ、所定のプラズマデ
ィスプレイ基板(34)のリブ(12)をパターン化し
た。
【0033】次いで、移動可能であり、照射光が外に漏
れないようにガラス基板(10)を完全に被覆したUV
露光装置を有した放射線照射部(24)において、上記
1層目の印刷工程を完了した基板上に露光した。このと
きの露光量は、100mJ/cm2 であり、露光時間は
30秒であった。
【0034】以上の印刷、UV露光を15回繰り返し、
200μmの高さを持つ未焼成のリブ(隔壁)(12)
を形成した。この15層目のUV露光完了までの所要時
間は約20分であった。
【0035】最後に、焼成部(32)において、約58
0°Cで焼成しプラズマディスプレイ基板(34)とし
た。このときのリブ(隔壁)(12)は、燃焼不良の際
に見られる炭化現象や破壊現象が全く無く、良好な特性
を示すことが判明した。
【0036】〈比較例1〉以下に、図1(b)に示す従
来のプラズマディスプレイ基板(34)のリブ(隔壁)
(12)形成に用いる溶剤型焼成用絶縁ペーストの組成
を以下に示す。 溶剤型焼成用絶縁ペースト組成 ホウケイ酸鉛ガラスフリット 68重量部 アルミナ 12重量部 エチルセルロース 6重量部 ブチルカルビトールアセテート 12重量部 ブチルベンジルフタレート 2重量部
【0037】図1(b)に示す溶剤型絶縁性ペースト調
整部(26)において上記組成の材料をロールミルを使
用して充分に混練し、ペーストとした。
【0038】次いで、スクリーン印刷部(22)におい
て、上記ペーストをスクリーン印刷機の版上にセット
し、ガラス基板(10)を印刷台横のアライメント台に
セットした。印刷機始動により、アライメント台上のガ
ラス基板(10)をスライドさせ、所定のプラズマディ
スプレイのリブ(12)をパターン化した。
【0039】次いで、アライメント台からガラス基板
(10)を外し熱乾燥炉(28)へ移動して、約100
°Cで10分間乾燥した。
【0040】次いで、上記乾燥したガラス基板(10)
を冷却部(30)において、強制的に室温まで下げた。
【0041】以上の印刷、乾燥、強制冷却を15回繰り
返し、200μmの高さを持つ未焼成のリブ(隔壁)
(12)を形成した。この15層目の乾燥工程完了まで
の所要時間は約3時間15分であった。
【0042】最後に、焼成部(32)において、約58
0°Cで焼成しプラズマディスプレイ基板(34)とし
た。
【0043】〈実施例2〉図3(a)及び図4に示すセ
ラミック積層回路基板(56)の放射線硬化型焼成用導
体ペーストの組成を以下のようにした。 放射線硬化型焼成用導体ペースト組成 タングステント 75重量部 ガラスフリット 5重量部 アクリル酸ブチル共重合物 6重量部 ペンタエリスリトールアクリレート 10重量部 ベンゾフェノン 2重量部 フタル酸ジフェニル 2重量部
【0044】図3(a)に示す放射線硬化型導体ペース
ト調整部(47)において上記組成の材料をロールミル
を使用して充分に混練し、ペーストとした。
【0045】先ず、スクリーン印刷部(22)におい
て、アルミナ90%とシリカ(SiO 2 )、マグネシア
(MgO)、カルシア(CaO)、熱可塑性有機結着剤
及び可塑剤から成る1層目のグリーンシート(41)
(128×128mm、厚さ0.5mm)上に、上記の
放射線硬化型導体ペーストで所定の導体パターン(4
4)をスクリーン印刷にて形成した。
【0046】これをベルトに乗せて放射線照射部(2
4)を通過させUV露光を行い、未焼成の単層のセラミ
ック回路基板とした。このときの露光量は200mJ/
cm2であり、露光時間は20秒であった。
【0047】2層目のグリーンシート(40)のスルー
ホール(42)をマイクロドリルで打ち抜き、このシー
ト(40)上に、上記の放射線硬化型導体ペーストで所
定のの導体パターン(44)をスルーホール(42)を
カバーするように、スクリーン印刷にて形成した。以下
1層目と同様にUV露光を行い、未焼成の単層のセラミ
ック回路基板とした。3層目以降も同様の操作で、20
種類の未焼成のセラミック回路基板を作製した。
【0048】次いで積層部(50)にて、前記未焼成の
単層のセラミック回路基板を20層分を積層して、加熱
加圧(150°C、プレス100kg/cm2 )した。
ここまでの工程の所要時間は、約40分であった。
【0049】次いで打ち抜き部(52)にて、この積層
されたセラミック回路基板を外形抜いた。最後に、焼成
部(32)において、約1600°C(窒素雰囲気中)
で焼成しセラミック積層回路基板(56)とした。この
ときの導体パターン(44)は、燃焼不良の際に見られ
る炭化現象や破壊現象が全く無く、良好な特性を示すこ
とが判明した。
【0050】〈比較例2〉図3(b)及び図4に示すセ
ラミック積層回路基板(56)の溶剤型焼成用導体ペー
ストの組成を以下のようにした。 溶剤型焼成用導体ペースト組成 タングステント 75重量部 ガラスフリット 5重量部 エチルセルロース 6重量部 エチレングリコールモノエチルエーテル 12重量部 フタル酸ジフェニル 2重量部
【0051】図3(b)に示す溶剤型導体ペースト調整
部(48)において上記組成の材料をロールミルを使用
して充分に混練し、ペーストとした。
【0052】先ず、スクリーン印刷部(22)におい
て、アルミナ90%とシリカ(SiO 2 )、マグネシア
(MgO)、カルシア(CaO)、熱可塑性有機結合剤
及び可塑剤から成る1層目のグリーンシート(41)
(128×128mm、厚さ0.5mm)上に、上記の
溶剤型焼成用導体ペーストで所定の導体パターン(4
4)をスクリーン印刷にて形成した。
【0053】これをベルトに乗せて熱乾燥部(28)を
通過させ熱乾燥を行い、未焼成の単層のセラミック回路
基板とした。このときの乾燥温度は、100°C、熱乾
燥部(28)の通過時間は、10分であった。
【0054】2層目のグリーンシート(40)のスルー
ホール(42)をマイクロドリルで打ち抜き、このシー
ト(40)上に、上記の溶剤型焼成用導体ペーストで所
定のの導体パターン(44)をスルーホール(42)を
カバーするように、スクリーン印刷にて形成した。以下
1層目と同様に熱乾燥を行い、未焼成の単層のセラミッ
ク回路基板とした。3層目以降も同様の操作で、20種
類の未焼成のセラミック回路基板を作製した。
【0055】次いで積層部(50)にて、前記未焼成の
単層のセラミック回路基板を20層分を積層して、加熱
加圧(150°C、プレス100kg/cm2 )した。
ここまでの工程の所要時間は、6時間であった。
【0056】次いで打ち抜き部(52)にて、この積層
されたセラミック回路基板を外形抜きした。最後に、焼
成部(32)において、約1600°C(窒素雰囲気
中)で焼成しセラミック積層回路基板(56)とした。
【0057】以上の実施例1に於けるプラズマディスプ
レイの基板(34)のリブ(隔壁)(12)作製及び実
施例2に於けるセラミック多層基板(43)作製の焼成
前までの所要時間は、共に従来の約1/10であった。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、印刷法等によって絶縁体、
導体、誘電体及び抵抗体構造物などの厚膜パターン形成
において、焼成用ペーストに使用する組成物を、従来の
溶剤型から放射線によって硬化する無溶剤型とすること
によって、従来多くの時間を要していた熱乾燥工程を省
くことが出来るため、大幅な工程短縮による生産性の向
上がはかれる効果がある。且つ、熱エネルー消費と溶剤
消費(天然資源の消費)量の少ないこと、即ち地球環境
保全に大きく寄与する効果がある。また、前記組成物が
硬化後の焼成によって、完全燃焼するため、構造物の炭
化現象や破壊現象が無く、後工程においても、良好な特
性を示す効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例の工程
を表した説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す、断面で表した説
明図である。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の一実施例の工程
を表した説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態を示す、断面で表した説
明図である。
【図5】本発明の一実施の形態を示す、断面で表した説
明図である。
【符号の説明】
10‥‥ガラス基板 12‥‥リブ(隔壁) 20‥‥放射線硬化型絶縁性ペースト調整部 22‥‥スクリーン印刷部 24‥‥放射線照射部 26‥‥溶剤型絶縁性ペースト調整部 28‥‥熱乾燥部 30‥‥冷却部 32‥‥焼成部 34‥‥プラズマディスプレイの基板 40‥‥グリーンシート 41‥‥一層目グリーンシート 42‥‥スルーホール 44‥‥導体パターン 45‥‥グリーンシート作製部 46‥‥スルーホール打ち抜き部 47‥‥放射線硬化型導体ペースト調整部 48‥‥溶剤型導体ペースト調整部 50‥‥積層部 52‥‥打ち抜き部 54‥‥メッキ部 56‥‥セラミック積層回路基板 60‥‥コンデンサーのグリーンシート 62‥‥内部電極 64‥‥外部電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明の一実施例の工程及び従来の工程を表し
た説明図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】本発明の一実施例の工程及び従来の工程を表し
た説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大平 克己 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマディスプレイ基板、セラミック積
    層回路基板、チップ型積層セラミックコンデンサーなど
    の製造において、印刷法等によって絶縁体、導体、誘電
    体及び抵抗体構造物などの厚膜パターン形成に使用する
    組成物が、放射線によって硬化する無溶剤型であること
    を特徴とする焼成用放射線硬化組成物。
  2. 【請求項2】前記組成物が、硬化後の焼成によって厚膜
    パターン膜中に炭素分の残留をなくすことが可能な又は
    完全燃焼する様な有機成分から成ることを特徴とする請
    求項1記載の焼成用放射線硬化組成物。
  3. 【請求項3】前記有機成分が、アクリル系ポリマー、オ
    リゴマー及びモノマーなどのアクリル系化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の焼成用放射線硬
    化組成物。
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Cited By (1)

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