JPH10218907A - 塩化ビニル系単量体の重合排水の利用方法 - Google Patents

塩化ビニル系単量体の重合排水の利用方法

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JPH10218907A
JPH10218907A JP2275097A JP2275097A JPH10218907A JP H10218907 A JPH10218907 A JP H10218907A JP 2275097 A JP2275097 A JP 2275097A JP 2275097 A JP2275097 A JP 2275097A JP H10218907 A JPH10218907 A JP H10218907A
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vinyl chloride
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polymer
wastewater
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Tadashi Morimoto
正 守本
Ryosuke Yamamoto
良輔 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系単量体の懸濁重合時に発生する
重合排水を、運転安定性や製品の品質を損なうことなく
回収・再利用することにより、排水量及び処理コストを
削減する。 【解決手段】 塩化ビニル系単量体の懸濁重合時に発生
する重合排水中の粒子径50μm以上の粒子を除去した
上で、該排水を塩化ビニル系単量体の重合の水性媒体と
して使用する重合排水の利用方法。粒子の除去は濾過法
により行うのが好ましく、また粒子径10μm以上の粒
子を除去するのがより好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル系重合体
の製造方法に関する。詳しくは、製造設備からの排水量
を削減でき、かつ運転安定性及び製品品質を損なうこと
のない塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は、一般に塩化ビニ
ル単量体、又は塩化ビニル単量体を主体とする共重合可
能な単量体の混合物(以下まとめて「塩化ビニル系単量
体」と記し、またこれを重合して得られる重合体を「塩
化ビニル系重合体」と記す)を重合開始剤の存在下に、
分散剤及び/または乳化剤を含む水性媒体中で懸濁重合
又は乳化重合して製造されている。
【0003】ここで使用された水性媒体及びその他の製
造プロセス中で使用された水は、得られた重合体を分離
した後、環境基準を満たすように凝集沈殿処理や活性汚
泥処理を受けた上で、設備外へ排水として排出されるの
が通常であるが、近年になって環境改良及び排水処理費
用の削減を目的として排水量の削減及び設備のクローズ
ド化等のため、排水の再使用が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単純に
上記の重合体を分離した後の排水を、塩化ビニル系単量
体の重合用の水性媒体として再使用すると、重合器やそ
の付帯設備である攪拌翼、バッフル、還流冷却器、及び
重合器に接続されている各種の配管の内壁面(以下まと
めて「重合器内壁等」と記す)に重合体のスケールが付
着したり、あるいは得られる塩化ビニル系重合体を用い
て、パイプ、フィルム・シート、玩具、成形品等の製品
を製造したときに、その表面に「フィッシュアイ」と呼
ばれる未溶融粒子が残り、外観を損じて不良品となる、
等の問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の実情
に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、再使用する重合排水中
の特定の粒子径以上の粒子を除去することにより、問題
点を解決できることを見出し、本発明を完成した。即
ち、本発明の要旨は、塩化ビニル系単量体を、水性媒体
中で懸濁重合して塩化ビニル系重合体を製造する際に発
生する排水(以下「重合排水」と記す)を、該排水中の
粒子径50μm以上の粒子を除去した上で、該排水を塩
化ビニル系単量体の重合の水性媒体として使用すること
を特徴とする塩化ビニル系単量体の重合排水の利用方
法、に存している。
【0006】また本発明の要旨は、50μm以上の粒子
の除去を濾過により行う上記の重合排水の利用方法、該
濾過を金網を用いて行う重合排水の利用方法、及び該濾
過を、焼結金属フィルター、限外濾過膜、及び逆浸透膜
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の分離装置を
用いて行う重合排水の利用方法、にも存している。更に
本発明の要旨は、重合排水中の粒子径10μm以上の粒
子を除去した上で使用する上述の重合排水の利用方法、
にも存している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。 <重合排水>本発明において再使用する重合排水は、塩
化ビニル系単量体の重合過程において塩化ビニル系重合
体と接触する用途に用いられ、塩化ビニル系重合体を分
離した後の排水である。これには、懸濁重合に用いられ
た水性媒体、重合中に重合系内へ注入される水、重合中
や重合前後に添加される重合助剤の溶媒として用いられ
た水、及び反応終了後の塩化ビニル系単量体の除去工程
や塩化ビニル系重合体の脱水工程等で、重合体の移送や
設備機器の運転の必要上塩化ビニル系重合体スラリーに
追加された水が含まれる。
【0008】このような排水中には、塩化ビニル系重合
体の微粒子、水溶性高分子等の分散剤、仕込添加剤又は
これを溶解・分散していた媒体等の水中に溶解又は分散
可能な有機化合物類、有機又は無機塩類、及びこれらの
添加剤の重合器内での反応(分解)生成物等が含まれて
いる。
【0009】<重合排水の処理>前述したスケール付着
やフィッシュアイの悪化等の問題点は、重合排水中の粒
子径50μm以上の粒子を除去することにより解決する
ことができる。粒子径50μm以上の粒子が残留する重
合排水を用いると、本発明の効果は得られず、重合器内
壁等へのスケール付着やフィッシュアイの悪化が起こ
る。粒子径10μm以上の粒子を除去しておくと、本発
明の効果が更に顕著となるので好ましい。
【0010】このような重合排水中に含まれる粒子径5
0μm以上の粒子を除去する方法としては、自然(重
力)沈降処理、遠心沈降処理、凝集沈殿処理、濾過処理
等の方法があるが、濾過処理が最も簡便・確実であり、
本発明への適用に好適である。濾過処理の方法として
は、金網、焼結金属、濾布、及びマイクロフィルターや
限外濾過膜・逆浸透膜等の分離膜処理等が例示できる。
【0011】金網による濾過を行う場合は400メッシ
ュ(目開き37μm)またはこれよりも細かい金網を用
いるのが好ましい。より精密な濾過が可能な焼結金属、
マイクロフィルターや限外濾過膜・逆浸透膜等を用いる
と、更に良好な効果を得ることができる。また、このよ
うな濾過処理に加えて遠心分離、重力沈降等の処理を必
要に応じて併用してもよい。
【0012】<重合排水の再利用>上述のような方法に
より粒子径50μm以上の粒子を除去した重合排水は、
適当な貯槽等に貯蔵して、適時塩化ビニル系単量体の重
合用の水性媒体として、通常の水性媒体を仕込む場合と
同様にして仕込めばよい。また、重合開始後にポンプ等
により重合器内に追加する水や、その他の重合プロセス
において使用する水として再利用してもよい。なお、仕
込水としてではなく、重合終了後の重合器やその他の重
合器付帯設備の洗浄用の水にも使用できる。
【0013】<重合処方>本発明を適用する重合処方
は、水性媒体中で行われる塩化ビニル系単量体の懸濁重
合である。これに用いる添加剤、助剤等も懸濁重合法に
通常使用されるものであれば、本発明の目的・効果を損
なわない限り、特に制限されることはない。また、重合
排水を再利用する時の重合処方と、該重合排水を得た時
の重合処方とは、同じであっても、異なっていてもよ
い。また複数の異なった重合処方に基づく重合により得
られた重合排水が貯槽中で混合された水を再利用しても
よい。
【0014】<単量体>本発明方法において使用される
塩化ビニル系単量体は、塩化ビニル単量体単独及び塩化
ビニル単量体を主体とする共重合可能な単量体の混合物
を含む。塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体と
しては、塩化ビニル単量体の重合で従来一般的に用いら
れているものを使用することができ、特に限定されな
い。上記の他の単量体としては、例えば酢酸ビニルなど
のビニルエステル類、セチルビニルエーテルなどのアル
キルビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのα
−オレフィン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、塩化
ビニリデンなどのビニリデン化合物等が挙げられる。こ
れらの他の単量体は塩化ビニル単量体に対し、通常20
重量%以下の割合で使用される。
【0015】<分散剤>本発明方法において使用できる
分散剤は、塩化ビニル単量体の懸濁重合法で従来一般的
に使用されているものでよく、特に限定されない。上記
分散剤としては、例えば部分ケン化ポリ酢酸ビニル(い
わゆるポリビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチンなど
の水溶性ポリマー等が挙げられる。また、分散助剤とし
てラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性
剤、ソルビタン脂肪酸エステル類やグリセリン脂肪酸エ
ステル類などの非イオン性界面活性剤等を使用しても差
し支えない。これらの分散剤あるいは分散助剤は単独で
又は2種類以上の組合せで用いることができる。また、
これらの分散剤の使用量には特に制限はなく、その種
類、撹拌強度、重合温度、塩化ビニル系単量体と共重合
させる他の単量体の種類と組成、生成する塩化ビニル系
重合体の粒径等によって多少異なるが、一般には塩化ビ
ニル系単量体の総量に対して0.001〜2重量%、好
ましくは0.03〜1重量%の範囲内で用いられる。
【0016】<重合開始剤及びその他の助剤>本発明方
法において使用される重合開始剤は、塩化ビニル系単量
体の重合法で一般的に使用されているものでよく、特に
限定されない。例えばt−ブチルペルオキシピバレー
ト、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキ
シルペルオキシピバレート、t−ヘキシルペルオキシネ
オデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエー
トなどのペルエステル化合物、ジラウロイルペルオキシ
ドなどのペルオキシド化合物、ジイソプロピルペルオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシ
ジカーボネートなどのペルカーボネート化合物、アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどのアゾ化合物等が挙げられる。これ
らの重合開始剤は単独で又は2種以上の組合わせで使用
することができる。重合開始剤の使用量は開始剤の種類
や重合温度、所望の反応時間等によっても異なるが、一
般に塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.01
〜1重量部の範囲である。
【0017】更に本発明方法においては、必要に応じて
塩化ビニル系単量体の重合に使用される、架橋剤、連鎖
移動剤、酸化防止剤、pH調整剤、スケール付着防止剤
等の各種重合助剤を適宜使用することができ、これらの
助剤の仕込み量・仕込方法等は塩化ビニル系単量体の重
合で実施されている一般的な条件で差し支えない。
【0018】
【実施例】次に、本発明方法の具体的内容を実施例を用
いてより詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えな
い限り、以下の実施例によって限定されるものではな
い。 <評価方法>重合排水及び生成塩化ビニル系重合体の評
価は下記の方法により行った。 水中に含まれる粒子径分布の測定 重合に用いる水性媒体(仕込水)の所定量をマイクロフ
ィルター(平均孔径0.1μm)により濾過し、フィル
ター上の残存粒子を脱イオン水にて洗い出して試料液と
し、その試料液中の粒子の粒子径分布をレーザー散乱式
粒径分布測定装置(HORIBA製、LA−910型)
により測定した。 フィッシュアイ 塩化ビニル系重合体100重量部、可塑剤(ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート(DOP))50重量部、鉛系
粉末安定剤3重量部を、ビーカー中で予備混合した後、
155℃のミルロールで、それぞれ3、4、5、7分間
混練する。得られたロールシートの一辺5cmの正方形
(面積25cm2)中の未溶融粒子(フィッシュアイ)
の数をカウントし、フィッシュアイ個数とした。
【0019】<付着状態の観察>重合で生成した塩化ビ
ニル系重合体スラリーを重合器外へ抜き出し、系内の真
空吸引・窒素置換を行った後、重合器を開放して器壁を
軽く水洗した上で重合器内壁等へのスケール付着状態
(反応時の液相部分の器壁、気相部分の器壁、バッフ
ル)を目視で確認した。
【0020】評価基準は次の通り。 ○:全く付着なし △:部分的に薄い付着あり ×:広い範囲に付着あり
【0021】<実施例及び比較例>標準例1 攪拌機及びジャケット付のステンレス製重合器(内容積
400リットル)に、脱イオン水150kgを仕込み、
真空置換を行い、攪拌を開始した後、塩化ビニル単量体
100kg、分散剤としてケン化度80%、重合度23
00の水溶性部分ケン化ポリ酢酸ビニル90gの5%水
溶液、及び重合開始剤としてジ−2エチルヘキシルペル
オキシジカーボネートを仕込み、58℃に昇温して重合
を行った。
【0022】目標の重合転化率にて反応を終了し、重合
器内の塩化ビニル単量体を大気圧まで回収した後、系内
を真空にして残留単量体を除いた。重合器を開放して、
所定部位におけるスケールの付着生成状態を観察した。
生成した塩化ビニル重合体スラリーを取出して遠心脱水
し、約300リットルの重合排水を得た。
【0023】また、仕込に用いた脱イオン水のサンプル
を別途採取しこの中に含まれる粒子の粒子径分布を前記
の方法により測定した。得られた塩化ビニル重合体は乾
燥後、標準サンプルとしてフィッシュアイの評価に供し
た。結果を表に示す。なお、以下の実施例1〜5及び比
較例1において仕込に使用した重合排水は、本例と同様
の手順を繰返すことにより調製したものである。
【0024】標準例2 分散剤としてケン化度70%、重合度700の水溶性部
分ケン化ポリ酢酸ビニル80gの3%水溶液を、重合開
始剤としてt−ブチルペルオキシピバレートを、及び添
加剤としてステアリン酸50gを用い、重合温度を63
℃としたこと以外は上記標準例1と同様にして重合を行
い、同様に約300リットルの重合排水を得た。
【0025】塩化ビニル重合体は乾燥後、標準サンプル
としてフィッシュアイの評価に供した。結果を表に示
す。この重合排水のpHは3.5であったので、水酸化
ナトリウム水溶液を用いてpH6.5に調整した。以下
の実施例6〜8及び比較例2において仕込に使用した重
合排水は、本例と同様の手順を繰り返すことにより調製
したものである。
【0026】実施例1 標準例1で調製した重合排水を積層精密型金属焼結フィ
ルター(平均孔径5μm)を用いて濾過し、濾過水中に
含まれる粒子の粒子径分布を測定した。濾過後の重合排
水150kgを脱イオン水に代えて用いたこと以外は上
記の標準例1と同様にして重合操作を行い、重合器内の
スケール付着状況の観察及び生成重合体のフィッシュア
イの評価を行った。結果を表に示す。
【0027】実施例2 標準例1で調製した重合排水をマイクロフィルター(平
均孔径1μm)を用いて濾過し、濾過水に含まれる粒子
の粒子径分布を測定した。この処理を行なった重合排水
150kgを脱イオン水に代えて用いたこと以外は、標
準例1と同様に重合操作を行い、重合器内のスケール付
着状況の観察及び生成重合体のフィッシュアイの評価を
行った。結果を表に示す。
【0028】実施例3 標準例1で調製した重合排水を400メッシュの金網を
用いて濾過し、濾過水に含まれる粒子の粒子径分布を測
定した。この処理を行なった重合排水150kgを脱イ
オン水に代えて用いたこと以外は、標準例1と同様に重
合操作を行い、重合器内のスケール付着状況の観察及び
生成重合体のフィッシュアイの評価を行った。結果を表
に示す。
【0029】実施例4 標準例1で調製した重合排水を積層精密型金属焼結フィ
ルター(平均孔径40μm)により濾過し、濾過水に含
まれる粒子の粒子径分布を測定した。この処理を行なっ
た重合排水150kgを脱イオン水に代えて用いたこと
以外は、標準例1と同様に重合操作を行い、重合器内の
スケール付着状況の観察及び生成重合体のフィッシュア
イの評価を行った。結果を表に示す。
【0030】実施例5 標準例1で調製した重合排水を積層精密型金属焼結フィ
ルター(平均孔径20μm)により濾過し、濾過水に含
まれる粒子の粒子径分布を測定した。この処理を行なっ
た重合排水150kgを脱イオン水に代えて用いたこと
以外は、標準例1と同様に重合操作を行い、重合器内の
スケール付着状況の観察及び生成重合体のフィッシュア
イの評価を行った。結果を表に示す。
【0031】比較例1 標準例1で調製した重合排水を濾過等の処理を行うこと
なく150kg採取し、これに含まれる粒子の粒子径分
布を測定した。この重合排水を脱イオン水に代えて用い
たこと以外は標準例1と同様の重合操作を行い、重合器
内のスケール付着状況の観察及び生成重合体のフィッシ
ュアイの評価を行った。結果を表に示す。
【0032】実施例6 標準例2で調製した重合排水を積層精密型金属焼結フィ
ルター(平均孔径5μm)により濾過し、濾過水に含ま
れる粒子の粒子径分布を測定した。この処理を行なった
重合排水150kgを脱イオン水に代えて用いたこと以
外は、標準例1と同様に重合操作を行い、重合器内のス
ケール付着状況の観察及び生成重合体のフィッシュアイ
の評価を行った。結果を表に示す。
【0033】実施例7 標準例2で調製した重合排水を中空糸型逆浸透膜により
濾過し、濾過水に含まれる粒子の粒子径分布を測定し
た。この処理を行なった重合排水150kgを脱イオン
水に代えて用いたこと以外は、標準例1と同様に重合操
作を行い、重合器内のスケール付着状況の観察及び生成
重合体のフィッシュアイの評価を行った。結果を表に示
す。
【0034】実施例8 標準例2で調製した重合排水を積層精密型金属焼結フィ
ルター(平均孔径20μm)により濾過し、濾過水に含
まれる粒子の粒子径分布を測定した。この処理を行なっ
た重合排水150kgを脱イオン水に代えて用いたこと
以外は、標準例1と同様に重合操作を行い、重合器内の
スケール付着状況の観察及び生成重合体のフィッシュア
イの評価を行った。結果を表に示す。
【0035】実施例9 標準例2で調製した重合排水を3000Gの遠心脱水機
を用いて固液分離を行い、上澄み液中に含まれる粒子の
粒子径分布を測定した。この処理を行なった重合排水1
50kgを脱イオン水に代えて用いたこと以外は、標準
例1と同様に重合操作を行い、重合器内のスケール付着
状況の観察及び生成重合体のフィッシュアイの評価を行
った。結果を表に示す。
【0036】比較例2 標準例2で調製した重合排水を濾過等の処理を行なうこ
となく150kg採取し、これに含まれる粒子の粒子径
分布を測定した。この重合排水を脱イオン水に代えて用
いたこと以外は標準例1と同様の重合操作を行い、重合
器内のスケール付着状況の観察及び生成重合体のフィッ
シュアイの評価を行った。結果を表に示す。
【0037】<結果の評価>上記の実施例及び比較例に
示される結果より、以下の諸点が判明する。 (1)実施例1〜5と比較例1との比較、及び実施例6
〜9と比較例2との比較から、重合排水から粒子径50
μm以上の粒子を除去した上で再使用することにより、
特に長時間(5分、6分)混練したときのフィッシュア
イが改良されることが判る。また、スケールの付着も少
なくなっている。 (2)実施例1、2及び実施例6、7と他の実施例、比
較例とを比べると、粒子径10μm以上の粒子を含まな
い重合排水を用いることにより、フィッシュアイ、スケ
ール付着とも一段と改良されることが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、重合
器内壁等へのスケール付着や製品品質に問題を起こすこ
となく、重合排水が再利用できるようになるので、排水
処理設備の簡素化のみならず、排水量削減等の環境面で
の効果が極めて大きい。
【0039】
【表1】 No:標=標準例、実=実施例、比=比較例 水性媒体:F=脱イオン水、R1(2)=標準例1(2)の重合排水 水性媒体中の粒子:%≧50(10)μm=50(10)μm以上の粒子含有量(重量%) フィッシュアイ:3-4-5-6分=混練時間毎のフィッシュアイ個数を示す

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量
    体を主体とする共重合可能な単量体の混合物(以下まと
    めて「塩化ビニル系単量体」と記す)を水性媒体中で懸
    濁重合して塩化ビニル系重合体を製造する際に発生する
    排水(以下「重合排水」と記す)中の粒子径50μm以
    上の粒子を除去した上で、該排水を塩化ビニル系単量体
    の重合の水性媒体として使用することを特徴とする重合
    排水の利用方法。
  2. 【請求項2】 粒子径50μm以上の粒子の除去を濾過
    により行う請求項1に記載の重合排水の利用方法。
  3. 【請求項3】 濾過を金網を用いて行う請求項2に記載
    の重合排水の利用方法。
  4. 【請求項4】 濾過を、焼結金属フィルター、限外濾過
    膜、及び逆浸透膜からなる群から選ばれる少なくとも1
    種類の分離装置を用いて行う請求項2に記載の重合排水
    の利用方法。
  5. 【請求項5】 重合排水中の粒子径10μm以上の粒子
    を除去した上で使用する請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の重合排水の利用方法。
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