JPH1021740A - 異方導電性組成物及びフィルム - Google Patents

異方導電性組成物及びフィルム

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JPH1021740A
JPH1021740A JP17370496A JP17370496A JPH1021740A JP H1021740 A JPH1021740 A JP H1021740A JP 17370496 A JP17370496 A JP 17370496A JP 17370496 A JP17370496 A JP 17370496A JP H1021740 A JPH1021740 A JP H1021740A
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JP
Japan
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anisotropic conductive
resin
film
copper alloy
connection
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JP17370496A
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English (en)
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Akinori Yokoyama
明典 横山
Toru Mori
徹 森
誠 ▲瀧▼澤
Makoto Takizawa
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/321Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives

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  • Conductive Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間接続可能で、導電性、耐環境性、ファ
インピッチ接続でき、且つ耐電圧絶縁性に優れる異方導
電性組成物及びフィルムを提供する。 【解決手段】 一般式AgX Cu1-X (0.001≦x
≦0.6、xは原子比)で表され、且つ表面の銀濃度が
高く、且つ表面に絶縁性樹脂を0.01〜1ミクロンコ
ートされてなる銅合金粉末1重量部に対して、エポキシ
樹脂0.5〜250重量部、及びエポキシ樹脂100重
量部に対して硬化剤としてマイクロカプセル型イミダゾ
ール誘導体エポキシ化合物5〜250重量部を含有する
異方導電性組成物及びフィルムである。 【効果】 短時間接続可能で、導電性、耐環境性、ファ
インピッチ接続でき、且つ耐電圧絶縁性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の異方導電性組成物及
びフィルムは、液晶パネル、プラズマディスプレイ、E
LディスプレイへのTAB接続や、LSIベアチップの
COG接続、LSIベアチップのプリント基板上へのC
OB接続、COF接続や、フレキシブル基板のディスプ
レイパネルへの接続、フレキシブル基板とリジッド基板
との接続に用いることができる。特に、、液晶テレビ、
携帯電話、液晶カメラ、時計、ワープロ、コピー機、電
話、パソコン、プラズマディスプレイ、ELパネル、計
算機などのファインピッチ用途に有効である。
【0002】
【従来の技術】これまでに、液晶用ドライバーICの接
続などに異方導電性フィルムが数多く用いられてきてい
る。液晶自体も小型化、接続端子のファインピッチ化が
急速に進んできている。従来より多くの異方導電性フィ
ルムが開示されているが、例えば、特開平7−1970
01号公報、特開平4−242010号公報に示される
ような樹脂ボール上に金属メッキを施した導電粒子を用
いた異方導電性フィルムや、ニッケル粉、はんだ粉、金
メッキニッケル粉などの金属粉を用いた異方導電性フィ
ルムが開示されている(例えば特開昭61−55809
号公報)。
【0003】異方導電性フィルムは、導電粒子を有機バ
インダー中に分散したフィルム状のものであり、接続し
たい基板上の電極あるいは端子上に予め貼り合わせてお
き、被接続基板や被接続LSIをアライメントした後に
加圧、加熱して有機バインダーを乾燥あるいは加熱硬化
する。この時、電極間に挟まっている導電粒子のみが変
形して電極間方向にのみ導電性を有し、隣接電極同士は
絶縁性が保持されるものである。液晶、プラズマディス
プレイ、ELなどのパネルの駆動用ICのTAB接続
や、LSIベアチップの接続、フレキシブル基板のパネ
ル接続などに用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来より用いられてき
た異方導電性フィルムは以下の制限があった。すなわ
ち、50ミクロン以下の超ファインピッチ接続の場合に
は、導通に寄与する粒子数が特に減少するために、接続
抵抗が極端に増加する。そのために、導電粉末の量を増
加したりすると隣接電極間に導電粉末同士が並び接触す
る確率が上がり、ショートの問題が生じ、ファインピッ
チで良好な接続抵抗と絶縁性を同時に満足するものがな
いのが現状である。
【0005】例えば、金属メッキ樹脂粉の場合には、加
圧で導電粉末が変形する場合に、メッキ剥がれを生じ絶
縁不良を頻繁に引き起こすのみならず、本来、導電通路
がメッキ金属層でしかないために、ファインピッチ接続
には使えない。また、導電性がメッキ樹脂粉より本来高
いことで金属粉も用いられてきたが、ニッケル粉では、
本来、固有抵抗が高く、ファインピッチ用には使えず、
耐環境性が悪く、接続抵抗が上昇する問題がある。ま
た、ニッケル粉は硬いために接続時の圧力が数十kg/
cm2 から百kg/cm2 と必要であり、このため、基
板へのダメージが大きく、例えば、ガラス基板に用いた
場合には基板の破損を起こしていた。
【0006】半田粉では、金属粉の中でも固有抵抗が銅
や銀より一桁程度高く、ファインピッチ接続への対応が
できず、また、融点が低いために加熱接続時に半融の状
態がしばしば起こり、接続不良を引く起こしていた。金
メッキニッケル粉の場合には、金メッキが加圧時に剥が
れ落ちる問題があり、ニッケル粉自身の抵抗値で左右さ
れるためファインピッチで良好な接続抵抗が得られず、
また、ニッケル粉と同様に高加圧力が必要になる。銀粉
末の場合には、隣接電極間での絶縁性低下が吸水などで
起きやすく、ファインピッチ接続への対応ができない状
態であった。
【0007】ファインピッチでの隣接電極間でのショー
トの防止の目的で、ニッケル粉や、銀粉、金属メッキ樹
脂粉などの上記の粉末表面にさらに絶縁性樹脂でコート
する方法が開示されているが(例えば、特開平6−60
712号公報、特開平7−90236号公報、特開平7
−118618号公報)、コートされている絶縁樹脂を
接続時に加圧加熱により熱溶融してやぶらなければなら
ず、このため接合時間が数十秒とかかりすぎるのと、絶
縁コート樹脂を加熱加圧で完全に導電粒子表面より溶融
除去できるものではなく、信頼性不足の問題があった。
又最近の高生産性の点から、加圧加熱時間を数秒と短時
間で行いたい要求には対応できない。
【0008】また、導電粒子を分散させている有機バイ
ンダーとしては、熱硬化タイプとしてエポキシ樹脂を接
着性の点から用いる場合が多いが、異方導電性組成物あ
るいはフィルムの使用前では、エポキシの架橋がなるべ
く少ない状態が当然好ましが、硬化剤によっては、しば
しば異方導電性組成物を用いる時に既にエポキシの硬化
が進んでしまって基板への接着不良や導通不良を引き起
こしていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記問
題点を解決するために、短時間接続可能で、耐環境性に
優れ、ファインピッチ接続可能で、且つ耐電圧絶縁性に
優れる異方導電性組成物及びフィルムを提供するもので
ある。すなわち、本発明は、下記(1)、(2)の特徴
を有する平均粒子径2〜15ミクロンの銅合金粉末1重
量部に対して0.5〜200重量部のエポキシ樹脂、且
つエポキシ樹脂100重量部に対して硬化剤としてマイ
クロカプセル型のイミダゾール誘導体エポキシ化合物5
〜250重量部を含有してなる異方導電性組成物であ
る。 (1)一般式AgX Cu1-X (0.001≦x≦0.
6、xは原子比)で表され、且つ粉末表面の銀濃度が平
均の銀濃度より高い (2)粉末表面に、0.01〜1ミクロンの厚さの絶縁
性樹脂がコートされている 本発明で用いる銅合金粉末は、一般式AgX Cu
1-X (0.001≦x≦0.6、xは原子比)である
が、銅と銀の両者の高導電性を有する導電粉末であるた
めに、接続時の高導電性、ファインピッチでの粒子数が
減少しても高導電性が維持できることにある。この場
合、xが0.6を超える場合には、銀成分が多く隣接電
極間でのマイグレーションの問題が起こり短絡につなが
る。xが0.001未満の場合には、耐酸化性が不足し
て導通抵抗が著しく上がる。好ましくは、xが0.01
〜0.4である。基板あるいは被接続基板の電極あるい
は端子は銅を主成分にするものが多く、このため、ヒー
トサイクルなどの試験においても熱膨張係数が近く接続
抵抗の変化が少ないなどの特徴を有する。また、銅合金
粉末表面の銀濃度が平均の銀濃度より高いことで電極と
の接続点での銅合金粉末の酸化劣化が防止でき、且つ銀
のマイグレーション性を防止できる。また、銅成分を粉
末表面に有し、酸素化合物(水酸化物や酸化物)を形成
しているために、清浄な金属面に対してエポキシとの濡
れ性を向上でき、その結果分散性を向上できる。
【0010】粉末表面の銀濃度は平均の銀濃度の1.5
倍より高いことが好ましいが、完全に銀で覆われるまで
には表面の銀濃度が高い必要はなく、例えば、1.5倍
〜100倍が良い。粉末表面の銀濃度とは、XPS(X
線光電子分光分析計;XSAM800;KRATOS社
製)で測定した、Cu(2p)、Ag(3d)の面積値から
補正係数を用いて算出した値(Ag/(Cu+Ag))
である。銅合金粉末の平均銀濃度、平均銅濃度(Ag/
(Ag+Cu))及び(Cu/(Ag+Cu))は、銅
合金粉末を濃硝酸溶液中に溶解してICP(高周波誘導
結合型プラズマ分析計(セイコー電子工業製;JY38
P2)を用いて測定した。
【0011】さらに、本発明で用いる銅合金粉末は、粉
末表面に0.01〜1ミクロンの絶縁樹脂層を有してい
るが、加熱加圧により、主として接続に寄与する導電粉
末の絶縁樹脂層が破壊されて導電層すなわち銅合金粉末
表面の金属面が露出し、接続電極間同士は良好な導電性
が得られ、隣接する電極間方向には、たとえ導電粉末同
士が接触しても、接続に寄与しない導電粉末は絶縁樹脂
層で保護されているため隣接電極間方向の絶縁性は維持
されるものである。特に、本発明の銅合金粉末上に絶縁
性樹脂コートされている導電粉末の場合には、熱伝導性
に優れるために、加熱加圧により接続に寄与する銅合金
粉末自体の全体に熱がかかり、コートされている絶縁性
樹脂が容易に溶融し除去されるために、接続時間を短く
でき生産性向上の利点を有する。絶縁性樹脂が除去され
て接続される銅合金粉末は耐環境性、導電性に優れるた
めに電極間方向には優れた導電性で且つ隣接電極間では
優れる耐電圧絶縁性を有しているのである。
【0012】銅合金粉末上にコートされる絶縁性樹脂と
しては、ポリフッ化ビニリデン、メラミン樹脂、ベンゾ
グアナミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアセタール樹脂、エチルセルロース、酢酸セル
ロース、プロピオン酸セルロース、アイオノマー樹脂、
ポリエーテルスルフォン樹脂、アクリル樹脂、メタアク
リル樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、
ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエーテルスルフォン樹脂、ABS樹脂、スチレン−ブ
タジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどを用いることができる。中でも、ポリスチ
レン、ベンゾグアナミン、ポリフッ化ビニリデンが特に
好ましい。
【0013】銅合金粉末上に絶縁性樹脂をコートする方
法としては、コアセルベーション法、界面重合法、in
situ重合法、液中硬化被覆法等の化学的方法、スプ
レードライング法、気相懸濁被覆法、真空蒸着被覆法、
ドライブレンド法、静電的合体法、融解分散冷却法、無
機質カプセル化法、界面沈殿法などが好ましい。中で
も、ドライブレンド法が好ましい。ドライブレンド法と
しては、ハイブリダイゼーションシステムが特に好まし
く、例えば、ポリフッ化ビニリデンを銅合金粉末に対し
て数重量部混合して、90℃程度で数分加温処理する。
処理すなわち被覆する割合が50%面積以上必要な場合
には、30分間処理するのが良い。
【0014】銅合金粉末の表面に絶縁性樹脂をコートす
るのは、必ずしも100%覆っている必要はなく、20
%程度以上被覆されていれば良い。30%以上被覆され
ているのがより好ましい。被覆の割合については、SE
Mにより観察して面積から求めた。また、被覆絶縁性樹
脂層の厚さは、銅合金粉末の断面カットして、コートさ
れている場合の最大値と最小値の平均値を絶縁性樹脂層
の厚さとした。
【0015】被覆絶縁性樹脂層の厚さは、0.01〜1
ミクロンであるが、0.01ミクロン以下では、銅合金
粉末同士が接触した場合のショックでキズがつき導電通
路が生じることが起こったり、接続時の熱で多少溶融脱
落が起こったりする。1ミクロンを超える場合には、加
圧加熱による時間がかかり過ぎて生産性が悪くなる。好
ましくは、0.01〜0.5ミクロンである。さらに、
好ましくは、0.01〜0.3ミクロンである。
【0016】また、銅合金粉末の平均粒子径は2〜15
ミクロンが好ましく、2ミクロン未満であると、加圧時
に電極間に挟まる導電粒子が電極面の粗さレベルにな
り、導電性が不良になるのと耐環境性が悪くなる。15
ミクロンを超える場合には、ファインピッチでの電極間
接合で、電極間の導電粒子数が不十分になり接続抵抗が
不安定になる。好ましくは平均粒子径が2〜10ミクロ
ンである。
【0017】また、本発明で用いる銅合金粉末は、好ま
しくは、平均粒子径±2ミクロン以内の粉末の存在率が
30%以上であることが電極間で有効に導通に関与する
導電粉末が多く存在するために好ましい。しかし、粒径
分布を有しているのが接続基板上に異方導電性組成物を
印刷したり、異方導電性フィルムの均一な膜を作製する
ために好ましい。粒度分布とは、平均粒子径±1ミクロ
ンの粒子が存在することであり、例えば10%体積割合
存在していれば塗膜を作製するのに好ましく、チキソ性
を有しているため好ましい。
【0018】本発明で用いる平均粒子径とは、レーザー
回折型測定装置RODOS SR型(SYMPATEC
HEROS&RODOS)を用いて体積積算平均粒子
径を用いる。また、平均粒子径±1ミクロン内の銅合金
粉末の存在は、体積積算粒度分布計より読みとる。ま
た、さらに銅合金粉末が含有酸素酸素が1〜10000
ppm含有しているのが好ましく、或程度の酸素(水酸
化物としての酸素や酸化物としての酸素)を表面に含有
することで、洗浄な金属面より絶縁樹脂コート時の有機
物との濡れ性を向上でき、粉末表面に均一にコートし易
い。この含有酸素は、表面の銅成分が酸化物や水酸化物
状態になっていても構わない。10000ppmを超え
る場合には、接続時に耐環境性が悪くなるのみならず、
エポキシの硬化促進になり保存安定性が悪くなる。1p
pm未満の時のは、絶縁性樹脂コートがかかりにくい。
含有酸素量の測定は、酸素/窒素分析計(EMGA65
0;堀場製作所製)で2000℃まで昇温して行った。
含有酸素量は好ましくは、1〜3000ppmである。
【0019】本発明で用いる銅合金粉末は、例えば不活
性ガスアトマイズ法を用いて作製されるのが好ましい。
不活性ガスアトマイズ法は窒素、ヘリウム、水素、アル
ゴン及びこれらの混合ガスを用いるのが好ましく、例え
ば、かかる組成の銀、銅の融液を高速の不活性ガスを衝
突させて微粉化急冷凝固するものである。形状は、球
状、鱗片状、樹枝状などを用いることができる。
【0020】本発明の異方導電性組成物あるいはフィル
ムは、銅合金粉末1重量部に対して、エポキシ樹脂を
0.5〜250重量部含有するが、本発明で用いるエポ
キシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノー
ルF型、ビスフェノールS型、フェノールノボラック
型、クレゾールノボラック型、アルキル多価フェノール
型、フェニルグリシジルエーテル型、多官能ポリエーテ
ル型、臭素化フェノールノボラック型、変性ビスフェノ
ールS型、ジグリシジルアニリン型、ジグリシジルオル
ソトルイジン型、ウレタン変性、ゴム変性、シリコーン
変性、鎖状変性タイプなどのエポキシ樹脂を用いること
ができる。特に室温で液状のエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂を有機バインダーとして用いることで、接
続基板との密着性を向上できる。250重量部を超える
場合には、銅合金粒子の数が少なすぎてしまい接続抵抗
が上昇する。また、0.5重量部未満であると銅合金粉
末同士が接触して絶縁性が低下する。好ましくは、2〜
150重量部であり、さらに、好ましくは、4〜100
重量部である。
【0021】また、本発明の異方導電性組成物及びフィ
ルムは、エポキシ樹脂100重量部に対して、硬化剤と
してマイクロカプセル型のイミダゾール誘導体エポキシ
化合物を0.5〜250重量部を含有するが、マイクロ
カプセル型のイミダゾール誘導体エポキシ化合物として
は、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成
物を粉砕等により微粉末とした物をさらにイソシアネー
ト化合物などと反応させて、カプセル化することで常温
での安定性を高めた物である。マイクロカプセル型のイ
ミダゾール誘導体エポキシ化合物を用いることで、異方
導電性組成物及びフィルムの保存時の安定性を向上でき
る。また、加圧、加熱接合の数秒という僅かな時間での
均一な硬化が期待できる点にある。加熱時に徐徐に反応
が進むのではなく、数秒の時間の間で膜の内部への拡散
が進み、均一な硬化が期待できる点にある。また、本発
明で用いる銅合金粉末は熱を伝えやすいために、有機バ
インダー中に分散しているマイクロカプセル型硬化剤へ
の熱を伝えやすくなり均一な硬化を促進できる利点もあ
る。すなわち数秒の短時間でも充分な硬化性が得られ
る。
【0022】また、本発明での銅合金粉末を用いること
で、マイクロカプセルのイソシアネート被膜を銅合金粉
末が加圧変形時に突き破り、硬化を急速に加速すること
ができる。マイクロカプセル型のイミダゾール誘導体エ
ポキシ化合物は、室温度では安定であり、数十度の温度
で溶融し圧着温度近辺で著しくエポキシの固化を進める
ものである。この時のイミダゾール誘導体としては、例
えばイミダゾール、2メチルイミダゾール、2−エチル
イミダゾール、2−エチルー4ーメチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、2ーフェニルー4メチルイ
ミダゾール、1ーベンジル−2メチルイミダゾール、1
−ベンジルー2エチルイミダゾール、1ーベンジルー2
ーエチルー5ーメチルイミダゾール、2フェニルー4メ
チルー5ーヒドロキシメチルイミダゾール、2ーフェニ
ル4、5ージヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げら
れる。また、エポキシ化合物としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、フェノールノボラック、ブロム
化ビスフェノールA等のグルシジルエーテル型エポキシ
樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグ
リシジルエステル等が挙げられる。マイクロカプセル型
イミダゾール誘導体エポキシ化合物硬化剤は、好ましく
は、エポキシ樹脂100重量部に対して1〜200重量
部である。さらに好ましくは、1〜150重量部であ
る。
【0023】また、マイクロカプセル型硬化剤の粒径と
しては、平均粒子径で1〜10ミクロンが好ましい。そ
れは、10ミクロンを超えるものが多いと異方導電性フ
ィルムにした場合に、塗膜厚みムラを引き起こす。1ミ
クロン未満であると、マイクロカプセル型硬化剤の表面
積が大きくなりすぎて保存安定性が悪くなる。また、銅
合金粉末との粒子径が近いために、銅合金粉末同士の並
びを粒子径の近いマイクロカプセル型硬化剤が阻害して
絶縁低下を防止できる効果を有している。
【0024】硬化剤については、マイクロカプセル型の
硬化剤以外にも、必要に応じて脂肪族アミン、芳香族ア
ミン、カルボン酸無機物、チオール、アルコール、フェ
ノール化合物、ホウソ化合物、無機酸、ヒドラジド、及
びイミダゾールを加えても良い。本発明の異方導電性組
成物及びフィルムは、エポキシ樹脂以外にも、リペアー
性能や塗工性、タック性の調整のためにエポキシ以外の
熱硬化性、熱可塑性樹脂を加えることが好ましい。例え
ば、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルゴ
ム、SBR、NBR、シリコーン樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、メラミン
樹脂、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、メラ
ミン、グアナミン、シアノアクリレートや、カルボキシ
ル基ヒドロキシル基、ビニル基、アミノ基、エポキシ基
等の官能基含有物のゴムやエラストマー類がある。エポ
キシ以外のこれらの樹脂については、エポキシ樹脂10
0重量部に対して、300重量部まで加えても構わな
い。中でも、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リルゴム、SBR、NBR、ウレタン樹脂、ポリアセタ
ール樹脂などが好ましい。特にエポキシ樹脂100重量
部に対して、1〜250重量部が好ましい。
【0025】また、本発明の異方導電性組成物を塗布す
る場合には、必要に応じて適当な溶剤を用いることがで
きる。この場合には、マイクロカプセル型硬化剤にダメ
ージを与えない物が好ましい。例えば、メチルエチルケ
トン、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルイソブチ
ルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコー
ルモノエチルアセテート、ジオキサンなどの芳香族炭化
水素、エーテル系、ケトン系、エステル系などが良い。
【0026】本発明の異方導電性組成物の製造法として
は、先ず銅合金粉末とエポキシ樹脂及び必要に応じてエ
ポキシ以外の熱可塑性性あるいは熱硬化性樹脂、必要に
応じて溶剤を所定量計測してプラネタリーミキサー、ノ
ンバブリングニーダー、三本ロール、羽根付き攪拌機、
ボールミルなどの公知の混合機にて混合して、銅合金粉
末が均一に分散されている混合物を作製する。
【0027】こうして得られた異方導電性組成物の粘度
は、1000cpsから20万cps程度の用途に応じ
た粘度が好ましい。このままで、接続基板上の電極や端
子上にディスペンサーやスクリーン印刷等で塗布して用
いることもできる。また、フィルム状すなわち異方導電
性フィルムを作製する場合には、異方導電性組成物をブ
レード、ダイコーター等の公知の塗布方法で絶縁性フィ
ルムなどのベースフィルム上に塗布する。塗布され溶剤
を含む物は乾燥する。異方導電性フィルムの厚みとして
は、5〜500ミクロン程度であり、幅は特にしてはな
く、接続する場合にスリッテイングして用いることがで
き、例えば幅0.2〜200mm程度の物でリール巻し
たものとかが良い。リールはプラスチック製が取り扱い
易さに優れ好ましく、また、リール巻くもフィルムとし
ては、数m巻から1000m程度までは巻ズレやフィル
ムの変形が起こらずに作製できる。リールはガイド付き
の物が好ましい。本発明の異方導電性フィルムは、好ま
しくはフィルムの少なくとも一方に絶縁性のフィルム
(ここではベースフィルムと呼ぶ)を有しているのが保
存性や接続時の作業性が良くなり好ましい。この時のベ
ースフィルムとしては、異方導電性組成物の塗布膜の下
地層として用いる物であり、リール等に巻いて用い場合
に機械的な強度が得られるフィルムが良い。PET、テ
フロン、ポリイミド、、ポリエステル、ポリアミド、ア
ルミナやちっかアルミナ等の無機フィルムや、異方導電
性組成物との粘着性のコントロールのためにこれらのベ
ースフィルムに酸化チタン、シリコーン樹脂処理、アル
キッド樹脂処理などの処理を施したフィルムが好まし
い。ベースフィルムの厚みとしては、1〜300ミクロ
ン程度のものを用いるのが好ましい。こうしてベースフ
ィルムに塗布されたものは2層の異方導電性フィルムと
呼ぶが、必要に応じてカバーフィルム(すなわちベース
フィルムとは反対側を異方導電性組成物を挟み込む)を
用いることができる。この場合には、ベースフィルムよ
り粘着性が低い物が好ましい。これもベースフィルムに
用いることができるPET、テフロン、ポリイミド、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、無機フィルムやこれらにシリコーン樹脂処理、アル
キッド樹脂処理、酸化チタン処理を施したものの組み合
わせで作製することができる。このカバーフィルムを用
いる場合を3層構造という。ベースフィルム、必要に応
じてカバーフィルムを用いてフィルム状に形成された異
方導電性組成物を異方導電性フィルムと呼ぶ。使用する
際には、カバーフィルムとベースフィルムを剥がして接
続に用いる。
【0028】異方導電性組成物の使用方法としては、以
下のとおりである。異方導電性組成物をそのまま用いる
場合には、ディスペンサーやスクリーン印刷を用いて塗
布する。この場合には、硬化時に溶剤などの揮発がある
とボイド発生の原因になるために無溶剤タイプが好まし
い。電極上の塗布された異方導電性組成物を挟み込むよ
うに被接続基板上の電極あるいはLSIチップ電極(バ
ンプ)をアライメントして被接続基板あるいLSIチッ
プ上からツールで加熱、加圧してエポキシを硬化する。
この時、電極間に位置する導電粉末のみが変形をうけて
電極間方向のみに導通が得られる。隣接電極間同士では
絶縁性が維持される。
【0029】異方導電性フィルムの場合には、カバーフ
ィルムのあるものは、先ずカバーフィルムを剥がして接
続基板上の電極上に異方導電性組成物のタック性を利用
して貼り合わせる。この時、貼り合わせ時に、剥がれな
い程度に適度に加圧、加熱して仮圧着しておく。さら
に、ベースフィルムを剥がして、異方導電性組成物のみ
が接続基板上に貼りつけられている状態にする。被接続
基板あるいはLSIチップの電極をアライメントして接
続基板上の電極と向かい合わせになるようにして異方導
電性組成物を挟み込むようにしてトールで押し当てる。
この時、加圧、加熱してエポキシを硬化し、導電粒子の
変形により向かい合う電極間同士で導通を得る。隣接す
る電極間同士は電気的導通を有さない。
【0030】本発明の異方導電性組成物あるいは異方導
電性フィルムは、加圧時の圧力が低圧でも導電粒子を変
形させ、電極間での高導電性を得ることができる。圧力
は、2kg/cm2 から数百kg/cm2 程度の圧力で
接続できる利点がある。好ましくは、5kg/cm2
ら500kg/cm2 である。また、加熱温度は、80
〜220℃の範囲での接続ができる。また、加熱時間
は、数秒から数十秒の時間でできる。これは、本発明で
用いる導電粒子の熱伝導性が良いために、組成物のエポ
キシ樹脂への熱導体としての役割をできる。そのため、
短時間で作製でき生産性に優れる点が良い。
【0031】こうして、接続基板と被接続基板あるいは
LSIチップとの電気的接続が異方導電性組成物あるい
はフィルムを介して達成できる。接続基板としては、液
晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロル
ミネッサンスディスプレイ、プリント基板、ビルドアッ
プ基板(絶縁層、導体回路層を交互に積み上げて得られ
る多層基板で、感光性樹脂なども用いることができ
る)、低温焼成基板などの電気的配線が施されている基
板などを用いることができる。また、被接続基板あるい
は被接続チップ部品としては、フレキシブルあるいはリ
ジッドなプリント基板、コンデンサー、抵抗器、LSI
チップ、コイルや、LSIチップが既に接続されている
フレキシブル基板(TCP;テープキャリヤーパッケー
ジ)、QFP、DIP、SOPなどのLSIパッケージ
などの接続に用いることができる。
【0032】接続基板あるいは被接続基板の材質は特に
制限はなく、例えば、ポリイミド、ガラスエポキシ、紙
フェノール、ポリエステル、ガラス、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンエーテル、熱硬化型ポリフェニレン
エーテル、ポリフェニレンサルファイド、ガラスポリイ
ミド、アルミナ、ちっかアルミナ、テトラフルオロエチ
レン、ポリフェニレンテレフタレート、BTレジン、ポ
リアミド、感光性エポキシアクリレート、低温焼成セラ
ミックス等に基板を用いることができる。
【0033】接続基板あるいは被接続基板上に形成され
ている接続用電極の導体は特に制限はなく、ITO(イ
ンジウム−スズ−酸化物)、IO(インジウム酸化
物)、銅、銀、銀銅合金、銀パラジウム、金、白金、ニ
ッケル、アルミニウム、銀白金、スズ鉛はんだ、スズ銀
半田、すず、クロム、ニッケル銅合金や、これらの導体
に金メッキ、スズメッキ、ニッケルメッキ、スズ鉛半田
メッキ、クロムなどのメッキや蒸着、電着を施した導体
などである。
【0034】被接続のチップ部品としては、コンデンサ
ー、抵抗値、コイル、LSIチップ、QFP、SOP、
DIPなどを用いることができるが、接続電極として
は、銀、銀パラジウム、アルミニウム、銅、銀銅合金、
白金、金、アルミニウム、ニッケル銅合金、ステンレス
などや、これらに、すず、半田、ニッケル、金などのメ
ッキや蒸着、電着したものを用いることができ、LSI
チップなどの場合にはバンプを用いても接続できる。バ
ンプは、メッキや金ワイヤーボンデイング、ハンダボー
ル、ニッケルボール、銅ボールなどを形成されている物
でも構わない。
【0035】LSIチップを直接ガラス基板やプリント
基板上に実装する場合をCOG(チップオングラス)、
COB(チップオンボード)、COF(チップオンフィ
ルム)と呼んでいるが、この場合にも接続媒体として本
発明の異方導電性組成物あるいはフィルムを用いること
ができる。本発明の異方導電性フィルムあるいは組成物
は、銅合金粉末表面に絶縁性樹脂でコートされている銅
合金粉末を含んでいるためにファインピッチで且つ高電
圧がかかる場合は特に安定した絶縁性が確保される。ま
た、銅合金粉末は熱伝導性が良好であるために、加圧加
熱時に接続に寄与する銅合金粉末の表面にコートされて
いる絶縁性樹脂が溶融し速やかに除去できるため、生産
性にも優れる。
【0036】そのため、10〜200ミクロンピッチの
ファインピッチ、さらには、10〜50ミクロンの超フ
ァインピッチでの接続が可能である。当然、幅広いピッ
チでの接続にも応用できる。また、さらには、電極間に
数十Vの電圧や100V以上の電圧が印可されても隣接
電極間での充分な絶縁性が維持できるものである。当
然、接続時には、本発明の異方導電性組成物あるいは異
方導電性フィルムは、導電性が非常に優れ、ファインピ
ッチでの接続でも導通低下が少なく高電流用途100m
A以上の用途などにも充分な威力を発揮できる。また、
高電流を流す用途では、電気的に発生する熱を逃がす能
力もある。すなわち異方導電性組成物あるいはフィルム
中に存在する銅合金粉末が熱伝導が良く、この粉末を伝
って基板側へ放熱する作用も有している。
【0037】基板上の導体及び電極は、メッキ法、エッ
チング法、導電ペースト硬化、導電ペースト焼結、導体
ボール、メッキ、蒸着、電着、スパッタリングなどによ
り作製された物で良い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に本発明の異方導電性組成物
あるいは異方導電性フィルムの実施例を示す。
【0039】
【実施例】表1に本発明で用いる銅合金粉末の作製例を
示す。先ず、所定量の銅と銀の粒子を黒鉛るつぼに入
れ、高周波誘導加熱を用いて不活性ガス雰囲気中で加熱
溶解する。溶解後、不活性ガス雰囲気中ヘリウムまたは
窒素中へ噴出し、同時に高速の不活性ガスを融液に対し
て噴出して急冷凝固して微粉末を作製する。さらに、気
流分級機にて所定の大きさにカットした。得られた銅合
金粉末は球状に近い形状をしており、平均組成及び表面
組成、平均粒子径、粒子径分布、含有酸素量は、前記記
載の方法で測定した。
【0040】さらに、ハイブリダイゼーションシステム
に銅合金粉末100重量部に対してポリフッ化ビニリデ
ン1〜30重量部入れて、90℃で20分間処理した。
こうして得られた銅合金粉末の表面の絶縁性樹脂層の厚
さをSEM観察により測定した(厚さはコートされてい
る表面の最大と最小値の平均値とした)。この時の厚さ
も表1に示す。
【0041】表1で得られた本発明で用いる銅合金粉末
に混合して用いる有機バインダー(エポキシ樹脂、エポ
キシ以外の樹脂)を表2に示す。また、エポキシ樹脂と
同時に用いるマイクロカプセル型イミダゾール誘導体エ
ポキシ化合物からなる硬化剤を表3に示す。表1、表
2、表3に示される銅合金粉末及び有機バインダー及び
マイクロカプセル型硬化剤を混合してなる異方導電性組
成物及び異方導電性フィルムを表4、表5に示す。異方
導電性フィルムは、表中に記載のベースフィルム及びカ
バーフィルムを用いて、塗工幅100mm、17ミクロ
ン厚さでダイコータ−で50m塗工したものである。塗
工性は、1m長さの塗膜以内に凝集物が5個以上ある場
合を×、1〜4個までを△、0個を○とした。また、異
方導電性組成物及びフィルムの保存安定性評価は、25
℃で放置した時のタック性を評価して、初期値の0.4
〜0.6にタック性が低下したものは△とした。それ以
下は×とし、0.6を超える場合は○とした。
【0042】表4、表5に示される異方導電性組成物及
びフィルムを用いて接続される接続体(接続基板と被接
続基板あるいは被接続チップ)の特性を、表6の評価例
に示す。本発明の異方導電性組成物及び異方導電性フィ
ルムについては以下の表6の評価例に示されるような接
続、被接続基板、電極、ピッチで、接続抵抗、環境試
験、絶縁性試験、基板密着性、リペアー性を検討した。
異方導電性組成物は、スクリーン印刷にて接続基板導体
上に2mm幅で約17ミクロンの厚さで印刷した。異方
導電性組成物のフィルム(異方導電性フィルム)の場合
には、塗膜を幅2mmでスリッテイングして、プラスチ
ックリール上に巻き取り、リールより接合に必要な長さ
を引き出し、カバーフィルムを外した後、接続基板上導
体を覆うように仮付けし、ベースフィルムを外した後、
さらに、CCDカメラにて被接続基板あるいは被接続チ
ップ(LSI等)を電極同士が向かい合うようにアライ
メントして、ツールで加圧、加熱して接合した。接続時
の圧力は20kg/cm2 、温度は170℃ 10秒で
行った。
【0043】接続抵抗は、4端子法で測定し、基板上の
各端子の接続抵抗を補正して求めた。環境試験は、ー5
5〜125℃ 各30分での3000サイクル試験、及
び高湿度放置(60℃ 90%RH)4000時間を行
って初期接続抵抗値に対してどちらも抵抗変化率が10
%以下を○とし、10%を超えて100%未満を△、1
00%を超える場合を×とした。
【0044】本発明の異方導電性組成物の特徴である耐
電圧絶縁性試験は、60℃ 90%RH1000時間後
に250V、1秒のパルス電圧を50回印可した後の隣
接電極同士での絶縁抵抗を測定し、1012オーム以上を
絶縁性が良好○であるとした。1012オーム未満108
オーム以上を△、108オーム未満を×とした。リペア
ー性は、接続基板を機械的に剥がし、電極あるいは端子
上の残存物をアセトンをしみ込ませた綿棒で繰り返し拭
き取り、拭き取り回数が100回以下で残存物が電極上
よりとれる場合を○とした。完全な拭き取りが100回
を超える場合を×とした。
【0045】密着強度については、機械的なピール剥が
し強度が500gf以上を○とし、それ以下を×とし
た。最大許容電流値は、1Aまで印可直流電圧と電流値
とが、直線関係にある場合を最大電流値が良好○である
とした。1A以下で直線性から外れるものを×とした。
測定は、定電圧電流計(ケンウッド製)を用いて行い、
LSIチップなどの場合は、バンプ側を短絡させて行
い、基板と基板との接続はそのまま行った。
【0046】
【比較例】表7、8、9、10に比較例の異方導電性組
成物及びフィルムを示す。表11に表7、8、9、10
の比較例の異方導電性組成物及びフィルムの評価結果を
示す。評価方法は実施例と同じである。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】
【表11】
【0058】
【発明の効果】本発明の異方導電性組成物及びフィルム
は以下の点に優れた効果を有する。 1.銀を少量含有し、且つ銅合金粉末表面の銀濃度が平
均の銀濃度より高いために、接続抵抗値が低く、ファイ
ンピッチ接続でも低抵抗が得られ、且つ耐環境性(超フ
ァインピッチ接続での高湿度放置、ヒートサイクル)で
の接続信頼性に優れる。 2.粒径分布を有しており、且つ平均粒子径に近い粒子
が多いために、塗工時のチキソ性に適し、接続時に有効
に働く粒子が多い。 3.粉末表面の銅成分は或程度の量の酸素を含有してい
るために、絶縁性樹脂コート時に銅合金粉末との濡れ性
が良く、そのためコートが粉末表面全体にかかりやす
い。 4.絶縁性樹脂でコートされているために、ファインピ
ッチでの耐電圧絶縁性に優れる。 5.銅合金粉末が絶縁性樹脂でコートされているため
に、加熱時の熱が粉末に伝わりやすく、接続に寄与する
粉末のコートされている絶縁性樹脂が短時間で溶融除去
しやすく、短時間接続が可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)、(2)の特徴を有する平均
    粒子径2〜15ミクロンの銅合金粉末1重量部に対して
    0.5〜200重量部のエポキシ樹脂、且つエポキシ樹
    脂100重量部に対して硬化剤としてマイクロカプセル
    型のイミダゾール誘導体エポキシ化合物5〜250重量
    部を含有してなる異方導電性組成物。 (1)一般式AgX Cu1-X (0.001≦x≦0.
    6、xは原子比)で表され、且つ粉末表面の銀濃度が平
    均の銀濃度より高い (2)粉末表面に、0.01〜1ミクロンの厚さの絶縁
    性樹脂がコートされている
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂100重量部に対して、フ
    ェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルゴム、SB
    R、NBR、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹
    脂、ウレタン樹脂より選ばれた1種以上を1〜250重
    量部含有してなる請求項1記載の異方導電性組成物。
  3. 【請求項3】 銅合金粉末の粒度分布において、平均粒
    子径±2ミクロン以内の粉末が30〜100体積%、含
    有酸素量が1〜10000ppmであることを特徴とす
    る請求項1または2記載の異方導電性組成物。
  4. 【請求項4】 マイクロカプセル型イミダゾール誘導体
    エポキシ化合物の平均粒子径が1〜10ミクロンである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異方
    導電性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の異方導
    電性組成物をフィルム状としたことを特徴とする異方導
    電性フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の異方導電性フィルムが少
    なくとも片面には絶縁性フィルムを有してなる異方導電
    性フィルム。
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