JPH10215897A - 染色体相互転座による変異細胞検出方法、その検出用プローブキット、およびその検出装置 - Google Patents

染色体相互転座による変異細胞検出方法、その検出用プローブキット、およびその検出装置

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JPH10215897A
JPH10215897A JP2295097A JP2295097A JPH10215897A JP H10215897 A JPH10215897 A JP H10215897A JP 2295097 A JP2295097 A JP 2295097A JP 2295097 A JP2295097 A JP 2295097A JP H10215897 A JPH10215897 A JP H10215897A
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JP
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probe
fluorescence
probes
mrna
fluorescence spectrum
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Application number
JP2295097A
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English (en)
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Hiroyuki Koshimoto
裕之 腰本
Yoshihiro Sato
至弘 佐藤
Akihiko Tsuji
明彦 辻
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Original Assignee
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色体相互転座による変異細胞検出方法、そ
の検出用プローブキット、およびその検出装置 【解決手段】 融合mRNAを、前記融合mRNAの融
合点をはさむ5’スプライス部と3’スプライス部に連
続してハイブリダイズ可能な2種類1組のプローブであ
って、前記プローブがそれぞれエネルギードナー蛍光色
素、およびエネルギーアクセプター蛍光色素でラベル化
されたプローブの蛍光スペクトルと、前記プローブが前
記融合mRNAとハイブリダイズして形成されるハイブ
リダイズ体の蛍光スペクトルとを測定することにより判
別して、染色体相互転座による変異細胞を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色体相互転座に
よる変異細胞検出方法、その検出用プローブキット、お
よびその検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】造血器腫瘍は発症までの時間的な差や、
腫瘍が発症する造血器の種類等の違いにより、いくつか
のタイプが存在することが知られている。これらのタイ
プにより、その症状も発症の時期も異なるため、このタ
イプに合せて、治療薬の選択や投薬のタイミングを決定
することが、治療上で重要であるとされている。また、
前記造血器腫瘍は、多彩な病態の集まりであるため、そ
の症状だけからは病気のタイプを確定することは難しい
とされており、なんらかの生化学的な指標や遺伝子マー
カーを用いた判定方法が必要とされている。例えば、上
記目的にとって十分なものではないが、白血病のタイプ
判別として第9番染色体と第22番染色体の間での相互
転座により生じるフィラデルフィア染色体と呼ばれる異
常な染色体の出現観察がよく用いられている方法であ
る。
【0003】一方、造血器腫瘍の発症の原因が、染色体
の相互転座による融合遺伝子が原因であるということが
強く示唆されており、この知見に基づくRT−PCR法
やFISH法等により、造血器腫瘍のタイプ判別が行わ
れている。しかしながら、これらのRT−PCR法やF
ISH法は、感度の点では優れた方法であるが、検出時
間が長時間を要することや、検出操作が煩雑であるなど
の点で問題がある。また、上記RT−PCR法は、染色
体転座によって融合する遺伝子をそれぞれ認識する適当
なプライマーを設計しこれを用いて遺伝子の増幅を行う
ものであるが、mRNAから一度RNAをcDNAに逆
転写することから、プライマーを4種類必要とするとい
う煩雑な操作が必要であるという問題もある。また、前
記増幅過程でミスマッチによるエラーの可能性について
も問題となる。さらに、FISH法は操作に熟練を要
し、簡便に迅速正確に多量試料を検査するには問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記の従来
技術が有する問題点に鑑み、染色体転座による変異細胞
を検出するために、染色体転座によって融合形成された
変異遺伝子を有する変異細胞に基づく融合mRNAを、
タイプ別に、簡便迅速に検出可能とし、係る融合mRN
Aの存在の判別に基づき前記変異細胞を検出する方法を
見出し本発明を完成するに至った。さらに、その検出方
法に使用可能なプローブキット、及びその検出装置を開
発することにも成功した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、染色体転座に
よる変異細胞を検出するための方法と、その検出方法に
使用可能なプローブキット及び、検出装置に関するもの
である。
【0006】本発明において、変異遺伝子とは、染色体
相互転座により形成される遺伝子であって、例えばAと
いう種類の遺伝子の一部と、例えばBという種類の遺伝
子の一部が、ある長さと適当な塩基配列のDNAを介し
て融合したものである。さらに、本発明において融合m
RNAとは、前記変異遺伝子に基づきスプライシング等
により形成される成熟mRNAであって、前記遺伝子A
およびB由来の部分(例えば、それぞれ5’又は3’ス
プライス部という)が直接連続して結合(前記スプライ
ス部が結合した位置を融合点という)したものをいう。
【0007】従って、前記融合mRNAを検出しその存
在を判別することにより前記変異遺伝子の存在を判別し
てその結果、前記変異細胞の存在を検出可能とする。さ
らに、前記融合mRNAを検出するために、前記mRN
Aの塩基配列中の前記連続して結合した5’および3’
スプライス部の存在を検出することで可能となるもので
ある。
【0008】従って、本発明に係る染色体相互点座によ
る変異細胞の検出方法は、試料中の前記融合mRNAの
存在を選択的に判別するためのプローブを用いるもので
あれば特に制限されるものではないが、本発明において
は、前記プローブとして、前記の融合点を含む5’およ
び3’スプライス部に選択的にハイブリダイズ可能なオ
リゴヌクレオチドプローブまたはホスホロチオエート型
オリゴヌクレオチドなどヌクレアーゼ耐性を持つ種々の
オリゴヌクレオチド誘導体を用いたプローブの使用が好
ましい。より好ましくは、前記5’スプライス部と3’
スプライス部に連続して別々にハイブリダイズ可能な2
種類1組のプローブを使用することである。さらに好ま
しくはハイブリダイズのミスマッチを防止するための、
前記融合点をはさんで前記5’および3’スプライス部
に連続してハイブリダイズ可能な2種類1組のプローブ
を使用することである。
【0009】さらに、本発明は、前記プローブが前記m
RNAにハイブリダイズしたハイブリダイズ体を検出す
る手段についても制限されないが、特に前記1組2種類
のプローブがそれぞれエネルギードナー蛍光色素、およ
びエネルギーアクセプター蛍光色素でラベル化し、これ
らの色素の蛍光スペクトルを観測することが好ましく使
用可能である。特に、前記2種類の蛍光色素は、前記ハ
イブリダイズ体形成による蛍光色素間蛍光エネルギー移
動現象によりこれらの色素に基づく蛍光スペクトルが変
化するものが好ましく使用可能である。この場合におい
ては、前記蛍光スペクトル変化を観測することにより、
前記mRNAとプローブとのハイブリダイズ体形成の判
別を可能とし、従って、mRNAの存在の判別、すなわ
ち、前記染色体相互転座による変異細胞の検出が可能と
なる。
【0010】本発明に係る染色体相互転座による変異細
胞の検出方法は、さらに、試料中に2種類以上の異なる
染色体相互転座による変異細胞の同時検出に関するもの
である。ここで、2種類以上の異なる染色体相互転座に
よる変異細胞とは、前記の5’又は3’スプライス部の
いずれかの部を共通に有するmRNAを生成する変異遺
伝子を有するものである。例えば5’スプライス部を共
通にする場合には、相違する3’スプライス部を有する
複数のmRNAを含む試料中において、それぞれのmR
NAの存在を同時に判別可能とするものである。この場
合、プローブとしては、共通する5’スプライス部にハ
イブリダイズする1種類のプローブと、相違する3’ス
プライス部のそれぞれハイブリダイズ可能な複数種類の
プローブとからなるプローブが好ましく使用可能であ
る。また、前記プローブがそれぞれのmRNAとハイブ
リダイズ体を形成した場合に測定される蛍光スペクトル
は、エネルギーアクセプター蛍光色素をそれぞれ異なる
蛍光波長の色素を選択使用することで、それぞれの蛍光
スペクトルの重ね合わせとなる。従って、適当な波形処
理によりそれぞれのmRNAの存在及び存在比等を同時
に判別可能となる。
【0011】本発明にかかる方法に使用可能な染色体転
座による変異細胞を検出する検出用プローブキットの構
成としては、基本的にエネルギードナープローブとアク
セプタープローブの2種類1組のオリゴヌクレオチド又
はホスホロチオエート型オリゴヌクレオチドなどヌクレ
アーゼ耐性を持つ種々のオリゴヌクレオチド誘導体から
なるであって、前記ドナープローブ及びアクセプタープ
ローブが、連続又は互いに隣接して前記mRNAの一部
と相補的にハイブリダイズしてハイブリダイズ体を形成
し、前記ドナープローブの光励起に基づく蛍光スペクト
ルとは異なる蛍光スペクトルを与えるように、前記ドナ
ープローブがエネルギードナー蛍光色素を有し、前記ア
クセプタープローブがエネルギーアクセプター蛍光色素
を有する構造を有するものである。さらに、複数のmR
NAの同時検出の目的で、相違する複数の前記プローブ
を使用することも可能である。
【0012】さらに本発明に係る、上記方法を用いた多
検体試料中の特定の染色体転座による変異細胞検出装置
は、試料調製装置、プローブキット選択装置と、ハイブ
リダイズ用反応装置および蛍光スペクトル測定装置、そ
の蛍光スペクトル測定データーを取り込み手段と、特定
の変異細胞判別手段とを備える装置である。
【0013】より詳しくは、本発明は、融合mRNA
を、前記融合mRNAの融合点をはさむ5’スプライス
部と3’スプライス部に連続又は互いに隣接してハイブ
リダイズ可能な2種類1組のプローブであって、前記プ
ローブがそれぞれエネルギードナー蛍光色素、およびエ
ネルギーアクセプター蛍光色素でラベル化されたプロー
ブの蛍光スペクトルと、前記プローブが前記融合mRN
Aとハイブリダイズして形成されるハイブリダイズ体の
蛍光スペクトルとを測定することにより判別して、染色
体相互転座による変異細胞を検出する方法を提供するも
のである。
【0014】また、本発明は、前記ハイブリダイズ体の
蛍光スペクトルが、前記蛍光色素間の蛍光エネルギ移動
に基づく蛍光を含むことを特徴とする前記記載の方法を
提供するものである。
【0015】さらに、本発明は、5’又は3’スプライ
ス部のいずれかの部を共通に有する複数のmRNAを、
前記5’スプライス部に共通してハイブリダイズする1
種類のプローブと、相違する3’スプライス部のそれぞ
れにハイブリダイズ可能な複数種類のプローブとからな
る複数のプローブであって、前記5’スプライス部に共
通してハイブリダイズする1種類のプローブがエネルギ
ドナー蛍光色素でラベル化され、前記相違する3’スプ
ライス部のそれぞれに相違する蛍光色素でラベル化され
た複数のプローブの蛍光スペクトルと、前記プローブが
前記融合mRNAとハイブリダイズして形成されるハイ
ブリダイズ体の蛍光スペクトルとを測定することにより
選択的に判別して、染色体相互転座による変異細胞を検
出する方法を提供するものである。
【0016】また、本発明は、前記ハイブリダイズ体の
蛍光スペクトルが、前記蛍光色素間の蛍光エネルギ移動
に基づく蛍光を含むことを特徴とする前記記載の方法を
提供するものである。
【0017】さらに、前記記載の方法であって、前記ハ
イブリダイズ体の蛍光スペクトルの波形解析によりmR
NAを選択的に判別することを特徴とする方法を提供す
るものである。
【0018】また、本発明は、融合mRNAを判別し
て、染色体相互転座による変異細胞を検出する方法に使
用するプローブであって、記融合mRNAの融合点をは
さむ5’スプライス部と3’スプライス部に連続してハ
イブリダイズ可能な塩基配列を有する2種類1組のプロ
ーブであって、前記プローブがそれぞれエネルギードナ
ー蛍光色素、およびエネルギーアクセプター蛍光色素で
ラベル化され、前記融合mRNAとハイブリダイズして
形成されるハイブリダイズ体の蛍光スペクトルが、前記
蛍光色素間の蛍光エネルギ移動に基づく蛍光を含むこと
を特徴とするプローブに係るものである。
【0019】さらに、本発明は、ターゲット遺伝子を含
む試料溶液を調製する試料調製装置と、プローブキット
を選択してプローブ溶液を調製するプローブキット選択
装置と、前記調製された試料と前記プローブキット溶液
を混合してハイブリダイズする反応装置と、前記混合溶
液の蛍光スペクトルを測定する蛍光測定装置と、前記測
定された蛍光スペクトル測定データーを取り込むデータ
ー取り込み手段と、前記データを処理しターゲット遺伝
子が存在するか否かを判別する判別手段とを備えること
を特徴とする転座融合遺伝子検出装置に係るものであ
る。
【0020】以下実施の態様に基づいて本発明をより詳
細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】
(染色体相互転座による変異細胞)本発明に係る方法、
プローブキット、及び装置により検出し、判別され得る
変異細胞の染色体相互転座の種類については特に制限は
ない。従来知られた下表にまとめたヒト白血病のタイプ
別染色体相互転座位置および変異遺伝子(融合遺伝子)
の検出は特に好ましく可能である。
【0022】 表 ======================================================================= 染色体転座 変異遺伝子 翻訳産物 タイプ の5’および 3’スプライス部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− t(8;21)(q22;q22) AML1-MTG8 転写因子/DNA結合蛋白 AML t(3;21)(q26;q22) AML1-EVI-1 転写因子/DNA結合蛋白 AML t(3;21)(q26;q22) AML1-MDS1 CML-BC t(12;21)(q13;q22) TEL-AML1 T cell ALL t(4;11)(q21;q23) MLL-AF4 pro B ALL t(9;11)(q21;q23) MLL-AF9/MLLT3 ALL t(11;19)(q23;q13) MLL-ENL ALL t(X;11)(q13;q23) MLL-AFX1 T cell ALL t(1;11)(q32;q23) MLL-AF6 ALL t(11;17)(q23;q21) MLL-AFL17 DNA結合蛋白 AML t(1;19)(q23;q13.3) E2A-PBX1 MDS t(17;19)(q22;q13) E2A-HLF pro B ALL t(15;17)(q21;q21) PML-RARα 転写因子/DNA結合蛋白 APL t(11;17)(q23;q21.1) PLZF-RARα 転写因子/DNA結合蛋白 APL t(9;22)(q34;q11) bcr-abl チロシンキナーゼ CML/ALL t(6;9)(q23;q34) DEK-CAN AML t(5;12)(q33;q13) PDGF-b-TELLチロシンキナーセ゛/DNA結合蛋白 CMMol t(16;21)(q11;q22) FUS-ERG AML/MDS ======================================================================= この際、各スプライス部の塩基配列は知られている必要
があるが、それらは従来公知の塩基配列決定方法により
決定され得るものである。
【0023】(染色体相互転座による変異細胞検出用プ
ローブキット)本発明に係るプローブキットは、オリゴ
ヌクレオチド又はホスホロチオエート型オリゴヌクレオ
チドなどヌクレアーゼ耐性を持つ種々のオリゴヌクレオ
チド誘導体からなるものであり、基本的には、(1)エネ
ルギードナー蛍光色素を有するドナープローブと、(2)
エネルギーアクセプター蛍光色素を有するアクセプター
プローブからなるものである。さらに、前記ドナープロ
ーブは、前記融合mRNAの5’スプライス部を含む特
定塩基配列と相補的にハイブリダイズ可能な塩基配列を
有するものであり、さらに、前記アクセプタープローブ
は前記mRNAの3’スプライス部を含む特定塩基配列
と相補的にハイブリダイズ可能な塩基配列を有するもの
であり、さらに(3)前記2種類のプローブは、前記融合
mRNAにハイブリダイズしてハイブリダイズ体を形成
した際に、エネルギードナー色素を励起して、蛍光エネ
ルギー移動により生じるエネルギーアクセプター色素か
らの蛍光を含めて蛍光スペクトルを測定するものであ
る。
【0024】従って、前記蛍光が観測される場合には、
前記ハイブリダイズの存在を示し、前記融合mRNAが
存在することを判別できるものである。ここでは説明の
ために、ドナープローブが、前記融合mRNAの5’ス
プライス部を含む特定領域と相補的にハイブリダイズ可
能な塩基配列を有するものであり、アクセプタープロー
ブが、前記融合mRNAの3’スプライス部を含む特定
領域と相補的にハイブリダイズ可能な塩基配列を有する
ものであるとしたが、これに制限されず、5’側と3’
側を入れ替えてもよい。
【0025】具体的には、図1に説明されるように、検
出されるべき融合mRNAがAML1由来の5’スプラ
イス部であり、MTG8遺伝子由来の3’スプライス部
を融合したmRNAとするとき、5’末端にエネルギー
ドナー蛍光色素でラベル化され、5’スプライス部とハ
イブリダイズ可能な相補的塩基配列を有するドナープロ
ーブと、3’末端近くにエネルギーアクセプター蛍光色
素でラベル化され、3’スプライス部とハイブリダイズ
可能な相補的塩基配列を有するアクセプタープローブと
を、前記mRNAとハイブリダイズさせてハイブリダイ
ズ体を形成した場合、前記エネルギードナー蛍光色素を
励起する際、共鳴エネルギー移動により、前記エネルギ
ードナー蛍光色素からの蛍光のみではなく、エネルギー
アクセプター蛍光色素からの蛍光も観測される。すなわ
ち、観測されるのは、エネルギードナー蛍光色素のみに
よる蛍光スペクトルではなく、エネルギーアクセプター
蛍光色素による蛍光スペクトルも重なったスペクトルと
なる。ここでアクセプター蛍光色素がハイブリダイズし
ない場合(すなわち、前記mRNAがない場合)には、
エネルギードナー蛍光色素によるもののみとなる。
【0026】さらに上の表によると、AML1の関与す
る融合遺伝子の例が多く認められる。慢性骨髄白血病や
骨髄異形形成症侯群において、第3染色体と第21番染
色体間で相互転座がおこり、AML1(5’側)とEV
I1(3’側)との融合が生じていることがわかる。ま
た、急性リンパ性白血病において、12番と第21番染
色体が相互転座をおこし、TEL(5’側)とAML1
(3’側)との融合が生じていることがわかる。同様に
急性骨髄性白血病では、第3、第21番染色体間におけ
る転座ではAML1(5’側)とMTG8(3’側)と
の融合が生じていることがわかる。AML1遺伝子産物
はショウジョウバエの分節形成をつかさどるruntや、マ
ウスポリオーマウイルスエンハンサー結合因子の塩基配
列と高い相同性を示すことが知られており、これら因子
は細胞の分化を制御する遺伝子であると考えられてい
る。また、第3、21番染色体間における転座のAML
1遺伝子の融合相手遺伝子であるMTG8もZnフィン
ガーとよばれるDNA結合のモチーフを有することか
ら、DNAに結合することにより遺伝子転写を調節する
因子をコードするものと考えられている。すなわち、A
ML1遺伝子産物は、造血組織腫瘍の発症に深く関わっ
ていることが示唆され、染色体転座により、種々の遺伝
子と融合することによりその生理活性を変化させている
ことが示唆されている。同様に5’側にMLL遺伝子共
通遺伝子として融合する場合が多くあることが示されて
いる。さらに、3’側に共通遺伝子としてRARα遺伝
子が融合する場合も見られる。
【0027】本発明に係る方法は、前記mRNAであっ
て、5’または3’スプライス部の1つが共通する複数
のmRNAが、複数種類混在した場合でも使用可能、か
つ簡便にそれぞれのmRNAを同時に判別可能とするも
のである。
【0028】この目的に使用するプローブキットは、
(1)エネルギードナー蛍光色素を有する共通のドナープ
ローブと、(2)複数のアクセプタープローブであって、
それぞれのエネルギーアクセプター色素の蛍光波長が相
違する蛍光色素を有するアクセプタープローブからなる
ものである。さらに、前記ドナープローブは、複数の前
記mRNAのうち共通のスプライス部(例えば5’スプ
ライス部とする)の特定領域と相補的にハイブリダイズ
可能な配列を有し、また前記複数のアクセプタープロー
ブは、それぞれ相違するスプライス部(例えば3’スプ
ライスとする)の特定領域と相補的にハイブリダイズ可
能な配列を有するものであり、(3)前記ドナープローブ
と、アクセプタープローブは、試料中の前記複数のmR
NA混合物にそれぞれハイブリダイズしてハイブリダイ
ズ体を形成し、エネルギードナー色素を励起した際に、
エネルギードナー色素のみによる蛍光スペクトルのみな
らず、蛍光エネルギー移動によりそれぞれのエネルギー
アクセプター色素からの蛍光スペクトルをも重ね合せら
れた蛍光スペクトルを測定するものである。従って、前
記エネルギーアクセプター色素からの波長の蛍光が観測
される場合には、前記特定のハイブリダイズの存在を示
し、特定の融合mRNAが存在することを判別できる。
この際得られる蛍光スペクトルは、それぞれのスペクト
ルが重ねられたものとなるが、通常の波形解析により、
それぞれ分離することが可能である。
【0029】上では、エネルギードナープローブがmR
NAの5’スプライス部として説明したが、前記エネル
ギードナープローブmRNAの3’スプライス部にある
としても同じ結果が得られる。
【0030】具体的には図2に示されるように、3種類
の異なるターゲット遺伝子がAML1遺伝子を5’側で
共通に有し、さらに3’側の融合遺伝子として、MTG
8遺伝子、EVI1遺伝子、MDS1遺伝子を融合した
ものであるとするとき、3’末端にエネルギードナー蛍
光色素でラベル化され、AML1遺伝子とハイブリダイ
ズ可能な相補的塩基配列を有するドナープローブと、
5’末端近くにエネルギーアクセプター蛍光色素でラベ
ル化され、MTG8遺伝子、EVI1遺伝子、及びMD
S1遺伝子とハイブリダイズ可能な相補的塩基配列を有
する3種類のアクセプタープローブとを、前記ターゲッ
ト遺伝子とハイブリダイズした場合、前記エネルギード
ナー蛍光色素を励起する際、共鳴エネルギー移動によ
り、前記エネルギードナー蛍光色素からの蛍光のみでは
なく、3種類のエネルギーアクセプター蛍光色素からの
それぞれの蛍光が観測される。すなわち、観測されるの
は、エネルギードナー蛍光色素による蛍光スペクトルで
はなく、3種類のエネルギーアクセプター蛍光色素によ
る蛍光スペクトル(又はそれらの重なり)である。蛍光
スペクトルが重なる場合においては、適当な波形解析手
段によりそれぞれ3種類のmRNAの存在を判別可能と
なる(図3)。
【0031】(慢性骨髄性白血病及び急性リンパ球性白
血病の確定診断及び寛解導入の分子モニター)上で説明
した、共通の1種類のエネルギードナープローブと、3
種類のエネルギーアクセプタープローブからなる本発明
にかかるキットを用いて、慢性骨髄性白血病及び急性リ
ンパ球性白血病の確定診断及び寛解導入の分子モニター
が可能となる。従来は慢性骨髄性白血病(CMLと略
す)における確定診断は、t(9;22)染色体転座の
結果生じるフィラデルフィア染色体(Ph1)の検出法
によっている。ただし、Ph1陰性の場合の5−10%
の割合で見出されているため、転座にともなう遺伝子の
再構成を検出する分子レベルでの検出方法(BCR−a
bl)が必要となる。CMLにおける診断と治療フロー
チャートを示す。慢性期−>IFN−α、化学療法−>
寛解−>骨髄移植−>急性移行−−>IFN−α、化学
療法 ここで示されるように、CMLは数年の後に急性期に移
行するため(表中下線部)、急性骨髄性白血病や急性リ
ンパ球性白血病(ALL)との識別が重要となる。さら
に、識別を行った上で治療戦略を検定することが必要と
なるが、この際、遺伝子の再構成を簡易に検出する方法
が役にたつと考える。CMLおよびALLにおけるBC
R−ablの再構成は、図に示すように、BCR遺伝子
側の融合部位が異なる。CMLにおいては、EX2およ
びEX3とablのEX2が融合を起こすM−BCRで
あるのに対し、ALLではBCRのEX1とablのE
X2が融合するm−BCRが存在する。そこで、abl
のEX2を共通に認識するドナー蛍光色素で標識し、一
方、BCR側のM−BCRよりBm−BCRを構成する
EX2,3およびEX1を別々に波長域に蛍光を発する
色素でラベル化したプローブを、患者から採取したmR
NAまたはそのmRNAをRT−PCR法により増幅し
たDNAサンプルに混合し、M−BCRおよびm−BC
Rを構成するEX2,3およびEX1をそれぞれ識別す
るプローブの蛍光波長域における蛍光強度を比較するこ
とにより、融合部位を判別できる。
【0032】また、病型の識別だけでなく、治療後の寛
解期における残存病変細胞(MRD)数の定量を行うこ
とも可能とするものである。すなわち、正常のBCRを
認識するプローブを作製し、サンプルに添加し、正常の
BCRを認識する蛍光と以上融合遺伝子を認識する蛍光
強度比から残存病変細胞の存在比を推定することが可能
である。これにより寛解導入後の予後評価を簡便におこ
なうことが可能となる。
【0033】 表 造血腫瘍にみられる染色体異常都関係する遺伝子 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 病型 FAB分型 染色体異常 遺伝子 ---------------------------------------------------------------------- AML M1 t(9;22) abl,bcr M2 t(8;21),t(7,11) AML1,MTG8(ETO ) M3 t(15;17) PML,RARα M4 inv(16),del(16) M5 t(9;11) est−1 ALL t(9;22) abl,bcr L1,L2 t(4;11)est−1 L3 t(8;14) myc、IgH T−ALL t(11;14)Tcl−2、TCR CML t(9;22) abl,bcr 急性転化 t(3;21) AML1,Evi1 CLL inv(14)Tcl−1、TCR NHL リンパ球性t(11;14) bcl−1、IgH ろ胞性 t(11;18)bcl−2、IgH バーキットt(8;14) myc、IgH -------------------------------------------------------------------- A;急性、M;骨髄球性、L;リンパ球性、t;転座、inv;逆位、del; 欠失 上記の目的に適当なプローブの例を以下に挙げる。
【0034】 ================================== CML mBCR−abl検出用プローブ BCREX2−abl(ドナー蛍光式素がBodypy、アクセプター蛍光色素 はCy3.5) ドナープローブ: 5’−GCCGCTGAAGGGCTT−3’ アクセプタープローブ:5’−TTGAACTCTGCTTAA−3’ BCREX3−abl(ドナー蛍光式素がBodypy、アクセプター蛍光色素 はCy3) ドナープローブ: 5’−GCCGCTGAAGGGCTT−3’ アクセプタープローブ:5’−CTTCCTTATTGATGG−3’ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ALL mBCR−abl検出用プローブ BCREX1−abl(ドナー蛍光式素がBodypy、アクセプター蛍光色素 はCy5) ドナープローブ: 5’−GCCGCTGAAGGGCTT−3’ アクセプタープローブ:5’−CTGCGTCTCCATGGA−3’ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− WildタイプBCR検出用プローブ(ドナー蛍光式素がBodypy、アクセ プター蛍光色素はCy5.5) ドナープローブ: 5’−TTCCGAACGAGCCAT−3’ アクセプタープローブ:5’−CTGCGTCTCCATGGA−3’ =================================== ここで、融合遺伝子型BCR−abl及び野性型BCR
遺伝子配列 は以下のようである。
【0035】 =================================== CML MBCR−abl BCR EX2−abl TTAAGCAGAGTTCAA AAGCCCTTCAGCGGC BCR EX3−abl CCATCAATAAGGAAG AAGCCCTTCAGCGGC ALL mBCR−abl BCR EX1−abl TCCATGGAGACGCAG AAGCCCTTCAGCGGC BCR cDNA TCCATGGAGACGCAG ATGGCTCGTTCGGAA =================================== また、CML MBCR−abl検出用RT−PCRプ
ライマーは以下に示した。
【0036】 =================================== CML MBCR−abl BCR EX2−abl foward reverse CACTCAGCCACTGAA AAAGTCAGCTGCTAC BCR EX3−abl foward reverse CACAGCATTCCGCTG AAAGTCAGCTGCTAC ALL mBCR−abl BCR EX1−abl foward reverse GATGGCGAGGGCGCC AAAGTCAGCTGCTAC BCR cDNA foward reverse GATGGCGAGGGCGCC GCCGTATCCAGGTGG =================================== (プローブキット調製方法)以上説明したように、本発
明に係るプローブキットの各プローブの塩基数又はその
塩基配列は、前記mRNAの既知の塩基配列に基づいて
決めることができる。この際、あまり塩基数が少ないと
ハイブリダイズにミスマッチが生じる可能性があり、従
って、少なくとも10以上であることが好ましく、さら
に15以上であれば特に好ましい。また、あまりに多い
と、プローブの取扱い、保存安定性等で困難となり、本
発明においては、30以下であればよい。
【0037】塩基配列は、ハイブリダイズさせるmRN
Aの塩基配列と完全に相補的となることが好ましいが、
実質的にミスマッチなくハイブリダイズすればよく、完
全に相補的でなくてもよい。具体的には、少なくとも8
0%以上の相同性を有することが好ましい。
【0038】本発明に係るプローブキットの有する蛍光
色素の種類とその位置についても特に制限はないが、調
製の容易性、蛍光エネルギー移動現象の効率、検出感度
等から、最適化することが可能である。この目的で、既
に知られているいくつかの蛍光色素の組合せを参照する
ことが可能である(Kay M.等、Biochemistry 34,293-30
0(1995))。
【0039】本発明において、特に好ましいく使用され
るエネルギードナー蛍光色素、エネルギーアクセプター
蛍光色素、それらの色素間の塩基数の組合せは以下の表
に示されている。
【0040】 表 色素種類 励起波長 蛍光波長 ==================================== エネルギードナー色素 Bodipy493/503 493 503 FITC 492 519 ローダミン 568 590-630 エネルギーアクセプター色素 Cy3 552 565 Cy3.5 581 596 Cy5 650 667 CY5.5 678 703 ローダミン 568 590 ==================================== さらに、上記説明した本発明に係るプローブキットのオ
リゴヌクレオチド配列部、及び蛍光色素結合のための調
製方法においては特に制限はない。公知の核酸合成方法
が好ましく使用可能である。特に種々の固相合成方法に
基づく自動合成方法が好ましく、例えばアミダイト、ト
リエステル等の合成法が好ましく用いられる(丹羽峰雄
著、化学と生物実験ライン、DNAの化学合成法、廣川
書店、平成4年)。さらに、プローブ中に蛍光分子を結
合するための好ましいリンカー部を導入する方法は種々
のポリペプチド修飾用試薬を用いることで可能である。
【0041】本発明においては、特に5’末端アミノ化
用試薬である6−(トリフルオロアセチルアミノ)ヘキ
シル−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピ
ル)−ホスホロアミダイトを、上記化学合成時に同時に
使用できる。これによりオリゴヌクレオチド鎖の任意の
位置にヘキシルアミノ基(トリフルオロアセチル基を除
いた後)を導入可能となる。
【0042】また、リンカー部の位置およびリンカー部
の長さの選択により、2種類の蛍光分子が好ましい相対
的空間配置をとるうるプローブを調製するために、その
空間配置を推定するための種々の分子モデルや、分子モ
デルコンピュータプログラム等が使用可能である。
【0043】リンカー部と必要な蛍光分子の結合方法、
または該リンカー部をオリゴヌクレオチドプローブの適
当な位置の塩基に結合する方法については、特に制限は
なく、化学合成方法により、または酵素による方法等が
使用可能である。
【0044】(ハイブリダイズ条件)本発明に係るハイ
ブリダイゼーションは、mRNAと、プローブであるD
NAとの間で生じるものである。従って、RNA−DN
A間の通常使用されるハイブリダイゼーション条件が好
ましく使用可能である。
【0045】(染色体相互転座による変異細胞検出方
法)本発明に係る染色体相互転座による変異細胞検出方
法は、前記プローブキットによるプローブが、連続して
前記mRNA一部と相補的にハイブリダイズしたハイブ
リダイズ体に、前記ドナープローブを光照射して光励起
した際に、蛍光エネルギー移動に基づく前記アクセプタ
ープローブの発蛍光が生じる現象に基づくものである。
さらに、前記アクセプター蛍光色素が相違すると、相違
する波長の蛍光が生じることとなる。
【0046】従って、通常公知の蛍光スペクトル測定方
法に基づき、前記エネルギードナー蛍光色素の励起波長
の光を照射し、前記エネルギーアクセプター蛍光色素の
蛍光波長を測定する方法が好ましく使用できる。
【0047】複数の相違するエネルギーアクセプター蛍
光色素を有するアクセプタープローブを使用する際に
は、測定される蛍光スペクトルは、それぞれのエネルギ
ーアクセプター蛍光色素の波長による蛍光スペクトルの
重ね合わせになる。従って、通常の波形解析手段によ
り、それぞれ蛍光スペクトルを分離することが可能であ
る。
【0048】上記解析手段により、複数のターゲット遺
伝子の存在を同時に判別することが可能となる。
【0049】本発明に係る方法を用いて多検体中に、特
定の染色体相互転座による変異細胞の存在を自動判別す
る方法の一例の処理フローを図4に示した。まずステッ
プS1において、各被検体の情報と、それに基づく所定
の初期値が読み込まれる。この際、前記初期値には、判
別されるべき特定の染色体相互転座およびそれに基づく
融合mRNAについての情報(塩基配列等)、それぞれ
のmRNAにハイブリダイズさせるに必要なプローブの
種類、蛍光スペクトルの測定条件、データ処理条件等で
ある。さらにステップS2で被検体が前処理されるべき
か否かを判別し、必要ならば、除タンパク質、着色物質
の除去等の前処理を行う(ステップS3)。さらにステ
ップS4で、被検体からmRNA抽出処理を行いmRN
Aを含む試料を調製する。ステップS5で、得られた各
試料にそれぞれの必要に応じたプローブキットを選択し
て混合する。ステップS6で、適当なハイブリダイズ条
件下でハイブリダイズ体を形成させた後、ステップS7
で、得られたハイブリダイズ体の蛍光測定してデータを
取込み(ステップS8)、蛍光測定データーを処理して
(ステップS9)、ターゲット遺伝子が存在するか否か
を判別し、また必要に応じてその量を定量する。
【0050】なお上記ステップS9におけるデータ処理
は、図3に示されるように、各アクセプタープローブに
よる蛍光スペクトルが重なったスペクトルとなるが、通
常公知の波形解析手段、又は通常の同時定量手段の処理
方法が使用され得る(例えば、西川泰治、平木敬三著、
機器分析実技シリーズ、「蛍光・りん光分析法」、共立
出版(株)、170−171ページ)。
【0051】(染色体相互転座による変異細胞検出装
置)図5は、本発明に係る染色体相互転座による変異細
胞検出装置の一実施例を示すものである。各被検体1
は、被検体を入れた試料管2中に保持され試料管保持ラ
ック3に並べられる。各試料管2には番号が付けられて
いる。前記試料管番号は、試料管番号読取り装置4によ
り読取られ制御装置5に記憶される。前記試料管内の被
検体は、サンプリング装置6によりサンプリングされ、
前処理装置7に送られる。前記前処理装置で単離された
mRNAを含む溶液は、さらに、混合装置8へ送られ
る。また、制御装置5により選択された適当なプローブ
を含む溶液が、プローブキット調製装置9で調製され、
前記混合装置8へと送られる。制御装置5により、ハイ
ブリダイズ条件に設定された前記混合装置8内で、前記
mRNAとプローブがハイブリダイズさせる。得られた
ハイブリダイズした溶液は、蛍光測定装置10へ送られ
る。測定条件等は制御装置5により設定される。測定装
置10で得られた測定データーは、制御装置5へ送ら
れ、記憶装置11に記憶される。さらに、前記データー
は制御装置5で処理され、入出力装置12へ出力され
る。
【0052】前記制御装置5は、前記試料管番号読取り
装置で読み込まれた試料管番号に基づきあらかじめ記憶
された、または、入出力装置12から入力された試料情
報を読み出し、必要な試料の濃度調製、試薬添加等のた
めの設定を行う。またプローブキットの選択及び、溶液
の調製をプローブキット調製装置9で行わせる。
【0053】さらに、制御装置5により、混合装置8で
の試料溶液と、プローブ溶液とのハイブリダイズ条件を
設定する。
【0054】制御装置5ではまた、前記測定装置10で
測定された蛍光スペクトルデーターに基づき、制御装置
内にあらかじめ、または入出力装置12から入力された
処理プログラムに基づき、波形解析を行い、所定の蛍光
波長での蛍光強度を算出し、バックグラウンド蛍光と比
較し、有意差の検定をして判別し、その結果を出力装置
に出力するものである。
【0055】なを、上で説明した装置の例は制御装置に
より自動化されているものを示したが、一部分の操作を
手動操作で行ってもよい。前記試料管は、単一でもよ
く、また同一種類の複数でもよい。サンプリング装置に
は、各試料情報を読取り装置が自動読み取る例が示され
たているが、制御装置に設けられた入力装置(例えばキ
ー入力装置)から、制御装置へ入力することも可能であ
る。試料に応じた試料情報には、判別されるべきターゲ
ット遺伝子の種類、濃度、必要なプローブキットの種
類、蛍光測定条件等が含まれる。試料情報読み取り装置
は、試料管自体のラベルを読むこと、またはラックの番
号から試料の番号を読み、制御装置により、記憶装置に
あらかじめ入力されている試料情報と参照することも可
能である。
【0056】制御装置は、サンプリング装置の制御、プ
ローブキット調製装置の制御の他、混合装置の最適条件
設定の制御(温度、時間等)を可能とするものである
が、必ずしも自動制御でなくても、手動で各条件を設定
してもよい。記憶装置には、あらかじめ、必要な蛍光測
定条件、バックグラウンドデータ、プローブキットの蛍
光特性等が記憶されているが、必ずしも記憶装置は必要
ではなく、入力装置により制御装置に入力することも可
能である。試料調製装置は、試料管内の試料溶液を必要
量採取し、適当な濃度に希釈し、場合により、フィルタ
ーによる濾過処理を施すものである。これらの処理は自
動化されていなくてもよい。プローブキット調製装置
は、制御装置によりプローブキットが選択され、必要な
濃度に溶液を調製するものである。これらの処理の全て
を必ずしも自動化する必要はなく、手動操作により行う
ことも可能である。
【0057】混合装置は、制御装置により、温度、時
間、撹拌処理等が制御されるものであり、これらの条件
は、あらかじめ決められた設定を実行するものでもよい
し、また、入力装置により入力された設定条件により実
行されてもよい。
【0058】測定蛍光スペクトルデーターの波形解析手
段は、通常の波形解析プログラムを使用可能である。具
体的には、所定の蛍光波長での蛍光強度を算出し、バッ
クグラウンド蛍光と比較し、あらかじめ設定された有意
差の検定をして判別することが可能である。
【0059】以下実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
【0060】(実施例1)ターゲット遺伝子として(A
ML1−MTG8、5’−CCCGAGAACCUCG
AAAUCGUACUGAGAAGC−3’)の融合部
を挟んだ5’側の15塩基と相補的な配列を有するオリ
ゴDNAを、蛍光色素であるBODIPYで標識したドナープ
ローブ(5’(Bodipy493/503)−TTCGAGGTT
CTCGGG−3’)と、前記融合部位を挟んだ3’側
の15個の塩基と相補的な配列を有するオリゴDNA
を、蛍光色素であるCY5で標識したアクセプタープロー
ブ(5’−GCTTCTCAGTA(Cy5)CGAT−
3’)を合成した。
【0061】得られた2つのプローブを前記標的の遺伝
子と混合して約10℃で数分静置後、イオン交換カラム
クロマトグラフを装着したHPLCにて以下の条件で分
析した。
【0062】溶液:1xSSC カラム:DEAE−NPR(No1) 流速:1ml/分、カラム温度25℃ 移動相:A;20mM Tris−HCl(pH9.
5)、1mM EDTA B;20mM Tris−HCl(pH9.5)、1m
M EDTA/1M NaCl 溶出条件;10分間にB液20%から100%まで直線
的に混合比を増大させる 検出:紫外線吸収:260nm、蛍光検出励起波長;4
75nm、蛍光波長675nm 5.9分の溶出位置に、前記2種類のプローブが隣接し
てハイブリダイズすることによる、ドナープローブの光
励起による蛍光エネルギー移動に基づくアクセプタープ
ローブよりの発光を検出した。従って、上記ハイブリダ
イズ体が上記クロマトグラフ条件下でも安定に存在する
ことが明かである。
【0063】(実施例2)共通する1種類のドナープロ
ーブと、相違する3種類の蛍光色素でラベル化したアク
セプタープローブを用いて、ハイブリダイズし、蛍光ス
ペクトルの測定を行った。
【0064】ターゲットとして、AML1とEV1の融
合RNAを使用した。全塩基配列は以下の通りである。
【0065】5’−AGAACCUCGAAAUTTU
GAGUGUGUAUAUGG−3’ また、共通する1種類のドナープローブとしては、以下
の塩基配列を有する。
【0066】5’−TTATTTCGAGGTTCT−
3’であり、さらに、5’末端のTにBODIPYでラ
ベル化されている。
【0067】また、相違するアクセプタープローブは以
下の通りである。
【0068】5’−CCATATACACACTCA−
3’であり、11番目のAに、Cy3、Ct3.5、C
y5でそれぞれラベル化されている。
【0069】(実施例1)と同様の条件で、ターゲット
RNAと、共通ドナープローブおよびアクセプタープロ
ーブを混合し、ハイブリダイズさせ、蛍光スペクトルを
測定した。図6の(A)に示されるように、それぞれの
アクセプタープローブからの蛍光スペクトルは、明確に
異なる波長で蛍光極大を示すことがわかる。すなわち、
Cy3では565nmに、Cy3.5では596nm
に、またCy5では667nmに蛍光極大が観測され
る。
【0070】さらに、ターゲットRNAと、共通ドナー
プローブおよび3種類のアクセプタープローブの当量混
合物をハイブリダイズした条件での蛍光スペクトルは図
6(B)に示されるように、各アクセプターブローブか
らの蛍光の重なりとして観測され、波形解析の手段等に
よりそれぞれのアクセプタープローブからの蛍光スペク
トルを分離することが可能である。
【0071】
【発明の効果】融合mRNAの融合点をはさむ5’スプ
ライス部と3’スプライス部に連続してハイブリダイズ
可能な2種類1組のプローブであって、プローブがそれ
ぞれエネルギードナー蛍光色素、およびエネルギーアク
セプター蛍光色素でラベル化されたプローブを用いるこ
とにより、そのプローブ自体の蛍光スペクトルと、プロ
ーブが融合mRNAとハイブリダイズして形成されるハ
イブリダイズ体の蛍光スペクトルとを測定することによ
り融合mRNAの存在を判別し、染色体相互転座による
変異細胞を検出することが可能となる。さらに、ターゲ
ット遺伝子を含む試料溶液を調製する試料調製装置と、
プローブキットを選択してプローブ溶液を調製するプロ
ーブキット選択装置と、前記調製された試料と前記プロ
ーブキット溶液を混合してハイブリダイズする反応装置
と、前記混合溶液の蛍光スペクトルを測定する蛍光測定
装置と、前記測定された蛍光スペクトル測定データーを
取り込むデーター取り込み手段と、前記データを処理し
ターゲット遺伝子が存在するか否かを判別する判別手段
とを備えることを特徴とする本発明に係る装置を使用す
ることにより、多検体中の転座融合遺伝子を自動的に判
別して検出可能とする。
【0072】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CCCGAGAACC UCGAAAUCGU ACUGAGAAGC 30 配列番号:2 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 AGAACCUCGA AAUTTUGAGU GUGUAUAUGG 30 配列番号:3 配列の長さ: 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 TTCGAGGTTC TCGGG 15 配列番号:4 配列の長さ: 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 GCTTCTCAGT ACGAT 15 配列番号:5 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 GCCGCTGAAG GGCTT 15 配列番号:6 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 TTGAACTCTG CTTAA 15 配列番号:7 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CTTCCTTATT GATGG 15 配列番号:8 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CTGCGTCTCC ATGGA 15 配列番号:9 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 TTCCGAACGA GCCAT 15 配列番号:10 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 TTAAGCAGAG TTCAA 15 配列番号:11 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 AAGCCCTTCA GCGGC 15 配列番号:12 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CCATCAATAA GGAAG 15 配列番号:13 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 TCCATGGAGA CGCAG 15 配列番号:14 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 ATGGCTCGTT CGGAA 15 配列番号:15 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CACTCAGCCA CTGAA 15 配列番号:16 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 AAAGTCAGCT GCTAC 15 配列番号:17 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CACAGCATTC CGCTG 15 配列番号:18 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 GATGGCGAGG GCGCC 15 配列番号:19 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 GCCGTATCCA GGTGG 15
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプローブの概要を示す図である。
【図2】本発明に係る共通のドナープローブと、複数の
アクセプタープローブを用いる検出方法を示す図であ
る。
【図3】本発明に係る共通のドナープローブと、複数の
アクセプタープローブを用いる検出方法を示す図であ
る。
【図4】本発明に係る検出方法を用いた自動化転座融合
遺伝子検出装置の処理フローを示す図である。
【図5】本発明に係る自動化転座融合遺伝子検出装置の
概略を示す図である。
【図6】本発明に係る共通のドナープローブと、3種類
の異なる蛍光色素を有する複数のアクセプタープローブ
を用い場合のハイブリダイズ体の蛍光スペクトルを示す
図である。
【符号の説明】
1…被検体、2…試料管、3…試料管保持ラック、4…
試料管番号読取り装置、5…制御装置、6…サンプリン
グ装置、7…前処理装置、8…混合装置、9…プローブ
キット調製装置、10…蛍光測定装置、11…記憶装
置、12…入出力装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融合mRNAを、前記融合mRNAの融
    合点をはさむ5’スプライス部と3’スプライス部に連
    続してハイブリダイズ可能な2種類1組のプローブであ
    って、前記プローブがそれぞれエネルギードナー蛍光色
    素、およびエネルギーアクセプター蛍光色素でラベル化
    されたプローブの蛍光スペクトルと、前記プローブが前
    記融合mRNAとハイブリダイズして形成されるハイブ
    リダイズ体の蛍光スペクトルとを測定することにより判
    別して、染色体相互転座による変異細胞を検出する方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ハイブリダイズ体の蛍光スペクトル
    が、前記蛍光色素間の蛍光エネルギ移動に基づく蛍光を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 5’又は3’スプライス部のいずれかの
    部を共通に有する複数のmRNAを、前記5’スプライ
    ス部に共通してハイブリダイズする1種類のプローブ
    と、相違する3’スプライス部のそれぞれにハイブリダ
    イズ可能な複数種類のプローブとからなる複数のプロー
    ブであって、前記5’スプライス部に共通してハイブリ
    ダイズする1種類のプローブがエネルギドナー蛍光色素
    でラベル化され、前記相違する3’スプライス部のそれ
    ぞれに相違する蛍光色素でラベル化された複数のプロー
    ブの蛍光スペクトルと、前記プローブが前記融合mRN
    Aとハイブリダイズして形成されるハイブリダイズ体の
    蛍光スペクトルとを測定することにより選択的に判別し
    て、染色体相互転座による変異細胞を検出する方法。
  4. 【請求項4】 前記ハイブリダイズ体の蛍光スペクトル
    が、前記蛍光色素間の蛍光エネルギ移動に基づく蛍光を
    含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法であって、さらに
    前記ハイブリダイズ体の蛍光スペクトルの波形解析によ
    りmRNAを選択的に判別することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 融合mRNAを判別して、染色体相互転
    座による変異細胞を検出する方法に使用するプローブで
    あって、前記融合mRNAの融合点をはさむ5’スプラ
    イス部と3’スプライス部に連続してハイブリダイズ可
    能な塩基配列を有する2種類1組のプローブであって、
    前記プローブがそれぞれエネルギードナー蛍光色素、お
    よびエネルギーアクセプター蛍光色素でラベル化され、
    前記融合mRNAとハイブリダイズして形成されるハイ
    ブリダイズ体の蛍光スペクトルが、前記蛍光色素間の蛍
    光エネルギ移動に基づく蛍光を含むことを特徴とするプ
    ローブ。
  7. 【請求項7】 ターゲット遺伝子を含む試料溶液を調製
    する試料調製装置と、プローブキットを選択してプロー
    ブ溶液を調製するプローブキット選択装置と、前記調製
    された試料と前記プローブキット溶液を混合してハイブ
    リダイズする反応装置と、前記混合溶液の蛍光スペクト
    ルを測定する蛍光測定装置と、前記測定された蛍光スペ
    クトル測定データーを取り込むデーター取り込み手段
    と、前記データを処理しターゲット遺伝子が存在するか
    否かを判別する判別手段とを備えることを特徴とする転
    座融合遺伝子検出装置。
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