JP4736718B2 - 全熱交換器エレメント用原紙 - Google Patents

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Description

本発明は、新鮮な外気を供給するとともに、室内の汚れた空気を排出する際に、顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方の熱交換を行う全熱交換器のエレメント用原紙に関する。
従来、冷房や暖房の効果を損なわずに換気できる装置として、換気の際に給気と排気との間で熱交換をさせる熱交換換気装置(熱交換器)が提案されている。
この熱交換器としては、スペーサーを介して複数の仕切り板(ライナー)を積層させ、室外の空気を室内に導入する給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路とが区画されている全熱交換器エレメント(以下エレメントともいう)を有するものが広く採用されている。
新鮮な外気を供給すると共に、室内の汚れた空気を排出する際に熱交換を行う空気対空気の熱交換器において、顕熱(温度)と同時に潜熱(湿度)の熱交換を行う全熱交換器エレメントのライナー部分は、伝熱性と透湿度の両方を有する必要があるため、多くの場合、天然パルプを主成分とする紙が用いられている。
さらに、全熱交換器エレメントに使用する原紙、特にライナー部に使用する原紙としては、伝熱性と透湿度以外にも、高い耐熱性(防炎性)、及び、該ライナーを介して給気と排気が交じり合わないよう、ガスバリア性(主としてCOバリア性)が求められている。
従って、全熱交換器エレメント用原紙には、塩化カルシウム等の各種吸湿剤や難燃剤等の配合が検討されており、下記のような従来技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、サビ抑制と高い吸湿性を兼ね備えるため、吸湿剤として、有機酸塩を使用することが記載されている。
特許文献2には、防炎性と吸放湿性を両立させるため、基紙に対し、無機質粉体(好ましくは水酸化アルミニウムなど)が20〜80%を占め、無機粉体のうち、吸放湿性粉体が10〜50%とする。
特許文献3では、防炎性と吸湿性を両立させ、設備へのサビを抑えられる処方として、防炎剤と有機酸塩との配合比を95:5〜75:25とすることが記載されている。
特許文献4には結露防止対策用保水剤として、グアニジン塩を使用することが記載されている。
特許文献5や特許文献7には、吸放湿性向上として吸放湿性粉体(例えば、シリカゲルや水酸化アルミニウムなど)を配合することが記載されている。
また、特許文献7には、吸放湿性の向上として、吸放湿性の粉体であるシリカゲルや水酸化アルミニウムを添加し、また目止めのためにミクロフィブリル化セルロースを配合することが記載されている。
特許文献6には、潮解性のない吸湿剤として、水酸化アルミニウムやゼオライトにグアニジン系難燃剤を併用することが記載されている。
特許文献8には、吸湿剤にアルカリ金属塩を配合することが記載されている。
特許文献9では、高叩解度の原料を使用することで、気体遮蔽性の優れた原紙を得ることが記載されている。
特開平10−60796号公報 特開平10−153399号公報 特開平10−183492号公報 特開平10−197185号公報 特開平10−212691号公報 特開平11−108409号公報 特開平11−189999号公報 特開2003−148892号公報 再表02−099193号公報
前述のように、全熱交換器エレメント用原紙としては、防炎性と高い熱交換効率を兼ね備えた構成が求められており、熱交換効率を高めるために、種々の吸湿剤や吸放湿粉体の配合が検討されてきたが、防炎性付与とのバランスや、生産性、コスト等をバランス良く兼ね備えた処方が確立できずにいた。
即ち、吸湿剤及び防炎剤として一般的に用いられる塩化カルシウムの使用は、設備(抄紙機、カレンダー、ワインダーなどの全熱交換器エレメント用原紙製造工程やエレメント加工工程での設備)にサビが発生しやすくなることがあり、また、防炎性を向上させるため等の理由で基材紙へ多量に添加すると、特に高温高湿雰囲気化で吸湿が過剰になり、結露が生じて液ダレを起こすという問題が発生した。そこで塩化カルシウム以外の吸湿剤として、有機酸塩や無機粒子等を使用する技術も多数存在するが、これらの技術によれば、防炎性を付与するために、吸湿剤として別途防炎剤を加える必要があり、生産性やコスト面で問題があった。また、特許文献9のように、原紙の叩解を高めることにより、ガスバリア性の優れたエレメント用原紙を得る技術ことが記載されているが、原紙を高叩解度とすることは、抄紙時の生産効率が低下するばかりか、得られた原紙が脆くなり、エレメント生産時に問題が発生する恐れがある。
本発明は、従来の課題を解決し、安価でより吸放湿性の高い全熱交換器エレメント用原紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、以下の全熱交換器エレメント用原紙を開発するに至った。
即ち、本発明の第1は、変則フリーネス(パルプ採取量を0.3g/Lとした以外はJIS P 8121に準じて測定したフリーネス)が200〜600mlの範囲であるパルプを使用して製造されている紙基材中に塩化カルシウムが10〜25質量%とポリエチレン系ワックス、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン系ワックス乳化物、酸化ポリエチレン系ワックス、パラフィンワックスから選ばれるワックス類からなるブロッキング防止剤が含まれており、かつ、下記式で算出される吸湿率が15〜30%であることを特徴とする全熱交換器エレメント用原紙である。
吸湿率={(A−B)/B}×100
A=試料質量(20℃×65%条件下の質量)
B=試料絶乾質量(105℃のオーブンで2時間加熱乾燥後の質量)
本発明の第は、密度が0.9〜1.2g/cmである本発明の第1に記載の全熱交換器エレメント用原紙である。
本発明の第は、厚さが50μm以下である本発明の第1又は第2に記載の全熱交換器エレメント用原紙である。
従来は、難燃性と透湿性を両立させるために、難燃剤と吸湿剤を両方付着させていたが、
塩化カルシウムの付着量をコントロールすることにより、高透湿度を確保して結露の問題もなく、さらには難燃性も付与された、全熱交換器エレメントのライナー部に特に好適に使用可能な全熱交換器エレメント用原紙を得ることができる。
本発明の全熱交換器エレメント用原紙(以下エレメント用原紙とも言う)の原料として使用するパルプは、針葉樹パルプ、広葉樹パルプでも良く、蒸解方法や漂白方法には特に限定されない。ただし、原紙の強度やCOバリア性の発現効果を考慮し、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)をメインとして使用することが好ましい。
また木材パルプ以外にも、麻パルプやケナフ、竹などの非木材パルプが使用できると共に、レーヨン繊維やナイロン繊維、その他熱融着繊維など、パルプ繊維以外の材料も副資材として配合することが可能である。
本発明で使用するパルプのフリーネスは、適宜選定可能であるが、原紙を薄葉化し、かつ、COバリア性のための高透気度を発現させるためには、紙基材を構成するパルプの変則フリーネス(本発明において、パルプ採取量を通常の3g/Lのから0.3g/Lに変更した以外はJIS P8121に準じて測定したフリーネスを意味する)が、200〜600mlの範囲にあることが好ましい。
変則フリーネスが200ml未満の場合は、実機操業での叩解に時間を要するとともに、抄紙時の脱水性が悪化するため、操業効率が低下してしまう。また、紙自体も脆くなりやすいという問題が発生するおそれがあり、また600mlを超えると、薄葉化を維持しつつCOバリア性を発現する事が困難になるという問題が発生するおそれがある。
使用するパルプの実機での叩解方法、装置は特に限定されるものではないが、叩解効率が高いダブルディスクリファイナー(DDR)が好適に使用される。
上記叩解して得たパルプスラリーには、各種製紙用内添薬品を添加する。内添薬品としては、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン化デンプン等、各種定着剤が揚げられる。また、填料や着色剤などを任意に配合可能である。
特に、エレメント用原紙は、吸湿性が高くなるので、強度保持からも、湿潤紙力剤を配合することが好ましい。
このように調成したパルプスラリー原料を定法により抄紙することで、本発明のエレメント用原紙の基材紙を得る。
本発明は、前記基材紙に、さらに塩化カルシウムを添加して得られる。
塩化カルシウムの基材紙への添加は、塩化カルシウム水溶液を、抄紙機のオンマシンサイズプレス装置やスプレー装置等を用いて行うことができる。また、オフマシンの含浸機によって浸漬することも可能である。操業性、生産性を考慮すれば、オンマシンでのサイズプレスによる添加が好ましい。従って、本発明の基材紙を抄紙する抄紙機の形式については、長網抄紙機、短網抄紙機等、特に限定されるものではないが、オンマシンでサイズプレス機、もしくは含浸機が装備されているものを用いることが好ましい。
なお、抄紙設備によっては、塩化カルシウムにより錆が発生する恐れがあるため、塩化カルシウムの水溶液に水溶性の防錆剤を配合しておくことが好ましい。防錆剤としては、環境安全性を考慮し、非亜硝酸系のものを選定するのが好ましい。また、塩化カルシウム水溶液に対する防錆剤の添加量は、特に限定はないが、水溶液濃度として、0.5〜5%の範囲内で使用する。
なお、本発明において、塩化カルシウムの付着量は、基材紙絶乾坪量に対し、10〜25質量%の範囲とする。10質量%未満では、吸放湿性が不十分であるとともに、防炎効果も発現できない。また質量%を超えて多くなると、紙の保水性が必要以上に高くなり、高温高湿環境下では結露の危険性が生じてくる。結露した水滴が液ダレした場合、全熱交換器の漏電につながるおそれがあり、注意が必要となる。
また、基材紙の吸湿率は、15〜30%の範囲内でコントロールする必要がある。吸湿率が15%未満では、熱交換効率が不十分となるが、30%を超えると、結露や液ダレの危険性が出る。
なお、塩化カルシウムの付着量が必要以上に多くなると、操業工程において錆が発生しやすく、防錆剤を添加しても、その効果が不十分となってしまう。
なお、塩化カルシウムは、吸湿性が高く、通常結晶水を保持しており、乾燥による付着量が算出しにくい。従って、本発明での塩化カルシウムの付着量は、塩化カルシウムの水溶液のウェット付着量に、塩化カルシウムの無水物としての濃度を乗じたものである。塩化カルシウム水溶液における塩化カルシウム(無水)の濃度は、EDTA滴定法により、求める。
このように、従来は防炎性発現のために、塩化カルシウムとは別に難燃剤を併用するところ、本発明では、塩化カルシウムの付着量をコントロールすることで、他の難燃剤を配合せずに、防炎性と吸放湿性を両立可能となる。
エレメント用原紙の吸放湿性、熱交換効率指標としては、透湿度が有効であり、透湿度が高い方が、概して熱交換効率が高い。
本発明のエレメント用原紙は、温度20℃、湿度65%環境下での透湿度(JIS Z0208に準ずる。詳細は実施例の測定方法参照)が2000g/m・24hr以上を達成可能である。
また、基材紙に塩化カルシウムを添加することで、紙の保水性が高くなる。従って、巻き取り時のブロッキングの防止や、各工程におけるロール剥離性を考慮し、ブロッキング防止剤も添加することが望ましい。ブロッキング防止剤としては、ポリエチレン系ワックス、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン系ワックス乳化物、酸化ポリエチレン系ワックス、パラフィンワックスなどから選ばれたワックス類、シリコーン系樹脂や高級脂肪酸カルシウム塩などの金属石鹸類等の中から、塩化カルシウムとの相溶性や、ブロッキング防止効果を考慮して適宜選択可能である。
ブロッキング防止剤の添加については、塗工、含浸、噴霧等、定法より適宜選択可能であるが、塩化カルシウムの添加と同様、抄紙機のオンマシンによるサイズプレスにより行うことが生産性の点等から好適である。
ブロッキング防止剤の添加量には特に限定はないが、過剰に添加すると後工程で滑り易くなり加工適性を損なう恐れがある。
例えば、前述の塩化カルシウム水溶液にブロッキング防止剤を加えて同時に添加する場合は、水溶液に対して0.01〜0.5質量%程度加えることが好ましい。0.01質量%未満では十分な効果が得られない恐れがあり、0.5質量%を越えた場合は、過剰添加となる恐れがある。
本発明においては、基材紙に、PVAやデンプン、SBRなどのラテックス類やアクリル系樹脂等の高分子樹脂を塗工や含浸等の手段により添加することで、更にガスバリア性の向上を図ることができる。
なお、ガスバリア性向上のために添加する高分子樹脂としては、PVAがCOバリア性に特に有効なため好適に利用可能である。
高分子樹脂の添加方法としては、定法より適宜選択可能であるが、塩化カルシウムの添加と同様、抄紙機のオンマシンによるサイズプレスにより行うことが好適である。本発明においては、前述の塩化カルシウム水溶液にさらに高分子樹脂を加えて同時に添加することが可能である。
本発明の全熱交換器エレメント用原紙は、前述の通り、基材紙に塩化カルシウムを添加した後、さらにカレンダー処理を施して得ることが好適である。カレンダー処理を施すことによって、原紙が高密度となると同時に厚さが減少する。高密度となることによって、ガスバリア性が向上し、また厚さが減少することによって熱伝導率が上昇し、熱交換効率が上昇するという効果が得られる。
本発明のエレメント用原紙の密度は、ガスバリア性の観点からは、0.9〜1.2g/cm3の範囲であることが好ましい。
また、熱伝導率の観点から、厚みが薄いものほど好ましく、具体的には厚さ50μm以下とすることがより好ましい。
なお、全熱交換器エレメント用原紙は、所定のガスバリア性を有する前提であれば、低坪量であるほど好ましく、具体的には坪量50g/m以下であることがより好ましい。
全熱交換器エレメント用原紙の低坪量化、薄葉化は、エレメントの軽量化や、同サイズでのエレメントの積層段数の増加を可能にするため、熱交換効率の向上にも有効である。
なお、本発明においては、全熱交換器エレメント用原紙に高いガスバリア性を付与するため、前述のカレンダー処理後に、後加工としてさらにPVA等の高分子樹脂を塗工することも可能である。
全熱交換器エレメント用原紙においては、吸気と排気を混合させないため、十分なガスバリア性を有する必要がある。ガスバリア性の中でも特にCOバリア性が重要である。
ガスバリア性とは透気度(J.TAPPI―5の王研式透気度法)で表現することが可能であり、透気度が5000sec以上である原紙であれば、十分なガスバリア性、及びCOバリア性を有し、別途塗工処理等の加工を行わなくても、全熱交換器エレメント用原紙として好適に使用可能である。
また、表面にPVA塗工を行う等の加工を行うことにより十分なCOバリア性を付与すれば、透気度が500sec以上であれば、全熱交換器エレメント用原紙として使用することが可能である。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例及び比較例における%、部は、特に断りのない限り質量%、質量部を表す。
<実施例1>
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)80%と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)20%を混合し、実機DDRにて、変則フリーネス(パルプ採取量0.3g/L)が450mlになるように叩解した。
内添薬品としては、パルプ質量に対し、絶乾でポリアクリルアミド系紙力剤(ポリストロン117、荒川化学工業社製)0.5%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系湿潤紙力剤(アラフィックス255、荒川化学工業社製)0.5%、硫酸バンド0.5%を添加した。
上記で得た原料を長網抄紙機で抄紙し、オンマシンサイズプレスにより塩化カルシウムを含む後述のサイズプレス液1を含浸付着させて乾燥させたものを基材紙とし、該基材紙をスーパーカレンダー処理してエレメント用原紙を得た。
なお、上記の基材紙の坪量は絶乾で30g/m、塩化カルシウムの付着量は、無水塩化カルシウム換算で3g/mであった。
[サイズプレス液1]
塩化カルシウム:17%(無水換算固形分濃度)
防錆剤:2%(固形分濃度)
ブロッキング防止剤:0.02%(固形分濃度)
<実施例2>
下記のように調製したサイズプレス液2を使用して、塩化カルシウムの付着量を7g/m(無水塩化カルシウム換算)とした以外、実施例1と同様にしてエレメント用原紙を得た。
[サイズプレス液2]
塩化カルシウム:35%(無水換算固形分濃度)
防錆剤:2%(固形分濃度)
ブロッキング防止剤:0.02%(固形分濃度)
<実施例3>
下記のように調製したサイズプレス液3を使用して、塩化カルシウムの付着量を3g/m(無水塩化カルシウム換算)した以外、実施例1と同様にして、エレメント用原紙を得た。
[サイズプレス液3]
塩化カルシウム:17%(無水換算固形分濃度)
PVA:1.5%(固形分濃度)
防錆剤:2%(固形分濃度)
ブロッキング防止剤:0.02%(固形分濃度)
<実施例4>
基材紙の坪量を25g/mとし、下記のように調製したサイズプレス液4を使用して、塩化カルシウムを3g/m(無水塩化カルシウム換算)付着させて基材紙を得た後、該基材紙のスーパーカレンダー処理を行い、さらにグラビアコーターを用いてPVAを塗工量0.2g/mとなるように表面塗工した以外は、実施例1と同様にしてエレメント用原紙を得た。
[サイズプレス液4]
塩化カルシウム:20%(無水換算固形分濃度)
防錆剤:2%(固形分濃度)
ブロッキング防止剤:0.02%(固形分濃度)
<比較例1>
下記のように調製したサイズプレス液5を使用して、塩化カルシウムの付着量を2.5g/mとした以外、実施例1と同様にしてエレメント用原紙を得た。
[サイズプレス液5]
塩化カルシウム:14%(無水換算固形分濃度)
防錆剤:2%(固形分濃度)
ブロッキング防止剤:0.02%(固形分濃度)
<比較例2>
下記のように調製したサイズプレス液6を使用して、塩化カルシウムの付着量を8g/mとした以外は、実施例1と同様にしてエレメント用原紙を得た。
[サイズプレス液6]
塩化カルシウム:38%(無水換算固形分濃度)
防錆剤:2%(固形分濃度)
ブロッキング防止剤:0.02%(固形分濃度)
なお、上記実施例及び比較例で使用した防錆剤は、非亜硝酸系防錆剤であるメタレックスANK(油化産業社製)、使用したブロッキング防止剤は、ポリエチレンワックスエマルジョン系のPEM−18(サンノプコ社製)、使用したPVAは、PVA−117(クラレ社製)である。
実施例、比較例で得た各エレメント用原紙を試料として下記の方法で評価した。
その結果を表1に示す。
[評価方法]
1.原紙厚さ:JIS P8118に準拠。
2.密度 :JIS P8124に準拠してエレメント用原紙の坪量を測定(23℃×50%条件下)し、かつJIS P8118準拠による厚みから密度を算出した。
3.防炎性:JIS Z2150に準拠。
4.透湿度:20℃×65%条件下で、JIS Z0208に準拠。
但し、下記式により算出。
透湿度=(a+b)/2
a=測定開始1時間後の質量増分
b=測定開始1時間後から測定開始2時間後の1時間の質量増分
5.吸湿率:下記式で算出。
吸湿率={(A−B)/B}*100
A=試料質量(20℃×65%条件下の質量)
B=試料絶乾質量(105℃のオーブンで2時間加熱乾燥後の質量)
6.透気度:J.TAPPI−5の王研式透気度法に準拠。
7.COバリア性:
側面4面と上面1面の各中央に各辺20cmの正方形の窓部を有する各辺1mの立方体形の容器の内部にCO分析計を設置したものを測定装置とする。
前記測定装置の各窓部に、25cm角としたエレメント用原紙を貼った状態で、容器内にCOを5000ppm封入し、20℃×65%条件下でCOの濃度を15分おきに4回、計1時間測定する。
15分後、30分後、45分後、60分後の各測定値より、各時点のCOの低下率を求め、さらに平均を求めて測定した試料のCO低下率とする。
なお、CO低下率が1.3%以下のものがエレメント用原紙として好適に用いられる。
Figure 0004736718
実施例からも明らかなように、実施例1〜4は、塩化カルシウムの付着量を所定量とすることにより、防炎性2級、高ガスバリア性、高COバリア性を達成できる。
なお、比較例2は、塩化カルシウムの付着量が多く、吸湿率が高いため、結露の懸念があるとともに、錆が発生しやすい。

Claims (3)

  1. 変則フリーネス(パルプ採取量を0.3g/Lとした以外はJIS P 8121に準じて測定したフリーネス)が200〜600mlの範囲であるパルプを使用して製造されている紙基材中に塩化カルシウムが10〜25質量%とポリエチレン系ワックス、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン系ワックス乳化物、酸化ポリエチレン系ワックス、パラフィンワックスから選ばれるワックス類からなるブロッキング防止剤が含まれており、かつ、下記式で算出される吸湿率が15〜30%であることを特徴とする全熱交換器エレメント用原紙。
    吸湿率={(A−B)/B}×100
    A=試料質量(20℃×65%条件下の質量)
    B=試料絶乾質量(105℃のオーブンで2時間加熱乾燥後の質量)
  2. 密度が0.9〜1.2g/cmであることを特徴とする請求項1記載の全熱交換器エレメント用原紙。
  3. 厚さが50μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の全熱交換器エレメント用原紙。
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