JPH10211674A - アルカリ汚染のない木質化粧板 - Google Patents

アルカリ汚染のない木質化粧板

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JPH10211674A
JPH10211674A JP1626797A JP1626797A JPH10211674A JP H10211674 A JPH10211674 A JP H10211674A JP 1626797 A JP1626797 A JP 1626797A JP 1626797 A JP1626797 A JP 1626797A JP H10211674 A JPH10211674 A JP H10211674A
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JP
Japan
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veneer
wooden
decorative
plywood
wood
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JP1626797A
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English (en)
Inventor
Ginji Shinjiyou
岑治 新庄
Hiroaki Murakami
弘明 村上
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェノール樹脂系接着剤を使用して製造され
た木質基材を用いて、その表面に木質化粧単板を貼った
木質化粧板は、木質化粧単板がアルカリ汚染されやす
い。本発明は、このアルカリ汚染を解決することを目的
とする。 【解決手段】 2枚の紙をポリエチレンフィルムにより
ラミネートしたポリサンド紙を、基材と木質化粧単板の
間に介在させて接着する。 【効果】 木質化粧単板のアルカリ汚染を防ぐと同時
に、木質化粧単板のひび割れを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の床、壁等
の内装、あるいは家具・木工、更にはキッチンキャビネ
ット等の住宅機器に使用する化粧板に関する発明であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、合板、LVL(平行合板)、
パーティクルボード、繊維板、ウェハーボード等の木質
基材は、床材、壁材等の内装材、あるいは家具・木工、
更にはキッチンキャビネット等の住宅機器の化粧板の台
板として広く使用されている。そして、上記基材の製造
の際に、尿素あるいは尿素・メラミン系樹脂接着剤が最
も多く使用されている。その理由の第1は、耐水性等の
性能、使いやすさ、コスト等を総合的に勘案すると、前
記接着剤が最も優れているからである。しかしながら、
これらの接着剤は、人体に有害なホルムアルデヒドを放
出するという欠点がある。
【0003】この問題の解決方法として、接着剤にフェ
ノール樹脂系のものを使用することが従来から行われて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、フェノール
樹脂系の接着剤にはアルカリ汚染という問題がある。即
ち、フェノール樹脂系の接着剤を用いた合板、LVL、
パーティクルボード、繊維板、ウェハーボード等の木質
基材(以下、単にフェノール木質基材という)を台板と
して用いて、表面に天然木の木質化粧単板を貼った化粧
板を製造しようとする場合、表面にナラ等の汚染されや
すい木質化粧単板を貼ると、化粧板製造後、木質化粧単
板が黒く汚染される。その原因は、化粧板製造後、化粧
板内で水分が移行する。それとともに、フェノール樹脂
系接着剤に含まれる木材を黒色に汚染させるアルカリ性
の成分が同時に移行し、表面に貼った化粧単板を汚染す
るためである。
【0005】一般に、この現象は、フェノール樹脂によ
るアルカリ汚染(以下単にアルカリ汚染と言う)と言わ
れている。アルカリ汚染が木質基材内部に限られる場合
や、表面が汚染されても、建築の足場板やコンクリート
の型枠のように、ほとんど美観が重視さない用途に使用
される場合は問題ない。しかし、建築物の床、壁等の内
装、あるいは家具・木工、住宅機器等に使用される木質
化粧板の場合、アルカリ汚染が木質化粧単板の表面に現
出すると著しく商品の美観を損ねる。
【0006】本発明は、フェノール木質基材を台板とし
て使用するにもかかわらず、木質化粧単板のアルカリ汚
染を防止できる木質化粧板を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】木材のアルカリ汚染の原
因は上記に述べたように、既に公知であるから、フェノ
ール木質基材と木質化粧単板との間に、アルカリ汚染物
質の溶出を防止する皮膜又はシート状のものを介在させ
れば、表面に貼られた木質化粧単板のアルカリ汚染を防
止できることは、容易に予想される。
【0008】台板合板と木質化粧単板との間に薄葉紙を
介在させることは、表面化粧単板のひび割れを防止する
方法として知られている。この方法は、アルカリ汚染の
防止を目的とするものでなく、化粧板表面の木質化粧単
板のひび割れ防止を目的とするものである。ひび割れの
原因は主として、台板合板を構成する表面第1層の木質
単板と、その表面に貼られる木質化粧単板とにある。即
ち、木質単板は、周囲の環境の湿度変化に対応して、含
水率が増減し、それに伴って伸縮を繰り返すが、その伸
縮の程度は、繊維方向は極めて小さく、繊維と直交する
方向の伸縮は繊維方向の伸縮の10倍以上である。従っ
て、ひび割れは、台板合板の第1層の木質単板の繊維方
向と木質化粧単板の繊維方向を一致させて貼った場合に
最も顕著に現れる。
【0009】台板合板と木質化粧単板との間に薄葉紙を
介在させると、台板合板の伸縮による木質化粧単板への
影響を低減させる効果がある。薄葉紙を使用する理由
は、紙はもともと木材繊維から製造されるものであるか
ら、木材とよく馴染むため、木材の接着に使用される接
着剤であれば、ほとんどのものがそのまま使用できるた
めと、安価なためである。
【0010】ところが、上記化粧板の製造に厚い紙を使
用すると、接着剤が内部まで浸透しにくいので、紙間剥
離と言って紙層内で剥離しやすく、化粧板の接着性能に
問題が生じる。そのために、接着剤が内部まで浸透し、
樹脂化しやすい薄葉紙を使用するのである。
【0011】本発明の場合は、薄葉紙を使用する上記方
法を応用しても、薄葉紙がアルカリ汚染物質を浸透通過
させてしまうので、比較例に示すように、アルカリ汚染
を完全に防止することができない。
【0012】アルカリ汚染を防止する方法として、紙に
替えて、例えばポリエチレン等の合成樹脂フィルムを使
用する方法も考えられるが、ポリエチレン等の合成樹脂
フィルムには殆ど極性がないため、木質材料の接着に通
常使用される接着剤では、十分な接着力を得られない。
特に、後述するように、天然木の木質化粧単板は高価な
ため、薄くスライスしたものを、乾燥せずに濡れたまま
で貼られる場合が多い。濡れた単板の場合は、いっそう
接着が困難である。
【0013】本発明は、鋭意研究した結果、図1のよう
に、表面木質化粧単板とフェノール木質基材との間に、
ポリサンド紙を入れることにより、上記問題点を解決し
た。ポリサンド紙とは、図2のように、ポリエチレンフ
ィルムの表裏面に紙を貼り合わせたシートである。ポリ
エチレンフィルムをフェノール木質基材と木質化粧単板
の間に介在させることにより、アルカリ汚染物質を遮断
しようとするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】木質化粧単板として最も多く使用
される厚みが0.2〜0.3mmの薄い木質化粧単板
は、乾燥すると不規則に変形し、波打ったり、各所に収
縮によるひび割れが入る。従って、その状態で台板に貼
っても、各所に化粧単板のひび割れが見られ、美観面か
ら使用できないので、これを台板に貼るときは、通常濡
れたままの状態でホットプレスにより100℃〜120
℃で熱圧する。熱圧により、木質単板中の含有水分が除
去されると同時に、台板に接着される。この間に、乾燥
による木質化粧単板の変形、波打ち、ひび割れは進行す
るが、同時に接着も進行するので、完成品にはほとんど
上記欠点が見られない。
【0015】先にも述べたように、ポリエチレンフィル
ムと木質材料とを接着するときに、通常木材の接着に使
用される尿素樹脂系、尿素メラミン樹脂系、酢酸ビニル
系樹脂系、ゴム系、変性ラテックス系等の接着剤では良
好な接着性能を得られない。特に濡れた木質単板の場合
は、一層困難である。
【0016】本発明は、ポリエチレンフィルムの代わり
に、ポリエチレンフィルムの表裏面に紙を貼り合わせた
ポリサンド紙を使用することにより、上記接着性能上の
問題点をも解決するものである。
【0017】紙は、木材中のリグニンを除き、木繊維の
みを使用し、それを絡ませることにより製造されるか
ら、その表面は、合板、LVL、パーティクルボード、
繊維板、ウェハーボード等の木質基材の表面よりも全体
的にはるかに均一で、且つ大きな凹凸がない。従って、
間にポリエチレンフィルムを挟んで熱圧によりラミネー
トして貼着することが容易である。また、ラミネートす
る際に、緻密な紙繊維の間の空隙に軟化したポリエチレ
ン樹脂が侵入し、紙どうしを貼着する。
【0018】こうして製造されたポリサンド紙を木質基
材と木質化粧単板の間に介在させると、木質基材とポリ
サンド紙及び木質化粧単板とポリサンド紙との接着は木
材と紙との接着と同等の接着である。従って、通常のホ
ットプレスによる熱圧により極めて容易に貼れる。熱圧
接着の際に、100℃〜120℃の高熱がかけられる
が、紙と紙との間のポリエチレンフィルムは、一旦は軟
化するものの、その後冷却され、ほぼ元の状態に戻り、
接着力を回復する。
【0019】ポリサンド紙及び木質化粧単板を木質基材
に貼り付けるとき、まずポリサンド紙を先に熱圧して貼
り付けた後に、木質化粧単板を貼り付けてもよいし、両
方を同時に熱圧してもよい。
【0020】本発明の場合、接着剤は通常木材ので接着
に使用される尿素樹脂、尿素メラミン樹脂、ゴム系、酢
酸ビニル系、ビニルウレタン系、変性ラテックス系等の
あらゆる接着剤に適用できる。
【0021】
【実施例】木質化粧合板の材料として、フェノール樹脂
接着剤を使用した厚さ12mmのフェノール合板、厚さ
0.3mmのなら単板、25g/m2 の紙どうしを厚さ
30ミクロンのポリエチレンフィルムを間に介在させて
ラミネートしたポリサンド紙を用意し、接着剤として、
メラミン樹脂接着剤とスチレン・ブタジエンで変性した
ラテックス接着剤とをそれぞれ50部(重量)、それに
小麦粉、水、硬化剤を加えて粘度を240ポイズに調整
したものを用意した。
【0022】次に、接着剤を上記台板合板に140g/
2 塗布し、上記ポリサンド紙を台板の上に載せ、該ポ
リサンド紙上に上記接着剤を140g/m2 塗布し、そ
の上に上記なら単板を、その繊維方向を合板の繊維方向
に一致するように載せ、プレス温度110℃、圧力8k
g/cm2 で50秒間熱圧して木質化粧合板を得た。続
いて、この木質化粧合板にアミノ塗装による塗装仕上げ
を施した。
【0023】上記木質化粧合板を、水中に144時間浸
漬した後、60℃で2時間乾燥し、その後常温の室内に
24時間放置したものについて、木質化粧単板表面のア
ルカリ汚染状態を観察した。
【0024】また、上記木質化粧合板を特殊合板の日本
農林規格による2類の浸せきはくり試験および、同規格
による寒熱繰り返しB試験を行い、試験片(150mm
×150mm)における木質化粧単板のひび割れの総長
さを測定した。
【0025】上記3試験の結果を、後記する比較例とと
もに表1に示す。アルカリ汚染状態の観察結果は、目視
により、全く汚染のないものと、汚染されたものとに分
類した。
【0026】[比較例1]材料としてポリサンド紙を用
いること以外は上記実施例と同一の材料により、同一の
製造条件で木質化粧板を製造し、実施例と同じ試験を行
った。すなわち、木質化粧合板は、ポリサンド紙を用い
ないので、台板合板に直接なら単板を貼って製造した。
上記試験の結果を、実施例及び他の比較例とともに表1
に示す。
【0027】[比較例2]材料としてポリサンド紙に代
えて、25g/m2 の薄葉紙を用いること以外は上記実
施例と同一の材料により、同一の製造条件で木質化粧板
を製造し、実施例と同じ試験を行った。上記試験の結果
を、実施例及び他の比較例とともに、表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明により製造された木質化粧合板
は、台板の製造にフェノール樹脂接着剤を使用している
にも拘わらず、アルカリ汚染がない。また、濡れた単板
を使用したにも拘わらず、接着性能は、特殊合板の日本
農林規格による2類の浸せきはくり試験に合格するの
で、接着性能からみて、家具、建材等の用途に十分耐え
得るものである。台板が、合板又は平行合板の場合で
も、表面化粧単板のひび割れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による木質化粧板の断面図
【図2】 ポリサンド紙の断面図
【符号の説明】
A フェノール木質基材 B 木質化粧単板 C 紙 E ポリエチレンフィルム P ポリサンド紙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂系接着剤を使用して製造
    された木質基材を台板とし、その表面に接着剤を用いて
    木質化粧単板を貼った木質化粧板において、木質基材と
    木質化粧単板との間にポリサンド紙を介在させて木質化
    粧単板が貼られていることを特徴とする木質化粧板。
  2. 【請求項2】 木質化粧単板が、0.2〜0.3mmの
    厚みの木質化粧単板であることを特徴とする請求項1記
    載の木質化粧板。
  3. 【請求項3】 フェノール樹脂系接着剤を使用して製造
    された木質基材を台板とし、その表面に接着剤を用いて
    木質化粧単板を貼った木質化粧板の製造方法において、
    木質基材と木質化粧単板との間にポリサンド紙を介在さ
    せて木質化粧単板を貼ることを特徴とする木質化粧板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 木質化粧単板が、0.2〜0.3mmの
    厚みの濡れた木質化粧単板であることを特徴とする請求
    項3記載の木質化粧板の製造方法。
JP1626797A 1997-01-30 1997-01-30 アルカリ汚染のない木質化粧板 Pending JPH10211674A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2002311245B2 (en) * 2001-12-18 2004-05-20 Hillspan Pty Ltd Liner Panels
WO2022197235A1 (en) * 2021-03-19 2022-09-22 Välinge Innovation AB A method to produce a building panel and a building panel

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