JPH10211134A - 電気掃除機用吸込具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸込具本体の上面に設けた空気取入口からの
流入風を噴射風とするように構成し、集塵性能の向上が
できるようにする。 【解決手段】 吸込具本体１３の上面両端部に前方に向
かって開口する空気取入口１７を設け、吸込具本体１３
の下面に凹設した吸込通路１５の後方両端部に連通さ
せ、かつ空気取入口１７と連通させる構成とした。この
構成により、空気取入口１７からの流入風は吸込通路１
５内に進入するまでの流路により加速され、かつ噴射口
１８が吸込通路１５後方に開口してるので流入風のベク
トルは被掃除面側に強く流れて衝突し、被掃除面上の塵
埃を巻き上げるようなブロアーの効果を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭で使用さ
れる電気掃除機用吸込具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の電気掃除機用吸込具は、実公平１
−５９５５８号公報にある形態であり、これを図１１〜
図１３を用いて説明する。

【０００３】図において、１は電気掃除機本体にホース
・延長管を介して接続される吸込具本体、２は吸込具本
体１の中央後方部に突設した電気掃除機本体に接続され
る接続パイプである。３は接続パイプに連通した吸込口
で、吸込具本体１の略中央部に形成されている。４は吸
込具本体１の外郭を形成する上ケース、５は上ケース４
と共に外郭を形成する下ケースである。

【０００４】６、７は吸込具本体１の両側部に設けた通
気口で、吸込具本体１の下面端８よりも上側に開口する
ことで、床面上の塵埃等から閉塞が防止されている。
９、１０は吸込具本体１の下面に凹設した吸込通路で、
両通気口６、７と連通している。また、下ケース５に吸
込通路９、１０は設けられ、吸込通路９、１０の全長に
延設された凸状リブのスペーサー１１、１２が形成され
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記にある従来の電気
掃除機用吸込具にあっては、通気口６、７は、吸込具本
体１が被掃除面に吸着することを防ぐ漏らし穴としての
役割であり、吸込具本体１の集塵性能において、被掃除
面上の塵埃を拾い上げる吸引力を減少させるために性能
の低下につながる問題があった。

【０００６】本発明は、以上のような従来の課題を解決
しようとするものであって、高集塵性能を有する電気掃
除用吸込具を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、吸込具本体の上面両端部に前方に向かって
開口する空気取入口を設け、吸込具本体の下面に凹設し
た吸込通路の後方両端部に噴射口を連通させ、かつ空気
取入口と連通させる構成とした。

【０００８】以上の構成により、空気取入口からの流入
風は吸込通路内に進入するまでの流路により加速され、
かつ噴射口が吸込通路後方に開口することで流入風のベ
クトルは被掃除面側に強く流れることで衝突し、被掃除
面上の塵埃を巻き上げる噴射風となりブロアーの効果を
得ることができる。また、このように集塵性能を高め
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１記載の発明は、
吸込具本体の後部に突設した接続パイプと、吸込具本体
の下面に凹設した吸込通路と、接続パイプと吸込通路を
連通させる吸込口と、吸込具本体の上面両端部に前方に
向かって開口する空気取入口を設け、吸込通路後方の両
端部に噴射口を形成し、吸込通路に連通させ、かつ空気
取入口と連通させたので、空気取入口からの流入風は吸
込通路内に進入するまでの流路により加速され、かつ噴
射口が吸込通路後方に開口することで流入風のベクトル
は被掃除面側に強く流れることで衝突し、被掃除面上の
塵埃を巻き上げる噴射風となりブロアーの効果を得るこ
ととなり集塵性能を向上させることができる。

【００１０】本発明の請求項２記載の発明は、噴射口か
らの吹付風が、被掃除面に向かって吹き付けられるよう
に前記噴射口に連通したダクトを設けたので、噴射風は
より被掃除面側へのベクトルを得ることとなりより高い
集塵性能を得ることができる。

【００１１】本発明の請求項３記載の発明は、吸込通路
内に回転自在に設けられた回転ブラシと、前記回転ブラ
シ両端部には前記吸込通路内に保持する回転自在の軸受
部と、前記回転ブラシを駆動させる駆動装置を有する吸
込具本体において、前記軸受部の上面外周部と吸込具本
体天面との間にある空間に空気取入口と噴射口、ダクト
を形成したので、回転ブラシを有した吸込具本体におい
て高集塵性能を得ると共に、小スペースにて本発明の構
成ができることになり集塵性能の向上と吸込具本体の小
型化ができる。

【００１２】本発明の請求項４記載の発明は、回転ブラ
シ端部に設けたプーリー大と、駆動装置に設けたプーリ
ー小と、前記駆動装置の駆動力を伝達するために前記プ
ーリー小と前記プーリー大とに掛かるベルトと、これら
一連の駆動部が吸込具本体の左右どちらかの側に配設さ
れた吸込具本体と、前記プーリー小に向かって開口させ
た噴射口と、空気取入口と前記噴射口を連通する通路内
に整流リブを設けたので、プーリー小やベルトなどの駆
動部分に塵埃が付着して駆動を妨害することを整流リブ
にてプーリー小にあてる噴射風を作りだして塵埃を吸込
通路内に吹き出さすことになり駆動部が塵埃の進入にて
ロックする事が防止できると共に、噴射風による集塵性
能の向上ができる。

【００１３】本発明の請求項５記載の発明は、噴射口を
吸込通路の後部に配設し、前記吸込通路の略中央で、そ
の前部に設けた下方開口の補助吸込口と、吸込口と前記
補助吸込口を連通させる流路を前記吸込通路と隔離する
ように吸込具本体の天面部に連絡通路として設けたの
で、被掃除面に当たった噴射風は、吸引風が強い吸込口
側に吸引されようとするが補助吸込口を設けたことで、
噴射風は吸込通路前方部に回る風にもなることで噴射風
が吸い込み通路内で巻くこととなりこの巻き込み風によ
り吸い込み通路内の塵埃を吹き上げ集塵性能を更に向上
することができる。

【００１４】

【実施例】

（実施例１）以下本発明の第１の実施例を、図１〜図３
を用いて説明する。

【００１５】１３は吸込具本体、１４は吸込具本体の後
部に突設した電気掃除機との接続パイプである。１６は
接続パイプ１４に連通した吸込口で、吸込具本体１３の
左右方向の略中央部に形成されている。２９は吸込具本
体の上部外郭を形成する上本部材、３０は上本部材２９
と共に吸込具本体１３の下部外郭を形成する下本部材で
ある。１５は吸込具本体１３の下面開口で長手方向に凹
設された吸込通路であり、吸込口１６と連通している。

【００１６】吸込具本体１３の上面両端部には、前方に
向かって開口する空気取入口１７が設けられ、また吸込
通路１５後方の両端部には下方開口の噴射口１８が形成
されている。空気取入口１７と噴射口１８は吸込通路１
５と隔離するように流路３１により連通されている。

【００１７】上記構成による作用は以下の通りである。
空気取入口１７からの流入風は吸込通路１５内に進入す
るまでの流路３１により加速される。噴射口１８から流
入風が噴射されるとき、吸込通路１５後方壁により流入
風は吸込通路１５内で大きく拡散することなく吸込通路
１５後方壁に沿って噴射されるため、流入風のベクトル
は被掃除面側に向かって強く流れる向きを得るために被
掃除面と衝突し、被掃除面上の塵埃を吹き上げる噴射風
となる。これはブロアーと同様の効果を得ることとなり
吹き上げられた塵埃は吸込口１６の吸引風により集塵さ
れることになる。

【００１８】（実施例２）以下本発明の第２の実施例
を、図４を用いて説明する。なお上記第１の実施例と同
一構成部品については同一符号を付して、その説明を省
略する。

【００１９】吸込通路１５内に、噴射口１８から下方に
延設したダクト１９を設けた。上記構成による作用は以
下の通りである。

【００２０】噴射口１８の噴射風は、ダクト１９によ
り、被掃除面側により近くで噴射させることで、被掃除
面に当てる風力を向上させたために、より毛足の長いじ
ゅうたん中の塵埃を吹き上げる効果を得ることとなり、
塵埃を吹き上げて吸込口１６の吸引風により集塵される
ことになる。

【００２１】（実施例３）以下本発明の第３の実施例
を、図５〜図６を用いて説明する。なお上記第１〜２の
実施例と同一構成部品については同一符号を付して、そ
の説明を省略する。

【００２２】吸込通路１５内に回転自在に設けられた回
転ブラシ２０と、回転ブラシ２０両端部には吸込通路１
５内に保持する回転自在の軸受部２１が設けられてい
る。吸込口１６により吸込具本体１３の後方部には、吸
込通路１５と隔離された部屋３２、３３があり、部屋３
３には回転ブラシ２０を駆動させる駆動装置２２が設け
られている。

【００２３】軸受部２１の上面外周部と上本部材２９天
面との間にある空間に流路３１を設け、吸込具本体１３
の前方開口の空気取入口１７と流路３１と吸込通路１５
の後端部かつ軸受部２１の後面に連通する下方開口の噴
射口１８と、吸込通路１５内に設けられかつ軸受部２１
後面外周部に沿うようにダクト１９を形成した。

【００２４】上記構成による作用は以下の通りである。
回転ブラシ２０を有した吸込具本体１３においても、軸
受部２１後方に噴射風を送ることで被掃除面に噴射風を
当て、被掃除面上の塵埃を吹き上げさせ、回転ブラシ２
０による塵埃の掻き上げ力の補佐を行い集塵性能を高め
ると共に、回転ブラシ２０の軸受部２１周囲に空気取入
口１７、噴射口１８、ダクト１９、流路３１を形成する
ことで小スペースに構成がまとめることができる。

【００２５】（実施例４）以下本発明の第４の実施例
を、図７〜図８を用いて説明する。なお上記第１〜３の
実施例と同一構成部品については同一符号を付して、そ
の説明を省略する。

【００２６】回転ブラシ２０片側端部に設けたプーリー
大２３と、駆動装置２２に設けたプーリー小２４と、前
記駆動装置２２の駆動力を伝達するためにプーリー小２
４とプーリー大２３とに張架されたベルト２５が設けら
れている。

【００２７】プーリー小２４などの駆動側の流路３１の
空気取入口１７付近に整流リブ２６を設け、流入風を整
流することで流路の奥まで流入風を乱すことなく送ら
し、噴射口１８はプーリー小２４に向かって開口するよ
うに設けてある。

【００２８】上記構成による作用は以下の通りである。
空気取入口１７よりの流入風は整流リブ２６により乱流
の発生を抑えられ、スムーズに流路３１を流れることに
なる。噴射口１８よりの噴射風はプーリー小２４やベル
ト２５などの駆動部分に付着しようとする塵埃を吸込通
路内に吹き出させることで、駆動部のセルフクリーンの
役割を果たすと共に、被掃除面に吹き付ける噴射風とな
り被掃除面上の塵埃を巻き上げさせ、巻き上げられた塵
埃は吸込口１６の吸引風にて吸引される。

【００２９】（実施例５）以下本発明の第５の実施例
を、図９〜図１０を用いて説明する。なお上記第１〜４
の実施例と同一構成部品については同一符号を付して、
その説明を省略する。

【００３０】噴射口１８は吸込通路１５後方で下方開口
になるように設けられている。また吸込通路１５の略中
央の前部に下方開口になるように設けた補助吸込口２７
があり、吸込口１６と補助吸込口２７を連通させる流路
を吸込通路１５と隔離するように上本部材２９の天面部
に連絡通路２８として設けたものである。

【００３１】上記構成による作用は以下の通りである。
噴射口１８からの噴射風は、被掃除面に当たり周囲に拡
散した後に吸込口１６に吸引される。これは吸込口付近
の吸引風が強いためであり、この現象により噴射風が吸
込通路１５内を十分に拡散する前に吸引される。

【００３２】補助吸込口を設けたことにより吸引風は吸
込口１６付近と補助吸込口２７付近に分散されることに
なり、噴射風は吸込通路１５前方部にも回る風になり、
噴射風が吸込通路１５内で補助吸込口２７に吸引される
際に、上方を向くことで、下方から上方に吹き上がり、
吸込通路１５で巻き込み風となり被掃除面上の塵埃を吸
込具本体の幅にて吹き上げる風を有することになる。

【００３３】

【発明の効果】本発明の請求項１、２記載の発明によれ
ば、噴射風により被掃除面上の塵埃をブロアー効果によ
り吹き上げさせることで集塵性能を向上させている。ま
た、ブロアーとバキュームの両方の効果を簡素な構成で
できるため吸込具本体の小型・軽量化を行えるものであ
る。

【００３４】本発明の請求項３記載の発明によれば、回
転ブラシなどの被掃除面上の塵埃を掻き出す構成の吸込
具本体において、噴射風による補助の集塵効果を負荷さ
せることで集塵性能を向上させると共に、回転ブラシの
両軸受部外周部に噴射風を発生させる構成を設けたため
に、従来の吸込具本体と比べても大型化することがない
ものである。

【００３５】本発明の請求項４記載の発明によれば、ベ
ルトなどにより駆動力を伝達させる吸込具において駆動
装置部への塵埃侵入は、即故障につながるものである。
これに対して、噴射風を利用することで駆動部への塵埃
の侵入を防ぎ、塵埃が付着しても噴射風により吸込通路
に吹き出させるセルフクリーニング機能とすることで故
障の原因を防ぐものである。また整流リブにより、奥ま
った箇所に駆動部が存在しても流入風を乱さずに噴射口
まで送り出すものである。

【００３６】本発明の請求項５記載の発明によれば、噴
射口よりの噴射風が被掃除面上に拡散した後に、即吸込
口より吸引されることを防ぐために、吸込口付近の吸引
風を補助吸込口とに分散させることで、拡散した噴射風
を補助吸込口にても吸引させることで、巻き上げ風を作
り、噴射風と巻き上げ風により更に集塵性能を向上させ
るものである。

【００３７】以上から、本発明により集塵性能の優れ
た、小型・軽量で操作力の軽い吸込具本体を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１、２の実施例を示す電気掃除機用
吸込具本体の上面図

【図２】図１のＡ−Ａ断面図

【図３】図１のＢ−Ｂ断面図

【図４】本発明の第２の実施例を示す電気掃除機用吸込
具の図１のＢ−Ｂ断面図

【図５】本発明の第３の実施例を示す電気掃除機用吸込
具本体の上本部材を外した上面図

【図６】図５のＣ−Ｃ断面図

【図７】本発明の第４の実施例を示す電気掃除機用吸込
具本体の上本部材を外した上面図

【図８】図７のＤ−Ｄ断面図

【図９】本発明の第５の実施例を示す電気掃除機用吸込
具本体の下面図

【図１０】図９のＥ−Ｅ断面図

【図１１】従来の電気掃除機用吸込具本体の下面図

【図１２】図１１のａ−ａ断面図

【図１３】図１１のｂ−ｂ断面図

【符号の説明】

１３ 吸込具本体 １４ 接続パイプ １５ 吸込通路 １６ 吸込口 １７ 空気取入口 １８ 噴射口 １９ ダクト ２０ 回転ブラシ ２１ 軸受部 ２２ 駆動装置 ２３ プーリー大 ２４ プーリー小 ２５ ベルト ２６ 整流リブ ２７ 補助吸込口 ２８ 連絡通路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 勝之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 村田 克孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸込具本体の後部に突設した接続パイプ
   と、吸込具本体の下面に凹設した吸込通路と、接続パイ
   プと吸込通路を連通させる吸込口と、吸込具本体の上面
   両端部に前方もしくは後方に向かって開口する空気取入
   口を設け、吸込通路後方もしくは前方の両端部に噴射口
   を形成し、吸込通路に連通させ、かつ空気取入口と連通
   させた電気掃除機用吸込具。
2. 【請求項２】 噴射口からの吹付風が、被掃除面に向か
   って吹き付けられるように前記噴射口に連通したダクト
   を設けた請求項１記載の電気掃除機用吸込具。
3. 【請求項３】 吸込通路内に回転自在に設けられた回転
   ブラシと、前記回転ブラシ両端部には前記吸込通路内に
   保持する回転自在の軸受部と、前記回転ブラシを駆動さ
   せる駆動装置を有する吸込具本体であって、前記軸受部
   の上面外周部と吸込具本体天面との間にある空間に空気
   取入口と噴射口、ダクトを形成した請求項１または２記
   載の電気掃除機用吸込具。
4. 【請求項４】 回転ブラシ端部に設けたプーリー大と、
   駆動装置に設けたプーリー小と、前記駆動装置の駆動力
   を伝達するために前記プーリー小と前記プーリー大とに
   掛かるベルトと、これら一連の駆動部が吸込具本体の左
   右どちらかの側に配設された吸込具本体と、前記プーリ
   ー小に向かって開口させた噴射口と、空気取入口と前記
   噴射口を連通する通路内に整流リブを設けた請求項１〜
   ３のいずれか１項記載の電気掃除機用吸込具。
5. 【請求項５】 噴射口を吸込通路の後部に配設し、前記
   吸込通路の略中央で、その前部に設けた下方開口の補助
   吸込口と、吸込口と前記補助吸込口を連通させる流路を
   前記吸込通路と隔離するように吸込具本体の天面部に連
   絡通路として設けた請求項１〜４のいずれか１項記載の
   電気掃除機用吸込具。