JPH10206371A - 酸素センサの異常検出装置 - Google Patents

酸素センサの異常検出装置

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JPH10206371A
JPH10206371A JP9006563A JP656397A JPH10206371A JP H10206371 A JPH10206371 A JP H10206371A JP 9006563 A JP9006563 A JP 9006563A JP 656397 A JP656397 A JP 656397A JP H10206371 A JPH10206371 A JP H10206371A
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oxygen sensor
sensor
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voltage
current
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JP9006563A
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Inventor
Masayuki Takami
雅之 高見
Asamichi Mizoguchi
朝道 溝口
Tetsushi Haseda
哲志 長谷田
Kazuhiro Okazaki
和弘 岡崎
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な方法で且つ精度良く酸素センサの劣化判
定を行う。 【解決手段】酸素センサ5は、電圧印加に伴い酸素濃度
(空燃比)に対応したほぼ一定の限界電流を出力する検
出素子部6と、同検出素子部6を加熱するヒータ7とを
有している。マイクロコンピュータ2内のCPU2a
は、酸素センサ5の内部抵抗を検出し、その内部抵抗が
目標値に一致するようにヒータ7の通電をフィードバッ
ク制御する。また、CPU2aは、印加電圧を異常検出
用の所定電圧に切り換え、その電圧切り換えに伴う電流
変化の周波数特性を解析する。そして、周波数応答のゲ
イン特性の変局点であるカットオフ周波数fcを異常判
定パラメータとして、そのパラメータが所定の正常域に
なければセンサ異常の旨を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車載用エン
ジンの排気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素濃度
センサに係るものであって、当該酸素濃度センサの電流
電圧の周波数特性を用いて酸素センサの異常を検出する
異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車用エンジンにおいて
は、排気ガス中の酸素濃度に応じて空燃比をリニアに検
出する酸素センサが採用されている。この酸素センサ
は、例えば図3に示すように適切な印加電圧制御をする
(図3におけるL1のI軸と平行な直線上に制御する)
ことにより、排気ガス中の酸素濃度に応じた電流を出力
し、前記自動車用エンジンの空燃比制御システムに採用
された場合には、その時のセンサ出力(センサ電流値)
に応じて空燃比が求められる。
【0003】また、上記酸素センサでは、経時的な劣化
等によるセンサの異常を精度良く検出する技術が要望さ
れており、この種の従来技術として例えば特開平4−2
33447号公報の「排気濃度センサの劣化検知方法」
が開示されている。この公報では、酸素センサに電圧を
印加した時の酸素センサの出力電流から、当該酸素セン
サの内部抵抗を算出し、その内部抵抗値が大きくなると
酸素センサが劣化したと判定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来公
報の場合、以下に示す問題を生ずる。つまり、上述の酸
素センサの場合、図12に示すように酸素センサの温度
上昇に伴い内部抵抗が低下するという関係があり、酸素
センサの異常を内部抵抗値から検出するには、酸素セン
サの温度を一定に保つ必要がある(同センサを活性化状
態に保持する)。このため、酸素センサにヒータを内蔵
して、同ヒータをエンジン状態に応じた電力制御又は定
電力制御して酸素センサの温度をほぼ一定に保ち、酸素
センサの内部抵抗から酸素センサの異常を判定する場合
がある。しかし、前記ヒータの電力制御では、エンジン
が過渡状態の時にセンサの温度変動が大きく、また、セ
ンサ温度は外気温度等の影響を受け易いため、正確な異
常判定をすることは難しい。これとは逆に、酸素センサ
の内部抵抗がほぼ一定になるようヒータを制御し、その
時の酸素センサ温度若しくはヒータ電力等から推定した
センサ温度に基づいて異常判定する場合も、前記と同様
に外気温や排気温度等の影響を受け易く、正確な異常判
定をすることは難しい。
【0005】このように、既存技術では、酸素センサの
内部抵抗値と温度との両方が正確に検出できなければ、
当該センサの異常判定を正確に実施することが困難であ
るという問題があった。
【0006】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、新規な方法で
且つ精度良く酸素センサの異常判定を行うことができる
酸素センサの異常検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明ではその特徴として、酸素セ
ンサの印加電圧を所定電圧に切り換える電圧切換手段
と、印加電圧の切り換えに伴う前記酸素センサの電流変
化を検出する電流検出手段と、印加電圧の切り換えに伴
う電流変化の周波数特性を異常判定パラメータとして、
そのパラメータに基づいて前記酸素センサの異常を判定
する異常判定手段とを備える。
【0008】要するに、印加電圧の切り換えに伴う電流
変化の周波数特性に基づいて、酸素センサの異常検出を
行うことは、センサ個々の特性を導き出してそれにより
異常の有無を判断するものであるため、その構成上、酸
素センサを確実に活性状態に保持していなくても異常検
出が可能になる。すなわち、酸素センサはある程度まで
活性化してればよく、従来装置のようにセンサ活性化状
態での内部抵抗値とセンサ温度との両方を要件にして異
常検出処理を実施する必要はない。このとき、外気温や
排気温等の影響を受けずに異常診断が精度良く検出でき
る。このようにして本発明の構成によれば、新規な方法
で且つ精度良く酸素センサの異常判定を行うことができ
るようになる。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、印加電
圧の切り換えに伴う電流変化の周波数特性を解析する周
波数解析手段を備え、前記異常判定手段は、前記周波数
解析手段による周波数特性の解析結果を前記異常判定パ
ラメータとして、そのパラメータが所定の正常域になけ
ればセンサ異常の旨を判定する。この場合、上記周波数
解析によれば、図13に示すようなボード線図が得ら
れ、このボード線図のゲイン特性又は位相特性によれ
ば、容易且つ正確に周波数特性に基づく異常検出が実施
できる。
【0010】より具体的には、 ・請求項3に記載したように、周波数応答のゲイン特性
の変局点を演算し、該演算した変局点を異常判定パラメ
ータとして、そのパラメータが所定の周波数域になけれ
ばセンサ異常の旨を判定するようにしたり、 ・請求項4に記載したように、周波数応答の位相特性に
おいて位相進み角度が所定角度となる周波数を演算し、
該演算した周波数を異常判定パラメータとして、そのパ
ラメータが所定の周波数域になければセンサ異常の旨を
判定するようにしたりする、といった構成が望ましい。
【0011】かかる場合、センサ異常が発生していれ
ば、図13に示すゲイン特性の変局点に相当するカット
オフ周波数fc、或いは同図に示す位相特性の位相進み
角度が所定角度(図では、45度)となる周波数fθが
所定のセンサ正常範囲から外れ、異常領域の数値として
検出される。以上のように、酸素センサの電圧変化に伴
う電流変化の周波数特性がセンサ異常状態に対応するた
め、当該酸素センサの異常が精度良く検出できることに
なる。
【0012】一方、請求頃5に記載の発明では、所定の
時定数を持たせて酸素センサの印加電圧を切り換えるよ
うにした酸素センサの異常検出装置において、前記所定
の時定数を持たせた電圧を前記酸素センサに印加してか
ら所定時間経過後に流れる第1検出電流と、当該第1検
出電流の検出時刻から所定時間経過後に流れる第2検出
電流とを比較する電流比較手段を備え、前記異常判定手
段は、前記第1検出電流と第2検出電流との比較結果を
前記異常判定パラメータとして、そのパラメータが所定
の正常域になければセンサ異常の旨を判定する。
【0013】すなわち、所定の時定数を持たせた電圧を
酸素センサに印加すると、酸素センサの周波数特性を反
映したセンサ電流が得られ、図15のタイムチャートに
おいては、酸素センサの周波数特性変化に対応して第1
検出電流(Itp1)と第2検出電流(Itp2)との
比が変化する。つまり、例えば図15で「異常センサ」
(図の二点鎖線)として示すように、センサ異常時には
低周波数域における応答性が低下し、センサ電流の減衰
が早くなる。従って、例えば酸素センサが劣化してセン
サ電流の減衰の度合が大きい場合には、その劣化状態が
センサの第1検出電流(電流ピーク値)からの減衰量
(例えば、図15の「Itp1−Itp2」)により検
出できることになる。その結果、第1検出電流と第2検
出電流とを比較することにより、酸素センサの異常が検
出可能となる。
【0014】また、かかる構成では、酸素センサの周波
数特性を直接検出せずに同周波数特性を間接的に検出す
ることができるため、電圧切り換えに伴うセンサ電流の
変化を逐次サンプリングして検出したり、その検出結果
を周波数分析したりする等、周波数特性を直接的に検出
するための処理が不要となる。そのため、センサ異常の
判定に際し、その処理が簡便化されるようになる。
【0015】請求項6に記載の発明では、所定の時定数
を持たせて酸素センサの印加電圧を切り換えるようにし
た酸素センサの異常検出装置において、前記所定の時定
数を持たせた電圧を酸素センサに印加した際の当該電圧
変化に伴う電流変化の比と、前記酸素センサの直流内部
抵抗とを比較する内部抵抗比較手段を備え、前記異常判
定手段は、前記内部抵抗の比較結果を前記異常判定パラ
メータとして、そのパラメータが所定の正常域になけれ
ばセンサ異常の旨を判定する。
【0016】すなわち、本請求項の構成においても、上
記請求項5の構成と同様に、所定の時定数を持たせた電
圧を酸素センサに印加することにより、酸素センサの周
波数特性を反映したセンサ電流を得るようにしている。
つまり、所定の時定数を持たせた電圧を酸素センサに印
加した際の当該電圧変化に伴う電流変化の比は、当該セ
ンサの内部インピーダンスとして定義でき、この内部イ
ンピーダンスは図16に示すように、酸素センサの直流
内部抵抗に対して所定の関係を有する。この場合、内部
インピーダンスは酸素センサの正常又は異常状態に対応
する周波数特性を反映するのに対し、酸素センサの直流
内部抵抗は、酸素センサの周波数特性が変化しても変化
しない。そのため、両者(内部インピーダンス及び直流
内部抵抗)を比較することで酸素センサの異常が検出可
能となる。
【0017】また、本構成でも上記請求項5の構成と同
様に、酸素センサの周波数特性を直接検出せずに同周波
数特性を間接的に検出することができるため、電圧切り
換えに伴うセンサ電流の変化を逐次サンプリングして検
出したり、その検出結果を周波数分析したりする等、周
波数特性を直接的に検出するための処理が不要となる。
そのため、センサ異常の判定に際し、その処理が簡便化
されるようになる。
【0018】請求項6の具体的な構成として、 ・請求項7に記載の発明では、前記内部抵抗比較手段
は、前記エンジンへの燃料カット時のセンサ電流とその
時の印加電圧とから前記酸素センサの直流内部抵抗を検
出する手段を有し、 ・請求項8に記載の発明では、前記酸素センサへ電圧を
供給するための回路を瞬断し、該瞬断する前後の電圧及
び電流変化から酸素センサの直流内部抵抗を検出する手
段を有する。
【0019】これらの構成は、直流内部抵抗を簡易的に
検出する手法であり、請求項7の構成では、図26に示
すように酸素センサのV−I特性図において、燃料カッ
ト時の電流値Ifcとその時の印加電圧Vpとから直流
内部抵抗Rdが算出される(Rd=Vp/Ifc)。ま
た、請求項8の構成では、図29に示すように酸素セン
サのV−I特性図において、印加電圧Vpの瞬断時にお
ける電圧変化(Vp−Vopen)とその時のセンサ電
流値Ipとから直流内部抵抗が算出される(直流内部抵
抗=(Vp−Vopen)/Ip)。
【0020】請求項9に記載の発明では、前記酸素セン
サの内部抵抗若しくは温度を検出し、該検出した酸素セ
ンサの内部抵抗若しくは温度に基づいて前記異常判定パ
ラメータを比較判定するための領域を可変に設定する。
すなわち、本発明の酸素センサでは、図12に示すよう
に酸素センサの温度上昇に伴い内部抵抗が低下するとい
う関係があり、これに伴い図14に示すように酸素セン
サの周波数特性も変化する。従って、内部抵抗若しくは
センサ温度に基づいて異常判定パラメータの判定領域を
可変に設定すれば、より高精度な異常判定が可能とな
る。この場合、正常域としての領域を狭めることがで
き、一段と正確な異常判定が可能となる。
【0021】請求項10に記載の発明では、前記酸素セ
ンサの内部抵抗若しくは温度に応じて、当該センサに付
設されたヒータを制御するヒータ制御手段を備える。す
なわち、本発明の酸素センサにおいては、前述の如く酸
素センサの温度上昇に伴い内部抵抗が低下するという関
係があり、これに伴い酸素センサの周波数特性も変化す
る。従って、内部抵抗若しくはセンサ温度を一定に制御
すれば、酸素センサの周波数特性の変化を抑えることが
でき、より一層高精度な異常判定が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明を自動車用内燃機
関(エンジン)の空燃比検出装置にて具体化した第1の
実施の形態を図面に従って説明する。
【0023】図1は、本実施の形態における空燃比検出
装置の概要を示す電気回路図である。図1において、電
子制御装置(以下、ECUという)1は、CPU(中央
処理装置)2a,ROM(リードオンリメモリ)2b,
RAM(ランダムアクセスメモリ)2cを備えたマイク
ロコンピュータ2を中心に構成されている。このマイク
ロコンピュータ2は、後述する限界電流方式の酸素セン
サ5の電流検出値を入力し、所定の演算プログラムに従
い空燃比を求めて出力する。また、マイクロコンピュー
タ2にはエンジン制御用ECU21が接続されており、
前記マイクロコンピュータで求められた空燃比はエンジ
ン制御用ECU21に出力される。エンジン制御用EC
U21は、上記空燃比やその他内燃機関情報、車両運転
情報に基づいて空燃比フィードバック制御を実施する。
【0024】一方、マイクロコンピュータ2は、酸素セ
ンサ5の異常を判定し、その異常判定信号をエンジン制
御用ECU21に出力する。エンジン制御用ECU21
は異常判定信号に従い警告灯22を点灯表示させて、酸
素センサ5の異常の旨をドライバ等に告知する。
【0025】酸素センサ5は図示しないエンジンの排気
管に設けられており、検出素子部6とヒータ7とを有し
ている。検出素子部6は、空燃比リーン領域における酸
素濃度、若しくは空燃比リッチ領域における未燃ガス
(CO,HC,H2 等)濃度に対応する限界電流を発生
し、ヒータ7は検出素子部6を活性温度(例えば、約6
50℃以上)に加熱する。この場合、ECU1に設けら
れたヒータ通電制御回路3がヒータ7への通電電流を制
御し、これにより検出素子部6の温度が活性温度範囲に
保持される。具体的には、ヒータ通電制御回路3はスイ
ッチング素子としてのトランジスタ3aを有し、同トラ
ンジスタ3aのコレクタにヒータ7の一端が接続されて
いる。トランジスタ3aは、マイクロコンピュータ2か
らの通電信号に伴いオン・オフ動作し、ヒータ7の通電
をデューティ制御させる。また、ヒータ7の他端にはバ
ッテリ電源+Bが接続されている。
【0026】マイクロコンピュータ2と検出素子部6と
の間には、電圧印加部8及び電流測定部12が接続され
ている。そして、マイクロコンピュータ2にて制御され
る限界電流検出用の印加電圧は、電圧印加部8のD/A
変換器9、オペアンプ10及び抵抗11を介して検出素
子部6に印加される。また、検出素子部6にて発生する
限界電流の測定値は、電流測定部12の抵抗11、オペ
アンプ13及びA/D変換器14を介してマイクロコン
ピュータ2に入力される。
【0027】図2は、酸素センサ5の構造を概略的に示
す断面図である。検出素子部6において、断面カップ状
に形成された固体電解質層16の外表面には、排気ガス
側電極層18が固着され、内表面には大気側電極層19
が固着されている。また、排気ガス側電極層18の外側
には、プラズマ溶射法等により拡散抵抗層17が形成さ
れている。固体電解質層16は、ZrO2 、HfO2 、
ThO2 、Bi2 O3等にCaO、MgO、Y2 O3 、
Yb2 O3 等を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導
性酸化物焼結体からなり、拡散抵抗層17は、アルミ
ナ、マグネシャ、ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐
熱性無機物質からなる。排気ガス側電極層18及び大気
側電極層19は共に、白金等の触媒活性の高い貴金属か
らなり、多孔質の化学メッキとして固体電解質層16の
両表面に形成されている。なお、排気ガス側電極層18
の面積及び厚さは、10〜100mm^2(平方ミリメー
トル)及び0.5〜2.0μm程度となっており、一
方、大気側電極層19の面積及び厚さは、10mm^2
(平方ミリメートル)以上及び0.5〜2.0μm程度
となっている。
【0028】ヒータ7は大気側電極層19内に収容され
ており、その発熱エネルギーにより大気側電極層19、
固体電極質層16、排気ガス側電極層18及び拡散抵抗
層17を加熱する。ヒータ7は、検出素子部6を活性化
するに十分な発熱容量を有している。
【0029】そして、上記構成の酸素センサ5におい
て、検出素子部6は理論空燃比点よりリーン側の領域で
は酸素濃度に応じた限界電流を発生する。この場合、酸
素濃度に対応する限界電流は、排気ガス側電極層18の
面積、拡散抵抗層17の厚さ、気孔率及び平均孔径によ
り決定される。また、理論空燃比よりもリッチ側の領域
では、未燃ガスである一酸化炭素(CO)の濃度が空燃
比に対してほぼリニアに変化し、検出素子部6はCO濃
度に応じた限界電流を発生する。
【0030】ここで、酸素センサ5の電圧−電流特性に
ついて図3を用いて説明する。つまり、図3に示すよう
に特性線L1は、検出素子部6の固体電解質層16に印
加される電圧が変化しても同固体電解質層16に流れる
電流の変化が微小な部分(図のV軸に平行な直線部
分)、いわゆる”限界電流発生域”を有している(な
お、この領域を過電圧支配領域とも言う)。そして、こ
の直線部分の限界電流発生域にて限界電流が特定される
ようになっている。酸素センサ5の限界電流値は空燃比
に比例し、空燃比がリーン側になるほど増大し、逆に空
燃比がリッチ側になるほど減少する。
【0031】また、この電圧−電流特性において限界電
流発生域よりも小さい電圧域は、抵抗支配域となってお
り、その抵抗支配域における特性線L1の傾きは、検出
素子部6における固体電解質層16の内部抵抗Riによ
り特定される。ここで、固体電解質層16の内部抵抗R
iは温度変化に伴い変化するため(図12参照)、検出
素子部6の温度が低下すると抵抗の増大により上記傾き
が小さくなる。この場合、温度が低下すると、電圧−電
流特性は図3に破線で示す特性線L2で特定される。特
性線L2による限界電流は特性線L1による限界電流と
ほぼ一致する。
【0032】次に、上記の如く構成される空燃比検出装
置の作用を説明する。図4のフローチャートは、マイク
ロコンピュータ2内のCPU2aにより実行されるメイ
ンルーチンを示しており、CPU2aは数ms間隔でこ
のルーチンを繰り返し実行する。
【0033】さて、図4のルーチンがスタートすると、
CPU2aは、先ずステップ110で空燃比検出ルーチ
ン(A/F検出ルーチン)を実行する。通常は、この空
燃比検出ルーチンのみが数ms間隔で繰り返し実行さ
れ、後述するステップ120,140,160のいずれ
かの条件が成立した場合には、ステップ130の内部抵
抗検出ルーチン(Ri検出ルーチン)、ステップ150
のヒータ制御ルーチン、又はステップ170のセンサ異
常判定ルーチンのいずれかが実行されるようになってい
る。
【0034】以下に、図5〜図8のフローチャートを用
いて各処理の内容を詳述する。ここで、図5は図4のス
テップ110に相当する空燃比検出ルーチンを、図6は
図4のステップ130に相当する内部抵抗検出ルーチン
を、図7は図4のステップ150に相当するヒータ制御
ルーチンを、図8は図4のステップ170に相当するセ
ンサ異常判定ルーチンを、それぞれ示す。
【0035】図5の空燃比検出ルーチンにおいて、CP
U2aは、先ずステップ111で酸素センサ5の検出素
子部6に正の電圧Vpを印加する。このとき、電圧Vp
の値は、空燃比(限界電流値Ip)の検出範囲の全域が
検出可能な値とするのが望ましく、例えば内部抵抗Ri
=30Ωで、且つ空燃比=12〜18が空燃比の検出範
囲とすると、0.3〜0.5〔ボルト〕程度でVp値を
設定すればよい。
【0036】その後、CPU2aは、ステップ112で
電圧Vpを印加した時に検出素子部6に流れる電流値、
すなわち限界電流値Ipを検出する。さらに、CPU2
aは、ステップ113で図9に示す限界電流値−空燃比
マップを用いてその時の限界電流値Ipを空燃比(A/
F)に変換する。また、CPU2aは、続くステップ1
14で上記の如く得られた空燃比をエンジン制御用EC
U21に出力した後、本ルーチンを終了する。
【0037】一方、空燃比の検出後において、CPU2
aは、図4のステップ120に進み、酸素センサ5の内
部抵抗Riを検出するか否かを条件判別する。このと
き、内部抵抗Riの検出条件としては排気ガスの温度変
化に従うのがよく、具体的には、機関回転数、吸気管圧
力、吸入空気量、排気ガス量等が急変した際に内部抵抗
Riの検出が要ると判定する。なお、この判定条件を単
一時間周期を判定するといった条件に変更し、一定周期
で(例えば1秒毎に)内部抵抗Riを検出するようにし
てもよい。この場合、エンジン制御用ECU21を介し
てマイクロコンピュータ2へ内燃機関情報(機関回転
数、吸気管圧力、吸入空気量、排気ガス量等)を入力す
る必要はない。
【0038】そして、上記ステップ120が肯定判別さ
れれば、CPU2aはステップ130に進み、図6の内
部抵抗検出ルーチンを実行する。すなわち、図6におい
て、CPU2aは、ステップ131で酸素センサ5の検
出素子部6に負の電圧Vnを印加する。ここで、電圧V
nの値は、図3に示すように限界電流発生域にかからな
い抵抗支配域の電圧であり、具体的には−0.3〜−1
〔ボルト〕程度のVn値を設定すればよい。
【0039】その後、CPU2aは、ステップ132で
時間t1だけ待機する。つまり、酸素センサ5の印加電
圧を正の電圧Vpから負の電圧Vnに切り換えると、図
10に示す如く電圧切り換え直後に急峻な電流変化(ピ
ーク電流)が発生し、その後、静特性上の電流値Inに
収束する(以下、「In」を収束電流値という)。そこ
で、電圧切り換え後、電流が完全に収束するのに必要な
時間t1(数10ms〜数100ms)だけその状態を
保持し、時間t1経過後に、CPU2aは、ステップ1
33で収束電流値Inを検出すると共に、当該電流値I
nをRAM2cに記憶させる。
【0040】さらに、CPU2aは、ステップ134で
検出素子部6の印加電圧を負の電圧Vnから元の正の電
圧Vpに戻すと共に、ステップ135で時間t2だけ待
機する。この時間t2も、図10に示すように電圧切り
換え時におけるピーク電流を完全に収束させるための待
機時間(数10ms〜数100ms)であり、電圧切り
換え後にはこの時間t2だけその状態が保持される。
【0041】その後、CPU2aは、ステップ136で
ステップ131の負の電圧Vnとステップ133で検出
した収束電流値In(負の電流値)とからその時の検出
素子部6(固体電解質層16)の内部抵抗Riを算出す
る(Ri=Vn/In)。かかる図6では、上記の如く
時間t1,t2だけ待機した後に電流値(In、又は図
5のIp)が検出されることにより、精度の高い検出結
果が得られることとなる。
【0042】ここで、上記図6の処理(内部抵抗検出処
理)を図10のタイムチャートを用いてより具体的に説
明する。つまり図10では、T1のタイミングで印加電
圧が「Vp」から「Vn」に切り換えられ、時間t1
(数10ms〜数100ms)が経過したT2のタイミ
ングで収束電流値Inが検出されると共に、印加電圧が
元の電圧Vpに戻される。さらにその後、時間t2(数
10ms〜数100ms)が経過したT3のタイミング
で内部抵抗Riが算出される。
【0043】なおここで、検出素子部6の内部抵抗を検
出する他の手法として、 ・酸素センサ5に交流電圧を印加した際のセンサ印加電
圧とセンサ電流とから求める方法、 ・酸素センサ5の印加電圧を瞬断した際のセンサ電圧変
化とセンサ電流変化とから求める方法、 ・前記の時間t2を数ms程度に短縮し、収束前の電流
値から収束電流値Inを推定して求める方法、等を用い
る構成としてもよい。
【0044】また、前記図4のステップ140におい
て、CPU2aはヒータ7の通電制御を行うか否かを条
件判別する。このとき、ヒータ制御の実行条件は、前記
ステップ120と同様に、機関回転数、吸気管圧力、吸
入空気量、排気ガス量等が急変した際に成立する。な
お、前回のヒータ制御から所定時間が経過したか否かに
応じてヒータ制御の要否を判定してもよく、この場合、
ヒータ制御は一定周期で(例えば1秒毎に)実行され
る。
【0045】そして、上記ステップ140が肯定判別さ
れれば、CPU2aはステップ150に進み、ヒータ制
御手段に相当するヒータ制御ルーチンを実行する。ここ
で、同ヒータ制御では、酸素センサ5を活性状態に保持
できることができるようヒータ7を予め設定した固定デ
ューティでその通電を制御したり、又はヒータ7への供
給電力を一定制御したりしてもよいし、或いは機関運転
状態に応じてヒータ7への供給電力を可変制御するよう
にしてもよい。可変制御時の目標電力は、例えば排気温
及び水温に応じて予め設定されたマップ値を用いればよ
い。
【0046】因みに本実施の形態では、図7に示すヒー
タ制御ルーチンに従って、PWM(パルス幅変調)によ
るデューティ比制御によりヒータ7の通電が制御される
ようになっており、その制御デューティDutyは以下
の(1),(2),(3)式により算出される。
【0047】 GP=KP・(Ri−RiT) ・・・(1) GI=GIi-1 +KI・(Ri−RiT) ・・・(2) Duty=GP+GI ・・・(3) 但し、上記各式において、「GP」は比例項、「GI」
は積分項、「KP」は比例定数、「KI」は積分定数、
「RiT」は目標抵抗値を表している。
【0048】つまり、図7において、CPU2aは、ス
テップ151で上記(1)式を用いて内部抵抗Riの偏
差に応じた比例項GPを算出し、続くステップ152で
上記(2)式を用いて内部抵抗Riの偏差に応じた積分
項GIを算出する。そして、CPU2aは、ステップ1
53で上記(3)式を用いてヒータ7の制御デューティ
Dutyを算出し、その後本ルーチンを終了する。こう
してヒータ7は、上記制御デューティDutyに基づ
き、図1のヒータ通電制御回路3により通電制御され
る。なお、本実施の形態では、いわゆるPI制御を行っ
ているが、PID制御、P制御のみ若しくはI制御のみ
を行うように変更することも可能である。
【0049】さらに、前記図4のステップ160におい
て、CPU2aは酸素センサ5の異常判定を行うか否か
を条件判別する。このとき、異常判定の実行条件とし
て、車両の走行距離等の運転情報により異常判定の要否
を判断してもよいし、或いは前回の異常判定から所定時
間が経過したか否かに応じて異常判定の要否を判断して
もよい。
【0050】そして、上記ステップ160が肯定判別さ
れた場合には、CPU2aはステップ170に進み、図
8のセンサ異常判定ルーチンを実行する。図8において
CPU2aは、先ずステップ171でカウンタを「0」
にクリアし、続くステップ172で酸素センサ5の検出
素子部6にステップ電圧Vstepを印加する。すなわ
ち、印加電圧を酸素濃度検出用の電圧Vpから異常検出
用の電圧Vstepに切り換える。この電圧Vstep
の値は、印加電圧の切り換え後も限界電流発生域にかか
る電圧であり、具体的にはVp±0.2〔ボルト〕程度
が望ましい(正負はどちらでもよい)。また、このステ
ップ電圧Vstepは、後のステップ173〜176で
センサ電流をサンプリングする周期に基づき、ナイキス
ト周波数の1/2以上の成分が十分にカットされている
ステップ電圧である。
【0051】その後、CPU2aは、ステップ173で
センサ電流Istepを検出し、続くステップ174で
時間tsだけ待機する。かかる場合、時間tsは、前記
図6のステップ132における時間t1(電圧切り換え
時のピーク電流の収束時間)よりも十分に短い時間であ
って(ts≪t1)、具体的には数10μs未満の時間
でよい。そして、CPU2aは、時間tsだけその状態
を保持した後にステップ175に進み、カウンタに
「1」を加算すると共に当該電流値IstepをRAM
2cに記憶させる。
【0052】さらに、CPU2aは、ステップ176で
カウンタの値が予め設定しておいたデータ数N以上にな
ったか否かを判別する。ここで、データ数Nは、後のス
テップ177で周波数分析を行い易くするために「2」
のべき乗(64,128,256,512,1024
等)にするのが望ましい。このとき、ステップ176が
否定判別されれば、CPU2aはステップ173〜17
6の処理を繰り返し実行する。
【0053】そして、上記ステップ176が肯定判別さ
れれば、CPU2aはステップ177に進み、周波数分
析を実施する。周波数分析は、良く知られているFFT
等により、印加電圧に対するセンサ電流変化のゲイン及
び位相の周波数依存性を求める。具体的には、印加電圧
とセンサ電流とをそれぞれ周波数分析し、それらの比か
ら図13のボード線図に示すような酸素センサ5の周波
数特性を求める。この際、周波数分析に用いる印加電圧
は、実際の電圧をその都度測定してもよいよいし、予め
ROM2b内に設定しておいた設計中央値としてもよ
い。こうして求められた酸素センサ5の周波数特性にお
いて、印加電圧に対するセンサ電流のゲインは、図13
(a)に示すように印加電圧の周波数の上昇に伴って上
昇し、ある周波数の変局点以上で一定になる。この変局
点をカットオフ周波数fcと呼ぶ。CPU2aは、ステ
ップ178で上記図13のボード線図を用いてセンサ周
波数特性のカットオフ周波数fcを検出する。
【0054】その後、CPU2aは、ステップ179で
センサ周波数特性のカットオフ周波数fcが正常域にあ
るか否かを判別するための判定値fmin,fmaxを
設定する。ここで、判定値fmin,fmaxは予め設
定しておいた固定値としてもよいし、可変設定するよう
にしてもよい。本実施の形態では、判定値fmin,f
maxを可変に設定することとし、その値は予めROM
2b内に設定しておいたマップにより算出される。この
場合、センサ周波数特性のカットオフ周波数fcは、図
14に示すようにセンサ温度に応じて多少変動し、この
センサ温度は図12に示すように酸素センサ5の内部抵
抗Riに対して固有な関係を有する。従って、内部抵抗
Riが大きくなると、判定値fmin,fmaxを減少
側にシフトさせ、内部抵抗Riが小さくなると、判定値
fmin,fmaxを増加側にシフトさせる。こうして
内部抵抗Riに応じた判定値fmin,fmaxを用い
ることで、より狭い範囲に判定値を設定することが可能
となり、正確な異常判定が可能となる。
【0055】なお、判定値fmin,fmaxを固定値
とする場合、当該判定値fmin,fmaxによる正常
域は1Hz〜1kHzとするのがよく、望ましくは数1
0Hz〜数100Hz程度とするとよい。
【0056】さらにCPU2aは、ステップ180でセ
ンサ周波数特性のカットオフ周波数fcを前記ステップ
179で設定した判定値fmin,fmaxと比較す
る。そして、fmin≦fc≦fmaxであれば、CP
U2aはセンサ正常であるとみなしてステップ180を
肯定判別し、本ルーチンを終了する。
【0057】一方、fc<fmin又はfc>fmax
であれば、CPU2aはセンサ異常であるとみなしてス
テップ180を否定判別し、ステップ181に進む。C
PU2aは、ステップ181で異常判定信号をエンジン
制御ECU21に出力した後、本ルーチンを終了する。
かかる場合、エンジン制御ECU21は警告灯22を点
灯表示させると共に、空燃比フィードバック制御を中断
する。
【0058】なお、本実施の形態では、上記図8のステ
ップ172の処理が請求項記載の電圧切換手段に相当
し、ステップ173〜178の処理が周波数解析手段に
相当する。また、カットオフ周波数fcが異常判定パラ
メータに相当し、ステップ180の処理が異常判定手段
に相当する。さらに、ステップ179の処理が領域設定
手段に相当する。
【0059】ここで、上記図8の処理を図11のタイム
チャートを用いてより具体的に説明する。図11におい
て、先ずT11のタイミングでは、印加電圧が酸素濃度
検出用の電圧Vpから異常検出用の電圧Vstepに切
り換えられる。図のΔVstepは電圧変化量を示す。
そして、時間ts周期(数10μs程度の周期)でN
回、センサ電流Istepがサンプリングされる。この
とき、センサ電流Istepは、一旦ピーク値に達した
後、徐々に減少することになる。
【0060】その後、T12のタイミングでは、印加電
圧及びセンサ電流がそれぞれ周波数分析され、それらの
比をパラメータとして周波数伝達関数が演算されると、
図13のボード線図に示すセンサ周波数特性が得られ
る。また、このT12のタイミングでは、上記図13の
ボード線図に基づいてカットオフ周波数fcが算出され
ると共に、判定値fmin,fmaxが設定され、カッ
トオフ周波数fcが判定値fmin,fmaxにより区
画される正常な周波数域にあるか否かが判別される。こ
のとき、fmin≦fc≦fmaxであれば正常判定さ
れ、fc<fmin又はfc>fmaxであれば、異常
判定される。
【0061】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、印加電圧の切り換えに伴う酸
素センサ5の電流変化を検出すると共に、印加電圧の切
り換えに伴う電流変化の周波数特性を異常判定パラメー
タとして、そのパラメータに基づいて酸素センサの異常
を判定するようにした。この場合、従来装置のようにセ
ンサ活性化状態での内部抵抗値とセンサ温度との両方を
要件にして異常検出処理を実施する必要はない。従っ
て、外気温や排気温等の影響を受けずに異常診断が精度
良く検出できる。その結果、新規な方法で且つ精度良く
酸素センサ5の異常判定を行うことができることにな
る。
【0062】(b)また特に、印加電圧の切り換えに伴
う電流変化の周波数特性を解析し、周波数応答のゲイン
特性の変局点であるカットオフ周波数fcを異常判定パ
ラメータとして、そのパラメータが所定の正常域になけ
ればセンサ異常の旨を判定するようにした。この場合、
図13に示すボード線図のゲイン特性によれば、容易且
つ正確に周波数特性に基づく異常検出が実施できる。つ
まり、酸素センサ5の電圧変化に伴う電流変化の周波数
特性がセンサ異常状態に対応するため、当該酸素センサ
5の異常が精度良く検出できるようになる。
【0063】(c)また、本実施の形態の異常判定処理
によれば、エンジン過渡状態での異常判定が実施できる
他、外気温の影響による検出誤差も少なくなるため、異
常検出の頻度を高めることができると共に、必要時に適
宜当該処理を実施することが可能となる。
【0064】(d)酸素センサ5の内部抵抗Riを検出
し、該検出した内部抵抗Riに基づいて異常判定パラメ
ータ(本実施の形態では、カットオフ周波数fc)を比
較判定するための判定値fmin,fmax(正常領
域)を可変に設定するようにした。従って、判定値fm
in,fmaxにて区画される正常領域を狭めることが
でき、一段と正確な異常検出が可能となる。
【0065】(e)また、本実施の形態では、酸素セン
サ5の内部抵抗Riに応じて、当該センサ5に付設され
たヒータ7をフィードバック制御するようにした。この
場合、内部抵抗Riに伴い酸素センサ5の周波数特性も
変化するため、内部抵抗Riを一定に制御すれば、酸素
センサ5の周波数特性の変化を抑えることができ、より
一層高精度な異常検出が可能となる。
【0066】(f)なお、上記構成において、内部抵抗
Riの検出処理やそれに伴う判定値fmin,fmax
の可変設定処理は必須要件ではなく、これらの処理を省
略すれば、ソフトウェア上の構成の簡素化が実現できる
ようになる。
【0067】次に、本発明の第2〜第6の実施の形態を
説明する。但し、以下の各実施の形態の構成において、
上述した第1の実施の形態と同等であるものについては
その説明を簡略化する。そして、以下には第1の実施の
形態との相違点を中心に説明する。
【0068】(第2の実施の形態)以下に、本発明にお
ける第2の実施の形態について、図17〜図21を用い
て説明する。
【0069】上記第1の実施の形態では、酸素センサ5
の内部抵抗Riに応じてヒータ7の通電をフィードバッ
ク制御していたが、本実施の形態では、その構成を以下
のように変更する。つまり、上述したように酸素センサ
5の温度と内部抵抗値とは図12に示すように密接な関
係にある。従って、本実施の形態では、酸素センサ5の
内部抵抗Riに代えて当該センサ5の温度(センサ温度
Temp)を用いて前記ヒータ7の通電をフィードバッ
ク制御する。また、上記実施の形態では、酸素センサ5
の内部抵抗Riに応じて異常判定時の前記判定値fmi
n,fmaxを可変に設定していたのに対し、本実施の
形態では、センサ温度Tempに応じて前記判定値fm
in,fmaxを可変に設定することとしている。
【0070】図17は、本実施の形態における空燃比検
出装置の概要を示す回路図である。この図17は、上記
第1の実施の形態における図1の一部を変更したもので
あり、同図では、酸素センサ5の検出素子部6の温度
(センサ温度Temp)を検出するための温度検出手段
31と、温度検出手段31の検出信号を取り込むと共に
その検出信号をマイクロコンピュータ2に出力する信号
処理部32とが追加されている。本実施の形態では、温
度検出手段31として熱電対を用いており、この熱電対
による熱起電力は、信号処理部32内のアンプ33にて
増幅された後、A/D変換器34を介してマイクロコン
ピュータ2に出力される。なお、上述したように、温度
検出手段31として熱電対を用いることは構成を簡略化
する上で好ましいが、放射温度計等他の検出装置に変更
することも可能である。図17の他の構成は、既述の図
1と同一であるためここではその説明を省略する。
【0071】図18は、本実施の形態における酸素セン
サ5の構造を示す図であり、上記第1の実施の形態にお
ける図2の一部を変更したものである。つまり、同図の
酸素センサ5では、既述の図2との相違点として、検出
素子部6の温度を検出するための熱電対(温度検出手
段)31が追加されている。
【0072】次に、上記の如く構成される空燃比検出装
置の作用を説明する。図19は、本実施の形態における
メインルーチンを示すフローチャートである。このフロ
ーチャートは、上記第1の実施の形態における図4の一
部を変更したものであり、前記図4のステップ120、
ステップ130及びステップ150が、図19のステッ
プ120a、ステップ130a及びステップ150aに
それぞれ変更されている。つまり、図19において、C
PU2aは、ステップ120aでセンサ温度の検出条件
が成立しているか否かを判別し、その条件成立下にてス
テップ130aに進む。センサ温度の検出条件として
は、排気ガスの温度変化に従うのがよく、具体的には、
機関回転数、吸気管圧力、吸入空気量、排気ガス量等が
急変した際にセンサ温度Tempの検出が要ると判定す
る。なお、この判定を単一時間毎に実施し、一定周期で
(例えば1秒毎に)センサ温度Tempを検出するよう
にしてもよい。
【0073】そして、ステップ130aでは、CPU2
aは図20に示すセンサ温度検出ルーチンを実行する。
図20において、CPU2aは、ステップ131aで温
度検出手段の出力(熱電対31の起電力)を検出する。
その後、CPU2aは、ステップ132aで温度検出手
段(熱電対31)の出力電圧に応じてマップ値からセン
サ温度Tempを算出すると共に、当該センサ温度Te
mpをRAM2cに記憶して本ルーチンを終了する。
【0074】また、前記図19のステップ140の条件
成立下において、CPU2aは、ステップ150aに進
む。そして、ステップ150aでは、CPU2aは図2
1に示すヒータ制御ルーチンを実行する。なお、本実施
の形態では、図21のルーチンがヒータ制御手段に相当
する。このヒータ制御では、上記第1の実施の形態でも
述べたように、酸素センサ5を活性状態に保持できるよ
うヒータ7の通電が制御され、具体的には ・ヒータ7を予め設定した固定デューティで通電制御す
る、 ・ヒータ7を一定電力で制御する、 ・エンジンの運転状態に応じてヒータ7を可変電力制御
する、 といった制御手法が実施される。因みに本実施の形態で
は、図21に示すヒータ制御ルーチンにおいて、ヒータ
7の制御デューティDutyが可変に設定され、同デュ
ーティDutyは以下の(4),(5),(6)式によ
り算出されるようになっている。
【0075】 GP=KP・(TempT−Temp) ・・・(4) GI=GIi-1 +KI・(TempT−Temp) ・・・(5) Duty=GP+GI ・・・(6) 但し、上記各式において、「GP」は比例項、「GI」
は積分項、「KP」は比例定数、「KI」は積分定数、
「TempT」は目標センサ温度を表している。
【0076】つまり、図21において、CPU2aは、
ステップ151aで上記(4)式を用いて酸素センサ5
の温度Tempの偏差に応じた比例項GPを算出し、続
くステップ152aで上記(5)式を用いて酸素センサ
5の温度Tempの偏差に応じた積分項GIを算出す
る。そして、CPU2aは、ステップ153aで上記
(6)式を用いてヒータ7の制御ディーティDutyを
算出し、その後本ルーチンを終了する。ヒータ7は、上
記制御デューティDutyに基づき、図17のヒータ通
電制御回路3により通電制御される。なお、本実施の形
態では、いわゆるPI制御を行っているが、PID制
御、P制御のみ若しくはI制御のみを行うように変更す
ることも可能である。
【0077】その後、前記図19のステップ160の条
件成立下において、CPU2aはステップ170のセン
サ異常判定ルーチンを実行する。このセンサ異常判定ル
ーチンでは、概ね前記第1の実施の形態における図8の
フローチャートに準じて各ステップの処理が実施される
が、同図8のステップ179の内容だけが変更される
(図示略)。つまり、本実施の形態の異常判定処理にお
いても、センサ電流変化の周波数解析結果に基づいてカ
ットオフ周波数fcを検出し、そのカットオフ周波数f
cが判定値fmin,fmaxにより区画される正常な
周波数域にあるか否かにより異常判定を実施する。かか
る場合、既述した図8では、ステップ179で酸素セン
サ5の内部抵抗Riに応じて判定値fmin,fmax
を可変に設定する旨を記載したが、本実施の形態ではこ
の判定値fmin,fmaxをセンサ温度Tempに応
じて可変に設定する。なお、判定値fmin,fmax
の設定に際しては、予め設定しておいたROM2b内の
マップを用いて各判定値がその都度設定されるが、目標
センサ温度に対応したfmin,fmaxを固定値とし
て設定するようにしてもよい。
【0078】以上詳述した本第2の実施の形態によれ
ば、上記第1の実施の形態と同様に、新規な方法で且つ
精度良く酸素センサ5の異常判定を行うことができると
いった本発明の目的が達せられる。また、本実施の形態
では、上記の構成に基づき以下の効果が併せて実現でき
る。
【0079】(a)酸素センサ5の温度Tempを検出
し、該検出したセンサ温度Tempに基づいて異常判定
パラメータを比較判定するための判定値fmin,fm
ax(正常領域)を可変に設定するようにした。従っ
て、上記第1の実施の形態と同様に、判定値fmin,
fmaxにて区画される正常領域を狭めることができ、
一段と正確な異常検出が可能となる。
【0080】(b)また、本実施の形態では、センサ温
度Tempに応じて、当該センサ5に付設されたヒータ
7をフィードバック制御するようにした。この場合、セ
ンサ温度Tempに伴い酸素センサ5の周波数特性も変
化するため、センサ温度Tempを一定に制御すれば、
上記第1の実施の形態と同様に、酸素センサ5の周波数
特性の変化を抑えることができ、より一層高精度な異常
検出が可能となる。
【0081】(c)なお、上記構成において、センサ温
度Tempの検出処理やそれに伴う判定値fmin,f
maxの可変設定処理は必須要件ではなく、これらの処
理を省略すれば、ソフトウェア上の構成の簡素化が実現
できるようになる。
【0082】(第3の実施の形態)次に、本発明におけ
る第3の実施の形態について説明する。上記各実施の形
態では、酸素センサ5の印加電圧変化に対するセンサ電
流変化の周波数特性を求め、図13(a)に示すゲイン
特性の変局点、すなわちカットオフ周波数fcを異常判
定パラメータとしてそのパラメータにより酸素センサ5
の異常を判定していた。これに対して、酸素センサ5の
印加電圧変化に対するセンサ電流変化の周波数特性に
は、図13(a),(b)に示すようにゲイン特性と位
相特性との間に密接な関係があり、酸素センサ5の周波
数特性の位相特性から酸素センサ5の異常を検出するこ
とが可能である。
【0083】つまり、図13(b)に示すように、酸素
センサ5の位相特性を見ると、低周波域では約60度
(deg)以上位相が進んでいるが、カットオフ周波数
fcの近傍では約45度の位相進みになり、高周波域で
は位相進みはほぼ0度になる。この場合、酸素センサ5
が正常であれば、位相進みが約45度となる周波数fθ
が所定の正常域(図13のfminとfmaxとの間)
に保持されるのに対し、酸素センサ5が異常になると周
波数fθが正常域から外れることになる。従って、位相
進みが約45度になる周波数fθを異常判定パラメータ
として求めれば、この周波数fθにより異常判定を実施
することが可能になる。
【0084】図22は、本実施の形態におけるセンサ異
常判定ルーチンを示すフローチャートである。さて、図
22において、CPU2aは、ステップ171〜177
で前述した第1の実施の形態(図8)と同様に、異常検
出用電圧の印加時(Vstepへの電圧切り換え時)に
酸素センサ5に流れるセンサ電流Istepの変化を求
めると共に、その電流変化を周波数分析してその時のセ
ンサ状態に応じた周波数特性を得る。
【0085】そして、CPU2aは、ステップ178a
で図13(b)に示す周波数特性の位相特性において位
相進みが所定角度「θc」となる周波数fθを検出す
る。ここで、位相進み角度θcは、40度〜50度程度
に設定すればよいが、前述のように約45度にするとカ
ットオフ周波数fcとの相関が良いことが本発明者によ
り確認されている。
【0086】その後、CPU2aは、ステップ179で
異常判定パラメータとしての周波数fθによる異常判定
を行うための判定値fmin,fmaxを設定する。こ
の場合、上記第1の実施の形態で説明したように、内部
抵抗Riに応じて判定値fmin,fmaxを可変に設
定してもよいし、上記第2の実施の形態で説明したよう
に、センサ温度Tempに応じて判定値fmin,fm
axを可変に設定するようにしてもよい。また、同判定
値を固定値としてROM2b内に予め設定しておいても
よい。
【0087】次いで、CPU2aは、ステップ180a
で前記ステップ178aで検出した周波数fθが判定値
fmin,fmaxで区画される正常域にあるか否か、
すなわちfmin≦fθ≦fmaxであるか否かを判別
する。この場合、fmin≦fθ≦fmaxであれば、
CPU2aはセンサ正常であるとみなしてステップ18
0を肯定判別し、本ルーチンを終了する。
【0088】一方、fθ<fmin又はfθ>fmax
であれば、CPU2aはセンサ異常であるとみなしてス
テップ180を否定判別し、ステップ181へ進む。そ
して、CPU2aは、ステップ181で異常判定信号を
エンジン制御ECU21に出力した後、本ルーチンを終
了する(前記図8と同様)。
【0089】以上詳述した本第3の実施の形態によれ
ば、上記各実施の形態と同様に、新規な方法で且つ精度
良く酸素センサ5の異常判定を行うことができるといっ
た本発明の目的が達せられる。また、本実施の形態では
特に、印加電圧の切り換えに伴う電流変化の周波数特性
を解析し、周波数応答の位相特性において位相進み角度
が所定角度(45度)となる周波数fθを異常判定パラ
メータとして、そのパラメータが所定の正常域になけれ
ばセンサ異常の旨を判定するようにした。この場合、図
13に示すボード線図の位相特性によれば、容易且つ正
確に周波数特性に基づく異常検出が実施できる。つま
り、酸素センサの電圧変化に伴う電流変化の周波数特性
がセンサ異常状態に対応するため、当該酸素センサ5の
異常が精度良く検出できることになる。
【0090】(第4の実施の形態)次に、本発明におけ
る第4の実施の形態について、図23及び図24を用い
て説明する。
【0091】上記各実施の形態では、酸素センサ5の印
加電圧切り換えに対するセンサ電流変化の周波数特性を
求め、その周波数特性から検出された異常判定パラメー
タ(ゲイン特性の変局点であるカットオフ周波数fc、
又は位相特性で位相進みが所定角度となる周波数fθ)
に基づいて酸素センサ5の異常を判定するようにしてい
た。この場合、電圧切り換えに伴うセンサ電流の変化を
逐次検出したり、その検出結果を周波数分析したりする
等、周波数特性を直接的に検出するための処理が不可欠
であった。これに対し、本実施の形態では、酸素センサ
5の周波数特性を直接検出せずに同周波数特性を間接的
に検出し、その検出結果に基づいて酸素センサ5の異常
を判定するようにしている。以下、その詳細を説明す
る。
【0092】図23は、本実施の形態における空燃比検
出装置の概要を示す回路図である。この図23は、上記
第1の実施の形態における図1の一部を変更したもので
あり、同図では、酸素センサ5の印加電圧変化を滑らか
にするために、D/A変換器9の出力側にLPF(ロー
パスフィルタ)51が追加されている。このLPF51
の追加により、D/A変換器9の出力がステップ状に変
化しても(図11のΔVstep)、酸素センサ5の印
加電圧は、図15に示すように所定の時定数TLPFで
なまされて滑らかに変化する。このLPF51の時定数
TLPFは、酸素センサ5の周波数特性のカットオフ周
波数fcの10倍以上に設定するとよく、望ましくはカ
ットオフ周波数fcの30倍以上に設定するとよい。他
の構成は既述の図1と同一である。
【0093】この場合、LPF51にて印加電圧Vst
epを所定の時定数TLPFでなますことにより、酸素
センサ5の周波数特性を反映したセンサ電流が得られる
ことになる。つまり、例えば図15で「異常センサ」と
して示すように(図の二点鎖線)、センサ異常時には低
周波数域における応答性が低下し、センサ電流の減衰が
早くなる。従って、例えば酸素センサ5が劣化してセン
サ電流の減衰の度合が大きい場合には、その劣化状態が
センサ電流のピーク値からの減衰量(図15のItp1
−Itp2)により検出できることになる。因みに、セ
ンサ劣化時には、前記図13のボード線図においてカッ
トオフ周波数fθが高周波側にシフトして異常領域に達
することとなり、こうして「fθ>fmax」又は「f
c>fmax」となることは、LPF51でなました印
加電圧により流れるセンサ電流の減衰量が増大すること
と同意になる。
【0094】図24は、本実施の形態におけるセンサ異
常判定ルーチンを示すフローチャートである。図24の
フローチャートにおいて、CPU2aは、先ずステップ
172で酸素センサ5にステップ状の電圧Vstepを
印加する。このとき、電圧Vstepは、LPF51を
介して酸素センサ51に印加され、それにより所定の時
定数TLPFでなまさた滑らかな波形となっている。
【0095】次に、CPU2aは、ステップ173cで
時間tp1だけ待機する。この時間tp1は、図15に
示すように酸素センサ5の印加電圧変化に伴う電流変化
がピークとなる時間に相当し、例えば以下の(7),
(8)式を用いて算出されるようになっている。
【0096】 Ta=1/(2・π・fc) ・・・(7) tp1={(Ta・TLPF)/(TLPF−Ta)} ・In(Ta/TLPF) ・・・(8) 時間tp1の経過後、CPU2aは、ステップ174c
で酸素センサ5の電流変化のピーク値Itp1を検出す
る。さらに、CPU2aは、続くステップ175cで時
間tp2だけ待機する。この時間tp2は、前述の時間
tp1よりも長い時間にするのが望ましい。
【0097】時間tp2の経過後、CPU2aは、ステ
ップ176cで再び酸素センサ5の電流Itp2を検出
する。このとき、酸素センサ5の印加電圧が限界電流発
生域に設定されていれば、酸素センサ5の電流変化の周
波数特性は図13に示す特性となるため、この電流It
p2は必ず前記ピーク値Itp1よりも減衰することに
なる。
【0098】その後、CPU2aは、ステップ177c
で前述の電流値Itp1,Itp2の差を算出し、その
算出値を「ΔIdiff」としてRAM2cに保存する
(ΔIdiff=Itp1−Itp2)。本実施の形態
では、このΔIdiff値が異常判定パラメータに相当
する。また、上記ステップ177cの処理が請求項記載
の電流比較手段に相当し、電流値Itp1が第1検出電
流に、電流値Itp2が第2検出電流に相当する。
【0099】さらに、CPU2aは、ステップ179c
で前記ΔIdiff値を比較判定するための判定値Im
in,Imaxを設定する。このとき、判定値Imi
n,Imaxは、既述の各実施の形態と同様に、予め設
定されている固定値としてもよいし、或いは酸素センサ
5の内部抵抗Ri又はセンサ温度Tempに応じて可変
に設定するようにしてもよい。
【0100】その後、CPU2aは、ステップ180c
で前記ΔIdiff値が前記判定値Imin,Imax
により区画される正常域にあるか否か、すなわちImi
n≦|ΔIdiff|≦Imaxであるか否かを判別す
る。この場合、Imin≦|ΔIdiff|≦Imax
であれば、CPU2aはセンサ正常であるとみなしてス
テップ180cを肯定判別し、本ルーチンを終了する。
一方、|ΔIdiff|<Imin、又は|ΔIdif
f|>Imaxであれば、CPU2aはセンサ異常であ
るとみなしてステップ180cを否定判別し、ステップ
181へ進む。そして、CPU2aは、ステップ181
で異常判定信号をエンジン制御ECU21に出力した
後、本ルーチンを終了する(前記図8又は図22と同
様)。
【0101】以上詳述した本第4の実施の形態によれ
ば、上記各実施の形態と同様に、本発明の目的が達せら
れる。また、既述の効果に加えて、以下の効果が併せて
得られることになる。
【0102】(a)本実施の形態では、所定の時定数を
持たせて酸素センサ5の印加電圧を切り換えるようにし
たため、当該センサ5の周波数特性を反映したセンサ電
流(Itp1,Itp2)が得られる。この場合、セン
サ異常時にはその一例として低周波数域における応答性
が低下し、センサ電流の減衰が早くなる。従って、例え
ば酸素センサ5が劣化してセンサ電流の減衰の度合が大
きい場合には、その劣化状態がセンサの第1検出電流
(電流ピーク値)からの減衰量(Itp1−Itp2)
により検出できる。その結果、第1検出電流としてのI
tp1値と第2検出電流としてのItp2値とを比較す
れば、酸素センサの異常を精度良く検出できることにな
る。
【0103】(b)また、かかる構成では、酸素センサ
5の周波数特性を直接検出せずに同周波数特性を間接的
に検出することができるため、電圧切り換えに伴うセン
サ電流の変化を逐次サンプリングして検出したり、その
検出結果を周波数分析したりする等、周波数特性を直接
的に検出するための処理が不要となる(例えば、前記第
1の実施の形態におけるステップ171〜177の処
理)。そのため、センサ異常の判定に際し、その処理が
簡便化されるようになる。
【0104】(第5の実施の形態)次に、本発明におけ
る第5の実施の形態について、図25及び図26を用い
て説明する。
【0105】本実施の形態では、上記第4の実施の形態
と同様に、酸素センサ5の周波数特性を直接検出せずに
同周波数特性を間接的に検出し、その検出結果に基づい
て酸素センサ5の異常を判定することとしており、空燃
比検出装置の構成は既述の図23と同一である。つま
り、酸素センサ5の異常判定時においてステップ状の電
圧Vstepがマイクロコンピュータ2から出力される
と、その電圧VstepはLPF51にて所定の時定数
TLPFでなまされた後、当該酸素センサ5に印加され
るようになっている。
【0106】一方、本実施の形態ではその特徴として、
LPF51によるなまし後の電圧Vstepの変化量Δ
Vstepと、その電圧印加時に流れるセンサ電流のピ
ーク値Itp1とから酸素センサ5の内部インピーダン
ス(ΔVstep/Itp1)を求めると共に、例えば
図26の特性線L3を用いて直流要素としてのセンサ内
部抵抗(以下、直流内部抵抗Rdという)を求めるよう
にしている。この場合、図26の特性線L3は、燃料カ
ット(F/C)時の電圧−電流特性を示すものであり、
F/C時にセンサ5に流れる電流値Ifcを特性線L3
から求めれば直流内部抵抗Rdが容易に検出できる(R
d=Vp/Ifc)。また、酸素センサ5の周波数特性
が変化すると、センサの印加電圧を時定数を持たせて変
化した場合のセンサ電流ピーク値Itp1が変化するた
め、内部インピーダンス(ΔVstep/Itp1)の
値も変化する。従って、前記内部インピーダンス(ΔV
step/Itp1)と前記直流内部抵抗Rdとのズレ
を異常判定パラメータとして、そのパラメータが正常域
にあるか否かによりセンサ異常を判定するようにすれ
ば、酸素センサ5の周波数特性を直接検出することな
く、酸素センサ5の異常を判定することが可能となる。
【0107】ここで、図16は、酸素センサ6が正常で
あるか又は異常であるかに応じて内部インピーダンスと
直流内部抵抗との関係が推移することを示すグラフであ
る。同図に示すように、内部インピーダンスと直流内部
抵抗との比が適正域になければ、センサ異常である旨が
検出できるようになる。
【0108】つまり、本実施の形態では、図示しないメ
インルーチンのセンサ異常判定の実施条件(図4又は図
19のステップ160)として、エンジンがF/C状態
にあるか否かが判別される。そして、F/C状態にある
場合には、図25に示すセンサ異常判定ルーチンが実行
されるようになっている。以下に、図25の詳細を説明
する。
【0109】図25のフローチャートにおいて、CPU
2aは、先ずステップ171dで酸素センサ5のF/C
時における電流値Ifcを検出する。この電流値Ifc
は、上述の通り図26の特性線L3から求められる。す
なわち、印加電圧Vpを適切な値(例えば0.3〜0.
4V程度)に設定しておけば、空燃比検出時には例えば
特性線L1に示すように印加電圧Vpが限界電流発生域
から外れることがなく、他方、F/C時には特性線L3
に示すように印加電圧Vpが抵抗支配域で印加されるこ
とになる。そして、特性線L3の抵抗支配域により前記
の電流値Ifcが検出される。
【0110】その後、ステップ172〜174cでは、
CPU2aは、ステップ状のセンサ電圧Vstepを酸
素センサ5に印加すると共に、Vstep印加から時間
tp1経過後においてセンサ電流のピーク値Itp1を
検出する(前記図24と同様)。そして、CPU2a
は、ステップ175dで空燃比検出用の電圧VpとF/
C時の電流値Ifcとから直流内部抵抗Rdを算出し、
その算出値をRAM2cに保存する(Rd=Vp/If
c)。
【0111】また、CPU2aは、続くステップ177
dで内部インピーダンス(ΔVstep/Itp1)と
前記直流内部抵抗Rdとの差を算出し、その算出値を
「ΔZ」としてRAM2cに保存する。本実施の形態で
は、このΔZ値が異常判定パラメータに相当し、ステッ
プ177dの処理が請求項記載の内部抵抗比較手段に相
当する。
【0112】その後、CPU2aは、ステップ179d
で前記ΔZ値が正常域にあるか否かを判別するための判
定値Zmin,Zmaxを設定する。このとき、判定値
Zmin,Zmaxは、前記各実施の形態と同様に、予
め設定しておいた固定値としてもよいし、或いは酸素セ
ンサ5の内部抵抗値又はセンサ温度に応じて可変に設定
するようにしてもよい。
【0113】その後、CPU2aは、ステップ180d
で前記ΔZ値と判定値Zmin,Zmaxとを比較す
る。この場合、Zmin≦|ΔZ|≦Zmaxであれ
ば、CPU2aはセンサ正常であるとみなしてステップ
180dを肯定判別し、本ルーチンを終了する。一方、
|ΔZ|<Zmin、又は|ΔZ|>Zmaxであれ
ば、CPU2aはセンサ異常であるとみなしてステップ
180dを否定判別し、ステップ181へ進む。そし
て、CPU2aは、ステップ181で異常判定信号をエ
ンジン制御ECU21に出力した後、本ルーチンを終了
する(前記図8又は図22と同様)。
【0114】以上詳述した本第5の実施の形態によれ
ば、上記各実施の形態と同様に、本発明の目的が達せら
れる。また、特に以下の効果が併せて得られることにな
る。 (a)本実施の形態では、上記第4の実施の形態と同様
に、所定の時定数を持たせて酸素センサ5の印加電圧を
切り換えるようにし、この電圧を酸素センサ5に印加し
た際の当該電圧変化に伴う電流変化の比(内部インピー
ダンス)と、酸素センサ5の直流内部抵抗とを比較し、
その比較結果を異常判定パラメータとした。そして、そ
のパラメータが所定の正常域になければセンサ異常の旨
を判定するようにした。この場合、内部インピーダンス
は電流変化の周波数特性を反映した要素であるのに対
し、酸素センサ5の直流内部抵抗は、前記周波数特性が
変化しても変化しないため、この両者を比較することで
酸素センサ5の異常が精度良く検出できることになる。
【0115】(b)また、本構成でも上記第4の実施の
形態と同様に、酸素センサ5の周波数特性を間接的に検
出することができるため、センサ異常の判定に際し、そ
の処理が簡便化されるようになる。
【0116】(c)併せて本実施の形態では、エンジン
への燃料カット時のセンサ電流Ifcとその時の印加電
圧Vpとから酸素センサ5の直流内部抵抗Rdを検出す
るようにしたため、直流内部抵抗Rdを簡易的に検出す
ることができる。このとき、直流内部抵抗Rdの検出に
要する時間が殆どかからず、異常検出に要する時間が短
縮できる。
【0117】(第6の実施の形態)次に、本発明におけ
る第6の実施の形態について、図27〜図29を用いて
説明する。
【0118】本実施の形態では、上記第4及び第5の実
施の形態と同様に、酸素センサ5の周波数特性を直接検
出せずに同周波数特性を間接的に検出し、その検出結果
に基づいて酸素センサ5の異常を判定することとしてお
り、空燃比検出装置は図27に示すように構成されてい
る。図27は、前記第1の実施の形態における図1の一
部を変更したものであり、同図では、酸素センサ5の検
出素子部6と電圧印加部8との間の接続を開閉可能なス
イッチ41を新たに設け、そのスイッチ41の開閉をC
PU2aにより制御するようにしている。さらに、前記
スイッチ41の開放時における酸素センサ5の起電力を
検出し、その検出値をマイクロコンピュータ2に入力す
るため、検出素子部6とマイクロコンピュータ2との間
にA/D変換器44を配設している。
【0119】また、本実施の形態では、LPF51によ
るなまし後の電圧Vstepの変化量ΔVstepと、
その電圧印加時に流れるセンサ電流のピーク値Itp1
とから酸素センサ5の内部インピーダンス(ΔVste
p/Itp1)を求めると共に、前記スイッチ41の瞬
断時の電圧変化からセンサ5の直流内部抵抗を求めるよ
うにしている。すなわち、スイッチ41の瞬断時には、
酸素センサ5への電圧印加がなくなるため、図29に示
すようにセンサ起電力Vopenが検出できる。このと
き、(Vp−Vopen)/Ipの値は、酸素センサ5
の直流内部抵抗に等しくなることが知られており、印加
電圧Vp、センサ電流Ip及びセンサ起電力Vopen
を求めれば、直流内部抵抗が容易に算出できる。
【0120】さらに、上記第5の実施の形態にて既述し
たように、酸素センサ5の周波数特性が変化すると、セ
ンサの印加電圧を時定数を持たせて変化した場合のセン
サ電流ピーク値Itp1が変化するため、内部インピー
ダンス(ΔVstep/Itp1)の値も変化する。従
って、前記内部インピーダンス(ΔVstep/Itp
1)と直流内部抵抗((Vp−Vopen)/Ip)と
のズレを異常判定パラメータとして、そのパラメータが
正常域にあるか否かによりセンサ異常を判定するように
すれば、酸素センサ5の周波数特性を直接検出すること
なく、酸素センサ5の異常を判定することが可能とな
る。
【0121】図28は、本実施の形態におけるセンサ異
常判定ルーチンを示すフローチャートである。図28の
フローチャートにおいて、CPU2aは、先ずステップ
1701で酸素センサ5の印加電圧Vpを、ステップ1
702でセンサ電流Ipをそれぞれ検出し、各検出値V
p及びIpをRAM2cに保存する。
【0122】また、CPU2aは、ステップ1703で
スイッチ41を開放し、続くステップ1704で酸素セ
ンサ5の起電力Vopenを検出する。この場合、スイ
ッチ41の開放から再接続までの時間は短ければ短い程
良い。要するに、図29に示すように、空燃比検出時は
酸素センサ5に限界電流発生域の電圧Vpが印加されて
おり、この時の限界電流値がIpである。このとき、前
述のスイッチ41を開放すると、酸素センサ5には回路
から電圧が印加されなくなるため、センサの起電力Vo
penが検出可能となる。
【0123】その後、CPU2aは、ステップ1705
でスイッチ41を再び接続する。さらに、後続のステッ
プ172〜ステップ174cでは、CPU2aは、ステ
ップ状のセンサ電圧Vstepを酸素センサ5に印加す
ると共に、Vstep印加から時間tp1経過後におい
てセンサ電流のピーク値Itp1を検出する(前記図2
4,25と同様)。
【0124】その後、CPU2aは、ステップ177e
で内部インピーダンス(ΔVstep/Itp1)と、
直流内部抵抗((Vp−Vopen)/Ip)との差を
算出し、その算出値を「ΔZd」としてRAM2cに保
存する。本実施の形態では、このΔZd値が異常判定パ
ラメータに相当し、ステップ177eの処理が請求項記
載の内部抵抗比較手段に相当する。
【0125】また、CPU2aは、ステップ179dで
前記ΔZd値が正常域にあるか否かを判別するための判
定値Zmin,Zmaxを設定する。このとき、判定値
Zmin,Zmaxは、前記各実施の形態と同様に、予
め設定しておいた固定値としてもよいし、或いは酸素セ
ンサ5の内部抵抗値又はセンサ温度に応じて可変に設定
するようにしてもよい。
【0126】そして、CPU2aは、ステップ180e
で前記ΔZd値と判定値Zmin,Zmaxとを比較す
る。この場合、Zmin≦|ΔZd|≦Zmaxであれ
ば、CPU2aはセンサ正常であるとみなしてステップ
180eを肯定判別し、本ルーチンを終了する。一方、
|ΔZd|<Zmin、又は|ΔZd|>Zmaxであ
れば、CPU2aはセンサ異常であるとみなしてステッ
プ180eを否定判別し、ステップ181へ進む。そし
て、CPU2aは、ステップ181で異常判定信号をエ
ンジン制御ECU21に出力した後、本ルーチンを終了
する(前記図8又は図22と同様)。
【0127】以上詳述した本第6の実施の形態によれ
ば、上記各実施の形態と同様に、本発明の目的が達せら
れる。また、特に以下の効果が併せて得られることにな
る。 (a)本実施の形態では、上記第4及び第5の実施の形
態と同様に、所定の時定数を持たせて酸素センサ5の印
加電圧を切り換えるようにした。そして上記第4の実施
の形態と同様に、酸素センサ5の内部インピーダンスと
直流内部抵抗とを比較し、その比較結果(異常判定パラ
メータ)が所定の正常域になければセンサ異常の旨を判
定するようにした。この場合、内部インピーダンスは電
流変化の周波数特性を反映した要素であるのに対し、酸
素センサ5の直流内部抵抗は、前記周波数特性が変化し
ても変化しないため、この両者を比較することで酸素セ
ンサ5の異常が精度良く検出できることになる。
【0128】(b)また、本構成でも上記第4及び第5
の実施の形態と同様に、酸素センサ5の周波数特性を間
接的に検出することができるため、センサ異常の判定に
際し、その処理が簡便化されるようになる。
【0129】(c)併せて本実施の形態では、酸素セン
サ5へ電圧を供給する回路を瞬断し、該瞬断する前後の
電圧及び電流変化から当該センサ5の直流内部抵抗を検
出するようにしたため、直流内部抵抗を簡易的に検出す
ることができる。
【0130】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次のように具体化してもよい。上記各実施の形態では、
個々の異常判定パラメータが正常域であるか否かを判別
する際に、2つの判定値を設定し、異常判定パラメータ
が2つの判定値内にあればセンサ正常の旨を判定し、そ
れ以外はセンサ異常の旨を判定するようにしていたが、
この構成を変更してもよい。つまり、判定値を1つにし
て正常域と異常域とを区画し、異常判定パラメータがい
ずれの領域にあるかに応じてセンサ異常又はセンサ正常
を判定するようにしてもよい。
【0131】この場合、強いて言えば、例えば第1の実
施の形態の異常判定パラメータとしてのカットオフ周波
数fcが判定値fminよりも小さければ(fc<fm
inの場合)、固体電解質層の割れ等の異常が検出で
き、他方、カットオフ周波数fcが判定値fmaxより
も大きけれれば(fc<fminの場合)、センサ劣化
や断線等の異常が検出できる。従って、異常内容の検出
対象に応じて上記判定値の数、すなわち異常判定域を設
定するようにしてもよい。また、判定値を3つ以上設定
して、正常判定域を複数箇所に設けてもよい。
【0132】異常判定パラメータが正常域にあるか否か
を判定するための判定値を固定値とする場合において、
その判定値を目標内部抵抗或いは目標センサ温度に対応
した値とし、実際の内部抵抗或いはセンサ温度が当該目
標値の近傍にある時にのみ異常判定の処理を実行するよ
うにしてもよい。
【0133】また、上記第4〜第6の実施の形態におい
て、異常判定パラメータの算出に際し、 ・第4の実施の形態では、図24のステップ177cで
第1検出電流としてのItp1から第2検出電流として
のItp2を減算して、その減算値ΔIdiffを異常
判定パラメータとし、 ・第5の実施の形態では、図25のステップ177dで
内部インピーダンス(ΔVstep/Itp1)から直
流内部抵抗Rdを減算して、その減算値ΔZを異常判定
パラメータとし、 ・第6の実施の形態では、図28のステップ177eで
内部インピーダンス(ΔVstep/Itp1)から直
流内部抵抗((Vp−Vopen)/Ip)を減算し
て、その減算値ΔZdを異常判定パラメータとしていた
が、これらの構成を変更してもよい。
【0134】例えば、 ・第4の実施の形態において、「Itp1/Itp2」
を異常判定パラメータとしたり、 ・第5の実施の形態において、「(ΔVstep/It
p1)/Rd」を異常判定パラメータとしたり、 ・第6の実施の形態において、「(ΔVstep/It
p1)/{(Vp−Vopen)/Ip}」を異常判定
パラメータとしたりしてもよい。かかる構成において
も、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
【0135】上記第5及び第6の実施の形態において、
酸素センサ5の内部インピーダンスと比較するための直
流内部抵抗として、図4のメインルーチン(ステップ1
30)にて検出した値、若しくは予め算出しておいた固
定値を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における空燃比検出装置の概
要を示す構成図。
【図2】酸素センサの詳細な構成を示す断面図。
【図3】酸素センサのV−I特性図。
【図4】メインルーチンを示すフローチャート。
【図5】空燃比検出ルーチンを示すフローチャート。
【図6】内部抵抗検出ルーチンを示すフローチャート。
【図7】ヒータ制御ルーチンを示すフローチャート。
【図8】センサ異常判定ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図9】限界電流−空燃比マップ。
【図10】図6の内部抵抗検出ルーチンの作用をより具
体的に説明するためのタイムチャート。
【図11】図8のセンサ異常判定ルーチンの作用をより
具体的に説明するためのタイムチャート。
【図12】酸素センサの内部抵抗及び温度の関係を示す
グラフ。
【図13】酸素センサの周波数特性を示すボード線図。
【図14】酸素センサの周波数特性の温度依存性を示す
グラフ。
【図15】時定数を持たせた電圧印加に伴うセンサ電流
の変化を示すタイムチャート。
【図16】酸素センサの内部インピーダンスと直流内部
抵抗との関係を示すグラフ。
【図17】第2の実施の形態における空燃比検出装置の
概要を示す構成図。
【図18】第2の実施の形態における酸素センサの詳細
な構成を示す断面図。
【図19】第2の実施の形態におけるメインルーチンを
示すフローチャート。
【図20】温度検出ルーチンを示すフローチャート。
【図21】第2の実施の形態におけるヒータ制御ルーチ
ンを示すフローチャート。
【図22】第3の実施の形態におけるセンサ異常判定ル
ーチンを示すフローチャート。
【図23】第4の実施の形態における空燃比検出装置の
概要を示す構成図。
【図24】第4の実施の形態におけるセンサ異常判定ル
ーチンを示すフローチャート。
【図25】第5の実施の形態におけるセンサ異常判定ル
ーチンを示すフローチャート。
【図26】F/C時における酸素センサの電圧−電流特
性を示すV−I特性図。
【図27】第6の実施の形態における空燃比検出装置の
概要を示す構成図。
【図28】第6の実施の形態におけるセンサ異常判定ル
ーチンを示すフローチャート。
【図29】酸素センサと印加電圧部とを開放した状態を
説明するためのV−I特性図。
【符号の説明】
2…マイクロコンピュータ、2a…電圧切換手段,電流
検出手段,異常判定手段,周波数解析手段,電流比較手
段,内部抵抗比較手段,検出手段,領域設定手段,ヒー
タ制御手段を構成するCPU、5…酸素センサ、7…ヒ
ータ、8…電圧印加部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 和弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧の印加に伴い被検出ガス中の酸素濃度
    に応じた電流信号を出力する酸素センサに適用される異
    常検出装置において、 前記酸素センサの印加電圧を所定電圧に切り換える電圧
    切換手段と、 前記印加電圧の切り換えに伴う前記酸素センサの電流変
    化を検出する電流検出手段と、 前記印加電圧の切り換えに伴う電流変化の周波数特性を
    異常判定パラメータとして、そのパラメータに基づいて
    前記酸素センサの異常を判定する異常判定手段とを備え
    ることを特徴とする酸素センサの異常検出装置。
  2. 【請求項2】印加電圧の切り換えに伴う電流変化の周波
    数特性を解析する周波数解析手段を備え、 前記異常判定手段は、前記周波数解析手段による周波数
    特性の解析結果を前記異常判定パラメータとして、その
    パラメータが所定の正常域になければセンサ異常の旨を
    判定する請求項1に記載の酸素センサの異常検出装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の酸素センサの異常検出装
    置において、 前記周波数解析手段は、周波数応答のゲイン特性の変局
    点を演算する手段からなり、 前記異常判定手段は、前記演算された変局点を前記異常
    判定パラメータとして、そのパラメータが所定の周波数
    域になければセンサ異常の旨を判定する酸素センサの異
    常検出装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の酸素センサの異常検出装
    置において、 前記周波数解析手段は、周波数応答の位相特性において
    位相進み角度が所定角度となる周波数を演算する手段か
    らなり、 前記異常判定手段は、前記演算された周波数を前記異常
    判定パラメータとして、そのパラメータが所定の周波数
    域になければセンサ異常の旨を判定する酸素センサの異
    常検出装置。
  5. 【請求項5】所定の時定数を持たせて酸素センサの印加
    電圧を切り換えるようにした酸素センサの異常検出装置
    において、 前記所定の時定数を持たせた電圧を前記酸素センサに印
    加してから所定時間経過後に流れる第1検出電流と、当
    該第1検出電流の検出時刻から所定時間経過後に流れる
    第2検出電流とを比較する電流比較手段を備え、 前記異常判定手段は、前記第1検出電流と第2検出電流
    との比較結果を前記異常判定パラメータとして、そのパ
    ラメータが所定の正常域になければセンサ異常の旨を判
    定する請求項1に記載の酸素センサの異常検出装置。
  6. 【請求項6】所定の時定数を持たせて酸素センサの印加
    電圧を切り換えるようにした酸素センサの異常検出装置
    において、 前記所定の時定数を持たせた電圧を酸素センサに印加し
    た際の当該電圧変化に伴う電流変化の比と、前記酸素セ
    ンサの直流内部抵抗とを比較する内部抵抗比較手段を備
    え、 前記異常判定手段は、前記内部抵抗の比較結果を前記異
    常判定パラメータとして、そのパラメータが所定の正常
    域になければセンサ異常の旨を判定する請求項1に記載
    の酸素センサの異常検出装置。
  7. 【請求項7】エンジンの排気管に配設される酸素センサ
    に適用されるものであって、 前記内部抵抗比較手段は、前記エンジンへの燃料カット
    時のセンサ電流とその時の印加電圧とから前記酸素セン
    サの直流内部抵抗を検出する手段を有する請求項6に記
    載の酸素センサの異常検出装置。
  8. 【請求項8】前記酸素センサへ電圧を供給するための回
    路を瞬断し、該瞬断する前後の電圧及び電流変化から酸
    素センサの直流内部抵抗を検出する手段を有する請求項
    6に記載の酸素センサの異常検出装置。
  9. 【請求項9】前記酸素センサの内部抵抗若しくは温度を
    検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された酸素センサの内部抵抗若
    しくは温度に基づいて前記異常判定パラメータを比較判
    定するための領域を可変に設定する領域設定手段とを備
    える請求項1〜請求項8のいずれかに記載の酸素センサ
    の異常検出装置。
  10. 【請求項10】前記酸素センサの内部抵抗若しくは温度
    に応じて、当該センサに付設されたヒータを制御するヒ
    ータ制御手段を備える請求項1〜請求項9のいずれかに
    記載の酸素センサの異常検出装置。
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