JPH1020490A - 着色感光性樹脂組成物、着色画像形成材料、カラーフィルタの製造法及びカラーフィルタ - Google Patents

着色感光性樹脂組成物、着色画像形成材料、カラーフィルタの製造法及びカラーフィルタ

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JPH1020490A
JPH1020490A JP17043196A JP17043196A JPH1020490A JP H1020490 A JPH1020490 A JP H1020490A JP 17043196 A JP17043196 A JP 17043196A JP 17043196 A JP17043196 A JP 17043196A JP H1020490 A JPH1020490 A JP H1020490A
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photosensitive resin
colored
resin composition
dye
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Application number
JP17043196A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Katayose
光雄 片寄
Seiji Tai
誠司 田井
Yumiko Wada
有美子 和田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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  • Optical Filters (AREA)
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 基板との密着性が優れ、にじみが問題ないレ
ベルに抑制され、高コントラスト表示が可能なカラーフ
ィルタならびにその製造法、このカラーフィルタが製造
可能な着色感光性樹脂組成物及び着色画像形成材料を提
供する。 【解決手段】 不飽和カルボン酸及びこれと共重合可能
な他の不飽和単量体を重合して得られた重合体、1分子
中に少なくとも1個の不飽和結合を有する少なくとも1
種の単量体、光重合開始剤、熱分解温度が200℃以上
である染料、130℃〜250℃で架橋反応を起こす熱
硬化剤からなり、重合体、単量体、光重合開始剤、染料
及び熱硬化剤の総量中、重合体が20〜77重量%、単
量体が20〜60重量%、光重合開始剤が0.01〜2
0重量%、染料が1〜30重量%、熱硬化剤が1〜40
重量%である着色感光性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色感光性樹脂組
成物、着色画像形成材料、カラーフィルタの製造法及び
カラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭用ビデオカメラは小型・軽量
化が要求され、その撮像装置が既存の撮像管から固体撮
像素子に代わられつつある。このような中で、カラー固
体撮像素子は、フォトダイオード上に各色に着色された
パターンを精度良く配置したカラーフィルタを形成する
ことにより作製され、解像度の高いフルカラー画像を得
ている。一方、液晶カラーディスプレーは、第一の多層
構造体(ガラス等の透明基板上にカラーフィルタ、保護
膜、マトリックス状のパターンを持つ透明電極、絶縁
膜、配向膜をこの順に有する)と第二の多層構造体(ガ
ラス等の透明基板上に全面又はストライプ状の透明電
極、絶縁膜、配向膜をこの順に有する)を、それぞれ配
向膜面を内側にして対向させ、その間にスペーサーを介
して張り合せたセル中に液晶を封入したものを、2枚の
偏光板の間に挟んだ構造である。また、第一の多層構造
体においては、マトリックス状のパターンを持つ透明電
極が、カラーフィルタの下で、透明基板の上にあるとき
もある。このような用途に使用されるカラーフィルタ
は、基板上に赤色、青色及び緑色のストライプ状画像又
はドット状画像をそれぞれ配置し、場合によりそれぞれ
の境界をブラックマトリックスで区分した構造である。
【0003】従来、カラーフィルタの製造のために、種
々の着色感光性樹脂組成物等の材料、これを用いたカラ
ーフィルタ及びその製造法が知られているが、これら従
来のものは、それぞれ固有の利点、欠点を有している。
例えば、天然タンパク質(ゼラチン、カゼイン等)に重
クロム酸塩等で感光性を付与し、所望のマスクパターン
を介して露光、現像し、被染色層を、赤色染料で染色し
て赤のフィルタ成分を形成し、次に防染膜を塗布後、被
染色層を形成し緑色染料にて緑のフィルタ成分を形成し
た後、同様にして、青のフィルタ成分を形成してカラー
フィルタを製造する染色法などでは、パターンの高精細
さや優れた色特性等の特徴を持つカラーフィルタが製造
される。しかし、このような方法では三色画素を繰り返
し形成するため、各色毎に防染処理が必要であり、製造
プロセスが複雑になり、コスト高となるうえ、更に表面
の平滑性、染料の耐候性が悪い等の問題点がある。
【0004】一方、着色感光性樹脂組成物を用いて基板
上に着色画像を形成する一つの方法が特開平3−282
404号公報に記載されている。一般に、感光性樹脂組
成物を用いる画像形成は、印刷配線板、印刷板、IC回
路、カラープルーフ作成等、広い分野で用いられてお
り、その用途、形態に応じて種々の方法があるが、いず
れの場合においても基体上に感光性樹脂層を設ける工
程、パターン露光する工程、現像する工程を含むものが
一般的である。これらの工程のうち、現像工程において
用いられる現像液として代表的なものは、有機溶剤系、
アルカリ性水溶液又は水系に大別され、近年、作業環
境、大気及び水質汚濁等の観点から、アルカリ性水溶液
又は水で現像可能な感光性樹脂組成物への移行が進行し
ている。
【0005】この方法は、着色された感光性樹脂層を紫
外線透過性の仮支持体上に設けた画像形成材料の前記感
光性樹脂層を、接着剤層を有していてもよい支持体上に
密着させ、前記仮支持体を通して前記感光性樹脂層にパ
ターン露光し、前記仮支持体を剥離した後、アルカリ性
水溶液で現像してパターンを形成し、必要に応じて前記
パターンを前記接着剤層に埋め込んだ後、1色目と異な
る色を有する画像形成材料を密着させて露光、現像を繰
り返すことにより、多色着色画像を得る。この方法で
は、位置合わせ精度が高いこと、着色された感光性樹脂
層の膜厚を調整することにより、各色の濃度管理が容易
であること、アルカリ性水溶液で現像可能であること等
の利点が挙げられる。しかし、着色された感光性樹脂層
による画像形成後、不要の部分を除去する必要があり、
従来、不要部分の除去の多くは、有機溶剤に溶解させる
ことにより行われてきた。しかし、有機溶剤は可燃性の
ものが多く、たとえ不燃性であっても有毒であるため、
有機溶剤を使用することなく不要分を除去する方法が望
まれていた。この方法の一つとして、アルカリ水溶液で
現像可能な感光性樹脂組成物を重層することが考えられ
るが、アルカリ水溶液を用いた現像を繰り返すために
は、組成物それぞれの性質を変えなければならない。一
般に、感光性樹脂組成物の溶解性及び熱軟化性等の性質
を決定するのは、感光性樹脂組成物の結合剤成分であ
る。
【0006】アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組
成物に関する代表的な文献としては、特公昭35−14
065号公報(結合剤は、側鎖酸素酸含有重合体であ
る)、特公昭46−32714号公報(結合剤は、例え
ば、メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体等であ
る)、特公昭54−34327号公報(結合剤は、例え
ば、メタクリル酸メチル/メタクリル酸2−エチルへキ
シル/メタクリル酸の三元共重合体等である)、特公昭
55−38961号公報(結合剤は、例えば、スチレン
/マレイン酸モノ−n−ブチルエステル共重合体等であ
る)、特公昭56−33413号公報(結合剤は、例え
ば、メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリ
ル酸の三元共重合体等である)、特公昭55−3896
1号公報(結合剤は、例えば、スチレン/メタクリル酸
メチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸の四元共重合
体等である)、特開昭52−99810号公報(結合剤
は、例えば、メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸共重
合体等である)、特公昭58−12577号公報(結合
剤は、例えば、アクリロニトリル/メタクリル酸2−エ
チルへキシル/メタクリル酸の三元共重合体等であ
る)、特公昭55−6210号公報(結合剤は、例え
ば、メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/アクリル
酸三元共重合体とイソプロパノールで一部分エステル化
したスチレン/マレイン酸無水物共重合体の2種等であ
る)及び特開昭58−1142号公報(結合剤は、例え
ば、メタクリル酸メチル/メタクリル酸/アクリル酸2
−エチルへキシル三元共重合体、メタクリル酸メチル/
メタクリル酸/アクリル酸2−エチルへキシル/メタク
リル酸n−ブチル四元共重合体等である)などが挙げら
れる。しかし、これらの文献に挙げられる感光性樹脂組
成物は、優れたものではあるが、カラーフィルタとして
用いるためには、さらに感光性樹脂組成物を着色する必
要があり、着色する方法としては、染料又は顔料で着色
する方法に大別される。染料は、カラーフィルタ中では
分子オーダーの大きさで存在しているものと推測される
が、顔料は、溶剤に不溶なため0.1μm程度の粒子と
して分散されて存在しているところが大きく異なる。顔
料系カラーフィルタは、多くのメリットを有しているも
のの、消偏作用を有し、そのため表示コントラスト比が
著しく劣る問題があり、固体撮像素子のように高解像度
及び微細パターンが要求される用途には適さない。ま
た、TFT−LCDでは高コントラスト表示が要求され
るため、これは重大な問題となっている。
【0007】染料を感光性樹脂組成物と組み合わせて用
いれば、高コントラスト表示が達成でき、フルカラー、
多階調対応カラーフィルタを実現できる。染料を感光性
樹脂組成物と組み合わせて用いる場合は、無色感光性樹
脂組成物を用いて形成した膜を、染色液中で染色して着
色画像を作製する方法と、染料を溶かして形成した着色
感光性樹脂組成物を用いて、着色画像を作製する方法が
ある。このうち、無色感光性樹脂組成物を用いて形成し
た膜を、染色液で染色する方法では、先に述べた従来の
染色法と同様に、製造プロセスが複雑で、コスト高とな
る等の問題点を解決できない。一方、染料を溶かして形
成した着色感光性樹脂組成物を用いる場合には、染料が
分子レベルでポリマ/モノマ/溶剤と均一に相溶しては
いるものの、支持体上に塗工・乾燥する過程において染
料分子が表面に偏析するため透明基板との密着性が低下
し、支持体を剥離する工程あるいは現像する工程におい
て、着色感光性樹脂層が基板から剥離してしまうという
欠点があった。染料の表面への偏析度合は、染料、ポリ
マ、モノマ、溶剤の配合量や極性等によって影響される
が、これらの中の一成分を変えただけでも偏析度合が著
しく変化し、したがって密着性も著しく変化する。基板
と着色感光性樹脂層の密着性を改良する方法として、特
公平4−77282号公報には感圧又は感熱接着剤表面
を有する基板を用いる方法、特開平3−282404号
公報、特開平4−143704号公報、特開平3−28
2404号公報及び特開平5−80213号公報には、
感光性接着剤層を有する基板を用いる方法、特開昭62
−212623号公報には各種接着剤を用いた透明接着
層を設ける方法、特開昭63−155127号公報、特
開昭63−155105号公報及び特開平2−1614
02号公報には、基板上にシランカップリング剤を塗布
するか、あるいは着色樹脂中にシランカップリング剤を
添加する方法、特開平4−317001号公報には分子
中にアミノ基を有するシランカップリング剤で基板を処
理する方法が開示されている。接着層を設けて密着性を
改良する方法は、接着層と着色感光層との界面における
混合のため、現像後の非画像部にかぶり(にじみ)を生
じ易く、これを防止するためには接着層と着色感光層と
の間に中間層(感光性組成物を含有してもよい)を設け
る必要がある。一方、かぶり(にじみ)を生じにくい接
着剤を選択した場合には、被転写材料との接着が十分に
行われない等の欠点を有する。また、これらの接着層を
設ける方法及びシランカップリング処理する方法は、カ
ラーフィルタ製造のコスト高を招くという欠点を有す
る。したがって、消偏作用が小さく高コントラストで、
かつ接着層を設けたりシランカップリング剤処理したり
することなしに密着性が良好な着色画像形成材料及びカ
ラーフィルタが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、密着性が良
好なカラーフィルタ製造用着色画像形成材料を形成する
ことのできる着色感光性樹脂組成物を提供することを目
的とする。
【0009】また、本発明は、より密着性が良好なカラ
ーフィルタ製造用着色画像形成材料を形成することので
きる着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0010】また、本発明は、基板との密着性が良好な
カラーフィルタ製造用着色画像形成材料を提供すること
を目的とする。
【0011】また、本発明は、作製時に密着性が良好
で、カラーフィルタとしての一般的性能を備え、かつ消
偏作用の小さい高コントラスト表示が可能なカラーフィ
ルタの製造法を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、作製時の密着性が良好
で、カラーフィルタとしての一般的性能を備え、かつ消
偏作用の小さい高コントラスト表示が可能なカラーフィ
ルタを1提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するべく検討を行った結果、染料を含有する特
定の組成の着色感光性樹脂組成物を用いて特定の表面張
力特性を有する着色画像形成材料を形成した場合、その
着色画像形成材料は染料分子の表面への偏析も少なく、
透明基板との密着性に優れることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、不飽和カルボン酸及
びこれと共重合可能な他の不飽和単量体を重合して得ら
れた重合体(A)、1分子中に少なくとも1個の不飽和
結合を有する少なくとも1種の単量体(B)、光重合開
始剤(C)、熱分解温度が200℃以上である染料
(D)、130℃〜250℃で架橋反応を起こす熱硬化
剤(E)からなり、重合体(A)、単量体(B)、光重
合開始剤(C)、染料(D)及び熱硬化剤(E)の総量
中、重合体(A)が20〜77重量%、単量体(B)が
20〜60重量%、光重合開始剤(C)が0.01〜2
0重量%、染料(D)が1〜30重量%、熱硬化剤
(E)が1〜40重量%である着色感光性樹脂組成物で
あって、該着色感光性樹脂組成物を溶剤中に溶解した溶
液を支持体上に塗布し、熱硬化剤(E)の架橋反応を起
こす温度未満の温度で加熱して溶剤を除去して膜厚2μ
mの膜に製膜したとき、得られる膜の表面張力分散力成
分γsd及び表面張力極性成分γspが 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 12.5mN/m<γsd<35mN/m、 30mN/m<γsd+γsp<55mN/m となることを特徴とする着色感光性樹脂組成物を提供す
るものである。
【0015】また、本発明は、本発明の着色感光性樹脂
組成物を溶媒に溶解した溶液を透明支持体上に塗布、乾
燥して形成された着色画像形成材料であって、表面張力
分散力成分γsd及び表面張力極性成分γspが 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 12.5mN/m<γsd<35mN/m、 30mN/m<γsd+γsp<55mN/m となることを特徴とする着色画像形成材料を提供するも
のである。
【0016】また、本発明は、本発明の着色画像形成材
料を、透明基板に着色感光性樹脂層が接するようにして
ラミネートする工程(a)、基板上に積層した着色感光
性樹脂層に所定のフォトマスクを介して活性光線を露光
する工程(b)、支持体を剥離する工程(c)、基板上
の着色感光性樹脂層の未露光部を現像液を用いて除去す
る工程(d)、及び現像により形成された着色画像を加
熱する工程(e)を、同一の基板に対して各回毎に異な
る複数の着色画像形成材料を用いて順次複数回繰り返す
ことを特徴とするカラーフィルタの製造法を提供するも
のである。
【0017】また、本発明は、本発明の製造法によって
得られるカラーフィルタを提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の着色感光性樹脂組成物中
の重合体(A)は不飽和カルボン酸及びこれと共重合可
能な他の不飽和単量体を重合して得られる重合体であ
り、この重合体の合成に使用される不飽和カルボン酸と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、これらのハーフエステル化
物等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸は、単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。この重合
体の合成に用いられる不飽和カルボン酸の使用割合は、
重合体(A)の合成に用いられる単量体の総量、即ち、
不飽和カルボン酸及び他の不飽和単量体の総量に対して
1〜95モル%であることが好ましく、10〜70モル
%であることがより好ましい。この使用割合が、1モル
%未満では、十分な現像性を示す着色感光性樹脂組成物
が得られない傾向が有り、95モル%を超えると、着色
画像の形成に悪影響をもたらす傾向がある。
【0019】重合体(A)の合成に使用される不飽和カ
ルボン酸と共重合可能な他の不飽和単量体としては、例
えば、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル系モノマ
(メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエス
テル、iso−プロピルエステル、n−ブチルエステ
ル、iso−ブチルエステル、sec−ブチルエステ
ル、tert−ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘ
キシルエステル、ヘプチルエステル、2−エチルヘキシ
ルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシ
ルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、
テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタ
デシルエステル、エイコシルエステル、ドコシルエステ
ル、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステ
ル、シクロヘプチルエステル、ベンジルエステル、フェ
ニルエステル、メトキシエチルエステル、ジメチルアミ
ノエチルエステル、ジメチルアミノプロピルエステル、
2−クロロエチルエステル、2−フルオロエチルエステ
ル、2−シアノエチルエステル、メトキシジエチレング
リコールエステル、メトキシジプロピレングリコールエ
ステル、メトキシトリエチレングリコールエステル
等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モ
ノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビ
ニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル
系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)
などが挙げられる。これらの不飽和単量体は、単独で又
は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0020】本発明に使用される重合体(A)は、例え
ば、有機溶媒中に、不飽和カルボン酸、その他のモノマ
及びラジカル重合触媒を含む溶液を滴下しながら重合さ
せて合成することができる。重合させる時の反応温度と
しては、0〜180℃とすることが好ましく、40〜1
70℃とすることがより好ましい。この反応温度が0℃
未満では、重合反応が不十分となる傾向があり、180
℃を超えると、重合反応を引き起こす前にラジカル重合
触媒が失活する傾向がある。重合させる時の滴下時間
は、1〜10時間とすることが好ましく、2〜6時間と
することがより好ましい。この滴下時間が1時間未満で
は、重合反応が十分に進まない傾向があり、10時間を
超えると、生じる重合体の分子量が高くなりすぎる傾向
がある。
【0021】重合させる際に使用される有機溶媒として
は、不飽和カルボン酸との反応性がなく、共重合反応中
に生成する共重合体を溶解するものであれば、特に制限
はない。これらの有機溶媒としては、例えば、アルコー
ル系溶媒(エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール、ベンジルアルコール
等)、ポリアルキレングリコール系溶媒(メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ト
リエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリ
コールモノアセテート等)、芳香族炭化水素系溶媒(ト
ルエン、キシレン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、
酢酸ブチル等)、ケトン系溶媒(シクロヘキサノン、メ
チルイソブチルケトン等)、ハロゲン系溶媒(四塩化炭
素、トリクロロエタン等)などが挙げられる。これらの
有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。また、環境汚染の問題がない水も、溶媒の1種
として使用することができる。これらの溶媒の使用割合
は、重合体(A)の合成に用いられる単量体の総量に対
して重量で2〜4倍とすることが好ましい。有機溶媒の
使用割合が2倍未満では、重合反応を円滑に進められな
い傾向があり、4倍を超えると、反応時間が長時間とな
る傾向がある。
【0022】重合させる際に使用されるラジカル重合触
媒としては、アゾ系化合物、パーオキシド系化合物等の
通常のラジカル重合に使用される開始剤が使用できる。
例えば、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(シク
ロプロピルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベ
ンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキ
シベンゾエート等が挙げられる。使用するラジカル重合
触媒の使用割合は、重合体(A)の合成に用いられる単
量体の総量に対して、0.1〜5重量%とすることが好
ましく、0.2〜4重量%とすることがより好ましい。
この使用割合が0.1重量%未満では、重合反応を完結
できない傾向があり、5重量%を超えると、分子量が小
さな重合体しか得られない傾向がある。得られる重合体
の重量平均分子量は、5,000〜200,000とす
ることが好ましく、10,000〜100,000とす
ることがより好ましい。この重量平均分子量が5,00
0未満では、樹脂としての被膜形成が困難となる傾向が
あり、200,000を超えると、高粘度となり取扱い
ずらくなる傾向がある。なお、本発明における重量平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法
により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算し
た値である。
【0023】また、分子量を調節する目的で重合時に連
鎖移動剤を配合することができる。使用できる連鎖移動
剤としては、例えば、メタンチオール、エタンチオー
ル、n−プロパンチオール、iso−プロパンチオー
ル、n−ブタンチオール、2−メチルプロパンチオー
ル、3−メチルプロパンチオール、1,1−ジメチルエ
タンチオール、1−ヘキサンチオール、1−オクタンチ
オール、1−デカンチオール、ベンゼンチオール、2−
メチルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオー
ル、4−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼン
チオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベ
ンゼンチオール、ビス(4−ヒドロキシジメチルフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(2−クロロメチルフェニル)
ジスルフィド、ビス(2−ブロモメチルフェニル)ジス
ルフィド、ジナフチルジスルフィド、ジ−2−ベンゾチ
アジスルフィド、α−メチルスチレンダイマー、四塩化
炭素、四臭化炭素、クロロホルム等が挙げられる。連鎖
移動剤の配合量は、目的とする重合体(A)の分子量に
より適宜選択できる。
【0024】本発明に使用される1個以上の不飽和結合
を有する単量体(B)としては、例えば、下記一般式
(I)
【0025】
【化1】 [式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、Yは置換
基を有していてもよい飽和若しくは不飽和の炭化水素
基、複素環残基、ポリアルキレングリコール残基、又は
【0026】
【化2】 (式中、R2は各々独立に水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基又はトリフルオロメチル基を示し、m及
びnは各々独立に1〜20の整数である)を示し、kは
1〜10の整数である]で表される化合物が挙げられ
る。
【0027】上記一般式(I)中のYで表される、置換
基を有していてもよい飽和若しくは不飽和の炭化水素残
基及び複素環残基としては、例えば、炭素数1〜22の
直鎖、分岐又は脂環状のアルカン残基(メタン残基、エ
タン残基、プロパン残基、シクロプロパン残基、ブタン
残基、イソブタン残基、シクロブタン残基、ペンタン残
基、イソペンタン残基、ネオペンタン残基、シクロペン
タン残基、ヘキサン残基、シクロヘキサン残基、ヘプタ
ン残基、シクロヘプタン残基、オクタン残基、ノナン残
基、デカン残基等)、炭素数6〜22の芳香族環残基
(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、
ターフェニル等)、炭素数4〜22の複素環残基(フラ
ン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾー
ル、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、
トリアジン、キノリン、キノキザリン等)などが挙げら
れる。また、これらの炭化水素残基及び複素環残基が有
していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原
子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基等が挙
げられる。
【0028】具体的には、1個の不飽和結合を有する単
量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸の
エステル系モノマ(メチルエステル、エチルエステル、
n−プロピルエステル、iso−プロピルエステル、n
−ブチルエステル、iso−ブチルエステル、sec−
ブチルエステル、tert−ブチルエステル、ペンチル
エステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、2−
エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、ノニルエ
ステル、デシルエステル、ドデシルエステル、トリデシ
ルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエス
テル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル、ド
コシルエステル、シクロペンチルエステル、シクロヘキ
シルエステル、シクロヘプチルエステル、ベンジルエス
テル、フェニルエステル、メトキシエチルエステル、ジ
メチルアミノエチルエステル、ジメチルアミノプロピル
エステル、2−クロロエチルエステル、2−フルオロエ
チルエステル、2−シアノエチルエステル、メトキシジ
エチレングリコールエステル、メトキシジプロピレング
リコールエステル、メトキシトリエチレングリコールエ
ステル等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチル
スチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィ
ン系モノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン
等)、ビニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、
ニトリル系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等)、1−(メタクリロキシエトキシカルボニル)
−2−(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカ
ルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。2個の不飽和結
合を有する単量体としては、例えば、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ヘキサプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
1、3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−
ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリ
ロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエト
キシフェニル)プロパン(上記一般式(I)で、Yが
【0029】
【化3】 (式中、m及びnは各々独立に1〜20の整数である)
であるもの)
【0030】
【化4】 ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、ウレタンジアクリレート化合物等が挙げら
る。
【0031】3個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、
【0032】
【化5】 等が挙げられる。
【0033】4個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。
【0034】5個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
クリレート等が挙げられ、6個の不飽和結合を有する単
量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等が挙げられ、いずれにしても、
光照射によりラジカル重合するものであればよい。
【0035】また、本発明で使用される単量体(B)
は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
1種の単量体のみを用いる場合には、少なくとも1個の
−OH基を有するものを用いることが、また、2種類以
上を組み合わせて用いる場合には、その少なくとも1種
として少なくとも1個の−OH基を有するものを用いる
ことが好ましい。
【0036】本発明で使用される光重合開始剤(C)と
しては、例えば、ベンゾフェノン誘導体(ベンゾフェノ
ン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベン
ゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチ
ル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジ
クロロベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチル
アミノベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル
等)、キノン誘導体(4−エチルアントラキノン、フェ
ナントレンキノン等)、ベンゾイン誘導体(ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn
−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンゾインフェニルエーテル等)、ベンジル誘導体(ベン
ジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メト
キシエチルアセタール等)、2,4,5−トリアリール
イミダゾール二量体[2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−ク
ロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)
イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−
4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メト
キシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量
体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェ
ニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,
4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体等]、アクリジン誘導体(9−フェニルア
クリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘ
プタン等)、キサントン誘導体(チオキサントン、2−
メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2
−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオ
キサントン等)などが挙げられる。これらの光重合開始
剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。
【0037】本発明で使用される熱分解温度が200℃
以上である染料(D)としては、例えば、酸性染料、直
接染料、分散染料、油溶染料、カチオン染料等が挙げら
れる。本発明に用いられる染料(D)の熱分解温度は2
00℃以上であり、250℃以上であることが好まし
く、300℃以上であることがより好ましい。この熱分
解温度が200℃未満であるものは、耐熱性が低く、加
熱時に脱色する。また、染料(D)としては耐光性を有
するものを用いることが好ましく、通常、カラーインデ
ックス記載の耐光性表示(C.I.記載耐光性表示)が
5以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上のも
のを用いることが望ましい。C.I.記載耐光性表示が
5未満であるものは、耐光性が低く、カラーフィルタと
しての使用時に脱色することがある。
【0038】また、カラーインデックスに記載されてい
ない各染料メーカーから販売されている染料を使用する
こともできる。これらの条件をすべて満足する染料とし
ては、例えば、カラーインデックスにカチオン染料(塩
基性染料)、油溶性染料、分散染料として分類されてい
るものなどが好ましく、溶剤可溶型染料に分類されてい
るものがより好ましい。
【0039】このような好ましい染料としては、例え
ば、保土谷化学(株)製のAizenSpilonのY
ellow 3RH、Orange GRH extr
aconc.、 Orange 2RH、 Pink
BH、 Red GEH、Violet RH、 Br
own BH conc.、 Brown RH、 M
ahogany RH、 Black BNH、Bla
ck MH、 Black RLH、 Yellow
GRLH special、 Yellow 3RH
special、 Orange 2RH speci
al、 Orange GRH conc. spec
ial、 Red GEH special、 Red
GRLH special、 Red BEH sp
ecial、Blue GLSH special、
Violet RH special、 Blue G
NH、 Blue 2BNH、 Green 3GNH
special、 Black RLH speci
al、 BlackBH special、 Blac
k MH special、 BlackNPH ne
w Black−1UR、 Yellow C−2G
H、 Yellow C−GNH、 S. P. T.
Orange−6、 Red C−GH、 Red
C−BH、 Violet C−RH、 S. B.
N.Violet 510、 Blue C−RH、
S. P. T. Blue−111、 Black
GMH special、 Aizen SOT Ye
llow−1、 Aizen SOT Yellow−
3、 Aizen SOT Yellow−4、 Ai
zen SOT Yellow−6、 Aizen S
OT Orange−1、 Aizen SOT Or
ange−2、Aizen SOT Orange−
3、 Aizen SOT Scarlet−1、 A
izen SOT Red−1、 Aizen SOT
Red−2、 Aizen SOT Red−3、
Aizen SOT Blue−1、 Aizen S
OT Blue−2、 Aizen SOT Blue
−3、 Aizen SOT Blue−4、 Aiz
en SOT Violet−1等の溶剤可溶型染料、
三井東圧染料(株)製PS Yellow GG、PS
Yellow S−3G、 PS Yellow S
−G、 PS Yellow S−K、 PS Ora
nge GG、 PS Orange HG、 PS
Red HGG、 PS Red GG、 PS Re
d G、PS Brilliant Red FG、
PS Brilliant Red HEY、 PS
Red BB、 PS Red EB、 PS Bri
lliant Pink FFR、 PS Viole
t RR、 PS Violet RC、 PS Bl
ue 3R、 PS Blue RR、 PS Blu
e BN、 PS Green B、 SPR Yel
low 1、 SPR Yellow 2、 SPR
Red 1、 SPR Red 2、 SPR Blu
e 2、 TON Yellow 101、 TON
Yellow102、 TON Magenta 20
1、 TON Cyan 201、MS Yellow
VP、 MS Magenta VP、 MS Cy
an VP、 MS Cyan VPG、 CF Ye
llow 110、 CFRed 226、 CF G
reen 303、 CF Blue 120、CF
Cyan 123、Yellow EX−551、日本
化薬(株)製B−38s new pureなどが挙げ
られる。これらの染料は、単独又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0040】本発明で使用される130〜250℃で架
橋反応を起こす熱硬化剤(E)としては、例えば、ポリ
メチロール化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリエ
ポキシ化合物等が挙げられる。
【0041】これらの熱硬化剤は、130〜250℃で
架橋反応を起こすものであり、150〜200℃で架橋
反応を起こすものが好ましい。130℃未満で架橋反応
を起こすものは、着色画像形成材料の加熱乾燥時又はラ
ミネート時に架橋反応してしまい、現像しずらくなる。
一方、250℃より高い温度で架橋反応を起こすもの
は、染料の分解を生じやすい。
【0042】ポリメチロール化合物としては、例えば、
ポリメチロール化芳香族化合物(ポリメチロールベンゼ
ン、ポリメチロール化フェノール、ポリメチロール化メ
ラミン、ポリメチロール化ベンゾグアナミン等)、ジメ
チロール化尿素、
【0043】
【化6】 などが挙げられる。
【0044】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジ
イソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネー
ト、ジメチルビフェニレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、トリス−(p−イソシアネートフェニ
ル)チオフォスファイト、ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げ
られる。
【0045】ポリエポキシ化合物としては、例えば、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリ
シジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールグリシジルエーテル、トリプロピレングリ
コールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール
グリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ
ジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエー
テル、フタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
【0046】これらの化合物は、単独又は2種類以上を
組み合わせて使用される。
【0047】本発明の着色感光性樹脂組成物における重
合体(A)の配合量は、重合体(A)、単量体(B)、
光重合開始剤(C)、染料(D)及び熱硬化剤(E)の
総量中、20〜77重量%であり、好ましくは20〜6
0重量%であり、特に好ましくは25〜45重量%であ
る。重合体(A)の配合量が20重量%未満では、光硬
化物が脆くなる傾向があり、77重量%を超えると、光
感度が不十分となる傾向がある。また、本発明における
単量体(B)の配合量は、重合体(A)、単量体
(B)、光重合開始剤(C)、染料(D)及び熱硬化剤
(E)の総量中、20〜60重量%、好ましくは25〜
45重量%である。単量体(B)の配合量が20重量%
未満では、光感度が不十分となる傾向があり、60重量
%を超えると、光硬化物が脆くなる傾向がある。また、
本発明における光重合開始剤(C)の配合量は、重合体
(A)、単量体(B)、光重合開始剤(C)、染料
(D)及び熱硬化剤(E)の総量中、0.01〜20重
量%、好ましくは1〜5重量%である。光重合開始剤
(C)の配合量が0.01重量%未満では、光感度が不
十分となる傾向があり、20重量%を超えると、露光の
際に着色感光性樹脂組成物の表面での吸収が増大して内
部の光硬化が不十分となる傾向がある。また、本発明に
おける染料(D)の配合量は、重合体(A)、単量体
(B)、光重合開始剤(C)、染料(D)及び熱硬化剤
(E)の総量中、1〜30重量%、好ましくは10〜2
0重量%である。染料(D)の配合量が1重量%未満で
は、色彩が不十分となる傾向があり、30重量%を超え
ると、光の透過率が少なくなる傾向がある。また、本発
明における熱硬化剤(E)の配合量は、重合体(A)、
単量体(B)、光重合開始剤(C)、染料(D)及び熱
硬化剤(E)の総量中、1〜40重量%、好ましくは3
〜15重量%である。熱硬化剤(E)の配合量が1重量
%未満では、「にじみ」が起こりやすい傾向があり、4
0重量%を超えると、光硬化物が脆くなる傾向がある。
【0048】また、本発明の着色感光性樹脂組成物に
は、これら(A)〜(E)成分のほかに、発色剤、可塑
剤、顔料、難燃剤、安定剤、熱重合禁止剤、塗膜性改質
剤等を必要に応じて添加することができる。特に、メチ
レンビス(5−エチル−4−t−ブチル−2−ヒドロキ
シベンゼン)等の熱重合禁止剤を、重合体(A)、単量
体(B)、光重合開始剤(C)、染料(D)及び熱硬化
剤(E)の総量100重量部に対して、通常0.01〜
0.5重量部、好ましくは0.1〜0.3重量部添加す
ることが望ましい。
【0049】本発明の着色感光性樹脂組成物は、上記の
組成を有し、しかも、溶剤中に溶解して溶液を支持体上
に塗布し、熱硬化剤(E)の架橋反応を起こす温度未満
の温度で加熱して溶剤を除去して膜厚2μmの膜に製膜
したとき、得られる膜の表面張力分散力成分γsd及び表
面張力極性成分γspが 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 12.5mN/m<γsd<35mN/m、 30mN/m<γsd+γsp<55mN/m、 好ましくは 15mN/m<γsp<25mN/m、 20mN/m<γsd<35mN/m、 35mN/m<γsd+γsp<50mN/m、 となるものである必要がある。勿論、本発明の着色画像
形成材料も、その着色感光性樹脂組成物層が上記の表面
張力特性を満たす必要がある。上記範囲を満たさないγ
sdとγspを示す着色画像形成材料は、支持体を剥離する
工程あるいは現像工程において着色樹脂層が剥離しやす
くなり、あるいは耐現像液性が低下するため好ましくな
い。表面張力分散力成分γsd及び表面張力極性成分γsp
は、例えば、文献[表面処理技術総覧、P81〜83
(1988)、産業技術サービスセンター]記載の公知
の方法に従い、表面張力既知の二種類の液体、例えば水
並びにジヨードメタンと着色画像形成材料表面との接触
角を測定し、計算によって求められる。
【0050】本発明の着色感光性樹脂組成物を用いて着
色画像形成材料やカラーフィルタを製造する際には、通
常、本発明の着色感光性樹脂組成物は全成分を溶解する
溶剤に溶解、混合して得られる均一な着色感光性樹脂組
成物溶液として用いられる。
【0051】前記の全成分を溶解する溶剤としては、例
えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、メチル
アルコール、エチルアルコール等が挙げられる。これら
の溶剤は、単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用
される。使用する溶剤の配合量は、重合体(A)の合成
溶剤を含めて、重合体(A)、単量体(B)、光重合開
始剤(C)、染料(D)及び熱硬化剤(E)の固形分総
量100重量部に対して、200〜800重量部とする
ことが好ましく、より好ましくは300〜600重量部
である。溶剤の配合量が200重量部未満では、均一な
着色感光性樹脂組成物の膜が形成しにくくなる傾向があ
り、800重量部を超えると、着色感光性樹脂組成物膜
の膜厚が薄くなり過ぎる傾向がある。
【0052】本発明の着色画像形成材料は、本発明の着
色感光性樹脂組成物を溶剤に溶解した溶液を透明支持体
上に塗布、乾燥して形成されるものである。
【0053】透明支持体としては、通常、重合体フィル
ム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等からなるフィルム)が用いられ、
ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これ
らの重合体フィルムは、後に着色感光性樹脂組成物層か
ら除去しなくてはならないため、除去が不可能となるよ
うな表面処理が施されてものであったり、材質であった
りしてはならない。これらの重合体フィルムの厚さは、
5〜100μmとすることが好ましく、10〜80μm
とすることがより好ましい。この重合体フィルムの厚さ
が5μm未満であると、フィルム強度が不十分となる傾
向があり、100μmを超えると、フィルムとしての柔
軟性に欠ける傾向がある。これらの重合体フィルムを2
枚用いて、一方を着色感光性樹脂組成物層の透明支持体
(透明支持フィルム)として用い、着色感光性樹脂組成
物層の形成後に着色感光性樹脂組成物層表面に他方の重
合体フィルムを積層し、保護フィルムとすることもでき
る。
【0054】着色感光性樹脂組成物溶液を透明支持体上
に塗布した後の乾燥は、溶剤を除去するために行われ、
通常、加熱によって行われる。加熱温度は、40〜12
0℃とすることが好ましく、より好ましくは60〜10
0℃である。加熱時間は1〜15分が好ましく、より好
ましくは3〜10分である。但し、この乾燥の際の加熱
は、染料(D)の熱分解温度未満、かつ、熱硬化剤
(E)の架橋反応を起こす温度未満とすることが好まし
い。
【0055】本発明の着色画像形成材料における着色感
光性樹脂組成物層の厚みは、着色画像形成材料の用途に
よっても異なるが、通常、0.5〜5μmが好ましく、
1〜2.5μmがより好ましい。
【0056】本発明のカラーフィルタの製造法は、着色
画像形成材料を用いて基板上に多着色画像が形成されて
いるカラーフィルタを製造する方法であって、以下のラ
ミネート工程(a)、露光工程(b)、支持体剥離工程
(c)、現像工程(d)及び熱硬化工程(e)を、1枚
の透明基板に対して色の異なる複数の着色画像形成材料
を用いて繰り返すことからなる。
【0057】(a)着色画像形成材料を、透明基板に着
色感光性樹脂組成物層が接するようにしてラミネートす
る工程 このラミネート工程では、着色画像形成材料に前記の保
護フィルムがついている場合には保護フィルムを除去し
た後、第1色目の着色画像形成材料を加熱しながら基板
に圧着させることによりラミネートし、基板上に着色感
光性樹脂組成物層を形成する。画像形成材料のラミネー
ト時の加熱温度は、80〜120℃とすることが好まし
く、より好ましくは85〜105℃である。この加熱温
度が80℃未満であると、ラミネートが不十分となる傾
向があり、120℃を超えると、樹脂が硬化してしまう
傾向がある。着色画像形成材料のラミネート時の圧着圧
力は、1〜5kgf/cm2とすることが好ましく、よ
り好ましくは1.5〜3.5kfg/cm2である。こ
の圧着圧力が1kgf/cm2未満であると、ラミネー
トが不十分となる傾向があり、5kgf/cm2を超え
ると、ラミネート時に着色感光性樹脂組成物層がしぼり
出される傾向がある。また、着色画像形成材料を前記の
ように加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要
ではないが、追従性をさらに向上させるために基板の予
熱処理を行うこともできる。この加熱圧着をロールを用
いて行う場合、ロール温度を上記の加熱温度とし、ロー
ル速度を0.1〜5m/minとすることが好ましく、
より好ましくは0.5〜3m/minとする。
【0058】カラーフィルタの製造に用いられる基板と
しては、通常、透明であって、接着のための表面処理を
施していてもよいガラス板、合成樹脂板、合成樹脂フィ
ルム等を用いることができる。
【0059】(b)前記ラミネートした基板に所定のフ
ォトマスクを介して活性光線を露光する工程 前記ラミネートが完了した後、第1色目の着色感光性樹
脂組成物層に、フォトマスクを介して活性光線を照射し
て露光する。本発明の方法においては、着色感光性樹脂
組成物層の保護の観点から、着色感光性樹脂組成物層上
に存在する透明支持体をつけたまま、それを通して露光
が行われる。必要に応じて、透明支持体を剥離した後に
露光を行ってもよい。また、支持体として不透明なもの
を用いた場合には、支持体を剥離した後に露光を行う。
活性光線は、公知の活性光源、例えば、カーボンアー
ク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、写真用フラッド
電球、太陽ランプ等から発生する光が用いられる。着色
感光性樹脂組成物層に含まれる光重合開始剤の感受性
は、通常、紫外線〜可視光線領域において最大であるの
で、その場合の活性光源は、紫外線〜可視光線を有効に
放射するものが好ましい。活性光線の光量は、10〜5
00mJ/cm2が好ましく、50〜300mJ/cm2
がより好ましい。
【0060】(c)支持体を剥離する工程 前記露光後、着色感光性樹脂組成物層上の重合体フィル
ム等の支持体を剥離して除去する。
【0061】(d)透明な基板上の着色感光性樹脂組成
物層の未露光部を現像液にて除去する工程 支持体を剥離した後、アルカリ水溶液、水系現像液、有
機溶剤等の公知の現像液を用いて、例えば、スプレー、
揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知の方
法により、未露光部を除去して現像することにより、第
1色目の着色画像を形成する。
【0062】アルカリ水溶液の塩基としては、例えば、
水酸化アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの
水酸化物等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム若
しくはカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等)、アルカリ金
属リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、
アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピ
ロリン酸カリウム等)などが挙げられ、なかでも炭酸ナ
トリウムの水溶液が好ましい。これらの塩基は、単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用される。現像に用い
られるアルカリ水溶液のpHは、9〜11とすることが
好ましい。アルカリ水溶液のpHが9未満では、現像が
不十分となる傾向があり、11を超えると露光部まで変
質する傾向がある。また、そのアルカリ水溶液の温度
は、感光層の現像性に合わせて調整される。なお、前記
アルカリ類溶液中には、界面活性剤、消泡剤、現像を促
進させるための少量の有機溶剤等を混入させることがで
きる。
【0063】水系現像液は、水又はアルカリ水溶液と1
種以上の有機溶剤とからなる。アルカリ水溶液中のアル
カリ物質としては、前記の塩基以外に、例えば、ホウ
砂、メタケイ酸ナトリウム、エタノールアミン、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−
ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3
−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられ
る。有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコー
ル、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ
ル基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル等が挙げられる。これらの有機溶
剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。有機溶剤の濃度は、水系溶剤中2〜90容量%とす
ることが好ましく、5〜80容量%とすることがより好
ましい。水系現像液のpHは8〜12とすることが好ま
しく、9〜10とすることがより好ましい。この水系現
像液のpHが8未満であると、現像が不十分となる傾向
があり、12を超えると、露光部が変質する傾向があ
る。また、この現像液の温度は、現像性にあわせて調整
することができる。なお、前記現像液中には、界面活性
剤、消泡剤等を少量混入することができる。
【0064】単独で用いる有機溶剤の現像液としては、
例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピ
ロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキ
サノン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これ
らの有機溶剤中には、引火防止のため、1〜10容量%
の範囲で水を添加してもよい。
【0065】(e)現像により形成された着色画像を加
熱する工程 前記現像により未露光部を除去して残った着色画像を加
熱することにより、後硬化させる。この後硬化により、
着色画像はより強固になり、また、耐溶剤性等も向上す
る。この後硬化の際の加熱温度は、熱硬化剤が架橋反応
を起こす温度範囲、即ち、130〜250℃、好ましく
は150〜220℃とする。加熱時間は、通常、10〜
100分間、より好ましくは15〜30分間である。加
熱時間が10分未満では、架橋反応が不十分となる傾向
があり、100分を超えるとフィルムの剥離を生じる傾
向がある。
【0066】色の異なる複数の着色画像形成材料を用い
て上記(a)〜(e)の工程を複数回繰り返すことによ
り、基板上に色相の異なる多色画像が形成されているカ
ラーフィルタを得ることができる。
【0067】本発明のカラーフィルタは、上記の本発明
の製造法によって得られるものであり、基板と着色画素
との密着性に優れている。また、本発明のカラーフィル
タは、その製造過程での着色画像形成材料の剥離を防止
するための複雑な工程や高価な材料を必要としないこと
から、低コストで製造可能なものである。
【0068】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0069】実施例1〜15 表1及び表2に記載の材料を配合して、赤色着色感光性
樹脂組成物溶液R−1〜R−12及び緑色着色感光性樹
脂組成物溶液G−1を製造した。
【0070】なお、実施例及び比較例において用いた材
料の詳細は、以下の通りである。 A1: 重量平均分子量 約8万 A2: 重量平均分子量 約8万
【0071】
【化7】
【0072】
【化8】
【0073】
【化9】
【0074】
【化10】
【0075】
【化11】
【0076】
【化12】
【0077】
【化13】
【0078】
【化14】
【0079】
【化15】
【0080】
【化16】
【0081】
【化17 】
【0082】
【化18】
【0083】
【化19】 Aizen Spilon Red BEH spec
ial:赤色染料(保土谷化学(株)製商品名) Yellow EX−551: 黄色染料(三井東圧染
料(株)製商品名) Aezen Spilon Blue GLSH sp
ecial: 青色染料(保土谷化学(株)製商品名) B−38s new pure: 青色染料(日本化薬
(株)製商品名)
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】 実施例16〜30 (着色画像形成材料の作製)実施例1〜15で製造した
着色感光性樹脂組成物溶液R−1〜R−12、G−1、
G−2及びB−1を、各々、フィルムコータを用いて膜
厚19μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム上に塗布し、80℃で5分間乾燥し、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム支持体とその上に形成された
膜厚2μmの着色感光性樹脂層とからなる着色画像形成
材料R−1F〜R−12F、G−1F、G−2F及びB
−1Fを作製した。
【0086】得られた各着色画像形成材料の着色感光性
樹脂層の表面張力分散力成分γsd及び表面張力極性成分
γspを、測定したところ、各着色感光性樹脂層のγsd
びγ spが 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 30mN/m<γsd+γsp<55mN/m の条件を満足することがわかった。測定結果を表3及び
表4に示す。
【0087】なお、γsd及びγspの測定及び計算は、以
下のようにして行った。 測定装置: 協和界面科学(株)製 CA−D型接触角
計 測定条件: 23℃、50±5%RH 測定液体: 水、ジヨードメタン
【0088】
【数1】 sl=γl(1+cosθ) θ:接触角 γld、γlp、γl: 各液体の表面張力 実施例31〜45 (密着性の評価)実施例16〜30で作製した着色画像
形成材料の各々を、透明ガラス基板(コーニング#70
59、コーニング社製商品名)の片面に、着色感光性樹
脂層がガラス基板に接するようにして、ロール温度が1
10℃、ロール圧力が4kgf/cm2、ロール速度が
1.0m/minの条件でロールを用いてラミネートし
た。次いで、所定のフォトマスクを介して超高圧水銀灯
(3kw)を用いて露光(150mJ/cm2)し、密
着性評価用試験片を作製した。まず、支持体であるPE
Tフィルムを剥離する際の着色感光性樹脂層のガラス基
板への密着性(PET剥離時密着性)を評価した。評価
の基準は以下の通りである。 ○: 着色感光性樹脂層の剥離が全くない。 △: 着色感光性樹脂層の剥離面積が全体の3%未満。 ×: 着色感光性樹脂層の剥離面積が3%以上。
【0089】次に、スプレー現像(現像液:0.15重
量%ホウ酸ナトリウム水溶液、現像温度:25℃、現像
時間:75秒)してライン幅及びスペース幅各々5μ
m、ライン幅及びスペース幅各々7.5μm、ライン幅
及びスペース幅各々10μm、ライン幅及びスペース幅
各々12.5μm、ライン幅及びスペース幅各々15μ
m、ライン幅及びスペース幅各々17.5μm、ライン
幅及びスペース幅各々20μmの各パターンを形成し、
光学顕微鏡を用いて各パターンにおける剥離(現像時密
着性)の有無を調べた。評価の基準は以下の通りであ
る。 ○: 各ライン・スペース幅のパターンにおいて剥離し
た部分が全くない。 評価不能: PETフィルム剥離時に着色感光性樹脂層
が剥離したため、現像時の正確な密着性を評価できなか
った。 ×: 各ライン・スペース幅のパターンのいずれかにお
いて剥離した部分が認められた。
【0090】以上の評価結果を表3及び表4に示す。
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】 表3及び表4から明らかなように、着色感光性樹脂層の
γsd及びγspが 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 12.5mN/m<γsd<35mN/m、 30mN/m<γsd+γsp<55mN/m の範囲にある本発明の着色画像形成材料R−1F〜R−
12F、G−1F、G−2F、及びB−1Fは、PET
剥離時及び現像時の染料樹脂層の剥離がみられず、得ら
れた着色画像パターンも良好なものであった。
【0093】比較例1〜6 表5に記載の材料を配合して、赤色着色感光性樹脂組成
物溶液RR−1〜RR−5及び青色着色感光性樹脂組成
物溶液RB−1を製造した。
【0094】
【表5】 比較例7〜12 (着色画像形成材料の作製)比較例1〜6で製造した着
色感光性樹脂組成物溶液RR−1〜RR−5及びRB−
1を、各々、フィルムコータを用いて膜厚19μmのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布
し、80℃で5分間乾燥し、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム支持体とその上に形成された膜厚2μmの着
色感光性樹脂層とからなる着色画像形成材料RR−1F
〜RR−5F及びRB−1Fを作製した。
【0095】得られた各着色画像形成材料の着色感光性
樹脂層の表面張力分散力成分γsd及び表面張力極性成分
γspを、測定したところ、表6記載の結果を得た。な
お、γ sd及びγspの測定及び計算は、上記実施例と同様
にして行った。
【0096】比較例13〜18 (密着性の評価)比較例7〜12で作製した着色画像形
成材料の各々を、透明ガラス基板(コーニング#705
9、コーニング社製商品名)の片面に、着色感光性樹脂
層がガラス基板に接するようにして、ロール温度が11
0℃、ロール圧力が4kgf/cm2、ロール速度が
1.0m/minの条件でロールを用いてラミネートし
た。次いで、所定のフォトマスクを介して超高圧水銀灯
(3kw)を用いて露光(150mJ/cm2)し、密
着性評価用試験片を作製した。まず、支持体であるPE
Tフィルムを剥離する際の着色感光性樹脂層のガラス基
板への密着性(PET剥離時密着性)を評価した。評価
の基準は前記の通りである。
【0097】次に、スプレー現像(現像液:0.15重
量%ホウ酸ナトリウム水溶液、現像温度:25℃、現像
時間:75秒)してライン/スペース=5、7.5、1
0、12.5、15、17.5、20μmのパターンを
形成し、光学顕微鏡を用いて各パターンにおける剥離
(現像時密着性)の有無を調べた。評価の基準は前記の
通りである。
【0098】以上の評価結果を表6に示す。
【0099】
【表6】 表6から明らかなように、着色感光性樹脂層のγsd及び
γspが 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 12.5mN/m<γsd<35mN/m、 30mN/m<γsd+γsp<55mN/m の範囲にない着色画像形成材料RR−1F〜RR−5F
及びRB−1Fは、PET剥離時又は現像時に染料樹脂
層の剥離が発生して、良好な着色画像パターンが形成さ
れなかった。
【0100】実施例46 実施例16で作製した着色画像形成材料R−1Fを、透
明ガラス基板(コーニング#7059、コーニング社製
商品名)の片面に、着色感光性樹脂層がガラス基板に接
するようにして、ロール温度が110℃、ロール圧力が
4kgf/cm 2、ロール速度が1.0m/minの条
件でロールを用いてラミネートした。次いで、所定のフ
ォトマスクを介して超高圧水銀灯(3kw)を用いて露
光(150mJ/cm2)した。次に、PETフィルム
を剥離した後、スプレー現像(現像液:0.15重量%
ホウ酸ナトリウム水溶液、現像温度:25℃、現像時
間:75秒)してライン幅92μm、繰り返し幅300
μmの赤色画素からなるストライプパターンを形成し
た。次いで、200 ℃で10分間加熱し、赤色画素を
後硬化させた。次に、赤色画素が形成された層の上に実
施例23で作製した着色画像形成材料G−2Fを用いて
上記と同じ操作を繰り返し、赤色画素の隣に緑色画素を
形成した。次に、この赤色画素及び緑色画素からなる層
の上に実施例24で作製した着色画像形成材料B−1F
を用いて同様の操作を繰り返し、赤色画素と緑色画素の
間に青色画素を形成し、三色画素からなるカラーフィル
タを作製した。PET剥離時及び現像時のいずれにおい
ても、染料樹脂層の剥離がみられず、得られた着色画像
パターンも良好なものであった。
【0101】
【発明の効果】本発明の着色感光性樹脂組成物は、密着
性が良好なカラーフィルタ製造用着色画像形成材料を与
える。また、この着色感光性樹脂組成物は、カラーハー
ドコピー用インク、インスタント写真用インク、液晶プ
リンタ用インク、レンズコート用ワニス、ガラスコート
用ワニス等にも好適である。
【0102】本発明の着色画像形成材料は、カラーフィ
ルタ製造時の基板との密着性が良好である。また、この
着色画像形成材料は、レンズコート用フィルム、ガラス
コート用フィルム等としても好適である。
【0103】本発明のカラーフィルタの製造法は、前記
着色画像形成材料をカラーフィルタ用基板に容易に適用
でき、高品位なファインパターン(画素)を与えること
ができるものであり、作製時に優れた密着性が得られ
る。
【0104】本発明の製造法により製造された本発明の
カラーフィルタは、作製時に密着性が良好で、カラーフ
ィルタとしての一般的性能を備え、かつ消偏作用の小さ
い高コントラスト表示が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/004 505 G03F 7/004 505 7/40 501 7/40 501

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸及びこれと共重合可能
    な他の不飽和単量体を重合して得られた重合体(A)、
    1分子中に少なくとも1個の不飽和結合を有する少なく
    とも1種の単量体(B)、光重合開始剤(C)、熱分解
    温度が200℃以上である染料(D)、130℃〜25
    0℃で架橋反応を起こす熱硬化剤(E)からなり、重合
    体(A)、単量体(B)、光重合開始剤(C)、染料
    (D)及び熱硬化剤(E)の総量中、重合体(A)が2
    0〜77重量%、単量体(B)が20〜60重量%、光
    重合開始剤(C)が0.01〜20重量%、染料(D)
    が1〜30重量%、熱硬化剤(E)が1〜40重量%で
    ある着色感光性樹脂組成物であって、該着色感光性樹脂
    組成物を溶剤中に溶解した溶液を支持体上に塗布し、熱
    硬化剤(E)の架橋反応を起こす温度未満の温度で加熱
    して溶剤を除去して膜厚2μmの膜に製膜したとき、得
    られる膜の表面張力分散力成分γsd及び表面張力極性成
    分γspが 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 12.5mN/m<γsd<35mN/m、 30mN/m<γsd+γsp<55mN/m となることを特徴とする着色感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個の不飽和結合を有する単
    量体(B)の少なくとも1種が−OH基を有するもので
    ある請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の着色感光性樹脂組
    成物を溶剤に溶解した溶液を透明支持体上に塗布、乾燥
    して形成された着色画像形成材料であって、表面張力分
    散力成分γsd及び表面張力極性成分γspが 12.5mN/m<γsp<35mN/m、 12.5mN/m<γsd<35mN/m、 30mN/m<γsd+γsp<55mN/m となることを特徴とする着色画像形成材料。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の着色画像形成材料を、透
    明基板に着色感光性樹脂層が接するようにしてラミネー
    トする工程(a)、基板上に積層した着色感光性樹脂層
    に所定のフォトマスクを介して活性光線を露光する工程
    (b)、支持体を剥離する工程(c)、基板上の着色感
    光性樹脂層の未露光部を現像液を用いて除去する工程
    (d)、及び現像により形成された着色画像を加熱する
    工程(e)を、同一の基板に対して各回毎に異なる複数
    の着色画像形成材料を用いて順次複数回繰り返すことを
    特徴とするカラーフィルタの製造法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の製造法を用いて得られる
    カラーフィルタ。
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