JPH10203382A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置

Info

Publication number
JPH10203382A
JPH10203382A JP1159097A JP1159097A JPH10203382A JP H10203382 A JPH10203382 A JP H10203382A JP 1159097 A JP1159097 A JP 1159097A JP 1159097 A JP1159097 A JP 1159097A JP H10203382 A JPH10203382 A JP H10203382A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
motor
angular velocity
value
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1159097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3637714B2 (ja
Inventor
Shuji Endo
修司 遠藤
Hideyuki Kobayashi
秀行 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP1159097A priority Critical patent/JP3637714B2/ja
Publication of JPH10203382A publication Critical patent/JPH10203382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3637714B2 publication Critical patent/JP3637714B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動パワーステアリング装置の制御装置にお
いて、危険回避などの緊急操舵状態を検出し、モータ角
速度を定数倍して電流指令値に加えることにより操舵ト
ルクの急変を少なくする。 【解決手段】 ステアリングシャフトに発生する操舵ト
ルクに基いて演算された操舵補助指令値と、モータの電
流値とから演算した電流指令値に基いてステアリング機
構に操舵補助力を与える前記モータを制御するようにな
っている電動パワーステアリング装置の制御装置であ
り、前記モータの角速度を計測し、前記計測された角速
度に従ったゲインで定数倍して前記電流指令値に加算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や車両の操
舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電
動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にハン
ドルの緊急操舵状態を検出し、電流制御値の急変を抑え
ることにより操舵トルクの急変を少なくする電動パワー
ステアリング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や車両のステアリング装置をモー
タの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング
装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベル
ト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラ
ック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従
来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク
(操舵補助トルク)を正確に発生させるため、モータ電
流のフィードバック制御を行なっている。フィードバッ
ク制御は、電流制御値とモータ電流検出値との差が小さ
くなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モ
ータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変
調)制御のデュ−ティ比の調整で行なっている。
【0003】ここで、電動パワーステアリング装置の一
般的な構成を図10に示して説明すると、操向ハンドル
1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及
び4b,ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロ
ッド6に結合されている。軸2には、操向ハンドル1の
操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられてお
り、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20がク
ラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合されてい
る。パワーステアリング装置を制御するコントロールユ
ニット30には、バッテリ14からイグニションキー1
1を経て電力が供給され、コントロールユニット30
は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速
センサ12で検出された車速Vとに基いてアシスト指令
の操舵補助指令値Iの演算を行ない、演算された操舵補
助指令値Iに基いてモータ20に供給する電流を制御す
る。クラッチ21はコントロールユニット30でON/
OFF制御され、通常の動作状態ではON(結合)され
ている。そして、コントロールユニット30によりパワ
ーステアリング装置が故障と判断された時、及びイグニ
ションキー11によりバッテリ14の電源がOFFとな
っている時に、クラッチ21はOFF(切離)される。
【0004】コントロールユニット30は主としてCP
Uで構成されるが、そのCPU内部においてプログラム
で実行される一般的な機能を示すと図11のようにな
る。例えば位相補償器31は独立したハードウェアとし
ての位相補償器を示すものではなく、CPUで実行され
る位相補償機能を示している。コントロールユニット3
0の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検
出されて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を
高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償
された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入
力される。又、車速センサ12で検出された車速Vも操
舵補助指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値
演算器32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに
基いてモータ20に供給する電流の制御目標値である操
舵補助指令値Iを決定し、操舵補助指令値演算器32に
はメモリ33が付設されている。メモリ33は車速Vを
パラメータとして操舵トルクに対応する操舵補助指令値
Iを格納しており、操舵補助指令値演算器32による操
舵補助指令値Iの演算に使用される。操舵補助指令値I
は減算器30Aに入力されると共に、応答速度を高める
ためのフィードフォワード系の微分補償器34に入力さ
れ、減算器30Aの偏差(I−i)は比例演算器35に
入力され、その比例出力は加算器30Bに入力されると
共にフィードバック系の特性を改善するための積分演算
器36に入力される。微分補償器34及び積分補償器3
6の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30B
での加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号と
してモータ駆動回路37に入力される。モータ20のモ
ータ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モ
ータ電流値iは減算器30Aに入力されてフィードバッ
クされる。
【0005】モータ駆動回路37の構成例を図12に示
して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bか
らの電流制御値Eに基いて電界効果トランジスタ(FE
T)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲ
ート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリ
ッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動
する昇圧電源372等で構成されている。FET1及び
FET2は、電流制御値Eに基いて決定されるデューテ
ィ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/
OFFされ、実際にモータに流れる電流Irの大きさが
制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D
1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数とし
てD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2
のPWM信号で駆動され、デューティ比D1の大きい領
域ではPWM信号の符号により決定されるモータの回転
方向に応じてON/OFFされる。例えばFET3が導
通状態にあるときは、電流はFET1、モータ20、F
ET3、抵抗R1を経て流れ、モータ20に正方向の電
流が流れる。又、FET4が導通状態にあるときは、電
流はFET2、モータ20、FET4、抵抗R2を経て
流れ、モータ20に負方向の電流が流れる。従って、加
算器30Bからの電流制御値EもPWM出力となってい
る。又、モータ電流検出回路38は抵抗R1の両端にお
ける電圧降下に基いて正方向電流の大きさを検出すると
共に、抵抗R2の両端における電圧降下に基いて負方向
の電流の大きさを検出する。モータ電流検出回路38で
検出されたモータ電流値iは、減算器30Aに入力され
てフィードバックされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような制御装置
で危険回避のような場合に、ハンドルの急操舵を行なう
と、モータ印加電圧が最大値となるまでは電流が増加す
るが、モータ印加電圧が最大値となると、モータ起電力
により電流が減少し、操舵トルクが急変して操縦者に不
安感を与えるという問題があった。危険回避などのため
にハンドルの急操舵を行なうと操舵トルクが増加するた
め、アシストトルクを発生させる必要があり、モータの
能力限界を越えてモータが駆動されると図13に示すよ
うにモータ電流値の急激な変化が発生し、その結果操舵
トルクがインパルス状に変化する。即ち、図13の時点
t1に急操舵が行なわれるとモータ角速度ωは同図
(A)のように増加するのに対し、モータ電流iは逆起
電力のために同図(B)のように急減する。これと共に
操舵トルクTは図13(C)のように時間t1以後急増
し、系の固有振動が励起され、同図(C)のAで示すよ
うな現象が運転者に違和感を与えてしまう。
【0007】本発明は上述のような事情よりなされたも
のであり、本発明の目的は、危険回避などの場合におけ
るハンドルの緊急操舵状態を検出し、モータ角速度を定
数倍して電流制御値に加えることにより操舵トルクの急
変を少なくする電動パワーステアリング装置の制御装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステアリング
シャフトに発生する操舵トルクに基いて演算された操舵
補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御
値に基いてステアリング機構に操舵補助力を与える前記
モータを制御するようになっている電動パワーステアリ
ング装置の制御装置に関するもので、本発明の上記目的
は、前記モータの角速度を計測し、前記計測された角速
度に従ったゲインで定数倍して前記電流制御値に加算す
ることによって達成される。又、前記角速度が所定値以
上で、かつ前記操舵トルクが所定値以上の場合に前記ゲ
インを切換えるようにしても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】モータの性能を越えて制御するこ
とは無理であるため、本発明では、モータの性能を越え
てモータが駆動されたときに発生する操舵トルクの急変
を防ぐように制御する。図2はその様子を示すモータ電
流値i対モータ角速度ωの特性であり、irは定格電流
を、ωrは定格角速度をそれぞれ示している。図の太実
線が本発明による角速度ω2に至るまでの軌跡を示して
おり、定格角速度ωr以上の急操舵を検出したときに、
徐々にモータ電流を下げてモータの追従性を上げること
が有効である。以上より、本発明では、電動パワーステ
アリング装置において危険回避などのためのハンドル急
操舵状態を検出し、モータ角速度の検出値を所定ゲイン
により定数倍して電流制御値に加算すると共に、所定ゲ
インを普通(通常)操舵時と緊急操舵時とで切換える。
これにより、緊急操舵時の操舵トルクの急変を少なくす
ることができ、操縦者に与える不安感を軽減することが
できる。本発明によるゲイン切換制御は、コントロール
ユニット内のCPUのプログラムを変更するだけで容易
に対応可能である。
【0010】以下、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0011】本発明ではモータ20の角速度ωを検出
し、角速度ωを所定ゲインで定数倍して電流制御値に加
え、普通又は緊急の操舵状態に応じてゲインを切換える
コントロールユニットの構成とする。尚、図1は図11
に対応して示している。トルクセンサ10からの操舵ト
ルクTは位相補償器31及びハンドル戻し制御器310
に入力され、車速センサ12からの車速Vはハンドル戻
し制御器310及び収れん性制御器311に入力される
と共に、操舵補助指令値演算器320に入力され、その
出力である操舵補助指令値Iはアシスト指令として加減
算器321に入力される。加減算器321の出力である
操舵補助指令値Irefは減算器30Aに入力され、加
算器30Bからの電流制御値E及びバッテリ14の電圧
Vbは端子間電圧推定器340に入力され、端子間電圧
推定器340からの端子間電圧推定値Vmは推定器33
0内の角速度推定器331に入力される。又、モータ電
流検出回路38からのモータ電流検出値iは減算器30
Aに入力されると共に推定器330内の角速度推定器3
31に入力され、推定器330で推定された推定値PR
1はハンドル戻し制御器310及び収れん性制御器31
1に入力され、推定値PR2はロストルク補償器312
に入力され、推定値PR3は慣性補償器313に入力さ
れる。推定器330内の角速度推定器331で推定され
た角速度ωは、直接推定値PR1として出力されるので
推定値PR1はモータ角速度ωを示している。又、角速
度ωは符号器332に入力されてその符号が判定される
ので、推定値PR2はモータ回転方向を示し、モータ角
速度ωを近似微分器333で微分された推定値PR3は
モータ角加速度を示している。ハンドル戻し制御器31
0から出力されるハンドル戻し信号HRは加減算器32
1に加算入力され、収れん性制御器311から出力され
る収れん性信号ASは加減算器321に減算入力され、
ロストルク補償器312からのロストルク補償信号LT
及び慣性補償器313からの慣性補償信号INはそれぞ
れ加減算器321に加算入力される。
【0012】本発明のコントロールユニット30は操舵
状態検出回路350を具備しており、モータ電流検出回
路38からのモータ電流値iを入力すると共に、推定器
330からの角速度ωを入力している。操舵状態検出回
路350は入力されたモータ電流値i及びモータ角速度
ωからハンドルの操舵状態を検出し、普通操舵及び緊急
操舵に従ってゲイン切換信号GSを収れん性制御器31
1に入力する。本発明の目的は、モータ20の特性限界
内でモータ20を使用することにあり、モータ20の特
性限界は電流及び角速度の関係で決まるため、電流及び
角速度によりモータ20の特性が限界に近いことを検知
し、特性の限界に近いことが検知されたときにモータ電
流値を下げ、より高速回転を出力できるようにする。こ
のため、操舵状態検出回路350はトルク信号Tを用い
ずに、モータ電流値i及び角速度ωを用いてモータ特性
の限界が近いことを検知するようになっている。
【0013】操舵補助指令値演算器320は、予め多項
式で定義した図3に示すようなアシスト特性を基に、操
舵トルクT及び車速Vよりアシスト指令として操舵補助
指令値Iを算出して出力し、ハンドル戻し制御器310
は、中低速におけるハンドル戻り特性を改善するため
に、ハンドル戻り状態の時にハンドル戻し信号HRを出
力してハンドルが戻る方向にアシストを行なう。収れん
性制御器311は、車両のヨーの収れん性を改善するた
めにハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかける
ようになっている。従って、ハンドル戻し制御器310
及び収れん性制御器311には、車速センサ12からの
車速Vが入力されている。ロストルク補償器312は、
モータ20のロストルクの影響をキャンセルするため
に、ロストルク補償信号LTを出力してモータ20のロ
ストルクの発生する方向、つまりモータ20の回転方向
に対してロストルク相当のアシストを行なう。又、慣性
補償器313はモータ20の慣性により発生する力相当
分をアシストするものであり、慣性補償信号INを出力
して慣性感又は制御の応答性の悪化を防ぐようになって
いる。従って、ロストルク補償器312に入力される推
定値PR2はモータ回転方向を示すものであり、慣性補
償器313に入力される推定値PR3はモータ角加速度
を示すものとなっている。
【0014】ところで、例えば特開平8−67262号
公報に示されているように、モータ角速度ωはモータ逆
起電力の推定値から求めることができる。即ち、モータ
逆起電力の推定値K・ωはモータ端子間電圧Vm及び
モータ電流検出値iより、モータ端子間抵抗をRとして
下記の数1で求められる。ただし、モータの角速度ωの
周波数成分は、モータの電気的な応答特性に比べ十分に
低いものとする。
【0015】
【数1】K・ω=Vm−R・i K:逆起電力定数 上記数1よりモータ20の角速度ωを求めることができ
るが、実際のモータの電気的特性と数学モデルで定義し
ている電気的特性とに違いがある場合、モータ角速度の
推定値ωはオフセットを有する方向に対して推定誤差e
を生じる。尚、実際のモータではモータインダクタンス
Lが影響するが、インダクタンスLを無視した場合の特
性を数学モデルとし、Vm=R・iで表わされる。この
オフセット誤差eを有すると、推定値を用いて補正信号
を発生する場合、例えば保舵状態にも拘わらずモータ2
0が回転していると誤判定するため、誤った補正信号を
出力してしまう。実際にはモータ20の電気的特性は、
製造時のバラツキや温度変動の影響を受けるために、上
記オフセット誤差eの発生は免れられない。かかる問題
を解決するために、図4に示すようにモータ逆起電力の
推定値K・ωに固定の不感帯DZを設定することが考
えられるが、逆にモータ角速度ωの小さい領域でモータ
逆起電力の推定を行ない得ないという問題がある。
【0016】上述のようにモータ角速度ωの推定誤差e
の要因は、実際のモータの電気的特性K・ωと数学モ
デルで定義している電気的特性K・ω´との差であ
る。即ち、モータ端子間抵抗Rに対して下記数2が成立
つ。
【0017】
【数2】R=Rm+△Rt+△Rp Rm:モデルの抵抗値、△Rt:温度による抵抗値変
動、△Rp:製造バラツキによる抵抗値変動 よって、実際のモータ端子間電圧Vmは前記数1に数3
を代入して
【数3】 Vm=(Rm+△Rt+△Rp)・i+K・ω で求められ、これに対し製造時のバラツキや温度変化を
考慮していない数学モデルでは、次の数4となる。
【0018】
【数4】Vm=Rm・i+K・ω´ 従って、逆起電力の推定誤差eは上記数3及び数4より
【数5】 e=K・ω´−K・ω =Vm−Rm・i−{Vm−(Rm+△Rt+△Rp)・i} =(△Rt+△Rp)・i となり、電流iに比例したオフセット誤差eを発生す
る。従って、例えば図5に示すような関係で電流iに比
例した不感帯処理を行なうことにより、電流iが小さい
ときはオフセット値も小さく、それに応じて不感帯幅D
Z=K・iも小さくなるため、モータ角速度ωが小さい
領域でもモータ逆起電力の推定が可能である。
【0019】ところで、PWM出力である電流制御値E
とモータ電流値iより角速度ωを推定する場合、不感帯
幅DZはモータ電流値iに比例するとする。即ち、Kを
定数としてDZ=K・iが成立つ。この場合、数5にお
けるモータ端子間電圧Vmの変動の最大値以上の値Kを
比例係数として設定する。従って、角速度推定値が常に
オフセット誤差eを有することはない。そして、実際の
モータ角速度の小さい領域においても角速度推定器33
1でモータ角速度ωの推定を行なうことができる。更に
モータの角速度ωと電流iの方向が一致しない場合、つ
まりハンドルが戻される状態の場合、下記数7のように
オフセット誤差は生じない。従って、ハンドル戻し状態
が検出された場合は、不感帯補正を行なわないことが望
ましい。
【0020】
【数6】 KT・ω´=KT・ω−(△Rt+△Rp)・|i| である。そして、|i|≒0であれば、
【数7】KT・ω´=KT・ω となる。
【0021】図6は推定器330でモータ20の角速度
ω(回転方向及び停止状態)を検出する動作例を示して
おり、先ずモータ電流検出回路38でモータ電流値iを
検出し(ステップS1)、バッテリ14の電圧Vb及び
電流制御値Eに基いて端子間電圧推定器340で端子間
電圧VmをVm=Vb・Eに従って算出する(ステップ
S2)。そして、角速度推定器331で角速度ωを求め
ると共に、前記数1を実行し(ステップS3)、角速度
ω及びモータ電流値iに基いてハンドル戻し状態か否か
を判断し(ステップS4)、ハンドル戻し状態であれば
終了となり、ハンドル戻し状態でなければモータ逆起電
力KT・ωの絶対値が不感帯幅DZ=K・i以上となっ
ているか否かを判断するため、
【数8】|KT・ω|−|K・i|≧0 を演算する(ステップS10)。そして、モータ逆起電
力が不感帯幅以上となっている場合には、
【数9】ω=sign(KT・ω)・(|KT・ω|−
|K・i|) の演算を実行し(ステップS12)、そうでない場合に
は角速度の推定値ω=0とする(ステップS11)。
尚、上記数9において、逆起電力KT・ωが正の場合に
はsign(KT・ω)は+1であり、逆起電力KT・
ωが負の場合にはsign(KT・ω)は−1である。
その後、モータ角速度ωが0であるか否かを判断し(ス
テップS13)、0であればモータ停止状態を検出する
(ステップS17)。ω=0でなければωが正か否かを
判断し(ステップS14)、例えば正であれば右方向回
転と判断し(ステップS16)、負であれば左方向回転
と判断する(ステップS15)。
【0022】本発明では、モータ20の角速度ωの検出
は、上述したステップS3におけるモータの角速度推定
値ωを用いて行なう。モータの角速度の推定値ωは上述
のようにオフセットタイプの推定誤差eを生じ、保舵し
ているにも拘らずモータの回転を検出してしまう欠点が
あるが、電流iに比例した不感帯DZ=K・iを設け、
オフセット補正を行なった後はモータ角速度ωを正確に
検出することができる。本発明では普通操舵時か緊急操
舵時かを角速度ωに関して検出するが、その境界をモー
タ20の定格角速度ωrとしている。本発明では更に操
舵トルクTについても普通操舵か緊急操舵かを検出する
が、操舵トルクTはモータ電流値iに比例することか
ら、操舵トルクをモータ電流値iから推定する。モータ
20の定格電流値irを上限として、て定格電流irの
60〜40%の範囲を緊急操舵とし、0乃至定格電流値
irを普通操舵としている。
【0023】収れん性制御器311は、推定器330で
推定されたモータ角速度ωに、予め設定された所定ゲイ
ンKsで定数倍したKs・ωを収れん性信号ASとして
出力し、車の収れん性を制御するために用いられてい
る。つまり、収れん性信号ASはKs・ω+bなる関数
として出力され、ゲインKsは車速Vの関数で与えられ
る。そして、本発明では後述の如く、ゲインKsがKs
1及びKs2で切換えられるようになっており、2つの
曲線がゲインKs1,Ks2の切換わり点で連続となる
ように定数bは与えられる。
【0024】一方、本発明では普通操舵及び緊急操舵を
検出するのに、モータ角速度ωとモータ電流値iとの関
係を図7に示すような領域にしている。即ち、モータ2
0の定格電流値をir、定格角速度をωrとし、角速度
ωを示す特性曲線Aは数1より
【数10】ω=−R/K・i+Vb/K で表わされる。そして、定常状態では左斜線で示す定格
電流irよりも小さく、特性曲線Aよりも小さい領域B
で制御すると共に、緊急状態では右斜線で示す定格電流
irを所定電流i3(=ir×0.6〜0.4)との間
で、特性曲線Aよりも大きい領域Cで制御する。
【0025】図8は本発明の操舵状態検出回路350の
動作例を示しており、先ず上記ステップS3で求められ
た角速度ωを読込み(ステップS20)、角速度ωが所
定値ω1(≒ωr)よりも大きくなっているか否かを判
断し(ステップS21)、NOであれば普通操舵状態で
あるので、ゲイン切換信号GSを収れん性制御器311
に入力してその収れん性制御のゲインKsを定常ゲイン
Ks2とする(ステップS25)。一方、ステップS2
1で角速度ωが所定値ω1よりも大きい場合には、更に
モータ電流値iを読込み(ステップS22)、モータ電
流値iが所定値i1よりも大きいか否かを判断する(ス
テップS23)。そして、モータ電流値iが所定値i1
以下であれば上記ステップS25に進み普通操舵として
ゲイン切換信号GSを出力し、モータ電流値iが所定値
i1よりも大きければ、ゲイン切換信号GSを収れん性
制御器311に入力してその収れん性制御のゲインKs
を緊急操舵時の定数Ks1とする(ステップS24)。
【0026】この場合、Ks1>Ks2の関係があり、
上記ゲインKs1及びKs2の切換えを緩やかにする場
合、ゲインの切換えが始まってからの時間をtとし、ゲ
イン切換えが始まってからゲインKs1に到達するまで
の時間をTs(任意設定)とすると、下記関係式とすれ
ば良い。
【0027】
【数11】t≦Tsの場合 Ks=(Ks1−Ks2)
・t/Ts+Ks2 t>Tsの場合 Ks=Ks1 このように収れん性制御器311のゲインKsを普通操
舵時(Ks2)と緊急操舵時(Ks1)とで切換えるこ
とで、普通操舵時には領域Bを、緊急操舵時には領域C
を使用することになる。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明の電動パワーステア
リング装置の制御装置によれば、モータ角速度ωが所定
値ω1以上でかつモータ電流値iが所定値i1以上であ
る場合をもって緊急操舵状態としている。緊急操舵状態
が検出された場合は、収れん性制御器311のゲインK
sをKs1、Ks2で切換えることにより、図9に示す
ように電流制御値Eの増加を抑制し、同図(B)のよう
にモータ電流値iが抑えられる。その結果、同図(C)
のように操舵トルクTの急変が抑えられ、操縦者に与え
る不安感を低減することができる。図9(A)の細実線
が従来の特性を示し、本発明では太実線のように変化す
るので急激な電流変化はなくなる。また図9(C)の細
実線が従来例であり、太実線が本発明の操舵トルクTで
あり、トルクTの急激な変化もなくなる。又、ゲインの
切換え制御はコントロールユニットのソフト的な対応で
実現できるため、容易かつ経済的に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動パワーステアリング装置にお
けるコントロールユニットの一例を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明によるモータ電流対モータ角速度の関係
を示す図である。
【図3】車速をパラメータとして操舵トルク及び操舵補
助指令値の関係例を示す特性図である。
【図4】モータ逆起電力とモータ角速度の関係を示す図
である。
【図5】モータ電流値と不感帯幅の関係例を示す図であ
る。
【図6】モータの各速度を検出する動作例を示すフロー
チャートである。
【図7】本発明の動作原理を説明するための図である。
【図8】本発明の動作例を示すフローチャートである。
【図9】急操舵を行なった場合の本発明による電流制御
値とモータ電流値との関係を示す図である。
【図10】電動パワーステアリング装置の一例を示すブ
ロック構成図である
【図11】コントロールユニットの一般的な内部構成を
示すブロック図である。
【図12】モータ駆動回路の一例を示す結線図である。
【図13】急操舵を行なった場合の従来の動作例を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 操向ハンドル 5 ピニオンラック機構 10 トルクセンサ 12 車速センサ 20 モータ 30 コントロールユニット 31 位相補償器 37 モータ駆動回路 38 モータ電流検出回路 330 推定器 340 端子間電圧推定器 350 操舵状態検出回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングシャフトに発生する操舵ト
    ルクに基いて演算された操舵補助指令値と、モータの電
    流値とから演算した電流制御値に基いてステアリング機
    構に操舵補助力を与える前記モータを制御するようにな
    っている電動パワーステアリング装置の制御装置におい
    て、前記モータの角速度を計測し、前記計測された角速
    度に従ったゲインで定数倍して前記電流制御値に加算す
    ることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記角速度が所定値以上で、かつ前記操
    舵トルクが所定値以上の場合に前記ゲインを切換えるよ
    うになっている請求項1に記載の電動パワーステアリン
    グ装置の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ゲインの切換えを緩やかに行なう請
    求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装
    置。
JP1159097A 1997-01-24 1997-01-24 電動パワーステアリング装置の制御装置 Expired - Fee Related JP3637714B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1159097A JP3637714B2 (ja) 1997-01-24 1997-01-24 電動パワーステアリング装置の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1159097A JP3637714B2 (ja) 1997-01-24 1997-01-24 電動パワーステアリング装置の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10203382A true JPH10203382A (ja) 1998-08-04
JP3637714B2 JP3637714B2 (ja) 2005-04-13

Family

ID=11782131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1159097A Expired - Fee Related JP3637714B2 (ja) 1997-01-24 1997-01-24 電動パワーステアリング装置の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3637714B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5164799B2 (ja) * 2008-11-06 2013-03-21 オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 電動式パワーステアリング制御装置
JP5322588B2 (ja) * 2008-11-06 2013-10-23 オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 電動式パワーステアリング制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3637714B2 (ja) 2005-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3951337B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4192442B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4660883B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3991416B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2001114121A (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
JP2002087293A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2005193751A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4849065B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3812229B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3826582B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4114349B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4089161B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2000185660A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2000053013A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JPH10203382A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4715302B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4797294B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3637764B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2003312510A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3525681B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3550827B2 (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JPH10147249A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4058264B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4040309B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JPH10157646A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050103

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080121

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees