JPH10203042A - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法

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JPH10203042A
JPH10203042A JP1517397A JP1517397A JPH10203042A JP H10203042 A JPH10203042 A JP H10203042A JP 1517397 A JP1517397 A JP 1517397A JP 1517397 A JP1517397 A JP 1517397A JP H10203042 A JPH10203042 A JP H10203042A
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surface roughening
printing plate
electrochemical
treatment
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JP1517397A
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Takahiro Mori
孝博 森
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボールペン適性(PS版の表面に描いたボール
ペンインキが現像後に砂目に残りにくい性質)が改善さ
れ、耐刷性と汚れ性能が良好な平版印刷版用アルミニウ
ム板が低コストで得られる粗面化方法を提供する。 【解決手段】酸性電解液中で電気化学的粗面化処理を
含む平版印刷版用アルミニウム板の製造方法(A)にお
いて、該処理によるエッチング量を30.0〜70.0
mg/dm2とする。機械的粗面化の後、酸性電解液
中で電気化学的粗面化処理を含む平版印刷版用アルミニ
ウム板の製造方法において、該電気化学的粗面化のエッ
チング量を7.5〜18.0mg/dm2とする。上
記又はの電気化学的粗面化で(エッチング量(mg
/dm2))/(正の電気量(C/dm2))≧0.07
5とする。上記製造方法(A)において、該処理後の
アルミニウム板の表面に生成するスマットを含む反射濃
度を0.28〜0.45とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体の製造方法に関し、さらに詳しくは、平版印刷版用支
持体として使用されるアルミニウム板(アルミニウム合
金板を含む)の表面の砂目立て(粗面化)の方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版用支持体には一般にアルミニ
ウム(アルミニウム合金を含む)板が用いられる。アル
ミニウム板を感光性平版印刷版の支持体とするために
は、支持体上に設けられる感光材との適度な接着性と、
保水性及び親水性を有していることが必要である。
【0003】このためには、アルミニウム板の表面を均
一かつ緻密な砂目を有するように粗面化しなければなら
ない。この粗面化処理は、製版し印刷を行うときの印刷
性能や耐刷力に著しい影響を及ぼすので、その良否は平
版印刷版用支持体の製造上重要な要素となっている。
【0004】平版印刷版用アルミニウム支持体の粗面化
処理方法としては、ボールグレイン、ワイヤーグレイ
ン、ブラシグレイン等の機械的な粗面化処理方法と電気
的な粗面化処理方法又は両者を組み合わせた方法が知ら
れかつ実施されている。
【0005】一般に表面粗さが大きく、深さが深く、か
つ均一である支持体を用いた平版印刷版は水持ちが良く
印刷しやすいといわれているが、機械的な粗面化処理
は、一般に単純な構造の砂目になり、砂目の表面粗さが
大きくできない。表面粗さが大きく、深く、かつ均一で
ある印刷版用アルミニウム支持体を製造するためには、
電気化学的粗面化処理方法又は機械的粗面化処理と電気
化学的粗面化処理とを組み合わせた方法が着目されてい
る。そして、電気化学的粗面化処理方法としては交流電
解エッチング法が一般に採用されており、電流として
は、普通の正弦波交流電流や矩形波の特殊交番波形電流
が用いられる。
【0006】交流電解エッチング法は、黒鉛等の適当な
電極を対極として交流電流により、アルミニウム板の粗
面化処理を行うものであるが、ピットが大きく、その直
径に比較して深さが深く、均一かつ緻密な砂目を有する
平版印刷版用支持体として好適なアルミニウム板を得る
ための電気化学的粗面化処理方法が種々提案されてい
る。
【0007】このような電気化学的粗面化処理方法とし
て、特殊電解電流波形を使った硝酸系電解液を使用する
粗面化処理方法(特開昭53−67507号公報)、交
流を使った電解粗面化時の陽極時と陰極時の電気量の比
率を調整する方法(特開昭54−65607号公報)、
特定の波形を有する電流を用いて電解エッチングする方
法(特開昭55−25381号公報)、交番波形電流を
流してアルミニウム板の表面を電解粗面化する工程にお
いて、経過時間と単位面積当たりの通電量との関係を調
整する方法(特開昭56−29699号公報)、交番電
流を使用して電気化学的に粗面化処理する方法におい
て、スマット量を特定することによりピットの大きさの
ばらつきを少なくする方法(特開平3−267400号
公報)、電解処理時間の途中に休止時間を2回以上設け
る(特公平7−98429号公報)等の技術が知られて
いる。
【0008】しかしながら、電気化学的粗面化処理方法
には、例えば、アルミニウムロット間の合金成分の微量
成分のばらつきによって、同一の電解条件で処理してい
ても砂目形状が変化しやすく安定した品質で支持体を作
成することは難しい問題があることを見いだした。ま
た、前記文献記載の方法による均一で緻密な砂目は、確
かに感光材の接着と保水性に優れてはいるが、印刷特性
以外の問題として、製版時に感光性平版印刷版の表面に
描画したボールペンインキが現像しても除去されずに残
って版面に付着し、印刷においてその部分に汚れが発生
する問題(ボールペン適性)があり、また、電気化学的
粗面化方法は、高い消費電力のコストが問題であった。
【0009】この解決方法としては、感光材の接着と保
水性を劣化させない範囲でかつボールペンインキが付着
しない範囲で砂目を製造する技術が求められ、従来より
もさらに粗面形状のばらつきの小さい範囲で砂目立てす
る方法が求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に、ボールペン適性が改善され、印刷適性として耐刷性
が優れ汚れ性能の良い平版印刷版用支持体を製造するこ
とができる電解粗面化方法を提供することであり、第2
に、低コストで平版印刷版用支持体を製造することがで
きる電解粗面化方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電気化学
的粗面化によるエッチング量に着目し、鋭意研究した結
果、粗面化の手段が電気化学的粗面化処理単独の場合
は該粗面化処理によるエッチング量を30.0〜70.
0mg/dm2とし、粗面化の手段として機械的粗面
化と電気化学的粗面化とを併用し、機械的粗面化を行っ
た後に電気化学的粗面化を行う場合は、エッチング量を
7.5〜18.0mg/dm2とすることにより、ボー
ルペンインキの付着が改善され、粗面形状のばらつきが
小さく、均一な粗面が得られることを見いだした。
【0012】また、粗面化の手段が電気化学的粗面化
処理単独の場合、電気化学的粗面化によるエッチング量
ΔW[mg/dm2]と正の電気量Qa[C/dm2]と
の関係をΔW/Qa≧0.075として平版印刷版用支
持体を製造することによって、均一な粗面を低コストで
得られることを見いだした。
【0013】また、前記及びの電気化学的粗面化
のエッチング量ΔW[mg/dm2]と正の電気量Qa
[C/dm2]との関係をΔW/Qa≧0.075とす
ることにより、ボールペンインキの付着が改善され、粗
面形状のばらつきが小さく、均一な粗面を低コストで得
られることを見いだした。
【0014】また、ないしの電気化学的粗面化の後
に、溶解量0.8〜3.0[g/m2]の範囲でアルカ
リエッチングすることにより、ボールペンインキの付着
がさらに改善され、均一な粗面が得られることを見いだ
した。
【0015】更にまた、電気化学的粗面化後、アルミニ
ウム板上に生成するスマットの濃度に着目し、鋭意研究
した結果、スマットの濃度が0.28〜0.45(マク
ベス反射濃度)になるように粗面化処理を施すことによ
って、均一な粗面が得られ、かつボールペンの付着がな
く、印刷適性の良好な粗面化処理が可能なことを見いだ
し本発明に到達した。
【0016】即ち、前記本発明の第1及び第2の目的は
下記(1)〜(5)によって達成され、前記第1の目的
は下記(6)によって達成される。
【0017】(1)アルミニウム板又はアルミニウム合
金板を酸性電解液中で電気化学的粗面化により砂目立て
処理する工程を含む平版印刷版用支持体の製造方法にお
いて、該電気化学的粗面化によるエッチング量が30.
0〜70.0mg/dm2の範囲であることを特徴とす
る平版印刷版用支持体の製造方法。
【0018】(2)アルミニウム板又はアルミニウム合
金板を機械的粗面化の後、酸性電解液中で電気化学的粗
面化により砂目立て処理する工程を含む平版印刷版用支
持体の製造方法において、該電気化学的粗面化によるエ
ッチング量が7.5〜18.0mg/dm2の範囲であ
ることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
【0019】(3)アルミニウム板又はアルミニウム合
金板を酸性電解液中で電気化学的粗面化により砂目立て
処理する工程を含む平版印刷版用支持体の製造方法にお
いて、該電気化学的粗面化によるエッチング量ΔW[m
g/dm2]と、該電気化学的粗面化の正の電気量Qa
[C/dm2]との関係を下記式(1)で示される条件
とすることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方
法。
【0020】式(1) ΔW/Qa≧0.075 (4)上記(1)又は(2)に記載の平版印刷版用支持
体の製造方法において、電気化学的粗面化によるエッチ
ング量ΔW[mg/dm2]と、電気化学的粗面化の正
の電気量Qa[C/dm2]との関係を下記式(1)で
示される条件とすることを特徴とする平版印刷版用支持
体の製造方法。
【0021】式(1) ΔW/Qa≧0.075 (5)電気化学的粗面化の後に、溶解量0.8〜3.0
[g/m2]の範囲でアルカリエッチングすることを特
徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の平
版印刷版用支持体の製造方法。
【0022】(6)アルミニウム板又はアルミニウム合
金板を酸性電解液中で電気化学的粗面化により砂目立て
処理する工程を含む平版印刷版用支持体の製造方法にお
いて、該電気化学的粗面化の後アルミニウム板の表面に
生成するスマットを含む反射濃度が0.28〜0.45
の範囲であることを特徴とする平版印刷版用支持体の製
造方法。
【0023】以下、本発明について詳述する。
【0024】本発明の電気化学的粗面化方法は、周知の
方法が使用できるが、前記のエッチング量の範囲に入る
ように電解液の濃度、温度、流量、電流密度、電気量等
を調整することによって本発明の電気化学的処理が可能
になる。
【0025】請求項1に係る発明において、電気化学的
粗面化処理後のエッチング量が30.0mg/dm2
り小さい場合は、粗面形状が充分でなく、印刷特性とし
て感光層との接着が劣化し保水性も低下してしまう。7
0.0mg/dm2よりも大きい場合は、感光層との接
着及び保水性は良好になるが、ボールペンインキの付着
が発生しやすく、印刷特性として汚れが発生しやすい。
【0026】請求項2に係る発明において、電気化学的
粗面化処理後のエッチング量が7.5mg/dm2より
小さい場合は、粗面形状が充分でなく、印刷特性として
感光層との接着が劣化し保水性も低下してしまう。1
8.0mg/dm2よりも大きい場合は、感光層との接
着及び保水性は良好になるが、ボールペンインキの付着
が発生しやすく、印刷特性として汚れが発生しやすい。
【0027】請求項3又は4に係る発明において、電気
化学的粗面化については、周知の電気化学的粗面化処理
が可能であるが、特に好ましくは、電気化学的粗面化工
程を複数に分割して処理する方法が好ましい。電気化学
的粗面化によるエッチング量ΔWと正の電気量Qaとの
関係がΔW/Qa<0.075では電解条件に対するエ
ッチング量が少なすぎるため、コストが高くなる問題が
発生する。
【0028】アルカリエッチングは、通常、電気化学的
粗面化によって生成するスマットを除去する方法や電気
化学的粗面化形状を均一化する方法として知られてい
る。本発明においては、アルカリエッチングの範囲を
0.8〜3.0g/m2とすることが好ましい。0.8
g/m2未満では、十分スマットが除去されず、また、
感光層を設けた場合の感度が低下する。3.0g/m2
を越えると、砂目の均一化及びボールペンインキの付着
は改善されるが、感光層との接着性が劣化し、電気化学
的粗面化の微細構造が消失してしまう。また、アルカリ
エッチング液の疲労が大きく、溶出したアルミニウム残
渣の処理などの問題が発生し、その処理コストの問題が
発生する。
【0029】請求項6に係る発明において、スマット濃
度の調整手段としては、濃度が0.28未満の場合に
は、電流密度又は電圧を高くするか、電解液の濃度又は
温度を下げるか、電解液の流量を上げる手段を用いるこ
とができ、スマット濃度が0.45を越える場合は、電
流密度又は電圧を低くするか、電解液の濃度又は温度を
上げるか、電解液の流量を下げる手段を用いることがで
きる。
【0030】請求項6に係る発明において、粗面化の手
段として機械的粗面化を併用することができる。この場
合、電気化学的粗面化で生成するスマットの反射濃度を
0.28〜0.45の範囲とする。
【0031】請求項1ないし6に係る発明において、ア
ルミニウム合金板を形成するアルミニウム合金としては
平版印刷版の版材として使用できるものであればよく、
例えば、ケイ素、銅、マンガン、クロム、亜鉛、鉛、ビ
スマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属と
アルミニウムの合金が用いられる。
【0032】アルミニウム板及びアルミニウム合金板
(以下、これらを「アルミニウム板」という)は、粗面
化に先立ってアルミニウム板表面の油脂、錆、ごみなど
を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂
処理としては、トリクレン、シンナー等による溶剤脱
脂、ケロシン、トリエタノール等のエマルジョンを用い
たエマルジョン脱脂処理等を用いることができる。ま
た、上記の脱脂処理のみでは除去されない汚れや自然酸
化皮膜を除去するために、苛性ソーダ等のアルカリ水溶
液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のア
ルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマット
が生成するので、この場合には燐酸、硝酸、硫酸、クロ
ム酸等の酸、あるいはこれらの混酸に浸漬してデスマッ
ト処理を施すことが好ましい。
【0033】請求項1ないし6に係る発明の電気化学的
粗面化において、印加される電圧は、1〜50Vが好ま
しく、2〜30Vが更に好ましい。また、陽極時電気量
(Qa)が陰極時電気量(Qc)よりも大となるような
交番波形電流を加えて、陽極時電流密度が10〜150
A/dm2、好ましくは20〜100A/dm2の条件で
電解粗面化するのが良い。
【0034】上記交番波形電流としては、正負の極性を
交互に交換させて得られる波形であって、QcよりQa
が大きくなるようなものであればいかなる形の波形でも
使用することができる。Qa及びQcは100〜100
0クーロン/dm2が好ましい。酸性電解液は、温度は
10〜50℃が好ましく、15〜45℃が更に好まし
い。酸性電解液に用いる酸は塩酸又は硝酸、特に硝酸が
好ましく、その濃度は0.01〜5重量%が好ましい。
【0035】酸性電解液には、必要に応じて硝酸塩、塩
化物、アミン類、アルデヒド類、リン酸、クロム酸、ホ
ウ酸、酢酸、蓚酸等を加えることができる。
【0036】電気化学的粗面化処理については、例え
ば、特公昭48−28123号公報、英国特許第896
563号明細書、特開昭53−67507号公報に記載
されており、本発明においては、これらの方法を適用す
ることができる。また、塩酸又は硝酸等を含む酸性電解
液中で直流によって表面を電解処理する方法を用いるこ
ともできる。
【0037】請求項2に係る発明において、機械的粗面
化法としては、例えばボール研磨、ブラシ研磨、ブラス
ト研磨、バフ研磨、ホーニング研磨等の方法を用いるこ
とができる。この中でも、ブラシ研磨及び/又はホーニ
ング研磨が好ましい。さらに、あらかじめ粗面化された
シートを支持体表面に張り合わせ、圧力をかけて粗面パ
ターンを転写することにより粗面化を行うこともでき
る。
【0038】本発明では、機械的に粗面化した後、電気
化学的に粗面化を行うことが好ましい。
【0039】2種以上の粗面化処理を組み合わせる場合
は、各粗面化処理の間に酸又はアルカリの水溶液に浸漬
する化学的エッチング処理を行うことが好ましい。酸と
しては、例えば硫酸、過硫酸、フッ酸、リン酸、硝酸、
塩酸等が挙げられ、塩基としては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中で
もアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。化学的エッ
チング処理は、これらの酸又はアルカリの0.05〜4
0重量%水溶液を用い、40〜100℃の液温において
5〜300秒処理することによって行うことができる。
【0040】アルカリの水溶液に浸漬する化学的エッチ
ング処理を行った場合、アルミニウム板の表面にスマッ
トが生成するので、リン酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の
酸、あるいはこれらの混酸にアルミニウム板を浸漬して
デスマット処理を施すことが好ましい。
【0041】粗面化処理されたアルミニウム板は、次い
で陽極酸化処理を施すことが好ましい。陽極酸化処理に
用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成する
ものならばいかなるものでも使用でき、一般には硫酸、
リン酸、蓚酸、クロム酸、スルファミン酸、ベンゼンス
ルホン酸等或いはこれらの2種類以上を組み合わせた混
酸が用いられるが、本発明において、電解液は硫酸を主
体とするものが好ましい。陽極酸化の処理条件は使用す
る電解液により種々変化するので一概に特定し得ない
が、一般的には、電解液の濃度が1〜80重量%、温度
5〜70℃、電流密度1〜60A/dm2、電圧1〜1
00V、電解時間10秒〜5分の条件が適当である。好
ましいのは硫酸法で、通常直流電流で処理が行われる
が、交流を用いることもできる。硫酸の濃度は10〜5
0重量%、温度20〜50℃、電流密度1〜20A/d
2で20〜250秒間電解処理されるのが好ましい。
電解液中にはアルミニウムイオンが含まれている方が好
ましい。
【0042】陽極酸化処理されたアルミニウム板は次い
で封孔処理を施してもよい。封孔処理は、熱水処理、沸
騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩
水溶液処理等の公知の方法を用いて行うことができる。
【0043】封孔処理されたアルミニウム板には次いで
親水性層を設けてもよい。親水性層の形成には、米国特
許第3,181,461号明細書に記載のアルカリ金属
珪酸塩、米国特許第1,860,426号明細書に記載
の親水性セルロース、特公平6−94234号公報、特
公平6−2436号公報に記載のアミノ酸及びその塩、
特公平5−32238号公報に記載のヒドロキシル基を
有するアミン類及びその塩、特開昭62−19494号
公報に記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報
に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化
合物等を用いることができる。
【0044】更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感
光層への擦れ傷を防ぐために、また、現像時、現像液中
へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50
−151136号、特開昭57−63293号、特開昭
60−73538号、特開昭61−67863号、特開
平6−35174号等に記載されている、支持体裏面に
保護層を設ける処理を行うことができる。
【0045】このようにして得られた砂目立てされた表
面を持つアルミニウム板は平版印刷版として使用でき、
あるいは該表面上に感光性組成物の層を設けたことによ
り感光性平版印刷版を作るこができる。感光性組成物と
しては、例えばo−キノンジアジド化合物を感光成分と
するポジ型の感光性組成物、感光性ジアゾニウム塩や感
光性アジド化合物を感光成分とするネガ型の感光性組成
物、付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する
化合物を主成分とする光重合性組成物、桂皮酸やジメチ
ルマレイミド基を含む光架橋性化合物などを感光成分と
するネガ型の感光性組成物が挙げられる。感光性組成物
としては、特願平8−151036号明細書及び特願平
7−231444号明細書に記載されたものが好まし
い。
【0046】
【実施例】
請求項1ないし5に係る発明の実施例及び比較例 支持体1〜25の作成 厚さ0.24mmのアルミニウム板(JIS1050、
調質H16)の表面を50℃、10%水酸化ナトリウム
水溶液中に20秒間浸漬して脱脂処理を行った後、水洗
を行い、10%硫酸で中和し更に水洗した。次いでこの
アルミニウム板を、温度30℃、極間距離9mmで、下
記表1に示す電解液及び電流密度で電気化学的粗面化に
よるエッチング量が表1の値になるように、正弦波交流
を用い、電解時間を調整して電気化学的粗面化処理を施
した。電気化学的粗面化におけるエッチング量は電気化
学的粗面化の後、60℃に保たれた30重量%の硫酸水
溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面化処理で生成した
水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分の除去を
行った後の重量と電気化学的粗面化前の重量との差とし
た。
【0047】また、電気化学的粗面化後にアルカリエッ
チングを行う場合には、電気化学的粗面化後のアルミニ
ウム板を1%水酸化ナトリウム水溶液(温度50℃)に
浸漬し、溶解量が表1に示した値になるようにエッチン
グし、次いで10%硫酸水溶液(25℃)に浸漬して中
和処理を行った後水洗して支持体を作成した。
【0048】また、電気化学的粗面化の前に機械的粗面
化を行う場合の機械的粗面化は、研磨材(アルミナ#8
00)を20重量%水に懸濁し、供給量20l/mi
n、ブラシ回転速度240rpmで、ブラシ研磨により
機械的粗面化を行い、水洗した後、85℃に保たれた6
%水酸化ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬した後水洗
し、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に5秒間浸漬
し、デスマット処理した後水洗した。次いで電気化学的
粗面化、又は電気化学的粗面化及びアルカリエッチング
を施して支持体を作成した。
【0049】支持体26〜35の作成 厚さ0.24mmのアルミニウム板(JIS1050、
調質H16)の表面を、50℃、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液中に20秒間浸漬して脱脂処理を行った後、水
洗を行い、10%硫酸で中和し更に水洗した。次いでこ
のアルミニウム板を、濃度1重量%の塩酸水溶液で、温
度30℃、極間距離9mmで、電流密度及び電気量が下
記表2に示す値で、正弦波交流を用いて電気化学的粗面
化処理を施して支持体を作成した。
【0050】電気化学的粗面化におけるエッチング量Δ
Wは、電気化学的粗面化後、60℃に保たれた30重量
%の硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面化処理
で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成
分の除去を行った後の重量と電気化学的粗面化前の重量
との差を測定した。このΔWと電気化学的粗面化時の電
気量Qa[C/dm2]からΔW/Qaの値を求め表2
に示した。
【0051】また、電気化学的粗面化処理を分割して該
処理を行う場合には、表2に示す回数の分割で電気化学
的粗面化を行った。分割した場合の電気量は、その分割
合計の電気量を示す。
【0052】なお、機械的粗面化及びアルカリエッチン
グは、支持体1〜25と同様の方法で行い、アルカリエ
ッチングは溶解量が表2に示す値になるように施した。
【0053】次いで、これらのアルミニウム板に、20
%硫酸水溶液中で、温度25℃、電流密度2A/dm2
の条件で60秒間陽極酸化処理を行い、次いで、0.1
%酢酸アンモニウム水溶液中で、温度85℃、30秒間
浸漬して封孔処理を行い、水洗し、乾燥後して支持体を
作成した。
【0054】上記各支持体に下記組成の感光性組成物塗
布液Aをワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で乾燥し
感光性平版印刷版を得た。感光性組成物の乾燥後の塗布
重量は1.8g/m2であった。
【0055】 感光性組成物塗布液A 1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドと2,3,4−トリ ヒドロキシベンゾフェノンとのエステル化反応物 0.5g フェノールホルムアルデヒド樹脂(重量平均分子量:2300) 2.0g 2−(p−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト リアジン 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.03g クリスタルバイオレット 0.01g オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製) 0.015g エチレンジクロリド 18g 2−メトキシエチルアセテート 12g このようにして得られた感光性平版印刷版に加重50g
でボールペンで描画後、真空焼枠中で透明ポジティブフ
ィルムを通して1mの距離から3kWのメタルハライド
ランプを用いて50秒間露光を行った後、SiO2/N
2Oのモル比が1.74のケイ酸ナトリウムの5.2
6%水溶液(pH=12.7)で現像した。次いで、十
分に水洗の後、ボールペンインキの付着と印刷での汚れ
及び耐刷性について評価を行った。
【0056】また、砂目形状について顕微鏡による観察
により判定を行った。
【0057】評価方法 ボールペンインキの付着:加重75Gでボールペンを描
画し、現像後の砂目表面の観察により判定した。判定は
10点満点とし、インキが完全に除去された状態を10
点、全く除去されない場合を1点とした。
【0058】汚れ性:印刷機(ハイデルベルグGTO−
52)で5000枚印刷後の非画像部のブランケットの
インキの付着を判定した。以下の表中の記号の意味を下
記に示す。
【0059】 ○:ほとんどインキが付着しない ×:インキが付着している 耐刷性:印刷機(ハイデルベルグGTO−52)で印刷
を実施し、画線部が摩耗又は脱落して印刷物が劣化する
までの枚数を判定した。
【0060】以上の結果を下記表1及び表2に示す。表
1及び2中、砂目の形状の記号の意味は下記のとおりで
ある。
【0061】 ○:均一な粗面形状 △:部分的に不均一な部分がある(不均一な部分が50
%未満) ×:不均一な粗面形状(不均一な部分が50%以上) 表1及び表2中、「アルカリエッチングの溶解量」の欄
の「−」はアルカリエッチングを施さなかったことを示
す。
【0062】
【表1】
【0063】表1から、本発明により電気化学的粗面化
のエッチング量を制御することにより、ボールペンイン
キの付着と砂目の均一性、汚れ性及び耐刷性が改善され
ることがわかる。
【0064】
【表2】
【0065】表2から、本発明によりΔW/Qa≧0.
075とすることにより、同一電気量でも、エッチング
量が多くなり、その分低コストが可能になり、更に、電
気化学的粗面化のエッチング量を制御することにより、
ボールペンインキの付着と砂目の均一性、汚れ性及び耐
刷性も改善されることがわかる。
【0066】請求項6に係る発明の実施例及び比較例 支持体36の作成 JIS1050のアルミニウム板の表面を10%水酸化
ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬して脱脂処理を行っ
た後水洗を行い、10%硫酸で中和し更に水洗した。次
いでこのアルミニウム板を、1.0%の塩酸水溶液中に
おいて、温度30℃、電流密度60A/dm2の正弦波
交流を用いて陽極時電気量が400クーロン/dm2
条件下で電解粗面化を行い、水洗後、マクベス反射濃度
計でスマットの濃度を測定した結果0.30であった。
次いでスマット除去のため、塩化ナトリウム5%水溶液
中で、温度60℃、電流密度5A/dm2で10秒間電
解処理を行いスマットを除去した。このスマットの除去
前後の重量差からスマット量の測定をした。
【0067】支持体37〜47の作成 電解条件を表3に示すとおりに変えたほかは支持体36
と同様にして支持体上37〜47を作成した。また、電
解条件を表3に示すとおりに変え、かつ電気化学的粗面
化の前に支持体8〜13と同様の方法で機械的粗面化を
施した以外は支持体36と同様にして支持体48〜56
を作成した。
【0068】これらの支持体に前記感光性組成物塗布液
Aをワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で乾燥し感光
性平版印刷版を得た。感光性組成物の乾燥後の塗布重量
は1.8g/m2であった。
【0069】これらの感光性平版印刷版について、支持
体1〜36と同様にしてボールペンインキの付着、汚れ
及び耐刷性について評価した。
【0070】以上の結果を下記表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】請求項1ないし6に係る発明によれば、
ボールペン適性が改善され、耐刷性が優れ汚れ性能の良
い砂目を有する平版印刷版用支持体として使用されるア
ルミニウム板が提供される。請求項1ないし5に係る発
明によれば、低コストで上記効果を有するアルミニウム
板を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板又はアルミニウム合金板
    を酸性電解液中で電気化学的粗面化により砂目立て処理
    する工程を含む平版印刷版用支持体の製造方法におい
    て、該電気化学的粗面化によるエッチング量が30.0
    〜70.0mg/dm2の範囲であることを特徴とする
    平版印刷版用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板又はアルミニウム合金板
    を機械的粗面化の後、酸性電解液中で電気化学的粗面化
    により砂目立て処理する工程を含む平版印刷版用支持体
    の製造方法において、該電気化学的粗面化によるエッチ
    ング量が7.5〜18.0mg/dm2の範囲であるこ
    とを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム板又はアルミニウム合金板
    を酸性電解液中で電気化学的粗面化により砂目立て処理
    する工程を含む平版印刷版用支持体の製造方法におい
    て、該電気化学的粗面化によるエッチング量ΔW[mg
    /dm2]と、該電気化学的粗面化の正の電気量Qa
    [C/dm2]との関係を下記式(1)で示される条件
    とすることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方
    法。 式(1) ΔW/Qa≧0.075
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の平版印刷版用支持
    体の製造方法において、電気化学的粗面化によるエッチ
    ング量ΔW[mg/dm2]と、電気化学的粗面化の正
    の電気量Qa[C/dm2]との関係を下記式(1)で
    示される条件とすることを特徴とする平版印刷版用支持
    体の製造方法。 式(1) ΔW/Qa≧0.075
  5. 【請求項5】 電気化学的粗面化の後に、溶解量0.8
    〜3.0[g/m2]の範囲でアルカリエッチングする
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の平
    版印刷版用支持体の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルミニウム板又はアルミニウム合金板
    を酸性電解液中で電気化学的粗面化により砂目立て処理
    する工程を含む平版印刷版用支持体の製造方法におい
    て、該電気化学的粗面化の後アルミニウム板の表面に生
    成するスマットを含む反射濃度が0.28〜0.45の
    範囲であることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283752A (ja) * 2001-03-22 2002-10-03 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性平版印刷版
JP2002283751A (ja) * 2001-03-22 2002-10-03 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性平版印刷版

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JP2002283752A (ja) * 2001-03-22 2002-10-03 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性平版印刷版
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