JPH10195212A - フッ素樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂成形体の製造方法

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JPH10195212A
JPH10195212A JP566997A JP566997A JPH10195212A JP H10195212 A JPH10195212 A JP H10195212A JP 566997 A JP566997 A JP 566997A JP 566997 A JP566997 A JP 566997A JP H10195212 A JPH10195212 A JP H10195212A
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昭彦 中原
Yuji Izeki
祐二 井関
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淳一郎 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素樹脂固有の特性を維持しながら、良好な
帯電防止効果を有し、且つ汚染性が極めて低いフッ素樹
脂成形体を効率よく製造することが可能な、帯電防止性
を有するフッ素樹脂成形体の製造方法である。 【解決手段】イオン交換基に変換できる基を有するフッ
素樹脂単独又は該フッ素樹脂とイオン交換基に変換でき
る基を実質的に有さないフッ素樹脂との混合物より成る
成形体を成形し、該成形体の表層に存在するイオン交換
基に変換できる基をイオン交換基に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性を有す
るフッ素樹脂成形体の新規な製造方法に関する。詳しく
は、イオン交換基を実質的に含有しないフッ素樹脂より
なる基材の表層にフッ素樹脂よりなる帯電防止層を有す
ることにより、フッ素樹脂固有の特性を維持しながら、
良好な帯電防止効果を有し、且つ汚染性が極めて低いフ
ッ素樹脂成形体を効率よく製造することが可能な、帯電
防止性を有するフッ素樹脂成形体の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は耐薬品性、耐熱性、電気的
絶縁特性、耐汚染性に優れており、広い産業分野におい
て使用されている。ところが、フッ素樹脂の表面抵抗は
極めて高いために静電気を帯電し易いという大きな欠点
を有する。
【0003】例えば、半導体製造工程に用いられるフッ
素樹脂製のウエハーキャリアーは、フッ素樹脂の有する
帯電性により、雰囲気中の微粒子を吸着し易く、その結
果、ウエハーキャリアーに吸着した微粒子が、これに保
持されるウエハーを汚染し、該ウエハーを使用して得ら
れる製品の不良率を高くするといった問題を有する。
【0004】また、可燃性液体を移送するパイプにおい
ては、該パイプ内を可燃性液体が通過することによる摩
擦で静電気が発生し、これによる着火の危険性がある。
【0005】従来、フッ素樹脂成形体に帯電防止性を付
与することを目的として、フッ素樹脂に導電性粉末を配
合した樹脂組成物および該組成物より成る成形体が知ら
れている。例えば、特開昭61−37842号公報、特
開昭62−223255号公報、特開平2−25575
1号公報には、テトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂
に炭素粉末と炭素繊維粉末、繊維状導電性酸化チタンと
酸化亜鉛などの導電性粉末を混合した樹脂組成物により
成形体を得る方法が開示されている。
【0006】また、特開平8−59864号公報には、
フッ素樹脂成形体の表層をプラズマ処理することによ
り、C−F結合を切断したC=C結合とすることによ
り、表面を導電性としたフッ素樹脂成形体の製造方法が
開示されている。
【0007】また、フッ素樹脂成形体に親水性を付与す
ることを目的として、特開平1−98641号公報に
は、放射線照射により、イオン交換基を含有する親水性
モノマーをフッ素樹脂の多孔質チューブの表面にグラフ
ト重合させる方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
うち、導電性粉末を混合した樹脂組成物により得られる
成形体は、帯電防止能を付与するために多量の導電性粉
末を混合することが必要であり、そのため、得られるフ
ッ素樹脂成形体より導伝性粉末又はそれに含まれる不純
物が溶出するといった問題を有する。かかる問題は、該
成形体と接触する物質を汚染するという現象を招き、特
に、該フッ素樹脂成形体をウエハーキャリアーに使用し
た場合、該溶出した導電性粉末に起因するパーティクル
等により、該ウエハーキャリアーに保持されるウエハー
が汚染されるという現象を招く。また、流体の移送用パ
イプの用途においては、該流体の汚染という現象を招く
おそれがある。
【0009】また、上記成形体は、全体が該導電性粉末
を含むフッ素樹脂で構成されることにより、フッ素樹脂
の特性である電気的絶縁特性、耐汚染性が損なわれ、か
かる特性が要求される用途において使用が制限される。
【0010】一方、親水性を付与する目的で、親水性モ
ノマーをグラフト反応によって導入する方法の場合、フ
ッ素樹脂は本来このような反応においては分解型の樹脂
に属し、モノマー等を定量的に且つ大量に導入すること
が難しく、表面より数百オングストローム程度の極薄い
厚さでイオン交換基が付与されるに止まる。また、フッ
素樹脂成形体の表面を放射線照射することにより分解し
た樹脂がパーティクル発生の原因となることも懸念され
る。
【0011】その結果、上記製造方法によって得られる
フッ素樹脂成形体は、表面抵抗が十分に低下せず、帯電
防止効果、汚染性等において未だ改良の余地があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題に関し、本発明
者らは鋭意研究をおこなった。その結果、イオン交換基
に変換できる基を有するフッ素樹脂単独又は該フッ素樹
脂とイオン交換基に変換できる基を実質的に有さないフ
ッ素樹脂との混合物により成形体に成形し、該成形体の
表層に存在するイオン交換基に変換できる基をイオン交
換基に変換する事により、フッ素樹脂の元来有する電気
的絶縁特性を維持しながら、良好な帯電防止効果を発揮
するフッ素樹脂成形体を効率よく得ることができること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、イオン交換基に変換でき
る基を有するフッ素樹脂単独又はイオン交換基に変換で
きる基を実質的に有さないフッ素樹脂との混合物より成
る成形体を成形し、該成形体の表層に存在するイオン交
換基に変換できる基をイオン交換基に変換する事を特徴
とする、帯電防止能を有するフッ素樹脂成形体の製造方
法である。
【0014】本発明において、イオン交換基に変換でき
る基を有するフッ素樹脂は、該基を有し、且つイオン交
換基を実質的に有さない公知のフッ素樹脂が特に制限無
く使用される。例えば、テトラフルオロエチレンとイオ
ン交換基に変換できる基を有するモノマーとの共重合体
が好適に使用される。
【0015】この場合、共重合体の成形性、物性の改善
の目的でテトラフルオロエチレンに対して30モル%以
下のヘキサフルオロプロピレン、下記一般式 CF2=CFO(CH2ab2b+1 (但し、aは0又は1であり、bは1〜10の整数であ
る。)で示されるアルキルビニルエーテル類、またはモ
ノクロロトリフルオロエチレン等の含フッ素モノマーを
混合して使用することができる。
【0016】また、イオン交換基に変換できる基を有す
るモノマーとしてはパーフルオロスルホン酸イオン交換
基に変換できる基を有するモノマーとして下記一般式 CF2=CFO〔CF2CF(CF3)O〕oCF2CFRF
SO2X (但し、XはF又はClであり、RFはF又はCF3であ
り、oは1〜3の整数である。)で示されるモノマー
が、又パーフルオロカルボン酸イオン交換基に変換でき
る基を有するモノマーとしては、下記一般式 CF2=CFO〔CF2CF(CF3)O〕p(CF2qY (但し、YはCO2R(但しRは低級アルキル基であ
る。)、CN、COF、COClであり、pは1〜3の
整数であり、qは2〜8の整数である。)又は、 CF2=CFO(CF2rOCF(CF3)Y (但し、YはCO2R(但しRは低級アルキル基であ
る。)、CN、COF、COClあり、rは2〜8の整
数である。)で示されるモノマーが好適に用いられる。
【0017】これらイオン交換基に変換できる基を有す
るモノマーを具体的に例示すれば、 CF2=CFOCF2CF2SO2F、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO
2F、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(C
3)OCF2CF2SO2F、 CF2=CFOCF2CF(CF3)SO2F、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(C
3)SO2F、 CF2=CFO(CF23-8CO2CH3、 CF2=CFOCF2CF2OCF2CF(CF3)CO2
3 が挙げられる。
【0018】更に、これらのモノマーは単独で用いても
良く、また混合して用いても何等差しつかえ無い。
【0019】上記のテトラフルオロエチレンとイオン交
換基に変換できる基を有するモノマーとの共重合は公知
の方法を何等制限なく用いることができる。即ち、溶液
重合法、懸濁重合法、及び乳化重合法のうち共重合性等
の条件を考慮して最適な重合方法を選択すれば良い。
【0020】何れの場合も、イオン交換基に変換できる
基を有するモノマーの分散液又は溶液にテトラフルオロ
エチレンを加圧下に溶解させて共重合がおこなわれる
が、イオン交換基に変換できる基を有するモノマーやテ
トラフルオロエチレンに加えて他のモノマーを用いる場
合、そのモノマーがヘキサフルオロプロピレン等の気体
であればテトラフルオロエチレンに混合して、アルキル
ビニルエーテル等の液体であればイオン交換基に変換で
きる基を有するモノマーへ混合して重合すれば良い。
【0021】乳化重合或いは有機溶媒を使用しない懸濁
重合の場合、分散媒としては水が好適である。一方、溶
液重合或いは有機溶媒を使用する懸濁重合の場合、有機
溶媒が連鎖移動剤として作用し、重合体の分子量を低下
させ、その結果得られた共重合体の物性が劣ることがあ
るため、用いる溶媒はフッ素系の液体が好ましい。
【0022】かかるフッ素系の液体としては、具体的に
は、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、パー
フルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオ
ロオクタン等のパーフルオロアルカン類、パーフルオロ
シクロブタン、パーフルオロシクロヘキサン等のパーフ
ルオロシクロアルカン類、パーフルオロエーテル類、パ
ーフルオロトリブチルアミン等のパーフルオロ3級アミ
ン類、パーフルオロモルホリン類、トリフルオロモノク
ロロエタン等のクロロフルオロエタン類等が好適に用い
られる。
【0023】重合開始剤としては乳化重合の場合過硫酸
アンモニウム等の過硫酸塩が好適に用いられ、また溶液
重合、懸濁重合の場合は公知の有機系ラジカル発生剤が
用いられるが、得られる共重合体の耐熱性を考慮する
と、フッ素系のジアシルパーオキシド類が好適に用いら
れ、具体的には次のものが挙げられる。
【0024】 (CF3CF2CO22、(HCF2CF2CO22、 (ClCF2CF2CO22、(CF3CF2CF2CO2
2、(CF3CF2CF2OCF(CF3)CO22 また、重合時のフルオロオレフィンの圧力はモノマー組
成、重合温度により一概には決定できないが、1〜30
kg/cm2−Gが好ましい。また重合温度は用いる重
合開始剤の分解温度によって異なるため、一概には決定
できないが通常0〜100℃であり、重合開始剤として
フッ素系のジアシルパーオキシドを用いた場合は0〜5
0℃が好ましい。
【0025】前記イオン交換基に変換できる基を実質的
に有さないフッ素樹脂は、該基と共にイオン交換基をも
実質的に有さないフッ素樹脂であれば特に制限されない
が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レンとアルキルビニルエーテルとの共重合体、テトラフ
ルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合
体、ポリモノクロロトリフルオロエチレン、テトラフル
オロエチレンとパーフルオロジメチルジオキソールとの
共重合体、ポリパーフルオロアルケニルビニルエーテル
等が挙げられる。
【0026】上記アルキルビニルエーテルは、パーフル
オロアルキルビニルエーテルまたは一部に水素原子を有
するポリフルオロアルキルビニルエーテルである。具体
的には、一般式、 Rf(CH2lOCF=CF2 (但し、Rfはパーフルオロアルキル基、lは0または
1である。) 該アルキルビニルエーテルは、得られる共重合体中に占
める水素原子の割合が0.2重量%以下、好ましくは、
0.15重量%以下の範囲で使用することが好ましい。
【0027】本発明において、イオン交換基に変換でき
る基を有するフッ素樹脂は単独で、或いはイオン交換基
に変換できる基を実質的に有さないフッ素樹脂と混合し
て成形体に成形される。
【0028】この場合、イオン交換基に変換できる基を
有するフッ素樹脂単独又は該フッ素樹脂とイオン交換基
に変換できる基を実質的に有さないフッ素樹脂との混合
物中のイオン交換基に変換できる基の濃度は、これを成
形後、イオン交換膜に変換したときのイオン交換基の濃
度が0.25〜20モル%、好ましくは、0.25〜1
8モル%を達成可能な濃度となるように、イオン交換基
に変換できる基を有するフッ素樹脂中の該イオン交換基
に変換できる基の濃度及び/又は該フッ素樹脂とイオン
交換基に変換できる基を実質的に有さないフッ素樹脂と
の混合割合を適宜調整することが、得られるフッ素樹脂
成形体に十分な帯電防止効果を付与するために好まし
い。
【0029】上記イオン交換基に変換できる基を有する
フッ素樹脂とイオン交換基を有さないフッ素樹脂との混
合には、公知の混合方法が何等制限無く採用されるが、
例示すると、ヘンシェルミキサー、ニーダブラベンダー
等が挙げられる。
【0030】また、イオン交換基に変換できる基を有す
るフッ素樹脂単独又は該フッ素樹脂とイオン交換基に変
換できる基を実質的に有さないフッ素樹脂との混合物よ
りなる成形体(以下、「前駆成形体」ともいう)は、目
的に応じて任意の形状に行われる。例えば、ウエハーキ
ャリアーのような構造体、チューブ、パイプ等の管状
体、シート、フィルム等の薄物成形体などが挙げられ
る。これら成形体の成形方法は、製造しようとする構造
体によって射出成形、押出成形、トランスファー成形、
圧縮成形、ブロー成形等の公知の方法から適宜選択すれ
ば良い。
【0031】本発明において、前駆成形体の表層に存在
するイオン交換基に変換できる基のイオン交換基への変
換は、通常用いられる公知の方法を特に制限なく採用す
ることができる。例えば、変換される基が陽イオン交換
基の場合、アルカリ条件下での加水分解反応が好まし
い。この加水分解反応は、数〜数十%のNaOH、KO
H、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキシド等の
アルカリを含む水溶液に成形体を浸漬し、数時間〜百数
十時間、室温〜100℃で加熱すれば良い。この加水分
解を促進する為に、メタノール、エタノール、ジメチル
スルホキシド等の有機溶媒を添加することは有効であ
る。
【0032】上記方法によって付与されるイオン交換基
は、前駆成形体に存在するイオン交換基に変換し得る基
の種類によって決定される。
【0033】即ち、イオン交換基に変換し得る基の種類
によって、例えば、パーフルオロ陽イオン交換基、ポリ
フルオロ陰イオン交換基に変換される。上記パーフルオ
ロ陽イオン交換基を更に具体的に示せば、パーフルオロ
スルホン酸基、またはパーフルオロカルボン酸基であり
(以下これらのパーフルオロスルホン酸基、及びパーフ
ルオロカルボン酸基を単に陽イオン交換基と略称す
る。)、また、ポリフルオロ陰イオン交換基としては、
ポリフルオロ4級アンモニウム基(以下単に陰イオン交
換基と略称する。)、が挙げられ、これらのイオン交換
基はパーフルオロ炭素鎖又はパーフルオロエーテル鎖を
介して化学的にフッ素樹脂に結合している。
【0034】これらイオン交換基を更に詳しく説明すれ
ば、パーフルオロスルホン酸基は下記一般式 −CFRFSO3M (但し、RFはF又はCF3であり、Mは水素原子、アル
カリ金属、又はNR'4で示される基(但しR'は水素原
子又は低級アルキル基である。)である。)で示され、
又パーフルオロカルボン酸基は、下記一般式 −CFRFCO2M (但し、RF及びMは前記と同じである。)で示され、
陰イオン交換基は −CFRFCH2+R"3- (但し、RFは前記と同じであり、R"は水素原子又は炭
素数1〜5のアルキル基であり、Qはハロゲン原子であ
る。)で示されるものである。
【0035】これらイオン交換基のうち、陽イオン交換
基に較べ陰イオン交換基は一般には耐薬品性が低いため
陽イオン交換基の方が好適である。また、パーフルオロ
スルホン酸基は、パーフルオロカルボン酸基に対して耐
熱性が良く、結合する対イオンが水素イオンの場合、パ
ーフルオロカルボン酸基に比べて帯電防止能が高いため
好適である。
【0036】上記変換において、前駆成形体表層に形成
される帯電防止層の厚みは、加水分解条件によって調整
される。しかしながら、この加水分解反応の条件は用い
るアルカリの濃度、温度、有機溶媒の種類、量、イオン
交換基に変換できる基の存在量、樹脂の組成等によって
一概には決定できない。
【0037】従って、予め加水分解条件と加水分解によ
って生成する帯電防止層の厚さ方向での濃度を測定して
おけば、本発明の範囲に帯電防止層の厚みを調節するこ
とができる。条件によっては、表面がイオン交換基の濃
度が高く、厚み方向にイオン交換基の濃度が低くなる濃
度勾配が形成されるが、イオン交換基の濃度が0.25
モル%以上の濃度である層の厚みが1μm以上となるよ
うに加水分解を実施することが好ましい。そして、この
帯電防止層の下にはイオン交換基の濃度が0.20モル
%未満、特に0.10モル%以下の層が存在する。もち
ろん、イオン交換された層とされていない成形体部分と
の間には、イオン交換基の濃度が、それらの中間にある
遷移層が存在していても何ら差し支えない。
【0038】加水分解はフッ素樹脂成形体の全表面でお
こなうことが好ましいが、用途によっては片面、または
一部の加水分解をおこなっても良い。
【0039】加水分解後の陽イオン交換基の対イオンは
Naイオン、Kイオン、水素イオンまたはアンモニウム
イオンとなっているが、他の金属イオン、水素イオン、
アンモニウムイオンへの変換は公知の方法がなんら問題
なく採用される。
【0040】本発明において、前駆成形体の表層に形成
される帯電防止層は、前記濃度でイオン交換基を存在さ
せることによって、一般に、表面抵抗率が1013Ω未
満、好ましくは、1010Ω以下、に調整されたフッ素樹
脂成形体となる。
【0041】尚、本発明において、表面抵抗率は、JI
S K−6911に記載の方法に準じて行った。
【0042】上記の本発明の方法によって製造されたフ
ッ素樹脂成形体は、表層を除いて実質的にイオン交換基
を含有しない部分が存在するため、従来のフッ素樹脂と
同等に扱うことができ、成形体内部の全体にわたってイ
オン交換基が存在するフッ素樹脂成形体に見られる下記
の問題をほとんど回避することができる。
【0043】即ち、イオン交換膜のように、全体にイオ
ン交換基を有する樹脂を使用した成形体は、溶剤や薬液
等に浸漬した場合、成形体の膨潤による寸法変化が生じ
たり、イオンや無機物、或いは有機物を吸着、透過する
という現象が生じる。
【0044】そのため、ウエハーキャリアーの用途に使
用した場合、これに接触するウエハーの汚染の問題が生
じる虞がある。例えば、基材にイオン交換基を有するフ
ッ素樹脂として、フッ素系のイオン交換膜やイオン交換
樹脂が知られているが、これらの樹脂はイオンの透過、
吸着を目的としたものであり、通常イオン交換基を十数
モル%程度含有している。そのため、上記ウエハーキャ
リアーのようにフッ素樹脂の特徴である耐汚染性が要求
される分野においては、フッ素系のイオン交換膜やイオ
ン交換樹脂が有する、有機物やイオン等の吸着特性は好
ましくない。また、帯電防止能が要求されるフッ素樹脂
よりなるフィルム、チューブの成形体の用途において
も、イオン、水等の無機物、アルコール等の有機物を透
過、吸着させるという問題を有する。
【0045】本発明においては、以上の点を勘案して、
イオン交換基を有する表層の厚みが1〜500μmで、
かつ、成形体の厚みの80%以下となるように前記イオ
ン交換基への変換を実施することが好ましい。
【0046】具体的には、フッ素樹脂成形体を後記のウ
エハーキャリアー等の用途に使用する場合、上記帯電防
止層のイオン交換基を0.25モル%以上の濃度で含有
する層の厚みの上限は、成形体の厚みに対して80%以
下、好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下
とすることが好ましい。特に、該層の厚みの上限は絶対
的な厚みで500μm以下とすることが更に好ましい。
【0047】また、フッ素樹脂成形体を後記のフィル
ム、シートなどの薄物、チューブ、パイプ等の用途に使
用する場合、フッ素樹脂の有する絶縁性、イオンの不透
過性、耐薬品性等の特性を十分発揮するため、基材の厚
みを10μm以上確保するように該層の厚みの上限を制
御することが好ましい。
【0048】本発明において、帯電防止層は成形体の全
表面に存在させるのが一般的であるが、用途によっては
成形体表面の一部に存在させても良い。
【0049】例えば、フィルム、シート等々の薄物の片
面、チューブ、パイプ状物の内面または外面に帯電防止
層を有し、他の面には帯電防止層を有さない構造となっ
ていても良い。例えば、フッ素樹脂成形体の片面で静電
気が問題とされ、他面では静電気が問題とされないとい
った用途に対しては充分使用することができる。
【0050】本発明の帯電防止層の厚み、イオン交換基
の存在量及び基材の厚みは赤外吸収スペクトル(以下I
Rスペクトルと略称する。)を測定することによって知
ることができる。即ち、本発明のフッ素樹脂成形体の表
面から垂直に数十〜数百μmの厚みでフィルムを切り出
し、IRスペクトルを表面より、数μmの間隔で透過、
又は反射スペクトルを測定することにより、或いは本発
明のフッ素樹脂成形体の表面から数〜数十μmで削りそ
の切削面の反射スペクトルを測定するすることにより、
イオン交換基が存在する場合はその基に由来する特性吸
収、例えば1060cm-1付近、1680cm-1付近、
及び1780cm-1付近にそれぞれパーフルオロスルホ
ン酸塩基(−SO3Na)、パーフルオロカルボン酸塩
基(−CO2Na)、及びパーフルオロカルボン酸基
(−CO2H)が観測され、これらの吸収のある部分が
帯電防止層の厚みとして、また吸収強度からイオン交換
基の存在量が決定できる。
【0051】一方、イオン交換基が存在しない場合はこ
れらの特性吸収は観測されずにポリテトラフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレンとアルキルビニルエーテ
ルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロピレンとの共重合体、ポリモノクロロトリフル
オロエチレンに由来する吸収が1200〜1300cm
-1に、イオン交換基に変換可能な基に由来する吸収とし
て1420cm-1付近、1710cm-1付近、1780
cm-1付近、及び2100cm-1付近にそれぞれパーフ
ルオロスルホン酸フルオライド基(−SO2F)、パー
フルオロカルボン酸クロライド基(−CO2Cl)、パ
ーフルオロカルボン酸エステル基(−CO2CH3)、及
びパーフルオロシアノ基(−CN)が観測され、その吸
収のある部分をそれぞれの層の厚みとすることができ
る。
【0052】但し、本発明においては、上記表層部以外
のフッ素樹脂成形体におけるイオン交換基が完全に存在
しない態様に限定されるものではなく、フッ素樹脂中に
不可避的に存在するイオン交換基は、許容するものであ
る。かかる許容量は、用途によって要求される寸法安定
性や吸着、透過性が異なるため、一概に限定することは
できないが、一般には、イオン交換基を含む単量体に換
算して0.2モル%未満、特に、0.1モル%以下が好
適である。
【0053】尚、本明細書において、フッ素樹脂中に含
まれるイオン交換基の量は、イオン交換基の全モノマー
の単量体単位に対する組成で表す。
【0054】かかる帯電防止層をイオン交換基を実質的
に含有しないフッ素樹脂よりなる基材の表面に存在さ
せ、表面抵抗率を下げることにより、従来の導電性物質
を添加して帯電防止性を付与する手段に対して、その表
面からのパーティクルの発生が極めて少なく、ウエハー
キャリアー等のこれに接触する物品に対する汚染性が問
題とされる用途において有用である。また、基材となる
フッ素樹脂に多量の添加物を含有しないため、フッ素樹
脂成形体の強度も十分あり、上記ウエハーキャリアー等
の物理的負荷のかかる用途に対して最適である。また、
全体にイオン交換基を有するイオン交換樹脂に比べて、
不純物イオンが内部まで浸透しないため、不純物イオン
の吸着量が少なく、得られるフッ素樹脂成形体に接触す
る物品に対する不純物イオンの汚染性が極めて少ない。
【0055】本発明の方法によって得られるフッ素樹脂
成形体について、後述する方法で測定される薬液吸着量
は、50ppb/cm2以下、特に10ppb/cm2
下である。
【0056】このことからも、本発明の方法によって得
られたフッ素樹脂成形体が前記ウエハーキャリアーのよ
うに汚染性が問題とされる用途に最適であることが理解
される。
【0057】本発明において、得られるフッ素樹脂成形
体の帯電防止効果は、電圧減衰率によって確認すること
ができ、一般に、10kVの電圧を1分間かけ、その後
1秒後の電圧減衰率が70%以上、好ましくは、90%
以上のものが好適である。
【0058】
【発明の効果】以上の説明により理解されるように、本
発明の方法によれば、フッ素樹脂成形体の表面のみに極
めて確実にイオン交換基を有する層を付与することがで
き、該フッ素樹脂成形体の元来有する電気絶縁性を維持
しながら、確実に帯電防止性を付与することができる。
【0059】即ち、通常のフッ素樹脂は1016Ω以上の
表面抵抗を有し、1時間後の電圧減衰率は数%であるの
に対し、本発明の方法によれば、フッ素樹脂成形体の表
面抵抗は1013Ω未満であり、また電圧減衰率は数秒以
内にほぼ100%となり、実質的にほとんど帯電しない
フッ素樹脂成形体を得ることが可能である。
【0060】従って、本発明によって製造される帯電防
止層を有したフッ素樹脂成形体は、現状のフッ素樹脂と
異なり静電気の発生がほとんど無く、また、静電気が発
生した場合の失散も速い。また、本発明によって製造さ
れるフッ素樹脂成形体は、基材に実質的にイオン交換基
を有していないので、薬液に浸漬した場合、イオンや無
機物又は有機物の吸着、透過が無いため、薬液からの汚
染が無く、また、このフッ素樹脂成形体を他の薬液や水
に移動した時にこれらの薬液や水を必要以上に汚染する
ことも無く、更には成形体の寸法変化も無いなど、フッ
素樹脂が本来有している優れた物性を保持することがで
きる。
【0061】以上のことより、本発明の方法によって得
られたフッ素樹脂成形体は、半導体製造工業、食品工
業、化学工業、或いは一般の理化学分野等での静電気の
発生を嫌う分野において好適に用いることができる。
【0062】具体的には、静電気による埃等の付着が無
いため、半導体製造時の周辺部品として、薬液移送チュ
ーブ、継ぎ手、バルブ、チェッキ弁、ストレーナー、薬
液容器、真空ピンセット、真空ピンセット用チップ、パ
ッキン、Oリング、ガスケット、シート、ライニング
材、コーティング材、ピンセット、トング、ディッパ
ー、ホールダー、ストレーナー、フラッシャー、ファン
ネル、メスシリンダー、バスケット、攪拌棒、ビーカ
ー、ワイプクリーナー、タンク、ボルト、ナット、ボト
ル、スノコ、トレー、プレートヒーター等に好適に用い
ることができる。
【0063】また、ウエハーキャリアー等の治具として
ウエハーキャリアー、ウエハーキャリアー用ハンドル、
ウエハーキャリアー用ボックス、リテーナー、プロセス
トレー、ウエハー用プロテクター、ウエハーボード、L
CDバスケット、LCDキャリアー、ウエハートレー、
ウエハートレー用カバー、ウエハートレー用スプリン
グ、ウエハーパック、ウエハーシッパー、マスクキャリ
アー、マスクキャリアー用ボックス、マスクキャリアー
用ハンドル、マスクパック、マスクケース、デバイスキ
ャリアー、デバイスキャリアー用ハンドル、サイドレー
ル、チップトレー、チップトレー用カバー、チップトレ
ー用ケース、チップ移し替えトレー、チップ洗浄用キャ
リアー、チップ洗浄器、チップトレー用ボックス等に好
適に用いることができる。特に本発明のフッ素樹脂成形
体より成るウエハーキャリアーは、帯電防止性に優れる
ため、静電気による使用雰囲気中の微粒子のウエハーへ
の付着が十分効果的に抑えられるばかりでなく、パーテ
ィクルの発生、不純イオンによる汚染等の問題もなく、
その結果、ウエハーの不良率を低く抑えることができる
といった効果をもたらす。
【0064】また、本発明のチューブ(パイプを含む)
を用いて可燃性液体を移送した場合、帯電防止の効果に
よって静電気の発生、蓄積が防止され、従って着火の危
険性を防止することができるばかりでなく、パーティク
ルの発生、移送液体による膨潤、さらには移送液体の透
過の問題もなく、極めて有用である。
【0065】更に、食品製造分野においては本発明の成
形体を用いることにより、衛生上問題となる埃の付着を
防ぐことができることから、食品製造において使用され
る機器類の表面コーティング、例えば混合器の容器及び
攪拌翼、またチューブ、トレイ、ベルト等に好適に使用
できる。
【0066】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するために実施例
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0067】尚、フッ素樹脂成形体の表面抵抗率、電圧
減衰率、及び薬液吸着量は次のようにして求めた。
【0068】(1)表面抵抗率 JIS K−6911に準じて測定し、次の式によって
表面抵抗率を算出した。
【0069】
【数1】
【0070】ここで、 ρS:表面抵抗率(Ω) d :表面電極の内円の外径(cm) D :表面の環状電極の内径(cm) RS:表面抵抗(Ω) 電圧 500V 測定時間 30秒 3回平均 (2)電圧減衰率 スタティック−ホネストメーター S−5109(宍戸
商会製)を用いて、電圧10kVを1分間かけ、電圧を
切ってからの電圧を測定した。
【0071】樹脂サイズ:40×40×0.25mm 減衰率=(初期電圧−t時間後の電圧)/初期電圧(単
位:%) (3)薬液吸着量 20分間の超純水リンスをおこなった試験片を洗浄済み
1lの石英容器にいれ、電子工業用硫酸500mlを加
え、室温で10分間保持して硫酸を該試験片に吸着させ
た。
【0072】次いで、試験片を取り出し、超純水で20
分間リンスした後、超純水500mlを入れ、80℃で
加熱した。2時間経過後、超純水をサンプリングし、イ
オンクロマトで分析し、該超純水に含まれる硫酸の量を
試験片表面積1cm2当たりで算出し、薬液の吸着量と
した。
【0073】参考例1 攪拌機を有したステンレス製の500ml反応器に予め
蒸留により精製した1,1,2-トリクロロトリフルオロエタ
ン320gを入れた後、内部を脱気し、その後、窒素ガ
スで大気圧とした。反応器内にメタノール0.039g
及び、33.5gのCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fを入
れた後、攪拌モーターの回転数を800回転とし、テト
ラフルオロエチレンを導入し圧力を4kg/cm2−G
にした。
【0074】次いで、反応器内を25℃に保ちつつ、ビ
ス(ヘプタフルオロブチリル)ペルオキシドの1,1,2-ト
リクロロトリフルオロエタン溶液(5重量%)1.77
gを導入して重合を開始した。重合中、重合温度は25
℃に保った。反応開始120分後、反応器内の圧力を放
出し、反応器を冷却トラップを介し、真空ポンプに接続
し攪拌しつつ減圧にし、溶媒、未反応モノマー等の低沸
点成分をトラップ内に回収した。留出後、反応器を解体
し、共重合体を取り出し、150℃で12時間真空乾燥
したところ24gの共重合体が得られた。
【0075】核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクト
ルの測定結果より、上記共重合体中に、テトラフルオロ
エチレンに基づく単量体単位が95.7モル%、CF2=CF
OCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fに基づく単量体単位が4.3モ
ル%共重合したものであることが確認された。また、こ
の共重合体の372℃での比溶融粘度は、4.6×10
6ポアズであった。
【0076】実施例1 参考例1で得られた共重合体を厚さ0.25mmのフィ
ルムに溶融成形し、次いで、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt
%の溶液に浸漬し、100℃で24時間加水分解を行っ
て帯電防止層を形成した。このフィルムのイオン交換基
の存在量を調べたところ表面では約4.3モル%、表面
から10μmのところでは約0.28モル%であり、表
面から20μm、及び中心付近では0.08モル%、
0.02モル%であった。従って、帯電防止層における
イオン交換基の濃度が0.25モル%以上である層の厚
みは10μmである。
【0077】次に、このフィルムの表面抵抗率を測定し
たところ5.4×108Ωであり、電圧減衰率を測定し
たところ1秒で100%減衰した。また、このフィルム
の薬液吸着を測定したところ1.0ppb/cm2であ
った。このフィルムをイオン交換水中に一夜浸漬したと
ころ膨潤による伸びは観測されなかった。
【0078】また、上記の方法によって得られた0.2
5mmのフィルムについて、パーティクルの発生テスト
を実施した。即ち、先ず、該フィルムを5cm×10c
mのサンプルに切り出し、クラス1000のクリーンル
ーム内で超純水で10分間リンスした。その後、容器に
電子工業用イソプロピルアルコールを入れ、5分間振と
う後放置した。1日後電子工業用イソプロピルアルコー
ルを入れ替え、5分間振とう後放置した。同様な入れ替
え操作を繰り返し1日後、7日後、14日後のイソプロ
ピルアルコールに含まれる0.3〜2μmのパーティク
ル数をパーティクルカウンター(リオン社製、KL−2
2)を用いて測定したところ。1日後で750個/m
l、7日後で90個/ml、14日後で45個/mlの
パーティクルが観測された。
【0079】なお、この実験でもちいた電子工業用イソ
プロピルアルコールに含まれるパーティクルは20〜4
0個/mlであった。
【0080】上記フィルムに対して、比較のため、テト
ラフルオロエチレンとアルキルビニルエーテルとの共重
合体90重量%に対し、導電性カーボン5重量%、炭素
繊維粉末5重量%を350℃に加熱されたニーダブラベ
ンダーで20分混合し、ついで350℃で溶融し、加圧
下冷却することによって0.25mm厚のシートを成形
した。
【0081】上記シートから切りだした5cm×10c
mのサンプル5枚について、パーティクルの発生テスト
をおこなった。1日後で1250個/ml、7日後で1
140個/ml、14日後で960個/mlのパーティ
クルが観測された。
【0082】実施例2〜4 参考例1の共重合体の製造方法に準じて、イオン交換基
に変換できる基の含有率を変えて4種類の共重合体を
得、実施例1と同様にして厚さ0.25mmのフィルム
に溶融成形した。次いで、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%
の溶液に浸漬し、100℃で24時間加水分解を行って
帯電防止層を形成した。
【0083】加水分解後のフィルムの、帯電防止層にお
ける表面のイオン交換基濃度、イオン交換基の濃度が
0.25モル%以上の層の厚み、表面抵抗率及び、1秒
後の電圧減衰率、薬液吸着量、及び純水での膨潤による
伸びを測定した結果を表1に示した。
【0084】
【表1】
【0085】実施例5〜7 参考例1の共重合体の製造方法において、イオン交換基
に変換できる基を有するモノマーとして表2に示すもの
を使用した以外は参考例1と同様にして共重合体を得
た。
【0086】次に、実施例1と同様に厚さ0.25mm
のフィルムに溶融成形し、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%
の溶液に浸漬し、100℃で24時間加水分解をおこな
った。
【0087】また、帯電防止層表面におけるイオン交換
基の含有量、イオン交換基の濃度が0.25モル%以上
の層の厚み、表面抵抗率、1秒後の電圧減衰率、薬液吸
着量、及び純水での膨潤による伸びを測定した結果を表
2に示した。
【0088】
【表2】
【0089】実施例8 参考例1で得られた共重合体を厚さ0.25mmのフィ
ルムに溶融成形し、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%の溶液
に浸漬し、100℃で120時間加水分解をおこなっ
た。得られたフィルムの帯電防止層におけるイオン交換
基の濃度が0.25モル%以上の層の厚みは40μmで
あった。
【0090】上記フィルムの表面抵抗率を測定したとこ
ろ1.6×108Ωであり、電圧減衰率を測定したとこ
ろ1秒で100%減衰した。また、このフィルムの薬液
吸着を測定したところ1.1ppb/cm2であった。
このフィルムをイオン交換水中に一夜浸漬したところ膨
潤による伸びは0.1%であった。
【0091】実施例9 参考例1で得られた共重合体を厚さ0.25mmのフィ
ルムに溶融成形し、KOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%の溶液
に浸漬し、100℃で24時間加水分解をおこなった。
得られたフィルムの帯電防止層におけるイオン交換基の
濃度が0.25モル%以上の層の厚みは10μmであっ
た。表面抵抗率を測定したところ4.4×108Ωであ
った。さらに、電圧減衰率を測定したところ1秒で10
0%減衰した。
【0092】実施例10 参考例1で得られた共重合体を厚さ0.25mmのフィ
ルムに溶融成形し、次いで、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt
%の溶液に浸漬し、100℃で24時間加水分解をおこ
なった。これを1規定の塩酸溶液に浸漬し30℃で24
時間攪拌した。得られたフィルムの帯電防止層における
イオン交換基の濃度が0.25モル%以上の層の厚みは
10μmであった。上記フィルムの表面抵抗率を測定し
たところ1.1×109Ωであった。さらに、1秒後の
電圧減衰率を測定したところ1秒で100%減衰した。
【0093】実施例11 実施例10で得られたフィルムをアンモニア水に浸漬し
24時間攪拌した。得られたフィルムの表面抵抗率を測
定したところ3.1×109Ωであった。さらに、1秒
後の電圧減衰率を測定したところ1秒で100%減衰し
た。
【0094】実施例12〜14 ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと称す
る。)、またはテトラフルオロエチレンとアルキルビニ
ルエーテルとの共重合体(以下PFAと称する。)、ま
たはテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレ
ンとの共重合体(以下FEPと称する。)と実施例4で
得られた共重合体とを粉の状態で混合し、厚さ0.25
mmのフィルムに溶融成形し、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60
wt%の溶液に浸漬し、100℃で24時間加水分解をお
こなった。
【0095】基材とイオン交換基に変換できる基を有す
るフッ素樹脂の混合割合、得られたフィルムの帯電防止
層における表面のイオン交換基の含有量、イオン交換基
の濃度が0.25モル%以上の層の厚み、表面抵抗率、
1秒後の電圧減衰率、薬液吸着量、及び純水での膨潤に
よる伸びを測定し、その結果を表3に示した。
【0096】
【表3】
【0097】実施例15 参考例1で得られた共重合体を厚さ1mmのフィルムに
溶融成形し、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%の溶液に浸漬
し、100℃で150時間加水分解をおこなった。
【0098】得られたフィルムのイオン交換基の濃度は
表面付近、表面から約100μm、280μm及び33
0μmでの濃度は平均4.3モル%、3.7モル%、
3.5モル%、0.1モル%であり、中心付近ではイオ
ン交換基は検出されなかった。これより帯電防止層の厚
みは約300μmであるといえる。表面抵抗率を測定し
たところ1.4×108Ωであった。さらに、電圧減衰
率を測定したところ1秒で100%減衰した。
【0099】実施例16 実施例6で得られたフィルムを1規定の塩酸に浸漬し、
30℃で24時間攪拌してイオン交換基を酸型とした。
このフィルムの表面抵抗率を測定したところ2.1×1
12Ωであった。また1秒後の電圧減衰率は76%であ
った。
【0100】参考例2 参考例1の製造方法に準じてCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2
SO2F 4.8モル%とテトラフルオロエチレン 95.
2モル%との共重合体を製造した。
【0101】実施例17 参考例2で得られた共重合体から、射出成形法によって
6インチ用ウエハーキャリアー(25枚容量:図1に略
図を示した。)を成形した。このウエハーキャリアー
を、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%の溶液に浸漬し、10
0℃で24時間加水分解をおこなった。
【0102】得られたウエハーキャリアーの一部を切り
出し、帯電防止層におけるイオン交換基の濃度が0.2
5モル%以上の層の厚みを測定した結果、15μmであ
った。
【0103】このウエハーキャリアーにウエハーをセッ
トした後、クラス1000クリーンルーム内に24時間
放置した。この間、ウエハーキャリアーの最端部に保持
されたウエハー全面に付着した0.3μm以上のパーテ
ィクルは5個であった。
【0104】次に、このウエハーキャリアーの表面抵抗
率を測定したところ1.8×108Ωであった。またウ
エハーキャリアーの一部を切り出して電圧減衰率を測定
したところ1秒で100%であった。
【0105】比較例1 市販PFAをもちいた他は実施例16と同様にしてウエ
ハーキャリアーを成形し、ウエハーをセットした後、ク
ラス1000クリーンルーム内で24時間放置したとこ
ろ、ウエハーキャリアーの最端部に保持されたウエハー
に付着した0.3μm以上のパーティクルは約300個
であった。
【0106】次に、このウエハーキャリアーの表面抵抗
率を測定したところ>1×1014Ωであった。またウエ
ハーキャリアーの一部を切り出して電圧減衰率を測定し
たところ5分後で0.8%、30分後で6%であった。
【0107】実施例18 PFAと実施例4で得られた共重合体3:2(重量比)
の混合物から、射出成形法によって6インチ用ウエハー
キャリアー(25枚容量:図1に略図を示した。)を成
形した。このウエハーキャリアーを、NaOH/DMSO/H2O=15
/25/60wt%の溶液に浸漬し、100℃で24時間加水分
解をおこなった。
【0108】得られたウエハーキャリアーの一部を切り
出し、帯電防止層におけるイオン交換基の濃度が0.2
5モル%以上の層の厚みを測定した結果、14μmであ
った。
【0109】このウエハーキャリアーにウエハーをセッ
トした後、クラス1000クリーンルーム内に24時間
放置した。この間、ウエハーキャリアーの最端部に保持
されたウエハー全面に付着した0.3μm以上のパーテ
ィクルは5個であった。
【0110】次に、このウエハーキャリアーの表面抵抗
率を測定したところ1.9×108Ωであった。またウ
エハーキャリアーの一部を切り出して電圧減衰率を測定
したところ1秒で100%であった。
【0111】実施例19 参考例2で得られた共重合体を用い、押出成形法によっ
て外形8mm、内径6mmのチューブを成形した。この
チューブを、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%の溶液に浸漬
し、100℃で24時間加水分解をおこなった。表面抵
抗率を測定したところ4.1×108Ωであり、電圧減
衰率は1秒で100%であった。また、このチューブの
イオン交換基の濃度は表面付近、表面から約50μm及
び70μmでの濃度は平均4.7モル%、3.8モル
%、0.1モル%であり、これより帯電防止層の厚みは
約65μmであるといえる。
【0112】実施例20 PFAと実施例4で得られた共重合体3:2(重量比)
の混合物から、押出成形法によって外形8mm、内径6
mmのチューブを成形した。このチューブを、NaOH/DMS
O/H2O=15/25/60wt%の溶液に浸漬し、100℃で24時
間加水分解をおこなった。表面抵抗率を測定したところ
4.5×108Ωであり、電圧減衰率は1秒で100%
であった。また、このチューブのイオン交換基の濃度は
表面付近、表面から約50μm及び70μmでの濃度は
平均4.5モル%、3.7モル%、0.1モル%であ
り、これより帯電防止層の厚みは約65μmであるとい
える。
【0113】比較例2 参考例2で得られた共重合体を用い、押出成形法によっ
ての外形8mm、内径6mmのチューブを成形した。こ
のチューブを、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%の溶液に浸
漬し、100℃で7日間加水分解をおこなった。該チュ
ーブを切り開いて、表面抵抗率を測定したところ4.0
×108Ωであり、電圧減衰率は1秒で100%であっ
た。またほぼ中心部のイオン交換基の含有率は3.2モ
ル%であり全層にわたってイオン交換基への変換が行わ
れていた。また、このチューブを純水中に一夜浸漬した
ところ、長さ方向、直径方向の膨潤による伸びは、各々
4.8%、5.3%であり、また薬液透過量は7×10
-9g・cm/cm2・sであった。
【0114】実施例21 参考例1において、共重合成分としてCF2=CFOCF2CF2CF2
CO2CH3とテトラフルオロエチレンとを使用した以外は同
様にして共重合体を得た。この共重合体はCF2=CFOCF2CF
2CF2CO2CH3に由来する単量体単位を4.2モル%含んで
いた。この共重合体を溶融成形によって厚さ0.35m
mのフィルムとした。このフィルムを五塩化リン/オキ
シ塩化リン中で120℃24時間加熱した。次に、この
膜を洗浄、乾燥した後乾燥エーテル中で、ジメチルアミ
ンとの反応をおこなった。次いでこの膜を乾燥ジクライ
ム中、水素化ホウ素ナトリウムで100℃18時間反応
をおこない還元した後、メタノール溶液中でヨウ化メチ
ルとの反応を60℃で16時間をおこない、陰イオン交
換基へ変換した。IR分析の結果、表面付近、表面から
75μm、120μmのイオン交換基の濃度は3.8モ
ル%、0.26モル%、0モル%であり、帯電防止層は
75μmであった。また得られたフィルムの表面抵抗率
を測定したところ4.5×108Ωであり、1秒後の電
圧減衰率は100%であった。
【0115】実施例22 参考例1で得られた共重合体を厚さ0.25mmのフィ
ルムに溶融成形し、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%の溶液
に浸漬し、100℃で72時間加水分解をおこなった。
IRスペクトル測定の結果、フィルム表面、及び表面か
ら50μm、60μm、70μmでのイオン交換基存在
量は3.8モル%、3.7モル%、0.25モル%、
0.01モル%であり、中心付近ではイオン交換基は検
出されなかった。従ってこのフィルムの帯電防止層の厚
みは60μmといえる。このフィルムの表面抵抗率を測
定したところ5.2×108Ωであり、電圧減衰率を測
定したとこ約1秒で100%減衰した。また薬液吸着は
0.9ppb/cm2であり、イオン交換水中に一夜浸
漬したところ膨潤による伸びは0.1%であった。
【0116】比較例3 参考例1で得られた共重合体を厚さ0.25mmのフィ
ルムに溶融成形し、NaOH/DMSO/H2O=15/25/60wt%の溶液
に浸漬し、100℃で168時間加水分解をおこなっ
た。IRスペクトル測定の結果、フィルム表面、表面か
ら50μm、中心付近でのイオン交換基存在量は4.3
モル%、1.0モル%、0.8モル%であり全層にわた
ってイオン交換基に変換されていた。表面抵抗率を測定
したところ3.8×108Ωであり、電圧減衰率を測定
したところ1秒で100%減衰した。また薬液吸着は6
5ppb/cm2であり、イオン交換水中に一夜浸漬し
たところ膨潤によって約4.5%伸びていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフッ素樹脂成形体によって構成され
るウエハーキャリアーの代表的な構造を示す斜視図
【符号の説明】
1 ウエハーキャリアー本体 2 ウエハー保持用の溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 27/12 C08L 27/12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換基に変換できる基を有するフ
    ッ素樹脂単独又は該フッ素樹脂とイオン交換基に変換で
    きる基を実質的に有さないフッ素樹脂との混合物より成
    る成形体を成形し、該成形体の表層に存在するイオン交
    換基に変換できる基をイオン交換基に変換する事を特徴
    とする、帯電防止能を有するフッ素樹脂成形体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 表層におけるイオン交換基の濃度が0.
    25〜20モル%となる様に調製する、請求項1記載の
    フッ素樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 表層の厚みが1〜500μmで、かつ、
    成形体の厚みの80%以下である、請求項1又は2記載
    のフッ素樹脂成形体の製造方法。
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