JPH10195208A - ゴム補強用繊維及びそれを用いたゴム成型体の製造方法 - Google Patents

ゴム補強用繊維及びそれを用いたゴム成型体の製造方法

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JPH10195208A
JPH10195208A JP58397A JP58397A JPH10195208A JP H10195208 A JPH10195208 A JP H10195208A JP 58397 A JP58397 A JP 58397A JP 58397 A JP58397 A JP 58397A JP H10195208 A JPH10195208 A JP H10195208A
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fiber
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fibers
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一郎 花森
Hisashi Nakahara
寿 中原
Eiichi Sasagawa
栄一 笹川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックス・ゴムの基本性能を損なうこと
なく優れた分散性及び補強性を奏するゴム補強用繊維及
び該繊維を用いたゴム成型体の製造方法を提供する。 【解決手段】 液状ゴムが付着したゴム補強用繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マトリックス・ゴムの
補強に用いられる繊維及び該補強用繊維を用いたゴム成
型体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強度、摩耗性等の物性を向上させるため
に補強繊維を配合したゴム(繊維補強ゴム)が各種ゴム
用途分野で使用されている。補強効果が十分発揮される
ためには、繊維/ゴム間の良好な接着力を確保しなが
ら、繊維がマトリックス・ゴム中に均一に分散されるこ
とが重要である。補強繊維とマトリックスの接着性が低
いと補強効果が十分発揮されず、また繊維分散に不均一
化が生じると、製品各部位における性能に大きな差異が
生じて製品の品質が不十分となるのみでなく、補強効果
も十分得られない。通常の短繊維は、繊維同志が絡みや
すくかつ繊維間の滑りが悪いために均一分散性が低く、
繊維をゴム中に均一に分散させるためには長時間混練す
ることが必要であり、また長時間混練しても分散性がや
はり不十分になりやすかった。
【0003】以上のことから、繊維分散性を高めるため
に様々な検討が加えられている。たとえば低融点の熱可
塑性樹脂を用いて単繊維を集束したものをゴム中に添加
混練する方法が提案されている。この方法によれば、ま
ず集束糸がゴム中に分散し、次いでゴム混練工程で生じ
る熱により熱可塑性樹脂が溶融して繊維が分繊するた
め、繊維の均一分散性という点では優れた効果が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この化
学的接着処理には比較的大なる費用を要し、また、繊維
およびマトリックスによっては充分な接着力が得られな
いケースがあり、さらには、ゴム中に熱可塑性樹脂が残
存するためにゴム本来の性能が損なわれる可能性があっ
た。本発明の目的は、以上のことを鑑み、均一分散性お
よび補強性に優れ、かつゴム本来の性質を損なわない優
れたゴム補強用繊維を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、液状ゴムが付
着したゴム補強用繊維、および液状ゴムが付着したゴム
補強用繊維とマトリックス・ゴムからなる混合物を加熱
して加硫するゴム成型体の製造方法に関する。
【0006】繊維表面にゴムとの相溶性に優れた液状ゴ
ムを付着させることにより、繊維/ゴム間の濡れ性が向
上すると同時にマトリックス・ゴムの溶融粘度が低下す
るため、繊維の均一分散性を顕著に高めることができ
る。さらに、通常の熱可塑性樹脂がマトリックス・ゴム
に存在するとゴム本来の性能が損なわれる可能性がある
が、本発明においては、液状ゴムがゴム加硫段階でマト
リックス・ゴムと共加硫するためゴム成型物の物性は損
なわれず、さらにマトリックス・ゴムと補強繊維の接着
性が高まり優れた効果が得られる。
【0007】本発明でいう液状ゴムとは、常温で液体の
ゴムをいい、繊維分散性及び取扱性の点では融点50℃
以下のものが好ましい。具体的には液状化天然ゴム(分
子量約100万程度以上の通常の天然ゴムを熱分解処理
して分子量を数万程度としたもの)、液状イソプレン系
合成ゴム、液状ニトリル・ブタジエン・ゴム(NB
R)、液状スチレン・ブタジエン・ゴム(SBR)、液
状ブタジエン・ゴム(BR)などが挙げられ、これらを
併用してもよい。マトリックス・ゴムと分子構造が近似
しているものを使用するのが好ましい。なかでもイソプ
レン系液状ゴムが好ましく、特に分子量1〜7万のもの
が好ましい。対ゴム接着の点では、30モル%をこえな
い範囲でマレイン酸、イタコン酸で変性された液状イソ
プレンゴムが好ましく、液状イソプレンゴムと分子量1
〜5万程度の液状化天然ゴムを併用するのがより好まし
い。
【0008】該液状ゴムの分子量は5000以上10万
以下とするのが好ましい。かかる分子量のものはマトリ
ックス・ゴムの性能が損なわれにくく、また粘度も適度
であるため繊維分散性及び繊維への付着処理工程性の点
で好ましい。また液状ゴムの付着量は、繊維重量に対し
て1重量%以上、特に8重量%以上、さらに10〜30
0重量%、さらには15〜150重量%とするのが好ま
しい。本発明においては、共加硫可能な液状ゴムを使用
しているためマトリックス・ゴムへの影響は極めて小さ
く多量に使用することができる。しかしながら、付着量
をある程度以上大きくしても繊維分散性はそれほど改善
されず、経済的に好ましくない。
【0009】繊維のアスペクト比は繊維分散性、補強効
果の点で30〜1500、特に50〜800であるのが
好ましい。アスペクト比を小さくすれば繊維の分散性は
向上するものの、繊維表面積が小さくなり十分な接着力
の確保ができず補強効果は発揮されにくくなる。本発明
においては液状ゴムを付着させているため、アスペクト
比の大きい繊維を使用しても分散性が低下しにくく優れ
た補強効果が得られる。本発明でいうアスペクト比と
は、繊維長を繊維横断面と同一の面積を有する円の直径
で除した値である。なお、単繊維が液状ゴムで集束され
た集束糸として使用してもよく、該集束糸も本発明に含
まれる。
【0010】本発明で使用される繊維の素材は特に限定
されず、たとえばポリエステル系繊維(ポリアリレ−ト
系繊維を含む)、ポリビニルアルコ−ル系繊維、パラア
ミド系繊維、メタアラミド系繊維等の有機合成繊維、ガ
ラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維等の無機繊維が使用
できる。繊維の太さとしては、0.1〜20デニール、
特に1〜10デニールのものが好ましい。繊維強度は5
g/d以上、特に7g/d以上が好ましく、ヤング率は
100g/d以上、特に150g/d以上が好ましい。
【0011】繊維としては、ゴム成型加工工程の混合ま
たは成型する際(たとえばバンバリ−、ロ−ル混練工
程)に生じる機械的剪断力により繊維が分割、細径化す
るものが好ましく、その平均径が混合前の2/3以下と
なるものがより好ましい。このときの分割後の平均繊維
直径は9μm以下、特に5μm以下、さらに0.03〜
3μmであるのが好ましい。かかる繊維を用いれば、良
好な分散性が得られると同時に優れた補強効果が得られ
る。
【0012】該補強用繊維は、糸全断面が分割・細径化
しても、あるいは、幹を残して、その周辺のみが分割・
細径化しても良く、後者の部分分割・細径化はマトリッ
クス中で繊維の絡み合いが少なくより好ましい。剪断力
が加わった際の分割・細径化は、1×10-5sec-1
上の剪断速度で主に生じることが繊維の均一分散の点で
より好ましく、極めて弱い剪断力で分割すると加工方法
によっては、繊維切断等のゴム製品生産前の準備工程で
も繊維が分割し、その結果、繊維が絡み合い分散に問題
を生じる。ゴム成型物を製造するいずれかの工程で剪断
力を加え、繊維を分割細径化するのが好ましく、具体的
には、バンバリ−ミキサ−、ゴム素練ロール、カレンダ
ーのロール間隙、回転速度比を調整したり、また射出、
押し出し成型工程においてはゴム吐出量、押し出しスク
リューの溝構造、回転速度あるいは金型部へのゲート・
隙間を調節する方法等が挙げられる。
【0013】該繊維の好適な具体例として、セルロ−ス
をアミノキサイド系の溶媒に溶解させた紡糸原液を水中
に乾湿式紡糸してセルロ−スを析出させる方法で得られ
る溶剤紡糸セルロ−ス繊維(英国コ−ト−ルズ社製「テ
ンセル」等)や分割型ポリエステル繊維等が挙げられる
が、特に分子量5000以上10万以下の液状ゴムが8
重量%以上付着した繊維であって、該繊維が少なくとも
ポリビニルアルコール系ポリマー(A)とアクリロニト
リル系ポリマー(B)からなり、かつその繊維断面が海
島状であり、AまたはBのいずれかが島成分、他方が海
成分で、A/Bの重量比が90/10〜20/80であ
る繊維が好ましい。
【0014】かかる繊維は、繊維添加・分散時に分散性
良好なアスペクト比、すなわち比較的低いアスペクト比
の繊維を用いても、その後の加工段階で繊維が分割・細
径化するため優れた補強効果が得られる。またポリビニ
ルアルコール系のポリマーは、それから得られる繊維が
極めて高い強度を有していることより用いられるが、そ
れとともにアクリロニトリル系ポリマーが用いられる。
ポリビニルアルコール系ポリマーとアクリロニトリル系
ポリマーの組み合わせは繊維の分割・細径化や高強度の
点で好ましく、さらにポリビニルアルコール系繊維の製
造方法として湿式紡糸方法で代表される溶剤紡糸方法が
好適に用いられるが、その際の紡糸原液の溶媒としてジ
メチルスルホキシド(DMSO)が用いられる場合に
は、アクリロニトリル系ポリマーもDMSOに可溶性で
あるため、製造の点からもポリビニルアルコール系ポリ
マーとアクリロニトリル系ポリマーの組み合わせが好ま
しい。
【0015】ポリビニルアルコール系ポリマーとして
は、完全ケン化されたものであっても、部分ケン化され
たものであっても、さらに他のモノマーを共重合したも
のでもよい。アクリロニトリル系ポリマーとしては、ア
クリロニトリルを70モル%以上有していればよく、し
たがって例えばメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、メチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エ
ステル類、酢酸ビニルや酪酸ビニルなどのビニルエステ
ル類、塩化ビニルなどのビニル化合物類、アクリル酸、
メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸
類、スルホン酸含有ビニル化合物などのモノマーや、ブ
タジエン、イソプレン等のゴムと共加硫し得るモノマー
等で共重合されていてもよい。原液溶媒に対する溶解性
を向上させるためには、PANホモポリマーよりも、他
のモノマーを0.5〜10モル%、さらに好ましくは2
〜8モル%共重合させたアクリロニトリル系ポリマーが
好ましい。
【0016】該海島繊維の好適な製造方法は、海成分ポ
リマーと島成分ポリマーを共通溶媒に溶解して湿式紡糸
又は乾式紡糸したのち、湿延伸し(乾式紡糸の場合には
用いる必要がない)、さらに乾熱延伸するのが好まし
い。繊維の強度を高め、より優れた分割・細径化を達成
するためには延伸倍率を高めるのが好ましい。
【0017】本発明の液状ゴムの付着方法は特に限定さ
れないが、たとえば、トウ状繊維束、モノフィラメント
やマルチフィラメントを単糸あるいは引き揃えたもの
を、液状ゴムやその有機溶剤希釈液、または液状ゴムを
乳化剤を用いてエマルジョン化したもの等に浸漬後搾液
し、乾燥して溶剤、水等を除去する方法が好適に挙げら
れる。繊維のカットは液状ゴムを付着した後、または付
着させる前に行えばよい。繊維カット方法は特に限定さ
れず、ECカッタ−、ギロチンカッタ−等の公知の方法
が採用できる。また、本発明に加え、液状ゴムを付着さ
せる前の繊維に従来技術のRFL、イソシアネート等の
接着処理を併用することも、本発明の効果を減ずるもの
ではなく、より高い接着力が得られる点で好ましい。
【0018】本発明の補強用繊維とマトリックス・ゴム
の混練方法及び補強用繊維を添加する工程は特に限定さ
れない。たとえばバンバリ−ミキサ−やロ−ル混練工程
でマトリックス・ゴム配合物(ゴム、加硫剤、加硫促進
剤、老化防止剤、カ−ボン等)と共に投入して混練した
り、繊維およびマトリックス・ゴムを予備混練した段階
でゴム配合物を投入する方法が挙げられる。マトリック
ス・ゴムと補強繊維の混練時間は1〜40分間、特に3
〜20分間程度とするのが好ましい。繊維分散性の点で
は後者を採用するのが好ましい。特にバンバリ−ミキサ
−で混練を行う場合、混練に伴う摩擦発熱によりゴム配
合物は100℃以上の高温になって混練中に加硫が進行
するため、マトリックス・ゴムと液状ゴム付着繊維のみ
を混練し、繊維をゴム中に十分分散させたのちに加硫
剤、加硫促進剤等を添加混練するのが好ましい。
【0019】また補強繊維をゴム中に高率に配合したい
わゆるマスタ−バッチを製造し、これをマトリックス・
ゴムに添加混合する方法は、繊維分散性の点ではより好
ましい。マスタ−バッチ中の繊維配合割合は、10〜5
0重量%/マスタ−バッチ全重量、さらに20〜40重
量%/マスタ−バッチ全重量とするのが好ましい。マス
タ−バッチを得るための繊維とゴムとの混練時間は1〜
40分間、特に3〜20分間程度とするのが好ましく、
マスタ−バッチを構成するゴムと、マトリックス・ゴム
は同種または異種のゴムを使用することができる。ゴム
成型体における繊維の配合割合は1〜50重量%/ゴム
成型体全重量、特に3〜20重量%/ゴム成型体全重量
とするのが好ましい。
【0020】マトリックス・ゴムと補強用繊維等を混練
後、公知の押出成型法、カレンダ−成型法、射出成型法
等により成型し、次いで所望により加硫処理(熱プレス
加硫処理等)を行えば繊維補強ゴム成型物が得られる。
加硫処理は80〜250℃、特に120〜200℃で行
うのが好ましく、処理時間は5〜60分間,特に10〜
30分間とするのが好ましい。本発明により得られるゴ
ム成型体の形態は特に限定されず、シ−ト状、筒状等適
宜選択できる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0022】[実施例1]重合度1750、けん化度9
9.9モル%のポリビニルアルコール(以下PVAと略
記する)60重量部とメチルメタクリレート5モル%共
重合したアクリロニトリル系ポリマー(PANと略す)
40重量部をジメチルスルホキシド(DMSO)に添加
し、80℃8時間窒素気流下200rpmの条件下で撹
拌混合溶解して総ポリマー濃度20重量%の混合紡糸原
液を得た。この原液は、肉眼で観察すると不透明であ
り、またこの原液を相構造を観察すると2〜8μmの粒
子径を有する相構造を有しており、熱水処理によりPV
A成分が分散媒成分(海成分)でPAN成分が分散成分
(島成分)となっていることを確認した。
【0023】この原液を、孔数1000ホール、孔径
0.08mmφの紡糸口金を通じ、DMSO/メタノー
ルの重量比が45/55で、温度5℃の凝固浴中に湿式
紡糸して3倍の湿延伸を施し、糸中のDMSOをメタノ
ール抽出した後、80℃で熱風乾燥し、230℃で全延
伸倍率16倍の乾熱延伸を行い、1800d/1000
fのPVA/PANブレンド繊維を得た。この繊維の強
度は8.5g/d、ヤング率は180g/dであった。
この繊維をギロチンカッターを用いて長さ2mmにカッ
ト(アスペクト比140)し、カット糸100重量部に
対して液状イソプレンゴム(分子量5万のイソプレン・
オリゴマ− 株式会社クラレ製 LIR−50)を10
0重量部付着させた。次いで、1リットルのバンバリ−
ミキサ−(ブレ−ド回転速度:一方のブレ−ド52rp
m、他方のブレ−ド44rpm)に天然ゴム(RSS#
3)320gを投入して約1分間混練し、次いで上記液
状イソプレンゴム付着繊維160gを投入して15分間
混練してマスタ−バッチ(MB)を作製した。
【0024】このマスタ−バッチを7.51inφ×2
本ロ−ルの一方が11.5mm/min、他方が13.
0m/min回転速度、ロ−ル間隔0.5mm、ロ−ル
温度50〜55℃で5分間混練し、厚さ約1.0mmの
シ−トとした。該シ−トのゴム内部を目視で観察したと
ころ、良好に繊維が分散していたため繊維の存在自体が
確認できなかった。またその繊維径を確認するため、シ
−トの長手方向に対して直角に裁断し、その断面を走査
型電子顕微鏡で倍率1000倍で観察したところ、繊維
径は0.4〜1.4μm(平均0.8μm)であり、混
練前の繊維径15μmに対して大幅に細径化しており、
その断面積比から剪断力によって約300に分割してい
ることがわかった。
【0025】上記のMB120g、天然ゴム(RSS#
3)100g、SBR(日本合成社製JSR1500)
20gを再度バンバリ−に投入して2分間混練した後、
素練促進剤レナシット7(バイエル製)2g、カ−ボン
ブラックH(三菱化成社製)180g、亜鉛華#3(三
井金属社製)20g、ステアリン酸10g、プロセスオ
イル(スワフレックス#200:丸善石油製)20gを
添加して混練し、さらにイオウ9.6g、加硫促進剤と
して住友化学製ソクシノ−ルCMとソクシノ−ルDMを
各2g、老化防止剤(大内新興化学製アンチゲン3C)
4gを添加し、1分間混練した。得られた混練物を上記
と同一の7.51inφの2本ロ−ルで温度50〜55
℃の条件で5分間混練し、厚さ約1mmのシ−トとした
のち150℃で30分間プレス加硫してゴム成型体を製
造した。
【0026】この加硫シ−トをJIS K6251の1
号ダンベルで打ち抜き、20℃、500mm/minの
引張速度で強度〜歪み曲線を測定したところ、10%歪
み時の応力は5MPaと優れた補強性を確認した。また
この測定をn=20実施し、10%歪み時応力の変動率
を求めたところ、その変動率は5.1%と極めて低率で
あり、繊維がゴム中で均一に分散していることがわか
る。なお本発明でいう変動率は、上記n=20の測定値
の標準偏差を平均値で除した値を百分率で示したもので
ある。
【0027】[比較例1]液状イソプレン・ゴムを付着
させない以外は実施例1と同様に行った。繊維分散は不
良でゴム中に繊維の塊が多数存在し、また加硫シ−トの
10%時応力は3.5MPaと低く、その変動率も2
6.8%とバラツキの大きいものであった。
【0028】[実施例2〜7、比較例2]単繊維の繊度
が2drで強度10.5g/dr,伸度8%のPVA系
繊維(クラレ製造;商品名ビニロン,銘柄T−16)を
長さ3mmにカット(アスペクト比200)し、分子量
5万のイソプレン・オリゴマ−(株式会社クラレ製 L
IR−50)を双腕型ニ−ダ−を用いて表1に示すごと
く0〜300%付着させた。なお付着量が100重量%
以下のものは、液状イソプレンゴムをトリクロルエチレ
ンに溶解したものを用いて付着処理を施して50℃で乾
燥する方法で付与した。次いで得られた補強用繊維20
重量部、未加硫天然ゴム100重量部を配合してバンバ
リ−ミキサ−で5〜30分間混練した以外は実施例1と
同様に行った。結果1を表1に示す。なお、繊維の均一
分散性は、ゴムシ−ト中に繊維塊状物が多数存在するも
のを×、繊維塊状物が少し存在するものを△、繊維塊状
物が実質的に存在せず繊維が均一に分散しているものを
○として評価した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、マトリックス・ゴムの
基本性能を損なうことなく優れた分散性及び補強性を奏
するゴム補強用繊維が得られる。本発明のゴム補強用繊
維はあらゆるゴムの補強に用いることができ、たとえば
各種伝達ベルト、タイヤ、ホース、ガスケット、ダイヤ
グラム、ピストンキャップ、自動車の外装部品等に利用
可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状ゴムが付着したゴム補強用繊維。
  2. 【請求項2】 液状ゴムが付着した繊維であって、ゴム
    成型加工工程における混合または成型する際の機械的剪
    断力により分割・細径化するゴム補強用繊維。
  3. 【請求項3】 液状ゴムが付着した繊維であって、該繊
    維が少なくともポリビニルアルコール系ポリマー(A)
    とアクリロニトリル系ポリマー(B)からなり、かつそ
    の繊維断面が海島状であり、AまたはBのいずれかが島
    成分、他方が海成分で、A/Bの重量比が90/10〜
    20/80であるゴム補強用繊維。
  4. 【請求項4】 液状ゴムが付着したゴム補強用繊維とマ
    トリックス・ゴムからなる混合物を加熱して加硫するゴ
    ム成型体の製造方法。
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