JPH0881593A - ポリプロピレン樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物およびその製造方法

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JPH0881593A
JPH0881593A JP21925694A JP21925694A JPH0881593A JP H0881593 A JPH0881593 A JP H0881593A JP 21925694 A JP21925694 A JP 21925694A JP 21925694 A JP21925694 A JP 21925694A JP H0881593 A JPH0881593 A JP H0881593A
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仁 宇田
Tetsuya Takahashi
哲也 高橋
Terumitsu Kotani
輝充 小谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 延伸性に優れると共に、延伸倍率が小さくと
も、良好な加工性や、高い破断強度を有するマルチフィ
ラメント、または強度を低下することなく高速生産の可
能なマルチフィラメントに適したポリプロピレン樹脂組
成物およびその製造方法。 【構成】 230℃でのMFRが3.0〜60g/10min、
メルトテンションが0.1〜2.0g、スウェル比が1.
1〜2.0であることを特徴とする。 【効果】 延伸性が高いので、高い到達強度を維持しつ
つも、延伸倍率を低く抑えた場合であっても、破断強度
を十分に高めることができる。よって、本発明のポリプ
ロピレン樹脂組成物からなるマルチフィラメントである
と、延伸倍率に拘束されることなく、破断強度の高いも
のとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性、特に延伸性に
優れ、繊維物性の良好なマルチフィラメントに適したポ
リプロピレン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンからなるマルチフィラメ
ントはロープ、ネット、カーペットなどのパイルヤー
ン、不織布の原糸等に広く用いられている。この際、ポ
リプロピレンを溶融紡糸後、延伸を行い配向結晶化させ
ることにより、繊維物性の向上、特に、高弾性率化、高
強度化をできることは広く知られている。ここで、パー
オキサイドと共に混練し、分子量を低下させ、さらに分
子量分布を狭くすること(以下、ビスブレイクと称する
こともある)によって、延伸性を向上させ、高強度化す
ることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなビ
スブレイクを行ったポリプロピレンであると、ビスブレ
イクを行わない同程度のメルトフローレート(JIS
K6758 以後、MFRと略記する)を有するポリプ
ロピレンと比較して、延伸性が良好なために到達強度
(最大延伸倍率での強度)は高くなるものの、同一延伸
倍率での強度は小さくなる傾向がある。また、一般に、
ポリプロピレン樹脂を溶融押出延伸法により延伸できる
倍率は10倍程度であり、それ以上の延伸倍率では、延
伸切れや、白化が生じ易く、高破断強度をもつポリプロ
ピレンからなるマルチフィラメントを得ることは極めて
困難である。そこで、到達強度も重要であるが、延伸倍
率が最大でないときの破断強度を高めることも重要であ
る。
【0004】延伸性と、延伸後の繊維物性は、用いるポ
リプロピレン樹脂組成物の分子量、分子量分布、および
延伸前の未延伸糸の分子配向状態の影響を大きく受け
る。高強度を発現させるためには、一般に、分子量が比
較的大きな、即ち、MFRの小さなポリプロピレンが用
いられる。しかし、分子量が大きくなると、延伸性が低
下してしまうため、マルチフィラメントとして、結局の
ところ強度向上を望めないばかりでなく、紡糸性も低下
し、成形時の紡糸切れの原因となる。他方、ポリプロピ
レン樹脂のMFRを高め、分子量が小さいものとする
と、延伸性は向上するものの、破断強度が小さくなるば
かりでなく、溶融張力が低下し、紡糸性も低下し、成形
時の紡糸切れの原因となる。したがって、延伸性と強度
を共に高めることは事実上、極めて困難なことである。
【0005】また、通常のマルチフィラメントの成形に
おいて、その成形速度とメルトフローレートは比例する
ため、生産速度を高める(現在、1000m/分以上の
生産速度が希求されている。)ためには、メルトフロー
レートの高いポリプロピレン樹脂を使用しなければなら
ない。しかし、メルトフローレートの高いポリプロピレ
ン樹脂からなるマルチフィラメントであっては、その強
度が小さいものである。他方、強度を高めようと、メル
トフローレートの低いポリプロピレン樹脂を使用する
と、生産速度が遅くなってしまい、工業生産上、好まし
くない。よって、強度の高いマルチフィラメントを高速
生産することも極めて困難とされている。
【0006】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、延伸性に優れると共に、延伸倍率が小さくと
も、良好な加工性や、高い破断強度を有するマルチフィ
ラメント、または強度を低下することなく高速生産の可
能なマルチフィラメントに適したポリプロピレン樹脂組
成物およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のポリプロ
ピレン樹脂組成物は、230℃での、メルトフローレー
トが3.0〜60g/10min、メルトテンションが0.1〜
2.0g、スウェル比が1.1〜2.0であることを特徴
とするものである。
【0008】請求項2記載のポリプロピレン樹脂組成物
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比(Mw/Mn)が、3.0〜5.0、Z平均分子
量(Mz)が、35×104以上、230℃でのメルト
フローレートが、3.0〜60g/10minであることを特徴
とするものである。
【0009】請求項3記載のポリプロピレン樹脂組成物
の製造方法は、メルトフローレートが0.5〜4g/10min
のポリプロピレン樹脂をパーオキサイドと共に混練し、
メルトフローレートを2〜60g/10minに上昇させた第
1のポリプロピレン樹脂に、高分子量成分を含む第2の
ポリプロピレン樹脂を添加することを特徴とするもので
ある。
【0010】請求項4記載のポリプロピレン樹脂組成物
の製造方法は、請求項3記載の製造方法において、第2
のポリプロピレン樹脂のメルトフローレートが、0.1
〜2g/10minであることを特徴とするものである。
【0011】請求項5記載のポリプロピレン樹脂組成物
の製造方法は、請求項3記載の製造方法において、第2
のポリプロピレン樹脂が、メルトフローレートが5〜2
0g/10min、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上のものである
ことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明においては、分子量の決定、すなわちM
FRは成形性と物性との兼ね合いにより決定される。本
発明のポリプロピレン樹脂組成物においては、MFR
(230℃)が、3.0〜60g/10minであることが必要
とされる。この値は、6.0〜40g/10minであればより
好ましく、さらに7.5〜20g/10minであればより好ま
しい。MFRが3.0g/10min未満であると、溶融紡糸時
の紡糸切れが多発し、特に延伸性が低下し、高い破断強
度を有するマルチフィラメントが得られない。他方、M
FRが60g/10minを超えると、延伸性は向上するが、
破断強度が低下し、高い破断強度を有するマルチフィラ
メントが得られない。
【0013】未延伸糸の配向は、メルトテンション、ス
ウェル比に大きく影響される。未延伸糸の分子配向が低
い場合、延伸性は高くなるが、同一延伸倍率で比較した
破断強度は低くなる。また、未延伸糸の分子配向が高い
場合、同一延伸倍率で比較した破断強度は高くなるもの
の、延伸性が低下してしまう。よって、高強度のマルチ
フィラメントを得るには、未延伸糸の配向状態、即ちメ
ルトテンション、およびスウェル比が重要である。
【0014】尚、本発明においてメルトテンションと
は、230℃において、直径1.0mm、長さ10mmのキ
ャピラリーにより、0.36cm3の吐出量で押出し、50
m/分の速度で巻き取った時の巻取張力を示す。また、
本発明において、スウェル比とは、230℃において、
直径1.0mm、長さ10mmのキャピラリーにより、マル
チフィラメントの一般的な紡糸時の剪断速度である1.
0×103sec-1で押出した条件でのものとする。
【0015】本発明のポリプロピレン樹脂組成物では、
メルトテンションが0.1〜2.0gであることが必要で
ある。この値は、0.3〜1.8gであればより好まし
く、さらに0.5〜1.5gであればより好ましい。メル
トテンションが0.1g未満であると、溶融紡糸時の紡
糸切れ、ロールへの糸掛時の操作性の悪化、さらに破断
強度の低下、破断伸度の大幅な低下が生じ易くなる。他
方、メルトテンションが2.0gを超えると、紡糸時の
紡糸切れや、延伸性の低下が生じるため、高い破断強度
を有するマルチフィラメントを得ることができない。
【0016】さらに、本発明のポリプロピレン樹脂組成
物においては、スウェル比が1.1〜2.0であることが
必要である。この比は、1.2〜1.8であればより好ま
しく、さらに1.4〜1.6であれば特に好ましい。この
比が、1.1未満であると、延伸性は向上するが、破断
強度の低下が生じるため、高強度のマルチフィラメント
が得られにくい。他方、2.0を超えると、延伸性が著
しく低下し、高い破断強度を有するマルチフィラメント
が得られない。
【0017】請求項2記載の発明でのポリプロピレン樹
脂組成物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
で測定して得られる、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0〜5.0、Z
平均分子量(Mz)が35×104以上、かつMFRが
3.0〜60g/10minとしたものである。比(Mw/M
n)が3.0未満であると、Mzが35×104以上であ
っても、メルトテンションが0.1g未満となり、延伸
性は向上するものの、破断強度が低下するため、高い強
度を有するマルチフィラメントを得ることができない。
また、比(Mw/Mn)が5.0を超えると、Mzが3
5×104以上であっても、スウェル比が2.0以上とな
り、延伸性が低下するため、到達強度が小さくなる。
【0018】Mzは35×104以上が好ましい。Mz
が35×104未満であると、比(Mw/Mn)が3.0
〜5.0の範囲内にあっても、メルトテンションが0.1
未満、またはスウェル比が1.1未満となり、延伸性が
良好であっても、高い破断強度の有するマルチフィラメ
ントが得られない。
【0019】MFRは、3.0〜60g/10minであること
が好ましい。MFRが3.0g/10min未満であると、高速
成形時の延伸性が低下し、破断強度を高めることができ
ない。他方、MFRが60g/10minを超えると、延伸性
は向上するが、破断強度の低下が生じるため、高い到達
強度を有するマルチフィラメントを得ることができな
い。
【0020】上記本発明のポリプロピレン樹脂組成物を
得る手段としては、ポリプロピレンを直接重合すること
により得る方法や、2種類以上の異なるポリプロピレン
樹脂を混合する方法などがあるが、2種類以上の異なる
ポリプロピレン樹脂を混合する方法が容易である。
【0021】2種類以上の異なるポリプロピレン樹脂を
混合する方法としては、次に示す方法がある。まず、任
意のポリプロピレン樹脂をパーオキサイドと共に押出機
で混練し、MFRを上昇させ、分子量分布を狭くさせ、
結晶性を低下させた第1のポリプロピレン樹脂を調製す
る。この時点で、この第1のポリプロピレン樹脂は、メ
ルトテンションとスウェル比の低下を招き、延伸性が向
上する割には強度が向上しないものの、紡糸性と延伸性
の優れたものとなる。次に、この第1のポリプロピレン
樹脂に、高分子量成分を含む第2のポリプロピレン樹脂
を少量混合する。この混合により、分子間の絡み合いが
増加するため、メルトテンション、スウェル比が高くな
り、優れた紡糸性、延伸性を維持し、高強度のマルチフ
ィラメントが成形できるポリプロピレン樹脂組成物が得
られるようになる。
【0022】ここで使用した第1のポリプロピレン樹脂
は、パーオキサイドと共に混練し、MFRを高める前に
あっては、MFRが0.5〜4.0g/10minの単独重合体
であるものが好ましい。また、第1のポリプロピレン樹
脂は、パーオキサイドと混練し、MFRを2〜60g/10
min、好ましくは、5〜50g/10min、より好ましくは2
0〜50g/10min、さらには30〜50g/10minに上昇さ
せたものが好適である。パーオキサイドと混練した後の
MFRが2g/10min未満であると、高分子量成分を含む
第2のポリプロピレン樹脂を混合した後のポリプロピレ
ン樹脂組成物のMFRも2g/10min未満となりがちで、
生産速度が1000m/分以上での延伸性が低下し、も
って高い破断強度を有するマルチフィラメントを得るこ
とが困難である。また、MFRが60g/10minを超える
と、第2のポリプロピレン樹脂の混合後であっても、M
FRが60g/10minを超え易く、生産速度が1000m
/分以上での延伸性は向上するものの、破断強度が低下
してしまう。
【0023】また、ビスブレイクされた第1のポリプロ
ピレン樹脂は、そのゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(以下、GPCと略記する)による比(Mw/M
n)が、2.5〜5.0のものが好ましい。
【0024】尚、重量平均分子量(Mw)は、Ni個の
分子量Miの分子(i=1,2,・・・)からなる多分散
系において、ΣNiMi2/ΣNiMiで求まるもの
で、光散乱法、GPC法などで得られる。同様に、数平
均分子量(Mn)は、ΣNiMi/ΣNiで求まるもの
で、末端基定量法、沸点上昇法、凝固点降下法、浸透圧
法、GPC法などで得られる。また、Z平均分子量(M
z)は、ΣNiMi3/ΣNiMi2で求まるもので、沈
降平衡乱法、GPC法などで得られる。本発明のポリプ
ロピレン樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)は、140℃で
溶離液としてオルト−ジクロロベンゼンを用い、プレカ
ラムとしてShodex H200p(昭和電工(株)製)及び分離
カラムとしてShodex A80MS'(昭和電工(株)製)を用
いて測定した。
【0025】また、ここで使用される高分子量成分を含
む第2のポリプロピレン樹脂とは、Z平均分子量(M
z)が80×104以上のポリプロピレン樹脂とする。
【0026】この第2のポリプロピレン樹脂としては、
次の2種のポリプロピレン樹脂のいずれかを用いること
が望ましい。1つは、プロピレンの単独重合体であり、
MFRが、0.1〜2.0g/10min、より好ましくは0.5
〜1.0g/10minのポリプロピレン樹脂である。この第2
のポリプロピレン樹脂において、MFRが0.1g/10min
未満であると、この第2のポリプロピレン樹脂の分散を
十分に行うことが困難で、ゲル状となり、紡糸時の糸切
れが発生しやすくなるからである。他方、MFRが2.
0g/10minを超えると、混合後のMzが35×104未満
となり、混合前の第1のポリプロピレン樹脂と同程度の
破断強度しか得ることができない。
【0027】また、もう1種の第2のポリプロピレン樹
脂としては、分子量分布が十分に広く、比較的MFRの
高いプロピレンの単独重合体である。すなわち、この第
2のポリプロピレン樹脂の場合は、GPCにより測定さ
れた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比(Mw/Mn)が10以上でかつMFRが5.0〜2
0g/10min、より好ましくは8.0〜15g/10minのもの
である。MFRが5.0g/10min未満の場合は、高分子量
成分を有するポリプロピレン樹脂が十分に分散せず、ゲ
ル状となり、紡糸時の紡糸切れが生じやすい。他方、M
FRが20g/10minを超えると、混合後のMzが35×
104未満となりがちで、混合前の第1のポリプロピレ
ン樹脂と同程度の破断強度しか得られない。
【0028】第2のポリプロピレン樹脂の添加量は、第
1のポリプロピレン樹脂に対して、1.0〜20%(重
量比)であることが好ましく、3〜10%であればより
好ましい。1.0未満であると、混合後のMzが35×
104未満となり、混合前の第1のポリプロピレン樹脂
と同程度の破断強度しか得られない。他方、20%を超
えると、延伸性が低下し、到達強度は結果として、第1
のポリプロピレン樹脂と同程度または小さくなることが
ある。
【0029】上記第1のポリプロピレン樹脂と第2のポ
リプロピレン樹脂の混合方法は特に限定されるものでは
ないが、それぞれの樹脂のペレットを計量後、ヘンシェ
ルミキサー、タンブラーミキサー等で分散させ、直接成
形機の押出機に投入するドライブレンドによるものが好
ましい。樹脂ペレットを混合後、押出機により混練を行
い、再度、ペレット化し、紡糸する方法もあるが、この
方法によると、上記ドライブレンドによる方法と比し
て、延伸性が低下し、その結果、到達強度が低下するこ
とがある。
【0030】本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、
混合の際、各種の添加剤を添加しても良い。混練中の組
成物の劣化を防止するために公知の酸化防止剤、マルチ
フィラメントの品質を向上させるための公知の紫外線劣
化防止剤、帯電防止剤、耐熱剤、耐候剤、難燃剤、滑
剤、顔料等を添加することができる。また、成形性を向
上させるため、滑剤として、ステアリン酸、12−ヒド
ロキシステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸リチ
ウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ステア
リン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナト
リウム等のアルカリ金属の高級脂肪酸塩、ステアリン酸
カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の
高級脂肪酸塩を添加しても良い。
【0031】得られたポリプロピレン樹脂組成物は、押
出機により、マルチフィラメント用ノズルから吐出され
てマルチフィラメントに成形される。押出温度は混合物
が劣化せず、フィラメントの集合体が成形加工できる範
囲でできるだけ高い方が望ましい。ここで使用されるノ
ズルは各吐出されたフィラメントが均一に冷却されるも
のが好ましい。
【0032】冷却された未延伸マルチフィラメントは冷
却ダクトで冷却固化される。ここでの冷却は、単糸フィ
ラメントが互いに融着しない程度であれば良く、冷却ダ
クトの温度は、0〜50℃の範囲が好適である。冷却
後、オイリングローラーにより集束剤が付与された後、
ロールにより巻き取られる。巻き取られた未延伸糸は、
延伸され、高強度化される。この際、一旦、ボビンに巻
き取られた後に別の工程で延伸を行う方法と、巻き取ら
れた後に直接延伸を行う方法があるが、本発明でのポリ
プロピレン樹脂組成物であると、どちらの方法も適用す
ることができる。
【0033】
【実施例】
〔実施例1〕MFRが1.0g/10minのポリプロピレン樹
脂をジターシャリブチルパーオキサイドと共に混練し、
MFRを8.5g/10minに上昇させて第1のポリプロピレ
ン樹脂を調製した。次に、この第1のポリプロピレン樹
脂に、MFRが12g/10min、GPCによって得られる
比(Mw/Mn)が10であるポリプロピレン樹脂を5
%混合した。 得られたポリプロピレン樹脂組成物は、
230℃におけるMFR(JISK6758)が、8.
7g/10min、メルトテンションが0.5g、スウェル比が
1.4、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測
定した比(Mw/Mn)が3.7、Mzが50.2×10
4であった。
【0034】次に、このポリプロピレン樹脂組成物を4
0mmφ押出機を用いて押出温度280℃にて0.6mm
φ、68孔からなるマルチフィラメント用紡糸ノズルに
より30g/minの吐出量で押し出した。押し出されたマ
ルチフィラメントを冷却温度18℃、冷却風速0.5m
/min、長さ900mmからなる冷却ダクトで冷却後、オ
イリングローラーで油剤を付与した後、周速度100/
minのゴデッドロールで巻き取り、未延伸糸を得た。
【0035】得られた未延伸マルチフィラメントを表面
温度115℃に保持された加熱ゴデッドロール対によ
り、引出し速度35m/minで延伸した。この際、最大
延伸倍率を測定すると共に、最大延伸倍率未満の所定の
延伸倍率での各種物性を測定した。得られた延伸マルチ
フィラメントの最大延伸倍率(最大倍率)と、各延伸倍
率での測定結果を下記表に示した。
【0036】尚、破断強度および破断伸度は、日本工業
規格(JIS)L 1013に準じて行ったもので、試
料であるマルチフィラメントを引張試験機のつかみに3
0cmの間隔で取り付け、これを30±2cm/msの引張速
度で引張り、算出したものである。すなわち、初荷重を
かけた時の伸びを緩み(E1(mm))とし、試料が切断
した時の荷重(g)と伸び(mm)を測定し、次式及び
にあてはめた。
【0037】
【数1】 ここで、SDは破断時の強さ(g)であり、dは試料の
繊度(デニール)である。
【数2】 ここで、E1は緩み(mm)、E2は切断時の伸び(mm)、
Lはつかみ間隔である。尚、試験は、10回繰り返し、
その平均値を表に示した。
【0038】初期弾性率も日本工業規格(JIS)L
1013に準じて行ったもので、図1に示されるような
荷重−伸張曲線を作成し、該グラフから、原点近くで伸
張変化に対する荷重変化の最大点A(切線角の最大点)
を求め、次式により算出した。
【数3】 ここで、Pは切線角の最大Aにおける荷重(g)、dは
繊度(デニール)、lは試験長(mm)、l’はTHの長
さ(HはA点の垂線の足、Tは切線と横軸との交点)で
ある。
【0039】
【表1】
【0040】上記表1から、実施例1のポリプロピレン
樹脂組成物であると、最大延伸倍率が大きく、また破断
強度や破断伸度、初期弾性率が高いことがわかる。
【0041】〔実施例2〕MFRが1.0g/10minのポリ
プロピレン樹脂をジターシャリブチルパーオキサイドと
共に混練し、MFRを8.5g/10minに上昇させた。次
に、このポリプロピレン樹脂に、MFRが0.5g/10mi
n、GPCによって得られる比(Mw/Mn)が5.7で
あるポリプロピレン樹脂を7%混合した。得られたポリ
プロピレン樹脂組成物は、230℃におけるMFR(J
IS K6758)が、8.0g/10min、メルトテンショ
ンが0.7g、スウェル比が1.5、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーで測定した比(Mw/Mn)が
3.9、Mzが42.5×104であった。このポリプ
ロピレン樹脂組成物を上記実施例1と同様な方法によ
り、マルチフィラメントとして、紡糸、延伸を行った。
得られた延伸マルチフィラメントの物性と延伸倍率の関
係を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】上記表2から、実施例2のポリプロピレン
樹脂組成物であると、最大延伸倍率が大きく、また破断
強度や破断伸度、初期弾性率が高いことがわかる。
【0044】〔実施例3〕230℃におけるMFR(J
IS K6758)が、10.0g/10min、メルトテンシ
ョンが0.7g、スウェル比が1.6、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーで測定した比(Mw/Mn)が
3.9、Mzが43.1×104であるポリプロピレン樹
脂組成物を上記実施例1と同様な方法により、マルチフ
ィラメントとして、紡糸、延伸を行った。得られた延伸
マルチフィラメントの物性と延伸倍率の関係を表3に示
した。
【0045】
【表3】
【0046】上記表3から、実施例3のポリプロピレン
樹脂組成物であると、最大延伸倍率が大きく、また破断
強度や破断伸度、初期弾性率が高いことがわかる。
【0047】〔実施例4〕230℃におけるMFR(J
IS K6758)が、20.0g/10min、メルトテンシ
ョンが0.7g、スウェル比が1.4、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーで測定した比(Mw/Mn)が
4.5、Mzが45.9×104であるポリプロピレン樹
脂組成物を上記実施例1と同様な方法により、マルチフ
ィラメントとして、紡糸、延伸を行った。得られた延伸
マルチフィラメントの物性と延伸倍率の関係を表4に示
した。
【0048】
【表4】
【0049】上記表4から、実施例4のポリプロピレン
樹脂組成物であると、最大延伸倍率が大きく、また破断
強度や破断伸度、初期弾性率が高いことがわかる。
【0050】〔比較例1〕230℃におけるMFR(J
IS K6758)が、70.0g/10min、メルトテンシ
ョンが0.2g、スウェル比が0.9、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーで測定した比(Mw/Mn)が
6.0、Mzが30.0×104であるポリプロピレン樹
脂組成物を上記実施例1と同様な方法により、マルチフ
ィラメントとして、紡糸、延伸を行った。得られた延伸
マルチフィラメントの物性と延伸倍率の関係を表5に示
した。
【0051】
【表5】
【0052】表5から、この比較例1の樹脂組成物であ
ると、上記本発明に該当する各実施例の樹脂組成物と比
して、最大延伸倍率が小さく、よって到達強度が低く、
しかも同一延伸倍率においても破断強度、破断伸度、初
期弾性率が低いことがわかる。
【0053】〔比較例2〕230℃におけるMFR(J
IS K6758)が、1.5g/10min、メルトテンショ
ンが2.5g、スウェル比が2.1、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーで測定した比(Mw/Mn)が
3.3、Mzが80×104であるポリプロピレン樹脂組
成物を上記実施例1と同様な方法により、マルチフィラ
メントとして、紡糸、延伸を行った。得られた延伸マル
チフィラメントの物性と延伸倍率の関係を表6に示し
た。
【0054】
【表6】
【0055】表6から、この比較例2の樹脂組成物であ
ると、上記本発明に該当する各実施例の樹脂組成物と比
して、最大延伸倍率が小さく、よって到達強度が低いこ
とがわかる。
【0056】〔比較例3〕実施例1における第1のポリ
プロピレン樹脂をそのまま用いて、押出機を使用し、紡
糸、延伸を行った。得られた延伸マルチフィラメントの
物性と延伸倍率の関係を表7に示した。
【0057】
【表7】
【0058】表7から、この比較例3の樹脂組成物であ
ると、上記本発明に該当する各実施例の樹脂組成物と比
して、最大延伸倍率が小さく、到達強度が低いことがわ
かる。
【0059】〔比較例4〕実施例2における第1のポリ
プロピレン樹脂をそのまま用いて、押出機を使用し、紡
糸、延伸を行った。得られた延伸マルチフィラメントの
物性と延伸倍率の関係を表8に示した。
【0060】
【表8】
【0061】表8から、この比較例4の樹脂組成物であ
ると、上記本発明に該当する各実施例の樹脂組成物と比
して、最大延伸倍率が小さく、到達強度が低く、しかも
同一延伸倍率においても破断強度、破断伸度、初期弾性
率が低いことがわかる。
【0062】〔実施例5〕MFRが1.0g/10minのポリ
プロピレン樹脂をジターシャリブチルパーオキサイドと
共に混練し、MFRを20g/10minに上昇させ、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーで測定した比(Mw
/Mn)が3.6、Mzが30×104の第1のポリプロ
ピレン樹脂を調製した。次に、この第1のポリプロピレ
ン樹脂に、MFRが0.5g/10minであるポリプロピレン
樹脂を10%(重量比)ドライブレンドにより混合し
た。得られたポリプロピレン樹脂組成物は、230℃に
おけるMFR(JIS K6758)が、21g/10mi
n、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し
た比(Mw/Mn)が3.8、Mzが42×104であっ
た。
【0063】次に、このポリプロピレン樹脂組成物を4
0mmφのフルフライトスクリューの押出機を用いて押出
温度280℃にて0.6mmφ、68孔からなるマルチフ
ィラメント用紡糸ノズルにより60g/minの吐出量で押
し出した。押し出されたマルチフィラメントを冷却温度
18℃、冷却風速0.5m/min、長さ900mmからなる
冷却ダクトで冷却後、オイリングローラーで油剤を付与
した後、周速度200/minのゴデッドロールで巻き取
り、未延伸糸を得た。得られた未延伸マルチフィラメン
トを表面温度115℃に保持された加熱ゴデッドロール
対により、繰り出し速度200m/minで延伸を行っ
た。そして、最大延伸倍率を測定すると共に、最大延伸
倍率未満の所定の延伸倍率での各種物性を測定した。得
られた延伸マルチフィラメントの最大延伸倍率(最大倍
率)と、各延伸倍率での測定結果を下記表に示した。
【0064】
【表9】
【0065】上記表9から、実施例5のポリプロピレン
樹脂組成物であると、最大延伸倍率が大きく、また破断
強度や破断伸度、初期弾性率が高いことがわかる。
【0066】〔実施例6〕MFRが1.0g/10minのポリ
プロピレン樹脂をジターシャリブチルパーオキサイドと
共に混練し、ビスブレイクし、MFRを20g/10minに
上昇させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで
測定した比(Mw/Mn)が3.6、Mzが30×104
の第1のポリプロピレン樹脂を調製した。次に、この第
1のポリプロピレン樹脂に、MFRが12g/10min、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した比
(Mw/Mn)が10であるポリプロピレン樹脂を7%
(重量比)ドライブレンドにより混合した。得られたポ
リプロピレン樹脂組成物は、230℃におけるMFR
(JIS K6758)が、21g/10min、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーで測定した比(Mw/M
n)が4.2、Mzが45×104であった。次に、この
ポリプロピレン樹脂組成物を上記実施例5と同様にし
て、紡糸、延伸を行った。得られた延伸マルチフィラメ
ントの最大延伸倍率と、各延伸倍率で測定した各種物性
の関係を表10に示した。
【0067】
【表10】
【0068】上記表10から、実施例6のポリプロピレ
ン樹脂組成物であると、最大延伸倍率が大きく、また破
断強度や破断伸度、初期弾性率が高いことがわかる。
【0069】〔実施例7〕MFRが0.5g/10minのポリ
プロピレン樹脂をジターシャリブチルパーオキサイドと
共に混練し、MFRを32g/10minに上昇させ、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーで測定した比(Mw
/Mn)が2.7、Mzが28×104の第1のポリプロ
ピレン樹脂を調製した。次に、この第1のポリプロピレ
ン樹脂に、MFRが12g/10min、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーで測定した比(Mw/Mn)が1
0であるポリプロピレン樹脂を20%(重量比)ドライ
ブレンドにより混合した。得られたポリプロピレン樹脂
組成物は、230℃におけるMFR(JIS K675
8)が、30g/10min、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーで測定した比(Mw/Mn)が3.5、Mz
が37×104であった。
【0070】次に、このポリプロピレン樹脂組成物を上
記実施例5と同様にして、紡糸、延伸を行った。得られ
た延伸マルチフィラメントの最大延伸倍率と各延伸倍率
での各種物性の関係を表11に示した。
【0071】
【表11】
【0072】上記表11から、実施例7のポリプロピレ
ン樹脂組成物であると、最大延伸倍率が大きく、また破
断強度や破断伸度、初期弾性率が高いことがわかる。
【0073】〔実施例8〕MFRが2.0g/10minのポリ
プロピレン樹脂をジターシャリブチルパーオキサイドと
共に混練し、MFRを45g/10minに上昇させ、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーで測定した比(Mw
/Mn)が3.9、Mzが30×104の第1のポリプロ
ピレン樹脂を調製した。次に、この第1のポリプロピレ
ン樹脂に、MFRが0.5g/10minであるポリプロピレン
樹脂を10%(重量比)ドライブレンドにより混合し
た。得られたポリプロピレン樹脂組成物は、230℃に
おけるMFR(JIS K6758)が、43g/10mi
n、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し
た比(Mw/Mn)が4.3、Mzが40×104であっ
た。
【0074】次に、このポリプロピレン樹脂組成物を上
記実施例5と同様にして、紡糸、延伸を行った。得られ
た延伸マルチフィラメントの最大延伸倍率と各延伸倍率
で測定した各種物性の関係を表12に示した。
【0075】
【表12】
【0076】上記表12から、実施例8のポリプロピレ
ン樹脂組成物であると、最大延伸倍率が大きく、また破
断強度や破断伸度、初期弾性率が高いことがわかる。
【0077】〔比較例5〕実施例5における第1のポリ
プロピレン樹脂をそのまま用いて、実施例5と同様にし
て、紡糸、延伸を行った。得られた延伸マルチフィラメ
ントの諸物性と延伸倍率の関係を表13に示した。
【0078】
【表13】
【0079】表13から、この比較例5の樹脂組成物で
あると、上記本発明に該当する実施例5の樹脂組成物と
比して、同一延伸倍率での強度が低いことがわかる。
【0080】〔比較例6〕MFRが1.0g/10minのポリ
プロピレン樹脂をジターシャリブチルパーオキサイドと
共に混練し、MFRを8.4g/10minに上昇させた第1の
ポリプロピレン樹脂を調製した。次に、この第1のポリ
プロピレン樹脂に、MFRが12g/10min、GPCによ
る比(Mw/Mn)が10であるポリプロピレン樹脂を
7%(重量比)ドライブレンドにより混合した。
【0081】次に、このポリプロピレン樹脂組成物を上
記実施例5と同様にして、紡糸、延伸を行った。得られ
た延伸マルチフィラメントの延伸倍率と測定した各種物
性の関係を表14に示した。
【0082】
【表14】
【0083】表14から、この比較例6の樹脂組成物で
あると、上記本発明に該当する実施例5の樹脂組成物と
比して、延伸性が悪く、よって到達強度が低くなってい
ることがわかる。
【0084】〔比較例7〕実施例7における第1のポリ
プロピレン樹脂をそのまま用いて、実施例7と同様にし
て、紡糸、延伸を行った。得られた延伸マルチフィラメ
ントの諸物性と延伸倍率の関係を表15に示した。
【0085】
【表15】
【0086】表15から、この比較例7の樹脂組成物で
あると、上記本発明に該当する実施例7の樹脂組成物と
比して、最大延伸倍率が小さくて到達強度が低く、しか
も同一延伸倍率での強度が小さくなっていることがわか
る。
【0087】
【発明の効果】請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成
物は、230℃での、メルトフローレートが3.0〜6
0g/10min、メルトテンションが0.1〜2.0g、スウ
ェル比が1.1〜2.0であることを特徴とするものであ
る。
【0088】請求項2記載のポリプロピレン樹脂組成物
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比(Mw/Mn)が、3.0〜5.0、Z平均分子
量(Mz)が、35×104以上、230℃でのメルト
フローレートが、3.0〜60g/10minであることを特徴
とするものである。
【0089】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、メ
ルトフローレートが0.5〜4g/10minのポリプロピレン
樹脂をパーオキサイドと共に混練し、メルトフローレー
トを2〜60g/10minに上昇させた第1のポリプロピレ
ン樹脂に、高分子量成分を含む第2のポリプロピレン樹
脂を添加することにより容易に製造される。
【0090】この際、第2のポリプロピレン樹脂が、そ
のメルトフローレートが、0.1〜2g/10minのものであ
るか、または、メルトフローレートが5〜20g/10mi
n、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比(Mw/Mn)が10以上のものであることが
好ましい。
【0091】上記本発明のポリプロピレン樹脂組成物で
あると、延伸性が高いので、高い到達強度を維持しつつ
も、延伸倍率を低く抑えた場合であっても、破断強度を
十分に高めることができる。よって、本発明のポリプロ
ピレン樹脂組成物からなるマルチフィラメントである
と、延伸倍率に拘束されることなく、破断強度の高いも
のとなる。
【0092】また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物
であると、メルトフローレートが大きいにもかかわら
ず、破断強度の高いものであるから、高い破断強度を有
するマルチフィラメントを例えば、1000m/分以上
の高速成形により生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】荷重−伸張曲線を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 230℃での、メルトフローレートが
    3.0〜60g/10min、メルトテンションが0.1〜2.0
    g、スウェル比が1.1〜2.0であることを特徴とする
    ポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
    ーにより測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分
    子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、3.0〜5.0、Z
    平均分子量(Mz)が、35×104以上、230℃で
    のメルトフローレートが、3.0〜60g/10minであるこ
    とを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 メルトフローレートが0.5〜4g/10min
    のポリプロピレン樹脂をパーオキサイドと共に混練し、
    メルトフローレートを2〜60g/10minに上昇させた第
    1のポリプロピレン樹脂に、高分子量成分を含む第2の
    ポリプロピレン樹脂を添加することを特徴とするポリプ
    ロピレン樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2のポリプロピレン樹脂のメルト
    フローレートが、0.1〜2g/10minであることを特徴と
    する請求項3記載のポリプロピレン樹脂組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第2のポリプロピレン樹脂が、メル
    トフローレートが5〜20g/10min、かつ重量平均分子
    量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)
    が10以上のものであることを特徴とする請求項3記載
    のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法。
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