JPH1018910A - クランク室過給式エンジンのシール装置 - Google Patents

クランク室過給式エンジンのシール装置

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JPH1018910A
JPH1018910A JP19394096A JP19394096A JPH1018910A JP H1018910 A JPH1018910 A JP H1018910A JP 19394096 A JP19394096 A JP 19394096A JP 19394096 A JP19394096 A JP 19394096A JP H1018910 A JPH1018910 A JP H1018910A
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JP
Japan
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crank
chamber
crankshaft
crankcase
peripheral surface
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Application number
JP19394096A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tagami
淳 田上
Masahisa Kuranishi
雅久 倉西
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール装置のシール性能を向上させるように
した場合でも、このシール装置の成形作業が容易にでき
るようにし、かつ、寿命の向上が達成されるようにす
る。 【解決手段】 クランク室3を、連接棒17の作動軌跡
を嵌入させるクランク室本体45と、各クランクウェブ
38を嵌入させる横断面が円形のクランク室側部46と
で構成する。上記連接棒17で区画される上記クランク
室本体45の一方の区画室を吸入室48、他方の区画室
を圧縮室49とする。上記クランクウェブ38の外周面
62と、これに対面する上記クランク室側部46の内周
面63との少なくともいずれか一方に、上記クランク軸
心5を中心として延びる環状溝67,68を形成する。
この環状溝67,68に潤滑油71を供給する油供給手
段72を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク軸の回転
に伴い、クランクケースの外部の空気をクランク室に吸
入してここで一旦圧縮し、その圧縮空気を燃焼室に供給
して燃焼に供するようにしたクランク室過給式エンジン
に関し、より詳しくは、上記クランク軸の外面と、クラ
ンク室の内面との間の隙間を上記圧縮空気が漏れないよ
うにしたシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記クランク室過給式エンジンには、従
来、次のように構成されたものがある。
【0003】即ち、上記エンジンはクランクケースを有
し、このクランクケースのクランク室に収容されるクラ
ンク軸は、クランク軸心回りに回転自在となるよう上記
クランクケースに支承されるクランク主軸と、同上クラ
ンク軸心上でこのクランク主軸の軸方向の中途部に介設
される一対の円板状クランクウェブと、同上クランク軸
心から偏心した位置で上記両クランクウェブに架設され
るクランクピンとで構成されている。
【0004】上記クランクケースにはピストンが突設さ
れ、このシリンダにピストンが摺動自在に嵌入され、上
記クランクピンと上記ピストンとを連結させる連接棒が
設けられている。
【0005】上記クランク室は、上記連接棒の作動軌跡
を嵌入させるクランク室本体と、このクランク室本体に
連なり上記各クランクウェブを嵌入させる横断面が円形
のクランク室側部とで構成され、上記連接棒で区画され
る上記クランク室本体の一方の区画室が吸入室、他方の
区画室が圧縮室とされ、上記クランク軸の回転に伴い、
上記吸入室に外部の空気が吸入可能とされる一方、上記
圧縮室で圧縮された圧縮空気が上記シリンダの燃焼室に
供給可能とされている。
【0006】そして、上記したように、クランク室で圧
縮された圧縮空気が燃焼室に供給されることによって、
充填効率が向上させられ、もって、エンジン性能の向上
が達成されている。
【0007】ところで、上記クランクウェブの外周面
と、これに対面する上記クランク室側部の内周面との間
には、これら外、内周面が相対回転する関係上、わずか
ながら隙間が設けられている。このため、上記圧縮室で
生じた圧縮空気の一部が上記隙間を流動して吸入室に漏
出し、圧縮室における圧力の上昇が阻害されるおそれが
ある。
【0008】そこで、従来より、上記隙間における空気
の流動を抑制して、圧縮室から吸入室への空気の漏出を
防止するシール装置が設けられている。
【0009】即ち、第1の従来の技術として、上記クラ
ンクウェブの外周面と、これに対面するクランク室側部
の内周面との互いに対面する面積を大きくして、上記隙
間における空気の流動抵抗を大きくさせたものがある。
【0010】また、第2の従来の技術として、上記外周
面と内周面のいずれか一方の面にシール材を取り付け、
他方の面と上記シール材とを上記クランク軸心回りに互
いに摺動させるようにしたものがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の従
来の技術によれば、外、内周面の互いに対面する面積を
大きくする分、これら外、内周面の機械加工に時間がか
かるなど、このシール装置の成形作業が煩雑になるとい
う問題がある。
【0012】また、上記したように、外、内周面の互い
に対面する面積を大きくさせると、エンジンの運転時
に、上記クランク軸が被駆動体側からの反力を受けて、
わずかでも撓むと、上記クランクウェブの外周面の一部
が、上記クランク室側部の内周面の一部に摺接し易くな
って、これら外、内周面が摩耗し、もって、このシール
装置のシール性能が早期に低下するという寿命上の問題
がある。
【0013】一方、上記第2の従来の技術によれば、シ
ール材を設ける分、シール装置の部品点数が増えて構成
が複雑になり、また、上記したシール材との摺動によっ
て、上記外、内周面間の摩擦力が大きくなり、よって、
動力損失が大きくなるという問題がある。
【0014】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、シール装置のシール性能を向上させるよ
うにした場合でも、このシール装置の成形作業が容易に
できるようにし、かつ、寿命の向上が達成されるように
することを課題とする。
【0015】また、シール装置のシール性能の向上が、
簡単な構成でかつ、無用な動力損失を生じさせないで得
られるようにすることを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明のクランク室過給式エンジンのシール装置は、
次の如くである。
【0017】請求項1の発明は、クランク軸4を、クラ
ンク軸心5回りに回転自在となるようクランクケース2
に支承されるクランク主軸37と、同上クランク軸心5
上でこのクランク主軸37の軸方向の中途部に介設され
る一対の円板状クランクウェブ38と、同上クランク軸
心5から偏心した位置で上記両クランクウェブ38,3
8に架設されるクランクピン39とで構成し、上記クラ
ンクケース2に突設されるシリンダ9にピストン16を
摺動自在に嵌入し、上記クランクピン39と上記ピスト
ン16とを連結させる連接棒17を設け、上記クランク
軸4を収容するクランク室3を、上記連接棒17の作動
軌跡を嵌入させるクランク室本体45と、このクランク
室本体45に連なり上記各クランクウェブ38を嵌入さ
せる横断面が円形のクランク室側部46とで構成し、上
記連接棒17で区画される上記クランク室本体45の一
方の区画室を吸入室48、他方の区画室を圧縮室49と
し、上記クランク軸4の回転に伴い、上記吸入室48に
外部の空気59を吸入可能にする一方、上記圧縮室49
で圧縮された圧縮空気60を上記シリンダ9の燃焼室1
8に供給可能にした場合において、上記クランクウェブ
38の外周面62と、これに対面する上記クランク室側
部46の内周面63との少なくともいずれか一方に、上
記クランク軸心5を中心として延びる環状溝67,68
を形成し、この環状溝67,68に潤滑油71を供給す
る油供給手段72を設けたものである。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記クランク主軸37を軸受6を介しクランクケー
ス2に支承させ、上記環状溝67,68を上記軸受6に
連通させる油路74を設けたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0020】図において、符号1は内燃機関であるクラ
ンク室過給式エンジンであり、説明の便宜上、図中矢印
Frの方向を前方とし、下記する左右とは上記前方に向
っての水平方向をいうものとする。
【0021】上記エンジン1はクランクケース2を有し
ている。このクランクケース2の内部のクランク室3に
クランク軸4が収容されている。このクランク軸4はそ
のクランク軸心5が左右に延び、このクランク軸心5回
りに回転自在となるよう上記クランク軸4が左右一対の
軸受6,6により上記クランクケース2に両持支持され
ている。
【0022】上記クランクケース2から上記クランク軸
心5の径方向である前方に向ってシリンダ9が突設され
ている。このシリンダ9は、上記クランクケース2から
突出して前後方向に延びるシリンダ軸心10を有するシ
リンダ本体11と、同上シリンダ軸心10上で上記シリ
ンダ本体11に形成されるシリンダ孔12と、上記シリ
ンダ本体11の突出端側の上記シリンダ孔12の開口を
閉じるよう上記シリンダ本体11の突出端に取り付けら
れるシリンダヘッド13とを備えている。
【0023】上記シリンダ孔12には上記シリンダ軸心
10上で、その軸方向にピストン16が摺動自在に嵌入
され、上記ピストン16は前記クランク軸4に連接棒1
7により連結されている。上記シリンダ本体11の突出
端側におけるシリンダ孔12から上記シリンダヘッド1
3の内面にかけての空間が燃焼室18である。この燃焼
室18に放電部が臨む図示しない点火プラグが設けられ
ている。
【0024】上記シリンダヘッド13の上方の外部を上
記燃焼室18に連通させる吸気通路20が上記シリンダ
ヘッド13に形成され、この吸気通路20の上記燃焼室
18への開口部が吸気開口部21とされている。また、
上記燃焼室18を上記シリンダヘッド13の下方の外部
に連通させる排気通路22が上記シリンダヘッド13に
形成され、この排気通路22の上記燃焼室18への開口
部が排気開口部23とされている。
【0025】上記吸気開口部21を開閉させる吸気弁2
5が上記シリンダヘッド13に支承され、上記吸気弁2
5は上記吸気開口部21を閉じるようばね26で付勢さ
れている。上記排気開口部23を開閉させる排気弁27
が上記シリンダヘッド13に支承され、上記排気弁27
は上記排気開口部23を閉じるようばね28で付勢され
ている。
【0026】上記クランク軸4に連動し、上記各ばね2
6,28に対抗して上記吸気弁25と排気弁27とを開
弁動作させる動弁機構31が設けられている。この動弁
機構31は、上記シリンダヘッド13に軸心回りに回転
自在に支承されるカム軸32を有し、このカム軸32は
上記クランク軸4に連動連結されている。上記吸気弁2
5と排気弁27は、上記カム軸32にそれぞれロッカア
ーム33を介してカム係合させられている。
【0027】そして、上記各ばね26,28と、上記ク
ランク軸4に連動したカム軸32とにより、吸気弁25
と排気弁27が開閉動作して、上記吸気開口部21と排
気開口部23とがそれぞれ所定のクランク角で開閉させ
られるようになっている。
【0028】上記クランク軸4は、上記クランク軸心5
回りに回転自在となるよう上記軸受6を介して上記クラ
ンクケース2に支承されるクランク主軸37と、同上ク
ランク軸心5上でこのクランク主軸37の軸方向の中途
部に介設される左右一対のクランクウェブ38,38
と、同上クランク軸心5から偏心した位置で上記両クラ
ンクウェブ38,38に架設されるクランクピン39と
で構成され、これらクランク主軸37、クランクウェブ
38、クランクピン39は互いに強固に固着されてい
る。
【0029】前記連接棒17の大端部40が上記クラン
クピン39に連結され、同上連接棒17の小端部41が
上記ピストン16にピストンピン42を介して連結され
ている。そして、上記ピストン16のシリンダ軸心10
に沿った直線的な往復運動が、上記連接棒17の作動を
介して上記クランク軸4を回転させる。
【0030】上記クランク室3は、上記連接棒17の大
端部40側の作動軌跡を嵌入させるクランク室本体45
と、クランク軸心5の軸方向でこのクランク室本体45
に連なり、上記各クランクウェブ38を嵌入させる横断
面が円形のクランク室側部46,46とで構成されてい
る。この場合、上記連接棒17の左右各側面と、これに
対面する各クランクウェブ38の内側面との間は極めて
狭い隙間とされている。また、上記連接棒17の作動軌
跡の外面と、上記クランク室3の内壁面のうち、クラン
ク室本体45の内壁面との間は極めて狭い隙間とされて
いる。更に、上記各クランクウェブ38の外面(外側
面、外周面を含む)と、上記クランク室3の内壁面のう
ち、上記各クランク室側部46の内壁面との間も極めて
狭い隙間とされている。
【0031】上記クランクケース2、シリンダ本体1
1、ピストン16、および左右クランクウェブ38,3
8で閉じられた上記クランク室本体45を含む空間は、
上記連接棒17で区画されており、その一方の区画室が
吸入室48、他方の区画室が圧縮室49とされている。
上記クランクケース2には、上記吸入室48の内外を連
通させる吸入口50が形成され、また、上記圧縮室49
の内外を連通させる吐出口51が形成されている。この
吐出口51にはリード弁52が設けられ、このリード弁
52は上記圧縮室49から外部に向っての空気の流動の
みを許容する。
【0032】上記圧縮室49が上記吐出口51とリード
弁52とを通し連通する吸気タンク54が設けられ、こ
の吸気タンク54は上記クランクケース2に取り付けら
れている。上記吸気タンク54を前記吸気通路20に連
通させる他の吸気通路55が設けられ、上記吸気通路2
0,55内に燃料を供給する気化器56が設けられてい
る。
【0033】そして、エンジン1の運転時に、クランク
軸4がクランク軸心5回りのある一方向(図中矢印A)
に回転する場合において、ピストン16が上死点から下
死点(各図にて図示)に移動する途中では、このピスト
ン16に連動した上記連接棒17はその作動により、上
記吸入室48の容積を一旦最小とし、その一方、圧縮室
49の容積を最大にさせる。
【0034】上記状態から、各図で示すように、ピスト
ン16が下死点に達し、更に、この下死点と上死点の途
中まで摺動するとき、上記ピストン16に連動した連接
棒17は上記吸入室48の容積を拡大させて、この吸入
室48内の負圧を高くさせる一方、上記圧縮室49の容
積を縮小させて、この圧縮室49内を圧縮させる。する
と、上記吸入口50を通し、外部の空気59が上記負圧
とされた吸入室48内に吸入され、その一方で、上記圧
縮室49に閉じ込められていた空気59が圧縮され、こ
れにより生じた圧縮空気60は、上記吐出口51とリー
ド弁52とを通り上記吸気タンク54内に溜められる。
【0035】次に、上記ピストン16が上記した下死点
と上死点の途中から上死点に達し、更に、上記した下死
点と上死点の途中まで摺動するとき、上記したように吸
入室48に吸入された空気59は、圧縮室49に閉じ込
められることとなる。
【0036】以下、上記動作が繰り返されて、上記クラ
ンク軸4の一回転毎に上記吸気タンク54に圧縮空気6
0が溜められることとなる。一方、同上クランク軸4の
二回転毎のエンジン1の吸気行程で、上記吸気弁25の
開弁動作により、吸気開口部21が開かれると、上記し
たように吸気タンク54に溜められていた圧縮空気60
が上記各吸気通路20,55を通って燃焼室18に向わ
される。また、この際、上記圧縮空気60に気化器56
により燃料が供給される。
【0037】そして、これら圧縮空気60と燃料との混
合気61が、上記燃焼室18に供給され、ここで点火プ
ラグにより、点火、燃焼させられ、これが動力に変換さ
れて上記クランク軸4から出力される。そして、上記ク
ランク軸4から出力される動力は、図示しない被駆動体
を駆動させる。
【0038】図1において、上記クランク軸4が回転す
る場合、このクランク軸4のクランクウェブ38の外周
面62は、これに対面する上記クランク室3のクランク
室側部46の内周面63に対し相対回転する。このた
め、これら外周面62と内周面63との間には0.1〜
0.5mm程度の隙間64が設けられている。
【0039】上記隙間64をシールするシール装置66
が設けられている。このシール装置66は、上記外周面
62と内周面63にそれぞれ上記クランク軸心5を中心
として延びるよう形成された環状溝67,68を有して
いる。これら両環状溝67,68は、その溝幅が上記ク
ランク軸心5の軸方向においてほぼ同じ寸法であり、か
つ、上記クランク軸心5の径方向で互いに対面し、これ
ら両環状溝67,68は上記クランク軸心5上に位置す
る円環状の油だめ部69を形成している。
【0040】上記クランクケース2の外部から上記油だ
め部69に連通する油路70が上記クランクケース2に
形成され、この油路70を通して上記油だめ部69に潤
滑油71を供給する油ポンプである油供給手段72が設
けられている。この油供給手段72が駆動すれば、油タ
ンク73内の潤滑油71が上記油だめ部69に供給され
て、この油だめ部69が潤滑油71で満たされるように
なっている。
【0041】また、上記油だめ部69を前記軸受6,6
に連通させる油路74,74が同上クランクケース2に
形成されている。
【0042】そして、上記油供給手段72が駆動して上
記油だめ部69が潤滑油71で満たされると、上記隙間
64は上記環状溝67,68に供給された潤滑油71に
よってシールされ、つまり、良好なシール性能が得られ
るようになっている。
【0043】よって、エンジン1の運転時に、上記圧縮
室49で生じた圧縮空気60の一部が上記隙間64を流
動して吸入室48に漏出するということは、上記環状溝
67,68内の潤滑油71によって防止され、このた
め、上記圧縮室49における圧縮空気60の圧力の上昇
が確実に得られることとなって、この圧縮空気60に基
づく燃焼により、エンジン性能の向上が達成される。
【0044】そして、上記したシール性能の向上は、上
記外、内周面62,63の少なくともいずれか一方に環
状溝67,68を形成することと、この環状溝67,6
8に潤滑油71を供給することによって得られるのであ
って、外、内周面62,63の互いに対面する面積は小
さくて足りることから、上記外、内周面62,63に対
する機械加工は少なくて済む。
【0045】また、上記したように、外、内周面62,
63の互いに対面する面積は小さくて足りることから、
エンジン1の運転時に、クランク軸4が被駆動体側から
の反力を受けてある程度撓んだとしても、上記クランク
ウェブ38の外周面62の一部が、上記クランク室側部
46の内周面63の一部に摺接するということは防止さ
れ、上記外、内周面62,63の摩耗が防止される。
【0046】また、上記環状溝67,68は油溜めとし
て機能するため、上記外、内周面62,63間に良好な
シール性能が得られたものでありながら、上記クランク
ウェブ38の外周面62は上記クランク室側部46の内
周面63に対し円滑に回転することとなり、よって、エ
ンジン1に無用な動力損失の発生が防止される。
【0047】また、前記したように、環状溝67,68
を軸受6に連通させる油路74が設けられている。
【0048】このため、上記環状溝67,68に供給さ
れた潤滑油71は、上記隙間64をシールすると共に、
上記油路74を通って、上記軸受6に供給され、これを
潤滑させることとなる。
【0049】よって、上記環状溝67,68からあふれ
た潤滑油71が単に油供給手段72に戻されたり、排出
されたりするということが防止されて、上記潤滑油71
が各部の潤滑に有効利用されることとなる。
【0050】図1において、上記各軸受6を上記吸入室
48に連通させる戻し油路76が上記クランクケース2
に形成されている。上記吸入室48内の容積が上記連接
棒17の作動で拡大されて負圧にされるとき、上記戻し
油路76、軸受6、および油路74が負圧とされて、油
だめ部69の潤滑油71が上記軸受6に強制的に供給さ
れ、この軸受6がより確実に潤滑される。
【0051】また、上記戻し油路76を通って吸入室4
8に吸入された潤滑油71は、クランク室3の内壁面
と、これに対面するクランク軸4の外面との間の各部を
潤滑する。
【0052】なお、以上は図示の例によるが上記環状溝
67,68は、いずれか一方だけを設けてもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0054】請求項1の発明は、クランク軸を、クラン
ク軸心回りに回転自在となるようクランクケースに支承
されるクランク主軸と、同上クランク軸心上でこのクラ
ンク主軸の軸方向の中途部に介設される一対の円板状ク
ランクウェブと、同上クランク軸心から偏心した位置で
上記両クランクウェブに架設されるクランクピンとで構
成し、上記クランクケースに突設されるシリンダにピス
トンを摺動自在に嵌入し、上記クランクピンと上記ピス
トンとを連結させる連接棒を設け、上記クランク軸を収
容するクランク室を、上記連接棒の作動軌跡を嵌入させ
るクランク室本体と、このクランク室本体に連なり上記
各クランクウェブを嵌入させる横断面が円形のクランク
室側部とで構成し、上記連接棒で区画される上記クラン
ク室本体の一方の区画室を吸入室、他方の区画室を圧縮
室とし、上記クランク軸の回転に伴い、上記吸入室に外
部の空気を吸入可能にする一方、上記圧縮室で圧縮され
た圧縮空気を上記シリンダの燃焼室に供給可能にしたク
ランク室過給式エンジンのシール装置において、上記ク
ランクウェブの外周面と、これに対面する上記クランク
室側部の内周面との少なくともいずれか一方に、上記ク
ランク軸心を中心として延びる環状溝を形成し、この環
状溝に潤滑油を供給する油供給手段を設けてある。
【0055】このため、上記クランクウェブの外周面
は、これに対面する上記クランク室側部の内周面に対し
て上記クランク軸心回りで相対回転する関係上、わずか
の隙間が設けられているが、この隙間は上記環状溝に供
給された潤滑油によってシールされ、つまり、良好なシ
ール性能が得られることとなる。
【0056】よって、エンジンの運転時に、上記圧縮室
で生じた圧縮空気の一部が上記隙間を流動して吸入室に
漏出するということは、上記環状溝内の潤滑油によって
防止され、このため、上記圧縮室における圧縮空気の圧
力の上昇が確実に得られることとなって、この圧縮空気
に基づく燃焼により、エンジン性能の向上が達成され
る。
【0057】そして、上記したシール性能の向上は、上
記外、内周面の少なくともいずれか一方に環状溝を形成
することと、この環状溝に潤滑油を供給することによっ
て得られるのであって、外、内周面の互いに対面する面
積は小さくて足りることから、上記外、内周面に対する
機械加工は少なくて済む。
【0058】よって、上記シール装置の成形作業は容易
にできることとなる。
【0059】また、上記したように、外、内周面の互い
に対面する面積は小さくて足りることから、エンジンの
運転時に、クランク軸が被駆動体側からの反力を受けて
ある程度撓んだとしても、上記クランクウェブの外周面
の一部が、上記クランク室側部の内周面の一部に摺接す
るということは防止される。
【0060】よって、上記外、内周面の摩耗が防止され
ることから、シール装置の寿命は十分に向上させられ
る。
【0061】しかも、上記隙間をシールするものは、環
状溝と、これに供給される潤滑油であって、部品点数の
増加が抑制されるため、上記シール性能の向上は簡単な
構成で達成される。
【0062】更に、上記環状溝は油溜めとして機能する
ため、上記外、内周面間に良好なシール性能が得られた
ものでありながら、上記クランクウェブの外周面は上記
クランク室側部の内周面に対し円滑に回転することとな
る。
【0063】よって、エンジンに無用な動力損失の発生
が防止される。
【0064】請求項2の発明は、上記クランク主軸を軸
受を介しクランクケースに支承させ、上記環状溝を上記
軸受に連通させる油路を設けてある。
【0065】このため、上記環状溝に供給された潤滑油
は、上記隙間をシールすると共に、上記油路を通って、
上記軸受に供給され、これを潤滑させることとなる。
【0066】よって、上記環状溝からあふれた潤滑油が
単に油供給手段に戻されたり、排出されたりするという
ことが防止されて、上記潤滑油が各部の潤滑に有効利用
されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の1‐1線矢視平面断面図である。
【図2】エンジンの側面断面図である。
【図3】エンジンの斜視断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クランクケース 3 クランク室 4 クランク軸 5 クランク軸心 6 軸受 9 シリンダ 10 シリンダ軸心 12 シリンダ孔 16 ピストン 17 連接棒 18 燃焼室 37 クランク主軸 38 クランクウェブ 39 クランクピン 45 クランク室本体 46 クランク室側部 48 吸入室 49 圧縮室 59 空気 60 圧縮空気 61 混合気 62 外周面 63 内周面 64 隙間 66 シール装置 67,68 環状溝 69 油だめ部 70 油路 71 潤滑油 72 油供給手段 74 油路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸を、クランク軸心回りに回転
    自在となるようクランクケースに支承されるクランク主
    軸と、同上クランク軸心上でこのクランク主軸の軸方向
    の中途部に介設される一対の円板状クランクウェブと、
    同上クランク軸心から偏心した位置で上記両クランクウ
    ェブに架設されるクランクピンとで構成し、上記クラン
    クケースに突設されるシリンダにピストンを摺動自在に
    嵌入し、上記クランクピンと上記ピストンとを連結させ
    る連接棒を設け、上記クランク軸を収容するクランク室
    を、上記連接棒の作動軌跡を嵌入させるクランク室本体
    と、このクランク室本体に連なり上記各クランクウェブ
    を嵌入させる横断面が円形のクランク室側部とで構成
    し、上記連接棒で区画される上記クランク室本体の一方
    の区画室を吸入室、他方の区画室を圧縮室とし、上記ク
    ランク軸の回転に伴い、上記吸入室に外部の空気を吸入
    可能にする一方、上記圧縮室で圧縮された圧縮空気を上
    記シリンダの燃焼室に供給可能にしたクランク室過給式
    エンジンのシール装置において、 上記クランクウェブの外周面と、これに対面する上記ク
    ランク室側部の内周面との少なくともいずれか一方に、
    上記クランク軸心を中心として延びる環状溝を形成し、
    この環状溝に潤滑油を供給する油供給手段を設けたクラ
    ンク室過給式エンジンのシール装置。
  2. 【請求項2】 上記クランク主軸を軸受を介しクランク
    ケースに支承させ、上記環状溝を上記軸受に連通させる
    油路を設けた請求項1に記載のクランク室過給式エンジ
    ンのシール装置。
JP19394096A 1996-07-03 1996-07-03 クランク室過給式エンジンのシール装置 Pending JPH1018910A (ja)

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