JPH10184893A - 自動変速機制御装置 - Google Patents

自動変速機制御装置

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JPH10184893A
JPH10184893A JP33915696A JP33915696A JPH10184893A JP H10184893 A JPH10184893 A JP H10184893A JP 33915696 A JP33915696 A JP 33915696A JP 33915696 A JP33915696 A JP 33915696A JP H10184893 A JPH10184893 A JP H10184893A
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esr
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shift lever
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Atsushi Tabata
淳 田端
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秀夫 友松
Koji Taniguchi
浩司 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シフトレンジを電気的制御によって変更する
制御装置の提供にあたり、システムフェイルに対して制
御装置が適切に対処する必要がある。 【解決手段】 シフトレバー装置5の操作により、シフ
トレンジ設定において基準となる基準シフトレンジが設
定される。また、レンジ制御モードが設定されると、カ
ット機構7の操作により、基準シフトレンジの設定状態
を保持したまま、実際に設定される実シフトレンジが変
更される。通常は、レンジ制御モード設定とともにES
Rインジケータ13が点灯される。しかし、このモード
を実行する機能に異常があり、かつ、このモードを設定
するための操作が行われた場合は、ESRインジケータ
13を点滅させ、数秒後に消灯する。運転者は、点滅を
見て異常発生を知ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、設定されたシフト
レンジに応じて最高変速段が決定され、走行状態に応じ
て変速段を変更する自動変速機制御装置、特に、電気的
制御によって実際に設定される実シフトレンジまたは実
ギヤ段を切り換えることができる制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機の操作性を向上して、
車両の運転をより容易にすることが求められている。こ
の要求に応えるため、シフトレバーとは別に、ステアリ
ングなどにシフトレンジを切り換えるためのスイッチを
設けた自動変速機制御装置が提案されている。この種の
制御装置は、特開平5−193118号公報や、本出願
人による特願平8−254680号に開示されている。
【0003】上記特願平8−254680号に記載の制
御装置では、シフトレバー操作に応じて、基準シフトレ
ンジ(シフトポジション)が機械的に設定される。すな
わち、シフトレバーは、ケーブルなどによって自動変速
機の油圧制御装置と連結されている。シフトレバーの移
動に伴って、油圧制御装置のマニュアルバルブが移動す
る。このマニュアルバルブの位置によって、シフトポジ
ションが決定される。例えばシフトレバーがDポジショ
ンにあるとき、1速から5速までのギヤ段にシフト可能
(5速式変速機の場合)であるように、油圧回路が設計
されている。
【0004】ステアリングに設けられたスイッチが押さ
れると、自動変速機用電子制御装置(T−ECU)は、
ESR(Electric Shiftrange Contorol System)モー
ドを設定する。そして、T−ECUは、スイッチ操作に
応じ、実際に設定される実シフトレンジであるESRレ
ンジを設定する。例えば、シフトレバーが、上記のよう
にDポジションにあり、そして、T−ECUにてESR
レンジとして3レンジが設定されたとする。この場合、
T−ECUは、1速から5速までのシフトチェンジが可
能であるにもかかわらず、1速から3速までのシフトチ
ェンジを自動変速機に行わせる。このようにして、シフ
トレンジの電気的切換えが行われる。
【0005】この制御装置によれば、運転者は、スイッ
チ操作にてシフトレンジを設定できる。運転者は、シフ
トレバーの操作、すなわち、シフトレバーがどこにある
かを目視にて確認し、シフトレバーを所望のポジション
に移動するといった操作を行わなくてもよい。従って、
運転者は、シフトレンジの設定を容易に行うことができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の制御装置は運転
を容易にするものとして大きな特長がある。しかし、現
状では、シフトレンジを電気的制御によって切り換える
機能が正常に動作することを前提とした開発が進められ
ており、この機能に異常が生じた場合の効果的な対処に
関しては改良の余地が発生する可能性があった。
【0007】このESRモードを実行するシステムに異
常が生じた場合には、スイッチ操作に応じたシフトレン
ジの変更が設定通りに行われない可能性があり、また、
シフトレンジに応じた変速制御が行われない可能性があ
る。そこで、これらの事態に適切に対処できるようにす
ることが、この種の制御装置を実際に提供する上で必要
となる。異常事態への対処とは、例えば、異常発生を運
転者に分かりやすく伝え、この状況に対応した運転を運
転者に行わせることであり、また例えば、システムの異
常に対処して自動変速機を適切に動作させることであ
る。
【0008】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のである。本発明の目的は、シフトレンジを電気的制御
によって切り換える機能に異常が発生した時に、適切に
対処することができる自動変速機制御装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の自動変速機制御装置は、走行状態に応じ
て変速段を変更する制御装置であって、機械的に設定さ
れた基準シフトレンジを、電気的制御により、実際に設
定される実シフトレンジまたは実ギヤ段に変更する制御
モードを設定する手段と、前記制御モードが設定されて
いることを表示する表示手段と、前記制御モードを実行
する機能の異常を検出する異常検出手段と、前記制御モ
ードを設定する操作が行われ、前記異常検出手段が異常
を検出した場合に、前記表示手段に対して正常時と異な
る表示を行わせ、その後に表示を中止させる表示変更手
段とを有する。
【0010】上記の制御モードの一例は、前述のESR
モードである。また、例えば、正常時の表示はインジケ
ータの点灯であり、異常発生時の表示は同インジケータ
の点滅である。点滅以外に表示色の変更などでもよい。
また、表示変更から、その後の表示中止までの時間は、
適宜設定すればよく、例えば数秒に設定する。
【0011】本発明では、異常発生への対処として、表
示手段での表示が変更され、これにより、異常の発生が
分かりやすく運転者に伝えられる。上記制御モードを設
定する操作時に表示が変更されるので、変更タイミング
が適切である。また、異常を示す表示をいつまでも継続
することは、運転者に違和感を与え好ましくない。本発
明では、表示変更の後に表示が中止されるので、運転者
に違和感を与えずにすむ。
【0012】ここで、異常発生を知らせるためには、
「制御モードを設定する操作が行われても、表示手段で
の表示を行わない」という対応も考えられる。具体例と
しては、上記インジケータを点灯しないことである。運
転者は、モード設定操作時に、表示が行われるか否かに
よって、異常の有無を判断する。しかし、この対応で
は、運転者が常に表示に注意しなければならず、異常を
知らせる手法としては好ましくない。これに対し、本発
明では、表示手段における表示が変更されるので、運転
者に特別な注意を求めることなく、異常発生を運転者に
知らせることができる。
【0013】ところで、従来、自動変速機の故障時に
は、所定の表示手段の表示を変更することが周知であ
る。一方、本発明では、上記制御モードの実行機能に異
常があると、このモード用の表示手段の表示を変更す
る。ここで問題となるのは、自動変速機の故障も、本発
明の異常検出手段により、異常として検出されることで
ある。実シフトレンジに従った変速を行わせるための構
成(制御系の構成)の異常に該当するからである。その
ため、自動変速機の故障に対しては、2種類の表示手段
の表示が変更されることになる。具体例を挙げると、油
圧制御装置のソレノイドがフェールした場合に、自動変
速機の故障を知らせるためにオーバードライブ用インジ
ケータが点滅し、さらに、上記制御モード用のインジケ
ータが点滅する。これでは、運転者に違和感を与える可
能性がある。
【0014】上記の点に鑑み、本発明では、上記制御モ
ード用の表示手段の表示を、変更の後に中止する。これ
により、運転者に違和感を与えることが防止される。上
記具体例では、一旦点滅させた制御モード用のインジケ
ータを、数秒後に消灯させる。
【0015】(2)また、本発明の別の態様の自動変速
機制御装置は、走行状態に応じて変速段を変更する制御
装置であって、シフトレバー操作に応じて機械的に設定
された基準シフトレンジを、電気的制御により、実際に
設定される実シフトレンジまたは実ギヤ段に変更する制
御モードを設定する手段と、前記制御モードを実行する
機能の異常を検出する異常検出手段とを有し、前記異常
検出手段が異常を検出した場合に、異常対応処理とし
て、前記制御モードの実行を禁止するとともに、前記基
準シフトレンジに対応した制御に復帰する。
【0016】本発明によれば、異常発生時に、前記制御
モードの実行が禁止され、前記基準シフトレンジに対応
した制御への復帰が行われる。運転者は、上記制御モー
ドに対応した運転を行わず、基準シフトレンジに対応し
た運転を行えばよい。
【0017】本発明では、基準シフトレンジへの復帰
後、異常発生時のフェール(故障)の状態に応じて異な
る対応がなされる。すなわち、復帰後、基準シフトレン
ジに従った変速制御が可能であれば、これを実行する。
一方、基準シフトレンジに従った変速制御が不可能であ
れば、所定のフェール処理を行う。このフェール処理
は、上記制御モードの機能を持たない従来一般の制御装
置でフェールが発生した時と同様の処理でよい。これに
より、例えば、ソレノイドのフェールに対し、所定のギ
ヤ段での走行が保証される。
【0018】上記の内容をより具体的に説明する。上記
制御モードを実行するシステムには、スイッチ等の実シ
フトレンジを設定するための構成(操作系という)と、
設定した実シフトレンジに従って変速動作を行わせるた
めの構成(制御系という)が含まれる。基準シフトレン
ジへの復帰後は、フェール状態(操作系、制御系のどち
らの異常か)に応じ、下記の対応がなされる。
【0019】操作系の異常が発生した場合、基準シフト
レンジの設定通りの変速制御が行われる。すなわち、上
記制御モードを設定しないときの通常の変速制御が行わ
れる。操作系の異常により、実シフトレンジの切り換え
ができなくなっても、通常の変速制御は実行可能だから
である。結果として、操作系異常に対しては、上記制御
モードの実行のみが禁止されたことになる。
【0020】一方、制御系異常が発生した場合、実シフ
トレンジに従った変速制御ができないだけでなく、基準
シフトレンジの設定通りの変速制御も実行不能になる可
能性がある。この時には、上記のような基準シフトレン
ジ用のフェール処理がなされる。
【0021】以上のように、本発明によれば、上記制御
モードを実行するシステムに含まれる操作系、制御系の
構成のどちらの異常に対しても、「制御モードの設定を
禁止するとともに、基準シフトレンジに対応した制御に
復帰する」という処理を行えばよく、この処理は簡単で
実現が容易なものである。これにより、異常発生に対し
て、適切に対応することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の自動
変速機制御装置について、図面を参照し説明する。ここ
では、[1]「制御対象である自動変速機、および、こ
の自動変速機に備えられた油圧制御装置の構成例」、
[2]「自動変速機制御装置の構成」、[3]「自動変
速機制御装置による制御」、[4]「本実施形態に特徴
的な制御」、[5]「本発明を適用する自動変速機制御
装置の変形例」の順に説明する。
【0023】[1]「制御対象である自動変速機、およ
び、この自動変速機に備えられた油圧制御装置の構成
例」 この制御装置の制御対象である自動変速機は、トルクコ
ンバータと遊星歯車機構とを備え、前進5速、後進1速
の変速段を設定できるように構成されている。遊星歯車
機構には、クラッチやブレーキなどの複数の摩擦係合装
置が設けられていて、さらに、各摩擦係合装置を動作さ
せるためのサーボ手段が設けられている。サーボ手段へ
の油圧の供給に応じて各摩擦係合装置が動作することに
より、1速から5速までのシフトチェンジが行われる。
また、1速から3速では、各摩擦係合装置の動作によ
り、車軸側からの逆駆動力をエンジンに伝えるか否かの
切換えが行われる。この切換に応じて、エンジンブレー
キの効く状態と効かない状態とが切り換えられる。な
お、4速および5速では、常時、エンジンブレーキが効
くように構成されている。
【0024】図23〜図25は、このような自動変速機
と、これを制御する油圧制御装置の構成の一例を示して
いる。まず、これらの図面を参照し、自動変速機及び油
圧制御装置の詳細な構成を説明する。
【0025】上記のように、自動変速機は、前進5段・
後進1段の変速段を設定することができ、そのギヤトレ
ーンの一例を図23に示してある。図23において、自
動変速機Aはトルクコンバータ113を介してエンジン
Eに連結されている。このトルクコンバータ113は、
エンジンEのクランク軸114に連結されたポンプイン
ペラ115と、自動変速機Aの入力軸116に連結され
たタービンランナー117と、これらポンプインペラ1
15とタービンランナー117との間を連結するロック
アップクラッチ118と、一方向クラッチ119によっ
て一方向の回転が阻止されているステータ120とを備
えている。
【0026】上記自動変速機Aは、ハイおよびローの2
段の切り換えを行う副変速部121と、後進段および前
進4段の切り換えが可能な主変速部122とを備えてい
る。副変速部121は、サンギヤS0、リングギヤR
0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれら
サンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされてい
るピニオンP0からなる遊星歯車装置123と、サンギ
ヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチC0
および一方向クラッチF0と、サンギヤS0とハウジン
グ129との間に設けられたブレーキB0とを備えてい
る。
【0027】主変速部122は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れているピニオンP1からなる第1遊星歯車装置124
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされているピニオンP2からな
る第2遊星歯車装置125と、サンギヤS3、リングギ
ヤR3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそ
れらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされ
ているピニオンP3からなる第3遊星歯車装置126と
を備えている。
【0028】上記サンギヤS1とサンギヤS2とは互い
に一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2と
キャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3
は出力軸127に連結されている。また、リングギヤR
2がサンギヤS3に一体的に連結されている。そして、
リングギヤR2およびサンギヤS3と中間軸128との
間に第1クラッチC1が設けられ、サンギヤS1および
サンギヤS2と中間軸128との間に第2クラッチC2
が設けられている。
【0029】また、ブレーキ手段として、サンギヤS1
およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式の
第1ブレーキB1がハウジング129に設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジン
グ129との間には、第1一方向クラッチF1およびブ
レーキB2が直列に設けられている。この第1一方向ク
ラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力
軸116と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0030】キャリヤK1とハウジング129との間に
は第3ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3
とハウジング129との間には、第4ブレーキB4と第
2一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この
第2一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転し
ようとする際に係合させられるように構成されている。
上記クラッチC0,C1,C2、ブレーキB0,B1,
B2,B3,B4は、油圧が作用することにより摩擦材
が係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0031】そして副変速部121におけるクラッチC
0の回転数すなわち入力回転数を検出するC0センサ1
30と、主変速部122における第2クラッチC2の回
転数を検出するC2センサ131が設けられている。な
お、これらのセンサ130,131は、後述する自動変
速機用電子制御装置に接続されている。
【0032】上記の自動変速機Aでは、前進5段と後進
段とを設定することができ、これらの変速段を設定する
ための各摩擦係合装置の係合・解放の状態を図24の係
合作動表に示してある。なお、図24において○印は係
合状態、◎印は係合してもトルク伝達に関係しないこと
を、●印はエンジンブレーキを効かせるために係合する
ことを、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0033】上記の図24に示す各変速レンジおよび変
速段を設定するために図25に示す油圧回路が油圧制御
装置に設けられている。すなわちスロットル開度に応じ
たライン圧PLの供給を受けるマニュアルバルブ140
と上述した各摩擦係合装置の油圧サーボ手段との間に、
第1速エンジンブレーキ用の第4ブレーキB4に対する
コントロール圧PCの給排を制御する1−2シフトバル
ブ141、第3速達成用の第2ブレーキB2に対するド
ライブレンジ圧PDの給排を制御する2−3シフトバル
ブ142、第3速エンジンブレーキ用の第1ブレーキB
1に対するコントロール圧PCの給排と第4速および第
5速達成用の第2クラッチC2に対するドライブレンジ
圧PDの給排とを制御する3−4シフトバルブ143、
ブレーキB0とクラッチC0とへのライン圧PLの供給
を切り換える4−5シフトバルブ144が設けられてい
る。
【0034】さらに、ドライブレンジ圧(Dレンジ圧)
を元圧として変速中にリニアソレノイドバルブSLNの
出力する信号圧で調圧してコントロール圧PCを発生さ
せるプレッシャーコントロールバルブ145、コントロ
ール圧PCの2−3シフトバルブ142に対する給排を
切り換えるエンジンブレーキリレーバルブ146、クラ
ッチC0に対する4−5シフトバルブ144を介したラ
イン圧PLの給排を切り換えるC0エキゾーストバルブ
147が設けられている。
【0035】なお、第1シフトソレノイドバルブSOL
1は2−3シフトバルブ142の切換用の信号圧を出力
し、第2シフトソレノイドバルブSOL2は1−2シフ
トバルブ141の切換用の信号圧を出力し、第3シフト
ソレノイドバルブSOL3は1−2シフトバルブ141
を介してC0エキゾーストバルブ147に切換用の信号
圧を出力するようになっている。また第4シフトソレノ
イドバルブSOL4はエンジンブレーキリレーバルブ1
46とC0エキゾーストバルブ147とに切換用の信号
圧を出力し、リニアソレノイドバルブSLNはプレッシ
ャーコントロールバルブ145に調圧用の信号圧を出力
するようになっている。さらに第1ブレーキB1および
第4ブレーキB4以外の摩擦係合装置にはアキュームレ
ータが付設されている。
【0036】上記の各部の構成および機能についてさら
に詳しく説明すると、マニュアルバルブ140は、図示
しない第1レンジ操作機構としてのシフトレバーにケー
ブルなどの機械的な手段で連結されてシフトレバーに連
動するスプールバルブによって構成されており、ライン
圧PLを入力ポート148から供給されて、スプール1
49の摺動位置に応じて入力ポート148を各出力ポー
トに連通させて出力するものである。具体的には、Dポ
ジションではDレンジポート150のみから出力し、
“3”ポジションではこれに加えて“3”レンジポート
151から出力し、“2”ポジションではさらに“2”
レンジポート152から出力し、Lポジションではさら
にLレンジポート153から出力するようになってい
る。これに対してRポジションではRレンジポート15
4から出力し、またNポジションでは全ての出力ポート
を閉じ、Pポジションでは入力ポート148をドレーン
ポートEXに連通させる。なお、上記の自動変速機Aで
は“4”レンジを選択することができるが、これは、最
高速段である第5速を禁止する変速レンジであり、マニ
ュアルバルブ140ではスプール149が中心軸線を中
心にして回動し、上記の“2”レンジポート152から
油圧が出力される。
【0037】次にプレッシャーコントロールバルブ14
5は、バネによって一方向に押圧されたスプールとプラ
ンジャとを有しており、Dレンジ圧PDを入力とし、こ
れをリニアソレノイドバルブSLNの出力信号で調圧
し、コントロール圧PCをエンジンブレーキリレーバル
ブ146を経て2−3シフトバルブ142に供給する。
【0038】エンジンブレーキリレーバルブ146は、
バネによって一方向に押圧されたスプールとプランジャ
とを備えた切換弁であって、“2”レンジ圧がプランジ
ャに印加されるとともに、リニアソレノイドバルブSL
Nの信号圧をスプールに印加され、いずれかの油圧によ
る2−3シフトバルブ142へのコントロール圧PCの
供給と、その油圧の解放による2−3シフトバルブ14
2からのコントロール圧PCの排出を切り換える。
【0039】2−3シフトバルブ142は、バネによっ
て一方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、
第1シフトソレノイドバルブSOL1の信号圧およびL
レンジ圧の印加により、コントロール圧PCの3−4シ
フトバルブ143と、1−2シフトバルブ141とへの
供給の切換、およびDレンジ圧の油路L1aと油路L1
bとへの連通とドレーンの切り換えとを行う。
【0040】1−2シフトバルブ141は、バネによっ
て一方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、
第2ソフトソレノイドバルブSOL2の信号圧および油
路L1aからの油圧により、コントロール圧PCの第4
ブレーキB4への供給とこのブレーキB4からの排圧と
の切り換え、および第3シフトソレノイドバルブSOL
3の信号圧の油路LS32への供給とその油路LS32
からの排出との切り換えを行う。
【0041】3−4シフトバルブ143は、ピストンを
介してバネによって一方向に押圧されたスプールを備え
た切換弁であり、第2シフトソレノイドバルブSOL2
の信号圧、油路L1bからの油圧および油路L3からの
油圧により、油路LS3からの第3シフトソレノイドバ
ルブSOL3の信号圧の油路LS34を介した4−5シ
フトバルブ144への供給と遮断、油路L1aの油路L
1eへの連通と遮断およびコントロール圧PCの第1ブ
レーキB1への供給とそのブレーキB1からの排圧とを
制御する。
【0042】4−5シフトバルブ144は、バネによっ
て一方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、
油路LS34からの信号圧と油路L2の油圧により、ラ
イン圧PLのC0エキゾーストバルブ147への供給と
排出との切り換え、油路LL1を介したブレーキB0へ
の供給とそのブレーキB0からの排出とを制御する。C
0エキゾーストバルブ147は、バネによって一方向に
押圧されたスプール155とプランジャ156とを備え
た切換弁であり、油路LS4を経由した第4ソレノイド
バルブSOL4の信号圧、油路LS32を経由した第3
ソレノイドバルブSOL3の信号圧および油路L1dの
油圧により、4−5シフトバルブ144を経由したライ
ン圧PLを油路LL3を経由してクラッチC0に供給
し、またこのクラッチC0から排出するようになってい
る。
【0043】上記のように構成された油圧制御装置にお
いて、図示のニュートラルポジションでは、4−5シフ
トバルブ144およびC0エキゾーストバルブ147を
経由してライン圧PLがクラッチC0に供給されている
が、マニュアルバルブ140を経由する油路が遮断され
ているため、第1クラッチC1の油圧はドレーンされて
いる。なお、図における各バルブの中心線を挟む位置の
ずれは、スプール変位の限界位置を示し、特に各シフト
バルブについては、中心線の左右に数字の振り分けで、
位置と変速段とを対応させている。
【0044】上記の油圧制御装置によれば、シフト装置
を手動操作することに伴うマニュアルバルブ140のポ
ジションの選択に応じて、車速とエンジン負荷(例えば
スロットル開度)に対応した電子制御によりポジション
圧の調圧と各シフトソレノイドバルブSOL1,〜SO
L3がON/OFF制御されて、各変速段が設定され
る。すなわち各クラッチおよびブレーキが図24に示す
ように制御されて一方向クラッチ(OWC)との関連
で、各変速段が設定され、また第4ソレノイドバルブS
OL4のON/OFFに伴うその信号圧の出力によって
エンジン(E/G)ブレーキ状態を得ることができる。
【0045】例えばDレンジで第3速を設定している状
態で第4ソレノイドバルブSOL4から信号圧を出力さ
れると、エンジンブレーキリレーバルブ146のスプー
ルが図25の左半分に示す位置に移動させられ、その結
果、Dレンジ圧を元圧としたコントロール圧PCが2−
3シフトバルブ142を介して3−4シフトバルブ14
3に供給され、ここから第1ブレーキB1に油圧が供給
されてこれが係合する。すなわち第3速でエンジンブレ
ーキが効く状態になる。
【0046】またDレンジの第2速の状態で第4ソレノ
イドバルブSOL4が信号圧を出力すると、C0エキゾ
ーストバルブ147のスプールの一端側に油圧が供給さ
れるので、そのスプールが図25の左半分に示す位置に
移動し、4−5シフトバルブ144を介して供給された
ライン圧PLが副変速部121におけるクラッチC0に
供給されてこれが係合し、第2速でエンジンブレーキを
効かせることができる。
【0047】さらにDレンジの第1速で第4ソレノイド
バルブSOL4が信号圧を出力すると、上述した第3速
の場合と同様に、エンジンブレーキリレーバルブ146
から2−3シフトバルブ142にコントロール圧PCが
出力され、さらにそのコントロール圧PCが2−3シフ
トバルブ142から1−2シフトバルブ141に供給さ
れ、ここから第4ブレーキB4に送られて、これが係合
する。すなわち第1速でエンジンブレーキを効かせるこ
とができる。
【0048】なお、第1速ないし第5速の各変速段は、
第1ないし第3のシフトソレノイドバルブSOL1,〜
SOL3をON/OFF制御して、その出力圧によって
各シフトバルブ141,〜144を適宜に切り換え動作
させることにより設定され、これは従来の装置と同様で
あり、図25の油圧から容易に知られるところである。
【0049】このように上記の自動変速機Aでは、各変
速段を電気的に制御して設定することができ、また第3
速以下の変速段でのエンジンブレーキを、第4ソレノイ
ドバルブSOL4を電気的に制御することにより設定で
きる。このような機能を利用して、この発明にかかる自
動変速機制御装置は、前進レンジの切り換えを電気的に
行うように構成されている。
【0050】以上、本発明が適用される自動変速機およ
び油圧制御装置の構成例を説明した。なお、以下のそれ
ぞれの実施形態の構成に対応して、図23〜図25の自
動変速機の構成を適宜変形し、構成の追加、削除を行っ
てもよい。例えば、実施形態に使用されない機能があれ
ば、その機能を図23〜図25より取り去ってもよい。
【0051】[2]「自動変速機制御装置の構成」 図1は、本実施形態の制御装置の構成を示している。図
1に示すように、本実施形態の制御装置は、制御手段と
して、油圧制御装置1およびT−ECU3を備える。ま
た、シフトレンジを設定するための操作手段として、シ
フトレバー装置5と、カット機構7を備える。
【0052】本制御装置では、シフトレバー操作によっ
てシフトポジションが設定される。このシフトポジショ
ンが、機械的に設定される基準のシフトレンジとなる。
シフトポジションとして設定されるのは、駐車(P)ポ
ジション、後進(R)ポジション、ニュートラル(N)
ポジションおよび下記の前進ポジションである; (1)Dポジション:1速から5速の範囲で変速段を設
定する。4速および5速にてエンジンブレーキが効く; (2)3ポジション:1速から3速の範囲で変速段を設
定する。3速にてエンジンブレーキが効く; (3)Lポジション:1速のみを設定する。エンジンブ
レーキが効く; ここで前進走行時、通常、Dポジションが設定される。
その他の前進ポジションが設定されるのは、主として、
エンジンブレーキを利用するためであり、これらのポジ
ションは、エンジンブレーキポジションと呼ばれてい
る。
【0053】また、本制御装置では、カット機構7の操
作に応じて、ESRレンジが設定される。このESRレ
ンジが、T−ECU3における電気的制御によって設定
される実際のシフトレンジとなる。ESRレンジとして
は、D、4、3、2、Lレンジが設定される。このう
ち、D、3、Lレンジの設定内容は、上述のシフトポジ
ションのD、3、Lと同様である。4レンジおよび2レ
ンジの設定内容を下記に示す; (4)4レンジ:1速から4速の範囲で変速段を設定す
る。4速にてエンジンブレーキが効く; (5)2レンジ:1速または2速を設定する。2速でエ
ンジンブレーキが効く; ESRレンジが設定されていないときは、シフトポジシ
ョンに応じた変速制御が行われる。ESRレンジが設定
されると、各レンジに応じた変速制御が行われる。
【0054】図2は、油圧制御装置1の構成を示してお
り、前述の図25に相当するブロック図である。前述の
ように、油圧制御装置1は油圧回路21を備えており、
この油圧回路21は、シフト弁やリレー弁などの図示し
ない複数の制御弁を有している。油圧制御装置1には、
さらに、制御弁を移動させるための複数のソレノイド2
3(図25のSOL1など)が設けられており、このソ
レノイド23はT−ECU3と接続されている。
【0055】油圧回路21には、オイルポンプから油圧
が供給される。油圧回路21では各制御弁の位置に応じ
た油圧経路が設定され、この油圧経路に従って自動変速
機Aのサーボ手段に油圧が供給される。ソレノイド23
を駆動して各制御弁の位置の組み合わせを変更すると異
なる油圧経路が設定される。この新たな油圧経路に従っ
て、自動変速機Aのサーボ手段が動作し、シフトチェン
ジが行われ、また、エンジンブレーキ制御が行われる。
【0056】また、油圧回路21には、マニュアル弁2
5(図25のマニュアルバルブ140に相当)が設けら
れている。マニュアル弁25は、ケーブル27(または
ロッド)を介してシフトレバー装置5と接続されてい
る。すなわち、マニュアル弁25の移動は、シフトレバ
ー装置5の動作を機械的に伝達することにより行われ
る。マニュアル弁25は、軸方向に移動することによ
り、Pポジション、Rポジション、Nポジション、Dポ
ジション、3ポジションおよびLポジションに対応する
位置をとる。
【0057】さらに、油圧回路21は、マニュアル弁2
5に関連して、以下のように設定されている。マニュア
ル弁25がDポジションにある時には、制御弁の位置の
組み合わせにより、1速から5速の設定が可能である。
そして、ソレノイド23がすべて駆動不能となった場合
には、5速が設定される。同様に、マニュアル弁25が
3ポジションにある時には、制御弁の位置の組み合わせ
により、1速から4速の設定が可能である。そして、ソ
レノイド23がすべて駆動不能となった場合には、4速
が設定される。同様に、マニュアル弁25がLポジショ
ンにある時には、1速であってエンジンブレーキが効く
状態の設定が可能である。
【0058】図3は、本制御装置を搭載したステアリン
グ30の付近の図であって、シフトレバー装置5とカッ
ト機構7が示されている。シフトレバー装置5は、後述
する機械的制御によりシフトレンジを設定するための操
作手段である。シフトレバー装置5は、ステアリングコ
ラムまたはインパネに設けられた図示しないシフトレー
ンと、このシフトレーンにそって移動するシフトレバー
31を有する。また、カット機構7は、後述するESR
モードにて、電気的制御によりシフトレンジを設定する
ための操作手段である。カット機構7は、ステアリング
コラムから突出するように設けられたカットレバー33
を有する。
【0059】図4はシフトレーンの構成を示しており、
シフトレーンには、図示のように、各シフトレポジショ
ンが設定されている。すなわち、シフトレーンには、P
ポジション、Rポジション、Nポジション、Dポジショ
ン、3ポジションおよびLポジションが設定されてい
る。シフトレバー31が各ポジションに移動されたと
き、油圧制御装置1に設けられたマニュアル弁25が、
そのポジションに対応する位置に移動する。また、シフ
トレーンには、Sportポジションが設けられてい
る。このポジションにシフトレバー31があるときは、
スポーツモード(原則として、運転者が変速操作を行わ
れないかぎり、変速段をホールドするモード)が設定さ
れる。
【0060】また、シフトレーンの下方には、メインス
イッチ35が設けられている。このメインスイッチ35
は、ESRモードを設定および解除するためのスイッチ
である。このメインスイッチ35の操作により、後述す
るカット機構7がアクティブ状態とノンアクティブ状態
とに切り換えられる。すなわち、メインスイッチ35が
一度押されると、カットレバー33の操作に応じてカッ
ト機構7が機能する。メインスイッチ35がもう一度押
されると、運転者がカットレバー33を操作しても、カ
ット機構7は機能しない。なお、ESRモードの設定
は、イグニッションオフとともに自動キャンセルされ
る。
【0061】図5は、カットレバー33の機能を示す説
明図である。カットレバー33は、運転者の操作によっ
て4方向に倒すことができるように構成されている。倒
されたカットレバー33は、運転者が手を離すと、自動
的に元の位置に戻る。運転者は、カットレバー33を用
いて、下記の4種類の操作を行う; 「カット操作」:時計まわり方向にカットレバー33を
倒す; 「カットオフ操作」:反時計まわり方向にカットレバー
33を倒す; 「キャンセル操作」:カットレバー33を手前側(ステ
アリング30の側)に倒す; 「2段カット操作」:カットレバー33を向こう側に倒
す; 上記の4種の操作は、それぞれ、T−ECU3によって
検出される。
【0062】なお、カットレバー33の位置や長さの設
定は、運転者がステアリング30を握ったまま指先でカ
ットレバー33を操作できるように設定されている。そ
のほか、前述のメインスイッチ35は、カットレバー3
3の先端に設けてもよい。
【0063】次に、T−ECU3について説明する。T
−ECU3は電子制御装置であり、油圧制御装置1のソ
レノイド23の駆動を制御している。T−ECU3は、
シフトレバー装置5におけるシフトレバー31のポジシ
ョンを検出する。また、カット機構7における、各種の
操作を検出し、また、メインスイッチ35の操作を検出
する。また、T−ECU3には、C/Cスイッチ9か
ら、クルーズコントロール装置の操作に関する情報が入
力される。また、T−ECU3には、車速やスロットル
開度、エンジン作動状態(例えばエンジン負荷)などの
情報が入力される。T−ECU3は、検出した情報や入
力情報に基づいて、シフトレンジを設定する。そして、
設定したシフトレンジの範囲内で、入力情報に基づいて
変速段を決定する。さらに、決定した変速段が実現され
るように、油圧制御装置1のソレノイド23を駆動させ
る。また、シフトレンジに関する情報を、シフトレバー
位置インジケータ11やESRインジケータ13に出力
して表示させる。
【0064】ここで、後述するESRモードが設定さ
れ、T−ECU3にて電気的制御によってシフトレンジ
が設定された場合、そのシフトレンジに対応する前述の
シフトポジションと同様の変速段への変速が行われ、ま
た、同様のギヤ段にてエンジンブレーキがかけられる。
例えば、電気的制御によって3レンジが設定されれば、
前述の3ポジションと同様に、1速から3速の範囲で変
速が実行され、3速にてエンジンブレーキがかけられ
る。
【0065】[3]「自動変速機制御装置による制御」 「シフトレンジの機械的制御」運転者がシフトレバー装
置5を操作すると、この操作が、ケーブル27を介し
て、油圧制御装置1のマニュアル弁25へ機械的に伝達
され、マニュアル弁25が移動する。これにより、マニ
ュアル弁25の位置に対応してシフトポジションが設定
される。一方、T−ECU3は、シフトレバー31の位
置に基づいて、設定されたシフトポジションを検出す
る。そして、このシフトポジションの設定内でシフトチ
ェンジが行われるように、油圧制御装置1のソレノイド
23へ制御信号を出力する。
【0066】機械的制御により設定されたシフトポジシ
ョンは、基準のシフトレンジとなる。このシフトポジシ
ョンの設定状態は、後述する電気的制御により実際の制
御のシフトレンジが変更された場合でも、そのまま保持
される。従って、電気的な制御手段たるカット機構7が
フェイルした時には、実際のシフトレンジから、基準で
あるシフトレンジに戻る。
【0067】また、T−ECU3は、設定されたシフト
ポジションをインパネに設けられたシフトレバー位置イ
ンジケータ11に表示する。図6は、シフトレバー位置
インジケータ11を示しており、P、R、N、D、3、
Lの文字が表示され、設定中のシフトポジション(図6
ではDポジション)の部分に下線が表示されている。あ
るいは、設定中のシフトポジションの文字を点灯し、他
のポジションの文字を消灯するように構成してもよい。
【0068】本実施形態では、機械的制御によりDポジ
ション、3ポジション、Lポジションのみが設定さる。
一方で、下記に説明するように、電気的制御によりD〜
Lのシフトレンジが設定される。運転者は、通常、カッ
ト機構7により、各種のシフトレンジを設定する。そし
て、カット機構7がフェイルしたときに、シフトレバー
31を操作して3ポジションやLポジションを設定す
る。このような構成により、シフトレバー31のポジシ
ョン数を減らし、シフトレバー装置5を小型化してい
る。なお、従来、5速式自動変速機用のシフトレバー装
置5は大型であり、ステアリング30のコラムやインパ
ネに設けることが困難であった。本実施形態では、運転
者が操作しやすい自由な位置にシフトレバー装置5を設
けることが可能となっている。
【0069】「シフトレンジの電気的制御(ESRモー
ド)」 (1)モード設定 上記の機械的制御が行われている状態でメインスイッチ
35が押されると、T−ECU3がESRモードを設定
する。電気的制御は、ESRモードが設定された状態に
おいて行われる。ただし、ESRモードは、シフトレバ
ー31がDポジションにあるときのみ設定される。シフ
トレバー31が他のポジションにあるときにメインスイ
ッチ35が押されても、T−ECU3はこの操作を受け
付けない。
【0070】T−ECU3は、インパネに設けられたE
SRインジケータ13を点灯させることにより、ESR
モードが設定されていることを表示する。図7は、ES
Rインジケータ13の表示を示している。図7の上段
は、ESRモード設定前の状態であって、何も表示され
ていない(消灯)。図7の中段は、ESRモードが設定
された状態であり、「メイン」と表示されている(点
灯)。
【0071】(2)初回設定ESRレンジ メインスイッチ35が押されるとESRモードが設定さ
れるが、この状態では、まだDポジションが設定されて
いる。この状態から「カット操作(カットレバー33を
時計まわり方向に倒す操作)」が行われると、T−EC
U3がESRレンジを設定する。特に、ESRモードが
設定されてから、最初のカット操作に対応して設定され
るESRレンジを「初回設定ESRレンジ」という。
【0072】ここで、「ESRレンジ」とは、カットレ
バー33の操作によって設定されるシフトレンジをい
う。例えば、T−ECU3が、ESRレンジとして3レ
ンジを設定したとする。この場合、マニュアル弁25は
Dポジションにあり、油圧回路21の設定上、1速から
5速までのシフトチェンジが可能である。しかし、T−
ECU3は、ソレノイド23に対して、1速から3速ま
でのシフトチェンジのみを指示する。このように、実際
のシフトレンジは、シフトレバー31により設定された
Dポジションから、カット機構7により設定されたES
Rレンジへと変更される。
【0073】また、ESRレンジは、上記のように、T
−ECU3によって設定される実際のシフトレンジであ
る。従って、いわゆるスポーツモード(変速段がホール
ドされる)とは異なる。
【0074】図8は、「初回設定ESRレンジ」の設定
を示している。「初回設定ESRレンジ」は、カット操
作が行われたときの現変速段に基づいて設定され、この
現変速段より一つ下の変速段を最高変速段とするシフト
レンジが「初回設定ESRレンジ」となる。具体的に
は、カット操作時に5速が設定されていれば、ESRレ
ンジは4レンジとなり、4速であれば3レンジ、3速で
あれば2レンジ、2速であればLレンジとなる。カット
操作時に1速が設定されていれば、最低のシフトレンジ
であるLレンジが設定される。
【0075】なお、車速が高いために、図8の設定に従
うとエンジン回転数が高くなりすぎる場合がある。そこ
で、変速段毎に所定の上限車速が設定されている。T−
ECU3は、この上限車速よりも実車速が高いときに
は、図8に代えて、図9に従って「初回設定ESRレン
ジ」を設定する。この場合、ダウンレンジが行われるも
のの、ダウンシフトは行われない。しかし、エンジンブ
レーキが効く状態への切り換えが行われる。前述のよう
に、各シフトレンジは、最高変速段でエンジンブレーキ
が効くように設定されているからである。
【0076】また、ESRモードの設定後、最初に「2
段カット操作(カットレバー33を向こう側に倒す操
作)」が行われた場合、T−ECU3は、図8または図
9の該当レンジよりもさらに一つ下のレンジを「初回設
定ESRレンジ」として設定する。
【0077】(3)初回設定ESRレンジを設定した後
の制御 初回設定ESRレンジを設定した後は、図10に示す制
御が行われる。「カット操作」に応じて、ESRレンジ
が一つずつ下側に変更される。ただし、すでにLレンジ
が設定されているときは、ESRレンジは変更されな
い。また、ESRレンジの変更にともなってダウンシフ
トが発生するときであって(例えば、3レンジ、かつ、
3速走行中であるとき)、ダウンシフトによりエンジン
回転数が高くなりすぎる場合がある。この場合も、ES
Rレンジは変更されない。なお、このような状況を想定
して、予め、変速段ごとに上限車速が設定されている。
【0078】一方、T−ECU3は、「カットオフ操
作」に応じて、ESRレンジを一つずつ上側に変更す
る。ただし、Dレンジが設定されているときは、カット
オフ操作が行われてもESRレンジは変更されない。
【0079】また、「2段カット操作」が行われると、
T−ECU3は、ESRレンジを2つ下側に変更する。
ただし、操作時にLレンジであるときには、ESRレン
ジは変更されない。また、2レンジであった場合には、
Lレンジに変更される。また、上記の上限車速と実車速
を比較し、実車速が高い場合には、ESRレンジは変更
されず、あるいは、一つだけ下側に変更される。
【0080】また、「キャンセル操作(カットレバー3
3を手前側に倒す操作)」が行われると、Dレンジが設
定される。
【0081】また、ESRモードの設定中にシフトレバ
ー31が操作されたとき、T−ECU3は、ESRモー
ドを解除する。そして、シフトレバー31の移動後の位
置に応じてシフトポジションが設定される。
【0082】また、ESRモードの設定中において、D
レンジまたは4レンジが設定されている時は、C/Cス
イッチ9からの入力信号に応じたクルーズコントロール
制御が許可される。しかし、カット操作によりESRレ
ンジが3レンジ以下に変更されると、クルーズコントロ
ール制御が禁止される。また、ESRモードの設定中に
おいて、3レンジからLレンジが設定されている時に
は、T−ECU3は、C/Cスイッチ9からの入力信号
を受け付けない。
【0083】(4)ESRレンジの表示 図7の下段に示すように、T−ECU3は、設定中のE
SRレンジをESRインジケータ13に表示する。図7
は、ESRレンジとして、3レンジが表示された状態で
ある。運転者は、シフトレバー位置インジケータ11に
よりシフトレバー31のポジションを確認し、ESRイ
ンジケータ13によりT−ECU3が設定している実際
のシフトレンジを確認することができる。そして、シフ
トレバー31のポジションと実際のシフトレンジの相違
を考慮して運転する。
【0084】「全体の制御」以上、機械的制御と電気的
制御に分けて、本制御装置による制御について説明し
た。次に、図11のフローチャートに従って、T−EC
U3が行う処理について説明する。
【0085】スタート(S10)の後、入力信号を処理
し(S20)、シフトレバー31のポジションを検出す
る(S30)。シフトレバー31がDポジション以外の
ポジションにあるときは、そのポジションをシフトレバ
ー位置インジケータ11に出力し(S210)、ESR
インジケータ13を消灯し(不灯状態にする)(S22
0)、リターンする(S230)。シフトレバー31が
Dポジションにあるときは、ESRモードが設定されて
いるか否かを判断し(S40)、設定されていなければ
上記と同様のインジケータ表示を行う(S210、S2
20)。
【0086】一方、ESRモード設定中の場合、運転者
によるシフトレバー31の操作を調べる(S50)。シ
フトレバー31が移動したときは、ESRモードがキャ
ンセルされ、シフトレバー31の移動後の位置に応じて
シフトポジションが設定される(S60)。例えば、E
SRレンジとして2レンジが設定されており、シフトレ
バー31がDポジションから3ポジションへ移動したと
き、ステップS60により3ポジションが設定される。
そして、移動後のポジションをシフトレバー位置インジ
ケータ11に出力し(S70)、ESRインジケータ1
3を消灯し(不灯状態にする)(S80)、リターンす
る(S230)。
【0087】ステップS50で、シフトレバー31が操
作されないとき、カットレバー33に対する「キャンセ
ル操作」を調べ(S90)、「キャンセル操作」が行わ
れたときは、Dレンジを設定する(S100)。そし
て、シフトレバー位置インジケータ11にDポジション
を表示し(S110)、ESRインジケータ13に「メ
イン」のみを表示する(S120、図7中段)。
【0088】ステップS90で、「キャンセル操作」が
行われないとき、さらにカットレバー33の「カット操
作」を調べ(S130)、「カット操作」が行われたと
きは、ダウンレンジを行う(S140)。このステップ
S140は、図12に示すフローチャートに従って行わ
れる。図12において、まず、ESRレンジの設定を調
べる(S141)。まだESRレンジが設定されてない
ときは、実車速を所定の上限車速と比較し(S14
2)、実車速が上限車速以下の時は、前述の図8に従っ
て初回設定ESRレンジを設定する(S143)。実車
速が上限車速より高い時は、前述の図9に従って初回設
定ESRレンジを設定する(S144)。一方、ステッ
プS142で、すでにESRレンジが設定されている時
は、前述の図10に従ってダウンレンジを行う(S14
5)。これらの制御の後、シフトレバー位置インジケー
タ11にDポジションを表示し(S190)、ESRイ
ンジケータ13にESRレンジを表示する(S200、
図7下段)。
【0089】一方、ステップS130で「カット操作」
が行われないとき、さらにカットレバー33の「カット
オフ操作」を調べ(S150)、「カットオフ操作」が
行われたときは、前述の図10に従ってアップレンジを
行う(S160)。この場合も、上記と同様のインジケ
ータ表示を行う(S190、S200)。
【0090】また、ステップS150で「カットオフ操
作」が行われないとき、さらにカットレバー33の「2
段カット操作」を調べ(S170)、「2段カット操
作」が行われたときは、所定のダウンレンジを行う(S
180)。このステップS180では、前述のステップ
S140と同様に、初回設定ESRレンジの設定や、E
SRレンジの変更などを行う。この場合も、上記と同様
のインジケータ表示を行う(S190、S200)。
【0091】また、ステップS170で「2段カット操
作」が行われないとき、各インジケータの表示を変更せ
ず、すなわち、シフトレバー位置インジケータ11にD
ポジションを表示し(S190)、ESRレンジを継続
表示して(S200)、リターンする(S230)。
【0092】以上の制御では、図8に従って、初回設定
ESRレンジが設定される。図8に示すように、初回設
定ESRレンジとしては、カットオフ操作時の現変速段
を基準にして、この現変速段よりも一つ下の変速段を最
高変速段とするレンジが設定される。このESRレンジ
設定とともに、ダウンシフトが発生する。ダウンシフト
後の変速段では、エンジンブレーキが効く状態となる。
各前進レンジの最高変速段では、エンジンブレーキを効
かせるような制御が行われるからである。2段カットオ
フの時は2つ下の変速段を最高速段とするレンジの設定
がされる。
【0093】このように、運転者がカット操作を一回行
ったときに、確実にダウンシフトが行われる。そして、
エンジンブレーキを利用しながら車両を走行させること
ができる。
【0094】また、車速が高い場合には、図8でなく図
9に従って初回設定ESRレンジが設定される。この場
合には、ダウンレンジが行われるものの、ダウンシフト
は行われない。しかし、上記のように、各前進レンジの
最高変速段では、エンジンブレーキを効かせるような制
御が行われる。従って、ダウンレンジとともに、エンジ
ンブレーキが効く状態となる。運転者は、高車速の場合
でも、カット操作により、エンジンブレーキを利用しな
がら車両を走行させることができる。
【0095】[4]「本実施形態に特徴的な制御」 以下の説明において、「ESRシステム」と述べた場合
には、ESRモードを設定し、さらにESRレンジを設
定し、ESRレンジに従った自動変速機Aの変速等を実
行するための全構成を含むこととする。ESRシステム
には、操作系の構成と制御系の構成が含まれる。操作系
の構成は、ESRレンジ設定のための構成であり、カッ
ト機構7などが挙げられる。一方、制御系の構成は、実
際に変速を行うために自動変速機Aおよび制御装置に備
えられた部品であり、油圧制御装置1のソレノイド2
3、自動変速機Aの回転数センサなどの電気部品が挙げ
られる。図13に、ESRシステム、操作系構成、制御
系構成の関係を示す。
【0096】本実施形態では、操作系および制御系の構
成部品のフェールが検出され、フェールへの対処がなさ
れる。なお、制御系のフェールのみへの対処は、ESR
システムを備えない従来の自動変速機制御装置において
も行われている。本実施形態では、ESRシステムの提
供にあたり、操作系、制御系の両方のフェールの可能性
を考慮し、全体として適切な対応がとられる。
【0097】図14は、本実施形態に特徴的な制御を示
すフローチャートである。スタート(S610)の後、
入力信号を処理し(S620)、AT部品のフェールを
検出する(S630)。AT部品とは、自動変速機Aの
構成部品であり、AT部品の大部分は図13の制御系の
構成に含まれると考えてよい。ここでは、ソレノイド2
3、回転数センサがフェールしているか否かを判断す
る。フェール判断のための構成は、従来周知であり、こ
こでの詳細な説明は省略する。
【0098】AT部品がフェールしているときは、図示
しない所定のインジケータを点滅させる(S680)。
これにより、運転者は、自動変速機Aの機能に異常が発
生したことを知る。従来、AT部品の故障時にはO/D
(オーバードライブ)インジケータなどを点滅させるこ
とが周知であり、ここでは、同様の処理が行われる。
【0099】AT部品がフェールしていない場合は、ス
テップS640へ進む。また、ステップS680での表
示後もステップS640へ進む。ステップS640で
は、ESRシステムをONするための切換え操作が行わ
れたか否か、すなわち、メインスイッチ35がONされ
たか否かを判断する。なお、この判断は、システムのO
FFからONへの切換え操作に関する判断であって、シ
ステムがON状態(ESRモード設定中)であるか否か
の判断ではない。また、ここでは、ESRモード設定の
条件であるDポジションが設定されているか否かの判断
も行う。判断結果がNOの場合には、リターンする(S
690)。
【0100】システムONへの切換え操作が行われた時
は、ESRシステムがフェールしているか否かを判断し
(S650)、フェールしていなければリターンする
(S690)。ESRシステムの操作系、制御系の構成
部品のどれかがフェールしていれば、YESと判断され
る。従って、AT部品がフェールしておりステップS6
30がYESの時は、ここでの判断もYESであると考
えられる。また、ステップS630がNOでも、操作系
部品たるカット機構7がフェールしているときは、ここ
での判断がYESとなる。
【0101】ESRシステムにフェールが発生している
ときは、図7に示したESRインジケータ13の「メイ
ン」を点滅させる(S660)。これにより、ESRシ
ステムのフェールが運転者に通知される。その他、ES
RシステムがONになった時にロゴ「ESR」を点灯表
示させるインジケータを車室内のインパネに設けてお
き、このインジケータを点滅させてもよい。また、ES
Rシステムに通知音発生装置を設けておき、インジケー
タ点滅の代わりに通知音を発生させてもよい。この際、
インジケータ点滅と通知音発生の両方を実行させてもよ
い。
【0102】ステップS660にてESRインジケータ
13の「メイン」の点滅を数回、あるいは数秒間(2〜
3秒程度)行った後、ESRインジケータ13を消灯
し、リターンする(S690)。上記のその他の形態の
通知を採用した場合にも、この通知を数秒間でやめる。
ESRインジケータ13の消灯は、図11の正常時の制
御と同様に、ESRシステムがノンアクティブであるこ
と(ESRモードが設定されていないこと)を示す。
【0103】以上の処理によれば、下記の表示が行われ
る; (1)AT部品がフェールした場合;AT部品のフェー
ルを示すインジケータの点滅が継続して行われる。そし
て、ESRシステムのON切換えが指示された時は、E
SRインジケータ13が数回あるいは数秒間だけ点滅す
る。
【0104】(2)ESRシステムにおけるAT部品以
外の構成がフェールした場合;AT部品のフェールを示
すインジケータの点滅は行われない。ESRシステムの
ON切換えが指示された時は、ESRインジケータ13
が数回あるいは数秒間だけ点滅する。
【0105】(3)ESRシステムの構成部品(AT部
品を含む)がフェールしていない場合;ESRシステム
のON切換えが指示された時は、ESRインジケータ1
3が点灯する。
【0106】上記(1)〜(3)は、ESRシステムに
とっては、ESRシステムのON切換え指示されたとき
に下記の表示が行われるものと見ることができる; (A)操作系部品がフェールしている場合;ESRイン
ジケータ13が数回あるいは数秒間、点滅する; (B)制御系部品がフェールしている場合;ESRイン
ジケータ13が数回あるいは数秒間、点滅する。また、
AT部品のフェールを示すインジケータが継続的に点滅
する。後者のための構成は、従来の自動変速機の故障を
知らせるための構成と兼用される; (C)フェールなしの場合;ESRインジケータ13が
点灯する。
【0107】運転者は、ESRインジケータ13の点滅
を見て、ESRシステムに異常が発生したことを容易に
知ることができる。ESRシステムをONするための操
作時にインジケータ点滅を実行することにより、適切な
タイミングに異常発生が知らされる。そして、運転者
は、その後にESRインジケータ13が消灯するので、
ESRシステムがノンアクティブであること(ESRモ
ードが設定されなかったこと)を知る。そこで、運転者
は、ESRモードを利用せずに運転操作を行う。
【0108】本実施形態では、ESRインジケータ13
を数回または数秒間で消灯するので下記の利点がある。
AT部品がフェールした場合、このことを示すインジケ
ータ点滅が継続的に行われる。ここで、さらにESRイ
ンジケータ13を点滅させることは、一つの故障に対し
て2箇所のインジケータが点滅することを意味し、これ
は運転者に無用な違和感を与える可能性があるので好ま
しくない。本実施形態では、ESRシステムの異常を知
らせるための数回または数秒間の点滅後は、ESRイン
ジケータ13を消灯するので、運転者に違和感を与える
ことがない。
【0109】本制御装置は、ESRシステムのフェール
が検出された場合、インジケータ表示とは別に、下記の
ように動作する。本制御装置は、ESRモードの実行を
禁止する。ESRモード設定中の場合には、これを解除
する。それから、その時のシフトポジションに対応する
制御を行う。この際、下記(a)、(b)に示すよう
に、フェール状態に応じて異なる制御が行われる。な
お、ここでは、シフトレバーがDポジションにあるとす
る。
【0110】(a)制御系部品(またはAT部品)のフ
ェールである場合;Dポジションでのフェール処理が行
われる。前述の図23〜図25に関連して示されるよう
に、例えば、油圧制御装置の全部のソレノイドがオフフ
ェールした場合には、5速への切り換えが自動的に行わ
れる。
【0111】(b)操作系部品(またはAT部品以外、
例えばカット機構)のフェールである場合;この時は、
ESRモードの実行はできないものの、通常の自動変速
機の制御は可能である。すなわち、ESRモードの実行
のみを禁止すればよく、上記(a)のフェール対応制御
まで行う必要はない。そこで、通常のDポジションでの
制御が行われる。
【0112】このように、本実施形態では、操作系のフ
ェールに対しては、ESRシステムの作動が禁止され、
Dポジションでの通常の変速制御が行われる。一方、制
御系のフェールに対しては、Dポジションでのフェール
発生時の処理が行われる。従って、フェール状態に応じ
た適切な処理がなされる。
【0113】なお、本実施形態では、シフトレンジの切
換えをT−ECU3での電気的制御によって行う場合を
説明したが、シフトレンジではなくギヤ段の切換えを電
気的制御により行う場合にも同様に本発明を適用でき
る。
【0114】[5]「本発明を適用する自動変速機制御
装置の変形例」 以下の変形例では、本発明が上述の実施形態と同様にし
て適用される。すなわち、図10に関連して説明したよ
うにインジケータを表示させる制御が行われる。また、
ESRシステムのフェールに対応し、そのときのシフト
ポジションでの制御に復帰する処理が行われる。なお、
上記の実施形態と同様の内容については、適宜、説明を
省略し、以下では相違点を中心に説明する。
【0115】「変形例1」図15は、この変形例1のシ
フトレバー装置のシフトレーンの構成を示している。こ
の変形例において特徴的な構成は、Dポジションの横に
設けられたMポジションである。
【0116】上記の実施形態の自動変速機制御装置で
は、メインスイッチ35がONされると、ESRレンジ
設定のためのカット機構7が有効化する。このメインス
イッチ35は、図16に示すように、シフトレバー装置
とは別に設けられている。
【0117】一方、この変形例では、Mポジションが、
上記のメインスイッチ35と同様に機能する。すなわ
ち、本変形例は、メインスイッチ35がシフトレバー装
置に組み込まれた実施形態である。これに応じ、元のメ
インスイッチ35は廃止されている。
【0118】その他、本変形例では、Mポジションの追
加に伴って、油圧制御装置1の油圧回路中のマニュアル
弁25の構成が変更されている。ここでは、シフトレバ
ーがDポジションにあるときもMポジションにあるとき
も、油圧回路の動作が同様になるように変更すればよ
い。
【0119】本変形例による制御を説明する。シフトレ
バーがMポジションにないときには、ESRモードが設
定されず、カット機構7は有効化しない。シフトレバー
がMポジションに移動すると、ESRモードが設定さ
れ、カット機構7が有効化する。
【0120】Mポジションへの移動時は、Dレンジが設
定される。この状態は、上記の実施形態において、シフ
トレバーがDポジションにあるときにメインスイッチ3
5がONされたのと同等の状態である。Dレンジでは、
シフトレバーがDポジションにあるときと同様の変速制
御が行われる。
【0121】カット機構7の操作に対応したESRレン
ジの切り換えは、前述の実施形態の通りである。すなわ
ち、図8、図9に従った初回設定ESRレンジを設定
し、さらに、図10に従って、D、4、3、2、Lレン
ジへの変更を行う。また、変速線、ロックアップ線の制
御内容は、Dポジションの場合と同様とする。
【0122】また、図14のステップS640では、E
SRシステムをONする操作の有無を判断するとき、メ
インスイッチ35のON/OFFを検出していた。この
変形例では、DポジションからMポジションへのシフト
レバーの移動が行われたか否かを検出する。
【0123】「変形例2」ここでは、変形例1に対し
て、以下の点を変更する。変形例1では、シフトレバー
がDポジションからMポジションに移動した時に、ES
Rモードが設定されるとともに、まず、Dレンジが設定
された。変形例2では、Mポジションへの移動時に、4
レンジを設定する。これにより、変形例2では、ESR
モードの設定時にオーバードライブがカットされる。
【0124】上記の実施形態では、ESRシステムの構
成部品(AT部品を除く)がフェイルしたときには、D
レンジが設定された。これと異なり、変形例2では、4
レンジが設定される。その他の制御は、上記の実施形態
および変形例1と同様である。
【0125】「変形例3」図16は、この変形例におけ
る、シフトレバー装置5のシフトレーンを示している。
この変形例では、通常は、シフトレバー31をLポジシ
ョンに移動させることができない。運転者はFailス
イッチ37を押したときに、シフトレバー31をLポジ
ションへ移動することができる。なお、Failスイッ
チ37は、Pポジションのロック解除スイッチと共用に
してもよい。
【0126】この構成では、通常、カット機構7の操作
により、エンジンブレーキレンジ(4レンジからLレン
ジ)を設定する。カット機構7がフェイルした時のみ、
シフトレバー31を操作してエンジンブレーキポジショ
ンを設定する。
【0127】「変形例4」図17は、この変形例におけ
る、ステアリングの付近を示す説明図である。この変形
例では、カット機構7が、ステアリング30の中央付近
に設けられたカットスイッチ38およびカットオフスイ
ッチ39を備えている。カットスイッチ38を押し下げ
る操作が「カット操作」であり、カットオフスイッチ3
9を押し下げる操作が「カットオフ操作」である。
【0128】「変形例5」上記では、ESRモードの設
定後、最初のカット操作に対応して、図8や図9の「初
回設定ESRレンジ」を設定している。これに対し、E
SRモード制御中でDレンジが設定されているときは、
いつでも、カット操作に対応して図8や図9のレンジ変
更を行うように構成してもよい。具体的には、カット操
作やカットオフ操作を経てDレンジが設定されていると
きでも、次回のカット操作により図8や図9のレンジ変
更を行う。
【0129】「変形例6」上記の実施形態では、シフト
レバー操作によりDポジションが設定されているときの
み、ESRモードが設定される。この変形例では、Dポ
ジション以外が設定されているときでも、ESRモード
が設定される。そして、どのシフトポジションでESR
システムに異常が発生したときでも、図14のフローチ
ャートに従った処理が実行される。「ESRシステムの
作動を禁止するとともに、その時のシフトポジションで
の制御を行う」という異常対応処理についても同様であ
る。なお、以下の説明において、上述の実施形態と共通
する構成に関する説明を省略する。
【0130】油圧制御装置1の構成は、上述の実施形態
と同様である。ただし、マニュアル弁25は、軸方向の
移動により、Pポジション、Rポジション、Nポジショ
ン、Dポジション、4ポジション、3ポジション、2ポ
ジション、Lポジションに対応する位置をとる。すなわ
ち、4ポジションおよび2ポジションが追加されてい
る。マニュアル弁25が4ポジションにある時には、制
御弁の位置の組み合わせにより、1速から5速の設定が
可能である。そして、ソレノイド23がすべて駆動不能
となった場合には、5速が設定される。同様に、マニュ
アル弁25が2ポジションにある時には、制御弁の位置
の組み合わせにより、1速から3速の設定が可能であ
る。そして、ソレノイド23がすべて駆動不能となった
場合には、3速であってエンジンブレーキが効く状態が
設定される。
【0131】図18は、この変形例におけるシフトレバ
ー装置5のシフトレーンを示している。油圧制御装置1
の構成に対応し、シフトレーンには、P、R、N、D、
4、3、2、Lのポジションが設定されている。
【0132】図19は、ステアリング付近を示してい
る。変形例6では、シフトレバー装置5はフロアーに設
けられているので、図19には示されていない。また、
カット機構7は、ステアリング30の表側(運転者側)
に設けられた−スイッチ41と、裏側に設けられた+ス
イッチ43を備えている。−スイッチ41を押す操作が
「カット操作」であり、+スイッチ43を押す操作が
「カットオフ操作」である。なお、このような構成でな
く、上述の実施形態に示したカット機構7を設けてもよ
いことはもちろんである。
【0133】次に、変形例6の自動変速機制御装置の動
作について説明する。
【0134】「シフトレンジの機械的制御」変形例6に
おける機械的制御は、上述の実施形態と同様である。た
だし、この変形例では、機械的制御によって4ポジショ
ンおよび2ポジションを設定することができる。すなわ
ち、運転者がシフトレバー31を4ポジションまたは2
ポジションに移動すると、この移動が機械的伝達手段に
よって油圧制御装置1のマニュアル弁25に伝えられ、
それぞれのシフトポジションが設定される。
【0135】図20は、変形例6におけるシフトレバー
位置インジケータ11を示している。図示のように、4
ポジション、2ポジションの表示が追加されている。な
お、図20には、4ポジションの設定状態が表示されて
いる。
【0136】「シフトレンジの電気的制御(ESRモー
ド)」 (1)モード設定 メインスイッチ35の押し下げに応じて、T−ECU3
がESRモードを設定する。変形例6では、シフトレバ
ー31がどの前進ポジションにあるときでもESRモー
ドが設定される。
【0137】(2)カット機構7操作に対応する制御 図21は、カット機構7の操作に対応するシフトレンジ
設定変更を示している。同図に基づき、各操作に対応す
る制御を説明する。
【0138】(a)「カット操作(−スイッチ41の押
し下げ)」 カット操作に対応して、一つ下側のESRレンジへの変
更が行われる。例えば、シフトレバー31が4ポジショ
ンにあり、ESRモードが設定されているときは、カッ
ト操作に応じて、順次、3レンジ、2レンジと変更され
る。
【0139】なお、上述の実施形態と同様、ダウンレン
ジにともなってダウンシフトが発生し、このダウンシフ
トによってエンジン回転数が高くなりすぎるような状況
では、ダウンレンジが禁止される。
【0140】(b)「カットオフ操作(+スイッチ43
の押し下げ)」 カットオフに対応して、一つ上側のESRレンジへの変
更が行われる。例えば、シフトレバー31がDポジショ
ンにあり、ESRレンジとして2レンジが設定されてい
るときは、カット操作に応じて、順次、3レンジ、4レ
ンジと変更される。
【0141】ここで、カットオフ操作に対応するESR
レンジの変更は、下記のように制限されている。すなわ
ち、カットオフ操作によって設定できる最高のESRレ
ンジは、その時のシフトレバー31のポジションに相当
するレンジである。例えば、シフトレバー31が3ポジ
ションにある時、図21に示すように、カットオフ操作
により設定されるESRレンジは、Lレンジから3レン
ジまでに制限されている。そして、3レンジ設定中にカ
ットオフ操作が行われても、T−ECU3はこの操作を
受け付けない。
【0142】(c)「2段カット操作」 2段カット操作に対応して、2つ下側のESRレンジへ
の変更が行われる。上述の実施形態の場合と同様の制御
が行われる。
【0143】(d)「キャンセル操作」 キャンセル操作に対応して、ESRレンジの設定がキャ
ンセルされる。そして、ESRレンジは、図21に示す
ように、その時のシフトレバー31のポジションに相当
するレンジに変更される。
【0144】なお、カット機構7によりESRレンジが
設定されている状態において、シフトレバー31が操作
された場合には、以下の制御が行われる。ESRレンジ
の設定がキャンセルされ、前述の機械的制御により、シ
フトレバー31の移動後のポジションが設定される。こ
の時、ESRモードの設定は解除されない。従って運転
者は、再度メインスイッチ35を押さずとも、カット操
作により、再び、ESRレンジを設定できる。さらにま
た、シフトレバー31が操作されたとき、ESRインジ
ケータ13は、「メイン」の表示を残して消灯される
(図7中段)。
【0145】上記のほか、電気的制御の詳細や各インジ
ケータの表示は、上述の実施形態と同様であり、説明を
省略する。
【0146】「全体の制御」次に、図22のフローチャ
ートに従って、T−ECU3が行う全体処理について説
明する。
【0147】スタート(S310)の後、入力信号を処
理し(S320)、シフトレバー31のポジションを検
出する(S330)。シフトレバー31が前進ポジショ
ン以外(P、R、N)にあるときは、そのポジションを
シフトレバー位置インジケータ11に出力し(S51
0)、ESRインジケータ13を消灯し(不灯状態にす
る)(S520)、リターンする(S530)。シフト
レバー31が前進ポジション(D〜L)にあるときは、
ESRモードが設定されているか否かを判断し(S33
0)、設定されていなければ上記と同様のインジケータ
表示を行う(S510、S520)。
【0148】一方、ESRモードが設定中の場合、運転
者によるシフトレバー31の操作を調べる(S35
0)。シフトレバー31が移動したときは、設定中のE
SRレンジがキャンセルされ、シフトレバー31の移動
後の位置に応じてシフトポジションが設定される(S3
60)。そして、移動後のポジションをシフトレバー位
置インジケータ11に出力し(S370)、ESRイン
ジケータ13を消灯し(図7中段の状態にする)(S3
80)、リターンする(S530)。
【0149】ステップS350で、シフトレバー31が
操作されないとき、カットレバー33に対する「キャン
セル操作」を調べる(S390)。「キャンセル操作」
が行われたときは、その時のシフトレバー31の位置に
応じてシフトポジションが設定される(S400)。こ
のポジションがシフトレバー位置インジケータ11に表
示され(S410)、ESRインジケータ13に「メイ
ン」のみが表示される(S420、図7中段)。
【0150】ステップS390で、「キャンセル操作」
が行われないとき、さらにカットレバー33の「カット
操作」を調べ(S430)、「カット操作」が行われた
ときは、図21の設定に従ってダウンレンジを行う(S
440)。そして、シフトレバー31のポジションを表
示し(S490)、ダウンレンジ後のESRレンジをE
SRインジケータ13に表示する(S500、図7下
段)。
【0151】一方、ステップS430で「カット操作」
が行われないとき、さらにカットレバー33の「カット
オフ操作」を調べ(S450)、「カットオフ操作」が
行われたときは、図21に従ってアップレンジを行う
(S460)。特にこの時、前述のように、ESRレン
ジが、最高でも、その時のシフトレバー31位置に相当
するレンジとなるように制限される。この場合も、上記
と同様のインジケータ表示を行う(S490、S50
0)。
【0152】また、ステップS450で「カットオフ操
作」が行われないとき、さらにカットレバー33の「2
段カット操作」を調べ(S470)、「2段カット操
作」が行われたときは、所定のダウンレンジを行う(S
480)。この場合も、上記と同様のインジケータ表示
を行う(S490、S500)。
【0153】また、ステップS470で「2段カット操
作」が行われないとき、各インジケータの表示を継続し
(S490、S500)、リターンする(S530)。
【0154】以上、変形例6の自動変速機制御装置につ
いて説明した。ここでは、例えばESRレンジがキャン
セルされた時に運転者に違和感を与えるないように構成
されている。具体例として、シフトレバー31が2ポジ
ションにあるときにESRレンジとして5レンジが設定
されている場合があげられる。この時、ESRレンジが
キャンセルされると、2速へのダウンシフトが強制的に
行われ、運転者に違和感を与えることがあった。一方、
変形例6では、ESRモードにて設定可能なESRレン
ジが、最高でも、その時のシフトレバー31位置に相当
するレンジに制限されている。従って、ESRレンジを
キャンセルしても、急にダウシフトが行われるといった
ことがなく、運転者は違和感を感じないですむ。
【0155】また、変形例6では、Dポジション以外の
前進ポジションでもシフトレンジの電気的制御を行うよ
うに構成することが容易である。例えば、シフトレバー
31が2ポジションにある時に、カット機構7を操作し
てDレンジからLレンジまで設定可能であったとする。
この場合、油圧制御装置1のソレノイド23がフェイル
した時に、2ポジションのエンジンブレーキを保証する
ことができず、エンジンブレーキを利用できなくなって
しまう可能性がある。一方、変形例6では、ESRモー
ドにて設定可能なESRレンジが、最高でも、その時の
シフトレバー31位置に相当するレンジに制限されてい
る。また、油圧制御装置1の油圧回路21は、ソレノイ
ド23がフェイルした時に、マニュアル弁25の位置に
応じて、1速〜5速にてエンジンブレーキが効く状態の
設定を保証している。かつ、マニュアル弁25は、機械
的伝達手段によりシフトレバー31と接続されている。
以上より、運転者は、ソレノイド23がフェイルした時
でも、シフトレバー21を操作して、エンジンブレーキ
を利用しながら車両を走行させることができる。
【0156】
【発明の効果】本発明によれば、実シフトレンジまたは
実ギヤ段の電気的制御についての制御モードを実行する
機能に異常が検出された場合に、このモード用の表示手
段の表示が変更されるので、異常発生が運転者に分かり
やすく伝えられる。また、表示手段の表示が、変更の後
に中止されるので、運転者に違和感を与えずにすむ。
【0157】また、本発明によれば、異常検出に対し
て、上記制御モードの実行が禁止され、基準シフトレン
ジに対応した制御への復帰が行われるので、制御系の異
常や操作系の異常などに対して適切な対応がとられる。
【0158】このように、本発明によれば、シフトレン
ジやギヤ段を電気的制御によって切り換える機能に異常
が発生した時に、適切に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】 図1の装置に含まれる油圧制御装置の構成を
示す説明図である。
【図3】 図1の制御装置を搭載した車両のステアリン
グの付近を示す説明図である。
【図4】 シフトレーンに設けられた、各シフトレンジ
に対応するポジションを示す説明図である。
【図5】 カット機構に備えられたカットレバーの機能
を示す説明図である。
【図6】 シフトレバー位置インジケータの表示を示す
説明図である。
【図7】 ESRインジケータの表示を示す説明図であ
る。
【図8】 初回設定ESRレンジの設定内容を示す説明
図である。
【図9】 高車速時の初回設定ESRレンジの設定内容
を示す説明図である。
【図10】 カット操作およびカットオフ操作に対応し
たESRレンジの設定変更の内容を示す説明図である。
【図11】 T−ECUが行う全体処理を示すフローチ
ャートである。
【図12】 運転者のカット操作に対応したダウンレン
ジ制御を示すフローチャートである。
【図13】 ESRシステムの制御系の構成と操作系の
構成の関係を示す説明図である。
【図14】 ESRシステムがフェールした時の制御を
示すフローチャートである。
【図15】 図1の実施形態の変形例2におけるシフト
レバー装置の構成を示す説明図である。
【図16】 図1の実施形態の変形例4における、シフ
トレバー装置の構成を示す説明図である。
【図17】 図1の実施形態の変形例5における、ステ
アリングの付近を示す説明図である。
【図18】 図1の実施形態の変形例6におけるシフト
レバー装置のシフトレーンを示す説明図である。
【図19】 変形例6の制御装置を搭載した車両のステ
アリング付近を示す説明図である。
【図20】 変形例6の制御装置におけるシフトレバー
位置インジケータを示す説明図である。
【図21】 変形例6の制御装置において、カット機構
の操作に対応するシフトレンジ設定の変更を示す説明図
である。
【図22】 変形例6の制御装置において、T−ECU
が行う全体処理を示すフローチャートである。
【図23】 実施形態の制御対象である自動変速機のギ
ヤトレーンの一例を示すスケルトン図である。
【図24】 図23の自動変速機において、各変速段を
設定するための摩擦係合装置の係合、解放状態を示す説
明図である。
【図25】 図23の自動変速機を制御するための油圧
制御装置における油圧回路の一例であって、油圧回路の
一部を示す部分油圧回路図である。
【符号の説明】
1 油圧制御装置、3 T−ECU、5 シフトレバー
装置、7 カット機構、11 シフトレバー位置インジ
ケータ、13 ESRインジケータ、21 油圧回路、
23 ソレノイド、25 マニュアル弁、27 ケーブ
ル、31 シフトレバー、33 カットレバー、35
メインスイッチ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行状態に応じて変速段を変更する自動
    変速機制御装置において、 機械的に設定された基準シフトレンジを、電気的制御に
    より、実際に設定される実シフトレンジまたは実ギヤ段
    に変更する制御モードを設定する手段と、 前記制御モードが設定されていることを表示する表示手
    段と、 前記制御モードを実行する機能の異常を検出する異常検
    出手段と、 前記制御モードを設定する操作が行われ、前記異常検出
    手段が異常を検出した場合に、前記表示手段に対して正
    常時と異なる表示を行わせ、その後に表示を中止させる
    表示変更手段と、 を有することを特徴とする自動変速機制御装置。
  2. 【請求項2】 走行状態に応じて変速段を変更する自動
    変速機制御装置において、 シフトレバー操作に応じて機械的に設定された基準シフ
    トレンジを、電気的制御により、実際に設定される実シ
    フトレンジまたは実ギヤ段に変更する制御モードを設定
    する手段と、 前記制御モードを実行する機能の異常を検出する異常検
    出手段と、 を有し、前記異常検出手段が異常を検出した場合に、異
    常対応処理として、前記制御モードの実行を禁止すると
    ともに、前記基準シフトレンジに対応した制御に復帰す
    ることを特徴とする自動変速機制御装置。
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