JPH1017812A - 紫外線硬化型インキ組成物 - Google Patents

紫外線硬化型インキ組成物

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JPH1017812A
JPH1017812A JP19386896A JP19386896A JPH1017812A JP H1017812 A JPH1017812 A JP H1017812A JP 19386896 A JP19386896 A JP 19386896A JP 19386896 A JP19386896 A JP 19386896A JP H1017812 A JPH1017812 A JP H1017812A
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JP
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monomer
copolymer
meth
acrylate
ultraviolet
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JP19386896A
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English (en)
Inventor
Sumie Nakagawa
純江 中川
Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性が高く、且つ耐薬品性に優れ、更に高
硬度で耐磨耗性及び光沢にも優れた硬化膜を形成する、
紫外線硬化型インキ組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の組成物は、1個以上の水酸基を
有する(メタ)アクリレート30重量%以上と、1個の
エチレン性不飽和基を有する単量体70重量%以下と
を、150〜350℃で連続重合して数平均分子量1,
000〜10,000の共重合体(a)を得、この共重
合体の水酸基に1個以上のエチレン性不飽和基と1個の
カルボキシル基を有する単量体をエステル化反応させて
得られた反応性樹脂(A)に対して、反応性希釈剤
(B)及び光開始剤(C)を配合する。上記重合に高温
連続重合法を用いれば、比較的高分子量で且つ低粘度の
共重合体が得られるので、組成物の硬化収縮を低減して
硬化膜の基材への密着性等を向上させることができる。
反応性希釈剤としては2官能以上の単量体が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線の照射によ
り硬化するインキ組成物に関し、詳しくは、基材に対し
て優れた密着性を示し、且つ耐溶剤性に優れ、更に高硬
度で耐磨耗性及び光沢にも優れた硬化膜を形成する紫外
線硬化型インキ組成物に関する。本発明のインキ組成物
は、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷及びグラ
ビア印刷等に利用され、特にオフセット印刷用のインキ
組成物として好適である。尚、本明細書においては、ア
クリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリ
レートと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メ
タ)アクリル酸と表す。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業等で使用する有機溶剤、
洗浄剤等が大気中に放出されることによる地球規模での
大気汚染が進み、生物への影響が懸念されている。この
ため、インキ組成物においても、ハイソリッド化、脱溶
剤化の検討が行われている。これらの問題を解決するも
のとして、紫外線の照射により硬化するインキ組成物が
知られており、ポリエステルアクリレート、エポキシア
クリレート、ウレタンアクリレート等のオリゴエステル
(メタ)アクリレートと反応性希釈剤とからなるもの等
がある。例えば、特開昭50−56423号公報には、
所定の構造を有するオリゴポリ(メタ)アクリレートを
含有する、硬化性、光沢及び硬度に優れた紫外線硬化性
顔料化組成物が開示されている。また、特開平8−34
948号公報には、所定の化合物と(メタ)アクリル酸
との反応生成物からなる、硬化性、印刷適性、硬度及び
耐溶剤性に優れた活性エネルギー線硬化型インキ用組成
物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の紫外線
硬化型インキ組成物においては、基材との密着力(接着
力)の高い硬化膜を得ることは困難であった。このよう
に密着力が低い原因は、熱乾燥や熱硬化により徐々にひ
ずみを緩和しながら硬化していく溶剤乾燥型樹脂を使用
する組成物や熱硬化型樹脂を使用する組成物と比較し
て、紫外線硬化型組成物では硬化に要する時間が短いた
め、硬化時の体積収縮により生じる応力ひずみを硬化膜
中にためやすいことにある。このため、特開昭50−5
6423号公報及び特開平8−34948号公報に記載
された組成物においても、その硬化膜と基材との密着性
は不十分であった。また、従来の紫外線硬化型インキ組
成物の中には、顔料分散性が不十分なものがあった。
【0004】本発明の目的は、顔料分散性に優れ、基材
に対する密着性が高く、且つ耐溶剤性に優れ、更に高硬
度で耐磨耗性及び光沢にも優れた硬化膜を形成する紫外
線硬化型インキ組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、特定の方法により得
られた反応性樹脂に、反応性希釈剤及び光開始剤を配合
した組成物が有効であることを見いだした。即ち、請求
項1記載の紫外線硬化型インキ組成物は、1個以上の水
酸基を有する(メタ)アクリレートの1種以上の30重
量%以上と、該(メタ)アクリレート以外で1個のエチ
レン性不飽和基を有する単量体の1種類以上の70重量
%以下とを、150〜350℃の共重合温度において連
続重合して数平均分子量1,000〜10,000の共
重合体(a)を得、次いで、1個以上のエチレン性不飽
和基と1個のカルボキシル基を有する単量体を上記共重
合体中の水酸基に対してエステル化反応させた反応性樹
脂(A)と、紫外線硬化型単量体の1種以上からなる反
応性希釈剤(B)と、光開始剤(C)と、を含有するこ
とを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の紫外線硬化型インキ
組成物は、請求項1記載の組成物において、上記1個の
エチレン性不飽和基を有する単量体の少なくとも1種類
はスチレン又はアルキルスチレンであり、上記共重合体
中における該スチレン又は該アルキルスチレンの共重合
割合は20〜60重量%であることを特徴とする。
【0007】更にまた、請求項3記載の紫外線硬化型イ
ンキ組成物は、請求項1又は2記載の組成物において、
上記共重合体のガラス転移温度は30℃〜120℃であ
ることを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
紫外線硬化型インキ組成物は、反応性樹脂(A)の骨格
となる共重合体(a)として、1個以上の水酸基を有す
る(メタ)アクリレート〔以下、「水酸基含有(メタ)
アクリレート」という。〕の1種以上と、該(メタ)ア
クリレート以外で1個のエチレン性不飽和基を有する単
量体(以下、「エチレン性不飽和単量体」という。)の
1種類以上とを重合して得た共重合体を使用する。
【0009】「水酸基含有(メタ)アクリレート」とし
ては、種々のものが使用でき、例えばヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びグリセリ
ンモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのモノ
又はポリ(メタ)アクリレート、並びにシクロヘキセン
オキシドと(メタ)アクリル酸との付加物等のエポキシ
ドと(メタ)アクリル酸との付加物が挙げられる。
【0010】「エチレン性不飽和単量体」は、前記水酸
基含有(メタ)アクリレート以外のものであれば種々の
ものが使用でき、例えば、スチレン、アルキルスチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニ
ル及び(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)
アクリレートの具体的としては、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エ
トキシエチル(メタ)アクリレート及びイソボロニル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0011】本発明における共重合体(a)は、水酸基
含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体と
の合計量に対して30重量%以上の水酸基含有(メタ)
アクリレートが共重合されたものである必要があり、4
0〜80重量%とすることが好ましい。これは、水酸基
含有(メタ)アクリレートの共重合割合が30重量%未
満であると、得られる反応性樹脂中において、後記する
1個以上のエチレン性不飽和基と1個のカルボキシル基
を有する単量体とのエステル化反応で導入されるエチレ
ン性不飽和基の量が不十分となり、これにより反応性樹
脂の紫外線硬化性や、硬化物の硬度、耐溶剤性及び耐磨
耗性等が不十分となるためである。
【0012】また、上記エチレン性不飽和単量体の少な
くとも1種類は、スチレン及びアルキルスチレン(以
下、「スチレン性単量体」という。)から選択すること
が好ましく、且つ上記共重合体中におけるスチレン性単
量体の共重合割合を20〜60重量%(好ましくは40
〜55重量%)とすることが好ましい。これは、20重
量%以上のスチレン性単量体を共重合することにより、
硬化後における反応性樹脂のガラス転移温度(Tg)が
上昇するので強靱な硬化膜を得ることができるととも
に、硬化膜の光沢が良好となるためである。しかし、ス
チレン性単量体の共重合割合が60重量%を超えると硬
化膜が硬くなりすぎ、このため密着性等の物性が低下す
る傾向にあるので、共重合割合の上限を60重量%とす
る。「スチレン性単量体」としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、α−エチルスチレン、β−メチルスチレ
ン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン等の、下
記化1に示す構造式で表される化合物から選択される一
種又は二種以上を使用可能である。このうち、スチレン
を用いることが特に好ましい。
【0013】
【化1】 (但し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれH又は炭素
数1〜6のアルキル基である)
【0014】更に、共重合体(a)は、そのガラス転移
温度(Tg)が30℃〜120℃の範囲となるように単
量体の種類及び共重合割合を選択することが好ましく、
50℃〜100℃の範囲とすることがより好ましい。こ
れは、Tgが30℃未満であると、後続するエステル化
反応で得られる反応性樹脂を含む本発明の組成物におい
て、その硬化膜の硬度が不十分となるためである。一
方、Tgが120℃を超える場合には、この組成物の硬
化時に生じる応力ひずみの緩和に長時間を要するため硬
化膜と基材との密着性が低下する。
【0015】共重合体(a)の数平均分子量は、1,0
00〜10,000である必要があり、好ましくは1,
000〜5,000である。数平均分子量が10,00
0を超えるものは、後記する1個以上のエチレン性不飽
和基と1個のカルボキシル基を有する単量体とのエステ
ル化反応における反応性が劣り、その結果反応性樹脂へ
のエチレン性不飽和基の導入割合が低下してしまった
り、或いはエステル化反応後の後理処理において、生成
物と塩基性水溶液又は水との分離が困難になることがあ
る。また、数平均分子量が10,000を超えると得ら
れた反応性樹脂の粘度が著しく高くなるので、インキ組
成物を塗工可能な粘度とするために多くの反応性希釈剤
を配合することとなる。このように反応性希釈剤の配合
割合が高くなると、組成物が皮膚刺激性を示す恐れがあ
り、また硬化膜と基材との密着性も低下する傾向にある
ため好ましくない。一方、共重合体の数平均分子量が
1,000より小さいと、得られた反応性樹脂からなる
組成物の硬化収縮が大きくなるため、その硬化膜と基材
との密着性が低下する。
【0016】また、本発明においては、該共重合体の重
量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)の対する
割合である「多分散度(Mw/Mn)」が2.5以下
(例えば、1.0〜2.5)のものを使用することが好
ましく、2.0以下(例えば、1.0〜2.0)のもの
を使用することがより好ましい。多分散度が2.5以下
である共重合体は、後記するエステル化反応における反
応性に優れるためである。また、数平均分子量が同程度
の場合には、多分散度が1に近いほど得られる反応性樹
脂が低粘度となる傾向にある。従って、より数平均分子
量の高い反応性樹脂を用いて塗工可能な粘度の組成物を
得ることができるため、硬化膜と基材との密着性を向上
させるうえで好ましい。尚、本発明において、数平均分
子量及び重量平均分子量とは、溶媒としてテトラヒドロ
フランを使用し、GPCにより測定した分子量をポリス
チレン換算した値である。
【0017】本発明において用いる共重合体は、水酸基
含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体と
を、150〜350℃の高温で連続重合して得られるも
のである。この高温連続重合法によれば、熱重合開始剤
を用いる必要がないか、又は熱重合開始剤を用いる場合
でも少量の使用で目的の分子量の共重合体が得られるた
め、熱や光によりラジカル種を発生するような不純物を
ほとんど含有しない純度の高い共重合体が得られる。こ
のため、後述する共重合体と1個以上のエチレン性不飽
和基と1個のカルボキシル基を有する単量体とのエステ
ル化反応を安定に行うことができ、また最終的に得られ
る反応性樹脂及びこの反応性樹脂からなるインキ組成物
の保存安定性に優れ、更にはこの組成物の硬化膜の耐候
性が優れたものとなる。また、従来の溶液重合により得
られるものに比べて多分散度の低い共重合体を容易に得
ることができるため、この共重合体の粘度が低くなるの
で好ましい。
【0018】高温連続重合法としては、特開昭57−5
02171号、同59−6207号及び同60−215
007号等に開示された公知の方法に従えばよい。例え
ば、加圧可能な反応器を溶媒で満たし、加圧下で所定温
度に設定した後、水酸基含有(メタ)アクリレートとエ
チレン性不飽和単量体、及び必要に応じて重合溶媒とか
らなる単量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給
し、単量体混合物の供給量に見合う量の反応液を抜き出
す方法が挙げられる。反応溶媒を使用する場合、反応開
始時に反応器に仕込む溶媒と単量体混合物に混合する反
応溶媒は同一であっても異なっていてもよい。
【0019】溶媒又は重合溶媒としては、生成した共重
合体を溶解できるものであれば特に限定されないが、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリ
プロピレングリコール等のアルコール、トルエン及びキ
シレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、メチルプロピレングリコールア
セテート、カルビトールアセテート及びエチルカルビト
ールアセテート等の酢酸エステル、並びにアセトン及び
メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。重合
溶媒としてアルコールを使用した場合には、共重合体製
造後にこのアルコールが反応液中にそのまま残った状態
で次のエステル化反応を実施すれば、反応性樹脂と反応
性希釈剤としての紫外線硬化型単量体とを同時に製造す
ることも可能である。重合溶媒の配合割合としては、単
量体混合物100重量部に対して200重量部以下であ
ることが好ましい。
【0020】また、単量体混合物には、必要に応じて熱
重合開始剤を混合することもできる。熱重合開始剤の種
類は特に限定されないが、アゾニトリル系の開始剤及び
過酸化物系の開始剤等が挙げられる。アゾニトリル系の
開始剤としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2'−アゾビス(2-メチルブチロニトリル)及び2,2'−
アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ
る。また、過酸化物系の開始剤としては、過酸化水素、
ジ−t−ブチルパーオキサイド及びベンゾイルパーオキ
サイド等が挙げられる。このうち、取扱いが容易なため
アゾニトリル系の開始剤を用いることが好ましい。熱重
合開始剤を単量体混合物に配合する場合の配合量として
は、単量体混合物100重量部に対して0.001〜5
重量部であることが好ましい。
【0021】本発明における高温連続重合の反応温度
は、150〜350℃の範囲とする。これは、反応温度
が150℃に満たない場合には、得られる共重合体の分
子量が大きくなりすぎたり、反応速度が遅くなってしま
うことがあり、他方350℃を超える場合には、分解反
応が発生して反応液に着色が見られたり、後述するエス
テル化反応が不安定になったり、得られる反応性樹脂が
不安定になることがあるためである。反応時の圧力は、
反応温度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存
するものであって反応には影響を及ぼさないが、前記反
応温度を維持できる圧力であればよい。単量体混合物の
滞留時間は、2〜60分であることが好ましい。滞留時
間が2分に満たない場合は、未反応単量体が多くなって
しまい、共重合体の収率が低下することがあり、他方滞
留時間が60分を超える場合は、生産性が悪くなってし
まうことがある。
【0022】本発明の組成物の(A)成分である反応性
樹脂は、上記のようにして得られた共重合体(a)中の
水酸基に対して、1個以上のエチレン性不飽和基と1個
のカルボキシル基を有する単量体(以下、「カルボキシ
ル基含有不飽和単量体」という。)をエステル化反応さ
せたものである。
【0023】カルボキシル基含有不飽和単量体の例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮
酸、アクリル酸又はメタクリル酸のマイケル付加による
2量体以上のオリゴマー、ω−カルボキシポリカプロラ
クトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート及びコハク酸モノヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。こ
れらの中でも、(メタ)アクリル酸が、得られる反応性
樹脂中のエチレン性不飽和基含有割合が高くなることか
ら、得られる反応性樹脂が反応性に優れるものとなるた
め好ましい。
【0024】共重合体中の水酸基に対するカルボキシル
基含有不飽和単量体の反応割合は、共重合体中の全水酸
基1モルに対して0.5〜2.0モルとすることが好ま
しく、1モル前後とすることが最も好ましい。この割合
が0.5モルに満たない場合には、エステル化の反応速
度が遅くなる他、カルボキシル基含有不飽和単量体の二
重結合に対する反応性樹脂中の水酸基のミカエル付加等
の副反応が起こり、反応液の粘度が上昇したり、後処理
における中和分離が困難になったり、得られる反応性樹
脂中のエチレン性不飽和基の割合が低くなることから該
樹脂の反応性が乏しくなってしまう場合がある。他方
2.0モルを超える場合には、未反応のカルボキシル基
含有不飽和単量体量が増えるばかりで経済的ではないこ
とに加えて、反応後の後処理が煩雑になる場合がある。
【0025】上記共重合体とカルボキシル基含有不飽和
単量体とのエステル化反応は、従来より知られた方法に
従えばよい。例えば、共重合体とカルボキシル基含有不
飽和単量体とを、触媒の存在下において加熱攪拌する方
法が挙げられる。この場合、反応は脱水反応であるた
め、反応系内より水を留去して反応を行うことが好まし
く、このためにベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エ
チル、酢酸ブチル及び/又はメチルイソブチルケトン等
の水と完全には混合しない溶媒を用いて、共沸により反
応で生成する水を反応系外に留去しながら反応を行うこ
とが好ましい。この場合の溶媒の使用量は、得られる反
応性樹脂の固形分濃度が20〜80重量%となる量が好
ましい。エステル化反応の触媒としては、硫酸、メタン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用
いる。好ましい触媒量は、反応液に対して0.1〜5重
量%である。反応温度は、使用する溶剤の沸点等によっ
て適宜決定すれば良いが、一般的には60〜140℃で
行うことが好ましい。また、この反応では、反応を安定
に行うために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル等の重合禁止剤を添加したり、分子状酸素
を吹き込むことが好ましい。重合禁止剤を使用する場合
は、反応液に対して10wtppm〜2重量%の範囲で
使用することが好ましい。
【0026】エステル化反応の終了後は、使用した酸性
触媒を反応液から除去するために、反応液と水酸化ナト
リウム水溶液等の塩基性水溶液とを混合することが好ま
しい。この混合液から水相を分離し、更に油相中の溶剤
を減圧で留去することにより、所望の反応性樹脂を得る
ことができる。
【0027】本発明の組成物の(B)成分である反応性
希釈剤は、組成物の粘度調整等の目的で配合される紫外
線硬化型単量体であり、一般に「反応性希釈剤」といわ
れる種々のものを用いることができる。ここで、本発明
の組成物においては、一分子中の紫外線硬化性官能基の
数が2個以上、即ち2官能以上の紫外線硬化型単量体を
用いることが好ましい。これは、2官能以上の紫外線硬
化型単量体を用いた組成物とすることにより、単官能の
ものを用いる場合に比べて、組成物の紫外線硬化性が良
好となり、また硬度が高く且つ耐磨耗性にも優れた硬化
膜を得ることができるためである。
【0028】このような2官能以上の紫外線硬化型単量
体としては、例えば下記〜に示すもの等が挙げられ
る。これらのうち、一種のみを用いてもよいし、二種以
上を併用してもよい。 エチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、テト
ラエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、トリ
プロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート等の、
グリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジト
リメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の
ポリオール又はそのアルキレンオキサイドの(メタ)ア
クリル酸エステル化物 ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)
アクリレート イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ又はトリ
(メタ)アクリレート
【0029】本発明の組成物においては、反応性樹脂
(A)と反応性希釈剤(B)との合計を100重量%と
した場合、反応性樹脂(A)30〜90重量%、反応性
希釈剤(B)10〜70重量%の割合で配合することが
好ましく、反応性樹脂(A)40〜80重量%、反応性
希釈剤(B)20〜60重量%の割合とすることが更に
好ましい。これは、反応性樹脂の割合が30重量未満で
あると組成物の硬化収縮を抑制する効果が不十分となる
ので硬化膜の基材への密着性が十分に得られず、また組
成物における顔料分散性も低下するためである。一方、
反応性希釈剤の割合が10重量未満であると、組成物の
粘度が高くなりすぎて取扱いが困難となったり、また硬
化膜の架橋密度が不足して耐溶剤性が低下する場合があ
る。
【0030】本発明の組成物における(C)成分として
は、種々の光開始剤剤及び/又は増感剤を用いることが
できる。特に代表的な光開始剤としては、2−メチル
〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−
1−プロパノン、ベンジルジメチルケタール及び1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェ
ノン類、ベンゾイン及びベンゾインメチルエーテル等の
ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン及びオルトベン
ゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン類、ジエチル
チオキサントン等のチオキサントン類、アントラキノン
類及びその誘導体、アシルホスフォンオキシド及びその
誘導体、並びにベンジル等が挙げられる。また、特に代
表的な光増感剤としては、アミン類、尿素類、イオウ化
合物、ニトリル類、リン化合物、窒素化合物及び塩素化
合物等を挙げることができる。これら光開始剤及び/又
は増感剤の配合量としては、反応性樹脂(A)及び反応
性希釈剤(B)、即ち「硬化性成分」の合計100重量
部に対して0.01〜20重量部が好ましく、より好ま
しくは0.1〜10重量部である。配合量が0.01重
量部未満では光重合の開始を促進する効果が不十分にな
り、他方20重量部を超えると組成物中における硬化性
成分の割合が減少してしまい、硬化物の特性が低下する
恐れがある。
【0031】本発明の組成物には、印刷インキとしての
適性を高めるために、上記必須成分に加えて各種のオリ
ゴマー及び/又は樹脂を配合することができる。このオ
リゴマーとしては、エポキシアクリレート、ロジン変性
エポキシアクリレート、脂肪酸変性エポキシアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート
及びポリオールポリアクリレート等の特殊アクリレート
等が挙げられる。また、上記樹脂としては、ジアリルフ
タレート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル、エポキシ樹
脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂及び石油樹脂等が挙げ
られる。更に、本発明の組成物には、上記成分の他に、
着色剤、顔料、表面平滑剤、消泡剤及び/又は粘度調整
剤等の各種添加剤、並びにハイドロキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、フェノチアジンン及びN−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等の
重合禁止剤を配合することもできる。これらの成分は、
上記硬化性成分100重量部に対して、その合計量が1
00重量部以下の範囲となる量で配合することが好まし
い。また、重合禁止剤を配合する場合には、組成物中に
おける配合割合を10wtppm〜2重量%とすること
が好ましい。
【0032】そして、本発明の組成物には、通常は無機
又は有機の顔料を配合する。この顔料の具体例として
は、酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リトボン、酸化アンチ
モン等の白色顔料、アニリンブラック、鉄黒、カーボン
ブラック等の黒色顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエ
ロー、ハンザイエロー(10G、5G、3G、その
他)、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄
色顔料、クロームバーミリオン、パーマネントオレン
ジ、バルカンファーストオレンジ、インダンスレンブリ
リアントオレンジ等の橙色顔料、酸化鉄、パーマネント
ブラウン、パラブラウン等の褐色顔料、ベンガラ、カド
ミウムレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド、ロ
ーダミンレーキ、アリザリンレーキ、チオインジゴレッ
ド、PVカーミン、モノライトファーストレッド、キナ
クドリン系赤色顔料等の赤色顔料、コバルト紫、マンガ
ン紫、ファーストバイオレット、メチルバイオレットレ
ーキ、インダンスレンブリリアントバイオレット、ジオ
キサジンバイオレット等の紫色顔料、群青、紺青、コバ
ルトブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルー
レーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニ
ンブルー、銅フタロシアニンブルー、インダスレンブル
ー、インジゴ等の青色顔料、クロムグリーン、酸化クロ
ム、エメラルドグリーン、ナフトールグリーン、グリー
ンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリ
ーンレーキ、フタロシアニングリーン、ポリクロルブロ
ム銅フタロシアニン等の緑色顔料の他、各種の蛍光顔
料、金属粉顔料、体質顔料等が挙げられる。これらの顔
料は、光開始剤を除いた本発明の組成物に対して1〜5
0重量部の範囲で配合することが好ましく、5〜30重
量部とすることが更に好ましい。
【0033】本発明のインキ組成物を用いる対象基材と
しては、セルロースを主成分とした普通紙の他に、例え
ば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等のフィ
ルム、シート、又はそれらで処理した紙、更に金属、木
材及び合成木材等が挙げられる。本発明の組成物は、特
に紙及びフィルムに対して好適に用いられる。これらの
基材にインキ組成物を印刷する方法としては、オフセッ
ト、グラビアオフセット、グラビア、スクリーン方式に
よる通常の印刷方法等、従来公知の方法を使用すればよ
い。本発明の組成物は、特にオフセット印刷用のインキ
組成物として好適である。
【0034】本発明のインキ組成物は、様々な光源、例
えば水銀アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ラ
ンプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写
ランプ及び周囲の日光からの照射光に暴露することによ
り硬化することができる。尚、本発明のインキ組成物
は、紫外線以外の活性エネルギー線、例えば電子線、γ
線等の照射により硬化することも可能である。これらの
方法により硬化する場合には、組成物への光開始剤
(C)の配合を省略することができる。
【0035】本発明の紫外線硬化型インキ組成物は、高
温連続重合法により製造された比較的高分子量で且つ低
粘度の共重合体(a)から得られた反応性樹脂(A)を
含む。この反応性樹脂(A)が比較的高分子量であるこ
とから、従来技術に比べて組成物の硬化収縮が抑制され
るため、基材との密着性に優れ、且つ耐溶剤性が良好で
あり、更に高硬度で耐磨耗性及び光沢にも優れた硬化膜
を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をより
詳細に説明する。尚、以下において、部及び%は重量基
準である。
【0037】〔参考例1〜7〕本発明の実施例に用いる
反応性樹脂の製造方法を説明する。 (1)高温連続重合法による共重合体の製造 電熱式ヒータを備えた容量300ml加圧式攪拌槽型反
応器をジエチレングリコールモノエチルエーテルで満た
し、温度を250℃にして、圧力調節器により圧力をゲ
ージ圧で25〜27kg/cm2 に保った。次いで、反
応器の圧力を一定に保ちながら、表1に示す組成の単量
体混合物を一定の供給速度(23g/分、滞留時間:1
4分)で原料タンクから反応器に連続供給し、単量体混
合物の供給量に相当する反応物を出口から連続的に抜き
出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、
重合熱による温度上昇が認められたが、ヒータを制御す
ることにより、反応温度を270〜271℃に保持し
た。
【0038】温度が安定した単量体混合物の供給開始か
ら1時間後を、次のエステル化反応の原料としての反応
液の抜き出し開始点とした。これから2時間50分反応
を継続して、単量体混合液約3900gを供給し、反応
液約3900gを回収した。その後、反応液を薄膜蒸発
器に導入して未反応モノマー等の揮発成分を分離して共
重合体の濃縮液約3300gを得た。ガスクロマトグラ
フによる分析の結果、この濃縮液中に未反応モノマーは
存在していなかった。この共重合体につき、テトラヒド
ロフランを溶媒とする液体クロマトグラフにより数平均
分子量及び重量平均分子量を求め、これから多分散度を
算出した。その結果を、共重合体の水酸基濃度と併せて
表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】尚、表1に示す単量体の略号は、以下の意
味である。 HEMA;ヒドロキシエチルメタクリレート HEA ;ヒドロキシエチルアクリレート St ;スチレン
【0041】(2)エステル化反応によるアクリロイル
基の導入 攪拌器、冷却管及び水分離器(ディーンスタークトラッ
プ)を備えたフラスコに、上記工程で得た共重合体50
0g、各共重合体中の水酸基と当モルのアクリル酸、ト
ルエン600g、p−トルエンスルホン酸12g及びハ
イドロキノン0.3gを仕込み、加熱攪拌してトルエン
還流し、水の生成が見られなくなるまで反応を続けた。
このとき、水分離器に除去された水の重量からエステル
化反応の反応率を求めた。その結果を表1に示す。いず
れの参考例においても、反応率ほぼ90%以上という高
い値が得られた。冷却後、反応液に200gの10%N
aOH水溶液を注ぎ、30分間攪拌した。その後、分液
ロートへ反応液を移し、水層を分離して触媒及び未反応
のアクリル酸を反応液から除いた。油相をフラスコに移
し、溶剤を減圧で留去することにより、反応性樹脂A−
1〜A−7を得た。得られた反応性樹脂A−1〜A−7
を100℃で6時間加熱し、加熱安定性について評価し
たところ、樹脂に何ら変化は見られず、加熱安定性に優
れるものであった。
【0042】〔実施例1〜7〕参考例1〜7により得た
反応性樹脂A−1〜A−7に、表2に示す組成割合で反
応性希釈剤、樹脂、光開始剤及び顔料を攪拌混合し、セ
ラミック三本ロールミル(株式会社井上製作所製)で練
肉して、紫外線硬化型インキ組成物を調整した。尚、使
用した物質は以下のとおりである。 M−400;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト(東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM−4
10」) M−210;ビスフェノールAの4モルエチレンオキサ
イド変性ジアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名
「アロニックスM−210」) M−408;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレ
ート(東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM−
408」) DAP樹脂;ジアリルフタレート樹脂(ダイソー株式会
社製、商品名「ダップK」) 光開始剤;下記及びの1:1混合物 2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モ
ルフォリノ−1−プロパノン(チバガイギー株式会社
製、商品名「イルガキュア907」) ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、商品
名「カヤキュアーDETX」) 顔料;シムラー・ファースト・イエロー(大日本インキ
化学工業株式会社製、商品名「GTF235D」)
【0043】〔比較例1〜3〕表2に示す組成物を使用
した以外は、実施例1〜7と同様に紫外線硬化型インキ
組成物を調整した。尚、使用した物質は以下のとおりで
ある。 M−8060;多官能ポリエステルアクリレート(東亞
合成株式会社製、商品名「アロニックスM−806
0」)
【0044】
【表2】
【0045】〔性能評価〕上記実施例1〜6及び比較例
1〜3で調整した組成物及びその硬化膜について、下記
の方法により評価を行った。その結果を表3に示す。
【0046】(1) 顔料分散性 JIS K 5400に準拠して、各組成物をグライン
ドゲージ(25〜2.5μm、太佑機材株式会社製)に
より評価した。
【0047】(2) 硬化性 得られた組成物を、バーコーター#4を用いてコート紙
上に塗布し、下記の条件で紫外線ランプの下に上記塗布
物を繰り返し通過させ、表面からタックがなくなるまで
の通過回数にて評価した。 紫外線照射条件; ランプ:80W/cm集光型高圧水銀ランプ ランプ高さ:10cm コンベアスピード:40m/min 上記硬化性試験において表面のタックがなくなった後、
更に2回紫外線ランプの下を通した硬化膜について、下
記(3) 〜(6) の評価を行った。
【0048】(3) 密着性 得られた硬化膜にカッターナイフによりクロスカットを
入れ、その表面に市販粘着テープ(ニチバン株式会社
製)を圧着させてから剥離したときの硬化膜の状態につ
き、目視により下記の4段階で評価した。 ◎:はがれなし ○:切り傷の交点にわずかな剥がれがある △:切り傷の交点及び線に沿って剥がれがある ×:セロテープを貼った全面が剥がれる
【0049】(4) 鉛筆硬度 JIS K 5400に準拠して測定した。
【0050】(5) 耐溶剤性 アセトンを染み込ませた綿棒を使用して、荷重500
g、毎秒1往復の条件で得られた硬化膜膜の表面をこす
り、硬化膜表面の白化又は剥がれ等の異常が生じるまで
の回数により、下記の4段階で評価した。 ◎:50往復以上で硬化膜に異常無し ○:20往復以上50往復未満で硬化膜に異常発生 △:10往復以上20往復未満で硬化膜に異常発生 ×:10往復未満で硬化膜に異常発生
【0051】(6) 耐磨耗性 得られた硬化膜をコート紙でこすり、コート紙へのイン
キ付着の程度を目視により観察し、下記の3段階で評価
した。 ○:インキが付着しない △:わずかにインキが付着する ×:明らかにインキが付着する 更に、下記の方法により組成物の印刷適性を評価した。
【0052】(7) 印刷適性 RIテスター(株式会社明製作所製)によりインキ組成
物を塗布し、上記の紫外線照射条件にて表面にタックが
なくなってから更に2回紫外線ランプの下を通した硬化
膜について、その表面状態を目視により観察し、下記の
3段階で評価した。 ○:平滑な硬化膜で光沢がある △:少し光沢がある ×:光沢がない
【0053】
【表3】
【0054】上記表3に示すように、実施例1〜7の紫
外線硬化型インキ組成物によると、いずれも顔料分散性
が良く、印刷適性にも優れ、また紫外線硬化性も良好で
あった。更に、これらの組成物の硬化膜は、上記(3) 〜
(6) の各評価項目のいずれについても優れた性能を示し
た。これに対して、反応性希釈剤を使用しない比較例1
は、塗布液の粘度が高すぎるため塗布時において平滑な
塗膜を形成することができず、その硬化膜も光沢のない
ものであった。また、組成物の顔料分散性及び硬化膜の
耐溶剤性においても実施例1〜7の性能には及ばないも
のであった。また、反応性希釈剤と樹脂からなり本発明
の反応性樹脂を含まない組成物を用いた比較例2、及
び、ポリエステルアクリレートと反応性希釈剤とからな
る組成物を用いた比較例3では、硬化膜の密着性が著し
く低下し、組成物の顔料分散性にも劣るものであった。
更に、比較例3では実施例1〜7に比べて印刷適性、鉛
筆硬度、耐溶剤性及び耐磨耗性が低く、しかも組成物の
硬化性が著しく低下し、また顔料分散性にも乏しいこと
が判る。
【0055】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
上記実施例ではオフセット印刷を考慮した組成物とする
ためDAP樹脂を配合したが、印刷方法や印刷目的に応
じて種々の樹脂を配合することができる。例えば、スク
リーン印刷用の組成物とする場合には、このDAP樹脂
に換えてアクリル系樹脂等を用いることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明の組成物は、塗工性及び紫外線硬
化性が良好であり、且つその硬化膜は基材との密着性、
耐溶剤性に優れ、更に高硬度で耐磨耗性及び光沢にも優
れる。従って、紫外線硬化型インキ組成物として極めて
有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個以上の水酸基を有する(メタ)アク
    リレートの1種以上の30重量%以上と、該(メタ)ア
    クリレート以外で1個のエチレン性不飽和基を有する単
    量体の1種類以上の70重量%以下とを、150〜35
    0℃の共重合温度において連続重合して数平均分子量
    1,000〜10,000の共重合体(a)を得、次い
    で、1個以上のエチレン性不飽和基と1個のカルボキシ
    ル基を有する単量体を上記共重合体中の水酸基に対して
    エステル化反応させた反応性樹脂(A)と、 紫外線硬化型単量体の1種以上からなる反応性希釈剤
    (B)と、 光開始剤(C)と、を含有することを特徴とする紫外線
    硬化型インキ組成物。
  2. 【請求項2】 上記1個のエチレン性不飽和基を有する
    単量体の少なくとも1種類はスチレン又はアルキルスチ
    レンであり、上記共重合体中における該スチレン又は該
    アルキルスチレンの共重合割合は20〜60重量%であ
    る請求項1記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  3. 【請求項3】 上記共重合体のガラス転移温度は30℃
    〜120℃である請求項1又は2記載の紫外線硬化型イ
    ンキ組成物。
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