JPH10177845A - Ac方式プラズマディスプレイパネルとその製造方法 - Google Patents

Ac方式プラズマディスプレイパネルとその製造方法

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JPH10177845A
JPH10177845A JP8339687A JP33968796A JPH10177845A JP H10177845 A JPH10177845 A JP H10177845A JP 8339687 A JP8339687 A JP 8339687A JP 33968796 A JP33968796 A JP 33968796A JP H10177845 A JPH10177845 A JP H10177845A
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protective film
display
glass substrate
plasma display
panel
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JP8339687A
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Katsumi Ohira
克己 大平
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体層として可視光に対する透過率が高く、
表面が平滑でピンホールがなく、内部に気泡がなく、か
つ、厚さが全面にわたって均一でありMgO保護膜形成
時に問題とならず、さらにエネルギーコストを低減する
ように焼成工程をなくしたAC方式プラズマディスプレ
イパネルとその製造方法の提供。 【解決手段】保護膜21を形成した誘電体のガラス薄板
20を、アドレス電極12、リブ13、蛍光体14を形
成した背面ガラス基板10上のリブ13と、表示用電極
対70を形成した前面ガラス基板40、との間に挟み込
んで全体を低融点ガラス32でシールし、放電ガス50
を満たしてパネル化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス放電を利用し
た映像表示装置であるAC方式プラズマディスプレイパ
ネルとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、映像表示装置として大型ディスプ
レイが世の中に広まりつつあるが、従来からのCRTデ
ィスプレイはブラウン管の大型化に伴い重厚なものにな
っている。これに対して、電気メーカー数社より薄型で
且つ大画面のディスプレイとしてカラープラズマディス
プレイが発表され市販されてきている。(篠田傳、“A
C方式プラズマディスプレイパネル<シンプルな構造で
低コスト・大型化に期待>”、電子技術、vol.7
(1996)pp.63〜67)等。現状のカラープラ
ズマディスプレイには、DC方式カラープラズマディス
プレイとAC方式カラープラズマディスプレイの2方式
が実用化されている。しかしながら、DC方式カラープ
ラズマディスプレイは放電セルの構造が複雑で生産時の
パネルの歩留りが悪く、大量生産には結びついていな
い。一方、AC方式プラズマディスプレイは放電セルの
構造がシンプルで量産が可能となっている。
【0003】AC方式カラープラズマディスプレイに
は、大きく分けて表示放電を背面ガラス基板と前面ガラ
ス基板の電極間で対向して行う対向放電型パネルと表示
放電を前面ガラス基板40の表示用電極対70で行う3
電極面放電型パネル(図6にパネル構造の概念図を示し
た)の2種類の構造がある。カラー表示に欠かせない蛍
光体14を放電セル51になるべく大きな面積で塗布す
ることが高輝度化と高効率化につながり、また蛍光体を
AC方式表示放電の際のイオン衝撃から保護し劣化を防
ぐことがパネルの長寿命化につながる。3電極面放電型
パネルではAC方式表示放電の際のイオン衝撃を受けな
いように、蛍光体14は前面ガラス基板40には形成さ
れていないが、リブ13と背面ガラス基板10(アドレ
ス電極12上も含む)上に広く塗布されており、蛍光体
劣化のために電極上に塗布できない対向放電型のパネル
に比べて、蛍光体14の表面積が多くなり発光効率の点
で非常に有利になっている(T.Shinodaet.
al.,“Development of Techn
ologiesin Large−Area Colo
r ac Plasma Displays,”SID
1993 pp.161〜164(1993).)。
また、蛍光体14の塗布もリブ13を深い土手として利
用することによりRGBを塗り分けるため混色もなく塗
布できる。対向型のように電極の蛍光体を除く工程も不
要である。さらに、対向型の場合、この蛍光体の残渣が
表示放電の安定性を劣化させてしまう。以上の理由によ
り、現在のところ薄型大画面プラズマディスプレイのう
ちAC方式3電極面放電型カラープラズマディスプレイ
が圧倒的なシェアを誇っている。
【0004】ここで、AC方式3電極面放電型カラープ
ラズマディスプレイの構造と製造方法について、さらに
詳しく図2、図3、図6を参考にしながら説明する。図
2は、従来のAC方式カラープラズマディスプレイのパ
ネル部品製造工程図、図3は、従来のAC方式カラープ
ラズマディスプレイの組立製造工程図、図6は、従来の
AC方式カラープラズマディスプレイのパネル構造を説
明するための概念図である。
【0005】上記3電極面放電型パネルにおいて、高精
細大画面のパネルが長時間にわたり映像をきれいに映し
出すためには、先ず長時間にわたり全セルで安定してア
ドレス用放電ならびに表示用放電を起こさなければなら
ないが、この最大のポイントは、前面ガラス基板40に
形成される誘電体層44と、この誘電体層の上に形成さ
れるMgO保護膜21の膜質とその均一性である。通
常、前面ガラス基板40の上には、まず表示用電極対7
0として透明導電膜ITO41が薄膜技術または厚膜技
術により形成される。つぎに、電圧降下を防ぐためのバ
ス電極42としてCr/Cu/Cr層が薄膜技術により
形成されるか、Agペーストにより厚膜技術により形成
される。さらにこの上に低融点のPbO系ガラス層が厚
膜技術によって透明誘電体層44として塗布焼成され、
この上にMgO保護膜21が薄膜技術によって形成され
る。
【0006】透明誘電体層44の必要特性としては、表
示面側に形成されるので可視光に対する透過率が80%
以上で表面が平滑で且つ内部に気泡がないこと。ピンホ
ールや気泡が無く且つ耐電圧が1KV以上になるように
約30μmの厚さが全面にわたって均一であること。ま
たパネル完成までの熱処理工程において他の部材と反応
せず、ひび割れや変質を起こさないこと、などがあげら
れる。現状では、透明誘電体層44を形成する際に、ス
クリーン印刷により低融点のPbO系ガラスペーストを
塗布し焼成して作成しているが、透明誘電体層44の気
泡およびピンホールをなくすために図2(b)に示すよ
うにスクリーン印刷と530°Cでの焼成を3回繰り返
し透明誘電体層44の厚さを30μmとする方法が知ら
れている(川津喜帆、The 10th intern
ationalMicroelectronics C
onference,Ohmiya(1996).)。
【0007】しかしながら、上記の方法には透明誘電体
層44を形成する工程において3回も530°Cでの焼
成を繰り返しているが、これに伴って前面ガラス基板4
0の熱収縮の問題や表示用透明導電膜41やバス電極4
2の劣化、各部材間(前面ガラス基板40、表示用透明
導電膜41、バス電極42、透明誘電体層44)での熱
拡散による原子の移動に伴って生じる問題などがあっ
た。また、透明誘電体層44を画面全体にわたってピン
ホールや気泡を完全になくし、且つ膜厚を一定にするこ
とは極めて難しく、これによってパネル化した際に場所
によって放電現象にムラが発生するという問題もあっ
た。前記PbO系ガラスペーストの焼成温度特性を、ガ
ラスシール時の温度(450°C)に合わせてあまり低
い温度に設定できないので、530°Cで焼成した際に
粘性が高く、透明誘電体層44表面が十分に平滑になら
ないという問題もあった。焼成温度のムラにより透明誘
電体層44の可視光透過率が場所により変化してしまう
などの問題もあった。勿論、製造工程での手間と焼成に
おける熱エネルギーコストも大きな問題である。
【0008】MgO保護膜21の主な役割は2つある。
1つは、表示放電の際に起こるイオン衝撃による透明誘
電体層44の低融点ガラスに用いられているPbOの分
解によるパネル内部の汚染をなくすために、透明誘電体
層44をイオン衝撃から保護するための耐スパッター性
である。もう1つは、AC方式放電をさせる際の放電開
始電圧の低減のための2次電子放出効率の高さと長時間
点灯後に変質がないこと、放電維持電圧と放電開始電圧
のマージンが適度にとれること、また壁電荷を適切に保
持できること、など放電現象に関する安定性である。こ
のMgO保護膜21に要求される必要特性としては、上
記の役割を担った膜を如何に全体に均一に一様な膜面を
もって透明誘電体層44に形成させるかということであ
る。MgO保護膜21の形成法としてはゾルゲル法やス
クリーン印刷法なども研究されているが、実用化に達し
ているのは電子ビーム(EB)蒸着法である。また、M
gO保護膜の代替としてLa2 3 またはCeO2 など
の薄膜を用いることが検討されているが現状では実用化
されていない。
【0009】しかしながら、現状のEB蒸着法でMgO
保護膜を500nm程度、画面全体に均一でかつ一様に
成膜しようと如何に努力しても、蒸着されるべき基板と
なる透明誘電体層が画面全体に均一でかつ一様に安定し
て平滑でなければ、透明誘電体層の表面に形成されたM
gO保護膜自体にピンホールや亀裂を生じてしまい、耐
スパッター性が損なわれる個所が発生してパネルが汚染
されたり放電現象が安定しない箇所が生じるという問題
点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点に着目してなされたものであり、誘電体層とし
て可視光に対する透過率が高く、表面が平滑でピンホー
ルがなく、内部に気泡がなく、かつ、耐電圧が1KV以
上になるような厚さが全面にわたって均一でありMgO
保護膜形成時に問題とならず、さらにエネルギーコスト
を低減するように焼成工程をなくしたプラズマディスプ
レイパネル、特にはAC方式プラズマディスプレイパネ
ルとその製造方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
背面ガラス基板上にアドレス電極、リブ、蛍光体を設
け、これと対向させて保護膜を有する誘電体を介して表
示用電極対を配置したAC方式プラズマディスプレイパ
ネルにおいて、保護膜を有する誘電体として保護膜を形
成したガラス薄板を用いることを特徴とするAC方式プ
ラズマディスプレイパネルである。
【0012】また、第2の発明は、第1の発明におい
て、前記ガラス薄板として、着色ガラスを用いることを
特徴とするAC方式プラズマディスプレイパネルであ
る。
【0013】さらにまた、第3の発明は、第1の発明に
おいて、前記ガラス薄板として、複数枚のガラスを用い
ることを特徴とするAC方式プラズマディスプレイパネ
ルである。
【0014】さらにまた、第1、第2、または第3の発
明のAC方式プラズマディスプレイパネルにおいて、保
護膜を形成した誘電体のガラス薄板を、アドレス電極、
リブ、蛍光体を形成した背面ガラス基板上のリブと、表
示用電極対を形成した前面ガラス基板、との間に挟み込
んで、全体を低融点ガラスにてシールし、放電ガスを満
たしてパネル化することを特徴とするAC方式プラズマ
ディスプレイパネルの製造方法である。
【0015】さらにまた、第1、第2、または第3の発
明のAC方式プラズマディスプレイパネルにおいて、保
護膜を形成した誘電体のガラス薄板を、アドレス電極、
リブ、蛍光体を形成した背面ガラス基板上のリブと密着
させて低融点ガラスにてシールし、放電ガスを満たした
後に、前記ガラス薄板と表示用電極対を形成した前面ガ
ラス基板とを接着剤により貼り合わせてパネル化するこ
とを特徴とするAC方式プラズマディスプレイの製造方
法である。
【0016】上記のように本発明によれば、保護膜を有
する誘電体として保護膜を形成したガラス薄膜を用いる
ので、画面全体にわたってピンホールや気泡を完全に除
去しかつ膜厚を一定にすることが可能となる。
【0017】また、保護膜を形成した誘電体のガラス薄
板を、アドレス電極、リブ、蛍光体を形成した背面ガラ
ス基板上のリブと、表示用電極対を形成した前面ガラス
基板との間に挟み込んで、全体を低融点ガラスにてシー
ルし、放電ガスを満たしてパネル化するので、誘電体層
を形成する工程での熱処理工程が不要になる。
【0018】これに伴って従来の工程で問題となった前
面ガラス基板の熱収縮の問題や表示用透明導電膜、バス
電極等の各種電極の劣化や前面ガラス基板、表示用透明
導電膜、バス電極、透明誘電体層等の各部材間での熱拡
散による原子の移動に伴って生じる問題が解消する。さ
らに焼成温度のムラにより誘電体層の可視光透過率が場
所により変化してしまうという問題もなくなり、勿論、
製造工程上の手間と焼成における熱エネルギーコストも
不要となる。
【0019】さらに、現状のEB蒸着法でMgO保護膜
を500nm程度、画面全体に均一でかつ一様に成膜し
ようと如何に努力しても、蒸着さるべき基板となる誘電
体層をガラス基板に代替したので、画面全体に均一でか
つ一様に安定して平滑であるため、ガラス基板の表面に
形成されたMgO保護膜にもピンホールや亀裂を生じる
ことなく、耐スパッター性が損なわれる個所がほとんど
皆無となりパネルが汚染されたり、放電現象が安定しな
い個所が生じることもほとんどなくなる。
【0020】さらに、保護膜を形成した誘電体のガラス
薄板を、アドレス電極、リブ、蛍光体を形成した背面ガ
ラス基板上のリブと密着させて低融点ガラスにてシール
し、放電ガスを満たしてチップオフするため、この段階
でガス放電パネルとしての機密性が達成される。
【0021】これに伴い、これ以後の工程では低融点シ
ールガラスなどを使用して放電ガスの安定化のための気
密性とは関係なくパネルを作製できることになる。背面
ガラス基板10にアドレス電極12、リブ13、蛍光体
14をそれぞれ形成させた部品Aと、ガラス薄板の上に
MgO保護膜21を形成させた部品Cとの封着体と、表
示用電極対70を形成させた前面ガラス基板40の部品
Dは常温で接着剤により貼り合わせてパネル化する。従
って、例えば電磁波シールド用透明導電膜71や反射防
止膜72を予め前面ガラス基板40の部品Dに形成して
おくことも容易である。また、真空封止の必要も無くな
るので表示用透明導電膜41やバス電極42の材料の選
定の幅が拡がる。さらに、有機顔料のカラーフィルター
も使用することが可能となる(図8参照)。
【0022】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明を詳細に
説明する。AC方式プラズマディスプレイパネルにおい
て、誘電体層をガラスペーストの印刷焼成により形成せ
ず、ガラスの薄板とし、この薄板のMgO保護膜を成膜
する。このガラス薄板は、パネル化した際の可視光の透
過率が良く、平滑であり、厚さが一定であこと、および
後工程での熱サイクルでの損傷がないようにMgO保護
膜の膨張率を合わせておくことが肝要である。
【0023】〈実施例1〉保護膜を形成した誘電体のガ
ラス薄板を、アドレス電極、リブ、蛍光体を形成した背
面ガラス基板上のリブと表示用電極対を形成した前面ガ
ラス基板との間に挟み込んで、全体を低融点ガラスにて
シールし、放電ガスを満たしてパネル化する製造方法に
より、21インチAC方式3電極面放電型カラープラズ
マディスプレイパネルを作製した。
【0024】このパネルの概略の構造は図7に示す通り
である。先ず、図1(a)に示す工程にしたがい、厚さ
3mmの背面ガラス基板10にアドレス電極12、リブ
13、蛍光体14(3色‥赤色発光蛍光体 14R、青
色発光蛍光体 14B、緑色発光蛍光体 14G)を、
それぞれスクリーン印刷法により形成させた(部品Aと
する)。この部品Aの一部を図9に示す。アドレス電極
12とリブ13のピッチはいずれも0.22mmであ
り、蛍光体14R、14B、14Gのピッチはいずれも
0.66mmである。
【0025】つぎに、図1(c)に示す工程にしたが
い、厚さ30μmのガラス薄板20の上にMgO保護膜
21を形成させた(部品Cとする)。この部品Cの一部
を図10に示す。MgO保護膜21は画面全体を覆う面
積で電子線蒸着法によりガラス薄板20上に形成され
る。
【0026】つぎに、図1(d)に示す工程にしたが
い、厚さ3mmの前面ガラス基板40上に表示用電極対
を形成させた(部品Dとする)。なお、41は表示用透
明導電膜、透明導電膜ITOを示し、42はバス電極、
Cr/Cu/Cr層を示す。この部品Dの一部を図11
に示す。なお、ここでの工程は真空蒸着法とフォトリソ
法によるエッチングでのパターン形成法を使用した。ま
た、表示用透明導電膜41とバス電極42はXnとYn
の表示用電極対70となっており、表示放電の際にこの
一対のXnとYnにAC放電がなされて蛍光体14が発
光する。この表示用電極対70のピッチは0.66mm
である。また映像表示の際に画像をコントラスト良く見
せるためのブラックストライプ43を表示用電極対70
の境目、すなわち画素の境目に形成した。このピッチも
0.66mmである。
【0027】最後に図4に示す工程にしたがい、各部品
を位置合わせしてパネル化した。すなわち、MgO保護
膜21を形成したガラス薄板20を、アドレス電極1
2、リブ13、蛍光体14を形成した背面ガラス基板1
0上のリブ13′と表示用電極対70を形成した前面ガ
ラス基板40との間に挟み込んで全体を低融点ガラス3
2にてシールし、放電ガス50を満たしてパネル化す
る。図13から分かるように、部品A、C、D間の位置
精度は必要なく、各シール工程での位置合わせが楽であ
ることから、ブラックストライプ43を前面ガラス基板
40に形成して背面ガラス基板10の黒色リブ頂上部1
3′といわゆるブラックマトリックスを形成することが
でき、画面がシャープになった。
【0028】〈実施例2〉保護膜を形成した誘電体のガ
ラス薄板を、アドレス電極、リブ、蛍光体を形成した背
面ガラス基板上のリブと密着させて低融点ガラスにてシ
ールし、放電ガスを満たした後に、前記ガラス薄板と表
示用電極対を形成した前面ガラス基板とを接着剤により
貼り合わせてパネル化するという製造方法により、21
インチAC方式3電極面放電型カラープラズマディスプ
レイパネルを作製した。
【0029】このパネルの概略の構造は図8に示す通り
である。先ず、実施例1と同様に図1(a)に示す工程
にしたがい、厚さ3mmの背面ガラス基板10にアドレ
ス電極12、リブ13、蛍光体14(3色‥14R、1
4B、14G)を、それぞれスクリーン印刷法により形
成させ、部品Aとした。この部品Aの一部を図9に示
す。アドレス電極12とリブ13のピッチはいずれも
0.22mmであり、蛍光体14R、14B、14Gの
ピッチはいずれも0.66mmである。
【0030】つぎに、実施例1と同様に図1(c)に示
す工程にしたがい、厚さ30μmのガラス薄板20の上
にMgO保護膜21を形成させ、部品Cとした。この部
品Cの一部を図10に示す。MgO保護膜21は画面全
体を覆う面積で電子線蒸着法によりガラス薄板20上に
形成される。
【0031】つぎに、実施例1と同様に図1(d)に示
す工程にしたがい、厚さ3mmの前面ガラス基板40上
に表示用電極対を形成させ、部品Dとした。この部品D
の一部を図12に示す。なお、ここでの工程は真空蒸着
法とフォトリソ法によるエッチングでのパターン形成法
を使用した。また、表示用透明導電膜41とバス電極4
2はXnとYnの表示用電極対70となっており、表示
放電の際にこの一対のXnとYnにAC放電がなされて
蛍光体14が発光する。この表示用電極対70のピッチ
は0.66mmである。また映像表示の際に画像をコン
トラスト良く見せるためのブラックストライプ43を表
示用電極対70の境目、すなわち画素の境目に形成し
た。このピッチも0.66mmである。
【0032】ここでは後工程が常温なので、前面ガラス
基板40の表示用透明導電膜41やバス電極42を形成
させてない方の面に、電磁波シールド用透明導電膜71
や反射防止膜72を予め形成し、電磁波による障害を抑
える対策や外光の画面への映り込み対策の工夫を施し
た。
【0033】最後に、図5に示す工程にしたがい、各部
品を位置合わせしパネル化した。すなわち、MgO保護
膜21を形成したガラス薄板20を、アドレス電極1
2、リブ13、蛍光体14を形成した背面ガラス基板1
0上のリブ13′と密着させて低融点ガラス32にてシ
ールし、放電ガス50を満たしてチップオフした。この
段階でガス放電パネルとしての気密性が達成された。
【0034】部品Aと部品Cの封着体と、表示用電極対
70を形成させた前面ガラス基板40の部品Dは常温で
接着剤を用いて貼り合わせてパネル化する。図13から
分かるように、部品A、C、D間の位置精度は必要な
く、各シール工程での位置合わせが楽であることから、
ブラックストライプ43を前面ガラス基板40に形成し
て背面ガラス基板10の黒色リブ頂上部13′といわゆ
るブラックマトリックスを形成することができ、画面が
シャープになった。
【0035】このようにして作製した2種類のカラープ
ラズマディスプレイパネルを、従来のAC方式3電極面
放電型カラープラズマディスプレイパネルの点灯方式に
より映像表示点灯させて放電現象の安定性を評価した。
【0036】〈実施例1の評価結果〉作製したパネルを
点灯したところ21インチの画面全体にわたり、画像の
ちらつきがなくなった。市販のパネルでは平均10個程
度の誤放電表示があったが、このパネルでは3個に減少
した。
【0037】〈実施例2の評価結果〉作製したパネルを
点灯したところ21インチの画面全体にわたり、画面の
ちらつきがなくなった。市販のパネルでは平均10個程
度の誤放電表示があったが、このパネルでは5個に減少
した。また、反射防止膜により画面への外光の映り込み
が減った。
【0038】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、AC方式
カラープラズマディスプレイパネルの前面基板側の最大
のポイントとなるMgO保護膜が大画面にわたって均一
に形成できるようになったので、パネルの映像表示の際
に極めて安定したガス放電による綺麗で欠陥のない映像
を得ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAC方式カラープラズマディスプレイ
の部品製造工程の一例を示す工程図で、(a)は背面ガ
ラス基板の工程図、(c)は本発明のガラス薄板の工程
図、(d)は前面ガラス基板の工程図である。
【図2】従来のAC方式カラープラズマディスプレイの
部品製造工程の一例を示す工程図で、(a)は背面ガラ
ス基板の工程図、(b)は従来法による前面ガラス基板
の工程図である。
【図3】従来のAC方式カラープラズマディスプレイの
パネル組立製造工程の一例を示す工程図である。
【図4】本発明のAC方式カラープラズマディスプレイ
のパネル組立製造工程の一例(実施例1)を示す工程図
である。
【図5】本発明のAC方式カラープラズマディスプレイ
のパネル組立製造工程の別の一例(実施例2)を示す工
程図である。
【図6】従来の3電極面放電型AC方式カラープラズマ
ディスプレイのパネル構造を説明するための概念図で1
画素分のみ示す。(a)はパネルの断面図であり、
(b)は画面の正面図である。
【図7】本発明の3電極面放電型AC方式カラープラズ
マディスプレイのパネル構造(実施例1)を説明するた
めの概念図で1画素分のみ示す。(a)はパネルの断面
図であり、(b)は画面の正面図である。
【図8】本発明の別の3電極面放電型AC方式カラープ
ラズマディスプレイのパネル構造(実施例2)を説明す
るための概念図で1画素分のみ示す。(a)はパネルの
断面図であり、(b)は画面の正面図である。
【図9】本発明の部品Aの一部を示す説明図で、(a)
は部品Aの正面図であり、(b)は線分X−X′におけ
る断面図である。
【図10】本発明の部品Cの一部を示す説明図で、
(a)は部品Cの正面図であり、(b)は線分X−X′
における断面図である。
【図11】本発明の部品D(実施例1)の一部を示す説
明図で、(a)は部品Dの正面図であり、(b)は線分
X−X′における断面図である。
【図12】本発明の別の部品D(実施例2)の一部を示
す説明図で、(a)は別の部品Dの正面図であり、
(b)は線分X−X′における断面図である。
【図13】本発明のパネル完成後の説明図で、(a)は
正面図、(b)はパネルの単セルを示し、(c)は単位
画素を示す。
【符号の説明】
10‥‥背面ガラス基板 12‥‥アドレス電極 13‥‥リブ、リブ頂上部 13′‥リブ、黒色リブ頂上部 14‥‥蛍光体 14R‥赤色発光蛍光体 14B‥青色発光蛍光体 14G‥緑色発光蛍光体 20‥‥ガラス薄板 21‥‥保護膜、MgO保護膜 32‥‥低融点ガラス 40‥‥前面ガラス基板 41‥‥表示用透明導電膜、透明導電膜ITO 42‥‥バス電極、Cr/Cu/Cr層 43‥‥ブラックストライプ 44‥‥透明誘電体層、低融点のPbO系ガラス層 50‥‥放電ガス 51‥‥放電セル 70‥‥表示用電極対 71‥‥電磁波シールド用透明導電膜 72‥‥反射防止膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】背面ガラス基板上にアドレス電極、リブ、
    蛍光体を設け、これと対向させて保護膜を有する誘電体
    を介して表示用電極対を配置したAC方式プラズマディ
    スプレイパネルにおいて、保護膜を有する誘電体として
    保護膜を形成したガラス薄板を用いることを特徴とする
    AC方式プラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】前記ガラス薄板として、着色ガラスを用い
    ることを特徴とする請求項1記載のAC方式プラズマデ
    ィスプレイパネル。
  3. 【請求項3】前記ガラス薄板として、複数枚のガラスを
    用いることを特徴とする請求項1または2記載のAC方
    式プラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載のAC方式プラ
    ズマディスプレイパネルにおいて、保護膜を形成した誘
    電体のガラス薄板を、アドレス電極、リブ、蛍光体を形
    成した背面ガラス基板上のリブと、表示用電極対を形成
    した前面ガラス基板、との間に挟み込んで、全体を低融
    点ガラスにてシールし、放電ガスを満たしてパネル化す
    ることを特徴とするAC方式プラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2または3記載のAC方式プラ
    ズマディスプレイパネルにおいて、保護膜を形成した誘
    電体のガラス薄板を、アドレス電極、リブ、蛍光体を形
    成した背面ガラス基板上のリブと密着させて低融点ガラ
    スにてシールし、放電ガスを満たした後に、前記ガラス
    薄板と表示用電極対を形成した前面ガラス基板とを接着
    剤により貼り合わせてパネル化することを特徴とするA
    C方式プラズマディスプレイの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6538381B1 (en) * 1999-03-30 2003-03-25 Nec Corporation Plasma display panel and method for manufacturing the same
JP2012074184A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネル及びその製造方法

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